JP2006220886A - プリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム、その製造方法およびプリント配線板 - Google Patents

プリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム、その製造方法およびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性や現像性の犠牲を伴わず、回路パターンへの追随性や現像性に優れ、表面に凹凸を設けた保護フィルムを使用した場合に感光層への凹凸の転写に優れ、プリント配線板を効率よく製造できるプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムを提供する。
【解決手段】(I)支持フィルム、(II)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物からなる感光層および(III)保護フィルムからなり、感光層(II)中に含有される有機溶剤の含有量が0.05〜5.0質量%であるプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム、その製造方法およびそのドライフィルムの感光層(II)を用いて形成される永久保護膜を有するプリント配線板。
【選択図】なし

Description

本発明は感光性ドライフィルムに関するものであり、さらに詳しく言えば、プリント配線板製造時における銅張積層板へのラミネート性に優れたプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム、その製造方法およびそのドライフィルムの感光層を用いて形成されるプリント配線板保護膜を有するプリント配線板に関するものである。
プリント配線板の製造においては、導電性回路の保護や導体間の絶縁性保持のために、導体回路の表面上に保護膜(以下、「永久保護膜」ということがある。)を形成することが行われている。このような保護膜の形成には、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持フィルム上に感光層と、感光層を保護するために感光層上に設けられたポリエチレンフィルム等の保護フィルムとからなる感光性ドライフィルムを用いることが提案されている。
このドライフィルムを、導体回路を有する基板に積層して永久保護膜を形成する方法は以下のとおりである。まず保護フィルムを除き感光層を基板表面に接触させ、加熱、加圧処理して積層する。ついでこの積層基板を紫外線等により露光、支持フィルムを剥離した後にアルカリ現像することで実装用のレジストパターンを形成する。さらにこのレジストパターンが形成された積層基板を熱硬化することで永久保護膜が形成される。
このような永久保護膜としてのドライフィルムは、いわゆるエッチングレジストとしてのドライフィルムと異なり、溶融はんだの温度に耐えることが要求される。これには前記感光層に含まれる樹脂成分に耐熱性の高いものを使用することで解決可能であり、液状のレジストを使用するに当たっては特に問題は起こらない。しかし、樹脂として耐熱性の高い成分を用いた永久保護膜用ドライフィルムの場合、通常は感光層の硬度が高くなったり感光層の流動性が低下したりするため、回路パターン間へ樹脂組成物が充分に充填されず、感光層の導体回路パターンへの追従が不十分となる。その結果、プリント配線板内への水分の浸入や甚だしい場合には保護膜の剥離を引き起こし、絶縁特性の低下や回路の短絡などをもたらすこととなる。これを解消するために感光層の流動が容易な高温でドライフィルムを積層する方法があるが、エッチングレジストとは異なり永久保護膜用のドライフィルムは熱硬化を起こす成分を含有しているため、高温への暴露で劣化が進行し、現像性の低下などが起こるため望ましくない。
感光性ドライフィルムの他の問題としては、以下のようなものがある。すなわちドライフィルムの感光層を導体回路を有する基板に積層する場合、導体回路パターン間などへ気泡を巻き込むことがある。その結果、プリント配線板内への水分の浸入や甚だしい場合には保護膜の剥離を引き起こし、永久保護膜として使用した場合には絶縁特性の低下や回路の短絡などをもたらすことなる。
このような問題を防止するため、特許文献1(特公昭53−31670号公報)に記載されるような減圧室の中で加熱、加圧されたロール間に保護フィルムを除去した感光性フィルムの感光層をプリント配線板上に重ねて通過させて、導体被覆及び導体埋め込みを行う、いわゆる真空ラミネートがおこなわれている。また真空ラミネートとともに、特許文献2(特開2000−147755号公報)のように前記保護フィルムとしてその表面凹凸を設けた保護フィルムを有する感光性ドライフィルムを用いることも行われている。この方法においては、凹凸を有する保護フィルムと感光層を積層してドライフィルムを製造する際に当該凹凸が感光層に転写され、ドライフィルムの積層時に感光層に転写された凹凸を通じて回路パターン間の空気が真空ラミネート時に除去されることで密着性が向上する。
しかし感光性ドライフィルムの製造に前記のような表面に凹凸を設けた保護フィルムを使用しても、感光層への凹凸の転写が不十分であると、真空ラミネート時における空気の通路が確保できずに空気の除去が困難となる場合がある。ことにエッチングレジストより高い耐熱性が要求されるプリント配線板保護膜用ドライフィルムの場合には、前記のように感光層の硬度が高く転写が不十分となりやすい。
なお保護フィルムと感光層の積層を高温で行うことで、前記凹凸の転写を充分に行うことも可能であるが、エッチングレジストと異なり永久保護膜用のドライフィルムは熱硬化を起こす成分を含有しているため、高温への暴露で劣化が進行し、現像性の低下などが起こるため望ましくない。
特公昭53−31670号公報 特開2000−147755号公報
本発明は、耐熱性や現像性の著しい犠牲を伴わずに、回路パターンへの追随性や現像性に優れ、表面に凹凸を設けた保護フィルムを使用した場合には感光層への凹凸の転写に優れ、プリント配線板を収率よく製造することが可能なプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムを提供することにある。
本発明者は(I)支持フィルム、(II)感光層および(III)保護フィルムからなるプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムにおいて、感光層の有機溶剤含有量を0.05〜5.0質量%とすることにより上記課題が解決可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の1〜16に示すプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム、その製造方法およびそのドライフィルムの感光層を用いて形成されるプリント配線板保護膜用を有するプリント配線板に関する。
1.(I)支持フィルム、(II)感光層および(III)保護フィルムからなり、感光層(II)中に含有される有機溶剤の含有量が0.05〜5.0質量%であることを特徴とするプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
2.保護フィルム(III)の表面粗さが0.10〜5.0μmである前記1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
3.感光層(II)の膜厚が5〜70μmである前記1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
4.感光層(II)が、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物である前記1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
5.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートである前記4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
6.カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートが、下記一般式(1)
