JP2835539B2 - 感光性熱硬化性樹脂組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

感光性熱硬化性樹脂組成物およびパターン形成方法

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JP2835539B2
JP2835539B2 JP3035617A JP3561791A JP2835539B2 JP 2835539 B2 JP2835539 B2 JP 2835539B2 JP 3035617 A JP3035617 A JP 3035617A JP 3561791 A JP3561791 A JP 3561791A JP 2835539 B2 JP2835539 B2 JP 2835539B2
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photosensitive
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thermosetting resin
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板の製造
や金属の精密加工等に使用され、特にプリント配線板用
ソルダーレジストとして有用な新規な感光性熱硬化性樹
脂組成物およびパターン形成方法に関する。さらに詳し
くは、 1)高い光硬化反応性と高い解像度、 2)良好な現像性、 3)長いポットライフ、 4)優れた密着性、 5)優れた電気絶縁性および耐電蝕性、 6)優れたはんだ耐熱性、 7)レベラー用水溶性フラックスに対する非白化性、 8)塩化メチレンのような溶剤に対する優れた耐性、 9)優れた耐酸および耐アルカリ性、 10)優れた耐メッキ性、 11)優れたPCT(Pressure Cook Test)性、 等の特徴をすべて兼備したソルダーレジスト用感光性熱
硬化性樹脂組成物およびソルダーレジストパターンの形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルダーレジストは、プリント配線板に
電子部品をはんだ付けするときに、はんだ付け部分以外
にはんだが付着するのを防止すると同時に配線回路を保
護する目的で被覆される材料である。そのため、はんだ
耐熱性、耐水溶性フラックス性、電気絶縁性、密着性、
良好なPCT特性等が要求される。また、ソルダーレジ
ストはメッキレジストとしてそのまま用いられることも
多く、その場合には耐アルカリ性、耐酸性および耐メッ
キ性等が要求される。
【0003】ソルダーレジストとして、産業用プリント
基板では、エポキシ系の熱硬化型インクが主流となって
おり、民生用プリント基板では、紫外線熱硬化型のもの
が主流となっている。ソルダーレジスト被膜の形成方法
としてはスクリーン印刷が従来から主として用いられて
きたが、スクリーン印刷ではレジストパターンの精度が
十分に確保できないという問題があり、最近のエレクト
ロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密
度化および小型部品の表面実装化に対応できないという
状況にある。
【0004】この問題を解決するために、レジストを感
光性フィルムの形にしたドライフィルム型ソルダーレジ
ストが開発され実用化されている。ドライフィルムでは
精度の良いレジストパターンを得ることができる反面、
配線回路間へのレジストの埋め込み性が悪いという問題
がある。
【0005】この問題を解決するために、液状の感光性
ソルダーレジストが提案された。このタイプの例を幾つ
か以下に示す。
【0006】英国特許出願公開GB−2032939A
号公報にはポリエポキシ化合物とエチレン性不飽和カル
ボン酸の反応生成物、無機フィラー、光重合開始剤、揮
発性有機溶剤等からなる光重合性塗装用組成物が記載さ
れている。これは、光硬化のみの例であり、十分なはん
だ耐熱性がないことから、以下のような感光性樹脂を利
用して精度のよいパターンをつくり、これに熱硬化性を
併せ持たせることにより耐熱性を向上させる考えが一般
的になってきている。
【0007】その例として、特開昭60−208377
号公報にはフェノールノボラック型エポキシ樹脂と不飽
和一塩基酸との反応物、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂と不飽和一塩基酸との部分反応物、光重合開始
剤、有機溶剤およびアミン系熱硬化剤等からなるソルダ
ーレジストが記載されている。これは、クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との部分反応物
がエポキシ基を残留しているのでこれをアミン系熱硬化
剤で架橋させる考えで熱硬化を行っている。
【0008】また、熱硬化成分としてエポキシ樹脂を用
いる例として特開昭61−243869号公報にはノボ
ラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応
生成物に多塩基酸を反応させたもの、光重合開始剤、希
釈剤等からなる感光性成分にエポキシ樹脂を併用する方
法が開示されている。
【0009】さらにまた、特開平2−99504号公報
