JPH08272095A - ソルダーフォトレジストインキ用組成物 - Google Patents

ソルダーフォトレジストインキ用組成物

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JPH08272095A
JPH08272095A JP9600195A JP9600195A JPH08272095A JP H08272095 A JPH08272095 A JP H08272095A JP 9600195 A JP9600195 A JP 9600195A JP 9600195 A JP9600195 A JP 9600195A JP H08272095 A JPH08272095 A JP H08272095A
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ultraviolet curable
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政晴 斎藤
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才英 塚谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及び
熱硬化性樹脂を含有するソルダーフォトレジストインキ
用組成物において、紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型
エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子量が
140以上の二塩基酸無水物をモル比が1/9〜9/1
となる割合で、同時に反応することにより得られるもの
であることを特徴とするソルダーフォトレジストインキ
用組成物。 【効果】本発明に用いる紫外線硬化性樹脂は長期間のシ
ェルフライフを有し、本発明のソルダーフォトレジスト
インキ用組成物は良好な希アルカリ現像性を備える。ま
た、硬化塗膜は、密着性、耐熱性、耐湿性、電気絶縁性
に優れる。さらに、本発明の組成物は、プリント配線基
板に塗布し仮乾燥の後、長時間にわたって良好な希アル
カリ現像性を保持し、プリント配線基板の製造工程にお
ける仮乾燥後の作業の中断を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソルダーフォトレジス
トインキ用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、プリント配線基板のソルダーマスク用のフォトレジ
スト、プリント配線基板を製造する際の銅エッチング用
フォトレジスト、光照射によってパターン形成を行うた
めの文字インク用感光性樹脂として有用であり、貯蔵安
定性が良好で、希アルカリ現像性に優れ、耐熱性、電気
絶縁性及び耐湿性に優れた硬化塗膜を与えるソルダーフ
ォトレジストインキ用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、各種プリント配線基板のソルダー
レジストは、スクリーン印刷による熱硬化型液状レジス
ト樹脂及びドライフィルム型のレジスト樹脂から、希ア
ルカリ現像型の液状ソルダーフォトレジストインキへと
移行している。このようなソルダーフォトレジストイン
キ用組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ化
合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又
は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる紫外線硬
化性樹脂、光重合開始剤及び希釈剤からなる第1液成分
と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物である熱硬化性成分及び希釈剤からなる第2液成
分とを、使用直前に混合して用いる2液型の組成物が知
られている(特公平1−54390号公報)。2液を混
合することにより得られるソルダーフォトレジストイン
キ用組成物を、プリント配線基板に塗布し、仮乾燥工程
により塗布表面をタックフリーにしたのち、フォトマス
クを用いて紫外線露光を行い、希アルカリ水溶液で現像
処理して未露光部分を除去し、さらに加熱により露光部
分を完全に熱硬化させる。しかし、これら従来の希アル
カリ現像型紫外線硬化性樹脂は、樹脂中に反応性の高い
不飽和結合及びカルボキシル基を有するため、保存中に
分子量が増加しやすく、シェルフライフが短いという欠
点がある。また、これらの樹脂を用いたソルダーフォト
レジストインキ用組成物は、レジストインキの粘度上昇
を避けるため、2液型としてエポキシ化合物を使用直前
に配合するにもかかわらず、同一液中に反応性の高い不
飽和結合、カルボキシル基及び光重合開始剤を含むた
め、フォトレジストインキの安定性が低く、ポットライ
フが短いという欠点があった。また、多塩基酸無水物や
光重合開始剤の種類や配合量の調整によって、紫外線硬
化性樹脂のシェルフライフやフォトレジストインキのポ
ットライフを向上させると、貯蔵安定性の向上と引き換
えに、希アルカリ現像性や光硬化性などのソルダーフォ
トレジストインキの製造工程における特性、及び、耐熱
性、電気絶縁性、耐湿性などのソルダーレジスト塗膜と
しての性能が低下するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の紫外
線硬化性樹脂及びそれを含む希アルカリ現像型ソルダー
フォトレジストインキにおける貯蔵安定性の向上を目指
し、具体的には、紫外線硬化性樹脂の形態で長期間粘度
の増加がなく、紫外線硬化性樹脂に光重合開始剤、希釈
