JP2006178444A - 感光性ドライフィルムの保存安定性の改良方法 - Google Patents

感光性ドライフィルムの保存安定性の改良方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感光性ドライフィルムの製造方法及び感光性ドライフィルムの保存安定性の改良方法を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物の調製時に、エポキシ樹脂(C)の全量または一部として臭素化エポキシ樹脂を使用して、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制された感光性組成物を調製する工程(工程1)、前記工程1により調製した感光性組成物を、支持フィルム層に塗布、乾燥し、支持フィルム層上に感光層を形成する工程(工程2)、及び前記工程2において形成いた感光層上に保護フィルム層を積層する工程(工程3)を有する感光性ドライフィルムの製造方法、及び前記エポキシ樹脂(C)成分の少なくとも一部に臭素化エポキシ樹脂を使用することを特徴とする感光性ドライフィルムの保存安定化方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は保存安定性の改善された保存時の安定性に優れたソルダーレジストに好適な感光性ドライフィルムの製造方法及び感光性ドライフィルムの保存安定性の改良方法に関する。
プリント配線板製造においては、ソルダーレジストとして紫外線硬化型レジストが用いられている。紫外線硬化型のレジストを用いる方法では、液状型感光性レジストを配線パターンが形成された基材上にスクリーン印刷、カーテンコートまたはスプレーコートすることによりレジストパターン形成が行われる。またドライフィルム型感光性レジストを用いる方法では、ドライフィルムを基材上に熱圧着した後、紫外線などの活性光線をネガマスクを介して照射し、アルカリ現像することによりレジストパターンの形成が行われる。
このようなソルダーレジストは、アルカリ現像によるパターン形成を容易にするためカルボキシル基を有する樹脂を主成分としているが、カルボキシル基の存在は、レジストの電気特性を低下させる傾向がある。このため露光部に残存するカルボキシル基は、ソルダーレジストに添加されたエポキシ樹脂との反応により消費させることが通常行われている。また同時に、この反応によりカルボキシル基を有する樹脂の架橋による硬化が進行し、ソルダーレジストの耐熱性が向上する。
しかしカルボキシル基とエポキシ樹脂との反応は室温でも徐々に進行することから、レジストの保存中に硬化反応が進行し、現像が困難となったり、甚だしい場合には塗工が困難となる。このため通常はカルボキシル基を有する樹脂を含む成分とエポキシ樹脂を含む成分とを使用直前に混合する2液型の製品とされている。
一方、ソルダーレジストとしては、これをフィルム状に成形した、有機溶剤を使用しない、使用直前に2液を混合する必要がないなどの長所を有するドライフィルムが提案されている。しかしドライフィルムは、組成物中にカルボキシル基を有する樹脂とエポキシ樹脂が共存した状態でフィルムに成形及び保存される。このため、ドライフィルム中で前記硬化反応が徐々に進行する。そこでこの反応を抑制し、ドライフィルムの保存安定性をさらに改良することが望まれている。
エポキシ樹脂の硬化反応を抑制する方法として、特許文献1(特開2002-308967号公報)には、液状エポキシ樹脂、液状酸無水物、硬化促進剤として三級アミンまたは四級アンモニウム塩及び無機質充填剤を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物に、硬化反応抑制剤としてステアリン酸亜鉛を添加混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の硬化反応抑制方法が提案されている。しかしこの方法をドライフィルムに適用した場合、耐熱性の低下や基板とドライフィルムの密着性低下という問題がある。
また特許文献2(特開平5-51569号公報)には、カルボキシル基含有アクリル系ポリマー100質量部に対し、フェノール樹脂25〜100質量部、エポキシ樹脂5〜50質量部、反応抑制剤1〜20質量部を配合してなる感熱型接着剤組成物において、反応抑制剤として有機酸無水物及び芳香族アミンよりなる群から選ばれる一種または二種以上を配合した組成物が提案されている。しかしこの方法をドライフィルムに適用した場合、その効果は十分でなく、さらには電気特性の低下などをもたらす場合がある。
特開2002−308967号公報 特開平5−51569号公報
本発明の課題は、プリント配線板製造に使用されるドライフィルムの保存安定性を、耐熱性の著しい低下を伴わずに向上させることにある。
本発明者らはカルボキシル基を有する光硬化性樹脂、光重合開始剤及びエポキシ樹脂を必須成分とする感光性組成物からなるドライフィルムの調製時に、エポキシ樹脂として臭素化エポキシ樹脂を用いることによりドライフィルムの保存安定性が改善されることを見出し、上記課題を解決して本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の1〜9に示す感光性ドライフィルムの製造方法及び感光性ドライフィルムの保存安定性の改良方法に関する。
1.(1)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物の調製時に、エポキシ樹脂(C)の全量または一部として臭素化エポキシ樹脂を使用して、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制された感光性組成物を調製する工程(工程1)、
(2)前記工程1により調製した感光性組成物を、支持フィルム層に塗布、乾燥し、支持フィルム層上に感光層を形成する工程(工程2)、及び
(3)前記工程2において形成された感光層上に保護フィルム層を積層する工程(工程3)を有することを特徴とする感光性ドライフィルムの製造方法。
2.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、一般式(1)
Figure 2006178444
(式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
で示されるビスフェノール型エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
3.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)及び不飽和ヒドロキシ化合物(g)を反応させて得られるものである1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
4.臭素化エポキシ樹脂が、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂である1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
5.エポキシ樹脂(C)として、臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含む1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