にはマレイン化ブタジエン重合体とヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートとの反応物という特殊な感光性成
分に、エポキシ樹脂を併用した感光性熱硬化性樹脂組成
物が本発明者等らにって開示されている。
【0010】このように感光性成分に熱硬化性成分のエ
ポキシ樹脂を配合してはんだ耐熱性や密着性、耐薬品
性、耐メッキ性等を改良する試みが幾つかなされている
が、この場合エポキシ樹脂の比率を高めると、光硬化反
応性が低下して未露光部分の現像性が低下し良好なレジ
ストパターンが形成できにくいといった問題や耐メッキ
性に劣るといった欠点が指摘されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにソルダ
ーレジストとして種々の材料系が提案されてきている
が、ソルダーレジストに要求される特性が、密着性、は
んだ耐熱性、電気絶縁性等が良ければよいといった段階
から、最近ではエレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴
うプリント配線板の高密度化および小型部品の表面実装
化に対応して、より詳細なパターンが形成できることに
加えて、 1)高い光硬化反応性と高い解像度、 2)良好な現像性、 3)長いポットライフ、 4)優れた密着性、 5)優れた電気絶縁性および耐電蝕性、 6)優れたはんだ耐熱性、 7)レベラー用水溶性フラックスに対する非白化性、 8)塩化メチレンのような溶剤に対する優れた耐性、 9)優れた耐酸および耐アルカリ性、 10)優れた耐メッキ性、 11)優れたPCT(Pressure Cook Test)性、 等の特徴をすべて兼備したソルダーレジスト用材料およ
びソルダーレジストパターンの形成方法が要求されるよ
うになってきている。
【0012】エポキシ系やエポキシメラミン系の熱硬化
型スクリーン印刷インクは、精細なパターンを形成する
ことが困難であるという致命的欠点がある上、前者が耐
メッキ性に劣り、後者ははんだ耐熱性、耐薬品性、耐メ
ッキ性に問題がある。紫外線熱硬化型スクリーン印刷イ
ンクは、精細なパターンを形成することが容易である反
面、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐メッキ性等に問題があ
る。
【0013】ドライフィルム型ソルダーレジストでは精
度の良いレジストパターンを得ることができる反面、は
んだ耐熱性や密着性、耐薬品性、耐メッキ性等が不十分
であるばかりでなく、配線回路間へのレジストの埋め込
み性が悪いという問題がある。
【0014】液状の感光性ソルダーレジストでは、精度
の良いレジストパターンを得ることができ、配線回路間
へのレジストの埋め込み性が良い反面、はんだ耐熱性や
密着性、耐薬品性、耐メッキ性等が不十分であるという
問題がある。液状の感光性ソルダーレジストに熱硬化性
成分のエポキシ樹脂を配合してはんだ耐熱性や密着性、
耐薬品性、耐メッキ性等を改良する試みがなされている
が、この場合エポキシ樹脂の比率を高めると耐熱性、密
着性等が向上する反面、光硬化反応性が低下して未露光
部分の現像性が低下し良好なレジストパターンが形成で
きにくいという欠点がある。また、一般にエポキシ樹脂
は耐アルカリ性が良好な反面、耐酸性に劣るので、酸性
浴のメッキ液に対する耐性が低い欠点がある。例えば、
無電解ニッケルメッキ液や無電解金メッキ液はpH4〜
5の酸性浴であり、しかも90℃で15〜30分間浸漬
するので、耐メッキレジストとしては十分な耐薬品性が
要求される。さらに、メッキ処理中に金属析出部に水素
ガスが発生するため、ソルダーレジストとプリント配線
板の電極との界面にメッキ液が浸入したりしてソルダー
レジストを剥す力が働くので、ソルダーレジストには基
材に対して強い密着性が要求される。
【0015】特開平2−99504号公報記載のマイレ
ン化ポリブタジエンとヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートとの反応物を用いた感光性熱硬化性の液状レジ
ストは、従来のノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノ
カルボン酸との反応生成物に多塩基酸を反応させたもの
に比べ、耐メッキ性、耐薬品性等が優れているもののま
だ十分な性能には至っていない。
【0016】本発明は、上記のような種々の欠点がな
く、感光性および現像性が共に優れ、かつポットライフ
の長い感光性熱硬化性樹脂組成物を提供ことを目的とす
るものである。
【0017】さらに、本発明は、上記のような優れた特
性のほか、ソルダーレジストに要求される密着性、電気
絶縁性および耐電蝕性、はんだ耐熱性、レベラー用水溶
性フラックスに対する非白化性、塩化メチレンのような
溶剤に対する優れた耐性、耐酸および耐アルカリ性、耐
メッキ性、PCT性等に優れた硬化塗膜が得られ、民生
用や産業用プリント配線板等の製造に適した感光性熱硬
化性樹脂組成物およびパターンの形成方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するための種々検討の結果、特定の感光性熱硬
化性樹脂組成物に特定の化合物を添加することにより上
