JP2006220887A - プリント配線板保護のためのドライフィルムレジスト用感光性組成物、ドライフィルムレジストおよびプリント配線板 - Google Patents

プリント配線板保護のためのドライフィルムレジスト用感光性組成物、ドライフィルムレジストおよびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚の均一な感光層を容易に形成することが可能なプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物およびそれを用いたドライフィルムレジストを提供する。
【解決手段】一般式(1)
【化1】
Figure 2006220887

(式中の記号は明細書に記載の通り)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)、およびビフェノール型エポキシ樹脂(C)、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂を含むプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物、その組成物からなるドライフィルムレジストおよびプリント配線板。
【選択図】なし

Description

本発明はプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物に関する。さらに詳しく言えば、膜厚の均一な感光層を容易に形成することが可能なプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物、それより得られるプリント配線板保護膜用ドライフィルムレジストおよびプリント配線板に関するものである。
プリント配線板の製造においては、導電性回路の保護や導体間の絶縁性保持のために、導体回路の表面上に保護膜(以下、「永久保護膜」ということがある。)を形成することが行われている。このような保護膜の形成には、感光性組成物の溶液もしくは分散液からなる液状レジストや、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持フィルム上に感光層と、感光層を保護するために感光層上に設けられたポリエチレンフィルム等の保護フィルムとからなる感光性ドライフィルムレジストが用いられている。
感光性ドライフィルムレジストの製造は、通常、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持フィルム上に、感光性組成物の溶液または分散液を塗布し、これを熱風乾燥することで感光層を形成し、ついで保護フィルムを貼合することで行われる。このように製造された感光性ドライフィルムレジストは、使用時には保護フィルムを剥離し、熱ロール等により感光層と導体回路パターンを有するプリント基板へラミネートされる。ここで感光層の膜厚が不均一であると、感光層の導体回路パターンへの追従が不十分となる、あるいはラミネート時に気泡が残留するなどにより感光層の密着不良の原因となる。その結果、プリント配線板内への水分の浸入や甚だしい場合には保護膜の剥離を引き起こし、絶縁特性の低下や回路の短絡などをもたらすことなる。
この膜厚の不均一性に起因する問題を解決するにはドライフィルムのラミネート時の温度を高くする、可塑剤等の添加によりドライフィルムの軟化温度を低くするなどの方法がある。しかし前者を永久保護膜用のドライフィルムに適用した場合、エッチングレジストとは異なり永久保護膜用のドライフィルムは熱硬化を起こす成分を含有しているため、高温への暴露で劣化が進行し、現像性の低下などが起こることがある。また後者では一般に耐熱性の低下を伴うため、耐熱性を要求されないエッチングレジストと異なり、はんだ耐熱が要求される永久保護膜用のドライフィルムレジストには好ましくない。
感光性ドライフィルムの他の問題としては、以下のようなものがある。すなわちドライフィルムの感光層を導体回路を有する基板に積層する場合、導体回路パターン間などへ気泡を巻き込むことがある。その結果、プリント配線板内への水分の浸入や甚だしい場合には保護膜の剥離を引き起こし、永久保護膜として使用した場合には絶縁特性の低下や回路の短絡などをもたらすことなる。
なお前記ラミネート時の気泡残留を低減することを目的として、特許文献1(特開2000−147755号公報)のように保護フィルムとしてエンボス加工等の微細な凹凸を有するものを用いて、感光層に気泡の通路となる微細な凹凸を転写させることも行われている。この場合、感光層の膜厚が不均一であると、感光層へのエンボスの転写が不良となり、気泡残留を低減する効果が十分に発揮できなくなることがある。その結果、プリント配線板内への水分の浸入や甚だしい場合には保護膜の剥離を引き起こし、絶縁特性の低下や回路の短絡などをもたらすことなる。
これを解決するために、ドライフィルム製造時に保護フィルムと感光層の積層を高温で行う方法、あるいは可塑剤等の添加により感光層の軟化温度あるいは硬度を低下させる方法などにより前記凹凸の転写を充分に行うことが可能である。しかし前記同様に、前者を永久保護膜用のドライフィルムに適用した場合、エッチングレジストとは異なり永久保護膜用のドライフィルムは熱硬化を起こす成分を含有しているため、高温への暴露で劣化が進行し、現像性の低下などが起こることがある。また後者では一般に耐熱性の低下を伴うため、耐熱性を要求されないエッチングレジストと異なり、はんだ耐熱が要求される永久保護膜用のドライフィルムレジストには好ましくない。
一方、永久保護膜形成用の液状レジストとして、特許文献2(特開平8−134390号公報)には特定の構造を有するエポキシアクリレートとエポキシ樹脂からなる組成物が開示されており、耐熱性等に優れることが記載されている。しかしながらこの組成物においてエポキシ樹脂として特許文献2の実施例に記載されたノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いてドライフィルムレジストを製造すると、膜厚が不均一となることで前記問題が発生し、前記特定構造を有するエポキシアクリレートが有する本来の性能を発揮できないことがある。
特開2000−147755号公報 特開平8−134390号公報
本発明は、膜厚の均一な感光層を容易に形成することが可能な永久保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物およびそれより得られる、プリント配線板の製造に適した、永久保護膜の形成に好適なドライフィルムレジストを提供することにある。
本発明者は特定のカルボキシル基を有する光硬化性樹脂およびエポキシ樹脂を主成分とするプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用の組成物において、エポキシ樹脂として特定の化合物を使用することにより上記課題が解決可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の1〜9に示すプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物、プリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物から形成されるプリント配線板保護膜用ドライフィルムレジスト及びそのプリント配線板保護膜を有するプリント配線板に関する。
1.一般式(1)
Figure 2006220887