Figure 2006220886
(式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである前記5記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
7.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、および不飽和ヒドロキシ化合物(g)とを反応させて得られるものである前記4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
8.感光層(II)を形成する感光性組成物が、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)をさらに含む前記4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
9.感光層(II)中に含有される有機溶剤が揮発性の有機溶剤である前記1記載のプリント配線板保護膜用ドライフィルム。
10.感光層(II)中に含有される有機溶剤の沸点が100〜250℃である前記1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
11.支持フィルム(I)上に有機溶剤の含有量が0.05〜5.0質量%の感光層(II)を形成する工程、および形成された感光層(II)上に保護フィルム(III)を積層する工程からなることを特徴とするプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
12.保護フィルム(III)の表面粗さが0.10〜5.0μmである前記11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
13.感光層(II)の膜厚が5〜70μmである前記11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
14.感光層(II)が、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物である前記11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
15.前記1〜9のいずれかひとつに記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの感光層(II)を用いて形成されるプリント配線板保護膜を有するプリント配線板。
16.前記1〜9のいずれかひとつに記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムを使用してプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
17.前記1〜9のいずれかひとつの項に記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし感光層を基板と貼合する工程、感光層を露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する工程、感光層から支持体を剥離する工程、現像液で未露光部分を除去し現像する工程、および感光層を熱硬化させる工程を有することを特徴とする、基板表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線板の製造方法。
本発明のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムは、耐熱性や現像性が良好であり、回路パターンへの追随性や現像性に優れ、また表面に凹凸を設けた保護フィルムを使用した場合には感光層への凹凸の転写に優れ、プリント配線板を効率よく製造することが可能である。
本発明で使用される(I)支持フィルムは、任意の重合体フィルムから形成され、単一の層であってもよく、また複数の重合体フィルムを積層した多層フィルムであってもよい。
(I)支持フィルムを構成する重合体フィルムとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。またこれら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。さらに支持フィルムはコロナ処理等の各種処理が行われたものであってもかまわない。支持フィルム(I)の厚さは、通常5〜100μmであり、好ましくは10〜50μm、特に好ましくは15〜30μmである。
上記(I)支持フィルムを構成する重合体フィルムは、市販のものを使用することができ、具体的には、帝人(株)製高透明フィルムGSシリーズ、ダイアホイルヘキスト(株)製Rシリーズ、デュポン(株)製マイラーDシリーズ、東レ(株)製Tシリーズ、FBシリーズ等のポリエチレンテレフタレートフィルム、日本合成化学工業(株)製ビニロンフィルム等が挙げられる。
次に本発明の(II)感光層について説明する。本発明の(II)感光層は、プリント配線板の永久保護膜として使用される任意の組成物から形成されるものであって、(II)感光層の有機溶剤含有量が0.05〜5.0質量%であることを特徴とする。有機溶剤含有量は、好ましくは0.1〜4.0質量%であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%であり、最も好ましくは0.2〜1.0質量%である。
(II)感光層の有機溶剤含有量が0.05質量%未満では、(III)保護フィルムに後述する所定の表面粗さを有する重合体フィルムを用いてもその凹凸が感光層に十分転写されず、収率よくプリント配線板を与えることが困難となる場合がある。また回路パターン間へ感光層が充分に充填されず永久保護膜としての機能を果たさないことがある。さらに0.05質量%未満のものを製造する場合には、乾燥に長時間かつ高温度が必要となることがあり、その結果熱硬化が進行し現像性が低下することがある。
一方、有機溶剤含有量が5.0質量%を超えると、一般には感光層への凹凸の転写が容易となるが、保護フィルムの剥離が困難となったり、保護フィルムの剥離時に感光層の凝集破壊が起こったり、保護フィルムを剥離した後の感光層にタックが発生したりする場合もある。また耐熱性が低下し溶融半田へ浸漬した場合に剥離してしまうことがある。なお(II)感光層の有機溶剤含有量を前記範囲とするためには、(II)感光層形成時の乾燥温度や乾燥時間を調節するなど、任意の方法により行うことができる。
本発明の(II)感光層に含有される有機溶剤は、当該感光層の形成に使用された組成物に由来する1種または2種以上ものであり、具体的にはエチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン系溶剤;
ブタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール系溶剤;
アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルグリコールアセテート)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メトキシプロパノールアセテート)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、アニソール、フェネトール、1,2−ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル誘導体の溶剤;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等のアミド系あるいはスルホキシド系溶剤;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族炭化水素系溶剤;デカン、テトラリン、デカリン、ジペンテン、ソルベントナフサ、流動パラフィン等の脂環族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
これらのうち好ましくは、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤の中から選ばれ、より好ましくは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートの中から選ばれる。