6.感光性組成物が、さらに(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーを含む1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
7.感光性組成物が、さらに(E)硬化反応触媒を含む1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
8.感光性組成物中における硬化反応触媒(E)の含有量が1.0質量%未満である7記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
9.カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物からなるドライフィルムのエポキシ樹脂(C)成分の少なくとも一部として臭素化エポキシ樹脂を使用することを特徴とする感光性ドライフィルムの保存安定性改良方法。
エポキシ樹脂として臭素化エポキシ樹脂を使用する本発明の製造方法により得られるドライフィルムは、保存安定性に優れ、耐熱性も良好であることから、品質の良好なプリント配線板を効率よく製造することに寄与する。
本発明の感光性ドライフィルムの製造方法及び保存安定化方法において使用される感光性組成物について説明する。
本発明では、(A)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)エポキシ樹脂を必須成分とする感光性組成物を使用する。
感光性組成物の調製時において、エポキシ樹脂(C)として少なくともその一部に臭素化エポキシ樹脂を使用する。臭素化エポキシ樹脂は、それ自身がカルボキシル基との硬化反応を起こすが、反応抑制剤としての機能をも有しており、これによりカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制される。
前期感光性組成物において、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)としては、任意のものが使用できるが、好ましくは下記一般式(1)で示されるビスフェノール型エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである。
Figure 2006178444
一般式(1)において、nは1〜10の整数である。
一般式(1)において、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、スルホニル基、単結合の中から選ばれ、好ましくはメチレン基またはイソプロピリデン基であり、最も好ましくはメチレン基である。
また、一般式(1)において、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基の中から選ばれ、n=1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基であり、nが2以上の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基である。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に用いられる前記不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、1分子中に1個のカルボキシル基と1個以上の不飽和基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、単独で、あるいは複数を併用して使用することができる。
前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、エポキシ化合物(a)のエポキシ基1当量に対して、不飽和基含有モノカルボン酸(b)が0.8〜1.2当量となる比率で反応させることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.0当量である。
前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応は、通常有機溶剤中で行われる。ここで使用される有機溶剤としては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
また、前記反応は触媒の存在下に行うことも可能であり、触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等を使用することができる。
前記触媒の使用量は、通常、前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である。反応中の重合を防止する目的で、重合防止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられ、その使用量は、前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部である。反応温度は、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃である。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に用いられる多塩基酸無水物(c)としては、1分子中に1以上の酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また複数を併用してよい。これらのうち好ましくは、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸であり、最も好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸である。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)を調製する多塩基酸無水物(c)の反応は、前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応に用いたものと同様の溶媒中で、通常60〜120℃の温度で行われる。多塩基酸無水物(c)の使用量は、前記エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物中の水酸基1当量に対して、通常0.1〜2.0当量である。多塩基酸無水物(c)の使用量を変化させることにより、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の酸価を調整できる。このようにして得られるカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の酸価は20〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が20mgKOH/g未満では光硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下し、200mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。
