JP2017198746A - ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents

ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性に優れた樹脂層を有するドライフィルム、該ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られる硬化物、該硬化物を具備するプリント配線板を提供することにある。【解決手段】第一のフィルムと、第二のフィルムと、前記第一のフィルムと前記第二のフィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムであって、前記第二のフィルムは前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、前記樹脂層はガラス転移温度(Tg)が10〜30℃であり、質量換算で、前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合をxとし、前記樹脂層中の無機フィラーの割合をyとしたとき、x/y=0.2〜1.0であり、前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が基材へのラミネート面であることを特徴とするドライフィルム等である。【選択図】図1

Description

本発明は、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関する。
従来、電子機器等に用いられるプリント配線板に設けられるソルダーレジストや層間絶縁層等の保護膜や絶縁層の形成手段の一つとして、ドライフィルム(積層フィルム)が利用されており(例えば特許文献1、2)、近年の基板の薄型化や回路の微細化に伴い、ソルダーレジスト等の保護膜や絶縁層の形成用のドライフィルムの要求が高まっている。ドライフィルムは、所望の特性を有する樹脂組成物を支持フィルムの上に塗布後、乾燥工程を経て得られる樹脂層を有し、一般的には、支持フィルムとは反対側の面を保護するための保護フィルムがさらに積層された状態で市場に流通している。ドライフィルムの樹脂層を基板に貼着(以下「ラミネート」とも称する)した後、パターニングや硬化処理を施すことによって、上記のような保護膜や絶縁層をプリント配線板に形成することができる。
特開平7−15119号公報(特許請求の範囲) 特開2002−162736号公報(特許請求の範囲)
基板にラミネートするためにフィルム(多くの場合は保護フィルム)を樹脂層から剥離する際に、フィルムの剥離によって樹脂層に剥がれが生じないこと、即ち抱き別れ防止性が求められている。
また、樹脂層を基板にラミネートする前に、樹脂層を基材に仮張りし、カッターで裁断を行う工程において、樹脂層には、仮張り性、すなわち、仮張りするための端部の接着性に優れること、および、カッターによる裁断時に粉落ちしないことが求められている。
また、手作業時や搬送時等に樹脂層が誤って基材に付着してしまう場合があり、その際に、樹脂層を剥がし、リワークできることが求められているが、室温で樹脂層が基材に張り付いてしまうため、リワークが困難であるという課題があった。
そこで本発明の目的は、抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性に優れた樹脂層を有するドライフィルム、該ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られる硬化物、該硬化物を具備するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、基材にラミネートする際に基材と接触する樹脂層の面側、即ちラミネート面側に設けられたフィルム(多くの場合は保護フィルム)の、前記樹脂層に接する面の粗度を調整し、かつ、樹脂層のTgを10〜30℃とし、樹脂層中に含まれるTg<0℃の有機成分と無機フィラーを特定の範囲とすることによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のドライフィルムは、第一のフィルムと、第二のフィルムと、前記第一のフィルムと前記第二のフィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムであって、前記第二のフィルムは前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、前記樹脂層はガラス転移温度(Tg)が10〜30℃であり、質量換算で、前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合をxとし、前記樹脂層中の無機フィラーの割合をyとしたとき、x/y=0.2〜1.0であり、前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が基材へのラミネート面であることを特徴とするものである。
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合xが、8〜35質量%であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層が非シリコン系剥離剤を含むことが好ましい。
本発明の硬化物は、前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性に優れた樹脂層を有するドライフィルム、該ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られる硬化物、該硬化物を具備するプリント配線板を提供することができる。
本発明のドライフィルムの一実施形態を示した概略断面図である。
<ドライフィルム>
本発明のドライフィルムにおいて、前記第二のフィルムの、前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が、基材へのラミネート面である。第二のフィルムの面の粗度を当該範囲に規定したことによって、当該面と接する樹脂層の面にも凹凸が形成される。前記第二のフィルムの、前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaは、0.1〜1.2μmであることが好ましく、0.1〜0.8μmであることがより好ましい。なお、算術平均表面粗さRaとは、JIS B0601に準拠して測定された値を意味する。さらに本発明のドライフィルムにおいては、樹脂層のTg、ならびに、ドライフィルムの樹脂層が含有する液状の有機成分、即ち、Tgが低い有機成分、および、無機フィラーの割合に着眼し、樹脂層のTgを10〜30℃、かつ、樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合xと、前記樹脂層中の無機フィラーの割合yの比x/yを0.2〜1.0とすることにより、樹脂層が適度な流動性を有し、凹凸が形成された樹脂層の面において、優れた抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性を得ることができる。樹脂層のTgは好ましくは15〜25℃である。割合xは、好ましくは8〜40質量%、より好ましくは8〜35質量%である。樹脂層の50℃における溶融粘度は、1.0×10〜1.0×10dPa・sであることが好ましく、1.0×10〜7.0×10であることがより好ましい。また、90〜120℃における溶融粘度の最低値は、50〜900dPa・sであることが好ましい。50〜900dPa・sであるとラミネート後の樹脂層表面の平滑性とのバランスに優れる。
