JP2019040134A - 感光性樹脂組成物および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜性とともに現像処理後における異物発生の抑制に優れた感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、感光剤と、界面活性剤と、を含む、膜形成用の感光性樹脂組成物であって、当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の表面におけるPGMEA接触角が10度以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物および電子装置に関する。
感光性樹脂組成物において、成膜性を向上させる技術について様々な検討がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、感光性樹脂組成物の成分として、BYK−377(界面活性剤)を使用することが示されている(表1の実施例2、4、5)。
特開2016−186609号公報
本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の感光性樹脂組成物において、成膜性とともに現像処理後における異物発生の抑制の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を形成する場合、界面活性剤を添加することにより成膜性を高められることを見出した。しかしながら、界面活性剤を含有する感光性樹脂膜に対して露光現像処理を行った所、膜表面に異物が発生することが判明した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、エポキシ樹脂を含む感光性樹脂組成物に対して、適切な界面活性剤を選択することにより、成膜性を高めつつも、現像処理後の膜表面における異物の発生を抑制できることを見出した。このような界面活性剤の選択に関してさらに検討を進めた結果、現像処理後であって硬化処理前の感光性樹脂膜の表面におけるPGMEA接触角(室温25℃においてPGMEAを用いて測定した時の静的接触角)を指標として利用することにより、膜表面における異物発生について安定的に評価できること、そして、かかる指標に基づいてPGMEA接触角を所定値以下とすることにより、成膜性を高めつつも、現像処理後の膜表面における異物の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
エポキシ樹脂と、感光剤と、界面活性剤と、を含む、膜形成用の感光性樹脂組成物であって、
当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の表面において、下記の条件で測定されるPGMEA接触角が10度以下である、感光性樹脂組成物が提供される。
(PGMEA接触角の測定条件)
当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜に対して120℃、5分の条件で乾燥処理する。前記樹脂膜を300mJ/cmで露光処理し、70℃、5分の条件で露光後加熱処理する。前記樹脂膜に対してPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いて3000rpm、20秒の条件でスプレー現像処理し、3000rpm、15秒の条件で前記PGMEAを前記樹脂膜の表面から振り切る。その後、室温25℃において、PGMEAを用いて測定した時の、硬化処理前の前記樹脂膜の表面における静的接触角をPGMEA接触角とする。
また本発明によれば、上記感光性樹脂組成物の硬化物を備える、電子装置が提供される。
本発明によれば、成膜性とともに現像処理後における異物発生の抑制に優れた感光性樹脂組成物およびそれを用いた電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る感光性樹脂組成物の概要を説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、感光剤と、界面活性剤と、を含むことができる。この感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の表面において、下記の条件で測定されるPGMEA接触角を10度以下とすることができる。本実施形態の感光性樹脂組成物は、膜形成用の感光性樹脂組成物として用いることができる。
(PGMEA接触角の測定条件)
当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜に対して120℃、5分の条件で乾燥処理する。前記樹脂膜を300mJ/cmで露光処理し、70℃、5分の条件で露光後加熱処理する。前記樹脂膜に対してPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いて3000rpm、20秒の条件でスプレー現像処理し、3000rpm、15秒の条件で前記PGMEAを前記樹脂膜の表面から振り切る。その後、室温25℃において、PGMEAを用いて測定した時の、硬化処理前の前記樹脂膜の表面における静的接触角をPGMEA接触角とする。
本発明者が検討した結果、感光性樹脂組成物に界面活性剤を添加しない場合、成膜性が低下し、面内の膜厚均一性が悪化することがある。これに対して、感光性樹脂組成物に界面活性剤を添加することにより、塗工時の膜厚均一性などの成膜性が高まり、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜(乾燥膜)が得られることが判明した。
しかしながら、界面活性剤を含有する感光性樹脂膜を現像した現像膜の表面に異物が発生することが判明した。すなわち、感光性樹脂膜に対して露光現像処理を行い、リンス液による現像液の洗浄しないプロセスを採用した場合、その膜表面に現像液残渣に起因する異物が発生することがある。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、エポキシ樹脂を含む感光性樹脂組成物に対して、適切な界面活性剤を選択することにより、成膜性を高めつつも、膜表面における異物の発生を抑制できることを見出した。このような界面活性剤の選択に関してさらに検討を進めた結果、現像処理後であって硬化処理前の感光性樹脂膜の表面におけるPGMEA接触角(室温25℃においてPGMEAを用いて測定した時の静的接触角)を指標として利用することにより、膜表面における異物発生について安定的に評価できることが分かった。そして、かかる指標に基づいてPGMEA接触角を所定値以下とすることにより、成膜性を高めつつも、現像処理後の膜表面における異物の発生を抑制できることを見出した。