本発明で使用されるカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の他の好ましい具体例としては、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)、及び不飽和ヒドロキシ化合物(g)を反応させて得られるものが挙げられ、好ましくはカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
本発明で用いられるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましい製造方法としては、前記(d)、(e)、(f)及び(g)全成分を一括混合して反応させる方法、前記(d)、(e)及び(f)を反応させて1分子あたり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成させた後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと前記(g)成分を反応させる方法等が挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸(d)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基と1以上のカルボキシル基を有する化合物であり、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸などが挙げられる。またポリヒドロキシカルボン酸(d)の他の例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンのポリプロポキシトリオール、トリメチロールプロパンのポリエトキシトリオール、ペンタエリスリトールのポリプロポキシテトラオール、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン変性物などの3官能以上のポリオール化合物のヒドロキシル基1当量に対して、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの多塩基酸無水物を、酸無水物基で0.25〜0.5当量反応させた化合物等を挙げることができる。これらポリヒドロキシカルボン酸(d)の中でも、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸が好ましい。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用されるポリオール(e)は、1分子中に2以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価アルコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールなどが挙げられる。
ポリオール(e)の他の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
これらのポリマーポリオールは、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ジオール及びポリラクトン系ジオールの中から一種類または複数種類を組み合わせて使用することができる。また、これらポリマーポリオールは、その分子中にカルボキシル基を有していてもよい。これらのポリマーポリオールの数平均分子量は、可撓性の面から200〜2000であるものが好ましい。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用されるポリイソシアネート(f)としては、具体的に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート及び1,5−ナフタレンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種または2種以上用いることができる。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の製造に使用される不飽和ヒドロキシ化合物(g)は、1分子中に1以上のヒドロキシル基と1以上の不飽和結合を有する化合物であり、公知のものが使用できる。不飽和ヒドロキシ化合物(g)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートは1種または2種以上用いることができる。これらのうち2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の使用量は、本発明の感光性組成物中10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは25〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)の使用量が10質量%未満あるいは90質量%を超える場合には、硬化が不十分となり耐熱性が低下する。
本発明で用いる光重合開始剤(B)としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンジルジメチルケタール類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのα−アミノケトン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン類、9,10−フェナンスレンキノン等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて光増感剤を併用することができる。
これらの光重合開始剤(B)のうちでは、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール類、アシルホスフィンオキサイド類、α−アミノケトン類、α−ヒドロキシケトン類が好ましく、特に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンが、波長吸収効率が高く、高活性であるため好ましい。
これらの光重合開始剤(B)の配合量は、本発明のドライフィルム用感光性組成物中0.1〜30質量%であり、好ましくは1.0〜20質量%であり、特に好ましくは2.0〜15質量%である。光重合開始剤(B)の配合量が0.1質量%未満であると、感光性組成物の硬化が不十分となる場合がある。また、30質量%を超えると耐熱性が低下することがある。
本発明で使用するエポキシ樹脂(C)の全量または一部として、1分子中に1以上の臭素原子を有するエポキシ樹脂であり、公知であるものが使用できる。臭素化エポキシ樹脂としては、一般式(2)
Figure 2006178444
及び一般式(3)
Figure 2006178444
で示される化合物などが使用できる。
前記一般式(2)において、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、スルホニル基、単結合の中から選ばれ、好ましくはメチレン基またはイソプロピリデン基であり、最も好ましくはイソプロピリデン基である。また、mは0または1〜10の整数である。
