JP5027458B2 - 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板の製造に有用なアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板に関するものであり、さらに詳しくは、耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等の塗膜特性に優れ、ミストの少ないアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板に関する。
現在、プリント配線板の製造に用いられるソルダーレジストは、高精度、高密度化の観点から、露光後、現像することにより画像形成し、加熱硬化して塗膜を形成する液状アルカリ現像型ソルダーレジストが使用されている。このような希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプのソルダーレジストとしては、例えば、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、及びエポキシ化合物からなる二液型の液状ソルダーレジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような液状のアルカリ現像型ソルダーレジストのほとんどが、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に、多塩基酸無水物を付加した活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤などからなる主剤と、希釈剤やエポキシ化合物などからなる硬化剤で構成される二液型のソルダーレジストであり、主剤と硬化剤をよく混合してから使用しなければならない。また、混合後のポットライフは24時間以内と短く、さらに、乾燥工程と現像工程の間にも主剤の活性エネルギー線硬化性樹脂に含まれるカルボキシル基と硬化剤中のエポキシ化合物のエポキシ基が徐々に反応するため現像不良(熱かぶり)を起こすなど、作業上の問題点がある。
このような課題に対して、例えば、1分子内に少なくとも1つ以上の遊離のカルボキシル基を有し、あるいはさらに1つ以上の光反応性不飽和基を有する室温で固形状の高分子化合物もしくはオリゴマー、希釈剤、光重合開始剤、メラミン又はその誘導体、あるいは更に2,4,6−トリスメルカプト−S−トリアジンを含む一液型のソルダーレジストが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながらこの一液型ソルダーレジストは、作業性は優れるものの、耐熱性、無電解金めっき耐性が二液型の液状ソルダーレジストに比べ不安定であり、実用化されるに至っていない。
また、このようなアルカリ現像型のソルダーレジストは、生産性の向上から高感度化や自動露光機に対応可能な指触性が求められている。一般的に、高感度化するためには、低分子量の光重合性モノマーを増量することが必要であるが、このような低分子量の光重合性モノマーを増量すると、指触乾燥性が著しく低下するという問題があった。
特公平1−54390号公報(特許請求の範囲) 特開平8−335768号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明は、上記従来技術が抱える問題を解決する為になされたものであり、その主な目的は、一液型組成物として使用可能な保存安定性を有すると共に、ソルダーレジストとして十分満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等の塗膜特性に優れ、ミストの少ないアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型のソルダーレジスト組成物と、それを用いたドライフィルム、及びプリント配線板を提供することにある。
前記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の第一の態様は、(A−1)(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物に、(b)エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸を反応させた後、生成した二級水酸基に、(c)コハク酸無水物を反応させて得られ、そのカルボキシル基の酸強度p Kaが、5.0以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(B)希釈剤、
(C)光重合開始剤として、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフエニル)−ブタノン−1、
(D)メラミン又はその有機酸塩、及び
(E)無機フィラーを含み、
エポキシ樹脂を含まないことを特徴とするアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物が提供される。
本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性のソルダーレジスト組成物は、一液型組成物として使用可能な保存安定性を有し、プリント配線板に塗布、乾燥後の乾燥管理幅も長く、さらにソルダーレジストとして十分満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等の塗膜特性を有する事から、信頼性の高いプリント配線板を低価格で提供することも可能となる。また、このような保存安定性を有することから、ドライフィルムとしての保存安定性にも優れ、低温保管の必要性が無くなり、低コスト化が可能となる。
更に、はんだ耐熱時等に発生するミストも少ないことから、生産設備や作業環境を汚染することが無いという効果もある。
本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物の基本的態様は、(A)1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有し、かつカルボキシル基を1個以上有し、そのカルボキシル基の酸強度pKaが、5.0以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(B)希釈剤、
(C)光重合開始剤、
(D)メラミン又はその有機酸塩、及び