前記樹脂層は、Tg<0℃の有機成分として、25℃で液状の、光硬化性樹脂、エポキシ樹脂および添加剤の少なくとも何れか1種を含有することが好ましい。上記添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、分散剤、レべリング剤等が挙げられる。
図1は、本発明のドライフィルムの一実施形態を示した概略断面図である。ドライフィルム1は、第一のフィルム11と、第二のフィルム12と、前記第一のフィルム11と前記第二のフィルム12との間に挟まれた樹脂層13とを有する。前記第二のフィルムの、前記樹脂層に接する面は粗く、0.1μm以上の算術平均表面粗さRaを有する。
[第一のフィルムおよび第二のフィルム]
支持フィルムと保護フィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムをラミネートする際には、多くの場合、保護フィルムを剥離して、保護フィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる。しかしながら、支持フィルムを剥離して、支持フィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる場合もある。本発明においては、基材に樹脂層をラミネートする際に樹脂層から剥離されるフィルム(即ち第二のフィルム)の、前記樹脂層に接する面が、前記範囲の算術平均表面粗さRaを有していればよい。即ち、第二のフィルムは、支持フィルムと保護フィルムのどちらであってもよい。好ましくは、第一のフィルムが支持フィルムであり、第二のフィルムが保護フィルムである。
支持フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層を支持する役割を有するものであり、該樹脂層を形成する際に、後記の硬化性樹脂組成物が塗布されるフィルムである。支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。支持フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。支持フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。また、支持フィルムの樹脂層を設ける面には、スパッタもしくは極薄銅箔が形成されていてもよい。
保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層の支持フィルムとは反対の面に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、前記支持フィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、これらの中でも、ポリエステルフィルムおよびポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
上記したような算術平均表面粗さRaを有する第二のフィルムとして、熱可塑性樹脂フィルムを使用する場合、フィルムを成膜する際の樹脂中にフィラーを添加したり、フィルム表面をブラスト処理したり、あるいはヘアライン加工、マットコーティング、またはケミカルエッチング等により、表面を所定の形態にすることができ、上記した算術平均表面粗さRaを有する熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。例えば、樹脂中にフィラーを添加する場合に、フィラーの粒径や添加量を調整することにより、算術平均表面粗さRaを制御することができる。また、ブラスト処理する場合は、ブラスト材やブラスト圧等の処理条件を調整することにより、算術平均表面粗さRaを制御することができる。このような表面粗さを有する熱可塑性樹脂フィルムとして、市販のものを使用してもよく、例えば、東レ社製ルミラーX42、ルミラーX43、ルミラーX44、ユニチカ社製エンブレットPTH−12、エンブレットPTH−25、エンブレットPTHA−25、エンブレットPTH−38、王子エフテックス社製アルファンMA−411、MA−420、E−201FおよびER−440等が挙げられる。
第一のフィルムの厚さは10〜100μmが好ましいが、15μm以上であることがより好ましい。10μm以上の場合、ドライフィルムを基材にラミネート後、第一のフィルムを剥離せずに熱処理を施しても第一のフィルムが熱収縮しにくく、熱収縮によって厚さが均一ではなくなったり、熱収縮によって第一のフィルムに生じたスジに沿って樹脂層が流れてしまい、樹脂層にもスジが生じたりするという品質の劣化を防ぐことができる。
[樹脂層]
本発明のドライフィルムの樹脂層は、第一のフィルムまたは第二のフィルムに樹脂組成物を塗布後、乾燥工程を経て得られる。前記樹脂組成物は特に限定されず、ソルダーレジスト、層間絶縁層およびカバーレイ等のプリント配線板に設けられる保護層や絶縁層の形成に用いられる樹脂組成物を用いることができる。樹脂層の膜厚は特に限定されないが、乾燥後の膜厚が1〜200μmであることが好ましい。光硬化性の硬化性樹脂層の場合、200μm以下の場合、深部硬化性の低下を抑えることができる。樹脂組成物の具体例として、光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光塩基発生剤を含有する光硬化性樹脂組成物、光酸発生剤を含有する光硬化性樹脂組成物、ネガ型光硬化性樹脂組成物、ポジ型光硬化性樹脂組成物、アルカリ現像型光硬化性樹脂組成物、溶剤現像型光硬化性樹脂組成物等の光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、膨潤剥離型樹脂組成物、溶解剥離型樹脂組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも硬化性樹脂組成物が好ましい。
(硬化性樹脂)
前記樹脂層は硬化性樹脂を含有することが好ましい。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂でも光硬化性樹脂であってもよい。また、硬化性樹脂は、1種を単独で、または、2種以上を用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。特に、本発明においては、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を好適に用いることができ、これらは併用してもよい。