詳細なメカニズムは定かでないが、次のように考えられる。上記PGMEA接触角の数値範囲を満たす場合、感光性樹脂組成物の成膜(乾燥)時に寄与する界面活性剤は、得られた感光性樹脂膜に対して露光処理後の加熱処理(露光後加熱処理)が行われたとき、熱により感光性樹脂膜の表面にブリードする。続いて、現像処理時に表面における界面活性剤が洗い流され、表面の撥液性が低下し、現像液残渣は膜表面を均質に覆うことになり、膜表面における異物の発生が抑制されると考えられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、成膜性とともに現像処理後における異物発生の抑制に優れた硬化膜を実現することができる。本実施形態の感光性樹脂組成物は、リンス液による現像液の洗浄を行わない電子部品の製造プロセスに適しており、製造安定性を向上させること、製造時の品質バラツキを抑制することが期待される。このような感光性樹脂組成物の硬化膜は、各種の電子装置に好適に用いることができる。したがって、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物を備える電子装置において、製造安定性や信頼性の向上が期待される。
本実施形態において、上記PGMEA接触角の上限値は、例えば10度以下であり、好ましいは5度以下であり、さらに好ましくは3度以下であり、より一層好ましくは1度以下である。これにより、現像処理後の膜表面における異物の発生を抑制できる。一方、上記PGMEA接触角の下限値は、特に限定されないが、例えば、0度以上である。
本実施形態では、たとえば感光性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、感光性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記PGMEA接触角を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば界面活性剤の種類や配合量、感光性樹脂膜の架橋成分を調整すること等が、上記PGMEA接触角を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物の各成分について詳述する。
<熱硬化性樹脂>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含むことができる。
上記エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含むことができる。これにより、感光性樹脂組成物の樹脂膜における膜物性や加工性を高めることができる。
上記多官能エポキシ樹脂としては、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、入手容易の観点から、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることができる。
上述したエポキシ樹脂以外の他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂(オキセタン化合物)、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の含有量の下限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。これにより、最終的に得られる硬化膜の耐熱性や機械的強度を向上させることができる。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、80質量%以下であり、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。これにより、パターニング性を向上させることができる。
本実施形態において、感光性樹脂組成物の固形分とは、感光性樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。感光性樹脂組成物の固形分全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、感光性樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
<硬化剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。これにより、感光性樹脂組成物の樹脂膜における膜物性や加工性を高めることができる。硬化剤としては、上述の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)の重合/架橋反応を促進させるものであれば特に限定されない。
上記硬化剤は、フェノール性水酸基を有する硬化剤を含むことができ、具体的には、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する多官能フェノール樹脂を含むことが好ましい。これにより、硬化膜の熱膨張を一層小さくすることができ、電子デバイスの信頼性向上に寄与できると考えられる。多官能フェノール樹脂としては、公知のものの中から適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。良好な現像特性の観点から、ノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。フェノール樹脂の重量平均分子量は、好ましくは200〜20,000、より好ましくは300〜15,000、さらに好ましくは350〜13,000である(以下、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す)。
