JP2019113662A - 感光性樹脂フィルム、基材層付き感光性樹脂フィルムおよび電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂フィルム、基材層付き感光性樹脂フィルムおよび電子デバイスの製造方法 Download PDF

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広道 杉山
森 清治
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清治 森
和美 橋本
Kazumi Hashimoto
和美 橋本
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Abstract

【課題】半導体素子が載置された基板に感光性樹脂フィルムをラミネートする工程において、ボイドを低減すること【解決手段】半導体素子が載置された基板をラミネートするための感光性樹脂フィルムであって、平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子を含む感光性樹脂フィルム、当該感光性樹脂フィルムと基材フィルムとを備えた基材層付き感光性樹脂フィルム、および、半導体素子が載置された基板に当該感光性樹脂フィルムをラミネートするラミネート工程を含む、電子デバイスの製造方法。ナノフィラー粒子は、無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂フィルム、基材層付き感光性樹脂フィルムおよび電子デバイスの製造方法に関する。
感光性樹脂は、電子デバイスの製造において様々に応用されており、盛んに開発・改良が行われている。感光性樹脂の形態としては、液状のものやフィルム状のものがあるが、大面積に均一に厚膜を形成しやすい等の点でフィルム状の感光性樹脂(感光性樹脂フィルム)がしばしば用いられる。
例えば、特許文献1には、アルカリ可溶性樹脂、放射線重合性化合物、光開始剤、及び平均粒径が5〜30nmのジルコニアフィラー粒子を含有する感光性樹脂組成物によりフィルムを作製し、フィルム状の接着剤、接着シート、接着剤層付半導体ウェハ等を得たことが記載されている。
特開2014−215440号公報
電子デバイスの製造が複雑化・多彩化する中で、感光性樹脂フィルムの用途も広がりを見せている。
例えば、半導体素子(例えば半導体チップなど)が載置された基板の、その半導体素子が載置された面に、感光性樹脂フィルムをラミネートすることで感光性樹脂膜を形成するプロセスが検討されている。
しかし、本発明者らの検討によると、上記プロセスを従来の感光性樹脂フィルムで行った場合、空気を巻き込んでしまい、図1に模式的に示されるようなボイド(ボイド4)が発生してしまう場合があった。このようなボイドは、最終的な電子デバイスの信頼性に影響を及ぼしうるものであり、問題である。
特に、本発明者らの知見では、いわゆる真空ラミネートを行ったとしても、数十μmオーダーの大きさのボイドが膜中に残ってしまい、従来の感光性樹脂フィルムのプロセス上の使いこなし等では抜本的な解決は難しかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、半導体素子が載置された基板に感光性樹脂フィルムをラミネートする工程において、ボイドを低減することを本発明の目的の1つとする。
本発明者らは、上記のボイド低減のため、あらゆる観点から検討を進めた。その結果、特定の粒子を感光性樹脂フィルムに含ませることで、ボイドの低減が可能であることを見出した。これに基づき更に検討を進め、以下に示す発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
半導体素子が載置された基板をラミネートするための感光性樹脂フィルムであって、
平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子を含む感光性樹脂フィルム
が提供される。
また、本発明によれば、
前記感光性樹脂フィルムと、基材フィルムとを備えた基材層付き感光性樹脂フィルム
が提供される。
また、本発明によれば、
半導体素子が載置された基板に、前記感光性樹脂フィルムをラミネートするラミネート工程を含む、電子デバイスの製造方法
が提供される。
本発明によれば、半導体素子が載置された基板に感光性樹脂フィルムをラミネートする工程において、ボイドを低減することができる。
本発明の課題を模式的に説明するための図である。1は基板、2は半導体素子、3は感光性樹脂フィルム、4はボイドである。 実施例の手順や評価方法などを説明するための図である。 実施例の手順や評価方法などを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「電子デバイス」の語は、半導体素子、半導体チップ、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
<感光性樹脂フィルム>
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、半導体素子が載置された基板をラミネートするための感光性樹脂フィルムであって、平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子を含む。
なお、以下では、「平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子」を、「特定粒子」などとも表記する。
