JP2017161881A - 感光性樹脂シート、電子装置、および電子装置の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂シート、電子装置、および電子装置の製造方法 Download PDF

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雄大 山川
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泰典 高橋
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Abstract

【課題】製造安定性に優れた感光性樹脂シートを提供する。
【解決手段】本発明の感光性樹脂シートは、感光性樹脂層と、感光性樹脂層の一方の面側に積層された保護層と、を備える、長尺状または矩形形状を有する。そして、感光性樹脂層は、ウエハ形状の基材に積層され、表面から裏面に貫通する貫通電極が形成された貫通電極層を形成するために用いられるものであり、保護層の端部に沿って形成された頂部と、頂部よりも内側に形成された前記感光性樹脂層の平坦部と、頂部と平坦部との間に形成された境界部と、頂部の外側に形成されて端部に向かって前記感光性樹脂層の厚さが漸減するスロープ部と、を有する。このような感光性樹脂シートにおいて、感光性樹脂層の頂部における樹脂厚さの最大値(d)と、平坦部の平均厚さ(D)との差(d−D)が、0より大きくかつ前記平均厚さ(D)の60%以下であり、スロープ部の長さ(L)と、平坦部の前記平均厚さ(D)との関係が、L÷D≦85である。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂シート、電子装置、および電子装置の製造方法に関する。
これまでの感光性樹脂組成物は、フォトレジストとして様々な用途に利用されている。例えば、特許文献1に記載のように、無電解めっき用レジストとして、配線の製造に利用されている。同文献によれば、感光性樹脂組成物は枚葉状やロール状などのフィルム形状で使用することが記載されている。具体的には、フィルム形状の感光性樹脂組成物を、基板上に配置した後、露光現像処理により配線パターン形状を有する開口部を形成する。そして、この開口部の内部に、無電解めっき方法によりめっき層を形成する、と記載されている。
特開平5−341521号公報
本発明者が検討した結果、上記先行文献に記載の感光性樹脂組成物からなるフィルムにおいて、製造安定性に改善の余地が見出された。
本発明者が、枚葉状やロール状などのフィルム形状の感光性樹脂組成物について検討したところ、次のことが判明した。
(1)感光性樹脂組成物のワニスをキャリア基材上に塗工・乾燥することにより、キャリア基材上にフィルム形状の感光性樹脂層を形成することができる。しかしながら、端部と中央部の乾燥速度の違いなどに起因して、感光性樹脂層の端部が盛り上がる山高現象(いわゆる、耳)が発生する。
(2)一方で、このような耳が過度に大きくなるときには、感光性樹脂層に表面荒れが起こり、その結果、感光性樹脂シートの製造安定性にバラツキが生じていた。過度な大きさの耳が生じる原因の一つとして、光現像加工性を高める観点から、感光性樹脂層が無機充填材を含まないように通常設計されているため、樹脂移動が大きくなる事が考えられる。
(3)そこで、このような知見を踏まえて更に検討を進めた結果、耳を小さくすることにより、感光性樹脂層の表面荒れが抑制されることが見出された。すなわち、その高さや長さなどで表される耳の小ささが、感光性樹脂層の表面荒れを評価するための指標として利用できることが見出された。そして、具体的に検討した結果、耳の大きさを所定の範囲内とすることにより、フィルム形状の感光性樹脂層の表面荒れを抑制でき、感光性樹脂シートの製造安定性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の一方の面側に積層された保護層と、を備える、長尺状または矩形形状の感光性樹脂シートであって、
前記感光性樹脂層は、
ウエハ形状の基材に積層され、表面から裏面に貫通する貫通電極が形成された貫通電極層を形成するために用いられるものであり、
前記保護層の端部に沿って形成された頂部と、前記頂部よりも内側に形成された前記感光性樹脂層の平坦部と、前記頂部と前記平坦部との間に形成された境界部と、前記頂部の外側に形成されて前記端部に向かって前記感光性樹脂層の厚さが漸減するスロープ部と、を有し、
前記感光性樹脂層の前記頂部における樹脂厚さの最大値(d)と、前記平坦部の平均厚さ(D)との差(d−D)が、0より大きくかつ前記平均厚さ(D)の60%以下であり、
前記スロープ部の長さ(L)と、前記平坦部の前記平均厚さ(D)との関係が、
L÷D≦85
である感光性樹脂シートが提供される。
また本発明によれば、上記感光性樹脂シートの前記感光性樹脂層の硬化物を備える、電子装置が提供される。
また本発明によれば、
ウエハ形状の基材に、上記感光性樹脂シートの前記感光性樹脂層を貼り付ける工程と、
前記感光性樹脂層から前記保護層を剥離する工程と、
前記感光性樹脂層に対して選択的に光照射することにより、前記感光性樹脂層を貫通する開口部を複数形成する工程と、
複数の前記開口部に金属層を埋設することにより、複数の貫通電極を形成する工程と、
前記感光性樹脂層を、熱処理により硬化させる工程と、を有する、電子装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、製造安定性に優れた感光性樹脂シート、これを用いた電子装置および電子装置の製造方法が提供される。
第一実施形態の感光性樹脂シートを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は下面平面図、(c)はC−C断面図である。 第一実施形態の感光性樹脂シートの外辺部の近傍を模式的に示す積層断面図である。 第二実施形態の感光性樹脂シートの外辺部の近傍を模式的に示す積層断面図である。 第三実施形態の感光性樹脂シートを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は下面平面図、(c)はC−C断面図である。 第四実施形態の感光性樹脂シートを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)はB−B断面図、(c)はその変形例を示す断面図である。 電子装置の製造手順を示す工程断面図である。 電子装置の製造手順を示す工程断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本実施形態の感光性樹脂シートを説明する。
図1は、感光性樹脂シートの第一実施形態を示す図である。同図(a)は、感光性樹脂シート200の概略図を示す斜視図である。同図(b)はその下面平面図、同図(c)は同図(a)のC−C断面図である。図2は、第一実施形態の感光性樹脂シート200の外辺部の近傍を模式的に示す積層断面図である。図1(c)とは上下方向を反転している。