記の課題をすべて満たすことに成功し、本発明を完成す
るに至った。
【0019】すなわち、本発明は、(a)数平均分子量
が500〜5000の共役ジエンの重合体および/また
は共重合体にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を付加
して得られる酸無水物基含有の共役ジエンの重合体およ
び/または共重合体に、一般式
【0020】
【化5】
【0021】[式中、R1 およびR2 は水素原子または
炭素数1〜6の有機残基、R3 は炭素数2〜12のアル
キレン基を示す]で表されるアルコール性水酸基を有す
るα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを反応させ、
該付加物の酸無水物基の少なくとも80モル%を開環さ
せて得られる感光性オリゴマー、(b)光重合開始剤、
(c)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂、および(d)2,4−ジアミノ−6−ビニル−S
−トリアジンおよび/または2,4−ジアミノ−6−メ
タクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、を必須成
分とする感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0022】さらに本発明は、上記の感光性熱硬化性樹
脂組成物をプリント配線板に塗布し、フォトマスクを介
して露光し、未露光部を現像してパターンを形成し、そ
の後、熱硬化させることを特徴とするソルダーレジスト
パターンの形成方法に関する。
【0023】以下、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物
の各構成成分について説明する。
【0024】(a)成分の感光性オリゴマーとしては、
数平均分子量が500〜5000の共役ジエンの重合体
および/または共重合体にα,β−不飽和ジカルボン酸
無水物を付加して得られる酸無水物基含有の共役ジエン
の重合体および/または共重合体に、一般式
【0025】
【化6】
【0026】[式中、R1 およびR2 は水素原子または
炭素数1〜6の有機残基、R3 は炭素数2〜12のアル
キレン基を示す]で表わされるアルコール性水酸基を有
するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル(A)、ま
たはα,β−不飽和モノカルボン酸エステル(A)と一
般式(B) R4 −OH [式中、R4 は炭素数1〜20の有機残基を示す]で表
わされるアルコールとの混合物を反応させ、該付加物の
酸無水物基の少なくとも80モル%を開環させて得られ
るものが用いられる。
【0027】ここで用いる共役ジエン重合体および/ま
たは共重合体とは、ブタジエン、イソプレン等の炭素数
4〜5の共役ジオレフィンの低重合体、またはこれらの
共役ジオレフィンの一種または二種以上とエチレン性不
飽和二重結合を有するこれらの共役ジオレフィン以外の
モノマー、特にイソブチレン、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエンのような脂
肪族または芳香族モノマーとの低重合度共重合体であ
る。またこれらの二種以上の混合物も利用することがで
きる。
【0028】上記共役ジエン重合体および/または共重
合体の数平均分子量は500〜5000の範囲のものが
好ましい。分子量が500未満では光硬化後の塗膜強度
が十分でないし、5000を越えると塗膜の平滑性が悪
くなるのでいずれも好ましくない。
【0029】これらの低重合体は、従来の公知の方法で
製造される。すなわちアルカリ金属または有機アルカリ
金属化合物を触媒として炭素数4〜5の共役ジオレフィ
ン単独、あるいはこれらの共役ジオレフィン混合物、あ
るいは共役ジオレフィンに対して好ましくは50モル%
以下の量の芳香族ビニルモノマーとを0〜100℃の温
度でアニオン重合させることにより製造することができ
る。この場合、分子量を制御し、ゲル分等の少ない、淡
色の低重合体を得るためには、ベンジルナトリウムのよ
うな有機アルカリ金属化合物を触媒とし、アルキルアリ
ール基を有する化合物、例えばトルエン等を連鎖移動剤
とする連鎖移動重合法(特公昭54−15586号公
報)、テトラヒドロフラン溶媒中でナフタレン等の多環
芳香族化合物を活性剤とし、ナトリウム等のアルカリ金
属を触媒とするリビング重合法(特公昭43−2743
2号公報)、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を
溶媒とし、ナトリウム等のアルカリ金属の分散体を触媒
とし、ジオキサン等のエーテル類を添加して分子量を制
御する重合法(特公昭32−7446号公報、特公昭3
4−10188号公報、特公昭38−1245号公報)
またはコバルト、ニッケル等の第8族金属のアセチルア
セトナート化合部およびアルキルアルミニウムハロゲニ
ドを触媒とする配位アニオン重合法(特公昭45−50
7号公報、特公昭46−80300号公報)等の方法が
好ましい。
【0030】これら共役ジエンの重合体および/または
共重合体にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物を付加す
