JP4554170B2 - 紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂、ソルダーレジスト膜用紫外性硬化型樹脂およびプリント配線板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線露光及びアルカリ水溶液による画像形成が可能である紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂、並びに前記樹脂により形成される硬化物及び硬化製品に関する。本発明に係る紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂並びに硬化物又は硬化製品は、電気絶縁材料特にプリント配線板用ソルダーレジスト用の樹脂として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
ソルダーレジストは、印刷配線板の製造に際し、回路導体のはんだ付け部分以外の部分を全面にわたって皮膜形成するために用いられるもので、印刷配線板に電子部品を半田付けする際、はんだが不必要な部分に付着するのを防止し、かつ回路導体が空気に直接さらされて酸素や湿気により腐食されるのを防止するための保護膜としての役割を果たしている。
【0003】
そして、このような要求にこたえるために、解像性や再現性に限度のあるスクリーン印刷法から、位置精度、導体エッジ部の被覆性が良好なドライフィルムや液状フォトソルダーレジスト法への転換がはかられ、既にこの方法に適したものとして、ビスフェノール型エポキシアクリレートと増感剤とエポキシ化合物とエポキシ硬化剤と有機溶剤とを含有した液状ソルダーレジスト組成物が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】
特公昭51−40451号公報
【0004】
これらの液状ソルダーレジスト組成物を用いてパターン形成するには、これを印刷配線板上にスクリーン印刷法、カーテンコーター,スプレーコーター及びロールコーター等により全面に塗布し、有機溶剤を揮散させたのち、画像形成露光し、未露光部分を有機溶剤で除去して現像することによって行われる。しかし、この有機溶剤による未露光部分の除去(現像)は、有機溶剤を多量に使用するため、環境汚染や火災などの危険性があるのみならず、特に人体に与える影響が最近大きくクローズアップされてきていることから、その対策に苦慮しているのが現状である。
【0005】
このような欠点を克服するために、希アルカリ水溶液現像タイプの感光性樹脂、例えばノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、多塩基酸無水物を反応させたものと、光重合開始剤と希釈剤とエポキシ化合物とを含有するフォトソルダーレジスト組成物(特許文献2)などが提案されている。
【特許文献2】
特公平1−54390号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ノボラック型エポキシ樹脂に対して、不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに多塩基酸無水物を付加して得られる樹脂を含有するソルダーレジスト組成物には次の問題がある。まずこの樹脂を得るには、不飽和モノカルボン酸としてはたとえば(メタ)アクリル酸を使用し、多塩基酸無水物としては無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸無水物を使用している。しかし、このような配合では、塗膜のタック性に改善の余地がある。その上、例えば耐熱性や耐金メッキ特性に必要な塗膜の可とう性、密着性などの特性を、使用目的にあわせて格段に優れるように設計しようとしても限界がある。なぜならノボラック型エポキシ樹脂に結合するこれらの反応物は、それぞれの単分子化合物を結合した鎖状化合物であり、それぞれの単分子化合物の範囲は限られていて、取り入れられる骨格そのものも比較的単純な鎖状結合であり選択の幅が狭い。このためノボラック型エポキシ樹脂に結合するこの鎖状化合物を、その限られた範囲内で変化させるだけでは、前述のような最適な設計を行い難い。また、配合によっては紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂を製造するのに対して、ゲル化が生じやすいという問題もある。
【0007】
本発明の課題は、紫外線露光及び希アルカリ水溶液による現像により画像形成可能であり、光感度が高く、耐熱性、耐溶剤性に優れると共に、使用目的に応じて分子量や塗膜特性を容易に設計、変更することができるような紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂は、一種類以上のエポキシ化合物のエポキシ基に対してエポキシ基1当量当たり0.7〜1.2当量のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、次いで前記不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に対して多塩基酸無水物のカルボキシル基を水酸基1当量当たり前記多塩基酸無水物0.1〜0.9当量の割合で反応させて生成物(a)を得、生成物(a)のカルボキシル基および水酸基に対してトリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基を反応させ、次いでラジカル重合性不飽和モノカルボン酸をトリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基1当量あたり0.3〜1.3当量反応させることで生成物(b)を得、この生成物(b)の水酸基およびエポキシ基に対して多塩基酸無水物を反応させて得られることを特徴とする。
【0009】
このようにして得られた樹脂は、トリグリシジルイソシアヌレート系の感光性樹脂の特徴である、高い耐熱性,耐薬品性,並びにトリグリシジルイソシアヌレートのアクリレートが有するC=C基の高い含有率から導き出される高い光感度を保持している。これと共に、原料となるエポキシ樹脂の種類を選択することによって、使用目的に応じて分子量や塗膜特性を容易に設計,変更することができる。
【0010】
例えば、高い耐熱性、耐薬品性及び高い光感度を保持しながら、タックの特性を向上させることが可能である。例えば,ビスフェノール型エポキシ樹脂由来の良好な金メッキ性や、ノボラック型エポキシ樹脂由来の高い光感度を発現させることができる。従って、高い耐熱性,耐薬品性及び高い光感度を保持しながら、所望の付加的な物性を得ることができる。また、このような合成手法では、分子量の調整が容易であり、樹脂を製造する際のゲル化を容易に防止できる。
従って、本発明の樹脂は、ソルダーレジストなどのプリント配線板材料、プラスチックレリーフ材料、フラットパネルディスプレイ用材部、コーティング保護膜等に好適に用いることができる。
【0011】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