このような感光性樹脂フィルムにより、ボイドが低減されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、例えば、フィルムに特定粒子が含まれることで、空気が適度に逃げる空間が生まれ、ボイド低減に繋がっていると推定される。また、フィルムに特定粒子が含まれることで、空気がフィルム中に適度に分散し、ボイドとして問題とならないとも推定される。
また、フィルムに特定粒子が含まれることにより、フィルムに熱をかけてラミネートする際の樹脂フィルムの流動特性(レオロジー特性、チキソトロピック性など)が変わり、その結果としてボイドが低減される可能性もある。
具体的には、フィルムに特定粒子が含まれることにより、チキソトロピック性が発現しうる。そうすると、ラミネートの際、変形が少ないフィルムの上層部分(図1で言うならば、フィルム3の上面部分)の流動性は比較的小さく、一方、大きく変形する部分(図1で言うならば、フィルム3の下面の、基板1や半導体素子2に近い部分)の流動性は比較的大きくなると考えられる。この、フィルム3下面の流動性の大きさにより、空気が逃げやすくなり、ボイドの低減が図られると推測される。
このような流動特性の変化による効果は、特に、特定粒子の含有量を多めにしたときに得られると考えられる。
なお、ラミネートの際、ラミネートの圧力を直接受ける部分(図1で言うならば、フィルム3の上面部分)の流動性が比較的小さいということは、樹脂フィルム表面の変形が抑えられることを意味する。よって、本実施形態の感光性樹脂フィルムにより、ボイドの低減に加え、フィルム表面の平滑性向上(段差の低減)の効果も得られると考えられる。
以下、本実施形態の感光性樹脂フィルムが含有することができる成分、物性、性状等について具体的に説明する。
・特定粒子
前述のとおり、本実施形態の感光性樹脂フィルムは、特定粒子(平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子)を含む。
特定粒子の平均粒径は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは3〜20nm、さらに好ましくは5〜15nmである。平均粒径を適切に選択することで、ボイド低減の効果をより確実に得られると考えられる。
なお、本明細書における「平均粒径」とは、動的光散乱式粒度分布計を用いた測定により求められる、個数基準の1次粒子径のことを言う。
特定粒子は、無機粒子を含むことが好ましい。有機粒子よりも無機粒子のほうが、一般には硬くて変形しづらく、上述の推定メカニズムによるボイド低減の効果をより得やすいと考えられる。
無機粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、マイカ粒子、窒化ケイ素粒子、窒化アルミニウム粒子、窒化ホウ素粒子、炭化ケイ素粒子、水酸化アルミニウム粒子、水酸化マグネシウム粒子などを挙げることができる。
本実施形態の感光性樹脂フィルムを電子デバイス製造に適用することを鑑みると、無機粒子は導電性が小さい(絶縁性が高い)ことが好ましい。この点で、無機粒子は、酸化物、窒化物、炭化物または水酸化物であることが好ましく、酸化物または窒化物であることがより好ましい。
特に、無機粒子としては、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子は、表面修飾(後述)がしやすく、樹脂組成物中に分散させることが比較的容易である等のメリットを有している。
シリカ粒子の形状としては、破砕シリカ、球状シリカ等があるが、球状シリカが好ましい。なお、ここでの「球状」とは、真球状のシリカに限られるものでは無く、常識的に球状と言えるシリカ全般を言う。
もちろん、特定粒子は、有機粒子であってもよい。例えば、有機樹脂成分を含む樹脂粒子、ゴム成分を含むゴム粒子などであってもよい。
特定粒子は、一態様として、表面が、重合性基または芳香族含有基で修飾されていることが好ましい。
樹脂組成物が特定粒子を含むことで、基板や半導体素子との密着性(接着性)が低下する可能性があるが、特定粒子表面を重合性基または芳香族含有基で修飾することで、そのような可能性を低減し、密着性(接着性)を良好とすることができる。また、組成物中の他成分(例えば後述のエポキシ樹脂等)との相溶性向上による粒子分散の均一性向上などのメリットも考えられる。
上記の「重合性基」としては、例えば、エポキシ基を含む基、オキセタニル基を含む基、エチレン性二重結合を含む基(ビニル基を含む基、(メタ)アクリロイル基を含む基など)を挙げることができる。また、上記の「芳香族含有基」としては、フェニル基を含む基、ナフチル基を含む基などを挙げることができる。
特定粒子の表面を重合性基または芳香族含有基で修飾する方法としては、例えば、原料の特定粒子を適当なカップリング剤で処理する方法がある。例えば、後述の「密着助剤」として挙げられた化合物のうち、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、ビニルシラン等を原料の特定粒子と反応させることで、特定粒子の表面を重合性基または芳香族含有基で修飾することができる。
感光性樹脂フィルム中の特定粒子の含有量は、好ましくは、0.5〜20質量%であり、より好ましくは3〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜20質量%である。この範囲とすることで、ボイド低減の効果を十二分に得つつ、他の性能(例えば密着性(接着性など))との両立を図ることができる。