上記エポキシ化合物としては、1個以上のエポキシ基を有する公知慣用の化合物を使用することができ、中でも、2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのモノエポキシ化合物などのモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、新日鉄住金化学社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル日本社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、新日鉄住金化学社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル日本社製のD.E.R.542、住友化学社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.711、A.E.R.714等のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル日本社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、新日鉄住金化学社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、新日鉄住金化学社製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5,YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704 YDCN−704A、DIC社製のエピクロンN−680、N−690、N−695(いずれも商品名)等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、新日鉄住金化学社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、新日鉄住金化学社製のエポトートYH−434;住友化学社製のスミ−エポキシELM−120等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル社製のセロキサイド2021等の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル日本社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等の複素環式エポキシ樹脂;日油社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;新日鉄住金化学社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄住金化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日油社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂(例えば新日鉄住金化学社製のYR−102、YR−450等);トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの中でも、耐熱性の観点から多官能エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、オキセタン化合物について説明する。下記一般式(I)、
Figure 2017198746
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)により表されるオキセタン環を含有するオキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成社製OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。これらオキセタン化合物は、上記エポキシ化合物と併用してもよく、また、単独で使用してもよい。
光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、特に、本発明においては、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、公知慣用の光硬化性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができる。また、光硬化性樹脂として、後述するようなエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂等のポリマーを用いることができる。
光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニルまたは安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどのアリル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートなどのイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂としては、アルカリ水溶液に可溶となるアルカリ可溶性基を有するアルカリ可溶性樹脂であってもよい。アルカリ可溶性基とは、例えば、フェノール性水酸基、チオール基およびカルボキシル基のうちのいずれか1種である。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物、カルボキシル基含有樹脂、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物、チオール基を2個以上有する化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基含有樹脂またはフェノール樹脂であると、下地との密着性が向上する。特に、アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基含有樹脂であると、現像性に優れる。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂であることが好ましいが、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂でもよい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。
(9)多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(13)上記(1)〜(12)等に記載のカルボキシル基含有樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂。
