JP2017198746A - ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のドライフィルムにおいて、前記第二のフィルムの、前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が、基材へのラミネート面である。第二のフィルムの面の粗度を当該範囲に規定したことによって、当該面と接する樹脂層の面にも凹凸が形成される。前記第二のフィルムの、前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaは、0.1〜1.2μmであることが好ましく、0.1〜0.8μmであることがより好ましい。なお、算術平均表面粗さRaとは、JIS B0601に準拠して測定された値を意味する。さらに本発明のドライフィルムにおいては、樹脂層のTg、ならびに、ドライフィルムの樹脂層が含有する液状の有機成分、即ち、Tgが低い有機成分、および、無機フィラーの割合に着眼し、樹脂層のTgを10〜30℃、かつ、樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合xと、前記樹脂層中の無機フィラーの割合yの比x/yを0.2〜1.0とすることにより、樹脂層が適度な流動性を有し、凹凸が形成された樹脂層の面において、優れた抱き別れ防止性、仮張り性およびリワーク性を得ることができる。樹脂層のTgは好ましくは15〜25℃である。割合xは、好ましくは8〜40質量%、より好ましくは8〜35質量%である。樹脂層の50℃における溶融粘度は、1.0×104〜1.0×106dPa・sであることが好ましく、1.0×104〜7.0×105であることがより好ましい。また、90〜120℃における溶融粘度の最低値は、50〜900dPa・sであることが好ましい。50〜900dPa・sであるとラミネート後の樹脂層表面の平滑性とのバランスに優れる。
支持フィルムと保護フィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムをラミネートする際には、多くの場合、保護フィルムを剥離して、保護フィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる。しかしながら、支持フィルムを剥離して、支持フィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる場合もある。本発明においては、基材に樹脂層をラミネートする際に樹脂層から剥離されるフィルム(即ち第二のフィルム)の、前記樹脂層に接する面が、前記範囲の算術平均表面粗さRaを有していればよい。即ち、第二のフィルムは、支持フィルムと保護フィルムのどちらであってもよい。好ましくは、第一のフィルムが支持フィルムであり、第二のフィルムが保護フィルムである。
本発明のドライフィルムの樹脂層は、第一のフィルムまたは第二のフィルムに樹脂組成物を塗布後、乾燥工程を経て得られる。前記樹脂組成物は特に限定されず、ソルダーレジスト、層間絶縁層およびカバーレイ等のプリント配線板に設けられる保護層や絶縁層の形成に用いられる樹脂組成物を用いることができる。樹脂層の膜厚は特に限定されないが、乾燥後の膜厚が1〜200μmであることが好ましい。光硬化性の硬化性樹脂層の場合、200μm以下の場合、深部硬化性の低下を抑えることができる。樹脂組成物の具体例として、光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光塩基発生剤を含有する光硬化性樹脂組成物、光酸発生剤を含有する光硬化性樹脂組成物、ネガ型光硬化性樹脂組成物、ポジ型光硬化性樹脂組成物、アルカリ現像型光硬化性樹脂組成物、溶剤現像型光硬化性樹脂組成物等の光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、膨潤剥離型樹脂組成物、溶解剥離型樹脂組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも硬化性樹脂組成物が好ましい。
前記樹脂層は硬化性樹脂を含有することが好ましい。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂でも光硬化性樹脂であってもよい。また、硬化性樹脂は、1種を単独で、または、2種以上を用いてもよい。
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)により表されるオキセタン環を含有するオキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成社製OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。これらオキセタン化合物は、上記エポキシ化合物と併用してもよく、また、単独で使用してもよい。
前記樹脂層は、無機フィラーを含有することが好ましく、表面処理された無機フィラーを含有することがより好ましい。ここで、無機フィラーの表面処理とは、樹脂成分との相溶性を向上させるための処理のことを言う。無機フィラーの表面処理は、無機フィラーの表面に硬化性反応基を導入可能な表面処理が好ましい。
分解温度が250℃未満の無機フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウムが知られている。本明細書において分解温度とは、DTA曲線が低下し始める温度であり、水酸化アルミニウムは約210℃から分解が始まり、250℃で10%程度の重量減少が発生する。測定条件としては、室温から100℃までの昇温レートを5℃/minとし、100℃/30min保持し、100℃から500℃までの昇温レートを5℃/minとする。
前記樹脂層は、非シリコン系剥離剤を含有することが好ましい。非シリコン系剥離剤を含有することにより、樹脂層を形成するために樹脂組成物をフィルム上に塗布する際に、塗工ムラやハジキが生じにくく、保護フィルムの樹脂層からの剥離性が良好となる。非シリコン系剥離剤としては、例えば、アクリル系剥離剤、ワックス系剥離剤が挙げられるが、中でもアクリル系剥離剤を用いることが好ましい。アクリル系剥離剤は、熱可塑性アクリル樹脂であることが好ましい。
前記樹脂層は、硬化性樹脂として光硬化性樹脂を含有する場合は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
前記樹脂層は、光塩基発生剤を含有することができる。光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、熱硬化反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
前記樹脂層は、熱硬化触媒を含有することができる。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