最初にエポキシ化合物を適当な希釈剤に溶解し、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエンなどの熱重合禁止剤並びにジメチルベンジルアミン、トリエチルアミンなどの三級アミン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィンなどのりん系化合物など公知の触媒を用いて、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸)をエポキシ基の1化学当量に対して好ましくは0.7〜1.2化学当量(特に好ましくは0.8〜1.0化学当量)となる比で加え、好ましくは60〜150℃(特に好ましくは80〜130℃)で反応させエポキシアクリレートからなる第一の反応生成物が得られる。
【0012】
上記のエポキシ化合物としては、2官能以上のエポキシ化合物を用いる。エポキシ化合物としては、環構造を有する化合物が好ましく、例えばベンゼン環に代表される芳香族環、イソシアヌル酸環を有する化合物及びシクロヘキシル環などの脂肪族環が挙げられる。エポキシ化合物のエポキシ当量としては90〜500が最終的に得られるエポキシ化合物変性不飽和多塩基酸変性エポキシ樹脂の感光性向上の点で好ましくその分子量としては200〜1000が、その樹脂を合成する上で反応制御しやすい点で好ましい。
【0013】
エポキシ化合物としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製エピクロン1050、ジャパンエポキシレジン(株)社製エピコート828)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830、東都化成(株)製YDF−2001、新日鐵化学社製YSLV-80XY)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製エピクロンEXA−1514)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)社製エピクロンN−770、ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート152,154)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−660,N−673,N−695、東都化成(株)社製YDCN−702)、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂(例:ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート157S70)、ビフェニル型エポキシ樹脂(例:ジャパンエポキシレジン(株)製エピコートYX−4000)、ビフェニル基含有エポキシ樹脂(例:日本化薬(株)製 NC-3000)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製HP−7200)、アミノ基含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例:日本化薬(株)製 GOT)、複素環式エポキシ樹脂(例:日産化学工業(株)社製TEPIC)、ハイドロキノン型エポキシ樹脂(例:東都化成(株)製 YDC-1312),脂肪族エポキシ樹脂(例:ダイセル化学工業(株)製 エポリードPB3600)、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例:東都化成(株)社製ST−3000)、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(例:大日本インキ化学工業(株)製HP−4032、日本化薬(株)製 NC-7300)、脂環式エポキシ樹脂(例:ダイセル化学(株)製 EHPE-3150、セロキサイド2021、セロキサイド2081)、ラクトン変性エポキシ樹脂(例:ダイセル化学(株)製 プラクセルG)トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、(例:ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート1031)、ゴム変性エポキシ樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂及びテルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記化合物のみに限定されず公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
【0014】
これらのエポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させるとエポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂して水酸基とエステル結合が生成する。使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、特に制限は無く、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ系化合物とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミンなどの三級アミン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィンなどのりん系化合物など公知の触媒を用いることができる。
【0015】
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の量としてはエポキシ化合物が有するエポキシ基1当量あたり0.7〜1.2当量反応させ、アクリル酸またはメタクリル酸の少なくとも一方を用いるときは、さらに好ましくは0.8〜1.0当量加えて反応させる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が0.7当量未満であると、後続の合成の反応時にゲル化を起こす可能性、あるいは樹脂の安定性が低下する等の問題が生じることがある。またラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が過剰であると未反応のカルボン酸が多く残存するため、硬化物の諸特性(例えば耐水性等)を低下させる恐れがある。
【0016】
エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は、加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、60〜150℃である事が好ましい。反応温度が150℃を超えるとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また60℃未満では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
【0017】
エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は希釈剤(溶媒)を用いて反応させることが好ましいが、必要でなければ希釈剤(溶媒)無しで行うことができる。希釈剤中での反応においては、希釈剤の配合量が反応系の総重量に対して、10〜80%(特に好ましくは20〜70%)であることが好ましい。エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応生成物は単離することなく、希釈剤溶液のまま次の反応に供する事ができる。