上記カルボキシル基含有樹脂のうち、(1)、(7)、(8)、(10)〜(13)に記載のカルボキシル基含有樹脂が好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ビフェニル骨格若しくはフェニレン骨格またはその両方の骨格を有する化合物や、フェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等を用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール樹脂が挙げられる。
また、フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物などの公知慣用のフェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂の市販品としては、例えば、HF1H60(明和化成社製)、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2131(大日本印刷社製)、ベスモールCZ−256−A(DIC社製)、シヨウノールBRG−555、シヨウノールBRG−556(昭和電工社製)、CGR−951(丸善石油社製)、ポリビニルフェノールのCST70、CST90、S−1P、S−2P(丸善石油社製)が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲が適当であり、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲である。アルカリ可溶性樹脂の酸価が40mgKOH/g以上であるとアルカリ現像が容易となり、一方、200mgKOH/g以下である正常なレジストパターンの描画が容易となるので好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、1,500〜150,000、さらには1,500〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が1,500以上の場合、タックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良好で、現像時の膜減りを抑制し、解像度の低下を抑制できる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性が良好で、貯蔵安定性にも優れる。
アルカリ可溶性樹脂の配合量は、樹脂層全量中に好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜50質量%である。5〜50質量%の場合、塗膜強度が良好であり、また、組成物の粘性が適度で塗布性等が向上する。アルカリ可溶性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂の配合量は、樹脂層全量中に好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜80質量%である。5〜80質量%の場合、塗膜強度が良好であり、また、組成物の粘性が適度で塗布性等が向上する。硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(無機フィラー)
前記樹脂層は、無機フィラーを含有することが好ましく、表面処理された無機フィラーを含有することがより好ましい。ここで、無機フィラーの表面処理とは、樹脂成分との相溶性を向上させるための処理のことを言う。無機フィラーの表面処理は、無機フィラーの表面に硬化性反応基を導入可能な表面処理が好ましい。
無機フィラーとしては、特に限定されず、公知慣用の充填剤、例えばシリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機フィラーを用いることができる。中でも、シリカが好ましく、表面積が小さく、応力が全体に分散するためクラックの起点になりにくいことから、球状シリカであることがより好ましい。
本発明のドライフィルムがパッケージ基板用の場合には、250℃以上の高温で処理されうるため、分解温度が250℃未満の無機フィラーを含まないことが好ましい。無機フィラーの分解温度は、例えば日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA6200を用いて測定することができる。
分解温度が250℃未満の無機フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウムが知られている。本明細書において分解温度とは、DTA曲線が低下し始める温度であり、水酸化アルミニウムは約210℃から分解が始まり、250℃で10%程度の重量減少が発生する。測定条件としては、室温から100℃までの昇温レートを5℃/minとし、100℃/30min保持し、100℃から500℃までの昇温レートを5℃/minとする。
表面処理された無機フィラーは、硬化性樹脂と反応する硬化性反応基を表面に有してもよいが、有さなくてもよい。本明細書において硬化性反応基とは、硬化性樹脂と硬化反応する基であれば特に限定されず、熱硬化性反応基でも光硬化性反応基でもよい。光硬化性反応基としては、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、スチリル基等が挙げられ、熱硬化性反応基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、イミノ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。表面処理された無機フィラーは、硬化性反応基として、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基およびメルカプト基のうちいずれか少なくとも一種を有することが好ましい。また、無機フィラーは2種以上の硬化性反応基を有していてもよい。
無機フィラーの表面に硬化性反応基を導入する方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いて導入すればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理すればよい。