ることにより酸無水基の付加物を製造することができ
る。
【0031】本発明におけるα,β−不飽和ジカルボン
酸無水物とは、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ク
ロル無水マレイン酸等が挙げられる。
【0032】この付加反応は、これらの単独もしくはこ
れらの両者を溶解する不活性溶媒中で、通常100〜2
20℃の温度で行なわれる。この際、ゲル化防止剤とし
て、ヒドロキノン、カテコール類、p−フェニレンジア
ミン誘導体等を0.1〜0.5重合部添加することが望
ましい。
【0033】本発明においては、得られる酸無水物の付
加体の軟化点(JIS−K−2531−60の乾球式軟
化点の測定方法による)が70℃以上となるようにα,
β−不飽和ジカルボン酸無水物を付加することが望まし
い。この軟化点は主に原料の共役ジエン重合体あるいは
共重合体の不飽和結合の含有量、分子量およびα,β−
不飽和ジカルボン酸無水物の付加量に依存する。例えば
数平均分子量1000の液状ブタジエン重合体を用いた
場合は、全酸価として400以上の値が必要である。
【0034】軟化点がこれより低いと最終生成物である
水酸基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステル
との反応物に粘着性が残って光硬化時にフォトマスクが
塗膜に張り付いてしまうため、フォトマスクと密着露光
ができない。
【0035】次に、上記のようにして得られた酸無水物
の付加物にα,β−不飽和モノカルボン酸エステル
(A)、またはα,β−不飽和モノカルボン酸エステル
(A)とアルコール(B)の混合物を反応させ、該付加
物の酸無水物基の少なくとも80%を開環させて感光性
オリゴマーを製造する。
【0036】ここで前記(A)式で表わされるアルコー
ル性水酸基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エス
テルとしては、具体的には例えば2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピルアクリレート等があり、これ
らは単独、または混合して用いることができる。
【0037】またアルコール(B)としては具体的に
は、エチルアルコール、ブチルアルコール、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノール、ベン
ジルアルコール、フェノール等が挙げられる。
【0038】この開環反応において、光感光性の二重結
合を有するエステル(A)は必須であり、α,β−不飽
和モノカルボン酸エステル(A)とアルコール(B)の
割合はモル比で(A):(B)=1:0〜4の範囲で用
いられ、好ましくは(A):(B)=1:0〜1であ
る。アルコール(B)はレジスト塗膜の粘着性あるいは
溶解性を制御するために用いられるが、α,β−不飽和
モノカルボン酸エステル(A)の付加量がこの範囲より
少ないと微細な配線が形成できなくなる。
【0039】これらによる酸無水基の開環反応は通常塩
基触媒の存在下、100℃以下、例えば50〜100℃
の比較的低温で行われる。開環させる割合は酸無水基の
80モル%以上、好ましくは90モル%以上であること
が光硬化性および塗膜の長期的安定性の点から適当であ
る。開環反応は溶媒の存在下に行なうことが好ましい。
溶媒としてはこれらに対して反応性を持たず、かつ両者
を溶解するものが好ましく用いられる。この例としてト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、2−メ
トキシプロピルアセテート、酢酸エチル等のエステル
類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、およ
びジアセトンアルコール等の三級アルコール類が挙げら
れる。このようにして前記の感光性オリゴマーが製造さ
れる。
【0040】この感光性オリゴマーの残存酸無水基の一
部をさらに一級アミンでイミド化したり、あるいはこの
感光性オリゴマーのカルボン酸基の一部をモノエポキシ
化合物で予めエステル化したオリゴマーも使用すること
ができる。
【0041】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物におい
ては、必要に応じ感光性モノマーを配合することができ
る。感光性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタアクリレート等の公知の光
重合性モノマーが使用できる。感光性モノマーの添加量
は感光性オリゴマー100重量部に対して0〜20重量
部の範囲で、塗膜にタックを与えない範囲が選ばれる。
【0042】本発明の(b)成分の光重合開始剤として
は、従来公知のものを用いることができる。例えばベイ
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジル、ミヒラ
ーケトン、ジエチルチオキサントン、等のほか、イルガ
キュア−184、イルガキュア−651、イルガキュア
−907(以上、チバガイギー社製)、ダロキュア−1
173(メルク社製)等の商品名で市販されている光重