(式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)、およびビフェノール型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂からなる群の中から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂(C)を含むことを特徴とするプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
2.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の酸価が、20〜200mgKOH/gである前記1記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
3.さらに、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)を含む前記1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
4.さらに、硬化反応触媒(E)を含む前記1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
5.感光性組成物中における硬化反応触媒(E)の含有量が1.0質量%未満である前記4記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
6.Xがメチレン基である前記1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
7.前記1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物からなるドライフィルムレジスト。
8.(I)支持フィルム、(II)前記1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物から形成される感光層、および(III)保護フィルムを積層してなるプリント配線板保護膜用ドライフィルムレジスト。
9.前記1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物から形成される層を有するプリント配線板。
本発明のドライフィルムレジスト用感光性組成物は、膜厚の均一な感光層を容易に形成することが可能であり、これより得られるドライフィルムレジストはプリント配線板保護膜の形成に好適で、プリント配線板の製造に適している。
本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂は、一般式(1)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである。
Figure 2006220887
前記一般式(1)において、nは1〜10の整数である。
前記一般式(1)において、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、スルホニル基、単結合の中から選ばれ、好ましくはメチレン基またはイソプロピリデン基であり、最も好ましくはメチレン基である。
また前記一般式(1)において、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基の中から選ばれ、n=1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基であり、nが2以上の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基である。
本発明における不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、1分子中に1個のカルボキシル基と1個以上の不飽和基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、単独あるいは複数を併用することができる。これらのうち好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸であり、最も好ましくはアクリル酸である。
前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、不飽和基含有モノカルボン酸(b)が0.8〜1.2当量となる比率で反応させることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.0当量である。
エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、通常有機溶剤中で行われる。ここで使用される有機溶剤としては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
また前記反応は触媒の存在下に行うことも可能であり、触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等を使用することができる。
前記触媒の使用量は、通常エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である。反応中の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられ、その使用量は、エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部である。反応温度は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃である。
本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の製造に用いられる多塩基酸無水物(c)としては、1分子中に1以上の酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらは単独でも使用しても良く、また複数を併用して良い。これらのうち好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸であり、最も好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸である。
本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の製造における多塩基酸無水物(c)の反応は、前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応に用いたものと同様の溶媒中において、通常60〜120℃の温度範囲において行われる。多塩基酸無水物(c)の使用量は、前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物中の水酸基1当量に対して、通常0.1〜2.0当量の範囲であり、多塩基酸無水物(c)の使用量を変化させることにより、(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の酸価を調整できる。このようにして得られる本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の酸価は20〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が20mgKOH/g未満では光硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下し、200mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。
