JP2018041074A - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂膜、および電子装置 - Google Patents

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咲子 鈴木
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健一郎 中島
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雄大 山川
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泰典 高橋
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Abstract

【課題】成膜時の膜厚ばらつきが抑制された、感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、感光剤と、を含み、当該エポキシ樹脂が、互いに異なる第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とを含み、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とのハンセン溶解度パラメータの距離が、100MPa1/2以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性樹脂膜、および電子装置に関する。
近年、液晶ディスプレイの製造プロセスにおいて、微細な配線パターンを加工する目的で感光性樹脂組成物が用いられている。この種の技術として、特許文献1に記載のものがある。同文献には、リフトオフ法により、基板上に配線パターンを形成することが記載されている。リフトオフ法とは、レジスト膜とともに当該レジスト膜の天面に形成された金属膜を除去する手法である。これにより、レジスト膜が形成されていない領域に金属膜を残すことにより、配線パターンを形成することができる。
また特許文献2〜4には、フォトリソグラフィに用いるレジスト膜の膜厚が記載されている。例えば、特許文献2には300nm以下、特許文献3には20nm〜50nm、特許文献4には100nm〜300nmと記載されている。
特開2006−243207号公報 特開2013−68840号公報 特開2013−219099号公報 特開2013−11900号公報
微細配線に用いられる上記文献に記載のレジスト膜は、薄膜であり、通常300nm以下の厚みを有するものである。
発明者が検討したところ、当該レジスト膜に用いる処方を有する感光性樹脂組成物を使用して、レジスト膜の時よりも厚膜となる樹脂膜を形成した場合、得られた樹脂膜において膜厚のばらつきが生じることがあった。
したがって、上記文献に記載のレジスト膜に用いる感光性樹脂組成物においては、厚膜形成時における膜厚ばらつきの点で、改善の余地を有していた。
本発明は以下の態様を包含する。
(1) エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
感光剤と、を含み、
前記エポキシ樹脂が、互いに異なる第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とを含み、
前記第1エポキシ樹脂と前記第2エポキシ樹脂とのハンセン溶解度パラメータの距離が、100MPa1/2以下である、感光性樹脂組成物。
(2) 前記第1エポキシ樹脂と前記第2エポキシ樹脂が、各々、独立して、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、及び、多官能エポキシ樹脂からなる群から選択される、前記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3) 前記第1エポキシ樹脂の分子量が、前記第2エポキシ樹脂の分子量よりも小さく、
前記第2エポキシ樹脂の分子量が300以上10000以下である、前記(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4) 前記第2エポキシ樹脂の分子量が300以上600以下である、前記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5) 前記第1エポキシ樹脂の分子量が、200以上400以下である、前記(3)又は(4)に記載の感光性樹脂組成物。
(6) 前記第1エポキシ樹脂が脂環式エポキシ樹脂またはビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であり、
前記第2エポキシ樹脂が、多官能エポキシ樹脂である、前記(2)〜(5)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(7) 前記硬化剤がノボラック型フェノール樹脂である、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(8) 硬化物のガラス転移温度が140℃以上である、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(9) 硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数が、5ppm/℃以上70ppm/℃以下である、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(10) 25℃における粘度が、500mPa・s以上5000mPa・s以下である、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(11) さらに溶剤を含み、
前記溶剤が、前記第2エポキシ樹脂との相対エネルギー差(RED値)が1.2以下である溶剤種を含む、前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(12) 前記溶剤種がベンジルアルコールである、前記(11)に記載の感光性樹脂組成物。
(13) ネガ型である、前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
(14) 前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された、感光性樹脂膜。
(15) 前記(14)に記載の感光性樹脂膜の硬化物を備える、電子装置。
(16) 貫通電極と絶縁層とを備える貫通電極層を含み、前記絶縁層が前記硬化物で構成される前記(15)に記載の電子装置。
(17)インターポーザー、配線層、及び半田バンプを更に含み、
前記貫通電極層は、前記インターポーザーと前記配線層との間に配置され、前記インターポーザーと前記配線層とを電気的に接続するものであり、
前記配線層は、前記貫通電極層と前記半田バンプとの間に配置され、前記貫通電極層と前記半田バンプとを電気的に接続するものである、前記(16)に記載の電子装置。
(18) 前記硬化物のガラス転移温度が140℃以上250℃以下である、前記(15)〜(17)のいずれか一項に記載の電子装置。
(19) 前記硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数が、5ppm/℃以上70ppm/℃以下である、前記(15)〜(18)のいずれか一項に記載の電子装置。
本発明によれば、成膜時の膜厚ばらつきが抑制された感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂膜ならびに電子装置が提供される。
本実施形態に係る感光性樹脂膜の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る貫通電極層の製造手順を示す工程断面図である。 本実施形態に係る電子装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物の概要について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、および感光剤を含む。当該エポキシ樹脂は、互いに異なる第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とを含む。このような第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とのハンセン溶解度パラメータの距離については100MPa1/2以下とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、エポキシ樹脂同士の相溶性(分散性)を向上させることにより、厚膜の感光性樹脂膜の膜厚バラツキを抑制できることを見出した。