本実施形態の感光性樹脂シート200は、感光性樹脂層220と、感光性樹脂層220の一方の面側に積層された保護層210と、を備えるものである。感光性樹脂シート200は、長尺状(ロール形状)または矩形形状(枚葉形状)を有していても良い。そして、感光性樹脂層220は、保護層210の端部(外辺部211)に沿って形成された頂部225と、頂部225よりも内側に形成された感光性樹脂層220の平坦部221と、頂部225と平坦部221との間に形成された境界部223と、頂部225の外側に形成されて当該端部に向かって感光性樹脂層220の厚さが漸減するスロープ部222と、を有している。また、感光性樹脂シート200において、感光性樹脂層220の頂部225における樹脂厚さの最大値(d)と、平坦部221の平均厚さ(D)との差(d−D)が、0より大きくかつ平均厚さ(D)の60%以下であり、スロープ部222の長さ(L)と、平坦部221の平均厚さ(D)との関係が、L÷D≦85を満たすものである。このような感光性樹脂層220は、ウエハ形状の基材に積層され、表面から裏面に貫通する貫通電極が形成された貫通電極層を形成するために用いることができる。
以下、詳述する。
本実施形態の感光性樹脂シート200は、図1および図2に示すように、矩形形状を有し、平面視において、保護層210の外辺部211は感光性樹脂層220の外辺部より外側に延出している。同図では、図中左方に保護層210が延出した状態を示している。これにより、ウエハ形状の基材等に感光性樹脂層220をラミネートしたのち、保護層210を剥離するとき、少なくとも一辺に感光性樹脂層220に覆われていない辺があるので、この辺の端部を把持することにより容易に保護層210を剥離することが可能な感光性樹脂シート200を提供することができる。
感光性樹脂層220を形成するにあたっては、例えば、感光性樹脂組成物のワニスをキャリア基材上に塗工・乾燥することにより、キャリア基材(保護層210)上にフィルム形状の感光性樹脂層220を形成することができる。端部と中央部の乾燥速度の違いなどに起因して、感光性樹脂層220は、保護層210の外辺部211に沿って内側に凝集する。そして、感光性樹脂層220端部が盛り上がった山高部224(いわゆる、耳)が形成されることになる(図2)。
図2に示すように、保護層210の上面に積層された感光性樹脂層220には、保護層210の端部(外辺部211)に沿って山高部224が形成されている。山高部224の頂部225は、紙面前後方向に延在する稜線として存在している。
感光性樹脂層220には、頂部225より外側に向かって、その厚さが漸減するスロープ部222が形成されている。また、感光性樹脂層220には、頂部225よりも内側(図中右方)に向かって、その厚さが平坦な平坦部221が形成されている。そして、スロープ部222と平坦部221との間には、境界部223が形成されている。
境界部223の樹脂厚さは、スロープ部222の最大厚さと共通である。本実施形態において、境界部223の樹脂厚さとは、境界部223における最大厚さをいう。
本実施形態において、感光性樹脂層220の厚さとは、平坦部221の平均厚さ(D)を意味する。
感光性樹脂層220の厚さの下限値は、特に限定はされないが、例えば、50μm以上であり、好ましくは60μm以上であり、より好ましくは70μm以上である。これにより、感光性樹脂層220の機械的強度を向上させることができる。感光性樹脂層220を利用した貫通電極層における貫通電極のアスペクト比を高くすることも可能になる。一方、感光性樹脂層220の厚さの上限値は、特に限定されないが、例えば、200μm以下であり、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。これにより、感光性樹脂層220を利用した電子装置の高さを低減することが可能になる。
また、本実施形態において、平坦部221における感光性樹脂層220の厚さは、バラツキが小さく、略均一とすることができる。
境界部223および平坦部221の厚さは、接触式、または非接触式の市販の測定装置(インジケータ)によって測定を行うことができる。このほか、積層断面の画像処理によって厚さを測定してもよい。
ここで、感光性樹脂層220に形成される耳(山高部224)について、本発明者が検討した結果、耳が過度に大きくなるときには、感光性樹脂層220の平坦部221において表面荒れが起こり、その結果、感光性樹脂シート200の製造安定性にバラツキが生じることが判明した。
このような知見を踏まえて更に検討を進めた結果、耳を小さくすることにより、感光性樹脂層220の表面荒れが抑制されることが見出された。詳細なメカニズムは定かでないが、耳を小さくすることにより、樹脂移動が抑制された結果、感光性樹脂層220の表面荒れが抑制された、と考えられる。
このため、本実施形態においては、耳の小ささは、感光性樹脂層220の表面荒れを評価するための指標として利用することができる。
本実施形態における耳(山高部224)の小ささは、たとえば、次のような耳高さと耳長さとを併用して規定することができる。
耳高さ:感光性樹脂層220の頂部225における樹脂厚さの最大値(d)と、平坦部221の平均厚さ(D)との差(d−D)が、0より大きく、かつ平均厚さ(D)の60%以下であり、好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは35%以下であること。
耳長さ:スロープ部222の長さ(L)と、平坦部221の平均厚さ(D)との関係が、(L)÷(D)が、85以下であり、好ましくは80以下であり、より好ましくは75以下であり、さらに好ましくは70以下であること。
なお、本実施形態において、上記(L)÷(D)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1以上としてもよく、10以上としてもよい。これにより、耳がある場合においても、山高部224が急嵯となることを抑制できるので、感光性樹脂層220の端部における特性のバラツキを抑制できる。
このとき、感光性樹脂層220のスロープ部222の長さ(L)の下限値は、特に限定されないが、例えば、100μm以上としてもよく、500μm以上としてもよく、1000μm以上としてもよい。これにより、山高部224が急嵯となることを抑制できるので、感光性樹脂層220の端部における特性のバラツキを抑制できる。また、スロープ部222の長さ(L)の上限値は、例えば、4500μm以下であり、好ましくは4300μm以下であり、より好ましくは4000μm以下である。これにより、耳長さを小さくできるので、使用可能な面積が大きくなり、感光性樹脂シート200の歩留まりを高めることができる。
本実施形態において、スロープ部222の長さ(L)とは、図2に示すように、感光性樹脂シート200の断面視において、感光性樹脂層220の厚み方向に対して直交する平面方向における、スロープ部222の距離とする。
本実施形態では、たとえば感光性樹脂層220を構成する感光性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、保護層210の基材等を適切に選択することにより、感光性樹脂層220の耳を小さく制御することが可能である。この中でも、エポキシ樹脂と溶媒の選択、複数種のエポキシ樹脂の組み合わせによる分散性の向上や保護層210に対する濡れ性の向上などが、感光性樹脂層220の耳を所望の大きさとするための要素として挙げられる。
以上のように、本実施形態の感光性樹脂シート200は、感光性樹脂層220の耳を小さくすることにより、その製造安定性を優れたものとすることができる。
次に、感光性樹脂層220の特性を説明する。