本発明で使用される(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の他の好ましい具体例としては、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、及び不飽和ヒドロキシ化合物(g)を反応させて得られるものが挙げられ、好ましくはカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
本発明で用いられるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましい製造方法としては、前記(d)、(e)、(f)及び(g)全成分を一括混合して反応させる方法、前記(d)、(e)及び(f)を反応させて1分子あたり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成させた後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと前記(g)成分を反応させる方法等が挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸(d)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基と1以上のカルボキシル基を有する化合物であり、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸などが挙げられる。またポリヒドロキシカルボン酸(d)の他の例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンのポリプロポキシトリオール、トリメチロールプロパンのポリエトキシトリオール、ペンタエリスリトールのポリプロポキシテトラオール、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン変性物などの3官能以上のポリオール化合物のヒドロキシル基1当量に対して、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの多塩基酸無水物を、酸無水物基で0.25〜0.5当量反応させた化合物等を挙げることができる。これらポリヒドロキシカルボン酸(d)の中でも、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸が好ましい。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用されるポリオール(e)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価アルコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどが挙げられる。
ポリオール(e)の他の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
これらのポリマーポリオールは、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ジオール及びポリラクトン系ジオールの中から一種類または複数種類を組み合わせて使用することができる。また、これらポリマーポリオールは、その分子中にカルボキシル基を有していてもよい。これらのポリマーポリオールの数平均分子量は、可撓性の面から200〜2000であるものが好ましい。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用されるポリイソシアナート(f)としては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナート及び1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上用いることができる。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用される不飽和ヒドロキシ化合物(g)は、1分子中に1以上のヒドロキシル基と1以上の不飽和結合を有する化合物であり、公知のものが使用できる。不飽和ヒドロキシ化合物(g)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(g)は1種または2種以上用いることができる。これらのうち2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明の感光性組成物中における(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の含有量は、通常5〜60質量%であり、好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは15〜40質量%、最も好ましくは15〜30質量%である。(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の含有量が5質量%未満では感光性組成物の粘度が低下し、(II)感光層の形成時に均一な塗膜が形成されないことがあり、また60質量%を超えると感光性組成物の粘度が高くなりすぎ、(II)感光層の厚さを制御することが困難となる場合がある。
また本発明における(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の使用量は、本発明のドライフィルムの(II)感光層中において10〜90質量%となることが好ましく、さらに好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは25〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の使用量が10質量%未満あるいは90質量%を超える場合には、(II)感光層の硬化が不十分となり耐熱性が低下する。
本発明に用いられる(B)光重合開始剤は、紫外線等の放射線の照射により不飽和結合を有する化合物の重合を開始することが可能な化合物であり、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンジルジメチルケタール類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのα−アミノケトン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン類、9,10−フェナンスレンキノン等を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて光増感剤を併用することができる。
これらの(B)光重合開始剤のうちでは、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール類、アシルホスフィンオキサイド類、α−アミノケトン類、α−ヒドロキシケトン類が好ましく、特に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンが、波長吸収効率が高く、高活性であるため好ましい。
これらの(B)光重合開始剤の配合量は、本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物中0.1〜15質量%であり、好ましくは1.0〜10質量%であり、特に好ましくは2.0〜8.0質量%である。(B)光重合開始剤の配合量が0.1質量%未満であると、本発明の感光性組成物より形成される(II)感光層の硬化が不十分となる場合がある。
また(B)光重合開始剤の配合量は、本発明の(II)感光層中0.1〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜20質量%であり、特に好ましくは2.0〜15質量%である。(B)光重合開始剤の配合量が0.1質量%未満であると、(II)感光層の硬化が不十分となる場合がある。