合開始剤が例示できる。これらの使用量は、感光性オリ
ゴマー100重量部に対して通常1〜15重量部の範囲
である。この量が1重量部より少ないと光硬化性が低下
し、15重量部より多いと感光塗膜の強度が低下するの
で好ましくない。
【0043】本発明の(c)成分の熱硬化性成分として
用いる分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂としては、以下のように分類されるエポキシ樹脂の
いずれも用いることができる。
【0044】 1)グリシジルエーテル系エポキシ樹脂 a)ビスフェノール型特殊エポキシ樹脂 b)ノボラック型エポキシ樹脂 b−1)フェノールノボラック型エポキシ樹脂 b−2)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 b−3)特殊ノボラック型エポキシ樹脂 c)ビフェニル型エポキシ樹脂 d)特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂 2)特殊エポキシ樹脂 e)グリシジルエステル系エポキシ樹脂 f)グリシジルアミン系エポキシ樹脂 g)環式脂肪族エポキシ樹脂 h)複素環式エポキシ樹脂 h−1)ヒダントイン型エポキシ樹脂 h−2)トリグリシジルイソシアヌレート
【0045】これらのエポキシ樹脂のうち好ましくは、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、例えば大日本イ
ンキ化学工業社製のエピクロンEXA−4506;クレ
ゾールノボラックエポキシ樹脂、例えば大日本インキ化
学工業社製のエピクロンN−695、EXA−4621
等;特殊ノボラック型エポキシ樹脂、例えば大日本イン
キ化学工業社製のエピクロンN−510;ビフェニル型
エポキシ樹脂、例えば油化シェルエポキシ社製のYX−
4000;特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、例
えば日本化薬社製のEPPN−500シリーズや大日本
インキ化学工業社製のエピクロンHP−4032等;お
よび複素環式エポキシ樹脂のトリグリシジルイソシアヌ
レートが好ましく用いられるが、下記式(I)、(II)
および(III)からなる群より選ばれる一種または二種以
上のエポキシ樹脂を用いるのが最も好ましい。
【0046】
【化7】
【0047】YX−4000(油化シェルエポキシ
(株)製)
【0048】
【化8】
【0049】エピクロンN−510(大日本インキ化学
(株)製、変性ノボラック型多官能エポキシ樹脂)
【0050】
【化9】
【0051】 EPPN−500シリーズ(日本化薬(株)製、非ノボ
ラック型多官能エポキシ樹脂) EPPN−501H、EPPN−502H、EOCN−
1020、[各式中、Gはいずれもグリシジル基を示
す]
【0052】特に式(I)〜(III)の特定のエポキシ樹
脂を単独またはこれらを組み合わせるか、これらを主体
として上記の他のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂およびその誘導体、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノール型特殊エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポ
キシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式脂肪
族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂のヒダントイン
型エポキシ樹脂等)と混合して用いることによって、感
光性および現像性共に優れ、かつポットライフの長い感
光性熱硬化性樹脂組成物で、ソルダーレジストに要求さ
れる密着性、電気絶縁性および耐電蝕性、はんだ耐熱
性、レベラー用水溶性フラックスに対する非白化性、塩
化メチレンのような溶剤に対する優れた耐性、耐酸およ
び耐アルカリ性、耐メッキ性、PCT性等に優れた硬化
塗膜が得られ、民生用や産業用プリント配線板等の製造
に適した感光性熱硬化性樹脂組成物およびソルダーレジ
ストパターンの形成方法を提供することができる。
【0053】これらのエポキシ樹脂の添加量は、用いる
エポキシ樹脂の種類によって異なるが、感光性オリゴマ
ー100重量部に対して20〜145重量部の範囲が好
ましい。この範囲未満でも越えても、耐熱性が低く、P
CT性、電気絶縁性および耐電蝕性に劣る。
【0054】本発明の(d)成分としては、2,4−ジ
アミノ−6−ビニル−S−トリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン
を用いる。(a)成分の感光性成分と(c)エポキシ樹
脂を単に組み合わせただけでは耐熱性、耐メッキ性が不
十分であるが、上記の特定の化合物を配合した場合の
み、これらの性能が著しく向上する。これらの添加量は
感光性オリゴマー100重量部に対して通常1〜10重
量部の範囲である。この量が1重量部より少ないと耐メ
ッキ性が十分でなく、10重量部より多いとその硬化が
飽和してしまうので必要がない。
【0055】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物におい