剤を配合し、ソルダーフォトレジストインキ用組成物と
して長期間粘度の増加がなく、しかも光硬化性、希アル
カリ現像性、耐熱性、耐湿性、電気絶縁特性が優れたソ
ルダーフォトレジストインキ用組成物を提供することを
目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、2種以上の二塩基酸を同時に反応して得られる紫外
線硬化性樹脂を含有する組成物が、貯蔵安定性と希アル
カリ現像性に優れ、しかもその硬化物が良好な機械的、
化学的特性を有することを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及び熱
硬化性樹脂を含有するソルダーフォトレジストインキ用
組成物において、紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子量が
140以上の二塩基酸無水物をモル比が1/9〜9/1
となる割合で、同時に反応することにより得られるもの
であることを特徴とするソルダーフォトレジストインキ
用組成物、(2)ノボラック型エポキシ化合物のフェノ
ール核の核数が、平均4核以上8核以下である第(1)項
記載のソルダーフォトレジストインキ用組成物、(3)
ノボラック型エポキシ化合物のエポキシ基に対し、当量
の不飽和モノカルボン酸を反応させるものである第(1)
〜(2)項記載のソルダーフォトレジストインキ用組成
物、(4)紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エポキシ
化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物の有する
水酸基1モル当たり、0.3〜1.0モルの二塩基酸無水
物を反応させたものである第(1)〜(3)項記載のソルダ
ーフォトレジストインキ用組成物、(5)紫外線硬化性
樹脂が、40〜100mgKOH/gの酸価を有するもので
ある第(1)〜(4)項記載のソルダーフォトレジストイン
キ用組成物、(6)光重合開始剤の配合量が、紫外線硬
化性樹脂100重量部当たり0.2〜20.0重量部であ
る第(1)〜(5)項記載のソルダーフォトレジストインキ
用組成物、(7)希釈剤が、有機溶剤及び光重合性モノ
マーの中から選ばれた少なくとも1種であり、かつその
配合量が、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり30〜
200重量部である第(1)〜(6)項記載のソルダーフォ
トレジストインキ用組成物、及び、(8)熱硬化性樹脂
が、少なくとも2個の官能基を有する重合性化合物であ
り、かつその配合量が紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり5〜60重量部である第(1)〜(7)項記載のソルダ
ーフォトレジストインキ用組成物。を提供するものであ
る。
【0005】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物は、紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及
び熱硬化性樹脂を含有する組成物である。本発明に用い
る紫外線硬化性樹脂は、ノボラック型エポキシ化合物と
不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、分子量が12
0以下の二塩基酸無水物及び分子量が140以上の二塩
基酸無水物を、2種の二塩基酸無水物のモル比が1/9
〜9/1となる割合で同時に反応することにより得られ
るものである。使用するノボラック型エポキシ化合物
は、フェノール又はo−クレゾールなどとホルムアルデ
ヒドの反応生成物であるフェノールノボラック又はクレ
ゾールノボラックなどに、エピクロルヒドリンを反応す
ることにより得られる多官能のエポキシ化合物であり、
フェノール核の核数が平均4核以上8核以下であり、エ
ポキシ当量が170〜230であるものを好適に使用す
ることができる。フェノール核の核数が4核未満である
と、ソルダーフォトレジストインキ用組成物の硬化物が
脆くなるおそれがある。フェノール核の核数が8核を超
えると、ソルダーフォトレジストインキ用組成物の希ア
ルカリ現像性とポットライフが低下するおそれがある。
本発明においては、ノボラック型エポキシ化合物に不飽
和モノカルボン酸を反応する。エポキシ基とカルボキシ
ル基の反応により、オキシラン環が開環し、水酸基とエ
ステル結合が生成する。使用する不飽和モノカルボン酸
には特に制限はなく、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ビニル酢酸、ソルビン酸、桂皮酸などを挙げる
ことができるが、アクリル酸は生成物の重合性が良好で
あり、硬化物の特性に優れるので、特に好適に使用する
ことができる。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モ
ノカルボン酸の反応方法には特に制限はなく、例えば、
ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸
を、適当な希釈剤中で加熱することにより反応すること
ができる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、イソプロパ
ノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水
素類;石油エーテル、石油ナフサなどの石油系溶剤;セ
ロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;カル
ビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブ
チルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類など
を挙げることができる。
【0006】本発明において、反応するノボラック型エ
ポキシ化合物のエポキシ基の量と、不飽和モノカルボン
酸の量は、当量であることが好ましい。エポキシ基が過
剰であっても、不飽和モノカルボン酸が過剰であって
も、貯蔵安定性が低下し、硬化物の特性が低下するおそ
れがある。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカ
ルボン酸の反応温度は、90〜200℃であることが好
ましく、100〜130℃であることがより好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸の反
応に際しては、ノボラック型エポキシ化合物、不飽和モ
ノカルボン酸及び希釈剤よりなる反応混合物中の、ノボ
ラック型エポキシ化合物及び不飽和モノカルボン酸の合
計量が20〜80重量%であることが好ましい。ノボラ
ック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生
成物は、単離することなく、希釈剤溶液のまま次の二塩
基酸無水物との反応に供することができる。本発明に用
いる紫外線硬化性樹脂は、ノボラック型エポキシ化合物
と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に、分子量が12
0以下の二塩基酸無水物及び分子量が140以上の二塩
基酸無水物を、2種の二塩基酸無水物のモル比が1/9
〜9/1となる割合で同時に反応することにより得られ
るものである。二塩基酸無水物としては、飽和二塩基酸
無水物及び不飽和二塩基酸無水物を使用することができ
る。分子量が120以下の二塩基酸無水物としては、例
えば、無水コハク酸、メチル無水コハク酸、無水グルタ
ル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコ
ン酸、無水シトラコン酸、無水ジグリコール酸などを挙
げることができ、これらの中で無水コハク酸を特に好適
に使用することができる。分子量が140以上の二塩基
酸無水物としては、アリル無水コハク酸、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水
ジフェン酸、無水ニトロフタル酸、無水フタロン酸など
を挙げることができ、これらの中でテトラヒドロ無水フ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びエンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸を特に好適に使用する
ことができる。
【0007】二塩基酸無水物は、ノボラック型エポキシ
化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物が有する水酸
基と反応し、エステル結合と遊離のカルボキシル基を生
成する。ここで生成する遊離のカルボキシル基及びカル
ボキシル基の主鎖骨格との結合の状態が、希アルカリ現
像性、貯蔵安定性及び硬化塗膜の特性に強い影響を有し
ていて、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子
量が140以上の二塩基酸無水物を、モル比が1/9〜
9/1となる割合で同時に反応することにより、好まし
くはモル比が3/7〜7/3となる割合で同時に反応す
ることにより、良好な性能を有する紫外線硬化性樹脂を
得ることができる。分子量が120以下の二塩基酸無水
物と分子量が140以上の二塩基酸無水物のモル比が1
/9未満であり、分子量が120以下の二塩基酸無水物
の割合が少ないと、希アルカリ現像性が低下するおそれ
がある。分子量が120以下の二塩基酸無水物と分子量
が140以上の二塩基酸無水物のモル比が9/1を超
え、分子量が140以上の二塩基酸無水物の割合が少な
いと、塗膜の良好な物性が十分発現しないおそれがあ
る。分子量が小さい二塩基酸無水物は、反応物の主鎖に
付加した状態でpKa値が比較的低く、希アルカリ現像
性向上に寄与する効果を有し、分子量が大きい二塩基酸
無水物は、反応物の主鎖に付加した状態でpKa値が比
較的高く、好適な電気特性、耐熱性に寄与する効果を有
するものと考えられる。
【0008】本発明に使用する紫外線硬化性樹脂におい
ては、分子量の異なる2種の二塩基酸無水物を、同時に
ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の
反応生成物に添加して反応することが重要であり、この
ようにして得られる紫外線硬化性樹脂を含むフォトレジ
ストインキ用組成物は、優れた貯蔵安定性とソルダーフ
ォトレジストインキとしての良好な性能(光硬化性、希
アルカリ現像性、耐熱性、電気絶縁性、耐湿性)、なか
でも良好な希アルカリ現像性を兼ね備え、かつ良好な熱
硬化性を示す。上記の配合比を満足した上で、3種以上
の二塩基酸無水物を混合し反応せしめた場合も、得られ
る組成物は、貯蔵安定性及び希アルカリ現像性共に良好
である。しかし、2種の二塩基酸無水物をそれぞれ単独
でノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸
の反応生成物と反応せしめて得た紫外線硬化性樹脂同士
を、後で混ぜあわせ配合しても、良好な貯蔵安定性及び
良好な希アルカリ現像性を兼ね備えた組成物は得られ
ず、熱硬化性も不良である。すなわち、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に、