本発明の(C)ビフェノール型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂からなる群の中から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂は、4,4’−ビフェノール等のビフェノール化合物、イソシアヌル酸等の複素環化合物あるいはビスフェノールSに対しクロロメチルオキシラン等によりエポキシ基を導入した化合物である。本発明において(C)としてこれら以外のエポキシ樹脂を使用した場合には、感光層の膜厚が不均一となりやすくなる。また感光層へのエンボスの転写不良が起こりやすくなり、ラミネート時における気泡残留を低減する効果が小さくなる。
本発明の(C)として使用できるビフェノール型エポキシ樹脂は、下記一般式(2)で表される。
Figure 2006220887
前記一般式(2)において、Rは水素原子、メチル基およびエチル基の中から選ばれ、好ましくは水素原子およびメチル基の中から選ばれる。また前記一般式(2)において、mは0または1〜10の整数であり、好ましくは0または1〜5の整数である。
また本発明の(C)として使用できる複素環型エポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルシアヌレート、ジグリシジルシアヌレート等が例示される。
さらに本発明の(C)として使用できるビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また本発明のビフェノール型エポキシ樹脂は、市販のものが使用でき、具体例としては、エピコートYL6121H、エピコートYX4000、エピコートYX4000H、エピコートYL6056、エピコートYL6640、エピコートYL6677(いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)などが例示される。これらは単独で使用しても良く、複数を併用してもよい。
また本発明の複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、市販のものが使用でき、複素環型エポキシ樹脂としては、TEPIC−G、TEPIC−P、TEPIC−S、TEPIC−SP(いずれも日産化学(株)製、トリグリシジルイソシアヌレート)などが、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、エピクロンEXA−1514(大日本インキ(株)製)などが例示される。
本発明の感光性組成物における(C)ビフェノール型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂からなる群の中から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂の含有量は、通常1〜50質量%であり、好ましくは3〜30質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。(C)の使用量が1質量%未満ではプリント配線板保護膜を形成した後の耐熱性が低下することがあり、50質量%を超えると現像性や保存安定性が低下することがある。
また本発明の(II)感光層中における(C)ビフェノール型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂からなる郡の中から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂の含有量は、通常1〜70質量%であり、好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。(C)の使用量が1質量%未満では感光層より形成されるプリント配線板保護膜の耐熱性が低下することがあり、70質量%を超えると現像性や保存安定性が低下することがある。
本発明においては、その趣旨を損なわない範囲で前記(C)以外のエポキシ樹脂を使用することもできる。これらのエポキシ樹脂としては、フェノール類またはアルコール類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、二重結合の酸化によって得られる内部エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの詳細については、例えば新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社1987発行)に記載されている。また(C)以外のエポキシ樹脂としては、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の臭素化エポキシ樹脂を使用することもできる。
本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物は、前記(A)〜(C)に加え、さらに(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーを含有することが好ましい。これらは感光性組成物の粘度を調整したり、感光性組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調整する目的で添加される。(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーは、前記(B)光重合開始剤により重合を行う化合物であれば特に制限は無く、公知のものを単独で、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。
(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニールアシッドホスフェート等のリン原子を有するメタクリレートなどのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーとしては、ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート等も使用できる。
これらのうち好ましいものとしては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートである。
これら(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーの使用量は、本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物中において、通常0.1〜20質量%であり、好ましくは1.0〜15質量%であり、特に好ましくは2.0〜10質量%である。
また本発明のドライフィルムレジストの(II)感光層中において、前記(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーの使用量は、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは1.0〜20質量%であり、特に好ましくは3.0〜15質量%である。
本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物は、さらに(E)硬化反応触媒を含有してもよい。(E)硬化反応触媒は、エポキシ基同士の反応またはエポキシ基とカルボキシル基との反応を促進する化合物であり、公知のものを使用することができる。
(E)硬化反応触媒の具体例としては、アミン類、窒素含有複素環化合物、アンモニウム塩、及びポリアミド類が挙げられる。アミン類としては、脂肪族及び芳香族の第一、第二、第三級アミンが挙げられる。