また前記一般式(3)において、Zは水素原子または2,3−エポキシプロピル基であり、少なくともひとつのZは2,3−エポキシプロピル基である。また前記一般式(3)において、qは0または1〜10の整数である。
本発明で使用される臭素化エポキシ樹脂(C)の具体例としては、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールFのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、臭素化ノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテルなどが挙げられる。これら臭素化エポキシ樹脂は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。これらの中で好ましくはテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型の臭素化エポキシ樹脂であり、最も好ましくはテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
本発明の臭素化エポキシ樹脂(C)の使用量は、本発明の感光性組成物中において、通常3.0〜25.0質量%であり、好ましくは5.0〜20.0質量%、さらに好ましくは7.0〜15.0質量%である。臭素化エポキシ樹脂(C)の使用量が3.0質量%未満では、保存安定性の改良に対する効果が認められない場合があり、25.0質量%を超えると耐熱性の低下や、アルカリ現像性が低下する場合がある。
本発明におけるエポキシ樹脂(C)としては、前記臭素化エポキシ樹脂とともに、これ以外のエポキシ樹脂を使用することもできる。これら臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、フェノール類またはアルコール類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビキシレノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、二重結合の酸化によって得られる内部エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの詳細については、例えば新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社1987発行)に記載されている。
これらのうち、好ましくはグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂であり、さらに好ましくはビフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビキシレノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂及びサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂である。
本発明における臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の使用量は、本発明の感光性組成物中1〜70質量%であり、好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の使用量が1質量%未満では耐熱性が低下することがあり、70質量%を超えると現像性や保存安定性が低下することがある。
本発明における感光性組成物は、前記(A)〜(C)に加え、さらに光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)を含有することが好ましい。これらは感光性組成物の粘度を調整したり、感光性組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調整する目的で添加される。光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)は、前記光重合開始剤(B)により重合を行う化合物であれば特に制限は無く、公知のものを単独で、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。
光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニールアシッドホスフェート等のリン原子を有するメタクリレートなどのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート等のジアクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、前記(A)以外のウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)としては、ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート等も使用できる。
これらのうち好ましいものとしては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート及び前記(A)以外のウレタン(メタ)アクリレート、前記(A)以外のエポキシ(メタ)アクリレートである。
これら光硬化性モノマーまたはオリゴマー(D)の使用量は、本発明の感光性組成物中において、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは1.0〜20質量%であり、特に好ましくは3.0〜15質量%である。
本発明の感光性組成物は、さらに(E)硬化反応触媒を含有してもよい。硬化反応触媒(E)は、エポキシ基同士の反応またはエポキシ基とカルボキシル基との反応を促進する化合物であり、公知のものを使用することができる。
硬化反応触媒(E)の具体例としては、アミン類、窒素含有複素環化合物、アンモニウム塩、及びポリアミド類が挙げられる。アミン類としては、脂肪族及び芳香族の第一、第二、第三級アミンが挙げられる。
脂肪族アミンのうち第一級または第二級アミンの具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)スピロ−2,4,8,10−テトラオキサウンデカン等が挙げられる。
脂肪族アミンのうち第三級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
芳香族アミンの具体例としては、メタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、m−アミノフェノール等が挙げられる。
またアミン類の他の具体例としては、テトラメチルグアニジン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体等が挙げられる。
窒素含有複素環化合物の具体例としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン等のピリジン類;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート等のイミダゾール類;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン類;1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどが例示される。