上記硬化剤の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、10〜60質量%であり、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%である。この範囲とすることで、硬化物の耐熱性や強度が向上する。
<感光剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光剤を含むことができる。これにより感度や解像度などパターニング時における加工性を高めることができる。
上記感光剤としては、光酸発生剤を用いることができる。上記光酸発生剤としては、紫外線等の活性光線の照射により酸を発生する光酸発生剤を含有する。光酸発生剤として、オニウム塩化合物を挙げることができ、例えば、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールビリリウム塩、ベンジルピリジニウムチオシアネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩などカチオン型光重合開始剤を挙げることができる。また、感光性のジアゾキノン化合物も挙げることができる。感光性のジアゾキノン化合物は、特に、感光性樹脂組成物をポジ型とする時に好適に用いられる。なお、感光剤としては、感光性組成物が金属に接するため、メチド塩型やボレート塩型のような、分解によるフッ化水素の発生がないものが好ましい。
上記感光剤の含有量の下限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、0.3質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.7質量%以上である。これにより、感光性樹脂組成物において、パターニング性を向上させることができる。一方で、上記感光剤の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、5質量%以下であり、好ましくは4.5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下である。これにより、感光性樹脂組成物の硬化前の長期保管性を向上させることができる。
<界面活性剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含むことにより、塗工時における濡れ性を向上させ、均一な樹脂膜そして硬化膜を得ることができる。界面活性剤は、たとえば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキル系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤等が挙げられる。この中でも、異物の発生を抑制する観点から、非フッ素系界面活性剤を用いることができる。
上記界面活性剤の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発性成分の全量を基準として、例えば、0.001〜1質量%、好ましくは0.005〜0.5質量%とすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤としては、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤、密着助剤等が挙げられる。
<フィルム化剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、フィルム化剤を含むことができる。これにより、硬化膜の脆性を改善することができる。
上記フィルム化剤としては、上記熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)とは異なる液状エポキシ樹脂を用いることができる。この液状エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有しており、室温25℃において液状であるエポキシ化合物を用いることができる。この液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、例えば、1mPa・s〜8000mPa・sであり、好ましくは5mPa・s〜1500mPa・sであり、より好ましくは10mPa・s〜1400mPa・sとすることができる。
上記液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテルおよび脂環式エポキシからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、現像後のクラック低減の観点から、アルキルジグリシジルエーテルを用いることができる。
また上記液状エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、例えば、100g/eq以上200g/eq以下であり、好ましくは105g/eq以上180g/eq以下であり、さらに好ましくは110g/eq以上170g/eq以下である。これにより、硬化膜の脆性を改善することができる。
上記液状エポキシ樹脂の含有量の下限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。これにより、最終的に得られる硬化膜の脆性を改善することができる。一方、液状エポキシ樹脂の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の不揮発成分全体に対して、例えば、40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。これにより、硬化膜の膜特性のバランスを図ることができる。
<密着助剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、密着助剤を含むことができる。これにより、硬化膜の密着性を一層向上させることができる。