2種の二塩基酸無水物を逐次反応する場合も、また、ノ
ボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反
応生成物に分子量が120以下の二塩基酸無水物を反応
して得た樹脂と、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和
モノカルボン酸の反応生成物に分子量が140以上の二
塩基酸無水物を反応して得た樹脂を混合して使用する場
合も、本発明の効果は得られない。その機構は明らかで
はないが、2種の二塩基酸無水物を同時に反応させるこ
とによって、紫外線硬化性樹脂中の同一分子に2種以上
の化学的に環境の異なるカルボキシル基が生成し、この
ことによって、単一の二塩基酸無水物を反応させた紫外
線硬化性樹脂では不可能であった優れた性能が、はじめ
て発現したものと考えられる。
【0009】本発明に使用する紫外線硬化性樹脂の製造
においては、分子量が120以下の二塩基酸無水物を1
種使用することができ、2種以上を併用することができ
る。同様に、分子量が140以上の二塩基酸無水物を1
種使用することができ、2種以上を併用することができ
る。使用する二塩基酸無水物の種類が増加しても、分子
量が120以下の二塩基酸無水物と、分子量が140以
上の二塩基酸無水物のモル比が1/9〜9/1の範囲に
あれば、本発明の組成物に使用することができる。本発
明に使用する紫外線硬化性樹脂において、ノボラック型
エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物と
反応させる二塩基酸無水物の量は、ノボラック型エポキ
シ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物が有する
水酸基1モル当たり0.3〜1.0モルであることが好ま
しい。反応させる二塩基酸無水物の量が、ノボラック型
エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物が
有する水酸基1モル当たり0.3モル未満であると、希
アルカリ現像性及び塗膜の特性が低下するおそれがあ
る。反応させる二塩基酸無水物の量が、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物が有
する水酸基1モル当たり1.0モルを超えると、反応混
合物中に未反応の二塩基酸無水物が残存し、硬化した塗
膜の性能が低下する。
【0010】本発明に使用する紫外線硬化性樹脂におい
て、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子量1
40以上の二塩基酸無水物は、ノボラック型エポキシ化
合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に同時に添加
して反応する。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モ
ノカルボン酸の反応生成物が希釈剤の溶液として存在す
るときは、この溶液に二塩基酸無水物の混合物を添加
し、加熱溶解して反応することにより、好適に反応を進
めることができる。ノボラック型エポキシ化合物と不飽
和モノカルボン酸の反応生成物と二塩基酸無水物を反応
する温度は、60〜120℃であることが好ましく、7
0〜100℃であることがより好ましい。本発明に使用
する紫外線硬化性樹脂は、酸価が40〜100mgKOH/
gであることが好ましい。得られる紫外線硬化性樹脂の
酸価は、反応する二塩基酸無水物の量を適当に選択する
ことにより、容易に調整することができる。紫外線硬化
性樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であると、レジスト
組成物の希アルカリ現像性及び硬化した塗膜の密着性と
耐熱性が劣るおそれがある。紫外線硬化性樹脂の酸価が
100mgKOH/gを超えると、硬化塗膜の耐熱性、耐湿
性及び電気絶縁性が劣るおそれがある。本発明のソルダ
ーフォトレジストインキ用組成物は、光重合開始剤を含
有する。使用する光重合開始剤に特に制限はなく、光照
射によって分解してラジカルを発生する従来公知のも
の、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセト
フェノン類、アントラキノン類、キサントン類、チオキ
サントン類又はケタール類などの中から選ばれた1種又
は2種以上が用いられる。このような光重合開始剤とし
ては、例えば、α−イソプロポキシ−α−フェニルアセ
トフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセト
フェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、トリメ
チルベンゾイルホスフィンオキシド、1−フェニル−
1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシ
ム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−
エトキシカルボニルオキシムなどを挙げることができ
る。また、これらの光重合開始剤は、公知の光重合促進
剤である安息香酸類、又は第3級アミン類などと組み合
わせて用いることができる。光重合開始剤の配合量の好
適な範囲は、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり0.
2〜20.0重量部であることが好ましく、2.0〜1
0.0重量部であることがより好ましい。光重合開始剤
の配合量が、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり0.