【0018】
エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂(第一の生成物)に、飽和若しくは不飽和の多塩基酸無水物を反応させ生成物(a)を得る。生成物(a)は、エポキシ樹脂変性不飽和酸もしくはエポキシ樹脂変性不飽和多塩基酸である。この反応においては、エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応させ、樹脂生成物(a)に遊離のカルボキシル基を持たせる。
【0019】
生成物(a)を生成させる反応の際には、第一の反応生成物に生じた水酸基1化学当量に対して飽和もしくは不飽和の多塩基酸無水物を0.1〜0.9化学当量(特に好ましくは0.3〜0.7化学当量)となる比で加え、好ましくは60〜150℃(特に好ましくは80〜120℃)で反応させ第二の反応生成物(a)が得られる。
【0020】
このような多塩基酸無水物としては、特に制限は無く、飽和、不飽和のいずれも使用できる。このような多塩基酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、アジピン酸無水物、クエン酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸及びジグリコール酸無水物等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用することができ、また2種以上を混合してもよい。
【0021】
飽和もしくは不飽和の多塩基酸無水物は、上記の不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加される。この反応は加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、好ましくは60〜150℃(特に好ましくは80〜120℃)である。反応温度が150℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また60℃以下では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
【0022】
次いで、得られた第二の反応生成物(a)に対して、トリグリシジルイソシアヌレートを加え、生成物(a)のカルボキシル基もしくは水酸基とトリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基を反応させ、第三の反応生成物を得る。この反応は、好ましくは60〜150℃(特に好ましくは80〜130℃)で行う。この際トリグリシジルイソシアヌレートとしてS−トリアジン環骨格面に対し同一方向にエポキシ基が付いた構造のβ-トリグリシジルイソシアヌレートを用いる場合は、反応温度を80℃〜160℃に設定し行うことが好ましい。
【0023】
次いで得られた第三の反応生成物に対して、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させ、第四の反応生成物(b)を得る。この際には、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエンのような熱重合禁止剤を使用することが好ましい。また、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の量は、トリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基の1化学当量に対して0.3〜1.3化学当量(特に好ましくは0.5〜0.8当量)となる比で加える。
【0024】
第三の反応生成物のエポキシ基並びに水酸基とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応条件に特に制限は無いが、加熱状態で行うことが好ましい。その反応温度は、60〜150℃(特に好ましくは80〜130℃)であることが好ましい。この際トリグリシジルイソシアヌレートとしてS−トリアジン環骨格面に対し同一方向にエポキシ基が付いた構造のβ-トリグリシジルイソシアヌレートを用いる場合は、反応温度を80℃〜160℃に設定し行うことが好ましい。反応温度が150℃を超えるとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また60℃未満では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
【0025】
ここで、生成物(a)にトリグリシジルイソシアヌレートおよびラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を供給し反応させる際には、生成物(a)を含む液中にトリグリシジルイソシアヌレートを供給し、反応させた後ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を供給し反応させる。
【0026】
ついで、飽和若しくは不飽和の多塩基酸無水物を第四の反応生成物(b)の水酸基並びにエポキシ基に反応させることにより、本発明の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂が得られる。
【0027】
本発明の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂の固形分酸価は好ましくは30〜160mgKOH/gとなるように、多塩基酸無水物の量を調節する。また反応温度は、60〜150℃(特に好ましくは80〜130℃)であることが好ましい。
【0028】
飽和もしくは不飽和の多塩基酸無水物は、上記の第四の反応生成物に添加され、その反応は加熱状態で行うのが好ましい。この反応温度は、60〜150℃(特に好ましくは80〜130℃)である事が好ましい。反応温度が150℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また60℃以下では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
【0029】
このような多塩基酸無水物としては、特に制限は無く、飽和、不飽和のいずれも使用できる。このような多塩基酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、アジピン酸無水物、クエン酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸及びジグリコール酸無水物等が挙げられるが特に制限されるものではない。これらの化合物は単独で使用することができ、また2種以上を混合してもよい。
【0030】
トリグリシジルイソシアヌレートについて述べる。
トリグリシジルイソシアヌレートは、S−トリアジン環骨格面に対し同一方向にエポキシ基が付いた構造を持つトリグリシジルイソシアヌレート(β−トリグリシジルイソシアヌレートと称す)であってよい。β−トリグリシジルイソシアヌレートは、S−トリアジン環骨格面に対し、3個のエポキシ基が同一方向に付いた構造を有し、融点が150〜156℃であり、有機溶剤(C)に対する溶解性が低いという性質を有している。このようなβ−トリグリシジルイソシアヌレートの市販品としては、例えば日産化学工業株式会社製「TEPIC−H」(登録商標)がある。
【0031】