無機フィラーの表面処理としては、カップリング剤による表面処理が好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。中でも、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、無機フィラーに、硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤が好ましい。熱硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤としては、有機基として、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イソシアネート基を有するシランカップリング剤が挙げられ、中でもエポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。光硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤としては、有機基として、ビニル基を有するシランカップリング剤、スチリル基を有するシランカップリング剤、メタクリル基を有するシランカップリング剤、アクリル基を有するシランカップリング剤が好ましく、中でもメタクリル基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
また、硬化性反応基を有しない表面処理された無機フィラーとしては、例えば、シリカ−アルミナ表面処理、チタネート系カップリング剤処理、アルミネート系カップリング剤処理、有機処理がされた無機フィラー等が挙げられる。
表面処理された無機フィラーは、表面処理された状態で前記樹脂層に配合されていればよく、表面未処理の無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤に表面処理された無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理された無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合して樹脂層を形成することがより好ましい。
無機フィラーは、平均粒径が2μm以下であると、ラミネート後の細線部への埋め込み性により優れることから好ましい。より好ましくは、1μm以下である。
無機フィラーの配合量は、前記樹脂層の全量あたり20〜80質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、35〜80質量%であることがさらに好ましい。
表面処理された無機フィラーと、表面処理されていない無機フィラーを併用してもよい。その場合、表面処理された無機フィラーは、表面処理された無機フィラーと表面処理されていない無機フィラーの総量あたり、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
(非シリコン系剥離剤)
前記樹脂層は、非シリコン系剥離剤を含有することが好ましい。非シリコン系剥離剤を含有することにより、樹脂層を形成するために樹脂組成物をフィルム上に塗布する際に、塗工ムラやハジキが生じにくく、保護フィルムの樹脂層からの剥離性が良好となる。非シリコン系剥離剤としては、例えば、アクリル系剥離剤、ワックス系剥離剤が挙げられるが、中でもアクリル系剥離剤を用いることが好ましい。アクリル系剥離剤は、熱可塑性アクリル樹脂であることが好ましい。
本発明において、アクリル系剥離剤として、アクリル系表面調整剤を好適に用いることができる。アクリル系表面調整剤としては、例えば、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N、BYK−361N、BYK−381、BYK−392、BYK−394、BYK−3441、リンテック社製T157−2、T197、共栄社化学社製ポリフローNo.75、No.77、No.85HF、No.90、No.95、No.99C等が挙げられる。
上記非シリコン系剥離剤のうち、溶剤系絶縁材用組成物に用いることができるものが好ましく、例えば、BYK−350、BYK−361N、BYK−394が好ましい。
非シリコン系剥離剤の配合量は、樹脂層全量に対し、0.01〜10質量%が好ましい。
非シリコン系剥離剤の配合量は、前記樹脂層中に0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましい。
(光重合開始剤)
前記樹脂層は、硬化性樹脂として光硬化性樹脂を含有する場合は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
光重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製IRGACURE819)等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製IRGACURE TPO)等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4− (4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもモノアシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類が好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。
光重合開始剤の配合量は、光硬化性樹脂の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。0.5質量部以上の場合、表面硬化性が良好となり、20質量部以下の場合ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
(光塩基発生剤)
前記樹脂層は、光塩基発生剤を含有することができる。光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、熱硬化反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ化合物,N−ホルミル化芳香族アミノ化合物、N−アシル化芳香族アミノ化合物、ニトロベンジルカーバメイト化合物、アルコオキシベンジルカーバメート化合物等が挙げられる。なかでも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましく、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。光塩基発生剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この他、光塩基発生剤としては、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
その他の光塩基発生剤として、WPBG−018(商品名:9−anthrylmethyl N,N’−diethylcarbamate)、WPBG−027(商品名:(E)−1−[3−(2−hydroxyphenyl)−2−propenoyl]piperidine)、WPBG−082(商品名:guanidinium2−(3−benzoylphenyl)propionate)、WPBG−140(商品名:1−(anthraquinon−2−yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