これらのうち揮発性の有機溶剤が好ましく、その沸点は好ましくは100〜250℃であり、より好ましくは110〜220℃であり、さらに好ましくは120〜200℃であり、最も好ましくは120〜180℃である。これらの有機溶剤を用いることで、(II)感光層の有機溶剤含有量を前記範囲とすることが容易となる。また熱硬化時に有機溶剤を除去することが容易となり、耐熱性への影響などを低減することが可能となる。
本発明の(II)感光層の膜厚は任意の範囲とすることが可能であるが、通常は5〜70μmであり、好ましくは10〜60μm、より好ましくは15〜60μm、さらに好ましくは20〜55μm、特に好ましくは25〜50μm、最も好ましくは30〜45μmである。膜厚が5μm未満では回路パターンへの追随が困難となる。膜厚が70μmを超えると前記有機溶剤含有量に調節することが困難となり、感光層内部で有機溶剤含有量に差が生じるため均一な永久保護膜が得られ難くなる。また熱硬化時に有機溶剤を除去することが困難となり、耐熱性が低下する場合がある。さらには70μmを超えるとフレキシブルプリント配線板への適用が困難となる。
本発明の(II)感光層は、紫外線等の放射線により硬化して希アルカリ水溶液に不溶となる性質を有する層である。この(II)感光層にはプリント配線板の保護膜として使用される任意の組成物を使用できるが、好ましくは、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物が使用される。
前記カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)は、光重合開始剤の存在下あるいは非存在下に紫外線等の放射線により架橋反応が進行し、希アルカリ水溶液に不溶となる性質を有するものであり、任意のものが使用できる。その使用量は本発明の(II)感光層中10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは25〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の使用量が10質量%未満あるいは90質量%を超える場合には、硬化が不十分となり耐熱性が低下する。
(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂は、好ましくは下記一般式(1)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである。
Figure 2006220886
前記一般式(1)において、nは1〜10の整数である。
前記一般式(1)において、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、スルホニル基、単結合の中から選ばれ、好ましくはメチレン基またはイソプロピリデン基であり、最も好ましくはメチレン基である。
また前記一般式(1)において、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基の中から選ばれ、n=1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基であり、nが2以上の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基である。
本発明における不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、1分子中に1個のカルボキシル基と1個以上の不飽和基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、単独あるいは複数を併用することができる。これらのうち好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸であり、最も好ましくはアクリル酸である。
前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、不飽和基含有モノカルボン酸(b)が0.8〜1.2当量となる比率で反応させることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.0当量である。
エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、通常有機溶剤中で行われる。ここで使用される有機溶剤としては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
また前記反応は触媒の存在下に行うことも可能であり、触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等を使用することができる。
前記触媒の使用量は、通常エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である。反応中の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられ、その使用量は、エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部である。反応温度は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃である。
本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の製造に用いられる多塩基酸無水物(c)としては、1分子中に1以上の酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらは単独でも使用しても良く、また複数を併用して良い。これらのうち好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸であり、最も好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸である。
本発明の(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の製造における多塩基酸無水物(c)の反応は、前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応に用いたものと同様の溶媒中において、通常60〜120℃の温度範囲において行われる。多塩基酸無水物(c)の使用量は、前記エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物中の水酸基1当量に対して、通常0.1〜2.0当量であり、多塩基酸無水物(c)の使用量を変化させることにより、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の酸価を調整できる。このようにして得られる本発明の光硬化性樹脂(A)の酸価は20〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が20mgKOH/g未満では光硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下し、200mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。