言い換えると、エポキシ樹脂同士の相溶性と厚膜形成時における膜厚バラツキとの間に強い相関関係が新たに見出された。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、エポキシ樹脂同士の相溶性として、ハンセン溶解度パラメータの距離(以下、HSP距離という)を指標とすることにより、安定的に上記の相関関係を評価できることが分かった。
上記HSP距離なる指標を用いてさらに検討したところ、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とのHSP距離を100MPa1/2以下とすることにより、厚膜時における感光性樹脂膜の膜厚バラツキを低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本実施形態によれば、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜の膜厚バラツキを抑制できるので、製造安定性を向上させることができる。例えば、感光性樹脂膜の上に上層を積層した場合、この上層との間に泡の噛み込みが生じることを抑制でき、また、上層を形成する際の塗布性を向上させることもできる。また、塗膜平滑性を向上させるためのプロセスを省略でき、製造効率を向上させることができる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜は、一般的な薄膜の膜用とは異なる新たな用途として、例えば、貫通電極を有する配線層を構成する絶縁層に用いることができる。これにより、このような貫通電極を有する配線層を備える電子装置を実現することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物としては、ポジ型、ネガ型のいずれを用いてもよい。高アスペクトな構造の実現やアンダーカットの低減等の観点から、ネガ型が好ましい。本実施形態のネガ型の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び感光剤を含む。
(エポキシ樹脂)
本実施形態におけるエポキシ樹脂は、互いに異なる第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とを含むものである。これらの第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂同士は、互いの関係において相溶性に優れていることが好ましい。
本実施形態において、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)の上限値は、100MPa1/2以下であり、好ましくは90MPa1/2以下であり、より好ましくは80MPa1/2以下である。これにより、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜の膜厚バラツキを抑制できる。一方、上記HSP距離の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上、より好ましくは5MPa1/2以上としてもよい。
本実施形態の第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂において、HSPの極性項(P)の上限値は、例えば、13.5MPa1/2以下であり、好ましくは12MPa1/2以下であり、より好ましくは11.5MPa1/2以下である。第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂の極性項(P)の距離を小さくすることにより、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂との分散状態を安定化させることができる。一方、第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂のHSPの極性項(P)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上としてもよく、5MPa1/2以上としてもよい。
また、本実施形態の第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂において、HSPの分散項(D)の下限値は、例えば、12.5MPa1/2以上であり、好ましくは14MPa1/2以上であり、より好ましくは、15MPa1/2以上であることで、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂との分散性をより向上させることができる。一方で、第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂のHSPの分散項(D)の上限値は、特に限定されないが、例えば、22MPa1/2以下でもよく、21MPa1/2以下としてもよい。
なお、本実施形態の第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂おいて、HSPの水素項(H)の下限値は、例えば、4.1MPa1/2以上あり、好ましくは4.5MPa1/2以上である。これにより、第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂の分散状態をより安定化させることができる。また、第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂のHSPの水素項(H)の上限値は、特に限定されないが、例えば、12MPa1/2以下としてもよく、11MPa1/2以下としてもよい。
本実施形態において、第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂は、それぞれ、極性項(P)、分散項(D)、または水素項(H)の少なくともいずれかが上記範囲を満たすことができる。この中でも、少なくとも、極性項(P)または分散項(D)が上記範囲を満たすことが好ましく、極性項(P)が上記範囲を満たすことがより好ましい。
ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質が他のある物質にどのくらい溶けるのかという溶解性を表す指標である。HSPは、溶解性を3次元のベクトルで表す。この3次元ベクトルは、代表的には、分散項(δ)、極性項(δ)、水素項(δ)で表すことができる。そしてベクトルが似ているもの同士は、溶解性が高いと判断できる。ベクトルの類似度をハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)で判断することが可能である。
本明細書で用いている、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)は、C. M. Hansen, “The three dimensional solubility parameters”, J. Paint Technol. 39, 105 (1967)およびHansen Solubility Parameters, A User’s Handbook by Charles M. Hansen, CRC Press Boca Raton Fl (2007) HSPiP (Hansen Solubility Parameters in Practice)に基づき、溶解度パラメータ推算ソフトウエアを用いて算出することができる。ここで、ハンセンとアボットが開発したコンピューターソフトウエアHSPiPには、HSP距離を計算する機能と様々な樹脂と溶媒もしくは非溶媒のハンセンパラメーターを記載したデータベースが含まれている。
各樹脂の純溶媒および良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に対する溶解性を調べ、HSPiPソフトにその結果を入力し、D:分散項、H:水素項、R0:溶解球半径を算出する。
上記HSP距離は、下記式(1)に示すRで表されるものである。
本実施形態において、HSP距離は、例えば、第1エポキシ樹脂のHSPを(d1,p1,h1)とし、第2エポキシ樹脂のHSPを(d2,p2,h2)としたとき、下記の式(1)により算出することができる。
Figure 2018041074
本実施形態におけるエポキシ樹脂は、上記の第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂とは異なる第3エポキシ樹脂を含有していてもよい。
