JP3158034B2 - 光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物

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JP3158034B2
JP3158034B2 JP35240995A JP35240995A JP3158034B2 JP 3158034 B2 JP3158034 B2 JP 3158034B2 JP 35240995 A JP35240995 A JP 35240995A JP 35240995 A JP35240995 A JP 35240995A JP 3158034 B2 JP3158034 B2 JP 3158034B2
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勝人 邑田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光硬化性・
熱硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、仮乾燥後
の指触乾燥性や現像ライフ(もしくは乾燥管理幅)に優
れ、且つ、密着性、はんだ耐熱性、電気絶縁性、耐めっ
き性、耐薬品性等に優れたプリント配線板用ソルダーレ
ジストとして有用なアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬
化性ソルダーレジストインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体部品の急速な進歩により、
電子機器は小型軽量化、高性能化、多機能化の傾向にあ
り、これらに追従してプリント配線板も高密度化、部品
の表面実装化が進みつつある。これらの高密度プリント
配線板に対応して、ドライフィルム型フォトソルダーレ
ジストや液状フォトソルダーレジストが開発されてい
る。ドライフィルム型フォトソルダーレジストとして
は、例えば特開昭57−55914号公報にウレタンジ
(メタ)アクリレートと特定のガラス転移温度を有する
線状高分子化合物と光増感剤とを含有してなるドライフ
ィルム用の感光性樹脂組成物が開示されている。しかし
ながら、これらのドライフィルム型フォトソルダーレジ
ストの場合、はんだ耐熱性や密着性が充分ではなく信頼
性に欠けるため、実際には殆ど使用されていないという
状況である。
【0003】一方、液状フォトソルダーレジストとして
は、特開昭61−243869号公報にノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られ
る活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈
剤、エポキシ化合物からなる光硬化性及び熱硬化性の液
状レジストインキ組成物が開示されている。しかし、液
状のエポキシ樹脂などを用いた場合、仮乾燥後の指触乾
燥性や現像ライフに問題を生じることがある。
【0004】また、近年、作業性の向上の観点から、光
硬化性についてのインキの高感度化や自動露光機の導入
が増えつつある。インキの高感度化に関しては、配合さ
れる液状の多官能感光性モノマーの増量等の方策が一般
的に採用されているが、同時に指触乾燥性の低下を招く
ことが問題となっている。また、自動露光機を用いる場
合には、人為的にネガフィルムを剥がす場合と異なり、
フレームの上下動のみでネガフィルムが剥がれるような
指触乾燥性が必要となる。このように、最近では、現像
ライフやソルダーレジストに要求される諸特性に優れる
という要求に加えて、指触乾燥性にも優れたフォトソル
ダーレジストの要求が増えつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、仮乾燥後の指触乾燥性、現像ライフに優れ、且つソ
ルダーレジストに要求される密着性、電気絶縁性、耐電
蝕性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸
性、耐めっき性等に優れた硬化塗膜が得られるアルカリ
現像可能な光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、(A)1分子中にカルボキシル基
と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を併せ持ち、
且つ固形分酸価が50〜150mgKOH/gの感光性
プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)有機溶剤、
及び(D)単独で又は2種以上の混合物の場合には混合
物全体として、融点が130〜160℃、好ましくは1
35〜160℃の範囲にあり、且つ上記有機溶剤(C)
に難溶性である多官能エポキシ化合物を含有することを
特徴とする光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ
組成物が提供される。好適な態様においては、前記多官
能エポキシ化合物(D)として、S−トリアジン環骨格
面に対し同一方向にエポキシ基が付いた構造(以下、α
体と称す)を持つトリグリシジルイソシアヌレート(以
下、α−トリグリシジルイソシアヌレートと称す)を6
0重量%以上含有するトリグリシジルイソシアヌレート
が用いられる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記目的を達成す
べく鋭意研究を重ねた結果、ソルダーレジストインキ組
成物に配合する熱硬化性成分として、該組成物の塗膜を
露光、現像後に熱硬化させる際の硬化温度に近い融点を
持ち、結晶性であり、且つ一緒に混合される有機溶剤に
対して難溶性の多官能エポキシ化合物(D)を用いるこ
とにより、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフに優れ、
また、ポットライフ、シェルフライフが長い光硬化性・
熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を提供でき、こ
のような組成物を用いることにより、自動露光機を用い
て露光が可能となり、プリント配線板上に密着性、電気
絶縁性、耐電蝕性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐アルカ
リ性、耐酸性、耐めっき性等に優れたソルダーレジスト
膜を作業性よく形成できることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、前記のような多官能エポキシ化
合物(D)は、軟化点及び融点が高いため、前記組成物
の塗膜を仮乾燥する際の温度(約60〜100℃)では
軟化せず、従って指触乾燥性に優れた乾燥塗膜が得ら
れ、自動露光機による露光を問題なく行える。また、前
記組成物に感光性モノマーを加えても指触乾燥性をそれ
程悪化させることはないので、光硬化性・熱硬化性ソル
ダーレジストインキ組成物の光硬化性に対する高感度化
を図ることも可能となる。さらに、前記多官能エポキシ
化合物(D)は、有機溶剤に難溶性であるため、前記組
成物の保存温度(一般に常温)では極めて反応性が低
く、従ってこのような多官能エポキシ化合物(D)を含
有してなる組成物は、ポットライフ、シェルフライフが
長くなると共に、一液化も可能となる。その反面、その
後の熱硬化(ポストキュアー)の工程において、前記組
成物の光硬化塗膜が前記多官能エポキシ化合物(D)の
融点近くの温度に加熱されると、前記多官能エポキシ化
合物(D)は軟化、溶融し、前記カルボキシル基を有す
る感光性プレポリマー(A)との間で架橋反応が起こ
り、前記のような諸特性に優れたソルダーレジスト膜が
得られる。
【0009】以下、本発明の光硬化性・熱硬化性ソルダ
ーレジストインキ組成物の各成分について詳細に説明す
る。上記感光性プレポリマー(A)としては、1分子中
にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和
結合を併せ持ち、且つ固形分酸価が50〜150mgK
OH/gとなる公知慣用の感光性プレポリマー(オリゴ
マー又はポリマー)が使用できるが、特に組成物の一液
化の点において、(1)1分子中に2個以上のエポキシ
基を有する多官能のエポキシ化合物(以下、エポキシ樹
脂(a)と称す)と不飽和モノカルボン酸(b)をエス
テル化反応(全エステル化又は部分エステル化、好まし
くは全エステル化)させ、得られたエステル化物の水酸
基に固形分酸価が50〜150mgKOH/gとなるよ
うにさらに飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)を反
応させて得られる樹脂、(2)(メタ)アクリル酸と他
のエチレン性不飽和結合を有する共重合性モノマー
(d)との共重合物に、固形分酸価が50〜150mg
KOH/gとなるように、部分的にグリシジル(メタ)
アクリレートを反応させて得られる重量平均分子量が
5,000〜20,000の範囲にある樹脂、(3)グ
リシジル(メタ)アクリレートと他のエチレン性不飽和
結合を有する共重合性モノマー(d)との共重合物に不
飽和モノカルボン酸(b)を反応させ、得られた反応生
成物の水酸基に固形分酸価が50〜150mgKOH/
gとなるように飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)
を反応させて得られる重量平均分子量が5,000〜2
0,000の範囲にある樹脂などを好適に用いることが
できる。
【0010】上記のような感光性プレポリマー(A)
は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカル
ボキシル基を付与したものであるため、この感光性プレ
ポリマーを含有する組成物は、希アルカリ水溶液による
現像が可能となると同時に、露光、現像後、塗膜を後加
熱することにより、別に熱硬化性の配合成分として加え
る多官能エポキシ化合物(D)のエポキシ基と上記側鎖
の遊離のカルボキシル基との間で付加反応が起こり、耐
熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性、無電解金めっき耐
性、電気特性、硬度などの諸特性に優れたソルダーレジ
スト膜が得られる。
【0011】前記(1)の樹脂の合成に用いられる前記
エポキシ樹脂(a)としては、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAの
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹
脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール
メタン型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂
等の公知慣用のエポキシ樹脂を単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることができるが、フェノールノボラッ
ク型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAのノ
ボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂がはんだ耐熱
性や耐薬品性等の特性において優れたソルダーレジスト
膜が得られるので、特に好ましい。
【0012】前記(1)及び(3)の樹脂の合成に用い
られる前記不飽和モノカルボン酸(b)としては、アク
リル酸、メタアクリル酸、桂皮酸、飽和又は不飽和の二
塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メ
タ)アクリレート類との反応物等があり、これらを単独
で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、