また、窒素含有複素環化合物の他の具体例としては、トリアジン化合物が挙げられる。例えばメラミン、N−エチレンメラミン、N,N',N''−トリフェニルメラミン、ヘキサ(N−メチル)メラミン等のメラミン類;、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N'−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等のシアヌル酸類が挙げられる。
アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩類が挙げられる。
ポリアミド類の具体例としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一及び第二アミノ基を有するポリアミノアミドが挙げられる。
これらのうち好ましくは窒素含有複素環化合物であり、特に好ましくはイミダゾール類及びメラミン等のトリアジン化合物である。
これら硬化反応触媒(E)の使用量は、本発明の感光性組成物中において、通常1.0質量%未満であり、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%、よりさらに好ましくは0.6質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.4質量%以下である。
[感光性組成物の調製方法]
本発明における感光性組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造できる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよいし、またはすべての成分を一括して混合してもよい。また、感光性組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒を添加して使用してもよい。粘度を調節することによって、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコートなどで対象物上に塗布することが容易となる。有機溶媒としては、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カルビトール系及びそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族系及び脂環族系等の溶媒等が挙げられる。1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明における感光性組成物には必要に応じて、熱重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等の添加剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。消泡剤は、塗工時及び硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。レベリング剤は、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明における感光性組成物には、無機あるいは有機充填剤を添加することもできる。無機充填剤の具体例としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸塩化合物等が挙げられる。有機充填剤の具体例としては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。
次に本発明の感光性ドライフィルムの製造方法について説明する。
本発明の感光性ドライフィルムの製造方法は、
(1)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物の調製時に、エポキシ樹脂(C)の全量または一部として臭素化エポキシ樹脂を使用して、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制された感光性組成物を調製する工程(工程1)、
(2)前記工程1により調製した感光性組成物を、支持フィルム層に塗布、乾燥し、支持フィルム層上に感光層を形成する工程(工程2)、及び
(3)前記工程2において形成された感光層上に保護フィルム層を積層する工程(工程3)を有することを特徴とする。
工程1における感光性組成物の調製は、前記(A)、(B)、(C)及び必要に応じて他の成分を任意の方法により混合することで行われる。この時に(C)成分の少なくとも一部に臭素化エポキシ樹脂を使用し、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制される。
混合は各成分を同時に混合しても、または逐次に混合してもよい。混合の温度は任意であり、通常は、室温〜100℃程度の範囲で行われる。混合に当たってはロールミル、ビーズミルなど公知の装置を使用することが可能である。
工程2においては、工程1で得られたカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制された感光性組成物を、支持フィルム層に塗布する。塗布の方法は任意であるが、一般的にはコンマコーター、ダイコーター、ロールコーターなどにより支持フィルム層上に塗布される。
ここで使用される支持フィルム層としては、任意の重合体フィルムが用いられる。好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。またこれら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。支持フィルム層の厚さは、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜50μmの範囲、特に好ましくは15〜30μmの範囲である。
支持フィルム層上に塗布された感光性組成物は、その後任意の装置により、室温〜150℃程度の温度で0.1〜60分程度の時間乾燥され、支持フィルム層上に感光層が形成される。感光層の厚みは任意であるが、通常5〜200μmの範囲であり、好ましくは10〜100μmの範囲であり、さらに好ましくは15〜70μmの範囲、特に好ましくは20〜50μmの範囲である。感光層の厚みが5μm未満では、プリント配線板製造時において回路パターンへの埋め込み性が劣ったり、回路パターンに積層した後の表面平滑性が劣る結果、多層プリント配線板への適用が困難になったりすることがある。また感光層の厚みが200μmを超えるとレジストパターンの形状が不明瞭になったり、フレキシブルプリント配線板に使用した場合に可撓性が低下する場合がある。
前記工程3においては、工程2で形成した感光層上に保護フィルム層が積層される。積層の方法は任意であり、一般には熱ロール等により感光層と圧着される。