本実施形態において、第2エポキシ樹脂と第3エポキシ樹脂とのHSP距離の上限値は、特に限定されないが、例えば、100MPa1/2以下であり、より好ましくは90MPa1/2以下であり、さらに好ましくは80MPa1/2以下である。これにより、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜の膜厚バラツキを抑制できる。一方、第2エポキシ樹脂と第3エポキシ樹脂とのHSP距離の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上、より好ましくは5MPa1/2以上としてもよい。なお、エポキシ樹脂は、本発明の効果が得られる範囲内において、上記HSP距離が特に限定されない他のエポキシ樹脂を含有してもよい。
また、第1エポキシ樹脂と第3エポキシ樹脂のHSP距離は、上述の第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂のHSP距離と同様の関係を満たすものであってもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂として、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、及び多官能エポキシ樹脂の中から少なくとも2種を組み合わせて用いることが好ましい。
上記第1エポキシ樹脂としては、例えば、低分子量の上記エポキシ樹脂を用いることができる。この場合、上記第1エポキシ樹脂の分子量は、上記第2エポキシ樹脂の分子量よりも小さくすることができる。また、上記第1エポキシ樹脂の分子量の上限値としては、例えば、600以下でもよく、500以下としてもよく、400以下でもよく、300以下でもよい。このように分子量が小さい第1エポキシ樹脂を用いることにより、パターニング性を向上させることができる。一方で、上記第1エポキシ樹脂の分子量の下限値としては、特に限定されないが、例えば、100以上でもよく、150以上でもよく、200以上でもよい。本実施形態において、分子量は、例えば、エポキシ当量と官能基数から算出した分子量でもよく、構造式が特定できる場合には当該構造式から算出された分子量でもよく、重合体であって構造式が特定できない場合には、重量平均分子量でもよいが、ポリスチレンを標準物質としたゲル濾過クロマトグラフィーで測定された重量平均分子量であることが好ましい。
また、上記第1エポキシ樹脂としては、一分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、または脂肪族エポキシ樹脂を含むことが好ましい。また、上記第1エポキシ樹脂としては、室温25℃において液状のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
上記第2エポキシ樹脂としては、上記のエポキシ樹脂の例示の中でも、感光性樹脂膜の硬化物に要求される特性の観点から、各種のエポキシ樹脂を選択することができるが、例えば、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂を用いることができる。
また、上記第2エポキシ樹脂の分子量の下限値としては、例えば、300以上でもよく、400以上としてもよく、500以上でもよい。これにより、感光性樹脂膜の硬化物の耐熱性を向上させることができる。一方で、上記第2エポキシ樹脂の分子量の上限値としては、例えば、1000以下でもよく、900以下としてもよく、600以下でもよい。これにより、感光性樹脂膜の成膜特性を向上させることができ、成膜時の膜厚のばらつきをより抑制することができる。
また、上記エポキシ樹脂として、ベンゼン環を有する化合物を用いることが好ましい。これにより、感光性樹脂膜の耐熱性と透明性のバランスに優れたものとすることができる。例えば、ベンゼン環を有する化合物としては、下記の多官能エポキシ樹脂を用いることができる。一方、上記エポキシ樹脂は、ナフタレン環を有する化合物を含まないことが好ましい。これにより、露光波長における感光性樹脂膜の透過率が低下することを抑制することができる。例えば、下記の脂環式エポキシ樹脂および多官能エポキシ樹脂のいずれも、ナフタレン骨格を有しない化合物であることが好ましい。
上記第1エポキシ樹脂としては、一分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂またはビスフェノールA型等のビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。このような反応性が良好なエポキシ樹脂を用いることにより、パターニング性を向上させることができる。また、露光後加熱処理等の低温の加熱条件においても、硬化反応を進めることが可能になる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性を高めることができる。
上記一分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂として、一分子中に脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
上記脂環式エポキシ基は下記式(a)で示されることが好ましい。下記式(a)で示される脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ樹脂として、例えば、下記式(A)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2018041074
Figure 2018041074
上記式(A)中、R及びRは各々独立して水素原子又はメチル基を示し、mは1〜5を示し、lは0または1を示す。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂として、好ましくは、下記式(I)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2018041074
上記式(I)中、RとRは各々独立して、水素原子またはメチル基を示し、nは0〜5を示し、好ましくは0を示す。
上記脂環式エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、イプシロン−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートなどが用いられ、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートがより好ましく用いられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。
また、上記エポキシ樹脂としては、3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物の剛直性を高めることができ、成膜時の膜厚のばらつきをより抑えることができる。剛直性を付与する樹脂を用いることにより、ガラス転移温度を高めることや、線膨張係数を低く抑えることが可能になる。
上記多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物、ナフタレン含有変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが用いられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。上記多官能エポキシ樹脂として、下記式(II)で示される多官能エポキシ樹脂が好ましく、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパンがより好ましく用いられる。
Figure 2018041074
上記式(II)中、R、R、及び、Rは各々独立して、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、pは0〜3の整数を示す。
また、本実施形態において、脂環式エポキシ樹脂またはビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂と、多官能エポキシ樹脂とを併用してもよい。これにより、柔軟性を示す伸び特性と、TgやCTE等の剛性を示す機械的強度特性の膜特性の両立を実現することが可能になる。あるいは、脂環式エポキシ樹脂とビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂とを併用してもよい。これにより、成膜時の膜厚をより均一にすることが可能になる。
(硬化剤)