さらに、前述した光重合開始剤の一部の物質が光塩基発生剤としても機能する。光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤としては、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光塩基発生剤の配合量は、光硬化性樹脂の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。0.5質量部以上の場合、表面硬化性が良好となり、20質量部以下の場合ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
(熱硬化触媒)
前記樹脂層は、熱硬化触媒を含有することができる。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
熱硬化触媒の配合量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜20質量部、より好ましくは0.1〜20質量部である。
(着色剤)
前記樹脂層には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白等の公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
着色剤の配合量は特に制限はない。
(有機溶剤)
前記樹脂層の形成に用いる樹脂組成物には、組成物の調製や、基板や支持フィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
有機溶剤は乾燥後に前記樹脂層に若干量残存することが好ましい。溶剤の残含有量は、樹脂層全量基準で、0.1〜4質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
(その他の任意成分)
さらに、前記樹脂層には、電子材料の分野において公知慣用の他の硬化成分や他の添加剤を配合してもよい。他の硬化成分としては、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、マレイミド化合物、脂環式オレフィン重合体が挙げられる。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、光開始助剤、増感剤、熱可塑性樹脂、有機フィラー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
前記樹脂層は、熱硬化性、光硬化性またはアルカリ現像型の感光性熱硬化性であることが好ましい。
前記樹脂層が熱硬化性である場合は、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。また、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることがより好ましい。
前記樹脂層が光硬化性である場合は、硬化性樹脂として光硬化性樹脂を含有し、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。光硬化性樹脂はエチレン性不飽和基を有することが好ましく、(メタ)アクリル基を有することがより好ましい。
前記樹脂層がアルカリ現像型の光硬化性熱硬化性である場合は、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を含有し、さらに光硬化性樹脂および光重合開始剤を含有することが好ましい。熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有することが好ましく、光硬化性樹脂はエチレン性不飽和基を有することが好ましく、(メタ)アクリル基を有することがより好ましい。
ドライフィルムを形成する際には、まず、樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等により、支持フィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、40〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、3〜150μm、好ましくは5〜60μmの範囲で適宜選択される。支持フィルム上に樹脂組成物からなる樹脂層を形成した後、膜の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、樹脂層の表面に、剥離可能な保護フィルムを積層する。第二のフィルム(多くの場合、保護フィルム)としては、第二のフィルムを剥離するときに、樹脂層と第一のフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。
なお、本発明においては、保護フィルム上に樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面に支持フィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、支持フィルムおよび保護フィルムのいずれを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいては、支持フィルムまたは保護フィルム、すなわち、第二のフィルムを樹脂層から剥がし、ラミネーター等により樹脂層が基材と接触するように基材上に貼り合わせることにより、基材上に樹脂層を形成することができる。
上記基材としては、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
本発明のドライフィルムの樹脂層が熱硬化性の場合は、例えば、100〜220℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化皮膜(硬化物)を形成することができる。
また、本発明のドライフィルムの樹脂層が光硬性の場合は、樹脂層に対し、露光(光照射)を行うことにより、露光部(光照射された部分)が硬化する。また、ドライフィルムの樹脂層が感光性熱硬化性であって光塩基発生剤を含有する場合は、露光部(光照射された部分)の塩基を活性化した後、加熱して露光部を深部まで硬化する。具体的には、接触式または非接触方式により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光、もしくは、レーザーダイレクト露光機により直接パターン露光する。未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像することにより、レジストパターンを形成できる。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
本発明のドライフィルムは、パッケージ基板などのプリント配線板上に硬化皮膜を形成するために好適に使用され、より好適には、永久皮膜を形成するために使用され、さらに好適には、ソルダーレジスト、層間絶縁層、カバーレイを形成するために、特に好適にはソルダーレジストを形成するために使用される。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(カルボキシル基含有樹脂A−1の合成)