本実施形態の感光性樹脂層220において、感光性樹脂層220の硬化物のガラス転移温度(Tg)下限値は、例えば、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。これにより、放熱機能を有するシリコンインターポーザー(ウエハ形状の基材)と接する感光性樹脂層220の耐熱性を向上させることができる。一方、ガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、250℃以下としてもよい。例えば、多官能エポキシ樹脂の使用、高温での硬化温度の調整等により、ガラス転移温度を高めることができる。
本実施形態の感光性樹脂層220において、感光性樹脂層220の硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数(CTE)の下限値は、例えば、5ppm/℃以上としてもよく、10ppm/℃以上としてもよく、15ppm/℃以上としてもよい。一方、上記線膨張係数の上限値は、例えば、80ppm/℃以下が好ましく、70ppm/℃以下がより好ましく、60ppm/℃以下がさらに好ましい。このように感光性樹脂層220の線膨張係数を小さくすることにより、上記シリコンインターポーザーとの線膨張係数の差が小さくなり、反りの発生を抑えることができる。そして、信頼性の高い半導体パッケージ(電子装置)を得る事ができる。例えば、剛直性を付与する多官能エポキシ樹脂の使用等により、線膨張係数を低く抑えることができる。
本実施形態の感光性樹脂層220において、感光性樹脂層220の硬化物の25℃の引張試験における伸び率の下限値は、例えば、5%以上が好ましく、7%以上が好ましく、9%以上がさらに好ましい。これにより、感光性樹脂層220を用いた貫通電極層において、優れた耐久性を実現し、クラックやひび割れ等を確実に抑制することができる。一方、伸び率の上限値は、例えば、50%以下としてもよく、好ましくは40%以下としてもよく、より好ましくは30%以下としてもよい。本実施形態において、有機絶縁層の引張伸び率を上記範囲内とすることにより、信頼性に優れた接続構造を有する貫通電極層を実現することができる。例えば、柔軟性を付与する脂環式エポキシ樹脂等の使用等により、引張伸び率を高めることができる。
本実施形態では、剛直性を付与するエポキシ樹脂と柔軟性を付与するエポキシ樹脂とを併用すること、低温の加熱処理(例えば、露光後加熱処理)と高温の加熱処理(例えば、硬化加熱処理)を実施すること等により、感光性樹脂組成物の硬化物において、高Tgとパターニング性または低CTEとパターニング性の両立を実現することができる。
また、本実施形態の感光性樹脂層220の硬化物において、アウトガスの発生量は少ないほうが好ましい。これにより、例えば、シード層の形成やスパッタを実施する際に、真空度合いを下げずにプロセスを実施できるので、製造安定性に優れた半導体パッケージを実現することができる。
本実施形態において、ガラス転移温度(Tg)および線膨張係数は、所定の試験片(幅4mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して、熱機械分析装置(TMA)を用いて、開始温度30℃、測定温度範囲30〜400℃、昇温速度5℃/minの条件下で測定を行った結果から算出される。
本実施形態において、引張試験における伸び率は次のように測定できる。まず、所定の試験片(幅6.5mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して引張試験(引張速度:5mm/min)を、温度25℃、湿度55%の雰囲気中で実施する。引張試験は、株式会社オリエンテック製引張試験機(テンシロンRTA−100)を用いて行う。次いで、当該引張試験の結果から、引張伸び率を算出する。ここでは、上記引張試験を試験回数n=10で行い、測定値が大きい5回の平均値を求め、これを測定値とする。
上記試験片として、たとえば、感光性樹脂組成物を熱処理して得られる硬化膜を用いることができる。具体的には、感光性樹脂シート200を、シリコンウエハ基板上に感光性樹脂層220が接するように50℃、0.4MPaの条件でラミネートした後、保護層210を剥離することでシリコンウエハ基板上に感光性樹脂層を形成する。
感光性樹脂層を700mJ/cmで全面露光し、80℃で5分間PEB(Post Exposure Bake)を行い、200℃で90分間加熱して、硬化膜を得ることができる。
上記の試験片サイズになるように、ウエハ用ダイシング装置でシリコンウエハ基板上の硬化膜に切れ込みを入れ、0.2%のフッ酸水溶液に浸し、試験片を得ることができる。
本実施形態においては、例えば、感光性樹脂組成物の硬化条件等の製造方法を制御すること、および感光性樹脂組成物を構成する成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択すること等により、感光性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、線膨張係数、および引張り伸び率を所望の範囲内とすることができる。感光性樹脂組成物の硬化物の製造方法としては、例えば、低温での露光後加熱処理と高温での硬化熱処理とを実施することができる。なお、感光性樹脂組成物の硬化物の製造方法は、上記のものに限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物]
次に、感光性樹脂層220を構成する感光性樹脂組成物について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、感光剤と、を含むことができる。このような感光性樹脂組成物をフィルム状とすることにより、上記の感光性樹脂層220が得られる。光現像加工性を高める観点から、感光性樹脂組成物、つまり感光性樹脂層220は、無機充填材を含まなくてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物としては、ポジ型、ネガ型のいずれを用いてもよい。高アスペクトな構造の実現や厚膜化を容易にする観点から、ネガ型を使用してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
<ネガ型感光性樹脂組成物>
ネガ型の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、感光剤Aを含むことができる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
上記エポキシ樹脂としては、一分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂を含むことが好ましい。脂環式エポキシ樹脂は反応性が良好であり、このような反応性が良好なエポキシ樹脂を用いることにより、パターニング性を向上させることができる。また、低温の加熱条件においても、硬化反応を進めることが可能になる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性を高めることができる。
上記脂環式エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、CEL8000((株)ダイセル製)、CEL2081((株)ダイセル製)、CEL2021P((株)ダイセル製)、リモネンジオキサイドなどが用いられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