脂肪族アミンのうち第一級または第二級アミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)スピロ−2,4,8,10−テトラオキサウンデカンが挙げられる。
脂肪族アミンのうち第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。
芳香族アミンの例としてはメタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、m−アミノフェノールが挙げられる。
またアミン類の他の例としては、テトラメチルグアニジン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体が挙げられる。
窒素含有複素環化合物としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン等のピリジン類;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート等のイミダゾール類;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン類;1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどが例示される。
また、窒素含有複素環化合物の他の例としてトリアジン化合物が挙げられる。具体的にはメラミン、N−エチレンメラミン、N,N′,N′′−トリフェニルメラミン、ヘキサ(N−メチル)メラミン等のメラミン類;、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N′−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等のシアヌル酸類が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩類が例示される。
ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一及び第二アミノ基を有するポリアミノアミドが挙げられる。
これらのうち好ましくは窒素含有複素環化合物であり、特に好ましくはイミダゾール類およびトリアジン化合物である。
これら硬化反応触媒の使用量は、本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物中において、通常1.0質量%未満であり、好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%、最も好ましくは0.4質量%以下である。
またこれら硬化反応触媒の使用量は、本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジストの(II)感光層中において、通常1.0質量%未満であり、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%、よりさらに好ましくは0.6質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.4質量%以下である。1.0質量%を超えて添加しても更なる効果は見られず、分散不良を起こし硬化後の感光層中にピンホール等の欠陥を発生させることがある。
本発明の感光性組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造できる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもよい。また、感光性組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒を添加して使用してもよい。このようにして粘度を調節することによって、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコートなどで対象物上に塗布することが容易となる。有機溶媒としては、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カルビトール系およびそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族系および脂環族系等の溶媒等が挙げられる。1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物におけるこれら有機溶剤の含有量は、通常10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%であり、最も好ましくは35〜60質量%である。
なお本発明の感光性組成物には必要に応じて、熱重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等の添加剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。消泡剤は、塗工時および硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。レベリング剤は、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
また本発明の感光性組成物には、無機あるいは有機充填剤を添加することもできる。無機充填剤の具体例としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸塩化合物等が挙げられる。有機充填剤の具体例としては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。
本発明のドライフィルムは、重合体フィルムなどからなる(I)支持フィルム上に、前記本発明の感光性組成物から形成される(II)感光層を任意の方法により形成させたものであり、前記感光層上には必要に応じて(III)保護フィルムをさらに形成させることも可能である。
本発明で使用される(I)支持フィルムは、任意の重合体フィルムから形成され、単一の層であってもよく、また複数の重合体フィルムを積層した多層フィルムであってもよい。(I)支持フィルムを構成する重合体フィルムとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。またこれら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。さらに支持フィルムはコロナ処理等の各種処理が行われたものであってもかまわない。(I)支持フィルムの厚さは、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜50μmの範囲、特に好ましくは15〜30μmの範囲である。
これら重合体フィルムは市販のものを使用することができ、具体的には、帝人(株)製高透明フィルムGSシリーズ、ダイアホイルヘキスト(株)製Rシリーズ、デュポン(株)製マイラーDシリーズ、東レ(株)製Tシリーズ、FBシリーズ等のポリエチレンテレフタレートフィルム、日本合成化学工業(株)製ビニロンフィルム等が挙げられる。
本発明のドライフィルムレジストにおける(II)感光層は、前記本発明のドライフィルム形成用感光性組成物から任意の方法により形成されるものであり、通常は有機溶剤を含む前記感光性組成物から、乾燥により有機溶剤を除去することで形成される。