硬化剤としては、エポキシ樹脂の重合反応を促進させるものであればとくに限定されないが、例えば、フェノール性水酸基を有する硬化剤を含むことができる。具体的には、フェノール樹脂を用いることができる。フェノール樹脂としては、公知のもののなかから適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。これらの中でも、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく用いられる。
(感光剤)
感光剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としては、紫外線等の活性光線の照射により酸を発生する光酸発生剤を含有する。光酸発生剤として、オニウム塩化合物を挙げることができ、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などを挙げることができる。中でも、トリアリールスルフォニウム テトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレートを好ましく用いることができる。
(その他の添加剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、シリカ等の充填材、界面活性剤、増感剤、フィルム化剤、密着助剤等の添加剤を添加してもよい。密着助剤としては、例えば、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
(溶剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は溶剤を含むことができる。
溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
本実施形態における溶剤は、上記第2エポキシ樹脂との相対エネルギー差(RED値)が1.2以下である溶剤種(例えば、第1溶剤)を1以上含むことができる。ここで、相対エネルギー差(RED値)は、Ra/R0で算出される値である。Raは、溶剤種と第2エポキシ樹脂とのHSPの距離を表し、R0は、第2エポキシ樹脂のHSPの座標を中心とした溶解球半径を表す。
本実施形態において、上記RED値の上限値は、例えば、1.2以下であり、好ましくは1.15以下であり、より好ましくは1.1以下である。これにより、溶剤と第2エポキシ樹脂との相溶性を向上させることができ、感光性樹脂膜の膜厚バラツキを抑制することができる。一方で、上記RED値の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01以上でもよく、0.1以上でもよい。
本実施形態の溶剤としては、第1溶剤と、第1溶剤と異なる第2溶剤とを併用してもよい。第1溶剤が上記REDを満たす場合、第1溶剤が主剤として用いる限り、第2溶剤は上記REDを満たしても、満たさなくてもよいが、第2溶剤も上記REDを満たすことがより好ましい。第1溶剤が主剤とは、例えば、第1溶剤の含有量が、溶剤の総重量に対して、例えば、60重量%以上であり、好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であることを意味する。
例えば、第2エポキシ樹脂がビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂または多官能エポキシ樹脂である場合、RED値1.2以下を満たす第1溶剤として、ベンジルアルコールを使用することが望ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。原料と溶剤を配合して均一に混合することにより、感光性樹脂組成物が得られる。
本実施形態において、25℃における感光性樹脂組成物の粘度の下限値は、例えば、500mPa・s以上でもよく、600mPa・s以上でもよく、700mPa・s以上でもよい。これにより、膜厚均一性を向上させることができる。一方、25℃における感光性樹脂組成物の粘度の上限値は、例えば、5000mPa・s以下でもよく、4000mPa・s以下でもよく、3000mPa・s以下でもよい。これにより、ハンドリング性等の塗布性を向上させることができる。
感光性樹脂組成物は、ワニス状であってもよい。ワニス状の感光性樹脂組成物をフィルム状とすることにより、樹脂シート(感光性樹脂膜)が得られる。
樹脂シートは、たとえばワニス状の感光化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率が感光性樹脂組成物全体に対して10重量%以下とすることができる。たとえば80℃〜150℃、1分間〜20分間の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、感光性樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、樹脂シート(感光性樹脂膜)をキャリア基材上に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、感光性樹脂組成物(樹脂ワニス)を調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な樹脂シートの厚みを有するキャリア基材付き樹脂シートを効率よく製造することができる。
樹脂シートは、感光性樹脂組成物から得られたフィルムを含むことができる。樹脂シートは、シート形状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。
本実施形態の感光性樹脂膜は、一例として、図1(a)及び(b)に示す貫通電極層30の絶縁層に利用することができる。以下、貫通電極層30の製造工程について説明する。
図2は、本実施形態の感光性樹脂組成物を利用した貫通電極層30の製造手順の工程断面図を示す。本実施形態では、感光性樹脂組成物としてネガ型感光性樹脂組成物を用いた例について説明する。
まず、図2(a)に示すように、感光性樹脂組成物を用いてなる感光性樹脂膜132を下地層(例えば、配線143を構成する下層の配線層142)上に形成する。感光性樹脂膜132としては、ワニス状の感光性樹脂組成物を基材に塗布して得られた塗布膜でもよく、当該塗布膜をフィルム化して得られた樹脂シートでもよい。樹脂シートを用いることにより、材料ロスを低減することが可能となる。開口部112が形成される前では、感光性樹脂膜132はBステージ状態とすることができる。これにより、取り扱い性を高めることができる。一方、開口部112が形成された後、感光性樹脂膜132は、硬化処理がなされることにより、硬化膜となる。これにより、機械的強度等に優れた構造とすることができる。
具体的な感光性樹脂膜132の形成方法としては、塗布工程やラミネート工程等が挙げられる。塗布工程では、ワニス状の感光性樹脂組成物を準備する。そして感光性樹脂組成物のワニスを基材上に塗布する。これにより、塗布面上に塗布膜を形成することができる。一方、ラミネート工程では、感光性樹脂組成物からなるフィルム状の感光性樹脂膜を準備する。熱圧着等により感光性樹脂膜を基材上に張り付ける。これにより、感光性樹脂膜を張り付け面上に形成できる。
感光性樹脂膜132を形成した後、露光処理する前に、感光性樹脂膜132を所定の温度でプリベークすることができる。プリベークの温度は、特に限定されないが、例えば、100℃以上150℃以下としてもよく、好ましくは110℃以上140℃以下としてもよい。プリベーク時間は、例えば、1分間以上10分間以下とすることができる。これにより、余分な溶剤を蒸発させ、成膜特性を安定させることができる。
プリベークした後の感光性樹脂膜132の膜厚は、最終的な硬化膜の膜厚に応じて設計されるものであるが、例えば、5μm以上200μm以下、好ましくは、8μm以上180μm以下とすることができる。これによりパターニング性が向上する。
また、本実施形態において、所定の条件でのプリベーク後の感光性樹脂膜132において、露光波長に対する光の光線透過率の下限値は、例えば、50%以上であることが好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。これにより、厚膜の感光性樹脂膜132を用いた場合でも、感光性樹脂膜132の下面側(露光側とは反対側)の領域におけるパターニング性を向上させることができる。上記光線透過率の上限値は、特に限定されないが、例えば、100%未満としてもよく、90%以下としてもよい。これにより、感光性樹脂組成物中の感光剤等に効果的に露光波長の光を吸収させることができるので、光硬化などの反応性を高めることができる。例えば、エポキシ樹脂の種類や溶剤などの種類を最適に選択することにより、感光性樹脂膜の透過率を高めることができる。