また、上記エポキシ樹脂としては、3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物の剛直性を高めることができる。剛直性を付与する樹脂を用いることにより、ガラス転移温度を高めることや、線膨張係数を低く抑えることが可能になる。
上記多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、VG−3101L((株)プリンテック製)、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、jER−1031S(三菱化学(株)製)、jER−1032H60(三菱化学(株)製)、HP−4700(DIC(株)製)、HP−4710(DIC(株)製)、HP−6000(DIC(株)製)、HP−7200L(DIC(株)製)などが用いられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
また、本実施形態において、脂環式エポキシ樹脂および多官能エポキシ樹脂を併用することが好ましい。これにより、柔軟性を示す伸び特性と、TgやCTE等の剛性を示す機械的強度特性の膜特性の両立を実現することが可能になる。ここで、脂環式エポキシ樹脂を使用することにより、厚膜条件下においても、感光性樹膜のパターニング性(現像特性)を向上させることができる。本実施形態において、脂環式エポキシ樹脂および多官能エポキシ樹脂を併用することにより、上述の膜特性と現像特性との両立を実現することができる。
(硬化剤)
硬化剤としては、エポキシ樹脂の重合反応を促進させるものであればとくに限定されないが、例えば、フェノール性水酸基を有する硬化剤を含むことができる。具体的には、フェノール樹脂を用いることができる。フェノール樹脂としては、公知のもののなかから適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。
(感光剤A)
感光剤Aとしては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としては、紫外線等の活性光線の照射により酸を発生する光酸発生剤を用いることができる。このような光酸発生剤として、オニウム塩化合物を挙げることができ、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などを挙げることができる。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と感光剤Bとを含むことができる。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂としては、たとえばフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、ならびに当該前駆体を脱水閉環して得られる樹脂、環状オレフィン構造単位を有する環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、感光性樹脂組成物の現像性や硬化性、経時安定性、硬化膜の機械的特性を向上させる観点からは、環状オレフィン系樹脂を含むことがより好ましい。
(感光剤B)
感光剤Bとして、光活性化合物を使用でき、たとえば、ジアゾキノン化合物を使用することができる。また感光剤Bは、光活性化合物に加えて、光あるいは熱で酸を発生する酸発生剤を含んでもよい。酸発生剤を含むことで、感光性樹脂組成物を露光現像した後、光を照射あるいは加熱することで、アルカリ可溶性樹脂や架橋剤の架橋反応を促進させることができる。
(その他の添加剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、シリカ等の充填材、界面活性剤、増感剤、フィルム化剤、密着剤等の添加剤を添加してもよい。
(溶剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は溶剤を含むことができる。
溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。原料と溶剤を配合して均一に混合することにより、感光性樹脂組成物が得られる。
ワニス状の感光性樹脂組成物(いわゆる、樹脂ワニス)をフィルム状とすることにより、感光性樹脂層220が得られる。
感光性樹脂層220は、たとえばワニス状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。感光性樹脂層220は、溶剤の含有率が感光性樹脂層220全体に対して5質量%以下とすることができる(感光性樹脂層220は、プロセス上不可避に含有する溶剤を許容できる。)。たとえば100℃〜150℃、1分間〜5分間の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、感光性樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、感光性樹脂組成物をキャリア基材(保護層210)に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂等を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材(保護層210)に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な感光性樹脂層220の厚みを有する感光性樹脂シート200を効率よく製造することができる。
また、本実施形態において、感光性樹脂層220の耳はその両端に形成される。
たとえば感光性樹脂層220が塗工により形成されたとき、感光性樹脂組成物の塗工方向をMD方向とし、当該塗工方向に直交する方向をTD方向とすることができる。そして、TD方向における断面において、感光性樹脂層220の耳はその両端に形成されることになる。このため、感光性樹脂シート200の使用時(搬送工程や張付工程)において、その方向性を視認しやすくなる。
以上、本実施形態の感光性樹脂組成物について説明した。
ここから、図1に戻り、感光性樹脂シート200の保護層210について説明する。
保護層210は、感光性樹脂層220の幅より、特に限定はされないが、1mm〜100mm大きくすることが好ましく、1mm〜20mm大きくすることがより好ましい(本実施形態において、「〜」は上限値と下限値を含むことを表す)。そして、延出方向は、4辺であってもいいし1辺のみでもよい。連続的に感光性樹脂シート200を形成する場合にはシートの長手方向と直交する両辺を延出方向とすることが作業性の面から好ましい。保護層210が感光性樹脂層220より広い幅を持つことで、視認性が向上し剥離忘れの防止、剥離の際の掴みシロとして機能させることも可能である。
保護層210としては、特に限定はされないが、金属箔または樹脂フィルムを用いることができる。金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔がある。これらの表面はニッケル処理、防錆処理などの表面処理が施されていても良い。また、樹脂フィルムとしては、可塑性樹脂からなるフィルムも用いることができる。可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェンレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。感光性樹脂層220との濡れ性の観点から、保護層210として、ポリエチレンテレフタレートを用いても良い。