なお、ボイド低減の効果を得られる限りにおいて、本実施形態の感光性樹脂フィルムが、特定粒子に該当しない粒子を少量含むことは排除されない。
・エポキシ樹脂
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂フィルムの感光性、熱硬化性などを実用上好適なものとすることができる。
エポキシ樹脂として具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、エポキシ樹脂は、3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含んでもよい。
具体的には、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)エチル]フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、α−2,3−エポキシプロポキシフェニル−ω−ヒドロポリ(n=1〜7){2−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンジリデン−2,3−エポキシプロポキシフェニレン}、1−クロロ−2,3エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7−ナフタレンジオール重縮合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、エポキシ樹脂は、シロキサン構造を含むエポキシ樹脂や、シルフェニレン構造を含むエポキシ樹脂などであってもよい。より具体的には、特許第6031059号公報の請求項4や段落0055以降に記載された、シロキサン構造を含むエポキシ樹脂や、シルフェニレン構造を含むエポキシ樹脂を好ましく用いることができる。
エポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、特に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が、加熱時の流動性や良好な硬化特性などの点で好ましく用いられる。
とりわけ、(i)フェノールノボラック型エポキシ樹脂と、(ii)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の、2種以上を併用することが、加熱時の流動性や良好な硬化特性などの点で好ましい。
・硬化剤
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、硬化剤を含むことが好ましい。これにより、特に感光性樹脂フィルムが上記エポキシ樹脂を含む場合、硬化の短時間化、硬化膜の機械物性の一層の良化などの効果がある。
硬化剤としては、例えば、フェノール性水酸基を有する硬化剤を挙げることができる。より具体的には、フェノール樹脂を挙げることができる。フェノール樹脂は公知のものの中から適宜選択することができるが、たとえばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、トリスフェニルメタン型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることができる。また、低分子フェノール化合物(多核フェノール化合物)を挙げることもできる。
硬化剤は、一態様として、良好な現像特性を有するノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
また、硬化剤の別の態様として、メルカプト化合物を用いることもできる。
メルカプト化合物としては、1分子中に2つ以上のメルカプト基を有する化合物が好ましく、1分子中に2〜4個のメルカプト基を有する化合物がより好ましい。
メルカプト化合物の具体例としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1 昭和電工社製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1 昭和電工社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1 昭和電工社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製「PEMP」)などを挙げることができる。
さらに、硬化剤の別の態様として、以下に例示されるような低分子フェノール化合物(ベンゼン環を2〜5個程度含み、かつ、フェノール性水酸基を2〜6個程度含む低分子化合物)も好ましく用いられる。
Figure 2019113662
硬化剤の含有量は、上述のエポキシ基含有化合物の全体を100質量部としたときに、例えば25〜100質量部であり、好ましくは30〜90質量部であり、より好ましくは35〜80質量部である。この範囲内で配合することで硬化物の耐熱性や強度の向上効果があると考えられる。
・感光剤
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、感光剤を含むことが好ましい。これにより、実用上望ましい感光性を有する感光性樹脂フィルムとすることができる。