本実施形態において、光線透過率の測定方法としては、例えば、可視紫外分光光度計を用いることができる。また、吸収波長および光線透過率の測定条件としては、例えば、ワニス状の感光性樹脂組成物の塗布膜を準備し、当該塗布膜を120℃、5分間でプリベークすることにより形成された膜厚10μmの感光性樹脂膜を用いることができる。
続いて、感光性樹脂膜132上の所定の領域にマスク102を配置する。マスク102を通して、感光性樹脂膜132に対して、露光処理を行う。ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた場合、マスク形成領域(露光照射されない光遮断領域)に開口部112が形成される。本実施形態において、露光波長としては、例えば、365nmの紫外線を用いることができる。
続いて、感光性樹脂膜132に対して、所定の条件で露光後加熱処理を行ってもよい。露光後加熱処理の温度は、特に限定されないが、例えば、50℃以上180℃以下としてもよく、好ましくは60℃以上150℃以下としてもよい。露光後加熱処理の時間は、例えば、1分間以上10分間以下とすることができる。露光後加熱処理により、完全硬化させないが、感光性樹脂組成物の硬化の進行度を制御することができる。これにより、反応性が高い樹脂系の硬化反応を進めることができる。
続いて、感光性樹脂膜132に対して現像処理する。現像液として、例えば、有機溶剤や水溶性現像液を用いることができる。これにより、感光性樹脂膜132に複数の貫通部(開口部112)をパターニング形成することができる。複数の貫通部は、感光性樹脂膜132の表面から裏面までを貫通しており互いに離間している。
開口部112を形成した後、所定の加熱条件で加熱処理することにより感光性樹脂膜132を硬化する。感光性樹脂膜132の硬化処理の温度は、特に限定されないが、例えば、160℃以上250℃以下としてもよく、好ましくは180℃以上230℃以下としてもよい。硬化処理の時間は、例えば、30分間以上120分間以下とすることができる。低温で硬化させることにより、反りを抑制することができる。例えば、硬化温度は、半導体チップの耐熱性にあわせて設定してもよい。硬化処理により、露光後加熱処理で硬化していない樹脂系の硬化反応を十分に進めることができる。
以上により、感光性樹脂膜132中に図1に示すような開口部112を形成することができる。
本実施形態において、感光性樹脂膜32(132)の開口部112のアスペクト比(高さH/直径W:図2(e))の下限値は、例えば、3以上としてもよく、好ましくは3.5以上としてもよく、さらに好ましくは4以上としてもよい。一方、上記アスペクト比の上限値は、特に限定されないが、例えば、10以下としてもよく、好ましくは、9以下としてもよく、さらに好ましくは、8以下としてもよい。開口部112のアスペクト比を上記下限値以上とすることにより、貫通電極34の配置を高密度化することが可能になる。また、感光性樹脂膜32を厚膜とすることにより剛性を高めることができる。一方、開口部112のアスペクト比を上記上限値以下とすることにより、貫通電極34の電気抵抗値を下げることができる。アスペクト比を上記範囲内とすることにより、高密度化と電送速度の高速化のバランスを向上させることができる。
図2(b)に示すように、パターニングされた感光性樹脂膜132の表面上に、シード層108、114を形成する。シード層114は、感光性樹脂膜132の開口部112の内部(側壁および底面)に形成され、シード層108は感光性樹脂膜132の上面139に形成される。シード層108、114は、例えば、スパッタなどの方法により形成される。
シード層108、114は、貫通電極134を構成するメッキ膜115と同種の金属で構成されてもよいが、メッキ膜115と良好な密着性がある異種の金属で構成されていてもよい。本実施形態では、シード層108、114として、例えば、銅シード層が形成される。
感光性樹脂膜132の上面139上のシード層108上にレジスト層104を形成する。言い換えると、開口部112を除いた領域の感光性樹脂膜132の上にシード層108を介してレジスト層104を形成する。例えば、フィルム状のレジスト層104を使用できる。パターニングされたレジスト層104をラミネートしてもよいし、フィルム状のレジスト層104をラミネートした後に、ドリルやレーザー等を用いてパターニングしてもよい。
続いて、図2(c)に示すように、貫通部(開口部112)を金属層(メッキ膜115)で埋設する。例えば、電解メッキ方法を用いることができる。これにより、シード層114とメッキ膜115により、開口部112内部に感光性樹脂膜132の上面から下面までを貫通する貫通電極(導電柱状体)134を形成することができる。メッキ膜115は、銅、金、銀、ニッケル等からなる群から選択される一種以上の金属で構成されることができる。
続いて、図2(d)に示すように、レジスト層104を剥離する。その後、感光性樹脂膜132の上面139上のシード層108を除去する。これには、例えば、フラッシュエッチングなどを用いることができる。
以上により、図2(e)に示す構造を有する貫通電極層130を形成することができる。
本実施形態の感光性樹脂膜132は、このような貫通電極層130を構成する絶縁層に用いることができる。また、本実施形態の感光性樹脂膜132は、半導体ウエハ等の大面積の基板を用いたウエハレベルプロセスに用いることが可能である。
[電子装置]
本実施形態に係る電子装置について説明する。
本実施形態に係る電子装置(半導体パッケージ100)について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る半導体パッケージ100の構成を示す断面図である。
本実施形態の半導体パッケージ100の概要について説明する。
本実施形態の半導体パッケージ100は、配線層20、貫通電極層30、インターポーザー(シリコンインターポーザー40)、半導体チップ50、および封止材層70を備えるものである。貫通電極層30は、配線層20とインターポーザー(シリコンインターポーザー40)との間に配置されている。貫通電極層30は、貫通電極34と絶縁層(感光性樹脂膜32)とを備えるものである。貫通電極層30を構成する絶縁層(感光性樹脂膜32)は、感光性樹脂組成物の硬化物で構成できる。すなわち、本実施形態の感光性樹脂組成物は、貫通電極層30を構成する感光性樹脂膜32の形成に用いることができる。
本実施形態の半導体パッケージ100は、図3に示すように、外部端子(半田バンプ80)やマザーボード等の主基板(プリント回路基板10)を備えてもよい。
配線層20は、下面に複数の半田バンプ80(外部端子)が形成されている。これにより、配線層20は、貫通電極層30と半田バンプ80の間に配置され、貫通電極層30と半田バンプ80とを電気的に接続することができる。
貫通電極層30は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて、上述の製造工程により形成することができる。この貫通電極層30は配線層20の上面上に設けられている。貫通電極層30は、感光性樹脂膜32と複数の貫通電極34(導電柱状体)を有している。貫通電極34は、感光性樹脂膜32の上面から下面までを貫通している。また、複数の貫通電極34は、互いに離間して配置されている。この貫通電極34は、配線層20とシリコンインターポーザー40の下層配線層42とを電気的に接続することができる。
貫通電極層30中の貫通電極34は、図1(b)に示すように、感光性樹脂層32の上面39から下面36に向かって縮径となるテーパー形状を有し、かつ、シリコンインターポーザー40の下層配線層42と配線層20とを電気的に接続するように構成することができる。これにより、貫通電極34とシリコンインターポーザー40の下層配線層42との接触面積が増大し、貫通電極34と下層配線層42との密着力が高まり、機械的強度がより高まる構造とすることができる。
貫通電極34がテーパー形状を有する場合のテーパー角度θの下限値は、例えば、45度以上でもよく、70度以上とすることができ、より好ましくは75度以上であり、さらに好ましくは80度以上である。これにより、貫通電極34同士の間隔を狭めることができるので、貫通電極34の実装密度を高めることができる。一方で、上記テーパー角度の上限値は、例えば、90度以下でもよく、89度以下としてもよく、さらには88度以下としてもよい。これにより、貫通電極34とシリコンインターポーザー40の下層配線層42との接触面積を増加させ、密着性を高めるので、機械的強度をより高めることができる。開口部112の中の側壁35にもスパッタが付着しやすくなるため、開口部112中の金属埋め込み性も高くなり、貫通電極34の接続信頼性をより向上させることができる。