上記密着助剤は、とくに限定されないが、たとえばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、またはスルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシシラン(すなわち、1分子中に、エポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)を用いることがより好ましい。
アミノシランとしては、たとえばビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、またはN−フェニル−γ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランとしては、たとえばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。アクリルシランとしては、たとえばγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、またはγ−(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。メルカプトシランとしては、たとえば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。ビニルシランとしては、たとえばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。ウレイドシランとしては、たとえば3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。スルフィドシランとしては、たとえばビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、またはビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
上記密着助剤の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発性成分の全量を基準として、例えば、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%とすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、ワニス状でもよく、フィルム状でもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、上述の各成分(原料)と溶剤を配合して均一に混合することにより、ワニス状の感光性樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られる。
<溶剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。溶剤として、有機溶剤を含むことができる。
上記有機溶剤としては、感光性樹脂組成物の各成分を溶解可能なもので、且つ、各構成成分と化学反応しないものであれば特に制限なく用いることができる。たとえばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンで等が挙げられる。これらは所望する膜厚により適宜選択可能である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物中の非揮発成分全量の濃度が、例えば、30〜75質量%となるように用いられることが好ましい。この範囲とすることで、各成分を十分に溶解させることができ、また、良好な塗布性を担保することができる。
一方、上記フィルム状の感光性樹脂組成物(感光性樹脂フィルム)は、たとえばワニス状の感光性樹脂組成物をキャリア基材上に塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記感光性樹脂フィルムは、溶剤含有率が感光性樹脂組成物全体に対して10重量%以下とすることができる。たとえば80℃〜150℃、1分間〜30分間の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、感光性樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
上記キャリア基材上に感光性樹脂組成物の樹脂膜を形成する工程は、例えば、感光性樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、スピンコーター、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な厚みを有するキャリア基材付き感光性樹脂フィルムを効率よく製造することができる。
上記キャリア基材付き感光性樹脂フィルムは、巻き取り可能なロール状でもよいし、矩形形状の枚葉状であってもよい。キャリア基材付き感光性樹脂フィルムの表面は、例えば、露出していてもよく、保護フィルム(カバーフィルム)で覆われていてもよい。保護フィルムとしては、公知の保護機能を有するフィルムを用いることができるが、例えば、PETフィルムを使用してもよい。
また、本実施形態において、上記キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。当該金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および/または銅系合金、アルミおよび/またはアルミ系合金、鉄および/または鉄系合金、銀および/または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、キャリア基材付き感光性樹脂フィルムから、キャリア基材を適度な強度で剥離することが容易となる。
上記感光性樹脂フィルムの膜厚は、最終的な硬化膜の膜厚に応じて設計することができる。感光性樹脂フィルムの膜厚の下限値は、例えば、40μm以上であり、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは60μm以上である。これにより、厚膜の感光性樹脂フィルムを実現することができる。感光性樹脂フィルムの半導体チップ等の電子部材の埋め込み性を高めることができる。また、感光性樹脂フィルムの機械的強度を向上させることができる。一方で、上記感光性樹脂フィルムの膜厚の上限値は、特に限定されないが、例えば、300μm以下としてもよく、250μm以下としてもよく、200μm以下としてもよい。これにより、感光性樹脂フィルムの硬化膜を備える電子装置の薄層化を実現することができる。