また、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なった方向に付いた異性体構造を持つα−トリグリシジルイソシアヌレートであってよい。更に、α−トリグリシジルイソシアヌレートとβ−トリグリシジルイソシアヌレートとの混合物であってもよい。α−トリグリシジルイソシアヌレートは、融点が101〜106℃であり、且つ有機溶剤に対する溶解性がβ体に比べて高いという性質を有している。α−トリグリシジルイソシアヌレートの市販品としては、例えば日産化学工業株式会社製「TEPIC−L」がある。
【0032】
トリグリシジルイソシアヌレートは、一般にイソシアヌル酸とエピクロルヒドリンとの反応生成物に苛性ソーダを作用させ、脱NaClによって閉環させて合成されるが、通常、α体とβ体が25重量%以下の混合物である。一般に市販品のトリグリシジルイソシアヌレートは、一般グレードから塩素含量を低く抑えた高純度グレードのものまである。
【0033】
また、α−トリグリシジルイソシアヌレートとβトリグリシジルイソシアヌレートは、有機溶剤に対する溶解度の差を利用して再結晶法により分離精製することができる。
【0034】
本発明の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂の合成において、樹脂を高分子化(分子間の架橋)する手段として、主にカルボキシル基とエポキシ基の反応、若しくは水酸基とエポキシ基の反応等を利用しているが、これ以外にも分子内にイソシアネート基を少なくとも2つ有する化合物など適当な化合物を用いて反応させることも可能である。
【0035】
上述のようにして得られた本発明の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂は、例えば銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に所望の厚さで塗布し、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱して溶剤を揮散させた後、これに上記回路のパターンのはんだ付けランド以外は透光性にしたパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させ、このはんだ付けランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。この際使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。次いで、熱硬化性化合物を含有する場合には、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアーを行うことにより目的とするソルダーレジスト皮膜を形成せしめることができる。このようにしてソルダーレジスト膜で被覆したプリント配線板が得られ、これに電子部品が噴流はんだ付け方法や、リフローはんだ付け方法により半田付けされることにより接続、固定されて搭載され、一つの電子回路ユニットが形成される。本発明においては、その電子部品搭載前のソルダーレジスト皮膜を被覆したプリント配線板、このプリント配線板に電子部品搭載した電子部品搭載後のプリント配線板のいずれをもその対象に含む。
【0036】
【実施例】
(実施例1の樹脂の製造例)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1800重量部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロン1050、エポキシ当量480)480重量部及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)75重量部を溶解し、加熱還流下に反応させてエポキシアクリレートを得た。
次いで、このエポキシアクリレートにテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)125重量部を加え加熱還流下で反応させ、生成物(a)を得た。次にトリグリシジルイソシアヌレート750重量部並びにアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)330重量部を添加して加熱還流下で反応させ生成物(b)を得た。次にこれらの反応混合物にテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)1000重量部を加え加熱条件下で反応させた。以上の工程により得られた感光性樹脂溶液は固形分が60%で酸価は57mgKOH/g、分子量が13000であった。
【0037】
(実施例2の樹脂の製造例)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1700重量部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロン1050、エポキシ当量480)480重量部及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)75重量部を溶解し、加熱還流下に反応させてエポキシアクリレートを得た。
次いで、このエポキシアクリレートにテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)125重量部を加え加熱還流下で反応させ生成物(a)を得た。次にトリグリシジルイソシアヌレート750重量部並びにアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)430重量部を添加して加熱還流下で反応させ生成物(b)を得た。次にこれらの反応混合物にテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)780重量部を加え加熱条件下で反応させた。以上の工程により得られた感光性樹脂溶液は固形分が60%、酸価62mgKOH/g分子量が7000であった。
【0038】
(実施例3の樹脂の製造例)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1530重量部にフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート152、エポキシ当量180)180重量部及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)75重量部を加え加熱条件下にて反応を行いエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレートにテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)80重量部を加熱条件下で反応させ生成物(a)を得た。次にトリグリシジルイソシアヌレート750重量部並びにアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)430重量部を添加して加熱還流下で反応させ生成物(b)を得た。次にこれらの反応混合物にテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)780重量部を加え加熱条件下で反応させた。以上の工程により得られた感光性樹脂溶液は固形分が60%、酸価59mgKOH/g分子量が6000であった。
【0039】