前記(II)感光層の厚みは任意であるが、通常5〜200μmであり、好ましくは10〜100μmであり、特に好ましくは20〜70μmである。(II)感光層の厚みが5μm未満では、プリント配線板製造時において回路パターンへの埋め込み性が劣ったり、回路パターンに積層した後の表面平滑性が劣る結果、多層プリント配線板への適用が困難になったりすることがある。また(II)感光層の厚みが200μmを超えるとレジストパターンの形状が不明瞭になったり、フレキシブルプリント配線板に使用した場合に可撓性が低下する場合がある。
本発明の(III)保護フィルムは、任意の重合体フィルムであり、前記(I)支持フィルムと同一のものあってもよく、また異なるものであってもよい。重合体フィルムとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムが特に好ましい。これら(III)保護フィルムの厚さは、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜50μmの範囲、特に好ましくは10〜30μmの範囲である。
本発明においては、積層すべき基板表面と接する側の(II)感光層の表面に一定の範囲の表面粗さを与えて減圧下で積層することにより基板の凹凸を気泡なく十分に被覆することが容易となる。このために(III)保護フィルムが(II)感光層と接触する面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)が0.1〜5.0μmであることが好ましく、さらに好ましく0.1〜4.0μm、特に好ましくは0.15〜3.0μmである。
なお前記算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格JIS B0601−1994に定義された算術平均粗さ(Ra)で表され、カットオフ値が0.08〜8mm、評価長さが0.4mm〜40mmの測定範囲における値である。さらにこの算術平均粗さ(Ra)は感光性組成物層の層厚の0.1〜50%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは1〜20%である。
ここでカットオフ値とは日本工業規格JIS B0601−1994に定義される粗さ曲線のカットオフ値のことであり、位相補償形高域フィルタの利得が50%になる周波数に対応する波長を示すものである。また表面粗さの測定は一般に日本工業規格JIS B0601−1994に準拠した触針式の表面粗さ計を用いることができ、測定に用いる触針の先端半径は2μmである。
前記(III)保護フィルムの表面粗さが、カットオフ値が0.08〜8mm、評価長さが0.4mm〜40mmの測定範囲における算術平均粗さ(Ra)で0.1μm未満では基板への積層時に気泡を巻き込み易くなる場合があり、5.0μmを超えると基板の凹凸の十分な被覆が困難となる場合がある。また、前記(III)保護フィルムの表面粗さが感光性組成物層の層厚の0.1%未満では基板への積層時に気泡を巻き込み易くなる傾向があり、層厚の50%を超えると基板の凹凸の十分な被覆が困難となる傾向がある。
なお前記表面粗さを有する保護フィルムは、任意の方法で製造することが可能であり、例えば延伸ポリエチレンフィルムを表面に梨地といわれる文様等を加工した金属ロールとゴムロール間に通すことで得られる。このようにして得られたフィルムは梨地加工フィルム又はエンボス加工フィルムなどといわれる。また前記表面粗さを有する保護フィルムを得る他の方法としては、フィルム中に微粒子を均一分散させる方法、フィルム中に微粒子を均一分散させたものを一軸もしくは二軸延伸する方法が挙げられる。
次に本発明の感光性ドライフィルムレジストの製造方法について説明する。本発明の感光性ドライフィルムレジストの製造は次のように行われる。すなわち、まず本発明のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物を(I)支持フィルムにコンマコーター、ダイコーター、ロールコーターなど任意の装置および方法により塗布する。その後、塗布した感光性組成物を、任意の装置により室温〜150℃程度の温度で0.1〜60分程度の時間乾燥し、(II)感光層を形成する。ついで熱ロール等の任意の装置および方法により、(II)感光層上に前記表面粗さを有する(III)保護フィルムを積層する。
本発明の感光性ドライフィルムレジストを使用して、絶縁保護被膜を有するプリント配線基板を製造するためには、まず、感光性ドライフィルムの(II)感光層と回路パターンが形成された基板とを貼合する貼合工程を行う。ここで、(III)保護フィルムが設けられている感光性ドライフィルムを使用する場合には、(III)保護フィルムを剥がして(II)感光層を露出させてから前記プリント配線基板に接触させる。そして、(II)感光層とプリント配線基板とを加圧ローラなどで40〜120℃程度で熱圧着して、前記基板上に(II)感光層を積層する。そして、(II)感光層を所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する露光工程と、(II)感光層から(I)支持フィルムを剥離する工程と、現像液で未露光部分を除去し現像する現像工程と、(II)感光層を熱硬化させる熱硬化工程を行うことによって、前記基板の表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線板を製造できる。また、このような感光性ドライフィルムを使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を形成してもよい。なお、前記回路パターンが形成された基板は、ガラス−エポキシ樹脂複合材料からなるリジッド基板であってもよく、ポリイミドフィルム等からなるフレキシブル基板であってもよい。
以下、本発明を、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の合成例および実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例中、部は質量部を表し、%は質量%を表す。
合成例1:カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A−1)の合成
ビスフェノールF型固型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、エポキシ当量800)400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、撹拌下70℃で98.5%NaOH81.2部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。
上記で得たエポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、撹拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これにテトラヒドロ無水フタル酸1480部(9当量)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却後、固形分の酸価が100mgKOH/gの固形分の濃度65%のカルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−1)を得た。
合成例2:カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A−2)の合成