<硬化膜、その形成方法>
本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜を得る方法は、特に限定されない。例えば、以下の工程:
基板上に感光性樹脂組成物を供する工程(工程1)、
感光性樹脂組成物を加熱乾燥して感光性樹脂膜を得る工程(工程2)、
感光性樹脂膜を活性光線で露光する工程(工程3)、
露光された感光性樹脂膜を現像して、パターニングされた樹脂膜を得る工程(工程4)、および、
パターニングされた樹脂膜を加熱して、硬化膜を得る工程(工程5)、
により、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜を得ることができる。
工程1において、基板は特に限定されず、例えばシリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板、SiCウエハー、GaNウエハーなどが挙げられる。基板は、未加工の基板以外に、例えば半導体素子または表示体素子が表面に形成された基板も含む。また、プリント配線基板等であってもよい。接着性の向上のため、基板表面をシランカップリング剤などの接着助剤で処理しておいてもよい。基板上に感光性樹脂組成物を供する方法については、スピンコート、噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング、インクジェット法などにより行うことができる。
工程2において、加熱乾燥の温度は、通常80〜140℃、好ましくは90〜120℃である。また、加熱乾燥の時間は、通常30〜600秒、好ましくは30〜300秒程度である。この加熱乾燥で溶剤を除去することにより、感光性樹脂膜を形成する。加熱は、典型的にはホットプレートやオーブン等で行う。この感光性樹脂膜の厚さとしては、例えば1〜500μm程度が好ましい。
工程3において、露光用の活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できる。波長でいうと200〜500nmの活性光線が好ましい。パターンの解像度と取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパーが好ましい。
露光後、感光性樹脂膜を再度加熱(露光後加熱)する。その露光後加熱の温度・時間は、例えば80〜140℃、10〜300秒程度である。
工程4においては、適当な現像液を用いて、例えば浸漬法、パドル法、回転スプレー法などの方法を用いて現像を行うことができる。これにより、パターニングされた樹脂膜を得ることができる。
使用可能な現像液は特に限定されないが、本実施形態においては、有機溶剤を主成分とする現像液(成分の95質量%以上が有機溶剤である現像液)であることが好ましい。具体的には、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)や酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、等が挙げられる。また、現像液としては、有機溶剤のみからなる有機溶剤現像液を使用してもよい。
現像工程の後、リンス液による現像液の洗浄を実施しなくてもよいが、必要に応じて、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去してもよい。リンス液としては、例えば蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
工程5において、パターニングされた樹脂膜を加熱することにより、硬化膜を得ることができる。この加熱温度は、本実施形態においては150〜300℃が好ましく、170〜200℃がより好ましい。この温度範囲とすることで、架橋反応の速度と、膜全体での均一な硬化とを両立できる。加熱時間は特に限定されないが、例えば15〜300分の範囲内である。この加熱処理は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどにより行うことが出来る。加熱処理を行う際の雰囲気気体としては、空気であっても、窒素、アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。また、減圧下で加熱してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、電気・電子機器(電子装置)において、例えば永久膜、保護膜、絶縁膜、再配線材料などとして用いられる。
ここで、「電気・電子機器」とは、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路、テレビ受像機やモニター等のディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術を応用した素子、デバイス、最終製品、その他電気に関係する機器一般のことをいう。
本実施形態の感光性樹脂組成物の用途の具体例の一つとして、貫通電極基板が挙げられる。以下、この貫通電極基板を備える電子装置について、図1を用いて説明する。
図1(a)は、本実施形態の電子装置の構成を示す断面図である。図1(b)は、図1(a)に示す電子装置の一部の拡大図である。
本実施形態の電子装置100は、図1(a)に示すように、貫通電極基板200を備えるものである。貫通電極基板200は、有機絶縁層(感光性樹脂層220)と、有機絶縁層の上面から下面を貫通する複数の貫通電極(ビア242)と、有機絶縁層の内部に埋め込まれた半導体チップ210と、有機絶縁層の下面に設けられた下層配線層252と、有機絶縁層の上面に設けられた上層配線層250と、を有することができる。
上記感光性樹脂層220および上層配線層250は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜(硬化物)で構成することができる。