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和電工社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形分の酸価87.7mgKOH/gの感光性のカルボキシル基含有樹脂A−1の溶液を得た。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A−1と称す。
(カルボキシル基含有樹脂A−2の合成)
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和電工社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形分の酸価87.7mgKOH/gの感光性のカルボキシル基含有樹脂A−2の溶液を得た。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A−2と称す。
(表面処理された無機フィラーB−1の調整)
シリカ−アルミナ処理された硫酸バリウム(堺化学工業社製、B−30)を70部、DPM(ジプロピレングリコ−ルメチルエ−テル)を25部、分散剤(信越化学工業社製、BYK−145)を5部混合して、表面処理された無機フィラーB−1を調整した。
(表面処理された無機フィラーB−2の調整)
シリカ−アルミナ処理された硫酸バリウム(堺化学工業社製、B−30)を70部、CA(カルビトールアセテート)を25部、分散剤(信越化学工業社製、BYK−145)を5部混合して、表面処理された無機フィラーB−2を調整した。
(表面処理された無機フィラーB−3の調整)
シリカ(デンカ社製、SFP−20M)を70部、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を27部、メタクリルシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−503)を3部混合して、表面処理された無機フィラーB−3を調整した。
(無機フィラーB−4の調整)
シリカ(デンカ社製、SFP−20M)を70部、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を27部、分散剤(BYK社製BYK−111)を3部混合して、無機フィラーB−4を調整した。
(保護フィルム(第二のフィルム)の算術平均表面粗さRa測定)
保護フィルムの表面粗さRaの測定を、レーザー顕微鏡VK−8500(キーエンス社製、測定倍率×2000倍、Z軸測定ピッチ10nm)を用いて測定した。レーザー光を透過する透明なフィルムについては、Auスパッタ処理を行った後に、表面粗さRaの測定を行った。
[実施例1〜12、比較例1〜5]
下記表1〜3に示す処方にて各成分を表1〜3に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ビーズミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。尚、表中のx、yについては、後述するように、硬化性樹脂組成物を十分に乾燥させて樹脂層を形成し、樹脂層が硬化性樹脂組成物中の不揮発成分と乾燥後に残存した少量の溶剤を含有するものとして計算した。
(有機成分のTg)
表中の有機成分についてTA社製Q−100を使用しTgを測定した。測定条件としては、−60〜150℃の温度範囲とし、5℃/minの昇温レートとし、可逆的熱挙動からTgを測定した。表中の有機成分のうち、光硬化性樹脂であるDPHA、A−DCP、LR−8863、エポキシ樹脂であるN−730A、添加剤であるBYK−361N、無機フィラーの調整に用いたBYK−145、BYK−111、KBM−503のみがTg<0℃であった。
(ドライフィルムの作製)
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物にメチルエチルケトン300gを加えて希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、支持フィルム厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製ルミラーT60)上に塗布し、通常、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み20μmの光硬化性の樹脂層を形成した。次いで、樹脂層上に、保護フィルムを貼り合わせて、光硬化性のドライフィルムを作製した。
尚、保護フィルムとしては、王子エフテックス社製E−201F(Ra:0.05μm)、王子エフテックス社製EM−501(Ra:0.1μm)、(王子エフテックス社製MA−411(Ra:0.4μm)、王子エフテックス社製MAM―430(Ra:0.8μm)(それぞれ二軸延伸ポリプロピレンフィルム)を用いた。
(樹脂層のTg)
上記で作製したドライフィルムの樹脂層のみを剥離し、TA社製Q−100を使用し、Tgを測定した。測定条件としては、−60〜150℃の温度範囲とし、5℃/minの昇温レートとし、可逆的熱挙動からTgを測定した。
(樹脂層の残溶剤)
厚さ35μmの銅箔(1)上に、ニッコー・マテリアル社製CVP−300を使用し、70℃60秒のドライフィルムの樹脂層をラミネートした。次に支持フィルムを剥離し(2)、100℃30分乾燥させて溶剤を完全に除去した(3)。
以下の残溶剤の計算式に基づき、樹脂層の残溶剤を算出した。
(残溶剤の計算式)
残溶剤の割合(%)=((2)の質量−(3)の質量)/((2)の質量−(1)の質量)×100
(1)の質量:銅箔の重さ
(2)の質量:銅箔とドライフィルムの樹脂層を合わせた重さ
(3)の質量:銅箔と乾燥後の樹脂層を合わせた重さ
(抱き別れ防止性)
日立プラントメカニクス社製TDL−6500Lを使用して、上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、銅張積層板にドライフィルムを仮張りした。保護フィルムを剥離する際に、抱き別れがあるかどうかを確認した。剥離時の負荷は、別途島津製作所社製AGS−G100Nを使用して180°にてピール試験を実施して測定した。
なお、抱き別れとは、ドライフィルムの保護フィルムを剥離する際に、保護フィルム上にドライフィルムの樹脂層が付着することを言う。
◎:保護フィルム剥離時の負荷が0.1N/m以下であり抱き別れなし。
○:保護フィルム剥離時の負荷が0.1N/mを超えるものの抱き別れなし。
×:抱き別れあり。
(仮張り性(仮張り、カッター粉落ち))
日立プラントメカニクス社製TDL−6500Lを使用して、上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、銅張積層板にドライフィルムを仮張りし、ドライフィルムをカットした。その際のカッター切断部の端面確認とDFの位置ズレ(仮張り状態)を確認した。