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリマーポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL212、分子量1250)、3750g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸、402g、ポリイソシアナートしてイソホロンジイソシアナート1554g及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、238g、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつを投入した。攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−2)を得た。得られた光硬化性樹脂(A−2)の数平均分子量は2,5000、酸価は40mgKOH/gであった。
実施例1:
下記に従い感光性ドライフィルムレジストを製造し、その評価を行った。結果を表1に示した。
1)主剤組成物および硬化剤組成物の調製
表1に記載の割合で各成分を配合したのち、3本ロールミルにより2度混合し、主剤組成物および硬化剤組成物を調製した。
2)塗工液の調製
上記に従って製造した主剤および硬化剤を配合し、この混合物を撹拌機により毎分2000回転で5分間混合し、塗工液を得た。
3)感光性ドライフィルムレジストの製造
上記に従って製造した感光性組成物を、ドクターブレードにより(I)支持フィルムである23μm厚のポリエチレンテレフタレート製フィルム上に塗工し、90℃の熱風乾燥炉で5分間乾燥することで(II)感光層を形成した。その後、前記(II)感光層上に保護フィルム(III)である25μm厚のエンボス付ポリプロピレンフィルムを、55℃の熱ロールにより貼合して、保護フィルムを有する感光性ドライフィルムレジストを作製した。乾燥後の感光層(II)の膜厚は38±1μmであった。また保護フィルムを剥離したのちの(II)感光層表面は、光沢の低い部分(保護フィルムの密着が十分に行われており、エンボスが感光層に転写されている部分)が大部分であり、光沢の高い部分(保護フィルムの密着が不十分で、エンボスが感光層に十分に転写されていない部分)はほとんど存在せず、エンボスの転写性は良好であった。
4)気泡残留の評価
上記感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製V−130)により、片面にラインアンドスペース100μm/100μmの銅回路パターンを有する基板(縦10cm×横5cm、銅箔:厚さ17μm、基材:厚さ50μmのポリイミドフィルム)上に回路パターンを被覆するようにラミネートし、プリント配線板を製造した。得られたプリント配線板について目視で気泡の有無を観察した。
5)光感度の測定
上記感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製V−130)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を調製した。この積層体を、フォトマスク(21ステップ(段)デンシティータブレット、日立化成(株)製)を通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、700mJ/cm2)したのち、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、ついで30℃の水で洗浄した。この操作の後、欠け、はがれが無く正常に硬化していたステップの段数を光感度の値とした。なお、現像は下記6)現像性の評価で得られた現像時間の1.5倍の時間で行った。
6)現像性の評価
上記感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製V−130)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を得た。この積層体を23℃において所定の日数保存した後、支持フィルムを剥がして30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で所定時間現像し、ついで30℃の水で洗浄することで現像性を評価した。この操作を現像時間を変えて行い、レジスト膜が完全に現像除去された時間を現像時間とした。なお現像を100秒以上行っても現像できなかったものは現像不能とした。
比較例1〜2:
各成分の使用量を表1記載の値とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。保護フィルムを剥離したのちの(II)感光層表面は、光沢の高い部分(保護フィルムの密着が不十分で、エンボスが感光層に十分に転写されていない部分)と光沢の低い部分(保護フィルムの密着が十分に行われており、エンボスが感光層に転写されている部分)が、ほぼ同面積で混在しており、エンボスの転写性は不良であった。その他の結果を表1に示した。
実施例2〜9:
各成分の使用量を表1記載の値とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示した。
比較例3:
真空ラミネートの温度を95℃とした以外は比較例1と同様に行った。結果を表1に示した。
Figure 2006220887
Figure 2006220887

Claims (9)

  1. 一般式(1)
    Figure 2006220887
    (式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
    で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)、およびビフェノール型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂からなる群の中から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂(C)を含むことを特徴とするプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  2. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の酸価が、20〜200mgKOH/gである請求項1記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  3. さらに、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)を含む請求項1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  4. さらに、硬化反応触媒(E)を含む請求項1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  5. 感光性組成物中における硬化反応触媒(E)の含有量が1.0質量%未満である請求項4記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  6. Xがメチレン基である請求項1に記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物からなるドライフィルムレジスト。
  8. (I)支持フィルム、(II)請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物から形成される感光層、および(III)保護フィルムを積層してなるプリント配線板保護膜用ドライフィルムレジスト。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板保護膜を形成するためのドライフィルムレジスト用感光性組成物から形成される層を有するプリント配線板。
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