本発明で使用される(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂の他の好ましい例としては、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、および不飽和ヒドロキシ化合物(g)とを反応させて得られるものが挙げられ、好ましくはカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、および不飽和ヒドロキシ化合物(g)から、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、好ましい製造方法としては、各成分を一括混合して反応させる方法、前記(d)、(e)および(f)を反応させて1分子あたり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成させた後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと前記(g)を反応させる方法等が挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸(d)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基と1以上のカルボキシル基を有する化合物であり、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸などが挙げられる。またポリヒドロキシカルボン酸(d)の他の例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンのポリプロポキシトリオール、トリメチロールプロパンのポリエトキシトリオール、ペンタエリスリトールのポリプロポキシテトラオール、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン変性物などの3官能以上のポリオール化合物のヒドロキシル基1当量に対して、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの多塩基酸無水物を、酸無水物基で0.25〜0.5当量反応させた化合物等を挙げることができる。これらポリヒドロキシカルボン酸(d)のうち、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸が好ましい。
本発明の(A)として使用可能なカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの製造に使用されるポリオール(e)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価アルコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどが挙げられる。これらのうち好ましくは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールである。
ポリオール(e)の他の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。これらのうち好ましくは、ポリラクトン系ジオールおよびポリカーボネート系ジオールである。
これらのポリマーポリオールは、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ジオール及びポリラクトン系ジオールの中から一種類または複数種類を組み合わせて使用することができる。また、これらポリマーポリオールは、その分子中にカルボキシル基を持たせたものであっても構わない。これらのポリマーポリオールの数平均分子量は、可撓性の面から200〜2000であるものが好ましい。
本発明の(A)として使用可能なカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの製造に使用されるポリイソシアナート(f)としては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナート及び1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上用いることができる。これらのうち好ましくは2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートであり、もっとも好ましくはイソホロンジイソシアナートである。
本発明の(A)として使用可能なカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの製造に使用される不飽和ヒドロキシ化合物(g)は、1分子中に1以上のヒドロキシル基と1以上の不飽和結合を有する化合物であり、公知のものが使用できる。不飽和ヒドロキシ化合物(g)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(g)は1種または2種以上用いることができる。これらのうち2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明に用いられる(B)光重合開始剤は、紫外線等の放射線の照射により不飽和結合を有する化合物の重合を開始することが可能な化合物であり、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンジルジメチルケタール類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのα−アミノケトン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン類、9,10−フェナンスレンキノン等を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて光増感剤を併用することができる。
これらの光重合開始剤(B)のうちでは、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール類、アシルホスフィンオキサイド類、α−アミノケトン類、α−ヒドロキシケトン類が好ましく、特に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンが、波長吸収効率が高く、高活性であるため好ましい。
これらの光重合開始剤(B)の配合量は、本発明のドライフィルムの(II)感光層中0.1〜30質量%であり、好ましくは1.0〜20質量であり、特に好ましくは2.0〜15質量%である。光重合開始剤(B)の配合量が0.1質量%未満であると、感光層の硬化が不十分となる場合がある。
本発明におけるエポキシ樹脂(C)は1分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物であり、任意のエポキシ樹脂を使用することが可能である。これらは単独で使用しても良く、また複数を併用してもよい。より具体的には、フェノール類またはアルコール類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビキシレノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、二重結合の酸化によって得られる内部エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの詳細については、例えば新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社1987発行)に記載されている。
これらのうち好ましくはグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂であり、さらに好ましくは、ビフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビキシレノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂およびサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂である。
またエポキシ樹脂(C)としては、臭素化エポキシ樹脂を使用することも可能である。臭素化エポキシ樹脂の使用により難燃性の付与が期待できる。ここで使用される臭素化エポキシ樹脂は、1分子中に1以上の臭素原子を有するエポキシ樹脂であり、公知のものが使用できる。臭素化エポキシ樹脂としては、好ましくは下記一般式(2)、および下記一般式(3)で表されるものが使用できる。
Figure 2006220886
Figure 2006220886
前記一般式(2)において、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、スルホニル基、単結合の中から選ばれ、好ましくはメチレン基またはイソプロピリデン基であり、最も好ましくはイソプロピリデン基である。また前記一般式(2)において、mは0または1〜10の整数である。
