JP7118124B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)ウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、を含有し、
前記(C)ウレタンビーズがシリカで被覆され、前記シリカ100質量%のうち20質量%以上が疎水性シリカである感光性樹脂組成物。
[2]前記シリカ100質量%のうち30質量%以上が疎水性シリカである[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(C)ウレタンビーズの、前記シリカの被覆率が、1.0質量%以上40質量%以下である[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(C)ウレタンビーズの、前記シリカの被覆率が、5.0質量%以上30質量%以下である[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記疎水性シリカが、モノアルキルシリル基で表面改質されているモノアルキルシロキシル化シリカ、ジアルキルシリル基で表面改質されているジアルキルシロキシル化シリカ、トリアルキルシリル基で表面改質されているトリアルキルシロキシル化シリカ、(メタ)アクリルシリル基で表面改質されている(メタ)アクリルシロキシル化シリカ、ジアルキルシロキサン基で表面改質されているシリカ及びジアルキルポリシロキサン基で表面改質されているシリカからなる群から選択された少なくとも1種である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記疎水性シリカが、モノアルキルシリル基で表面改質されているモノアルキルシロキシル化シリカ、ジアルキルシリル基で表面改質されているジアルキルシロキシル化シリカ、(メタ)アクリルシリル基で表面改質されている(メタ)アクリルシロキシル化シリカからなる群から選択された少なくとも1種である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記シリカで被覆された(C)ウレタンビーズを、35質量部以上150質量部以下含有する[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[8][1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の塗膜を有するドライフィルム。
[9][1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板。
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂の構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上と遊離のカルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸及び/またはその無水物を反応させることで得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂などを挙げることができる。
(B)成分のエポキシ化合物は、感光性樹脂組成物の硬化物の架橋密度を上げて十分な強度を硬化物に付与するためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、上記したカルボキシル基含有感光性樹脂の調製に使用する多官能エポキシ樹脂と同じエポキシ樹脂を挙げることができる。具体的には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分のウレタンビーズは、その外表面の少なくとも一部領域がシリカで被覆されている粒子状物質である。従って、(C)成分のウレタンビーズは、外表面の少なくとも一部領域では、ウレタンビーズがコア部を形成し、シリカがシェル部を形成しているコアシェル構造を有している。また、ウレタンビーズの外表面を被覆している全シリカのうち20質量%以上が疎水性シリカである。すなわち、シリカ100質量%のうち20質量%以上が疎水性シリカで構成されている。
(D)成分の光重合開始剤は、特に限定されず、例えば、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、(Z) -(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ) -2-メチルフェニル)メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を挙げることができる。
(E)成分の反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を補強して、感光性樹脂組成物の硬化物に十分な耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などを付与することに寄与する。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合させて、実施例1~8、比較例1~4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。その後、調製した感光性樹脂組成物を以下のように基板に塗工して試験体を作製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZAR-2000:日本化薬株式会社
(B)エポキシ化合物
・EPICRON 850-S:DIC社
・ウレタンビーズA:疎水性シリカとして、ジメチルシロキシル化シリカ(商品名「アエロジルR974」、日本アエロジル株式会社、平均一次粒子径0.012μm)10gを均一に溶媒100gに分散後、イソシアネート化合物20gとアルコール類20gを反応させて得られたポリウレタン球体を含む乳化液を、ホモジナイザーにて均一に分散後、乾燥させることで、シリカの被覆率10質量%のウレタンビーズA(平均粒子径3μm)を調製した。なお、シリカの被覆率は、600℃2時間の完全燃焼後の灰分より求めた。
・ウレタンビーズB:ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率15質量%のウレタンビーズB(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズC:ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率20質量%のウレタンビーズC(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズD:ジメチルシロキシル化シリカの代わりに、オクチルシロキシル化シリカ(商品名「アエロジルR805」、日本アエロジル株式会社、平均一次粒子径0.012μm)を使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率15質量%のウレタンビーズD(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズE:ジメチルシロキシル化シリカの代わりに、メタクリルシロキシル化シリカ(商品名「アエロジルR711」、日本アエロジル株式会社、平均一次粒子径0.012