(E)無機フィラーを含むソルダーレジスト組成物が、一液型組成物として使用可能な保存安定性を有し、かつソルダーレジストとして満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性などの塗膜特性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物は、第一の特徴は、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有し、かつカルボキシル基を1個以上有し、そのカルボキシル基の酸強度pKaが、5.0以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂を用いた点にあり、このように、比較的活性の高いカルボキシル基を有していることにより、不飽和二重結合とマイケル付加反応したり、メラミン又はその有機酸塩とアミド化したり、さらには樹脂中や無機フィラー中の水酸基などとエステル化反応することにより、耐熱性に優れた硬化塗膜を提供できることを見出し、本発明の一液型ソルダーレジスト組成物を完成するに至った。
また、本発明の第二の特徴であるメラミン又はその有機酸塩は、カルボキシル基含有感光性樹脂(A)のエチレン性不飽和基と、メラミン又はその有機酸塩の活性水素が、加熱硬化中に一部付加反応し分子鎖に取り込まれ、銅箔へのキレート効果と防錆効果により、塗膜と銅箔の密着性を向上させるものと考えられる。
尚、本明細書において、酸強度pKaとは、25℃の水溶液における酸解離定数であり、下記式1により求められる化合物特有の定数である。

pKa=−log10([H][A]/[HA]) … (式1)

式中、[HA]は酸の濃度、[H]はオキソニウムイオン(水和した水素イオン)濃度、[A]は酸の共役塩基(酸残基)の濃度、log10は常用対数を示す。

本発明では、ハメット指示薬を用いて、電位差滴定法により、測定した。
以下、本発明の光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物の各構成成分について、詳しく説明する。
まず、本発明に用いられるカルボキシル基含有感光性樹脂(A)は、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有し、かつカルボキシル基を1個以上有し、そのカルボキシル基の酸強度pKaが、5.0以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂であり、例えば、以下に列挙するようなカルボキシル基含有感光性樹脂が挙げられる。
(1)(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物に、(b)エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸を反応させた後、生成した二級水酸基に、(c)反応後の酸強度pKaが5.0以下となる二塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)、
(2)pKaが5.0以下である(d)アクリル酸及び/又は(e)メタクリル酸と、(f)それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物から合成される共重合樹脂のカルボキシル基の一部に、(g)1分子中に環状エーテル基とエチレン性不飽和脂基を併せ持つ化合物(h)を付加して得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に(c)反応後の酸強度pKaが5.0以下となる二塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)多官能エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物(例えば、ジメチロールプロピオン酸など)との反応生成物に、(c)反応後の酸強度pKaが5.0以下となる二塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられる。
これらの中で、(1)に記載したカルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)、及び(2)に記載したカルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)が、合成が容易であり、安定した特性を有する塗膜を提供できるので、好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
本発明の第一の特徴であるカルボキシル基含有感光性樹脂(A)のカルボキシル基の酸強度pKaは、5.0以下、好ましくは5.0〜2.0の範囲にあることが好ましい。
カルボキシル基の酸強度pKaが、5.0を超える場合、アクリレート化合物との付加反応やメラミン類とのアミド化反応、さらに水酸基とのエステル化反応が起こりにくくなり、十分な塗膜特性が得られなくなるので、好ましくない。さらに、このように架橋反応が起こらないことにより、はんだ付け時等に、ミスト(揮発成分)が発生したりするので好ましくない。一方、酸強度pKaが、1.0未満の場合、銅箔等の金属の腐食の原因となるので、好ましくない。
また、本発明のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)の重量平均分子量は、4,000〜50,000、より好ましくは8,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量が、4,000未満の場合、十分な指触乾燥性が得られず、好ましくない。一方、重量平均分子量が、50,000を超えた場合、カルボキシル基含有感光性樹脂の有機溶剤への溶解性が低下したり、現像性が低下するので、好ましくない。
さらに、上記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)の酸価は、30〜150mgKOH/g、より好ましくは50〜140mgKOH/gである。酸価が、30mgKOH/g未満の場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなり、現像が困難となるので好ましくない。一方、酸価が150mgKOH/gより超えた場合、耐現像性が低下するので、好ましくない。