前記樹脂層には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白等の公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
前記樹脂層の形成に用いる樹脂組成物には、組成物の調製や、基板や支持フィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
さらに、前記樹脂層には、電子材料の分野において公知慣用の他の硬化成分や他の添加剤を配合してもよい。他の硬化成分としては、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、マレイミド化合物、脂環式オレフィン重合体が挙げられる。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、光開始助剤、増感剤、熱可塑性樹脂、有機フィラー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和電工社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形分の酸価87.7mgKOH/gの感光性のカルボキシル基含有樹脂A−1の溶液を得た。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A−1と称す。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(商品名「ショーノールCRG951」、昭和電工社製、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を導入し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2mgKOH/g(307.9g/eq.)であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りプロピレンオキシドが平均1.08モル付加したものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に導入し、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形分の酸価87.7mgKOH/gの感光性のカルボキシル基含有樹脂A−2の溶液を得た。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液を樹脂溶液A−2と称す。
シリカ−アルミナ処理された硫酸バリウム(堺化学工業社製、B−30)を70部、DPM(ジプロピレングリコ−ルメチルエ−テル)を25部、分散剤(信越化学工業社製、BYK−145)を5部混合して、表面処理された無機フィラーB−1を調整した。
シリカ−アルミナ処理された硫酸バリウム(堺化学工業社製、B−30)を70部、CA(カルビトールアセテート)を25部、分散剤(信越化学工業社製、BYK−145)を5部混合して、表面処理された無機フィラーB−2を調整した。
シリカ(デンカ社製、SFP−20M)を70部、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を27部、メタクリルシランカップリング剤(信越化学工業社製KBM−503)を3部混合して、表面処理された無機フィラーB−3を調整した。
シリカ(デンカ社製、SFP−20M)を70部、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を27部、分散剤(BYK社製BYK−111)を3部混合して、無機フィラーB−4を調整した。
保護フィルムの表面粗さRaの測定を、レーザー顕微鏡VK−8500(キーエンス社製、測定倍率×2000倍、Z軸測定ピッチ10nm)を用いて測定した。レーザー光を透過する透明なフィルムについては、Auスパッタ処理を行った後に、表面粗さRaの測定を行った。
下記表1〜3に示す処方にて各成分を表1〜3に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ビーズミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。尚、表中のx、yについては、後述するように、硬化性樹脂組成物を十分に乾燥させて樹脂層を形成し、樹脂層が硬化性樹脂組成物中の不揮発成分と乾燥後に残存した少量の溶剤を含有するものとして計算した。
表中の有機成分についてTA社製Q−100を使用しTgを測定した。測定条件としては、−60〜150℃の温度範囲とし、5℃/minの昇温レートとし、可逆的熱挙動からTgを測定した。表中の有機成分のうち、光硬化性樹脂であるDPHA、A−DCP、LR−8863、エポキシ樹脂であるN−730A、添加剤であるBYK−361N、無機フィラーの調整に用いたBYK−145、BYK−111、KBM−503のみがTg<0℃であった。
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物にメチルエチルケトン300gを加えて希釈し、攪拌機で15分間撹拌して塗工液を得た。塗工液を、支持フィルム厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製ルミラーT60)上に塗布し、通常、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み20μmの光硬化性の樹脂層を形成した。次いで、樹脂層上に、保護フィルムを貼り合わせて、光硬化性のドライフィルムを作製した。
尚、保護フィルムとしては、王子エフテックス社製E−201F(Ra:0.05μm)、王子エフテックス社製EM−501(Ra:0.1μm)、(王子エフテックス社製MA−411(Ra:0.4μm)、王子エフテックス社製MAM―430(Ra:0.8μm)(それぞれ二軸延伸ポリプロピレンフィルム)を用いた。
上記で作製したドライフィルムの樹脂層のみを剥離し、TA社製Q−100を使用し、Tgを測定した。測定条件としては、−60〜150℃の温度範囲とし、5℃/minの昇温レートとし、可逆的熱挙動からTgを測定した。
厚さ35μmの銅箔(1)上に、ニッコー・マテリアル社製CVP−300を使用し、70℃60秒のドライフィルムの樹脂層をラミネートした。次に支持フィルムを剥離し(2)、100℃30分乾燥させて溶剤を完全に除去した(3)。
以下の残溶剤の計算式に基づき、樹脂層の残溶剤を算出した。
(残溶剤の計算式)
残溶剤の割合(%)=((2)の質量−(3)の質量)/((2)の質量−(1)の質量)×100
(1)の質量:銅箔の重さ
(2)の質量:銅箔とドライフィルムの樹脂層を合わせた重さ
(3)の質量:銅箔と乾燥後の樹脂層を合わせた重さ