感光剤としては、光酸発生剤、すなわち、紫外線等の活性光線の照射により酸を発生する化合物を使用することができる。具体的には、オニウム塩化合物などを挙げることができる。より具体的には、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールビリリウム塩、ベンジルピリジニウムチオシアネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩などを挙げることができる。
また、光酸発生剤としては、オキシムスルホネート構造を有する光酸発生剤や、イミドスルホネート構造を有する光酸発生剤なども挙げることができる。これら光酸発生剤の具体的構造としては、例えば以下を挙げることができる。
Figure 2019113662
感光剤としては、分解によるフッ素化合物の発生がないものが好ましい。これにより、基板等の腐食を低減することができる。
感光性樹脂フィルムが感光剤を含む場合、その含有量は、感光性樹脂フィルム全体を基準として、例えば、0.3質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。これにより、感光性樹脂フィルムのパターニング性を向上させることができる。一方で、感光剤の含有量の上限値は、感光性樹脂フィルム全体に対して、例えば、5質量%以下であり、好ましくは4.5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下である。これにより、感光性樹脂フィルムの硬化前の長期保管性を向上させることができる。
・密着助剤
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、密着助剤を含んでもよい。
密着助剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、酸無水物官能型シラン、スルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシシラン(すなわち、1分子中に、エポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)または酸無水物官能型シラン(すなわち、1分子中に、酸無水物基と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)が好ましい。
アミノシランとしては、例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、またはN−フェニル−γ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アクリルシランとしては、例えば、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、またはγ−(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトシランとしては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ウレイドシランとしては、例えば、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
酸無水物官能型シランをとしては、例えば、信越化学工業社製の、商品名X−12−967C(化合物名:3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物)等が挙げられる。
スルフィドシランとしては、例えば、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、またはビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
感光性樹脂フィルムが密着助剤を含む場合、その含有量は、感光性樹脂フィルム全体を基準として、通常0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%である。この範囲とすることで、他の性能とのバランスを取りつつ、密着助剤の効果である「密着性」を十分に得ることができると考えられる。
・界面活性剤
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、界面活性剤を含んでもよい。これにより、後述の、フィルム状の感光性樹脂フィルムとする際の、厚みの均一性の向上等の効果が得られると考えられる。
界面活性剤としては、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F−251、F−253、F−281、F−430、F−477、F−551、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−560、F−561、F−562、F−563、F−565、F−568、F−569、F−570、F−572、F−574、F−575、F−576、R−40、R−40−LM、R−41、R−94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD 100 TS、SD 670、SD 850、SD 860、SD 882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
感光性樹脂フィルムが界面活性剤を含む場合、その含有量は、感光性樹脂フィルム全体を基準として、通常0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%である。この範囲とすることで、他の性能とのバランスを取りつつ、樹脂膜の厚みの均一性の向上等の効果を十分に得ることができると考えられる。