(比較例1の製造例)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1800重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロン1050、エポキシ当量480)480重量部及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)75重量部を溶解し、加熱条件下に反応させてエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレートにトリグリシジルイソシアヌレート700重量部,アクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)250重量部を加え、加熱還流下に反応させて再度エポキシアクリレートを得た。更にこれらの反応物にテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)1100重量部を加え加熱条件下で反応させた。以上の条件によって行われた反応は反応中にゲル化を起こした。
これは、最初に得られたエポキシアクリレートに対して多塩基酸無水物を反応させる工程が無く、分子量制御が難しいからである。
【0040】
(比較例2の製造例)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1400重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、エピクロン1050、エポキシ当量480)480重量部アクリル酸72(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)重量部を溶解し、加熱条件下に反応させてエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレートにトリグリシジルイソシアヌレート1100重量部及アクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)450重量部を加え還流下に反応させて再度エポキシアクリレートを得た。更にこれらの反応物にテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)1500重量部を加え加熱条件下で反応させた。以上の条件によって行われた反応は反応中にゲル化を起こした。
これは、最初に得られたエポキシアクリレートに対して多塩基酸無水物を反応させる工程が無く、分子量制御が難しいからである。
【0041】
(比較例3の製造例)
カルビトールアセテート354重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 ( ジャパンエポキシレジン社製、エピコート1001、エポキシ当量460)920重量部、及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)144重量部を溶解し、加熱条件下に反応させてエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレートにヘキサヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)308重量部を加え、加熱条件下で反応させた。このようにして得られた感光性樹脂溶液は、樹脂固形分が65%であり、固形分酸価は54mgKOH/gであった。
【0042】
(比較例4の製造例)
カルビトールアセテート361重量部に、トリグリシジルイソシアヌレート( 日産化学社製、TEPIC−G、エポキシ当量105) 315重量部、及びアクリル酸(ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸)216重量部を溶解し、還流下に反応させてエポキシアクリレートを得た。次いで、このエポキシアクリレートにヘキサヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)154重量部を加え、加熱条件下で反応させた。このようにして得られた感光性樹脂溶液は、樹脂固形分が65%であり、固形分酸価は52mgKOH/gであった。
【0043】
感光性樹脂組成物の塗膜の感度、熱管理幅及び塗膜性能の評価方法は、以下のとおりである。予め面処理済みの基板に、スクリーン印刷法により、上記実施例1〜3、比較例3.4のそれぞれの感光性樹脂組成物を35μmの厚さ(乾燥前)に塗工してそれぞれの塗工基板を作製した。
塗膜性能の評価用試験片は、上記塗工基板にアートワークフィルムを通しメインピ−クが365nmの紫外線照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2 照射し、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後、150℃、1時間ポストキュアして硬化塗膜を有する基板を作成した。
【0044】
(感度)
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後の塗工基板に感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、ステップタブレットを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2 照射したものをテストピ−スとし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレ−圧で60秒間現像を行った後の露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
【0045】
(管理幅)
上述の塗工基板の予備乾燥時間を10分間隔で120分まで延長したものを試験片とし、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレー圧で60秒現像を行い、塗工膜を完全に除去することができる最長の予備乾燥時間(min)を測定した。
【0046】
(タック性(指触乾燥性))
上述の塗工基板を80℃、20分予備乾燥した後、塗膜表面にネガフィルムを密着させ、露光した後に、ネガフィルムへの塗膜の付着の程度を調べ、以下のように評価した。
◎:まったく付着、貼り付き跡が認められないもの
○:塗膜表面に貼り付き跡が認められるもの
△:剥離に際し、抵抗が生じるもの
×:ネガフィルムへの塗膜の付着が認められるもの
【0047】
(鉛筆硬度)
硬化塗膜をJIS K−5400 6.14に準拠して測定した。
【0048】
(はんだ耐熱性)
硬化塗膜を有する試験片を、JIS C 6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒浸漬後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとした計1〜3サイクルを行った後の塗膜状態を目視により評価した。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
○:3サイクル後に僅かに変化しているもの
△:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離を生じるもの
【0049】
(耐酸性)