保護層210の厚さは、特に限定はされないが、たとえば15μm以上200μm以下であり、好ましくは30μm以上150μm以下である。これにより、感光性樹脂シート200を、矩形形状のみならず、ロール形状で利用することもできる。
図3は、感光性樹脂シート200の第二実施形態を模式的に示す積層断面図である。
本実施形態の感光性樹脂シート200は、保護層210と感光性樹脂層220との間に離型層240が設けられている。
離型層240としては、オレフィン系樹脂化合物、フッ素樹脂化合物またはシリコーン樹脂化合物などの離型剤を所定厚さに塗工して形成することができる。オレフィン系樹脂化合物としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン化合物を例示することができる。ポリオレフィン化合物は、カルボキシル基がアミノ基、アルコール性水酸基、イソシアネート基などの官能基を有していてもよい。
本実施形態の離型層240は、スロープ部222に対向する領域を含む一部領域に粗面化処理が施されている。粗面化処理は、研磨加工やブラスト加工などにより施すことができる。粗面化処理は、感光性樹脂層220との接合面に施されている。
粗面化処理を行う一部領域は、スロープ部222に対向する領域の少なくとも一部を含む限り、特に限定されない。
本実施形態の場合、粗面化領域250は、スロープ部222および境界部223を含む長さにて、保護層210の外辺部211から内部にかけて形成されている。
ただし、外辺部211の端縁には粗面化領域250の非形成領域を残置してもよい。
離型層240に粗面化領域250を設けることにより、感光性樹脂層220と保護層210との密着性が、平坦部221よりもスロープ部222においてより高くなる。
これにより、感光性樹脂層220を形成する塗布液は、粗面化領域250との濡れ性が向上し、表面張力による凝集が抑制される。これにより、塗布液は保護層210の外辺部211に向かって延出するため、これを加熱乾燥してなる感光性樹脂層220には、なだらかなスロープ部222が形成される。よって、本実施形態の感光性樹脂シート200では、山高部224の高さ、すなわち境界部223の樹脂高さ(d)が低減される。
本実施形態の粗面化領域250は、保護層210の外辺部211を含んで形成されている。これにより、塗布液の凝集と粗面化領域250への付着力がバランスして、保護層210の外辺部211に沿って帯状の延出領域が形成される。
本実施形態は、種々の変更が可能である。
例えば、スロープ部222に対向する領域に、離型層240の非形成領域を形成してもよい。
離型層240は、感光性樹脂層220からの保護層210の剥離性を向上させる反面、感光性樹脂層220の塗布液の濡れ性を損なうことから、スロープ部222の下地にあたる部分領域には離型層240を形成せず、当該領域の濡れ性を維持してもよい。
他の変更例として、保護層210のうち感光性樹脂層220が積層された面(積層面)に、離型処理を施してもよい。
離型処理としては、長鎖アルキル処理のほか、シリル化剤やフッ素系ガスによる表面処理を例示することができる。
そして、離型処理が施された保護層210の積層面には、スロープ部222に対向する領域を含む一部領域に粗面化処理を施す。
粗面化処理は、離型処理が施された後に保護層210の積層面に対して行ってもよく、または、保護層210の積層面に対して予め粗面化処理を行ったのちに離型処理を施してもよい。
スロープ部222に対向する領域に、離型処理の非処理領域を形成してもよい。スロープ部222の下地にあたる部分領域に離型処理を行わないことで、当該領域の濡れ性が維持される。
図4は、第三実施形態にかかる感光性樹脂シート200の概略図である。同図(a)は斜視図、(b)は下面平面図、(c)はC−C断面図である。
本実施形態の感光性樹脂シート200は、保護層210が一方の面側に積層された感光性樹脂層220の他方の面側(反対の面側)に、剥離層230(カバー層)が積層されている。また、感光性樹脂層220は、平坦部221と、平坦部221から外側に向かって感光性樹脂層220の厚さが漸減するスロープ部222を有している。感光性樹脂層220をこのように、両面側から積層することにより、ウエハ形状の基材へのラミネート直前まで、感光性樹脂層220の汚染を防ぐことができる。本実施形態では、同図(c)に示すように、剥離層230の幅と感光性樹脂層220の幅が略同じ寸法となっているが、保護層210と同じように剥離層230の少なくとも一つの外辺部が感光性樹脂層220の外辺部より外側に延出していてもよい。これにより、剥離層230を剥離するとき、剥離のきっかけとすることができ、ウエハ形状の基材とラミネートするときの作業性が向上し、より好ましい。
図5は、第四実施形態にかかる感光性樹脂シート200を示す概略図である。同図(a)は、斜視図、同図(b)は感光性樹脂シート200の積層構成を示すB−B断面図である。同図(c)は、本実施形態の変形例を示す断面図である
同図(a)、(b)に示すように、感光性樹脂シート200は、感光性樹脂層220と、感光性樹脂層220の一方の面側に保護層210、もう一方の面側に剥離層230とが積層された長尺状の感光性樹脂シート200となっている。感光性樹脂シート200は、幅方向の積層断面視(B−B断面視)において、保護層210の少なくとも一方の端部が感光性樹脂層220の端部より外側に延出している。これにより、回路基板等に感光性樹脂層220をラミネートしたのち、保護層210を剥離するとき少なくとも一辺に感光性樹脂層220に覆われていない辺がある。したがって、この辺の端部を把持することにより、容易に保護層210を剥離することが可能な感光性樹脂シート200を提供することができる。
剥離層230と感光性樹脂層220の外辺部の位置関係は特に限定されない。同図(b)に示すように少なくとも一方側で剥離層230と感光性樹脂層220の外辺部同士が一致していてもよく、または同図(c)に示すように幅方向の両側で外辺部同士がずれあっていてもよい。
次に、本実施形態の感光性樹脂シート200を用いた電子装置について説明する。
本実施形態の電子装置は、上記の感光性樹脂シート200の感光性樹脂層220の硬化物を備えるものである。例えば、図7(e)に示すように、電子装置(半導体パッケージ)の貫通電極層30に、感光性樹脂シート200の感光性樹脂層220の硬化物を用いることができる。
以下、電子装置(半導体パッケージ)の製造工程の一例である各工程について詳述する。
図6、7は、電子装置の製造工程を示す工程断面図である。
まず、図6(a)に示すように、ウエハ形状のインターポーザー(ウエハ形状の基材)を準備する。本実施形態において、ウエハ形状とは、平面視において、円形形状でもよく、矩形形状でもよい。ウエハ形状は、薄層の板形状を意味しており、複数のチップを搭載できる程度の面積を有していれば、とくに限定されない。シリコンウエハを利用することで、製造プロセスの効率を上げることができる観点から、円形形状のシリコンウエハ144が好ましい。
シリコンインターポーザー140においては、シリコンウエハ144の下面と上面のそれぞれに下層の配線層142と上層の配線層146とが形成されている。また、シリコンインターポーザー140は、シリコンウエハ144を主面から裏面まで貫通する、不図示の貫通ビア(TSV)を有している。当該TSVは、下層の配線層142と上層の配線層146とを電気的に接続する。下層の配線層142と上層の配線層146の表面には、接続用の電極部が露出している。当該電極部の周囲は、絶縁層で埋設されている。