・その他成分
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、上記以外の任意の成分を含んでもよい。そのような成分としては、架橋剤、塩基性化合物、硬化促進剤、酸化防止剤、増感剤、フィルム化剤等が挙げられる。
上記のうち、架橋剤については、−N−CH−OHの部分構造を複数個(典型的には2〜6個)有する化合物を挙げることができる。より具体的には、市販のメラミン系架橋剤、グリコールウリル系架橋剤、尿素系架橋剤を挙げることができる。
上記のうち、塩基性化合物については、各種のアミン化合物(例えば1級アミン、2級アミン、3級アミンなど)を挙げることができる。
上記のうち、硬化促進剤については、アミジン骨格を含む含窒素複素環式化合物またはその塩を挙げることができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(別称:ジアザビシクロウンデセン、略称:DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(略称:DBA−DBU)、6−(2−ヒドロキシプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(略称:OH−DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(略称:DBN)、DBUのフェノール塩(具体的には、商品名:U−CAT SA1(サンアプロ社製))、DBUのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U−CAT SA102(サンアプロ社製))、DBUのp−トルエンスルホン酸塩(具体的には、商品名:U−CAT SA506(サンアプロ社製))、DBNのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U−CAT 1102(サンアプロ社製))などを挙げることができる。
・フィルム状とする方法
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、その名のとおり、フィルム状であることができる。
この「フィルム」は、例えば、以下の手順により得ることができる。
(1)上記の各成分を適当な溶剤に溶解または分散させて、液状の感光性樹脂組成物を得る。
(2)適当な基材フィルム(合成樹脂フィルム、例えばPETフィルム等)の上に、上記の液状の感光性樹脂組成物を略一定の膜厚で塗布し、乾燥等してフィルム状の感光性樹脂組成物を得る。
ここで、上記(1)の適当な溶剤としては、典型的には有機溶剤である。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ラクトン系溶剤、カーボネート系溶剤などを用いることができる。より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の有機溶剤を挙げることができる。溶剤は、固形分濃度が例えば30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%となるような量で使用される。
また、上記(2)の塗布には、ロールコーター、コンマコーター等の公知の塗布装置を用いることができる。
なお、上記工程により、感光性樹脂フィルムと、基材フィルムとを備えた基材層付き感光性樹脂フィルムを得ることができる。
・熱硬化性
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、好ましくは熱硬化性である。この性質は、本実施形態の感光性樹脂フィルムをいわゆる永久膜用途に適用する際に望ましい。
感光性樹脂フィルムを熱硬化性とする方法としては、例えば前述のエポキシ樹脂や硬化剤などを用いる方法や、公知の架橋剤などを用いる方法が挙げられる。
念のために述べておくが、本実施形態の感光性樹脂フィルムは、熱硬化性のもののみに限定されるものではない。
・流動特性
前述したが、本実施形態の感光性樹脂フィルムは、特定粒子を含むことにより、フィルムに熱をかけてラミネートする際の樹脂フィルムの流動特性(レオロジー特性、チキソトロピック性など)が変わり、これがボイド低減に有効であると推測される。
一例として、本実施形態の感光性樹脂フィルムを、温度70℃、周波数0.1Hzの条件での粘弾性測定により求められる溶融粘度をη、温度70℃、周波数10Hzの条件での粘弾性測定により求められる溶融粘度をηとしたとき、η/ηの値が1.5以上であることが好ましく、1.5〜5であることが好ましく、1.8〜4であることがより好ましい。
また、別の一例として、本実施形態の感光性樹脂フィルムを、温度90℃、周波数0.1Hzの条件での粘弾性測定により求められる溶融粘度をη、温度90℃、周波数10Hzの条件での粘弾性測定により求められる溶融粘度をηとしたとき、η/ηの値が2以上であることが好ましく、2〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。
なお、溶融粘度の測定は、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社の測定装置「HAAKE MARS III」による測定で求めることができる。具体的な測定方法は実施例を参照されたい。