2重量部未満であると、ソルダーフォトレジストインキ
用組成物の硬化に長時間の露光を必要とするおそれがあ
る。光重合開始剤の配合量が、紫外線硬化性樹脂100
重量部当たり20.0重量部を超えると、硬化した塗膜
の性能が低下するおそれがある。
【0011】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物は、希釈剤を含有する。希釈剤としては、有機溶
剤又は光重合性モノマーを使用することができる。有機
溶剤を希釈剤として使用するときは、ノボラック型エポ
キシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応、及び、二塩
基酸無水物の反応による紫外線硬化性樹脂の合成に使用
した希釈剤をそのままソルダーフォトレジストインキ用
組成物の希釈剤とすることができる。必要に応じて、さ
らに有機溶剤を追加して、適当な濃度の組成物とするこ
とができる。光重合性モノマーは、熱重合性をも有する
場合が多いので、紫外線硬化性樹脂を合成したのち組成
物に配合することが好ましい。光重合性モノマーとして
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、エチルカルビト
ール(メタ)アクリレートなどを代表とする単官能アク
リレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセ
リンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、グ
リセリントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、多官能エポキシアクリレート類などを代表とする多
官能アクリレートなどが挙げられる。ここにおいて(メ
タ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの両
者を示す。
【0012】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物において、有機溶剤又は光重合性モノマーからな
る希釈剤の配合量は、紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり、30〜200重量部であることが好ましい。有機
溶剤は、紫外線硬化性樹脂合成時の溶媒として機能する
他に、ソルダーフォトレジストインキ用組成物をプリン
ト配線基板に塗布した後乾燥させることによって造膜さ
せるために用いる。光重合性モノマーは、ソルダーフォ
トレジストインキ用組成物を希釈し、塗布しやすい粘度
にするために用いる他に、光重合性を促進するために使
用する。希釈剤の配合量が紫外線硬化性樹脂100重量
部当たり30重量部未満であると、ソルダーフォトレジ
ストインキ用組成物の粘度が高く、プリント配線基板へ
の塗布が困難になるおそれがある。希釈剤の配合量が紫
外線硬化性樹脂100重量部当たり200重量部を超え
ると、ソルダーフォトレジストインキ用組成物の粘度が
低くなりすぎて塗布が困難になり、希釈剤が有機溶剤で
ある場合はタックフリーまで乾燥するのに時間がかか
り、希釈剤が光重合性モノマーである場合には硬化した
塗膜の性能が低下するおそれがある。
【0013】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物には、熱硬化性樹脂を配合する。熱硬化性樹脂
は、紫外線線硬化性樹脂中に残存するカルボキシル基を
封鎖し、ソルダーレジストの必須性能である、密着性、
耐熱性、電気絶縁性、耐湿性を向上させる。熱硬化性樹
脂としては、公知の2官能以上の各種エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂などを用いることができるが、平均して4官
能以上8官能以下のエポキシ樹脂を特に好適に使用する
ことができる。本発明のソルダーフォトレジストインキ
用組成物において、熱硬化性樹脂は紫外線硬化性樹脂1
00重量部当たり5〜60重量部を配合することが好ま
しく、10〜40重量部を配合することがより好まし
い。熱硬化性樹脂の配合量が紫外線硬化性樹脂100重
量部当たり5重量部未満であると、硬化した塗膜の密着
性と耐熱性が低下するおそれがある。熱硬化性樹脂の配
合量が紫外線硬化性樹脂100重量部当たり60重量部
を超えると、希アルカリ現像性が低下するおそれがあ
る。熱硬性化樹脂の熱硬化反応を促進するために、イミ
ダゾール類、アミン化合物、カルボン酸類、フェノール
類、第4級アンモニウム塩類、メチルロール基含有化合
物などの公知の硬化促進剤を併用することができる。本
発明のソルダーフォトレジストインキ用組成物の調製に
際しては、増粘、ひいては希アルカリ現像性の低下を避
けるため、熱硬化性樹脂は、プリント配線基板に塗布す
る直前に、他のソルダーフォトレジスト組成物の必須成
分と混合し配合することが好ましい。
【0014】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物においては、必要に応じて、硫酸バリウム、酸化
ケイ素などの公知の充填剤、フタロシアニングリーン、
フタロシアニンブルー、二酸化チタン、カーボンブラッ
クなどの公知の着色用顔料、消泡剤、レベリング剤など
の各種添加剤、あるいはハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテ
コールなどの公知の重合禁止剤などを配合することがで
きる。本発明のソルダーフォトレジストインキ用組成物
をプリント配線基板に適用する方法には特に制限はな
く、例えば、プリント配線基板上にスクリーン印刷法、
ロールコーター法、スプレー法、あるいはカーテンコー