次いで、図6(b)に示すように、シリコンインターポーザー140の裏面上に貫通電極層130を形成する。具体的には、例えば、下層の配線層142の表面の全体に亘って貫通電極層130を形成する。
ここで、貫通電極層130の形成工程において、本実施形態の感光性樹脂シート200を用いることができる。例えば、図1に示す感光性樹脂シート200を用いた一例について説明する。
このような電子装置の製造方法は、ウエハ形状の基材(シリコンインターポーザー140)に、上述の感光性樹脂シート200の感光性樹脂層220を貼り付ける工程と、感光性樹脂シート200から保護層210を剥離する工程と、感光性樹脂層220に対して光照射することにより、感光性樹脂層220を貫通する開口部を複数形成する工程と、複数の開口部に金属層を埋設することにより、複数の貫通電極を形成する工程と、感光性樹脂層220を、熱処理により硬化させる工程と、を有することができる。
具体的に説明する。まず、シリコンインターポーザー140の全面を覆うように、感光性樹脂シート200の感光性樹脂層220を貼り付ける。その後、感光性樹脂層220から保護層210を剥離する。
このとき、本実施形態においては、感光性樹脂層220から耳を切除することができる。たとえば、境界部223から外側の不要部分を切除してもよい。つまり、ウエハ形状の基材上に、感光性樹脂層220の平坦部221を残すことができる。このため、ウエハ形状の基材上に形成される感光性樹脂層220の膜厚のバラツキを抑制できるので、電子装置の製造安定性を高めることができる。
ただし、耳切除のタイミングは、プロセスに応じて任意のタイミングとすることが可能である。たとえば、ウエハ形状の基材に感光性樹脂層220をラミネート後、不要部分をカットするとともに耳を切除し、保護層210を剥離することができる。また、耳を含む不要部分をカットした後、ウエハ形状の基材に感光性樹脂層220をラミネートし、保護層210を剥離してもよい。
なお、感光性樹脂層220の平坦部221の領域(境界部223から外側の領域は含まない)は、ウエハ形状の基材を覆うことができる面積を有していることが好ましい。
次に、この平坦部221を有する感光性樹脂層220に対して、光照射することにより、感光性樹脂層220を貫通する開口部を複数形成することができる。具体的には、感光性樹脂層220の所定の領域にマスクを配置する。マスクを通して、感光性樹脂層220に対して、光照射する。感光性樹脂層220として、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた場合、マスク形成領域(光照射されない領域)に開口部が形成される。本実施形態において、光照射の波長としては、例えば、365nmの紫外線を用いることができる。続いて、感光性樹脂層220に対して、所定の条件で光照射後に加熱処理を行っても良い。加熱処理の温度は、例えば、50℃以上120℃以下とすることができ、好ましくは60℃以上110℃以下としてもよい。光照射後の加熱処理の時間は、例えば、1分間以上10分間以下とすることができる。光照射後の加熱処理により、完全硬化はさせずに、感光性樹脂組成物の硬化の進行度を制御でき、現像時の開孔性を向上することができる。
続いて、感光性樹脂層220に対して現像処理する。現像液として、例えば、有機溶剤を用いることができる。これにより、感光性樹脂層220に複数の貫通部をパターニング形成することができる。複数の開口部は、感光性樹脂層220の表面から裏面に貫通しており互いに離間している。ここで、開口部を形成した後、所定の加熱条件で加熱処理することにより感光性樹脂層220を硬化しても良い。そうすることで、貫通電極形成工程において、耐プロセス性を向上することができる。硬化温度は、半導体チップの耐熱性にあわせて設定してもよいが、例えば、160℃以上250℃以下としてもよく、好ましくは180℃以上230℃以下としてもよい。硬化処理の時間は、例えば、30分間以上120分間以下とすることができる。上記温度で硬化させることにより、電子装置の反りを抑制することができる。
なお、感光性樹脂層220を熱処理により硬化させる工程は、複数の貫通電極を形成する工程の後で実施しても良い。
また、感光性樹脂層220を貫通する開口部を複数形成する工程の後で、感光性樹脂層220を半硬化し、複数の貫通電極を形成した後に後硬化しても良い。このようにすることで、感光性樹脂層220と貫通電極との密着性を向上することができる。
本実施形態において、感光性樹脂層220の開口部のアスペクト比(高さH/直径W)の下限値は、例えば、3以上としてもよく、好ましくは3.5以上としてもよく、さらに好ましくは4以上としてもよい。一方、上記アスペクト比の上限値は、特に限定されないが、例えば、10以下としてもよく、好ましくは、9以下としてもよく、さらに好ましくは、8以下としてもよい。開口部のアスペクト比を上記下限値以上とすることにより、貫通電極の配置を高密度化することが可能になる。また、感光性樹脂層220を厚膜とすることにより剛性を高めることができる。一方、開口部のアスペクト比を上記上限値以下とすることにより、貫通電極の電気抵抗値を下げることができる。アスペクト比を上記範囲内とすることにより、高密度化と電送速度の高速化のバランスを向上させることができる。
次に、有機絶縁層132(感光性樹脂層220の硬化物)の開口部に金属層を埋設することにより、貫通電極134を形成する。まず、パターニングされた有機絶縁層132の表面にシード層を形成する。シード層は、有機絶縁層132の開口部の内部(側壁および底面)とともに、その上面にも形成される。シード層は、例えば、スパッタなどの方法により形成される。シード層は、貫通電極134と同種の金属で構成されてもよいが、貫通電極134と良好な密着性がある異種の金属で構成されていてもよい。
本実施形態では、シード層として、例えば、銅シード層が形成される。有機絶縁層132上面のシード層上であって、開口部を除いた領域にレジスト層を形成する。例えば、フィルム状のレジスト層を使用できる。パターニングされたレジスト層をラミネートしてもよいし、フィルム状のレジスト層をラミネートした後に、レーザー等を用いてパターニングしてもよい。
続いて、貫通部(開口部)を金属層(めっき膜)で埋設する。例えば、電解銅めっき方法を用いることができる。例えば、電解銅めっき法により開口部を埋設してもよい。これにより、開口部内部に有機絶縁層132の上面と下面を貫通する貫通電極134を形成することができる。
続いて、レジスト層を剥離する。その後、有機絶縁層132上のシード層を除去する。例えば、フラッシュエッチング法などを用いることができる。
以上により、本実施形態の感光性樹脂シート200の感光性樹脂層220を用いて、貫通電極層130を形成することができる。
次いで、図6(c)に示すように、貫通電極層130が形成された側とは反対側のシリコンインターポーザー140の主面上に、複数の半導体チップセットである半導体チップ50(例えば、LSIチップ52,54)を実装する。複数の半導体チップ50は、平面視において、互いに離間して配置される。半導体チップ50同士の離間距離は、例えば、ダイシングのライン幅を確保できれば、特に限定されない。