・厚み
本実施形態の感光性樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、典型的には50μm以上、好ましくは50〜250μm、より好ましくは75〜225μm、さらに好ましくは100〜200μmである。本実施形態の感光性樹脂フィルムは、上述のようにボイドの低減性能が良好であるから、比較的厚膜としてもボイドの発生を十分抑えることができる。
<電子デバイスの製造方法>
本実施形態の電子デバイスの製造方法について説明する。
本実施形態の電子デバイスの製造方法は、半導体素子が載置された基板に、上記で説明した感光性樹脂フィルムをラミネートするラミネート工程を含む。このとき、上述のように、ボイドの低減を図ることができる。また、ボイドの低減に加え、フィルム表面の平滑性向上(段差の低減)の効果も得られると考えられる。
ラミネート工程は、好ましくは真空ラミネート法により行われる。これにより、ボイドの発生を確実に低減することができる。真空ラミネートの条件は、例えば、真空度80〜150Pa、温度60〜100℃、時間0.5〜5分である。
より具体的には、例えば以下の手順により、半導体素子が載置された基板に、感光性樹脂フィルムをラミネートすることができる。
(1)感光性樹脂フィルムと、基材フィルムとを備えた基材層付き感光性樹脂フィルムを準備する。
(2)上記のフィルムの、感光性樹脂フィルム側の面を、半導体素子が載置された基板の当該半導体素子が載置された面と直接触れるように配置する。
(3)真空ラミネート装置等を用いて、感光性樹脂フィルムを基板にラミネートする。
(4)基材フィルムを剥離する。
なお、上記(2)において、半導体素子の高さは、例えば50μm以上、具体的には50〜200μm、より具体的には75〜150μm程度である。また、感光性樹脂フィルムの厚み(基材層は含まない)は、通常、半導体素子の高さよりも厚くする。
本実施形態の電子デバイスの製造方法によれば、ボイドを効果的に低減可能である。よって、半導体素子に高さがあっても、実用上十分にボイドを低減することができる。
本実施形態の電子デバイスの製造方法は、上記ラミネート工程以外に、様々な工程を含むことができる。典型的には、露光工程、現像工程、硬化工程などを含むことができる。
露光工程については、典型的には、適当なフォトマスクを介するなどして、上記の製膜工程で製膜した感光性樹脂膜に、活性光線を照射する。フォトマスクを介した露光の方法としては、密着露光法、投影露光法、コンタクト・プロキシミティ露光法などが適宜適用可能である。
露光光源は、感光性樹脂膜の感光特性などに基づき適宜設定可能であるが、例えば波長100〜1000nmの光、より具体的にはg線、i線などが挙げられる。
露光量(ドーズ)も、感光性樹脂膜の感光特性などに基づき適宜設定可能であるが、例えば、10〜10000mJ/cm、好ましくは50〜5000mJ/cm、より好ましくは100〜3000mJ/cmである。
なお、露光工程後かつ現像工程前に、必要に応じて、感光性樹脂膜を加熱してもよい。この温度・時間は、例えば80〜140℃、10〜300秒程度である。これにより、樹脂膜の化学反応が促進されるため、よりパターニング性能の良化(例えばパターン形状の良化)を行える場合がある。
現像は、適当な現像液を用いて、例えば浸漬法、パドル法、回転スプレー法などの方法により行うことができる。現像により、樹脂膜の露光部(ポジ型画像形成の場合)または未露光部(ネガ型画像形成の場合)が除去され、パターニングされた樹脂膜が得られる。なお、本実施形態の電子デバイスの製造方法においては、通常、現像により未露光部が除去され、ネガ型のパターンが得られる。
現像時間(現像液を樹脂膜に接触させる時間)は、好ましくは0.5秒〜10分、より好ましくは1秒〜5分である。
現像工程については、任意の現像液で行うことができる。一態様として、有機溶剤現像液(有機溶剤を組成中95質量%以上含有する現像液)を用いることができる。有機溶剤として具体的には、シクロペンタノン等のケトン溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートや酢酸ブチルなどのエステル溶剤を挙げることができる。また、現像液には、例えばメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤などが添加されていてもよい。
本実施形態の電子デバイスの製造方法においては、有機溶剤現像液を用いることが好ましい。
また、アルカリ水溶液、例えば、(i)水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ水溶液、(ii)エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン水溶液、(iii)テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液なども現像液として挙げることができる。
なお、現像工程においては、現像液の振り切りや現像後のリンス等により現像液を十分に除去することが好ましい。
現像液の振り切りは、例えば、基板を回転させる等により行うことができる。
現像後のリンスは、例えば、リンス液を、スピンコート、噴霧、浸漬等により、基板およびパターニングされた樹脂に供することで行う。リンス液としては、例えば蒸留水、アルコール類、エーテル類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)を用いることができる。