光硬化性の観点からアクリル酸又はメタアクリル酸が好
ましい。
【0013】また、前記(1)及び(3)の樹脂の合成
に用いられる飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)と
しては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸等の無水物があり、これらの中でもテトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びコハク酸の無水物が硬
化塗膜の特性の観点から特に好ましく、これらを単独で
又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
ら多塩基酸無水物(c)の使用割合としては、反応生成
物の固形分酸価が50〜150mgKOH/gとなる範
囲である。生成される感光性プレポリマーの酸価が50
mgKOH/g未満の場合、アルカリ溶解性が悪くな
り、後述する希アルカリ水溶液での現像が困難となり、
一方、150mgKOH/gを超えて大きくなると、光
硬化膜の耐現像性や、耐アルカリ性、電気特性等のレジ
ストとしての特性が低下し、ソルダーレジストとして使
用できなくなる恐れがあるので、いずれも好ましくな
い。
【0014】前記(2)及び(3)の樹脂の合成に用い
られる他のエチレン性不飽和結合を有する共重合性モノ
マー(d)の代表的なものとしては、スチレン、クロロ
スチレン、α−メチルスチレン;置換基としてメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オク
チル、カプリル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オ
クタデシル、シクロヘキシル、イソボルニル、メトキシ
エチル、ブトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−
ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピル等の置換基を有するアクリレートもしくはメタクリ
レート;ポリエチレングリコールのモノアクリレートも
しくはモノメタクリレート、又はポリプロピレングリコ
ールのモノアクリレート、モノメタクリレート;酢酸ビ
ニル、酪酸ビニル又は安息香酸ビニル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリル
アミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−
メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルア
クリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド;ア
クリロニトリルもしくは無水マレイン酸等があり、これ
らを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きるが、共重合樹脂のガラス転移点Tgやコストの面か
ら、スチレンや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートやメチル(メタ)アクリレートを用いることが好ま
しい。また、塗膜中の光透過性の面から、ベンゼン環を
含まないメチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートを使用することがより好ま
しい。
【0015】前記(2)及び(3)の樹脂の重量平均分
子量は5,000〜20,000の範囲にあることが必
要である。重量平均分子量が5,000未満となった場
合、はんだ耐熱性などの硬化塗膜特性が得られ難くな
り、一方、重量平均分子量が20,000を超えた場
合、希アルカリ水溶液による現像が困難となり、ソルダ
ーレジストとして使用出来なくなる恐れがある。
【0016】前記光重合開始剤(B)としては、ベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾ
インとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オンなどのアセトフェノン類;2−メチルアントラキ
ノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブ
チルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−
アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプ
ロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセト
フェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール
などのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノ
ン類又はキサントン類などの公知慣用の光重合開始剤を
単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。また、これらの光重合開始剤(B)は、N,N−ジ
メチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−
ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン等の三級アミン類のような公知慣用の
光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いる
ことができる。
【0017】上記のような光重合開始剤(B)の配合割
合は、前記感光性プレポリマー(A)100重量部に対
して1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部であ