次いで、半導体チップ50群同士の間を、例えば、ダイシング等により分割する。具体的には、図6(d)に示す積層構造体90は、貫通電極層130、シリコンインターポーザー140および半導体チップ50がこの順で積層された積層体を、積層方向に分割する。これにより、個片化された積層構造体90を複数個得ることができる。つまり、積層構造体90は、貫通電極層30、シリコンインターポーザー40および半導体チップ50がこの順で積層された構造を有している。
次いで、図7(a)に示すように、キャリア(キャリアウエハ124)の主面上に、熱剥離性粘着層122を介して、複数の積層構造体90を互いに離間して設置する。積層構造体90は、熱剥離性粘着層122を介してキャリアウエハ124と接着することができる。キャリアウエハ124の形状は、例えば、平面視において円形形状または多角形形状であってもよい。また、キャリアウエハ124としては、例えば、金属板またはシリコン基板等が用いられる。熱剥離性粘着層122としては、例えば、主剤と発泡剤とを含むマウントフィルムを用いることができる。この主剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、スチレン・共役ジエンブロック共重合体であり、好ましくはアクリル系粘着剤である。また、発泡剤としては、特に制限はなく、例えば、無機系、有機系等の各種発泡剤である。熱剥離性粘着層122の熱剥離性は、例えば粘着剤を発泡性のものとすることによって得られており、この粘着剤が発泡する温度まで加熱すると、粘着剤の接着力が実質的になくなるため、熱剥離性粘着層122から被着体を容易に剥離することができる。
次いで、図7(b)に示すように、キャリアウエハ124上の複数の積層構造体90を一括封止する。つまり、半導体チップ50の上面や側面、シリコンインターポーザー40の上面や側面、および貫通電極層30の側面を封止することができる。一括封止には、通常の封止用樹脂組成物を硬化する方法が用いられる。例えば、圧縮成形等が用いられる。
次いで、図7(c)に示すように、加熱処理することにより、封止構造物から、熱剥離性粘着層122およびキャリアウエハ124を剥離する。これにより、貫通電極層30の下面(面36)および封止材層170の下面(面171)が露出する。これらの露出面は、略同一面を構成することができる。
次いで、図7(d)に示すように、貫通電極層30の下面(面36)および封止材層170の下面(面171)からなる露出面上に、配線層120を形成する。具体的には、例えば、まず絶縁層を形成する。続いて、露光現像法などにより、絶縁層にパターンを形成し、そのあと硬化処理を行う。続いて、絶縁層上にスパッタ等の方法で、シード層を形成する。シード層上にレジスト層を形成し、所定のパターンに露光、現像後、メッキを行う方法により、ビアおよび導電回路パターンを形成する。導電パターンを形成した後、レジスト層を剥離し、シード層をエッチングする。以上により、配線層120を形成してもよい。
次いで、配線層120上に、外部端子として半田バンプ180を形成する。配線層120の導電回路パターンおよび半田バンプ180の一部を覆うようにソルダーレジスト層を形成してもよい。
次いで、図7(e)に示すように、半導体チップ50の間を積層構造体90ごとに分割することにより、個片化された半導体装置を得る。例えば、ダイシング方法等により個片化することができる。
以上の工程により得られた、図7(e)に示す半導体装置をマザーボード等の主基板(プリント回路基板)に実装する。続いて、プリント回路基板と配線層との間の間隙にアンダーフィラーを充填する。これにより、半導体パッケージ(電子装置)を得ることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。特に記載しない限り、以下に記載の「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
[感光性樹脂組成物の作製]
まず、表1に従い配合された各成分の原料をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて混合溶液を得た。その後、混合溶液を孔径0.2μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:脂環式エポキシ樹脂(ダイソー(株)製、LX−01)
エポキシ樹脂2:多官能エポキシ樹脂(株式会社プリンテック製、VG3101L)
エポキシ樹脂3:多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、jER−1032H60)
エポキシ樹脂4:脂環式エポキシ樹脂(エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−(3−シクロヘキセニルメチル)修飾εカプロラクトン、ダイセル化学工業(株)製、エポリードGT401)
エポキシ樹脂5:脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル‐3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業(株)製、CEL2021)
(硬化剤)
フェノール樹脂1:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−55617)
(フェノキシ樹脂)
フェノキシ樹脂1:変性ビフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、jER YX6954B35)
フェノキシ樹脂2:BPA/BPF共重合体(新日鉄住金化学(株)製、YP−70)
(感光剤)
感光剤1:カチオン系光重合開始剤(BASFジャパン(株)製、Irgacure290)
(密着助剤)
密着助剤1:γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)
(界面活性剤)
界面活性剤1:アクリル系レベリング剤(BYK(株)製、BYK−356)
界面活性剤2:フッ素系界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR−41)
Figure 2017161881
(感光性樹脂シート200の形成)
実施例および比較例の感光性樹脂組成物を保護層210であるPETフィルム(商品名ユニピール、膜厚38μm、ユニチカ株式会社製)上にバーコーターで塗布し、120℃で5分間乾燥して感光性樹脂層220を形成した。また、保護層210とは他方の面に剥離層230であるPETフィルム(商品名ピューレックス、膜厚38μm、テイジンデュポン株式会社製)を貼り合わせることで積層し、感光性樹脂シート200を形成した。
得られた感光性樹脂シート200において、剥離層230を剥離し、図2に示すように、感光性樹脂層220の樹脂厚さの最大値(d)、平坦部221の平均厚さ(D)、スロープ部222の長さ(L)を測定した。これらの測定には、マイクロメーターを使用した。なお、平坦部221の平均厚さ(D)は、平坦部221における10点の平均値とした。
(表面粗さ)
得られた感光性樹脂層の表面粗さについては、平坦部の10点において膜厚を測定し、これらの10点の中で最大値と最小値の差から判断した。平坦部の膜厚は、マイクロメーターを使用して測定した。
(ガラス転移温度、線膨張係数)