ここで使用される保護フィルム層としては任意の重合体フィルムが用いられるが、前記支持フィルム層と同一のものでも、また異なるものでもよい。重合体フィルムとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムであり、これら重合体フィルムは一軸もしくは二軸延伸されていてもかまわない。また、これら重合体フィルムは、その片面あるいは両面にシリコーン等の離型剤層が形成されたものであってもよい。これらのうちシリコーン等の離型剤層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムが特に好ましい。これら保護フィルム層の厚さは、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜50μmの範囲、特に好ましくは10〜30μmの範囲である。
感光性ドライフィルムを使用して、絶縁保護被膜を有するプリント配線基板を製造するためには、まず、感光性ドライフィルムの感光層と回路パターンが形成された基板とを貼合する貼合工程を行う。ここで、保護フィルムが設けられている感光性ドライフィルムを使用する場合には、保護フィルムを剥がして感光層を露出させてから前記基板に接触させる。そして、感光層と基板とを加圧ローラなどを用いて40〜120℃程度で熱圧着して、前記基板上に感光層を積層する。そして、感光層を所望の露光パターンが施されたネガマスクを介して露光する露光工程と、感光層から支持フィルム層を剥離する工程と、現像液で未露光部分を除去し現像する現像工程と、感光層を熱硬化させる熱硬化工程を行うことによって、前記基板の表面に絶縁保護被膜が設けられたプリント配線板を製造できる。また、このような感光性ドライフィルムを使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を形成してもよい。なお、前記回路パターンが形成された基板は、ガラス−エポキシ樹脂複合材料からなるリジッド基板であってもよく、ポリイミドフィルム等からなるフレキシブル基板であってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例中、部は質量部を表し、%は質量%を表す。
合成例1:光硬化性樹脂(A−1)の合成
ビスフェノールF型固型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、エポキシ当量800、軟化点79℃)400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、撹拌下70℃で98.5%NaOH81.2部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH 10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、軟化点62℃のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。
上記で得たエポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、p−メトキシフェノール2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、撹拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これにテトラヒドロ無水フタル酸1480部(9当量)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却後、固形分の酸価が100mgKOH/gの固形分の濃度65%のカルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−1)を得た。
合成例2:光硬化性樹脂(A−2)の合成
ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、旭チバ(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名アラルダイト#2600)291g、ビスフェノールA:129g及び触媒としてのトリエチルアミン0.20gとを仕込み、150〜160℃で1時間反応させ、軟化点97℃、エポキシ当量1000のビスフェノールA型エポキシ化合物を得た。これにアクリル酸30g、禁止剤としてのp−メトキシフェノール0.45g及びエステル化触媒としてのトリフェニルホスフィン1.65gを仕込み、120℃で5時間反応させ、酸価1mgKOH/gの反応物を得た。さらにこれに、テトラヒドロ無水フタル酸168gを投入して120℃で酸価が100mgKOH/gになるまで反応させた。この反応には3時間を要した。これに溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、固形分の濃度65%のカルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−2)を得た。
合成例3:光硬化性樹脂(A−3)の合成
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリマーポリオールとしてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、PLACCEL212、分子量1250)3750g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸402g、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート1554g及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート238g、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつ投入した。撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、カルボキシル基含有光硬化性樹脂(A−2)を得た。得られた光硬化性樹脂(A−2)の数平均分子量は2,5000、酸価は40mgKOH/gであった。
実施例1:
(1)感光性ドライフィルムの製造
下記に従い感光性ドライフィルムを製造した。
工程1:
表1に記載の割合で各成分を配合したのち、3本ロールミルにより2度混合し、主剤組成物及び硬化剤組成物を調製した。次にこの主剤組成物及び硬化剤組成物を混合し、撹拌機により毎分2000回転で5分撹拌することで感光性組成物を得た。
工程2:
上記に従って製造した感光性組成物を、ドクターブレードにより支持フィルム層である23μm厚のポリエチレンテレフタレート製フィルム上に塗工し、80℃の乾燥炉で7分間乾燥して感光層を形成した。乾燥後の感光層の膜厚は38±1μmであった。
工程3:
上記で形成された感光層の上に、保護フィルム層として25μm厚のポリプロピレンフィルムを貼合し、保護フィルムを有する感光性ドライフィルムを作製した。なお、溶剤は表に記載の量の半分ずつを主剤及び硬化剤にそれぞれ添加した。
(2)ドライフィルムの評価
上記(1)で製造したドライフィルムを以下に従い評価した。結果を表1に示す。
光感度の測定:
/ 上記感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を調製した。この積層体を、フォトマスク(21ステップ(段)デンシティータブレット、日立化成(株)製)を通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、700mJ/cm2)したのち、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、ついで30℃の水で洗浄した。この操作の後、正常に硬化していたステップの段数を光感度の値とした。
はんだ耐熱性の評価:
上記感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製)により銅張積層板の銅上にラミネートした。次にこの積層体の感光層を、5mm×5mmの市松模様を有するフォトマスクを通じて超高圧水銀ランプにより露光し、露光後の感光層を1%炭酸ナトリウム水溶液により現像した。その後、150℃のオーブンで30分間熱硬化することで、市松模様のレジストパターンを有する積層体を得た。
上記に従って調製した試験片をレジスト面がはんだに接触するように260℃のはんだ浴に10秒間フロートさせた後、レジスト膜の膨れ及び剥離の有無を判定評価した。これらの操作を1サイクルとして繰り返し、レジスト膜の膨れ及び剥離が認められなかったサイクル数をはんだ耐熱性の指標とした。
保存安定性の評価:
上記感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥がし、60℃の真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製)により銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板(宇部興産(株)製ユピセル(登録商標)N)の銅箔上にラミネートし、積層体を得た。この積層体を23℃において所定の日数保存した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、ついで30℃の水で洗浄することで現像性を評価した。レジスト膜が完全に現像除去された時間を現像時間とした。
実施例2〜11、比較例1〜4:
各成分の配合量を表1記載の通りとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で感光性ドライフィルムを製造し、その評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006178444
Figure 2006178444
なお、比較例2では臭素化エポキシ樹脂の代わりに、特許文献1に記載されたステアリン酸亜鉛を、比較例3及び4では特許文献2に記載された無水フタル酸及びm−フェニレンジアミンをそれぞれ使用した。
実施例では、臭素化エポキシ樹脂の添加により安定化された感光性組成物を使用しているため、得られるドライフィルムは保存安定性に優れる。すなわちドライフィルムの製造直後と、これを室温で6日間保存したものとで現像時間に大きな変化は見られない。一方、臭素化エポキシ樹脂を使用しないで製造した比較例1のドライフィルムでは、6日間保存した後は現像することができなかった。比較例2〜4は、エポキシ樹脂の公知の安定化方法をドライフィルムに適用したものであるが、いずれも6日間保存した後は現像することができなかった。また比較例4では製造直後でも現像することができず、これらの方法をドライフィルムに適用することは困難であることがわかる。

Claims (9)

  1. (1)カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物の調製時に、エポキシ樹脂(C)の全量または一部として臭素化エポキシ樹脂を使用して、カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(C)中のエポキシ基との反応が抑制された感光性組成物を調製する工程(工程1)、
    (2)前記工程1により調製した感光性組成物を、支持フィルム層に塗布、乾燥し、支持フィルム層上に感光層を形成する工程(工程2)、及び
    (3)前記工程2において形成された感光層上に保護フィルム層を積層する工程(工程3)を有することを特徴とする感光性ドライフィルムの製造方法。
  2. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、一般式(1)
    Figure 2006178444
    (式中、nは1〜10の整数であり、Xは単結合、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはスルホニル基を表し、Yは水素原子または2,3−エポキシプロピル基を表し、nが1の場合にはYは2,3−エポキシプロピル基を表し、nが2〜10の場合には少なくともひとつのYは2,3−エポキシプロピル基を表す。)
    で示されるビスフェノール型エポキシ化合物(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られるものである請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  3. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)が、ポリヒドロキシカルボン酸(d)、ポリオール(e)、ポリイソシアネート(f)及び不飽和ヒドロキシ化合物(g)を反応させて得られるものである請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  4. 臭素化エポキシ樹脂が、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂である請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  5. エポキシ樹脂(C)として、臭素化エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含む請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  6. 感光性組成物が、さらに(D)光硬化性モノマーまたはオリゴマーを含む請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  7. 感光性組成物が、さらに(E)硬化反応触媒を含む請求項1記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  8. 感光性組成物中における硬化反応触媒(E)の含有量が1.0質量%未満である請求項7記載の感光性ドライフィルムの製造方法。
  9. カルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びエポキシ樹脂(C)を必須成分とする感光性組成物からなるドライフィルムのエポキシ樹脂(C)成分の少なくとも一部として臭素化エポキシ樹脂を使用することを特徴とする感光性ドライフィルムの保存安定性改良方法。
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