る。光重合開始剤(B)の使用量が上記範囲より少ない
場合、組成物の光硬化性が悪くなり、逆に多過ぎる場合
は、ソルダーレジストとしての前記したような特性が低
下するので好ましくない。
【0018】前記有機溶剤(C)としては、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、
キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビ
トール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチル
カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類;エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂
肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナ
フサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げら
れ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0019】有機溶剤(C)の使用目的は、前記感光性
プレポリマー(A)を溶解し、希釈せしめ、それによっ
て液状として塗布し、次いで仮乾燥させることにより造
膜せしめ、接触露光を可能とするためである。有機溶剤
の使用量は特定の割合に限定されるものではないが、前
記感光性プレポリマー(A)100重量部に対して30
〜300重量部程度の範囲が適当であり、選択する塗布
方法等に応じて適宜設定できる。
【0020】前記結晶性で融点が130〜160℃、好
ましくは135〜160℃の範囲にあり、且つ有機溶剤
に難溶性である多官能エポキシ化合物(D)としては、
上記条件を満たす多官能エポキシ化合物であれば特に限
定されないが、本発明においては、αートリグリシジル
イソシアヌレートが特に好適に使用できる。α−トリグ
リシジルイソシアヌレートは、前記したように、S−ト
リアジン環骨格面に対し、3個のエポキシ基が同一方向
に付いた構造を有し、融点が150〜156℃であり、
且つ前記したような有機溶剤(C)に対する溶解性が低
いという性質を有している。このようなα−トリグリシ
ジルイソシアヌレートの市販品としては、例えば日産化
学工業(株)製TEPIC(登録商標)−Hがある。
【0021】α−トリグリシジルイソシアヌレートの異
性体として、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポ
キシ基が他の2個のエポキシ基と異なった方向に付いた
構造(以下、β体と称す)を持つβ−トリグリシジルイ
ソシアヌレート(市販品としては、例えば日産化学工業
(株)製TEPIC−Lがある)があるが、β体は、融
点が101〜106℃であり、且つ有機溶剤に対する溶
解性がα体に比べて高いという性質を有していることか
ら、本発明で用いる多官能エポキシ化合物(D)として
は適さず、β体を単独で用いることはできない。しかし
ながら、前記多官能エポキシ化合物(D)としてトリグ
リシジルイソシアヌレートを用いる場合、必ずしもα体
だけを用いる必要はなく、上記範囲内の融点を有し、一
緒に混合される有機溶剤に難溶性を示すという条件を満
たすものであれば、α体とβ体との混合物、或いはα体
と他の多官能エポキシ化合物との混合物等を用いること
ができる。ただし、例えばα体とβ体との混合物を用い
る場合、α体の含有率は60重量%以上にする必要があ
る。α体の含有率が60重量%未満になると混合物の融
点が130℃未満となり、仮乾燥後の指触乾燥性や現像
ライフが低下するので好ましくない。また、同様の多官
能エポキシ化合物でもその融点が160℃を超える多官
能エポキシ化合物の場合、熱硬化時に溶融せず、硬化塗
膜が白化するという現象を起こすことがあるので好まし
くない。
【0022】トリグリシジルイソシアヌレートは、一般
にイソシアヌル酸とエピクロルヒドリンとの反応生成物
に苛性ソーダを作用させ、脱NaClによって閉環させ
て合成されるが、通常、β体とα体が25重量%以下の
混合物であり、また塩素が分子内に残留した結晶性のな
い多核体の副生成物も少量含まれる。この副生成物は結
晶性がないため再結晶法によってα体、β体から分離さ
れ、塩素含量が低く抑えられた高純度グレードのものも
製造できる。一般に市販品のトリグリシジルイソシアヌ
レートは、一般グレードから塩素含量を低く抑えた高純
度グレードのものまであるが、β体の含有量がα体の含
有量の約3倍以上と多いため、例えば日産化学工業
(株)によりTEPIC(登録商標)として市販されて
いるものは融点90〜125℃のトリグリシジルイソシ
アヌレートである。また、上記合成過程において洗浄に
よって除かれなかった残留NaCl及び上記副生成物に
由来する塩素分(塩素イオン)を含むため、これをソル
ダーレジストインキ組成物の熱硬化性成分として用いた
場合、形成されるソルダーレジスト膜の電気絶縁性、耐
電蝕性等の電気特性に悪影響を及ぼすという難点があ
る。
【0023】本発明で好適に用いられるα−トリグリシ
ジルイソシアヌレートは、有機溶剤に対する溶解度の差
を利用して再結晶法によりβ−トリグリシジルイソシア
ヌレートから分離、精製される。そして、このように分
離精製されたα体には塩素残渣(塩素イオン)等の不純
物が殆ど含まれないため、ソルダーレジストインキ組成
物の熱硬化性成分として用いた場合、電気絶縁性、耐電
蝕性等の電気特性に優れたソルダーレジスト膜を形成で
きる。前記したような多官能エポキシ化合物(D)、例
えばα−トリグリシジルイソシアヌレート、又はα体を
60重量%以上含有するα体とβ体の混合トリグリシジ
ルイソシアヌレートの配合割合は、前記感光性プレポリ
マー(A)のカルボキシル基1当量に対して、0.3〜