硬化工程については、典型的には、樹脂膜(パターン)を加熱することにより行う。この工程を含むことで、樹脂膜(パターン)を十分に硬化させることができ、樹脂膜をいわゆる永久膜(永久レジスト)等として電子装置内に実装する際の電子装置の信頼性向上に寄与すると考えられる。なお、永久膜としては、保護膜、絶縁膜、再配線材料などがある。
加熱温度は、例えば150〜300℃が好ましく、170〜200℃がより好ましい。この温度範囲とすることで、硬化の速度と、膜全体での均一な硬化とを両立することができる。
加熱時間は特に限定されないが、例えば15〜300分、好ましくは60〜240分の範囲内である。
加熱処理は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できるオーブンなどにより行うことができる。加熱処理を行う際の雰囲気気体としては、空気であっても、窒素、アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。また、減圧下で加熱してもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<特定粒子の準備>
株式会社アドマテックス製のシリカ粒子(品番:YA01C)の表面を、シラン化合物を用いて修飾した以下の3種の粒子を準備した。
・特定粒子1(エポキシ修飾):上記シリカ粒子の表面を、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名KBM−403、信越化学工業社製)で処理することで、シリカ粒子の表面にエポキシ基含有基を修飾させたもの
・特定粒子2(ビニル修飾):上記シリカ粒子の表面を、ビニルトリメトキシシラン(商品名KBM−1003、信越化学工業社製)で処理することで、シリカ粒子の表面にビニル基含有基を修飾させたもの
・特定粒子3(フェニル修飾):上記シリカ粒子の表面を、フェニルトリメトキシシラン(商品名KBM−103、信越化学工業社製)で処理することで、シリカ粒子の表面にフェニル基含有基を修飾させたもの
これら粒子の平均粒径は10nmであった。
なお、シリカ粒子の修飾は、シリカ粒子を有機溶剤に分散させたスラリーにシラン化合物を加え、混合することで行った。
<感光性樹脂フィルムの製造>
表1の実施例1〜4および比較例1、2に記載の各成分を、溶剤(酢酸ブチル)に均一に溶解または分散させ、固形分濃度70質量%の塗工液を得た。
表1に記載された各成分の含有量は、質量部による相対値である。ただし、界面活性剤については、塗工液全体を100質量%としたときの濃度である。
Figure 2019113662
表1に記載の各成分のうち、上述の特定粒子以外のものについて、入手先、構造等を以下に示す。
・エポキシ樹脂 EPPN201:以下構造で表される多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂)
Figure 2019113662
・エポキシ樹脂 LX−01:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダイソーケミカル社製)
・硬化剤 PR55617:以下構造で表されるノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製)
Figure 2019113662
・感光剤 CPI−310B:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ社製)
・密着助剤 KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
・界面活性剤 R−41:フッ素オリゴマー系界面活性剤(DIC株式会社製)
上記で準備した各塗工液を、それぞれ、コンマコーターを用いて、基材フィルムであるPETフィルム(ユニチカ社製 TR1(膜厚38μm))に塗工し、120℃10分の条件で乾燥させた。こうしてラミネート用フィルムを作製した。膜厚は、後のラミネート後に得られる感光性樹脂膜の厚みが150μm程度となるように調整した。
<溶融粘度の測定>
前述の測定装置「HAAKE MARS III」を用いて溶融粘度を測定した。具体的には以下手順で行った。
まず、上記で作製したラミネート用フィルムから、感光性樹脂フィルムのみを切り出し、直径20mm、厚み150μmの溶融粘度測定用フィルムを得た。そして、このフィルムを装置にセッティングした。その後、30℃から150℃まで、昇温速度5℃/分、周波数0.1Hzの条件で連続的に溶融粘度を測定した。この測定における70℃での溶融粘度をη、90℃での溶融粘度をηとした。
また、上記測定において、周波数を10Hzとした以外は同条件の別測定を行い、70℃での溶融粘度ηおよび90℃での溶融粘度ηを求めた。
上記測定により求めたη、η、ηおよびηの数値(単位Pa・s)、ならびに、これら数値から算出されたη/ηの値およびη/ηの値を表2に記載した。なお、表中、「−」は未測定であることを表す。
<ラミネートの実施>
以下の要領で、半導体素子が載置された基板を、感光性樹脂フィルムでラミネートした。
(1)半導体素子が載置された基板の準備
図2に示されるように、直径8インチの評価用基板の上に、縦横の大きさ10mm×8mm、高さ(厚み)150μmの半導体素子が101個載置されたものを準備した。
なお、図2において、横に隣接する素子間の間隔は3mm、縦に隣接する素子間の間隔は6mmであった。