ター法などにより全面に塗布し、65〜80℃で乾燥さ
せ表面の粘着性(タック)を除去した上で、フォトマス
クなどで不必要な部分をマスクし、光硬化を行ったの
ち、希アルカリ水溶液で未露光部分を溶解し、さらに熱
硬化を行うことによりソルダーレジスト硬化塗膜を得る
ことができる。本発明のソルダーフォトレジストインキ
用組成物の光硬化のための照射光源としては、公知の光
源を使用することができ、このような光源としては、例
えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、キセノンランプあるいはメタルハライドランプな
どを挙げることができる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、紫外線硬化性樹脂のシェ
ルフライフ、組成物の現像性及び塗膜性能は下記の方法
により評価した。 (1)紫外線硬化性樹脂のシェルフライフ促進試験 紫外線硬化性樹脂をふた付きのプラスチック製のビンに
入れ、60℃の恒温槽に浸漬し、25℃における粘度が
初期粘度の2.5倍に達するか、あるいは1,000ポイ
ズを超えるまでの日数で評価した。 (2)希アルカリ現像性 テスト用プリント配線基板製作過程において、光照射に
よる硬化後に1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液と
して用い、20℃でスターラー撹拌により現像した際の
現像性を、次に示す基準により評価した。 ◎:1分以内で現像可能。 ○:1分を超え3分以内で現像可能。 △:3分を超え5分以内で現像可能。 ×:5分以内で現像不可能。 なお、仮乾燥状態におけるソルダーフォトレジストイン
キの安定性を評価するため、75℃で30分間仮乾燥を
行い、その直後と仮乾燥3日後の両方について、現像性
を評価した。 (3)密着性 JIS K 5400 8.5.2に準じて、それぞれのテ
スト用プリント配線基板に碁盤目状に縦横10本のクロ
スカットを入れ、次いでセロハンテープによる剥離試験
後の塗膜の剥離状態を目視によって判定した。 ◎:100/100で全く剥離が認められないもの。 ○:100/100で線の際がわずかにはがれたもの。 △:90/100〜99/100。 ×:0/100〜89/100。 (4)鉛筆硬度 JIS K 5400 8.4.2に準じて、「三菱ユニ」
鉛筆を用い、塗膜に傷が付かない最も高い硬度をもって
評価した。 (5)はんだ耐熱性 テスト用プリント配線基板に、ロジン系フラックス
[(株)アサヒ化学研究所、商品名 GX−7]を塗布
し、260℃に保ったはんだ浴に塗膜面をはんだに接触
するようにして15秒間浮かべ、その後塗膜の膨れと剥
離を観察した。これを1サイクルとし、膨れ又は剥離が
生ずるまでの延べ時間により評価した。 (6)耐水溶性フラックス性 それぞれのテスト用プリント配線基板に、水溶性フラッ
クス[LONCO社、商品名 CF−350]を塗布
し、260℃のはんだ浴に塗膜面をはんだに接触するよ
うにして5秒間浮かべ、さらに60℃の温水に15分間
浸漬したのち、セロハンテープにより剥離試験を行っ
た。同時に塗膜表面の光沢の変化、特に白化状態を観察
した。評価基準を以下に示す。 剥離試験 ◎:全くはがれないもの。 ○:ほんのわずかにはがれたもの。 △:全体の10〜30%がはがれたもの。 ×:全体の31%以上がはがれたもの。 白化状態 ◎:全く白化していないもの。 ○:ほんのわずかに白化しているもの。 △:全体の10〜30%が白化しているもの。 ×:全体の31%以上が白化しているもの。 (7)電気絶縁性試験 JIS Z 3197に準じて、それぞれのテスト用プリ
ント配線基板について初期の絶縁性と、60℃、相対湿
度90%に500時間放置したのちの絶縁性とを、SM
−8210[東亜電波(株)製]を用いてDC500Vで
の1分値として評価した。 製造例1(紫外線硬化性樹脂の製造) 撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた1
リットル容のセパラブルフラスコに、エチルカルビトー
ルアセテート190g及びエポキシ当量が215で1分
子中に平均して6個のフェノール核を有するクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂215gを仕込んだ。撹拌し
つつ120℃まで加熱し、120℃を保ったまま滴下ロ
ートよりアクリル酸72g(1.0モル)を1時間かけ
て滴下し、さらに10時間120℃で反応を続けた。い
ったん反応混合物を室温まで冷却し、無水コハク酸20
g(0.2モル)及びテトラヒドロ無水フタル酸46g
(0.3モル)を加え、ふたたび80℃に加熱して3時
間反応した。反応終了後、室温まで冷却したところ、粘
稠な溶液が得られた。この溶液の加熱残分は65重量%
であり、溶液として53mgKOH/gの酸価を示した。こ
の溶液を、樹脂A−1とする。 製造例2(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテート190gの代
わりに、カルビトールアセテート198gを用い、無水
コハク酸20g及びテトラヒドロ無水フタル酸46gの
代わりに、無水コハク酸30g(0.3モル)及びメチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸50g(0.3モル)を用
いた以外は、製造例1と同じ操作を繰り返した。得られ
た粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であり、溶液とし
て60mgKOH/gの酸価を示した。この溶液を、樹脂A
−2とする。 製造例3(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテート188gの代