2.0エポキシ当量、好ましくは0.8〜1.6エポキ
シ当量の範囲が望ましい。
【0024】なお、本発明のソルダーレジストインキ組
成物においては、熱硬化性成分として、前記した多官能
エポキシ化合物(D)の一部に置き換えて、有機溶剤に
可溶な公知慣用の多官能エポキシ化合物(E)を、現像
ライフ、指触乾燥性等の特性において実用上問題のない
範囲で用いることができる。このような有機溶剤に可溶
な多官能エポキシ化合物(E)としては、例えばビスフ
ェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノー
ルF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAのノボ
ラック型、ビフェノール型、ビキシレノール型、トリス
フェノールメタン型、N−グリシジル型などのエポキシ
樹脂が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合
わせて併用することができる。このような有機溶剤に可
溶な多官能エポキシ化合物(E)の配合量は、熱硬化性
成分としての全エポキシ化合物のエポキシ当量の50モ
ル%未満の割合であることが好ましい。有機溶剤に可溶
な多官能エポキシ化合物(E)の配合割合が50モル%
以上、従って前記した有機溶剤に難溶性の高融点多官能
エポキシ化合物(D)の配合割合が50モル%未満にな
ると、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフが低下するの
で好ましくない。また、上記のような有機溶剤に可溶な
多官能エポキシ化合物(E)を多量に併用する場合、プ
リント配線板への塗布前に多少増粘し易くなるので、前
記感光性プレポリマー(A)を主成分とする主剤と熱硬
化性成分(D及びE)を主成分とする硬化剤の二液形態
に組成し、使用に際して両者を混合して用いるのが望ま
しい。
【0025】また、本発明のソルダーレジストインキ組
成物は、必要に応じて、プリント配線板の回路、即ち銅
の酸化防止の目的で、アデニン、ビニルトリアジン、ジ
シアンジアミド、オルソトリルビグアニド、メラミン等
の化合物を使用することができる。これらの化合物の使
用範囲は、前記感光性プレポリマー(A)100重量部
に対し20重量部以下であり、これらを添加することに
より、形成されるソルダーレジスト膜の耐薬品性が向上
する。
【0026】また、ソルダーレジストインキ組成物の光
硬化性を上げるために、必要に応じて光重合性モノマー
を添加してもよい。光重合性モノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモ
ルフォリン、メトキシテトラエチレングリコールアクリ
レート、メトキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノプロピルアクリレート、メラミンアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、フェノキシエチ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、トリメチロールプロ
パンアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ
アクリレート、グリセリントリグリシジルエーテルトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソボルニル
アクリレート、シクロペンタジエン モノ−あるいはジ
−アクリレート、及び上記アクリレートに対応する各メ
タクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートとのモノー、ジー、トリー又はそれ以
上のポリエステルなどがあり、これらを単独で又は2種
以上を組み合わせて使用できる。特に、組成物の液安定
性の点で親水性基含有の(メタ)アクリレート類が、ま
た光硬化性の点で多官能性の(メタ)アクリレート類が
好ましい。これらの光重合性モノマーの使用範囲は、前
記感光性プレポリマー(A)樹脂100重量部に対して
40重量部以下であり、これより多い場合は、指触乾燥
性が悪くなるので好ましくない。
【0027】さらに、密着性、硬度、はんだ耐熱性等の
特性を上げる目的で、必要に応じて硫酸バリウム、チタ
ン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定形シリカ、タルク、
クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊
維、雲母粉などの公知慣用の無機充填剤が配合でき、そ
の配合割合は前記感光性プレポリマー(A)100重量
部に対し300重量部以下であり、好ましくは5〜20
0重量部の割合である。また、必要に応じてフタロシア
ニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン
・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレッ
ト、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラッ
クなどの公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱
重合禁止剤、アスベスト、微粉シリカ、有機ベントナイ
ト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコ
ーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレ
ベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾ
ール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤のよ
うな公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0028】以上のような組成を有するソルダーレジス
トインキ組成物は、必要に応じて塗布方法に適した粘度
に調整し、回路形成されたプリント配線板にスクリーン
印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロール
コート法等の方法により塗布し、例えば60〜100℃
の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させる
(仮乾燥)ことにより、現像ライフの長いタックフリー
の塗膜を形成できる。その後、接触方式(又は非接触方
式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して
選択的に活性光線により露光し、未露光部を希アルカリ
水溶液(例えば0.5〜5%炭酸ソーダ水溶液)により
現像してレジストパターンを形成でき、さらに、例えば
140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることに
より、密着性、硬度、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐溶剤
性、電気絶縁性、耐電蝕性等に優れたソルダーレジスト
膜が形成される。
【0029】上記現像に使用される希アルカリ水溶液と
しては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム、アンモニア、アミン類などの希アルカリ水溶液
が使用できる。また、光硬化させるための照射光源とし
ては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、キセノンランプまたはメタルハライドランプなど
が適当である。その他、レーザー光線なども露光用活性
光線として利用できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。なお、以下にお
いて「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り
全て重量基準である。
【0031】合成例1 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエピクロンN−
695(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量
=220)220部を撹拌機及び還流冷却器の付いた四
つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート206部
を加えて加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイド
ロキノン0.1部と、反応触媒としてトリフェニルホス
フィン2.0部を加えた。この混合物を95〜105℃
に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間
反応させた。得られた反応生成物を80〜90℃まで冷
却し、テトラヒドロフタル酸無水物91.2部を加えて
8時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして
得られたエチレン性不飽和結合及びカルボキシル基を併
せ持つ感光性プレポリマーは、不揮発分65%、固形物
の酸価87.8mgKOH/gであった。以下、この反
応生成物の溶液をAワニスと称す。
【0032】合成例2 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート188.4部を入
れ、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、メタク
リル酸80.0部、メチルメタクリレート103.2
部、及びアゾビスイソブチロニトリル7.3部の混合溶
液を3時間かけて滴下した。その後さらに4時間攪拌
し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を80℃に加熱し、
そこに、メチルハイドロキノン0.1部、エステル化触
媒としてトリフェニルホスフィン0.4部を加え、グリ
シジルメタクリレート99.4部を徐々に滴下し、80
〜95℃で12時間反応させ、固形分酸価が99.3m
gKOH/gで、重量平均分子量が12,700の樹脂
溶液を得た。以下、この樹脂溶液をBワニスと称す。
【0033】合成例3 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート298.0部を入
れ、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、メチル
メタクリレート70.0部、グリシジルメタクリレート
184.6部、及びパーブチルO(日本油脂(株)製、
有機過酸化物系重合開始剤)10.2部の混合溶液を3
時間かけて滴下した。その後さらに4時間攪拌し、樹脂
溶液を得た。この樹脂溶液を80℃に加熱し、そこに、
メチルハイドロキノン0.2部、エステル化触媒として
トリフェニルホスフィン0.6部を加え、アクリル酸9
3.6部を徐々に滴下し、80〜95℃で16時間反応
させた。さらに、この樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸
無水物98.8部を加え、80〜90℃で8時間反応さ
せ、固形分酸価が81.2mgKOH/gで、重量平均
分子量が8,700の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂
溶液をCワニスと称す。
【0034】実施例1 前記合成例1で得られたAワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジストイン
キ組成物を得た。 Aワニス 60部 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 4部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 4部 2,4−ジエチルチオキサントン 1部 フタロシアニングリーン 1部 カルビトール 2部 TEPIC−H 8部 硫酸バリウム 20部 合計 100部
【0035】実施例2 前記合成例2で得られたBワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジストイン
キ組成物を得た。 Bワニス 60部 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 4部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 4部 2,4−ジエチルチオキサントン 1部 フタロシアニングリーン 1部 カルビトール 2部 TEPIC−H 8部 硫酸バリウム 20部 合計 100部
【0036】実施例3 前記合成例3で得られたCワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジストイン
キ組成物を得た。 Cワニス 60部 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 4部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 4部 2,4−ジエチルチオキサントン 1部 フタロシアニングリーン 1部 カルビトール 2部 TEPIC−H 8部 硫酸バリウム 20部 合計 100部
【0037】実施例4 前記合成例1で得られたAワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジストイン
キ組成物を得た。 Aワニス 60部 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 4部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 4部 2,4−ジエチルチオキサントン 1部 フタロシアニングリーン 1部 カルビトール 2部 TEPIC−H 6部 TEPIC−L 2部 硫酸バリウム 20部 合計 100部
【0038】比較例1 前記合成例1で得られたAワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジストイン
キ組成物を得た。 Aワニス 60部 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 4部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 4部 2,4−ジエチルチオキサントン 1部 フタロシアニングリーン 1部 カルビトール 2部 TEPIC (日産化学工業(株)製のトリグリシジルイソ シアヌレートで、α体が25%以下である。) 8部 硫酸バリウム 20部 合計 100部
【0039】性能評価: (1)仮乾燥後の指触乾燥性 上記の実施例1〜4及び比較例1の各インキ組成物を、
パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面
塗布し、80℃で20分間、乾燥させた基板を作成し、
その塗膜表面の指触乾燥性を評価した。 ○ : 全くベタ付きのないもの △ : ほんの僅かにベタ付きのあるもの × : ベタ付きのあるもの
【0040】(2)現像ライフ 上記実施例1〜4及び比較例1の各インキ組成物を、パ
ターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗
布し、80℃で乾燥時間を各々5分間隔で変えた基板を
用意する。この基板にネガフィルムを当て、ソルダーレ
ジストパターンを露光し、1%Na2 CO3 水溶液によ
りスプレー圧2kg/cm2 で1分間現像し、仮乾燥後
の現像ライフ(現像可能な最長乾燥時間)を調べた。
【0041】上記実施例1〜4及び比較例1の各インキ
組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン
印刷で全面塗布し、80℃で15分間乾燥し、タックフ
リーの塗膜を形成した。この基板にネガフィルムを当
て、ソルダーレジストパターンを露光し、1%Na2
3 水溶液で現像し、パターン形成した。さらにこの基
板を150℃で40分間熱硬化して評価基板を作製し、
以下の特性評価試験に供した。
【0042】(3)はんだ耐熱性 ロジン系フラックスを塗布した上記評価基板を、予め2
60℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、トリクロ
ロエタンでフラックスを洗浄した後、目視によるレジス
ト膜の膨れ・剥がれ・変色について評価した。 ○ : 全く変化が認められないもの △ : ほんの僅か変化したもの × : レジスト膜に膨れ、剥がれがあるもの
【0043】(4)耐酸性 上記評価基板を常温の10vol%の硫酸水溶液に所定
時間(10分間、30分間)浸漬し、水洗後、セロハン
粘着テープによるピールテストを行い、レジスト膜の剥
がれ・変色について評価した。 ○ : 全く変化が認められないもの △ : ほんの僅か変化したもの × : レジスト膜に剥がれがあるもの
【0044】(5)絶縁特性(絶縁抵抗) IPC B−25のクシ型電極Bクーポンを用い、上記
の条件で評価基板を作製し、このクシ型電極にDC50
0Vのバイアスを印加し、初期絶縁抵抗値を測定した。
さらにこの評価基板を40℃、95%R.H.の恒温恒
湿槽に200時間入れ、加湿後の絶縁抵抗値を上記と同
様にして測定した。
【0045】上記各試験の結果を表1にまとめて示す。
【表1】 表1に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1