本実施形態において、貫通電極層30の膜厚方向、すなわち、その上面39に対して垂線方向から見たとき、貫通電極34の断面形状は、特に限定されないが、例えば、円形形状、矩形形状、六角形や八角形等の多角形形状等が挙げられる。これらの中でも、図1(a)に示されるように、貫通電極34の断面形状は円形形状であることが好ましい。
貫通電極34は、例えば、銅、金、銀、ニッケル等からなる群から選択される一種以上の金属で構成されることができ、その形状は、導電性錐台体、具体的には、導電性円錐台体、導電性多角錐台であることができ、より具体的には銅製円錐台体(銅ピラー)であることができる。
シリコンインターポーザー40は、貫通電極層30の上面上に設けられている。シリコンインターポーザー40は、下層配線層42、シリコン基板44および上層配線層46がこの順で積層した積層構造を有してもよい。シリコン基板44には、上面から下面までを貫通する貫通ビア(不図示)が形成されている。当該貫通ビアは、シリコン基板44の下面と上面のそれぞれに形成された下層配線層42と上層配線層46とを電気的に接続することができる。シリコンインターポーザー40は、貫通電極層30と半導体チップ50とを電気的に接続することができる。
半導体チップ50は、上層配線層46の上面上に設けられている。半導体チップ50は、単数でもよく、複数設けられていてもよい。また、異なる種類のチップを用いてもよい。複数の半導体チップ50(LSIチップ52、LSIチップ54)は、平面視において、互いに離間して配置されている。
封止材層70は、半導体チップ50を封止することができる。具体的には、封止材層70は、半導体チップ50の周囲(天面51および側面)を封止することができる。さらに、図3に示すように、当該封止材層70は、配線層20の上面と接するように設けられていて、貫通電極層30の側面、シリコンインターポーザー40の側面を封止することができる。
本実施形態において、積層方向に接続できる貫通電極層30と、横方向に接続できる配線層20とを有することができる。このシンプルな接続構造により、シリコンインターポーザー40と外部端子とを接続できる。これらの接続を加えて、当該接続構造によりプリント回路基板のようなパッケージ基板を利用した場合と比較して、半導体装置全体の高さ(厚み)を低減することが可能となる。
本実施形態によれば、高さが低減された構造を実現できる電子装置(半導体パッケージ100)を提供することができる。また、パッケージ基板を利用した場合と比較して、製造コストを削減することも可能である。
半導体パッケージ100の各構成について詳述する。
本実施形態において、複数の半導体チップ50がシリコンインターポーザー40の主面上に搭載されている。複数の半導体チップ50(LSIチップ52、LSIチップ54)は、平面視において、互いに異なる位置に配置されている。半導体チップ50の個数は特に限定されないが2以上でもよく3以上でもよい。図3には、搭載される電子部品の一例として、LSIチップが示されているが、これに限定されず、各種の電子部品が搭載されていてもよい。
本実施形態のインターポーザー(シリコンインターポーザー40)は、半導体チップ50の再配線手段として用いられる。つまり、半導体チップ50のパッド間隔を、処理に適したパッド間隔やピン並びに変換できる。これにより、TSV(シリコン貫通電極)を利用した三次元実装を効率的に利用することができる。例えば、メモリーリップやロジックチップ等のチップの電極配線設計を、過度に変更することなく適用することも可能である。設計の負担が軽減されるので、生産性の効率を高めることができる。
インターポーザーとしては、特に限定されないが、有機樹脂基板、セラミック基板、シリコン基板、またはガラス基板などが用いられる。低コストや、高周波領域での特性に優れる観点から、ガラス基板が好ましい。高密度化、高速化、省電力、および放熱性等に優れる観点から、シリコン基板が好ましい。本実施形態のインターポーザーは、シリコンまたはガラスで構成されることが好ましい。
シリコンインターポーザー40の主面とは、上層配線層46が形成された側の表面を指す。シリコンインターポーザー40の裏面側には下層配線層42が形成されている。上層配線層46および下層配線層42は、シリコンインターポーザー40を貫通するTSV(図示略)を介して、電気的に接続している。上層配線層46および下層配線層42を構成する金属配線は、任意の形状を有することができる。例えば、金属配線としては、平面方向に延在するパターン導電回路、柱状電極、バンプ電極等を用いることができる。これらの金属配線は、絶縁樹脂層に埋設されていてもよい。
本実施形態の貫通電極層30は、感光性樹脂膜32、感光性樹脂膜32を貫通する貫通電極34(貫通ビア)を有することができる。貫通電極34は、感光性樹脂膜32の層内方向において互いに離間して配置されている。つまり、貫通電極34は、感光性樹脂膜32の層中で配線を介して互いに接続しない構造とすることができる。当該感光性樹脂膜は、感光性樹脂組成物の硬化物で構成することが好ましい。感光性樹脂組成物を用いることにより、貫通電極34を埋設するための貫通孔の加工特性を良好としつつも、機械特性等の所望の特性を向上させることが可能になる。
貫通電極34を構成する金属は、特に限定されないが、例えば、銅、金、銀、ニッケル等が用いられる。これらを1種または2種以上用いてもよい。本実施形態において、貫通電極34としては、銅を用いた銅ピラーの形態であることが好ましい。また、貫通電極34の壁面上と感光性樹脂膜32の貫通孔との間に、バリア層が形成されていてもよい。バリア層は、貫通電極34を構成する金属原子が、感光性樹脂膜32中に拡散することを抑制することができる。
貫通電極層30の膜厚の下限値は、例えば、5μm以上としてもよく、より好ましくは8μm以上としてもよく、さらに好ましくは10μm以上としてもよい。また、貫通電極層30の膜厚の上限値は、例えば、200μm以下としてもよく、より好ましくは150μm以下としてもよく、さらに好ましくは100μm以下としてもよい。貫通電極層30(感光性樹脂膜32の硬化膜)の膜厚を上記下限値以上とすることにより、機械的強度を向上させることができる。これにより、パッケージ基板に代替して十分な機械的強度を得ることができる。また、貫通電極34のアスペクト比を高くすることも可能になる。一方、高アスペクトの貫通電極34を実現することが可能になる。貫通電極層30(感光性樹脂膜32)の膜厚を上記上限値以下とすることにより、半導体パッケージ100の高さを低減させることができる。例えば、フィルム化剤の添加や、硬化温度の調整などにより、感光性樹脂膜32の膜特性を高めることができる。
貫通電極34のアスペクト比(高さH/直径W)の下限値は、例えば、3以上としてもよく、好ましくは3.5以上としてもよく、さらに好ましくは4以上としてもよい。一方、上記アスペクト比の上限値は、特に限定されないが、例えば、10以下としてもよく、好ましくは、9以下としてもよく、さらに好ましくは、8以下としてもよい。貫通電極34のアスペクト比を上記下限値以上とすることにより、貫通電極層30における貫通電極34の配置を高密度化することが可能になる。また、貫通電極34のアスペクト比を上記上限値以下とすることにより、電気抵抗値を下げることができる。アスペクト比を上記範囲内とすることにより、高密度化と電送速度の高速化のバランスを向上させることができる。例えば、感光性樹脂組成物のパターニング性を向上させることにより、高アスペクト比の貫通孔を形成することが可能となる。
貫通電極34の直径は、特に限定されないが、例えば、5μm以上50μm以下としてもよく、10μm以上30μm以下としてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物を用いることにより、通常の感光性樹脂膜と比較して厚みを増すことができるので、感光性樹脂組成物の硬化物に高アスペクト比の貫通孔を形成できる。これにより、貫通電極層30において、高アスペクト比である貫通電極34と、厚膜な感光性樹脂膜32という構成を実現することができる。また、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いることにより、高解像度や高アスペクト比のパターニングが可能になる。
また、本実施形態の感光性樹脂膜32(硬化膜)において、感光性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)下限値は、例えば、120℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましい。これにより、放熱機能を有するシリコンインターポーザー40と接する感光性樹脂膜32の耐熱性を向上させることができる。一方、上記ガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、250℃以下としてもよい。例えば、多官能エポキシ樹脂の使用、高温での硬化温度の調整等により、ガラス転移温度を高めることができる。