わりに、ブチルセロソルブ195gを用い、無水コハク
酸20g及びテトラヒドロ無水フタル酸46gの代わり
に、無水コハク酸30g(0.3モル)、テトラヒドロ
無水フタル酸30g(0.2モル)及びエンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸16g(0.1モル)を用い
た以外は、製造例1と同じ操作を繰り返した。得られた
粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であり、溶液として
61mgKOH/gの酸価を示した。この溶液を、樹脂A−
3とする。 参考例1(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテートの量を181
gとし、無水コハク酸25g及びテトラヒドロ無水フタ
ル酸38gの代わりに、無水コハク酸50g(0.5モ
ル)を用いた以外は、製造例1と同じ操作を繰り返し
た。得られた粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であ
り、溶液として57mgKOH/gの酸価を示した。この溶
液を、樹脂A−4とする。 参考例2(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテートの量を195
gとし、無水コハク酸25g及びテトラヒドロ無水フタ
ル酸38gの代わりに、テトラヒドロ無水フタル酸76
g(0.5モル)を用いた以外は、製造例1と同じ操作
を繰り返した。得られた粘稠な溶液の加熱残分は65重
量%であり、溶液として49mgKOH/gの酸価を示し
た。この溶液を、樹脂A−5とする。 参考例3(紫外線硬化性樹脂の製造) 樹脂A−4と樹脂A−5を重量比1:1で混合した。得
られた粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であり、溶液
として53mgKOH/gの酸価を示した。この溶液を、樹
脂A−6とする。製造例1〜3の紫外線硬化性樹脂A−
1〜3及び参考例1〜3の紫外線硬化性樹脂A−4〜6
について、シェルフライフ促進試験を行った。結果を第
2表に示す。
【0016】実施例1 紫外線硬化性樹脂A−1を55g、光重合開始剤[チバ
・ガイギー社、イルガキュアー907]3g、光重合開
始剤[日本化薬(株)、Cayacure DETX−
S]1g、希釈剤としてのトリメチロールプロパントリ
アクリレート5g、イミダゾール系熱硬化剤[日本合成
化学工業(株)、ニチゴーイミダゾール2MI−AZ]
0.5g、フタロシアニングリーン顔料3g、硫酸バリ
ウム12g、酸化ケイ素10g及び消泡剤[日華化学
(株)、フォームレックスSOL−30]0.5gを、ロ
ールミル(3本ロール)により混練したのち、熱硬化性
樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
[東都化成(株)、YDCN−702S]10gを混合し
て、ソルダーフォトレジストインキ用組成物を調製し
た。この組成物を、あらかじめエッチングしてパターン
を形成しておいた銅プリント配線基板2枚にスクリーン
印刷法にて15〜20μmの膜厚で全面に塗布し、熱風
循環型乾燥炉で75℃で30分仮乾燥した。仮乾燥直後
に、基板のうち1枚にフォトマスクを当て、3kWメタ
ルハライドランプにより紫外線500mJ/cm2を照射
し、光硬化を行った。次いで1重量%炭酸ナトリウム水
溶液を現像液として用い、塗膜の未硬化部分を除去し
た。現像した基板は、さらに150℃で30分間熱硬化
を行い、テスト用プリント配線基板を完成した。テスト
用基板の他の1枚は、仮乾燥を行った3日後に紫外線露
光を上記の条件で行い、同様に炭酸ナトリウム水溶液で
現像し、さらに熱硬化を行った。仮乾燥直後の現像性
と、仮乾燥3日後の現像性を評価した。仮乾燥直後に露
光及び現像を行ったテスト用プリント配線基板を用い
て、塗膜の性能評価を行った。結果を第2表に示す。 実施例2 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−2を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 実施例3 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−3を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例1 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−4を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例2 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−5を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例3 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−6を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。
【0017】
【表1】
【0018】[注]1)チバ・ガイギー社製の光重合開
始剤。 2)日本化薬(株)製の光重合開始剤。 3)日本合成化学工業(株)製のイミダゾール系熱硬化
剤。 4)日華化学(株)製の消泡剤。 5)東都化成(株)製のo−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂。
【0019】
【表2】