また前記一般式(3)において、Zは水素原子または2,3−エポキシプロピル基の中から選ばれ、少なくともひとつのZは2,3−エポキシプロピル基である。また前記一般式(3)において、qは0または1〜10の整数である。
本発明で使用される臭素化エポキシ樹脂の具体例としては、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールFのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、臭素化ノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテルなどが例示される。これら臭素化エポキシ樹脂は単独で使用しても良く、複数を併用してもよい。これらのうち好ましくはテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型の臭素化エポキシ樹脂であり、最も好ましくはテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
本発明におけるエポキシ樹脂(C)の使用量は、本発明の(II)感光層中1〜70質量%の範囲であり、好ましくは3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜20質量%の範囲である。エポキシ樹脂(C)の使用量が1質量%未満では耐熱性が低下することがあり、70質量%を超えると現像性や保存安定性が低下することがある。
またエポキシ樹脂(C)として臭素化エポキシ樹脂を使用する場合、その使用量は(II)感光層中において、通常3.0〜25.0質量%であり、好ましくは5.0〜20.0質量%、さらに好ましくは7.0〜15.0質量%である。臭素化エポキシ樹脂の使用量が3.0質量%未満では、難燃性の向上に対する効果が認められない場合があり、25.0質量%を超えると耐熱性の低下や、アルカリ現像性が低下する場合がある。
本発明における(II)感光層は、前記(A)〜(C)に加え、さらに光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)を含有する組成物であることが好ましい。これらは感光性組成物の粘度を調整したり、感光性組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調整する目的で添加される。光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)は、前記光重合開始剤(B)により重合を行う化合物であれば特に制限は無く、公知のものを単独で、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。
光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のリン原子を有するメタクリレートなどのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)としては、ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート等も使用できる。
これらのうち好ましいものとしては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートである。
これら光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の使用量は、前記(II)感光層中において、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは1.0〜20質量%であり、特に好ましくは3.0〜15質量%である。
前記(II)の感光層は、さらに硬化反応触媒(E)を含有してもよい。硬化反応触媒(E)は、エポキシ基同士の反応またはエポキシ基とカルボキシル基との反応を促進する化合物であり、公知のものを使用することができる。
硬化反応触媒(E)の具体例としては、アミン類、窒素含有複素環化合物、アンモニウム塩、及びポリアミド類が挙げられる。アミン類としては、脂肪族及び芳香族の第一、第二、第三級アミンが挙げられる。
脂肪族アミンのうち第一級または第二級アミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)スピロ−2,4,8,10−テトラオキサウンデカンが挙げられる。
脂肪族アミンのうち第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。
芳香族アミンの例としては、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、m−アミノフェノールが挙げられる。
またアミン類の他の例としては、テトラメチルグアニジン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体が挙げられる。
窒素含有複素環化合物としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン等のピリジン類;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート等のイミダゾール類;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン類;1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどが例示される。
また、窒素含有複素環化合物の他の例としてトリアジン化合物が挙げられる。具体的にはメラミン、N−エチレンメラミン、N,N′,N′′−トリフェニルメラミン、ヘキサ(N−メチル)メラミン等のメラミン類;、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N′−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等のシアヌル酸類が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩類が例示される。
ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一及び第二アミノ基を有するポリアミノアミドが挙げられる。
これらのうち好ましくは窒素含有複素環化合物であり、特に好ましくはイミダゾール類およびトリアジン化合物である。
これら硬化反応触媒(E)の使用量は、本発明のドライフィルムの(II)感光層中において、通常1.0質量%未満であり、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%、よりさらに好ましくは0.6質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.4質量%以下である。
本発明の(II)感光層は、(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤および(C)エポキシ樹脂およびその他の成分に、粘度調節などのために有機溶媒を添加した後、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコートなどの方法で(I)支持フィルム上に塗布し、さらに熱風乾燥等により前記有機溶剤含有量となるまで乾燥することで形成される。
ここで使用される有機溶媒としては、感光層(II)に含有される前記のものが使用できる。
これら有機溶剤の使用量は任意であるが、(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤および(C)エポキシ樹脂の合計100質量部に対して、通常10〜300質量部であり、好ましくは30〜200質量部、最も好ましくは50〜100質量部である。