上記(1)に記載したカルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)の合成に用いられる1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(以下、多官能エポキシ化合物と略す。)としては、公知慣用の各種エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル化合物;テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル化合物;トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと、その他の重合性モノマーとの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、高感度で耐熱性に優れる硬化塗膜を提供できることから、好ましい。さらに、軟化点が60℃以上のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、指触乾燥性にも優れることから、より好ましい。
これらの多官能エポキシ化合物(a)は、単独で又は2種類以上を併用して用いることもできる。
前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)の合成に用いられるエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和モノカルボン酸、又は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートと、二塩基酸無水物の付加物などがある。前記二塩基酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸などが挙げられる。これらの中で、感光性、保存安定性の面から、アクリル酸又はメタクリル酸が特に好ましい。これらエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)は、単独又は2種類以上を併用して用いてもよい。
本発明カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)の合成に用いられる反応後の酸強度pKaが5.0以下となる二塩基酸無水物(c)、より好ましくは、反応後の酸強度pKaが、2.0〜5.0となる二塩基酸無水物としては、コハク酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物などが挙げられる。
これらの中で、特に、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、コハク酸無水物が、硬化物の特性面から、好ましい。これらの二塩基酸無水物(c)は、単独又は2種類以上を併用して用いてもよい。
また、これらの二塩基酸無水物(c)の付加量は、得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)の酸価が、30〜150mgKOH/gとなる範囲であり、前記多官能エポキシ化合物(a)とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応により生成する水酸基1当量当たり、0.4〜0.9当量、好ましくは0.45〜0.7当量である。
本発明のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)の第ニの態様である前記(2)に記載したカルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、pKaが5.0以下である(d)アクリル酸及び/又は(e)メタクリル酸と、(f)それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物から合成される共重合樹脂のカルボキシル基の一部に、(g)1分子中に環状エーテル基とエチレン性不飽和脂基を併せ持つ化合物(h)を付加して得られるカルボキシル基含有感光性樹脂であり、好ましくは、酸価が30〜150mgKOH/gで、重量平均分子量が、8,000〜50,000である。
上記カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)の合成に用いられるアクリル酸(d)、メタクリル酸(e)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(f)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどのシクロ環又は芳香環含有(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;N−フェニルマレイミドやN−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合物;フェニルグリシジルエーテルなどのモノエポキシ化合物の(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
本発明カルボキシル基含有感光性樹脂(A)の合成に用いられる一分子中に環状エーテル基とエチレン性不飽和脂基を併せ持つ化合物(g)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアミノアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明に用いられる希釈剤(B)は、インキ組成物の粘度を調整して作業性を向上させるとともに、架橋密度を上げたり、密着性などを向上するために用いられ、光重合性モノマーなどの反応性希釈剤(B−1)や公知慣用の有機溶剤(B−2)が使用できる。
反応性希釈剤(B−1)としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンオキシド誘導体のモノ又はジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリジジルエーテルの(メタ)アクリレート類;及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらは、単独または2種以上組み合わせて使用でき、密着性の点で親水性基含有の(メタ)アクリレート類が、また光硬化性の点で多官能性の(メタ)アクリレート類が好ましい。これらの光重合モノマーの配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂(A)100質量部に対して20〜120質量部、より好ましく20〜100質量部であることが望ましい。20質量部未満では、光反応性が悪く、120質量部より多い場合は、指触乾燥性が悪くなるので好ましくない。