本実施形態の感光性樹脂膜32において、感光性樹脂組成物の硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数(CTE)の下限値は、例えば、5ppm/℃以上としてもよく、10ppm/℃以上としてもよく、15ppm/℃以上としてもよい。一方、上記線膨張係数の上限値は、例えば、70ppm/℃以下が好ましく、60ppm/℃以下がより好ましく、59ppm/℃以下がより更に好ましい。このように感光性樹脂膜32の線膨張係数を小さくすることにより、シリコンインターポーザー40との線膨張係数の差が小さくなり、反りの発生を抑えることができる。そして、信頼性の高い半導体パッケージ100を得る事ができる。例えば、剛直性を付与する多官能エポキシ樹脂の使用等により、線膨張係数を低く抑えることができる。
本実施形態の感光性樹脂膜32において、感光性樹脂組成物の硬化物の25℃の引張試験における伸び率の下限値は、例えば、5%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、7%以上がよりさらに好ましい。これにより、貫通電極層30において、優れた耐久性を実現し、クラックやひび割れ等を確実に抑制することができる。一方、伸び率の上限値は、例えば、50%以下としてもよく、好ましくは40%以下としてもよい。本実施形態において、有機絶縁層の引張伸び率を上記範囲内とすることにより、信頼性に優れた接続構造を有する貫通電極層30を実現することができる。例えば、柔軟性を付与する脂環式エポキシ樹脂の使用等により、引張伸び率を高めることができる。
本実施形態では、剛直性を付与するエポキシ樹脂と柔軟性を付与するエポキシ樹脂とを併用すること、低温の加熱処理(例えば、露光後加熱処理)と高温の加熱処理(例えば、硬化加熱処理)を実施すること等により、感光性樹脂組成物の硬化物において、高Tgとパターニング性または低CTEとパターニング性の両立を実現することができる。
本実施形態において、ガラス転移温度(Tg)および線膨張係数は、所定の試験片(幅4mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して、熱機械分析装置(TMA)を用いて、開始温度30℃、測定温度範囲30〜400℃、昇温速度5℃/minの条件下で測定を行った結果から算出される。
本実施形態において、引張試験における伸び率は次のように測定できる。まず、所定の試験片(幅6.5mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して引張試験(引張速度:5mm/min)を、温度25℃、湿度55%の雰囲気中で実施する。引張試験は、株式会社オリエンテック製引張試験機(テンシロンRTA−100)を用いて行う。次いで、当該引張試験の結果から、引張伸び率を算出する。ここでは、上記引張試験を試験回数n=10で行い、測定値が大きい5回の平均値を求め、これを測定値とする。
上記試験片として、たとえば、感光性樹脂組成物を熱処理して得られる硬化膜を用いることができる。具体的には、感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ基板上にスピンコーター等で塗布した後、ホットプレートにて120℃で5分間乾燥し、塗膜を得る。塗膜を700mJ/cmで全面露光し、80℃で5分間PEB(Post Exposure Bake)を行い、200℃で90分間加熱して、硬化膜を得ることができる。
本実施形態の配線層20は、外部端子(半田バンプ80)を介して、マザーボード(プリント回路基板10)上に実装されていてもよい。配線層20とプリント回路基板10との間隙には、アンダーフィラー82が充填されていてよい。この配線層20は、貫通電極層30の貫通電極34を、半田バンプ80を介してプリント回路基板10に接続することができる。
本実施形態において、貫通電極層30は、インターポーザー(シリコンインターポーザー40)と配線層20との間に配置されており、インターポーザーと配線層20とを電気的に接続するものである。そして、配線層20には、貫通電極層30の層内方向において、最外領域に位置する貫通電極34よりも、外側に半田バンプ80が形成されていてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物の作製]
まず、表1に従い配合された各成分の原料を、表1に示す溶剤に溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を3μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名LX−01、ダイソー社製、重量平均分子量:360)
エポキシ樹脂2:脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業社製、商品名CEL2021P、重量平均分子量:230)
エポキシ樹脂3:多官能エポキシ樹脂(商品名VG−3101L、プリンテック社製、重量平均分子量:550)
エポキシ樹脂4:多官能エポキシ樹脂(商品名jER−1032H60、三菱化学社製、重量平均分子量:850)
エポキシ樹脂5:脂環式エポキシ樹脂(エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−(3−シクロヘキセニルメチル)修飾εカプロラクトン、ダイセル化学工業(株)製、商品名エポリードGT401、重量平均分子量:850)
エポキシ樹脂6:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(商品名HP4710、DIC社製、重量平均分子量:660)
(硬化剤)
硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名PR−55617)
(感光剤)
感光剤1:カチオン系光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製、商品名Irgacure290)
(密着助剤)
密着助剤1:γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名KBM−403E)
(溶剤)
溶剤1:ベンジルアルコール
溶剤2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
Figure 2018041074
表1中、RED値は、Ra/R0で示される。Raは、溶剤1と第2エポキシ樹脂とのHSPの距離である。R0は、第2エポキシ樹脂のHSPの座標を中心とした溶解球半径である。
得られた感光性樹脂組成物について、評価を行った。結果を表1および表2に示す。
また、表1中のHSP値、HSP距離、RED値の測定値については、表3及び表4に示す。なお、表4に示すとおり、ベンジルアルコールとPGMEAはRED値が近い値である。
Figure 2018041074
Figure 2018041074
Figure 2018041074
(HSP値の測定、HSP距離の算出)
原料成分に係る各樹脂に対して14種類の純溶媒(ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、安息香酸ベンジル、炭酸プロピレン、1−ヘキセン、MEK、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、PGMEA、シクロヘキサノール、IPA、メタノール)に対する25℃での溶解性を調べ(液状樹脂の場合は10体積%、固体樹脂の場合は5重量%に調整する)、HSPiPソフトにその結果を入力し、樹脂の溶解球を算出した。
さらに、上記の実験から得た複数の比率の良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に対する樹脂の溶解性を調べた。その結果をHSPiP(3rd version)に入力し、D:分散項、H:水素項、R0:溶解球半径を算出した。上記HSP距離は、上記式(1)に示すRで表されるものである。
(RED値の測定)
溶媒のHSP値は例えば、HSPiP 3rd versionに含まれるSolvent listに記載されている値を25℃に補正したものを参照した。
(粘度)
得られた樹脂組成物をコーンプレート型粘度計(TV−25, 東機産業製)を用いて回転速度20rpm、測定時間300秒、測定温度25℃の条件で測定を行った。
(膜厚バラツキ)