なお(II)感光層には、(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤および(C)エポキシ樹脂、さらには前記(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマー、および(E)硬化反応触媒の他に、必要に応じて熱重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、無機あるいは有機充填剤等の添加剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。消泡剤は、塗工時および硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。レベリング剤は、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。無機充填剤の具体例としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸塩化合物が挙げられる。有機充填剤の具体例としては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂が挙げられる。
本発明の保護フィルム(III)は、任意の重合体フィルムであり、前記支持フィルム(I)と同一のものであってもよく、また異なるものであってもよい。重合体フィルムとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムが特に好ましく、ポリプロピレンフィルムが最も好ましい。これら保護フィルム(III)の厚さは、通常5〜100μmであり、好ましくは10〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。
本発明においては、(II)感光層の積層すべき基板表面と接する側の表面に一定の範囲の表面粗さを与えて減圧下で積層することにより基板のパターン回路間への気泡の巻き込みなく十分に被覆することが容易となる。当該感光層表面の表面粗さは、感光性ドライフィルム製造時に(III)保護フィルムの凹凸を感光層に転写することにより行われる。このために(III)保護フィルムが(II)感光層と接触する面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)が0.10〜5.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.10〜3.0μm、さらに好ましくは0.10〜2.5μm、よりさらに好ましくは0.10〜2.0μmであり、特に好ましくは0.15〜2.0μmであり、最も好ましくは0.15〜1.5μmである。
なお前記算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格JIS B0601−1994に定義された算術平均粗さ(Ra)で表され、カットオフ値が0.08〜8mm、評価長さが0.4mm〜40mmの測定範囲における値である。さらにこの算術平均粗さ(Ra)は感光層の層厚の0.1〜50%の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは1〜20%である。
ここでカットオフ値とは日本工業規格JIS B0601−1994に定義される粗さ曲線のカットオフ値のことであり、位相補償形高域フィルタの利得が50%になる周波数に対応する波長を示すものである。また表面粗さの測定は一般に日本工業規格JIS B0601−1994に準拠した触針式の表面粗さ計を用いることができ、測定に用いる触針の先端半径は2μmが好ましい。
前記(III)保護フィルムの表面粗さが、カットオフ値が0.08〜8mm、評価長さが0.4mm〜40mmの測定範囲における算術平均粗さ(Ra)で0.10μm未満では基板への積層時に気泡を巻き込み易くなる場合があり、5.0μmを超えると基板の凹凸の十分な被覆が困難となる場合がある。また、前記(III)保護フィルムの表面粗さが感光層の層厚の0.1%未満では基板への積層時に気泡を巻き込み易くなる傾向があり、層厚の50%を超えると基板の凹凸の十分な被覆が困難となる傾向がある。
なお前記表面粗さを有する保護フィルムは、任意の方法で製造することが可能であり、例えば延伸ポリエチレンフィルムを表面に梨地といわれる文様等を加工した金属ロールとゴムロール間に通すことで得られる。このようにして得られたフィルムは梨地加工フィルム又はエンボス加工フィルムなどといわれる。また前記表面粗さを有する保護フィルムを得る他の方法としては、フィルム中に微粒子を均一分散させる方法、フィルム中に微粒子を均一分散させたものを一軸もしくは二軸延伸する方法が挙げられる。
次に本発明のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法について説明する。本発明のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造は次のように行われる。すなわち、まず(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤および(C)エポキシ樹脂を必須成分とする感光性組成物を(I)支持フィルムにコンマコーター、ダイコーター、ロールコーターなど任意の装置および方法により塗布する。その後、塗布した感光性組成物を、任意の装置により室温〜150℃程度の温度で0.1〜60分程度の時間乾燥し、有機溶剤含有量が0.05〜5.0質量%の(II)感光層を形成する。ついで熱ロール等の任意の装置および方法により、(II)感光層上に前記表面粗さを有する(III)保護フィルムを積層する。
本発明のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムを使用して、プリント配線基板に絶縁保護被膜を形成するためには、まず、感光性ドライフィルムの感光層と基板とを貼合する貼合工程を行う。すなわち保護フィルムを剥がして感光層を露出させてからプリント配線基板に接触させた後、(II)感光層と基板とを加圧ローラなどで40〜120℃程度で熱圧着して、プリント配線基板上に感光層を積層する。そして、感光層を所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する露光工程と、感光層から支持フィルムを剥離する工程と、現像液で未露光部分を除去し現像する現像工程と、感光層を熱硬化させる熱硬化工程を行うことによって、基板の表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線板が製造される。また、このような感光性ドライフィルムを使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を形成してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また当業者であれば、以下の実施例を参考に(II)感光層形成時の乾燥温度や乾燥時間を調節するなどにより、(II)感光層の有機溶剤含有量を本発明の範囲とすることができる。なお、以下の例中、部は質量部を表し、%は質量%を表す。
合成例1:光硬化性樹脂(A−1)の合成
ビスフェノールF型固型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、エポキシ当量800)400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、撹拌下70℃で98.5%NaOH81.2部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。
上記で得たエポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、撹拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これにテトラヒドロ無水フタル酸1480部(9当量)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却後、固形分の酸価が100mgKOH/gの固形分の濃度65%のカルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−1)を得た。
合成例2:光硬化性樹脂(A−2)の合成