〜3のソルダーレジストインキ組成物は、仮乾燥後の指
触乾燥性や現像ライフに優れており、また、それらを用
いて形成されたレジスト膜は、はんだ耐熱性、耐酸性、
絶縁特性等のソルダーレジストに要求される諸特性にも
優れていた。一方、実施例4のソルダーレジストインキ
組成物は、熱硬化性成分としてα−トリグリシジルイソ
シアヌレート(TEPIC−H)の他にβ−トリグリシ
ジルイソシアヌレート(TEPIC−L)も併用したた
め、実施例1〜3のものに比べて仮乾燥後の指触乾燥性
や現像ライフにおいて若干劣っていたが、それでもα体
の含有量が25%以下の一般のトリグリシジルイソシア
ヌレート(TEPIC)を用いた比較例1のものに比べ
てかなり優れており、また形成されたレジスト膜の特性
においては実施例1〜3のものと遜色なかった。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の光硬化性・熱硬
化性ソルダーレジストインキ組成物は、熱硬化性成分と
して、結晶性で融点が130〜160℃であり、且つ有
機溶剤に難溶性である多官能エポキシ化合物を用いてい
るため、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフに優れると
共に、上記多官能エポキシ化合物は感光性プレポリマー
に難溶なことから、得られる組成物のポットライフ、シ
ェルフライフが長くなり、分散型の一液化が可能であ
る。また、このようなソルダーレジストインキ組成物を
用いることにより、ソルダーレジストに要求される密着
性、電気絶縁性、耐電蝕性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、
耐アルカリ性、耐酸性、耐めっき性等に優れたソルダー
レジスト膜を作業性よく形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/028 G03F 7/028 H05K 3/28 H05K 3/28 D (72)発明者 斎藤 照夫 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太陽インキ製造株式会社 嵐山事業所内 (56)参考文献 特開 平5−346667(JP,A) 特開 平1−141904(JP,A) 特開 平3−250012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/027 C09D 11/00 C09D 163/06 G03F 7/004 G03F 7/028 H05K 3/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中にカルボキシル基と少な
    くとも2個のエチレン性不飽和結合を併せ持ち、且つ固
    形分酸価が50〜150mgKOH/gの感光性プレポ
    リマー、(B)光重合開始剤、(C)有機溶剤、及び
    (D)単独で又は2種以上の混合物の場合には混合物全
    体として、融点が130〜160℃の範囲にあり、且つ
    上記有機溶剤(C)に難溶性である多官能エポキシ化合
    物を含有することを特徴とする光硬化性・熱硬化性ソル
    ダーレジストインキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記多官能エポキシ化合物(D)が、S
    −トリアジン環骨格面に対し同一方向にエポキシ基が付
    いた構造を持つα体のトリグリシジルイソシアヌレート
    を60重量%以上含有するトリグリシジルイソシアヌレ
    ートであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記感光性プレポリマー(A)が、ノボ
    ラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とをエ
    ステル化反応させ、得られたエステル化物の水酸基にさ
    らに飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて得ら
    れ、且つ固形分酸価が50〜150mgKOH/gのプ
    レポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記感光性プレポリマー(A)が、(メ
    タ)アクリル酸と他のエチレン性不飽和結合を有する共
    重合性モノマーとの共重合物に部分的にグリシジル(メ
    タ)アクリレートを反応させて得られる重量平均分子量
    が5,000〜20,000であり、且つ固形分酸価が
    50〜150mgKOH/gのプレポリマーであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記感光性プレポリマー(A)が、グリ
    シジル(メタ)アクリレートと他のエチレン性不飽和結
    合を有する共重合性モノマーとの共重合物に不飽和モノ
    カルボン酸を反応させ、得られた反応生成物の水酸基に
    さらに飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて得
    られる重量平均分子量が5,000〜20,000であ
    り、且つ固形分酸価が50〜150mgKOH/gのプ
    レポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】 さらに前記有機溶剤(C)に可溶性の1
    分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する多官能エ
    ポキシ化合物(E)を、全エポキシ化合物のエポキシ当
    量の50モル%未満の割合で含有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
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