日立プラントメカニクス社製TDL−6500Lを使用して、上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、銅張積層板にドライフィルムを仮張りした。保護フィルムを剥離する際に、抱き別れがあるかどうかを確認した。剥離時の負荷は、別途島津製作所社製AGS−G100Nを使用して180°にてピール試験を実施して測定した。
なお、抱き別れとは、ドライフィルムの保護フィルムを剥離する際に、保護フィルム上にドライフィルムの樹脂層が付着することを言う。
◎:保護フィルム剥離時の負荷が0.1N/m2以下であり抱き別れなし。
○:保護フィルム剥離時の負荷が0.1N/m2を超えるものの抱き別れなし。
×:抱き別れあり。
日立プラントメカニクス社製TDL−6500Lを使用して、上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、銅張積層板にドライフィルムを仮張りし、ドライフィルムをカットした。その際のカッター切断部の端面確認とDFの位置ズレ(仮張り状態)を確認した。
◎:仮張り可能、室温で粉落ちなし。
○:仮張り可能、カッター温度(60℃)で粉落ちなし。
△:仮張り可能、カッター温度(60℃)で粉落ちあり。
×:仮張り不可能。
上記で作製したドライフィルムの保護フィルムを剥離し、室温下で銅張積層板に載せて下記内容にてリワーク性を評価した。
◎:10分後融着なし。
○:5分後融着なし。
△:1分後融着した。
×:1分以内にすぐに融着した。
めっき銅基板をCZ8101でエッチングレート1μm/m2で処理し、その面にニッコー・マテリアル社製CVP−300を使用してドライフィルムをラミネートし、樹脂層を形成した。これに対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、露光量:800mJにてパターン露光を行った。その後、キャリアフィルムを剥離し、30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、硬化膜のパターンを得た。更に露光量を1000mJとして紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して硬化した。
上記により得られた評価基板の開口径を観測し、解像性を評価した。
◎:φ80μmが良好に開口していた。
○:φ100μmが良好に開口していた。
△:φ150μmが良好に開口していた。
×:φ200μmが良好に開口していた。
*2:上記で合成したエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂A−2
*3:日本化薬社製DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
*4:新中村化学社製A−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)
*5:BASFジャパン社製ラロマーLR8863(ポリエーテル変性アクリレートオリゴマー)
*6:DIC社製エピクロンN−730A(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)
*7:DIC社製エピクロンN−740(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で溶解;不揮発分85%
*8:DIC社製エピクロンN−870(ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂);CA(カルビトールアセテート)で溶解;不揮発分75%
*9:三菱化学社製YX−4000(ビフェニル型エポキシ樹脂);MEK(メチルエチルケトン)で溶解;不揮発分50%
*10:日弘ビックス社製CZ−601D(青色着色剤);DPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)で溶解;不揮発分15%
*11:日弘ビックス社製CZ−309D(黄色着色剤);DPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル)で溶解;不揮発分15%
*12:BASFジャパン社製イルガキュアTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
*13:日本化薬社製カヤキュアDETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)
*14:岳陽市金茂泰科技有限公司社製JMT784(チタノセン系光重合開始剤)
*15:ジシアンジアミド
*16:四国化成社製1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール)
*17:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−1
*18:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−2
*19:上記で調整した表面処理された無機フィラー溶剤分散品B−3
*20:上記で調整した無機フィラー溶剤分散品B−4
*21:ビックケミージャパン社製BYK−361N(非シリコン系剥離剤(ポリアクリレート系表面調整剤))
*22:樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合(質量換算)
*23:樹脂層中の無機フィラーの割合(質量換算)
11 第一のフィルム
12 第二のフィルム
13 樹脂層
Claims (5)
- 第一のフィルムと、第二のフィルムと、前記第一のフィルムと前記第二のフィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムであって、
前記第二のフィルムは前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以上であり、
前記樹脂層は、ガラス転移温度(Tg)が10〜30℃であり、
質量換算で、前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合をxとし、前記樹脂層中の無機充填剤の割合をyとしたとき、
x/y=0.2〜1.0
であり、
前記樹脂層の前記第二のフィルムと接する面が基材へのラミネート面であることを特徴とするドライフィルム。 - 前記樹脂層中の有機成分に対するTg<0℃の有機成分の割合xが、8〜35質量%であることを特徴とする請求項1記載のドライフィルム。
- 前記樹脂層が非シリコン系剥離剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のドライフィルム。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項4記載の硬化物を具備することを特徴とするプリント配線板。
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