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリマーポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL212、分子量1250)、3750g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸、402g、ポリイソシアナートしてイソホロンジイソシアナート1554g及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、238g、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−2)を得た。得られた光硬化性樹脂(A−2)の数平均分子量は2,5000、酸価は40mgKOH/gであった。
実施例1:
1)感光性組成物の製造
主剤組成物および硬化剤組成物を構成する各成分を表1に記載の割合で配合したのち、3本ロールミルにより2度混合し、主剤組成物および硬化剤組成物を調製した。次にこの主剤組成物、硬化剤組成物および有機溶剤を混合して撹拌機により毎分2000回転で5分撹拌することで(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)エポキシ樹脂、(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマー、および(E)硬化反応触媒を含有する感光性組成物を得た。
2)プリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造
上記1)に従って製造した感光性組成物を、ドクターブレードにより(I)支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 18FB50、厚さ18μm厚)上に塗工し、80℃の乾燥炉で5分間乾燥することで(II)感光層を形成した。乾燥後の(II)感光層の膜厚は38±1μmであった。次に上記で形成された感光層(II)の上に、保護フィルム(III)として20μm厚のポリプロピレンフィルム(二村化学工業(株)製FOR−MP、表面粗さRa:1.1μm、表面粗さ測定器サーフコーダSE−30D((株)小坂研究所製)を用いて、触針先端半径2μm、走査速さ0.1mm/秒での測定値)を熱ロールにより貼合し、本発明の感光性ドライフィルムを製造した。製造したドライフィルムを以下に従い評価した。
3)残留溶剤量の測定
上記2)で製造したプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム約1.2gを採取し、保護フィルムを剥離した後、密栓付の容器に入れて感光性ドライフィルムの質量を正確に秤量した(W1)。この容器にピペットで内部標準物質として、3−エトキシプロピオン酸エチルを1滴添加し、その質量(We)を正確に秤量した。その後アセトン5mlをホールピペットにより添加して密栓し、容器を十分に振って感光層を溶解させた。次いでこの液を目開き0.5μmのフィルターでろ過し、ろ液の組成をガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製GC−14A)により分析し、別途作成した検量線より内部標準物質1gに対する有機溶剤の質量を求めた(Ws)。その後、容器中の支持フィルムを採取しアセトンで充分洗浄、乾燥して、その質量(W2)を正確に秤量した。これらから下式に従って有機溶剤含有量を計算した。
有機溶剤含有量(質量%)={We×Ws/(W1−W2)}×100
なおガスクロマトグラフィーにおける測定条件は、下記のとおりである。
カラム:ジーエルサイエンス製キャピラリーカラムCP−WAX58CB(0.32mm×25m)、検出器:FID、キャリアガス:窒素、インジェクター温度:150℃、ディテクター温度:200℃、カラム温度条件:初期温度40℃、試料注入後40℃で3分間ホールドし、20℃/分で200℃まで昇温、200℃到達後6分間ホールド。
4)凹凸の転写性
上記感光性ドライフィルムの(III)保護フィルムを剥離し、(II)感光層表面の光沢を観察した。(II)感光層表面は、そのほとんどが光沢の低い部分(保護フィルムの密着が十分に行われており、エンボスが感光層に転写されている部分)であり、光沢の高い部分(保護フィルムの密着が不十分で、エンボスが感光層に十分に転写されていない部分)はほとんど存在せず、エンボスの転写性は良好であった。
5)気泡残留評価
上記感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製V−130)により、片面に10本の平行線の銅線(ラインアンドスペース100μm/100μm)を有する基板(縦10cm×横5cm、銅箔:厚さ35μm、基材:厚さ50μmのポリイミドフィルム)上に銅線を被覆するようにラミネートし、プリント配線板を製造した。得られたプリント配線板について目視で気泡の有無を観察した。
6)回路パターンへの追随性評価
上記5)と同様に製造したプリント配線板の半分について、露光部と未露光部との境界線が平行線の回路パターンに対して直交するように露光し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。この現像後のプリント配線板を150℃で30分間硬化させた後、感光性ドライフィルムが回路パターンに追随しているか否かを、露光部と未露光部との境界を電子顕微鏡で観察し、以下の基準で判定した。
○:10本の銅線のうち、銅線がドライフィルムの感光層により空隙なく被覆されているものが9本以上の場合。
△:10本の銅線のうち、銅線がドライフィルムの感光層により空隙なく被覆されているものが7〜8本の場合。
×:10本の銅線のうち、銅線がドライフィルムの感光層により空隙なく被覆されているものが6本以下の場合。
7)現像性の評価
上記2)で製造した感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製、V−130)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を得た。この積層体から2cm×5cmの大きさの試験片を切り出し、支持フィルムを剥がし30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で所定時間現像後、30℃の純水で洗浄した。この操作を現像時間を変えて行い、感光層膜が完全に現像除去される時間を測定し、この値を現像時間とした。
8)光感度の測定
上記で製造した感光性ドライフィルムの(III)保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を調製した。この積層体を、フォトマスク(21ステップ(段)デンシティータブレット、日立化成(株)製)を通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、1000mJ/cm2)したのち、支持フィルムのポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像、ついで30℃の水で洗浄した。この操作の後、欠け、はがれが無く正常に硬化していたステップの段数を光感度の値とした。なお、現像は上記7)現像性の評価で得られた現像時間の1.5倍の時間で行った。
9)はんだ耐熱性の評価
上記で製造した感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製)により銅張積層板の銅上にラミネートした。次にこの積層体の感光層を、5mm×5mmの市松模様を有するフォトマスクを通じて超高圧水銀ランプにより露光した。露光後、(I)支持フィルムを剥離し、露出した(II)感光層を30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液により現像、水洗した。その後、150℃のオーブンで60分間熱硬化することで、市松模様のレジストパターンを有する積層体を得た。
上記に従って調製した試験片をレジスト面がはんだに接触するように260℃のはんだ浴に10秒間フロートさせた後、レジスト膜の膨れおよび剥離の有無を判定評価した。これらの操作を1サイクルとして繰り返し、レジスト膜の膨れおよび剥離が認められなかったサイクル数をはんだ耐熱性の指標とした。
実施例2:
実施例1において、(III)保護フィルムに表面粗さRaが0.60μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業(株)製、MT520)を使用した以外は同様に行った。結果を表2に示した。
実施例3:
実施例1において、(III)保護フィルムに表面粗さRaが0.43μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、パイレンP4166)を使用した以外は同様に行った。結果を表2に示した。
実施例4:
実施例1において、(III)保護フィルムに表面粗さRaが0.27μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製、OPマット−1)を使用した以外は同様に行った。結果を表2に示した。
実施例5:
実施例1において、(III)保護フィルムに表面粗さRaが0.39μmの低密度ポリエチレンフィルム(大倉工業(株)製、厚み25μm)を使用した以外は同様に行った。結果を表2に示した。
実施例6〜10:
実施例1〜5において、乾燥を表2記載の条件で行った以外は、それぞれ同様に行った。結果を表2に示した。
実施例11〜13:
各成分の使用量を表1記載の値とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表2に示した。
比較例1:
実施例1において感光層の乾燥条件を表2記載の値とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。乾燥後の(II)感光層の膜厚は38μmであった。また保護フィルムを剥離したのちの(II)感光層表面は、光沢の高い部分(保護フィルムの密着が不十分で、エンボスが感光層に十分に転写されていない部分)と光沢の低い部分(保護フィルムの密着が十分に行われており、エンボスが感光層に転写されている部分)が、ほぼ同面積で混在しており、エンボスの転写性は不良であった。その他の結果を表2に示した。
比較例2:
実施例1において(II)感光層の乾燥条件を表2記載の値とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。乾燥後の(II)感光層の膜厚は38μmであった。また保護フィルムの剥離時に感光層の凝集破壊が見られ、保護フィルムにも感光層が残っていた。さらにプリント基板の銅箔上にラミネートした積層体から支持フィルムを剥離することに困難が伴った。
Figure 2006220886
Figure 2006220886
Figure 2006220886
実施例においては、有機溶剤含有量が本願発明の範囲内にあるため、保護フィルムの凹凸転写性および感光層のパターンへの追随性に優れ、気泡残留も少ないことがわかる。
一方、比較例1では、有機溶剤含有量が本願発明の範囲より少ないため、保護フィルムの凹凸転写性および感光層のパターンへの追随性に劣り、気泡残留も多いことがわかる。
さらに比較例2では、有機溶剤含有量が本願発明の範囲より多いため、保護フィルムの剥離時に感光層の凝集破壊が起こり、また気泡残留も多く、感光層のパターンへの追随性に劣ることがわかる。

Claims (17)

  1. (I)支持フィルム、(II)感光層および(III)保護フィルムからなり、感光層(II)中に含有される有機溶剤の含有量が0.05〜5.0質量%であることを特徴とするプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  2. 保護フィルム(III)の表面粗さが0.10〜5.0μmである請求項1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  3. 感光層(II)の膜厚が5〜70μmである請求項1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  4. 感光層(II)が、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物である請求項1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  5. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートである請求項4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  6. カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートが、下記一般式(1)
    Figure 2006220886
    (式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
    で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである請求項5記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  7. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、および不飽和ヒドロキシ化合物(g)とを反応させて得られるものである請求項4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  8. 感光層(II)を形成する感光性組成物が、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)をさらに含む請求項4記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  9. 感光層(II)中に含有される有機溶剤が揮発性の有機溶剤である請求項1記載のプリント配線板保護膜用ドライフィルム。
  10. 感光層(II)中に含有される有機溶剤の沸点が100〜250℃である請求項1記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルム。
  11. 支持フィルム(I)上に有機溶剤の含有量が0.05〜5.0質量%の感光層(II)を形成する工程、および形成された感光層(II)上に保護フィルム(III)を積層する工程からなることを特徴とするプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
  12. 保護フィルム(III)の表面粗さが0.10〜5.0μmである請求項11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
  13. 感光層(II)の膜厚が5〜70μmである請求項11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
  14. 感光層(II)が、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)およびエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物である請求項11記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの製造方法。
  15. 請求項1〜9のいずれかひとつに記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの感光層(II)を用いて形成されるプリント配線板保護膜を有するプリント配線板。
  16. 請求項1〜9のいずれかひとつに記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムを使用してプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
  17. 請求項1〜9のいずれかひとつの項に記載のプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし感光層を基板と貼合する工程、感光層を露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する工程、感光層から支持体を剥離する工程、現像液で未露光部分を除去し現像する工程、および感光層を熱硬化させる工程を有することを特徴とする、基板表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線板の製造方法。
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