得られた感光性樹脂組成物を8inchのシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で5分間プリベークし、膜厚10μmの樹脂膜を得た。
光干渉式膜厚測定装置(株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ製)によりウエハの直径方向に1cm間隔で9点測定し、最大値と最小値の差を膜厚バラツキとした。
(パターニング性)
上記の樹脂膜に対して、400mJ/cmで露光を行った。その後、ホットプレートにて80℃で5分間露光後加熱を行った。次にPGMEAで20秒間スプレー現像することによって未露光部を溶解除去した後、IPA(イソプロピルアルコール)で10秒間リンスした。その後、200℃で90分間硬化させることにより、所定のパターンが形成された感光性樹脂組成物の硬化膜を得た。得られたパターンについて断面観察を行った結果、実施例1から3の感光性樹脂組成物を用いることにより、良好なパターニング性が得られる事が分かった。
(ガラス転移温度、線膨張係数)
得られた感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ基板上にスピンコーター等で塗布した後、ホットプレートにて120℃で5分間乾燥し、塗膜を得た。塗膜を700mJ/cmで全面露光し、80℃で5分間PEB(Post Exposure Bake)を行い、200℃で90分間加熱して、硬化膜を得た。得られた硬化膜を試験片とした。
ガラス転移温度(Tg)、50℃〜100℃の平均線膨張係数、および100℃〜200℃の平均線膨張係数は、試験片(幅4mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して、熱機械分析装置(TMA)を用いて、開始温度30℃、測定温度範囲30〜400℃、昇温速度5℃/minの条件下で測定を行った結果から算出した。
(引張り強度、引張り伸び率)
前述のようにして得られた試験片(幅6.5mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して引張試験(引張速度:5mm/min)を、温度25℃、湿度55%の雰囲気中で実施した。引張試験は、株式会社オリエンテック製引張試験機(テンシロンRTA−100)を用いて行った。次いで、当該引張試験の結果から、引張伸び率を算出した。ここでは、上記引張試験を試験回数n=10で行い、測定値が大きい5回の平均値を求め、これを測定値とした。また、当該引張試験において、試験片が破断した破断強度を、引張り強度とした。
実施例1から3の感光性樹脂組成物を用いることにより、感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の厚膜を形成したときでも、膜厚バラツキを抑制できることが分かった。一方で、比較例1と2の感光性樹脂組成物を用いた場合、当該感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の厚膜を形成したときに、膜厚バラツキが生じることが分かった。また、実施例1の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化膜は、引張り強度や引張り伸び率に優れることが分かった。また、実施例1〜3の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を用いることにより、信頼性に優れた半導体装置(図3に示すような半導体パッケージ100)を実現できることが分かった。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 プリント回路基板(マザーボード)
20 配線層
30 貫通電極層
32 感光性樹脂膜
34 貫通電極
35 側壁
36 下面
37 上面
39 上面
40 シリコンインターポーザー
42 下層配線層
44 シリコン基板
46 上層配線層
50 半導体チップ
51 天面
52 LSIチップ
54 LSIチップ
70 封止材層
80 半田バンプ
82 アンダーフィラー
100 半導体パッケージ
102 マスク
104 レジスト層
108 シード層
112 開口部
114 シード層
115 メッキ膜
130 貫通電極層
132 感光性樹脂膜
134 貫通電極
139 上面
142 下層の配線層
143 配線

Claims (19)

  1. エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    感光剤と、を含み、
    前記エポキシ樹脂が、互いに異なる第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂とを含み、
    前記第1エポキシ樹脂と前記第2エポキシ樹脂とのハンセン溶解度パラメータの距離が、100MPa1/2以下である、感光性樹脂組成物。
  2. 前記第1エポキシ樹脂と前記第2エポキシ樹脂が、各々、独立して、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、及び、多官能エポキシ樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記第1エポキシ樹脂の分子量が、前記第2エポキシ樹脂の分子量よりも小さく、
    前記第2エポキシ樹脂の分子量が300以上10000以下である、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記第2エポキシ樹脂の分子量が300以上600以下である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記第1エポキシ樹脂の分子量が、200以上400以下である、請求項3又は4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記第1エポキシ樹脂が脂環式エポキシ樹脂またはビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であり、
    前記第2エポキシ樹脂が、多官能エポキシ樹脂である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤がノボラック型フェノール樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 硬化物のガラス転移温度が140℃以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数が、5ppm/℃以上70ppm/℃以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 25℃における粘度が、500mPa・s以上5000mPa・s以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. さらに溶剤を含み、
    前記溶剤が、前記第2エポキシ樹脂との相対エネルギー差(RED値)が1.2以下である溶剤種を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記溶剤種がベンジルアルコールである、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
  13. ネガ型である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された、感光性樹脂膜。
  15. 請求項14に記載の感光性樹脂膜の硬化物を備える、電子装置。
  16. 貫通電極と絶縁層とを備える貫通電極層を含み、前記絶縁層が前記硬化物で構成される請求項15に記載の電子装置。
  17. インターポーザー、配線層、及び半田バンプを更に含み、
    前記貫通電極層は、前記インターポーザーと前記配線層との間に配置され、前記インターポーザーと前記配線層とを電気的に接続するものであり、
    前記配線層は、前記貫通電極層と前記半田バンプの間に配置され、前記貫通電極層と前記半田バンプとを電気的に接続するものである、請求項16に記載の電子装置。
  18. 前記硬化物のガラス転移温度が140℃以上250℃以下である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の電子装置。
  19. 前記硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数が、5ppm/℃以上70ppm/℃以下である、請求項15〜18のいずれか一項に記載の電子装置。
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