前記有機溶剤(B−2)としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
このような有機溶剤の配合量は、コーティング方法や使用する有機溶剤の沸点により異なり、特に制限されるものでは無いが、高沸点の有機溶剤が多量に含まれる場合、指触乾燥性が低下したり、コーティング後、仮乾燥するまでに、ダレ等を発生するので好ましくない。
本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類、チタノセン系開始剤などが挙げられ、これらは、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤等と併用しても良い。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの光重合開始剤(C)の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂(A)100質量部に対して1〜25質量部、より好ましくは2〜20質量部である。前記配合量が1質量部未満の場合、光硬化性が低下し、露光・現像後のパターン形成が困難になるので好ましくない。一方、25質量部を超えた場合、厚膜硬化性が低下し、またコスト高の原因となるので好ましくない。
メラミン又はその有機酸塩(D)としては、メラミン又は、メラミンと当モルの有機酸を反応させたものが使用できる。メラミンの有機酸塩はメラミンを沸騰水中に溶解し、水あるいはアルコール等の親水性溶剤に溶解した有機酸を添加し、析出した塩をろ過することで得られる。メラミン分子中の1個のアミノ基は、反応性が速いが他の2個の反応性は低い為、反応は化学量論的に進行し、メラミン分子中の1個のアミノ基に有機酸が1個付加したメラミン塩が生成する。有機酸としては、カルボン酸、酸性リン酸エステル化合物、スルホン酸含有化合物が考えられ、いずれも使用することができるが、電気特性面からカルボン酸が最も好ましい。
前記カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸のモノカルボン酸や、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、クロトン酸などのジカルボン酸、さらに、トリメリット酸などのトリカルボン酸が使用できる。これらのなかでも、特にジカルボン酸とメラミンの等モル反応により得られる塩が、これを添加するソルダーレジストの特性低下が少なく、好ましい。また、多塩基酸無水物を用いることもできる。一般に多塩基酸無水物は、例えば沸騰水中に溶解することにより容易に開環して対応するポリカルボン酸を生成する。
これらのメラミン又はその有機酸塩(D)の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂(A)100質量部に対して1〜25質量部、より好ましくは2〜20質量部であることが望ましい。前記配合量が1質量部未満である場合、密着性、耐熱性が低下し、25質量部を越えると光反応性が低下する。なおメラミンの有機酸塩を使用する場合は、通常メラミンを使用する場合の約1.5〜2倍が必要である
無機フィラー(E)としては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素紛、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の公知慣用の無機フィラーを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらは塗膜の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上する目的で用いられる。その配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂(A)100質量部に対して50〜250質量部であることが望ましい。上記範囲より少ない場合、密着性、耐熱性の低下などを生じ、一方多い場合、塗膜強度の低下や感度低下などを生じ、いずれも好ましくない。
さらに、必要に応じて、公知慣用の着色顔料、着色染料、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レべリング剤、カップリング剤、難燃助剤等が使用できる
なお、本発明の一液型ソルダーレジスト組成物は、液状、ペースト状またはドライフィルムの形態で提供することができる。ドライフィルムとして供給する場合は、例えばキャリアフィルム上にロールコーターやドクターバー、ワイヤーバー方式、スピンコート方式、ドクタープレート方式等により本発明のソルダーレジスト組成物を塗布した後、60〜100℃に設定した乾燥炉で乾燥し有機溶剤を除去することにより、また必要に応じて離型フィルムを貼りつけることにより得ることができる。この際キャリアフィルム上のレジストの膜厚は、5〜150μm好ましくは10〜60μmに調整される。上記キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のフィルムが好適に使用される。
以上のような組成を有する本発明の一液型ソルダーレジスト組成物は、必要に応じて希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、これを例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば70〜90℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。その後、フォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成でき、さらに、加熱硬化させることにより、耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等に優れたソルダーレジスト膜を有するプリント基板が形成される。
前記希アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。また、露光するための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどを用いることができる。その他、レーザー光線なども活性光線として利用できる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」を示す。