◎:仮張り可能、室温で粉落ちなし。
○:仮張り可能、カッター温度(60℃)で粉落ちなし。
△:仮張り可能、カッター温度(60℃)で粉落ちあり。
×:仮張り不可能。
(リワーク性(平滑部融着性))
上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、室温下で銅張積層板に載せて下記内容にてリワーク性を評価した。
◎:10分後融着なし。
○:5分後融着なし。
△:1分後融着した。
×:1分以内にすぐに融着した。
(解像性)
めっき銅基板をCZ8101でエッチングレート1μm/mで処理し、その面にニッコー・マテリアル社製CVP−300を使用してドライフィルムをラミネートし、樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、露光量:800mJにてパターン露光を行った。その後、キャリアフィルムを剥離し、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、硬化膜のパターンを得た。更に露光量を1000mJとして紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して硬化した。
上記により得られた評価基板の開口径を観測し、解像性を評価した。
◎:φ80μmが良好に開口していた。
○:φ100μmが良好に開口していた。
△:φ150μmが良好に開口していた。
×:φ200μmが良好に開口していた。
Figure 2017198746
*1:上記で合成したエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂A−1
*2:上記で合成したエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂A−2
*3:日本化薬社製DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
*4:新中村化学社製A−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)
*5:BASFジャパン社製ラロマーLR8863(ポリエーテル変性アクリレートオリゴマー)
*6:DIC社製エピクロンN−730A(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)
*7:DIC社製エピクロンN−740(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で溶解;不揮発分85%
*8:DIC社製エピクロンN−870(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂);CA(カルビトールアセテート)で溶解;不揮発分75%
*9:三菱化学社製YX−4000(ビフェニル型エポキシ樹脂);MEK(メチルエチルケトン)で溶解;不揮発分50%
*10:日弘ビックス社製CZ−601D(青色着色剤);DPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)で溶解;不揮発分15%
*11:日弘ビックス社製CZ−309D(黄色着色剤);DPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)で溶解;不揮発分15%
*12:BASFジャパン社製イルガキュアTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
*13:日本化薬社製カヤキュアDETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)
*14:岳陽市金茂泰科技有限公司社製JMT784(チタノセン系光重合開始剤)
*15:ジシアンジアミド
*16:四国化成社製1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール)
*17:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−1
*18:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−2
*19:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−3
*20:上記で調整した無機フィラー溶剤分散品B−4
*21:ビックケミージャパン社製BYK−361N(非シリコン系剥離剤(ポリアクリレート系表面調整剤))
*22:樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合(質量換算)
*23:樹脂層中の無機フィラーの割合(質量換算)
Figure 2017198746
Figure 2017198746
上記表中に示す結果から、本発明のドライフィルムは、抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性に優れた樹脂層を有することがわかる。
1 ドライフィルム
11 第一のフィルム
12 第二のフィルム
13 樹脂層

Claims (5)

  1. 第一のフィルムと、第二のフィルムと、前記第一のフィルムと前記第二のフィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムであって、
    前記第二のフィルムは前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、
    前記樹脂層は、ガラス転移温度(Tg)が10〜30℃であり、
    質量換算で、前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合をxとし、前記樹脂層中の無機充填剤の割合をyとしたとき、
    x/y=0.2〜1.0
    であり、
    前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が基材へのラミネート面であることを特徴とするドライフィルム。
  2. 前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合xが、8〜35質量%であることを特徴とする請求項1記載のドライフィルム。
  3. 前記樹脂層が非シリコン系剥離剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のドライフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  5. 請求項4記載の硬化物を具備することを特徴とするプリント配線板。
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