本実施形態の電子装置100は、コア層やビルドアップ層を有するような厚膜構造のパッケージ用基板を使用しないで、上記の貫通電極基板200によってパッケージオンパッケージ等のパッケージ構造が構成される。このため、電子装置100において、パッケージ構造全体の低背化を実現できる。
また、本実施形態の電子装置100は、図1(a)に示すように、貫通電極基板200上に半導体パッケージ300が実装されたパッケージオンパッケージ構造を有することができる。例えば、本実施形態の電子装置100は、貫通電極基板200の上層配線層250の上に実装された、公知のパッケージ構造を有する半導体パッケージ300をさらに備えることができる。これにより、電子装置100の多機能化を実現することができる。また、電子装置100の実装密度を高くすることができる。
本実施形態において、半導体パッケージ300は、例えば、図1(a)に示すように、基板320上に半導体チップ310が実装されており、ボンディングワイヤ330を介して基板320および半導体チップ310がボンディング接続する構造を有してもよい。半導体パッケージ300において、半導体チップ310は、複数個有していてもよく、平面方向または積層方向に複数配置されていてよい。また、半導体チップ310およびボンディングワイヤ330は、封止材層340で封止されていてもよい。封止材層340は、例えば、公知の封止用樹脂組成物を硬化することにより形成できる。また、半導体パッケージ300の基板320には、外部端子として、半田バンプ360が形成されていてよい。半導体パッケージ300は、半田バンプ360を介して、貫通電極基板200とバンプ接続することができる。
また、本実施形態の電子装置100は、貫通電極基板200の下層配線層252の下面に設けられた半田バンプ260を備えることができる。これにより、半田バンプ260が外部端子として機能することによって、他の電子部品との外部接続が可能になる。
このような電子装置100としては、例えば、貫通電極基板200の下層配線層252に、半田バンプ260を介してバンプ接続されたマザーボードをさらに備えることができる。これにより、電子装置100の機械的強度を高めることができ、さらなる多機能化を実現できる。このとき、貫通電極基板200においては、その側面や上下面が、半導体パッケージ300とともに、公知の封止用樹脂組成物を硬化してなる封止材層で封止されていてもよい。これにより、電子装置100の接続信頼性や機械的強度を向上することができる。
本実施形態の電子装置100が備える貫通電極基板200は、有機絶縁層(感光性樹脂層220)の上面と下面とにそれぞれ上層配線層250および下層配線層252が形成された構造に加え、有機絶縁層中に半導体チップ210、配線層間を電気的に接続する貫通電極(ビア242)が内部に埋設された構造を有するため、これらを有しない構造と比べて、優れた機械的強度を発揮することができる。
また、実施形態において、上記貫通電極基板200中の有機絶縁層は、上述の感光性樹脂組成物の硬化物で構成することができる。これにより、フォトレジスト方法によって開口する方法を採用できるので、レーザー照射で開口する方法の場合と比べて、開口径、言い換えるとビア242のビア径をより小さくすることができる。貫通電極基板200の平面内において、半導体チップ210やビア242の集積密度を高めることができる。また、感光性樹脂組成物を硬化することで、貫通電極基板200の機械的強度を高めることができる。
また、本実施形態の貫通電極基板200中の有機絶縁層(感光性樹脂層220)の膜厚の下限値は、例えば、40μm以上としてもよく、より好ましくは50μm以上としてもよく、さらに好ましくは60μm以上としてもよい。これにより、貫通電極基板200の機械的強度を向上させることができる。また、半導体チップ210の埋め込み性も向上させることができる。一方で、有機絶縁層の膜厚の上限値は、例えば、300μm以下としてもよく、より好ましくは250μm以下としてもよく、さらに好ましくは200μm以下としてもよい。これにより、電子装置100の高さを低減させることができる。
貫通電極(ビア242)は、例えば、銅、金、銀、ニッケル等からなる群から選択される一種以上の金属で構成された導電性錐台体であり、具体的には、導電性円錐台体、導電性多角錐台でもよく、より具体的には銅製円錐台体(銅ピラー)であってもよい。
本実施形態の電子装置100において、図1(a)に示すように、下層配線層252を構成する配線は、断面視において、半導体チップ210の外側まで形成されていてもよい。これにより、複数の半導体チップ210が高密度に実装された構造の電極間ピッチ幅を、半田バンプ260への接続に最適なピッチ幅まで広げることができる。すなわち、半導体チップ210の実装密度を高めることが可能になる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<感光性樹脂組成物の調製>
表1に従い配合された各成分の原料をベンジルアルコールに溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、固形分50質量%の感光性樹脂組成物を得た。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂1:以下構造で表される多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製 EPPN201、フェノールノボラック型エポキシ樹脂)
Figure 2019040134
(硬化剤)
フェノール樹脂1:以下構造で表されるノボラック型フェノール樹脂(PR−51470、住友ベークライト社製)
Figure 2019040134
(フィルム化剤)
液状エポキシ樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(LX−01 ダイソーケミカル社製 エポキシ当量170〜190g/eq、粘度(25℃):6000mPa・s)
(感光剤)
感光剤1:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ社製、CPI−310B)
(密着助剤)
密着助剤1:エポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学社製、KBM−403E)