合成例1
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EOCN−104S、軟化点92℃、エポキシ当量=220g/当量)660g、カルビトールアセテート 310.0gを仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に、一旦80℃まで冷却し、アクリル酸 216g、トリフェニルホスフィン 4.0g、メチルハイドロキノン1.3gを加えて、90〜100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにテトラヒドロフタル酸無水物 273.6gを仕込み、90℃に加熱し、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約8時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 310.0部を加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有感光性樹脂ワニスは、不揮発分65%、固形物の酸価87.5mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をA−1−1ワニスと称す。
合成例2
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EOCN−104S、軟化点92℃、エポキシ当量=220g/当量)660g、カルビトールアセテート 284.3gを仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に、一旦80℃まで冷却し、アクリル酸 216g、トリフェニルホスフィン 4.0g、メチルハイドロキノン1.3gを加えて、90〜100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにコハク酸無水物 180.0gを仕込み、90℃に加熱し、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約8時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 284.3部を加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有感光性樹脂ワニスは、不揮発分65%、固形物の酸価95.5mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をA−1−2ワニスと称す。
合成例3
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル700.0gを110℃まで加熱し、メタクリル酸270.0g、メタクリル酸メチル153.0g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル294.0g、及び重合触媒としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製 パーブチルO)10.0gの混合物を3時間かけて滴下し、更に110℃,3時間攪拌し重合触媒を失活させて共重合樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却後、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業(株)製サイクロマーA400)390.0g、トリフェニルホスフィン5.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを加え、100℃に昇温し、攪拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。このようにして得られたカルボキシル基含有感光性樹脂は、重量平均分子量が22,000でかつ、不揮発分が45wt%、固形分酸価が70mgKOH/gであった。以下、この反応溶液を、A−2−1ワニスと称す。
比較合成例1
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EOCN−104S、軟化点92℃、エポキシ当量=220g/当量)660g、カルビトールアセテート 307.6gを仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に、一旦80℃まで冷却し、アクリル酸 216g、トリフェニルホスフィン 4.0g、メチルハイドロキノン1.3gを加えて、90〜100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにフタル酸無水物 266.4gを仕込み、90℃に加熱し、赤外吸光分析により、酸無水物の吸収ピーク(1780cm−1)が無くなるまで、約8時間反応させた。この反応液に、出光石油化学社製の芳香族系溶剤イプゾール#150 307.6部を加え、希釈した後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有感光性樹脂ワニスは、不揮発分65%、固形物の酸価88.2mgKOH/gであった。以下、この反応溶液をR−1ワニスと称す。
実施例1〜3、及び比較例1、2
合成例1〜3、及び比較合成例1で得られた各ワニスを用い、下記表1に示す配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練し、アルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物を調製した。尚、印刷時、必要に応じて、有機溶剤で希釈した。





上記実施例1〜3及び比較例1、2の一液型ソルダーレジスト組成物について、以下の各項目について試験を行い、評価した。評価の結果を下記表2に示す。尚評価試験の方法は以下に示す。
(1)保存安定性
上記実施例1〜3及び比較例1、2で得られた各一液型ソルダーレジスト組成物を、それぞれ銅張り基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で、90℃,60分乾燥させ、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、その塗膜表面の現像性を、以下の基準で評価した。