【0020】本発明に使用する製造例1、2及び3で製
造した紫外線硬化性樹脂は、促進試験におけるシェルフ
ライフが長く、良好な貯蔵安定性を示している。これに
対して、分子量100の無水コハク酸のみを使用した参
考例1の紫外線硬化性樹脂、及び、分子量100の無水
コハク酸のみを使用した紫外線硬化性樹脂と分子量15
2のテトラヒドロ無水フタル酸のみを使用した紫外線硬
化性樹脂を配合した参考例3の紫外線硬化性樹脂は、促
進試験におけるシェルフライフが短く、貯蔵安定性に劣
ることが分かる。実施例1〜3の本発明のソルダーフォ
トレジストインキ用組成物は、仮乾燥直後には希アルカ
リ現像性に優れ、仮乾燥3日後においても優秀ないし良
好な希アルカリ現像性を示している。また、実施例1〜
3の本発明のソルダーフォトレジストインキ用組成物か
ら得られた塗膜は、密着性、鉛筆硬度、はんだ耐熱性、
耐水溶性フラックス性及び電気絶縁性のすべてについ
て、優秀ないし良好な性能を示している。これに対し
て、分子量が100である無水コハク酸のみを用いて製
造した紫外線硬化性樹脂を使用した比較例1のソルダー
フォトレジストインキ用組成物は、仮乾燥3日後の希ア
ルカリ現像性が不良であり、はんだ耐熱性、耐水溶性フ
ラックス性と電気絶縁性に劣る。分子量が152である
テトラヒドロ無水フタル酸のみを用いて製造した紫外線
硬化性樹脂を使用した比較例2のソルダーフォトレジス
トインキ用組成物は、希アルカリ現像性に劣っている。
無水コハク酸のみを用いて製造した紫外線硬化性樹脂
と、テトラヒドロ無水フタル酸のみを用いて製造した紫
外線硬化性樹脂の混合物を使用した比較例3のソルダー
フォトレジストインキ用組成物は、紫外線硬化性樹脂中
の無水コハク酸の量とテトラヒドロ無水フタル酸の量の
比は本発明の範囲内にあるにもかかわらず、それらを同
時に反応したものではないために、希アルカリ現像性に
劣り、密着性、はんだ耐熱性、耐水溶性フラックス性、
電気絶縁性に劣っている。
【0021】
【発明の効果】本発明に用いる紫外線硬化性樹脂は長期
間のシェルフライフを有し、本発明のソルダーフォトレ
ジストインキ用組成物は良好な希アルカリ現像性を備え
る。また、本発明のソルダーフォトレジストインキ用組
成物の硬化塗膜は、密着性、耐熱性、耐湿性、電気絶縁
性に優れる。さらに、本発明のソルダーフォトレジスト
インキ用組成物は、プリント配線基板に塗布し仮乾燥の
後、長時間にわたって良好な希アルカリ現像性を保持
し、プリント配線基板の製造工程における仮乾燥後の作
業の中断を可能とするので、休日を挟んだプリント配線
基板の製造における生産効率を大きく向上させる効果を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/032 501 G03F 7/032 501 7/035 7/035 H05K 3/28 H05K 3/28 D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤
    及び熱硬化性樹脂を含有するソルダーフォトレジストイ
    ンキ用組成物において、紫外線硬化性樹脂が、ノボラッ
    ク型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生
    成物に、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子
    量が140以上の二塩基酸無水物をモル比が1/9〜9
    /1となる割合で、同時に反応することにより得られる
    ものであることを特徴とするソルダーフォトレジストイ
    ンキ用組成物。
  2. 【請求項2】ノボラック型エポキシ化合物のフェノール
    核の核数が、平均4核以上8核以下である請求項1記載
    のソルダーフォトレジストインキ用組成物。
  3. 【請求項3】ノボラック型エポキシ化合物のエポキシ基
    に対し、当量の不飽和モノカルボン酸を反応させるもの
    である請求項1〜2記載のソルダーフォトレジストイン
    キ用組成物。
  4. 【請求項4】紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エポキ
    シ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物の有す
    る水酸基1モル当たり、0.3〜1.0モルの二塩基酸無
    水物を反応させたものである請求項1〜3記載のソルダ
    ーフォトレジストインキ用組成物。
  5. 【請求項5】紫外線硬化性樹脂が、40〜100mgKOH
    /gの酸価を有するものである請求項1〜4記載のソル
    ダーフォトレジストインキ用組成物。
  6. 【請求項6】光重合開始剤の配合量が、紫外線硬化性樹
    脂100重量部当たり0.2〜20.0重量部である請求
    項1〜5記載のソルダーフォトレジストインキ用組成
    物。
  7. 【請求項7】希釈剤が、有機溶剤及び光重合性モノマー
    の中から選ばれた少なくとも1種であり、かつその配合
    量が、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり30〜20
    0重量部である請求項1〜6記載のソルダーフォトレジ
    ストインキ用組成物。
  8. 【請求項8】熱硬化性樹脂が、少なくとも2個の官能基
    を有する重合性化合物であり、かつその配合量が紫外線
    硬化性樹脂100重量部当たり5〜60重量部である請
    求項1〜7記載のソルダーフォトレジストインキ用組成
    物。
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