JP6986476B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、遊離のカルボキシル基を有する感光性の樹脂であれば、その化学構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又は多塩基酸無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
光重合開始剤は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。また、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤を使用してもよい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。少なくとも光重合性を有さない非反応性希釈剤とは、光重合性の有無の点で相違する。
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、上記したカルボキシル基含有感光性樹脂の調製に使用するエポキシ樹脂を挙げることができ、具体的には、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
非反応性希釈剤は、25℃において液相である非反応性希釈剤を複数種含む混合物であり、非反応性希釈剤中には、25℃における表面張力が30.0mN/m未満の非反応性希釈剤が10質量%以上60質量%以下含まれている。非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が30.0mN/m未満の反応性希釈剤が10質量%以上60質量%以下含まれることにより、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物とすることができる。
R1−O−R2−O−R3−O−R4 (1)
(式中:R1、R2、R3、R4、は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表され、且つ上記表面張力が30.0mN/m未満の有機化合物、下記式(2)
HO−R5−O−R6−O−R7 (2)
(式中:R5、R6、R7は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表され、且つ上記表面張力が30.0mN/m未満の有機化合物が好ましい。これらのうち、式(1)で表される有機化合物としては、ジエチレングリコールジエチルエーテル(25℃における表面張力25mN/m)が特に好ましく、式(2)で表される有機化合物としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(25℃における表面張力27.9mN/m)が特に好ましい。
オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、有機リン酸塩系が好ましい。
非反応性希釈剤以外の下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて樹脂組成物を調製した。その後、得られた樹脂組成物に非反応性希釈剤を添加して上記と同様に混合分散させることで、実施例1〜6、比較例1〜3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・FLX−2089:固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(25℃における表面張力が31mN/m)35質量%。エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸を反応させて、エポキシアクリレートを得、生成した水酸基に多塩基酸を反応させて得られる構造である、多塩基酸変性エポキシアクリレート。日本化薬(株)
(B)光重合開始剤
・Chemcure DETX:日本シイベルヘグナー(株)
・イルガキュア 907:BASF(株)
(C)反応性希釈剤
・KRM 8296:ダイセル・オルネクス(株)
(D)エポキシ化合物
・EPICRON 860:DIC(株)
・LIONOL BLUE FG7351:トーヨーカラー(株)
・クロモフタルイエロー:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
体質顔料
・RHC−730クリアー:大日精化工業(株)
・ハイジライト H−42STV:昭和電工(株)
添加剤
・DICY−7:三菱化学(株)
・メラミン:日産化学工業(株)
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン(株)
・ハイソルブ EDE:25℃における表面張力が25mN/m、東邦化学(株)
・ハイソルブ DPM:25℃における表面張力が28mN/m、東邦化学(株)
・EDGAC:25℃における表面張力が31mN/m、三洋化成品(株)
基板:φ100μm、深さ70μmのブラインドビアホール部および導体厚18μmの配線パターンが設けられた基板
表面処理:酸処理(5質量%の硫酸溶液)
印刷法:スクリーン印刷
DRY膜厚:20〜23μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:塗膜上に250mJ/cm2 (オーク製造所(株)、HMW−680GW)
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液、現像時間60秒、スプレー圧0.2MPa
ポストキュア:150℃、30分
(1)ブラインドビアホール埋まり性
上記のようにして得られた試験片のブラインドビアホール部100箇所に感光性樹脂組成物が埋まっているかを、光学顕微鏡(×40倍)で観察し、埋まっているブラインドビアホール部を算出して、以下のように評価した。
◎:100箇所ともブラインドビアホール部が埋まっている。
○:90〜99箇所のブラインドビアホール部が埋まっている。
△:80〜89箇所のブラインドビアホール部が埋まっている。
×:79箇所以下のブラインドビアホール部が埋まっている。
上記のようにして得られた試験片の配線パターン間の硬化塗膜の断面を封止、研磨後、光学顕微鏡(×40倍)にてN=9で観察し、膜厚を測長して、以下のように評価した。○:膜厚の最大、最小の差が3μm未満。
△:膜厚の最大、最小の差が3μm以上、5μm未満。
×:膜厚の最大、最小の差が5μm以上。
上記のようにして得られた試験片の単独配線パターン上の硬化塗膜の断面を封止、研磨後、光学顕微鏡(×40倍)にてN=9で観察し、膜厚を測長して、以下のように評価した。
○:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚15μm以上。
△:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚10μm以上15μm未満。
×:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚10μm未満。
Claims (5)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)非反応性希釈剤と、を含む感光性樹脂組成物であって、
前記(E)非反応性希釈剤が、25℃において液相である有機化合物を複数種含み、前記(E)非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が30.0mN/m未満の前記有機化合物を15質量%以上60質量%以下含み、
25℃における表面張力が30.0mN/m未満の前記有機化合物が、下記式(1)
R1−O−R2−O−R3−O−R4 (1)
(式中:R1、R2、R3、R4、は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表される有機化合物であり、
前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(E)非反応性希釈剤を80質量部以上120質量部以下含む、感光性樹脂組成物。 - 前記(E)非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が28.0mN/m未満の前記有機化合物を15質量%以上60質量%以下含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 25℃における表面張力が30.0mN/m未満の前記有機化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテルを含む請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)非反応性希釈剤を20質量%以上30質量%以下含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- プリント配線板への塗布用である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
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