(2)ラミネート
真空ラミネータ装置(株式会社タカトリ製 TEAM−100)を用いてラミネートを行った。
具体的には、(1)で準備した基板における半導体素子が載置された面と、上記<感光性樹脂フィルムの製造>で作製したラミネート用フィルムの塗工面とを、表2に示される温度で、真空度100Pa、温度70〜90℃、時間120秒の条件で真空ラミネートを行った。放冷後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離した。
これにより、感光性樹脂フィルムにより、上記基板における半導体素子が載置された面が覆われた評価用ラミネート構造を得た。この評価用構造における感光性樹脂フィルムの膜厚(半導体素子が載置されていない箇所の膜厚)は、およそ175μmであった。
<ボイドの評価>
上記<ラミネートの実施>で得られた評価用ラミネート構造における、図2で線で囲われた箇所に相当する部分のボイドの数を観察した。観察は光学顕微鏡により行った。
観察されたボイドの数を表2に記載した。
<感光性(パターン形成性)の評価>
上記<ラミネートの実施>で得られた評価用ラミネート構造における感光性樹脂フィルムに対し、フォトマスクを介してパターン露光を行った。露光光源はi線を用いた。フォトマスクのパターンはネガ型のパターンマスクを用いた。露光量は400mJ/cmとした。
その後、感光性樹脂膜を、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で90秒間スプレー現像した。
以上により、パターン形成性を確認した。実用上十分なパターン形成性が確認された場合にはパターン形成性「有」、そうでない場合にはパターン形成性「無」とした。
<素子間段差の測定>
実施例4について、素子間の段差を測定した。
具体的には、実施例4の評価用ラミネート構造において、図3に示される実線部で囲われた部分および破線部で囲われた部分(計8が所)の、膜の段差(凹みの深さ)を測定した。8か所の段差の平均値を表2に記載した。
Figure 2019113662
表2に示される通り、特定粒子を含む感光性樹脂フィルム(実施例1〜4)は、特定粒子を含まない感光性樹脂フィルム(比較例1および2)に比べ、半導体素子が載置された基板をラミネートした際のボイドの数が有意に少なかった。
特に、実施例1〜4の中でも、特定粒子を比較的多く含み、そしてη/ηやη/ηの値が比較的大きい実施例1、3および4が、そうではない実施例2に比べて、更にボイドの数が少ない傾向が見られた。
また、実施例4で評価した素子間段差は、十分良い値であった。
1 基板
2 半導体素子
3 感光性樹脂フィルム
4 ボイド

Claims (14)

  1. 半導体素子が載置された基板をラミネートするための感光性樹脂フィルムであって、
    平均粒径が50nm以下のナノフィラー粒子を含む感光性樹脂フィルム。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    前記ナノフィラー粒子が、無機粒子を含む感光性樹脂フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    前記ナノフィラー粒子が、シリカ粒子を含む感光性樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    前記ナノフィラー粒子の表面が、重合性基または芳香族含有基で修飾されている感光性樹脂フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    感光性樹脂フィルム中の前記ナノフィラー粒子の含有量が0.5〜20質量%である感光性樹脂フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    熱硬化性である感光性樹脂フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    更にエポキシ樹脂を含む感光性樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    更に硬化剤を含む感光性樹脂フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    更に感光剤を含む感光性樹脂フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムであって、
    厚みが50μm以上である感光性樹脂フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂フィルムと、基材フィルムとを備えた基材層付き感光性樹脂フィルム。
  12. 半導体素子が載置された基板に、請求項1〜10のいずれかの感光性樹脂フィルムをラミネートするラミネート工程を含む、電子デバイスの製造方法。
  13. 請求項12に記載の電子デバイスの製造方法であって、
    前記ラミネート工程が、真空ラミネート法により行われる、電子デバイスの製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の電子デバイスの製造方法であって、
    載置された前記半導体素子の高さが50μm以上である、電子デバイスの製造方法。
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