(界面活性剤)
界面活性剤1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(第一工業製薬社製、アンチフロスM−7、エーテル型の非イオン界面活性剤)
界面活性剤2:アクリルポリマー(ビックケミ―・ジャパン社製、BYK−361N、ポリアクリレート系界面活性剤)
界面活性剤3:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミ―・ジャパン社製、BYK−333、シリコーン系界面活性剤)
界面活性剤4:水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミ―・ジャパン社製、BYK−377、シリコーン系界面活性剤)
界面活性剤5:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(DIC社製、メガファック F−563、フッ素系界面活性剤)
Figure 2019040134
得られた感光性樹脂組成物について、次のような評価を行った。評価結果を表1に示す。
(PGMEA接触角の測定)
(1)得られた感光性樹脂組成物を、基板上に、スピンコートによって乾燥後膜厚が10μmになるように塗布し、120℃で5分乾燥して感光性樹脂膜を形成した。
(2)上記(1)で得られた感光性樹脂膜に対して、自動露光機を用いて、300mJ/cmで全面露光した。
(3)上記(2)の後、基板を、ホットプレートで70℃、5分、露光後加熱した。
(4)上記(3)の後、感光性樹脂膜に対してPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いて3000rpm、20秒の条件でスプレー現像処理し、3000rpm、15秒の条件でPGMEAを感光性樹脂膜の表面から振り切る処理を行った。
(5)上記(4)の後、得られた硬化処理前の感光性樹脂膜の表面に、1μlのPGMEAを配置して、静的接触角計(協和界面科学社製、製品名:PCA−1)を用いて、室温25℃で滴下後1秒後における静的接触角(接触角)を測定した。測定結果を表1に示す。(現像膜の表面における異物の有無)
得られた膜の表面状態について光学顕微鏡を用いて観察した。
実施例1〜3の膜の表面において異物は発見されてなかった。一方、比較例1〜2の膜の表面において約2μm〜30μmの異物がいくつか発見された。
実施例1〜3の感光性樹脂組成物においては、比較例1,2と比べてPGMEA接触角が低減されており、得られた現像処理後の膜の表面における異物発生が抑制されることが判明した。また実施例1〜3の感光性樹脂組成物においては、界面活性剤を含まない場合と比べて、膜厚均一性などの成膜性に優れることが判明した。比較例1の感光性樹脂組成物において、界面活性剤を添加しない場合、膜厚の面内均一性が悪かった。実施例1〜3の感光性樹脂組成物は、リンス液による現像液の洗浄を行わない製造プロセスに適しており、また製造安定性を向上させることが期待される。
100 電子装置
200 貫通電極基板
210 半導体チップ
220 感光性樹脂層
242 ビア
250 上層配線層
252 下層配線層
260 半田バンプ
300 半導体パッケージ
310 半導体チップ
320 基板
330 ボンディングワイヤ
340 封止材層
360 半田バンプ

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂と、感光剤と、界面活性剤と、を含む、膜形成用の感光性樹脂組成物であって、
    当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の表面において、下記の条件で測定されるPGMEA接触角が10度以下である、感光性樹脂組成物。
    (PGMEA接触角の測定条件)
    当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜に対して120℃、5分の条件で乾燥処理する。前記樹脂膜を300mJ/cmで露光処理し、70℃、5分の条件で露光後加熱処理する。前記樹脂膜に対してPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いて3000rpm、20秒の条件でスプレー現像処理し、3000rpm、15秒の条件で前記PGMEAを前記樹脂膜の表面から振り切る。その後、室温25℃において、PGMEAを用いて測定した時の、硬化処理前の前記樹脂膜の表面における静的接触角をPGMEA接触角とする。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記界面活性剤は、非フッ素系界面活性剤を含む、感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    分子中に2個以上のエポキシ基を有しており、室温25℃において液状である液状エポキシ樹脂を含む、感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂が、2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含む、感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    硬化剤を含む、感光性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記硬化剤が、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する多官能フェノール樹脂を含む、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記感光剤が、光酸発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    ワニス状またはフィルム状の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を備える、電子装置。
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