硬化塗膜を有する塗工基板を常温の10%の硫酸水溶液に30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐酸性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化したもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0050】
(耐溶剤性)
硬化塗膜を有する試験基板を常温の塩化メチレンに30分間浸漬したのち、水洗後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐溶剤性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化しているもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0051】
(耐金メッキ性)
硬化塗膜を有する試験基板に金メッキ加工後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について観察し、耐金メッキ性を評価した。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅かに変化したもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0052】
(電気特性(絶縁抵抗及び変色))
硬化塗膜を有するIPC−SM−840B B−25テストクーポンのくし型基板を作成し、60℃、90%RH(相対湿度)の恒温恒湿槽中で100Vの直流電圧を印加し、500時間後の絶縁抵抗及び変色を評価した。
◎:全く変色していないもの
○:薄く変色しているもの
△:顕著に変色しているもの
×:黒く焦げ付いているもの
【0053】
【表1】
【0054】
比較例3においてはビスフェノールA型エポキシ樹脂にアクリル酸を反応させたエポキシアクリレートに対してヘキサヒドロ無水フタル酸を反応させて紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂を得ている。この場合には、耐酸性,耐溶剤性,耐金メッキ特性は良好な値を示したが、タック性、耐熱性が低い。比較例4においては、トリグリシジルイソシアヌレートにアクリル酸を反応させたエポキシアクリレートにヘキサヒドロ無水フタル酸を反応させ紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂を得ている。この場合には、トリグリシジルイソシアヌレートの特徴でもあるはんだ耐熱性、耐溶剤性(耐薬品性)には優れていたものの、タック性、耐酸性、耐金メッキ特性が劣る。
【0055】
本発明の実施例1、2においては、上述のように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を原料としトリグリシジルイソシアヌレートをも併用している。この場合には、トリグリシジルイソシアヌレートの特徴でもある耐熱性、耐薬品性並びにトリグリシジルイソシアヌレートのアクリレートが有するC=C基の高い含有率から導き出される光硬化性を保持することに成功している。その上で、タック性が向上し、ビスフェノール型エポキシ樹脂の良好な金メッキ特性をも発現するという相乗効果が確認された。このように、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用すると、耐熱性、耐薬品性、光硬化性を確保しつつ、良好なタック性、耐金メッキ特性を得ることができる。
【0056】
本発明の実施例3においては上述のようにノボラック型エポキシ樹脂を原料とし、トリグリシジルイソシアヌレートをも併用している。この場合にはトリグリシジルイソシアヌレートの特徴でもある耐熱性、耐薬品性並びにトリグリシジルイソシアヌレートのアクリレートが有するC=C基の高い含有率から導き出される光硬化性を保持することに成功している。その上で、タック性が向上し、ノボラック型エポキシ樹脂アクリレートの感光基密度の大きさにより、一層高い感度を引き出すという相乗的な効果発現を確認した。このようにノボラック型エポキシ樹脂を使用すると、高い耐熱性、耐薬品性、光硬化性を保持しつつ、高いタック性および一層高い光感度を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、紫外線露光および希アルカリ水溶液による現像により画像形成が可能であり、光感度が高く、耐熱性、耐溶剤性に優れると共に、使用目的に応じて分子量や塗膜特性を容易に設計、変更することができるような紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂を提供することができる。
Claims (5)
- 一種類以上のエポキシ化合物のエポキシ基に対してエポキシ基1当量当たり0.7〜1.2当量のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、次いで前記不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に対して多塩基酸無水物のカルボキシル基を水酸基1当量当たり前記多塩基酸無水物0.1〜0.9当量の割合で反応させて生成物(a)を得、生成物(a)のカルボキシル基および水酸基に対してトリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基を反応させ、次いでラジカル重合性不飽和モノカルボン酸をトリグリシジルイソシアヌレートのエポキシ基1当量あたり0.3〜1.3当量反応させることで生成物(b)を得、この生成物(b)の水酸基およびエポキシ基に対して多塩基酸無水物を反応させて得られることを特徴とする、紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂。
- 固形分酸価が30〜160mgKOH/gであることを特徴とする、請求項1記載の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂。
- 前記エポキシ化合物が、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル基含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、水素添加型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、脂肪族環状骨格含有エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ラクトン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂およびテルペン変性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載の紫外線硬化型アルカリ可溶性樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の樹脂からなることを特徴とする、ソルダーレジスト膜用紫外線硬化型樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の樹脂の硬化物を含むソルダーレジスト膜を含む、プリント配線板。
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