○:増粘率が120%以内。
△:増粘率が120〜200%以内。
×:ゲル化もしくは増粘率が200%以上。
(2)現像性
上記実施例1〜3及び比較例1、2で得られた各一液型ソルダーレジスト組成物を、それぞれ銅張り基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で、90℃,60分乾燥させ、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、その塗膜表面の現像性を、以下の基準で評価した。
○:塗膜が完全に除去され、残渣なし。
△:ほんの僅かにフィラー残りあり、
×:塗膜の残渣あり
(3)感度
上記実施例1〜3及び比較例1、2で得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、ガラスエポキシ基板にスクリーン印刷でそれぞれ全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃,30分乾燥した。これらの基板に、コダックNo.2のステップタブレットを当て、200mJ/cmで露光し、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で、1分間現像し、塗膜が完全に残っている段数を評価した。
(4)タック性
上記実施例1〜3及び比較例1、2得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷でそれぞれ全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃,30分乾燥した。この評価基板に、ネガパターンを当て、真空下で接触露光した。その後、常圧に戻し、ネガパターンを剥がす時の付着性を、以下の基準で評価した。
○:貼り付き無し。
△:若干、貼り付き有り。
×:貼り付き有り。
(5)はんだ耐熱性
上記実施例1〜3及び比較例1、2で得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷でそれぞれ全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃,30分乾燥した。これらの基板にソルダーレジストパターンが描かれたネガフィルムを当て、露光量300mJ/cmの露光条件で露光し、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、ソルダーレジストパターンを形成した。この基板を、150℃で60分熱硬化し、評価基板を作製した。
この評価基板に、ロジン系フラックスを塗布して、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、イソプロピルアルコールでフラックスを洗浄した後、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、レジスト層の膨れ・剥がれ・変色について、以下の基準で評価した。
○: 全く変化が認められないもの
△: ほんの僅か変色等の変化があるもの
×: レジスト層の膨れ、剥がれがあるもの
(6)無電解金めっき耐性
上記(5)と同様にして評価基板を作製した。この評価基板を、市販の無電解ニッケルめっき液と無電解金めっき液を用いて、ニッケル5μm、金0.03μmとなるような条件で無電解金めっきを行なった。このめっき後の評価基板について、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、レジスト層の剥がれ、めっきのしみ込みについて、以下の基準で評価した。
○: 全く変化が認められないもの
△ : ほんの僅かに剥がれ、しみ込みがあるもの
× : 塗膜に剥がれがあるもの
(7)電気絶縁性
IPC B−25テストパターンのクシ型電極Bクーポンを用い、上記(5)と同様の条件で評価基板を作製し、このクシ型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1,000時間後の絶縁抵抗値を測定した。
(8)ミストの発生量
上記(5)と同様にして評価基板を作製した。この評価基板を、10cm×10cm角に切断し、2Lの金属缶に入れ、さらに蓋の上部に水を入れたシャーレを乗せて、260℃のホットプレート上で30分間加熱した。このようにして、基板から出るミストを金属缶の蓋に付着させた。この操作を10回繰り返し、金属缶の蓋に付着したミストの量を、下記の基準で評価した。
○:金属缶の蓋に付着しているミストが無い。
△:金属缶の蓋に、微量のミストが付着している。
×:金属缶の蓋に、明らかに判るミストが付着している。

表2に示す結果から明らかなように、本発明にかかる実施例1〜3の一液型ソルダーレジスト組成物は、保存安定性、感度、タック性に優れ、またミストの発生量も少ないことが判る。
一方、カルボキシル基の酸強度pKaが約5.4のフタル酸無水物を使用した比較例1、2は、ミストの発生量が多いことが判る。また、感度も低く、感度を実施例並に上げるため、反応性希釈剤の量を増やした比較例2は、タック性が著しく低下した。


Claims (3)

  1. (A−1)(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物に、(b)エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸を反応させた後、生成した二級水酸基に、(c)コハク酸無水物を反応させて得られ、そのカルボキシル基の酸強度p Kaが、5.0以下であるカルボキシル基含有感光性樹脂、
    (B)希釈剤、
    (C)光重合開始剤として、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフエニル)−ブタノン−1、
    (D)メラミン又はその有機酸塩、及び
    (E)無機フィラーを含み、
    エポキシ樹脂を含まないことを特徴とするアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物。
  2. 前記請求項1に記載の一液型ソルダーレジスト組成物を用いて得られる光硬化性・熱硬化性のドライフィルム。
  3. 回路形成されたプリント配線板表面に前記請求項1に記載の一液型ソルダーレジスト組成物、又は前記請求項2に記載のドライフィルムによりソルダーレジスト膜を形成してなるプリント配線板。
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