μm)を使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率15質量%のウレタンビーズE(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズG:ウレタンビーズAで用いたジメチルシロキシル化シリカ並びに未処理シリカを1:2の質量比で使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカ(疎水性シリカ33質量%)の被覆率15質量%のウレタンビーズG(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズH:ウレタンビーズAで用いたジメチルシロキシル化シリカ並びに未処理シリカを1:3の質量比で使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカ(疎水性シリカ25質量%)の被覆率15質量%のウレタンビーズH(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズJ:ウレタンビーズFの調製で使用した未処理シリカを使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率15質量%のウレタンビーズJ(平均粒子径3μm)を調製した。
・ウレタンビーズK:ウレタンビーズFの調製で使用した未処理シリカを使用した以外は、ウレタンビーズAと同様にして、シリカの被覆率20質量%のウレタンビーズK(平均粒子径3μm)を調製した。
・OXE-02:オキシムエステル系光重合開始剤、BASF社
(E)反応性希釈剤
・EBERCRYL8405:ダイセル・サイテック株式会社
・ハイジライト H42M:昭和電工株式会社
難燃剤
・エクソリット OP-935:クラリアントジャパン社
硬化促進剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY-7:三菱化学株式会社
添加剤
・AC-303:有機系充填剤、信越化学工業株式会社
着色剤
・クロモフタルDPPオレンジ TR:チバ・スペシャルティケミカルズ
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
基板:フレキシブルプリント配線板(ポリイミドフィルム、パナソニック株式会社、フィルム厚25μm、導体(Cu箔)厚12.5μm)
表面処理:5質量%硫酸水溶液
塗工:スクリーン印刷
予備乾燥:BOX炉にて80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上100mJ/cm2(メイン波長365nm、株式会社オークの直描(DI)紫外線露光装置「Mms604B」(光源:高圧水銀灯)
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア(本硬化の加熱処理):BOX炉にて150℃、60分
ポストキュア後の膜厚:20~23μm
(1)分散性(ブロッキング)
感光性樹脂組成物200gを、300mlポリ容器に入れて密封し、30℃の保温槽に72時間放置後の状態を目視にて観察し、以下の基準で評価した。また、感光性樹脂組成物の粘度はブルックフィールドB型粘度計にて測定した。
◎:放置後の感光性樹脂組成物の粘度が初期値に対して10%以下の変化率であり、凝集粒子(ブロッキング)は認められない。
○:放置後の感光性樹脂組成物の粘度が初期値に対して10%超20%以下の変化率であり、凝集粒子(ブロッキング)は認められない。
△:放置後の感光性樹脂組成物の粘度が初期値に対して20%超30%以下の変化率であり、凝集粒子(ブロッキング)は認められない。
×:放置後の感光性樹脂組成物の粘度が初期値に対して30%超の変化率、または感光性樹脂組成物中に凝集粒子(ブロッキング)が認められる。
作製した試験体について、はぜ折りにより、導体パターンのラインの長手方向に対して直交方向に180°折り曲げを1回行い、その際の硬化塗膜における微小クラック発生状況を×500の光学顕微鏡で観察し、微小クラックの発生の有無を測定した。微小クラックとは、クラックの長さが100μm未満のクラックを意味する。測定結果については、以下の基準で評価した。
◎:微小クラックの発生が無い。
○:微小クラックの発生が1~3箇所。
△:微小クラックの発生が3箇所より多く、導体パターンのライン周辺部のみに発生。×:硬化塗膜全体に微小クラックが発生。
JIS C6481に準拠し、吸水率(%)を測定した。吸水率は、2.50%未満を合格とした。
上記試験体作製工程にて作製した試験体について、硬化塗膜の上に電磁波シールドフィルム(タツタ電線株式会社、「SF-PC5000」)を貼った上面を陽極に、上記試験体の導体である銅を陰極に、それぞれ、接続した。次いで、60℃、湿度95%の恒温恒湿槽の中で、50V印加を行い、イオンマイグレーションテスター(IMV社、「MIG-8600B/128」)を用いて抵抗値の連続測定を行った。50V印加時を測定開始時間とし、抵抗値が1.0E+6(1.0×106)Ω未満に低下するまでの時間を計測し、これを絶縁破壊時間とし、以下の基準に従って、厚さ方向(Z軸方向)の絶縁信頼性を評価した。
◎:絶縁破壊時間1500時間以上。
○:絶縁破壊時間1000時間以上1500時間未満。
△:絶縁破壊時間500時間以上1000時間未満。
×:絶縁破壊時間500時間未満。
Claims (9)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)ウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、を含有し、
前記(C)ウレタンビーズがシリカで被覆され、前記シリカ100質量%のうち20質量%以上が疎水性シリカであり、
前記疎水性シリカが、ジアルキルシリル基で表面改質されているジアルキルシロキシル化シリカである感光性樹脂組成物。 - 前記シリカ100質量%のうち30質量%以上が疎水性シリカである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)ウレタンビーズの、前記シリカの被覆率が、1.0質量%以上40質量%以下である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)ウレタンビーズの、前記シリカの被覆率が、5.0質量%以上30質量%以下である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)ウレタンビーズの、前記シリカの被覆率が、12質量%以上18質量%以下である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(D)光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、前記シリカで被覆された(C)ウレタンビーズを、35質量部以上150質量部以下含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の塗膜を有するドライフィルム。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板。
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