感光性樹脂組成物の硬化膜からなる試験片を作製した。具体的には、感光性樹脂シート200を、シリコンウエハ基板上に感光性樹脂層220が接するように50℃、0.4MPaの条件でラミネートした後、保護層210を剥離することでシリコンウエハ基板上に感光性樹脂層220を形成した。
感光性樹脂層220を700mJ/cmで全面露光し、80℃で5分間PEB(Post Exposure Bake)を行い、200℃で90分間加熱して、硬化膜を得た。得られた硬化膜を試験片サイズになるように、ウエハ用ダイシング装置でシリコンウエハ上の硬化膜に切れ込みを入れ、0.2%のフッ酸水溶液に浸し、試験片を得た。
ガラス転移温度(Tg)および線膨張係数(50〜100℃の温度領域における平均線膨張係数)は、試験片(幅4mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して、熱機械分析装置(TMA)を用いて、開始温度30℃、測定温度範囲30〜400℃、昇温速度5℃/minの条件下で測定を行った結果から算出した。
(引っ張り伸び率)
上述のように感光性樹脂組成物の硬化膜からなる試験片を作製した。試験片(幅6.5mm×長さ20mm×厚み0.005〜0.015mm)に対して引張試験(引張速度:5mm/min)を、温度25℃、湿度55%の雰囲気中で実施した。引張試験は、株式会社オリエンテック製引張試験機(テンシロンRTA−100)を用いて行った。次いで、当該引張試験の結果から、引張伸び率を算出した。ここでは、上記引張試験を試験回数n=10で行い、測定値が大きい5回の平均値を求め、これを測定値とした。
(実施例に関して)
実施例の感光性樹脂組成物を用いた場合、耳の大きさを所定の範囲内とすることにより、フィルム形状の感光性樹脂層の表面荒れを低減できることが分かった。このような感光性樹脂層を用いることにより、感光性樹脂シートを安定的に製造できることが分かった。また、実施例の感光性樹脂層の硬化膜は、パターニング性とTgや線膨張係数等の機械物性のバランスに優れることが分かった。さらに、当該硬化膜は、機械物性と伸び特性とのバランスに優れることが分かった。
(比較例に関して)
比較例1の感光性樹脂組成物を用いた場合、耳の大きさを所定の範囲外となり、フィルム形状の感光性樹脂層に表面荒れが発生してしまうことが分かった。また、比較例2の感光性樹脂組成物を用いた場合、耳の幅((L)/(D))が所定値より大きくなり、フィルム形状の感光性樹脂層に表面荒れが発生してしまうことが分かった。このような感光性樹脂層を用いた場合、安定して感光性樹脂シートを製造することが困難であった。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
30 貫通電極層
36 面
40 シリコンインターポーザー
50 半導体チップ
52,54 LSIチップ
90 積層構造体
120 配線層
122 熱剥離性粘着層
124 キャリアウエハ
130 貫通電極層
134 貫通電極
132 有機絶縁層
140 シリコンインターポーザー
142 配線層
144 シリコンウエハ
146 配線層
170 封止材層
171 面
180 半田バンプ
200 感光性樹脂シート
210 保護層
211 外辺部
220 感光性樹脂層
221 平坦部
222 スロープ部
223 境界部
224 山高部
225 頂部
230 剥離層
240 離型層
250 粗面化領域

Claims (12)

  1. 感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層の一方の面側に積層された保護層と、を備えている、長尺状または矩形形状の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層は、
    ウエハ形状の基材に積層され、表面から裏面に貫通する貫通電極が形成された貫通電極層を形成するために用いられるものであり、
    前記保護層の端部に沿って形成された頂部と、前記頂部よりも内側に形成された前記感光性樹脂層の平坦部と、前記頂部と前記平坦部との間に形成された境界部と、前記頂部の外側に形成されて前記端部に向かって前記感光性樹脂層の厚さが漸減するスロープ部と、を有し、
    前記感光性樹脂層の前記頂部における樹脂厚さの最大値(d)と、前記平坦部の平均厚さ(D)との差(d−D)が、0より大きくかつ前記平均厚さ(D)の60%以下であり、
    前記スロープ部の長さ(L)と、前記平坦部の前記平均厚さ(D)との関係が、
    L÷D≦85
    である感光性樹脂シート。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記スロープ部の長さ(L)が、100μm以上4500μm以下である、感光性樹脂シート。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層が、エポキシ樹脂と、硬化剤と、感光剤と、を含む、感光性樹脂組成物からなるフィルムである、感光性樹脂シート。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層が、無機充填材を含まない、感光性樹脂シート。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層における溶剤の含有量が5質量%以下である、感光性樹脂シート。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層の膜厚が、50μm以上200μm以下である、感光性樹脂シート。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記保護層の膜厚が、15μm以上200μm以下である、感光性樹脂シート。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層の硬化物のガラス転移温度が、130℃以上であり、
    前記硬化物の25℃の引張試験における伸び率が5%以上、50%以下である、感光性樹脂シート。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記感光性樹脂層の硬化物の50〜100℃の温度領域における線膨張係数が5ppm/℃以上80ppm/℃以下であり、
    前記硬化物の25℃の引張試験における伸び率が5%以上、50%以下である、感光性樹脂シート。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートであって、
    前記保護層が前記一方の面側に積層された前記感光性樹脂層の、他方の面側にカバー層が積層されている、感光性樹脂シート。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートの前記感光性樹脂層の硬化物を備える、電子装置。
  12. ウエハ形状の基材に、請求項1から10のいずれか1項に記載の感光性樹脂シートの前記感光性樹脂層を貼り付ける工程と、
    前記感光性樹脂層から前記保護層を剥離する工程と、
    前記感光性樹脂層に対して選択的に光照射することにより、前記感光性樹脂層を貫通する開口部を複数形成する工程と、
    複数の前記開口部に金属層を埋設することにより、複数の貫通電極を形成する工程と、
    前記感光性樹脂層を、熱処理により硬化させる工程と、を有する、電子装置の製造方法。
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