てはフィラーを添加することができる。フィラーとして
は、タルク、石英、アルミナ、硫酸バリウム等の公知の
ものである。これらの添加量は感光性オリゴマー100
重量部に対して0〜150重量部の範囲である。また、
必要に応じフタロシアニンブルー、シアニングリーン、
ハンザイエローのような着色顔料や各種蛍光顔料、ま
た、エロジルのようなチクソトロピー性コントロールの
ための微粒子も配合される。
【0056】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、必
要に応じ有機溶剤で希釈して混合・錬磨して、常温での
粘度が1〜500ポイズに調整してインクとされる。こ
こで用いられる有機溶剤としては、通常用いられるジア
セトンアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート、ソルフィトアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルアセテート、ジグ
ライム等が用いられる。粘度は塗布方法によって異な
り、静電塗装では1〜100ポイズ、スクリーン印刷や
カーテン塗布では100〜500ポイズの範囲が一般的
である。この樹脂組成物は、感光性を有するために塗膜
にフォトマスクを介して露光することによりパターン形
成が可能であり、しかもパターン形成の後、その塗膜を
熱によりさらに硬化させることのできる感光性熱硬化性
樹脂組成物である。
【0057】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、ソ
ルダーレジストとして特に好ましく用いられる。
【0058】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を用い
てソルダーレジストパターンを形成するには、まず本発
明の感光性熱硬化性樹脂組成物を、導体回路の形成され
たプリント基板に塗布することによって塗膜を作成す
る。
【0059】基材への塗布は通常、スクリーン印刷、ス
プレーコート、カーテンコート等の方法で行う。塗膜の
乾燥は、熱風乾燥、遠赤外線等により通常120℃以
下、好ましくは60〜100℃の範囲で10〜60分行
う。この時の温度と時間は用いる溶剤の種類と希釈率、
塗膜厚等によって異なるので、最適条件を選んで設定す
る必要がある。但し、硬化温度が120℃を越えると、
熱硬化反応が始まり、露光・現像後パターンが形成され
なくなるので好ましくない。
【0060】こうして得られた塗膜は、常温で表面タッ
クがなく、フォトマスクと接触してもフォトマスクに粘
着することがない。
【0061】乾燥後、レーザーを直接照射するかあるい
は塗膜とネガ型のフォトマスクを密着させて、例えば水
銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用い
て紫外線で露光する。次いで、未露光部をアルカリ性水
溶液で現像しパターンを形成する。この感光被膜はさら
に熱硬化(アフターキュア)を行なうことによって、耐
熱性、密着性に優れ、電気絶縁性の良い高信頼性の被膜
となり、ソルダーレジスト、メッキレジスト等として極
めて有用となる。アルカリ性現像液としては、一般に1
〜5重量%程度の炭酸ナトリウム等の水溶液を用いるこ
とができる。
【0062】アフターキュアは熱風乾燥、遠赤外線等を
用い、120〜180℃で、通常10〜60分間行う、
アフタ−キュアが十分でないと塗膜物性が十分にでない
し、これより過度に硬化させると塗膜が劣化する恐れが
ある。
【0063】
【作用】感光性樹脂成分の主成分に用いる感光性オリゴ
マーとして、共役ジエンの重合体および/または共重合
体のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物付加体にアルコ
ール性水酸基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エ
ステルで半エステル化して得られるオリゴマーを採用す
ることによって、従来のノボラック型エポキシ樹脂と不
飽和モノカルボン酸との反応生成物に多塩基酸を反応さ
せたものと同様、アルカリ性水溶液による現像が可能な
ばかりでなく、従来のものより耐薬品性に優れた硬化塗
膜が得られるという効果を有する。
【0064】また、感光性熱硬化性樹脂組成物の一成分
として、2,4−ジアミノ−6−ビニル−S−トリアジ
ンおよび/または2,4−ジアミノ−6−メタクリロイ
ルオキシエチル−S−トリアジンを添加することによっ
て耐メッキ性が著しく向上させる効果がある。
【0065】さらにまた、熱硬化性樹脂成分として前記
の特定の構造を有するエポキシ樹脂(I)〜(III) を用
いることによって、耐熱性、耐薬品性、耐メッキ性等が
著しく向上する。
【0066】これらの構成成分を配合することによっ
て、感光性および現像性が共に優れ、かつポットライフ
の長い感光性熱硬化性樹脂組成物を提供し、ソルダーレ
ジストに要求される密着性、電気絶縁性および耐電蝕
性、はんだ耐熱性、レベラー用水溶性フラックスに対す
る非白化性、塩化メチレンのような溶剤に対する優れた
耐性、耐酸および耐アルカリ性、耐メッキ性、PCT性
等に優れた硬化塗膜が得られ、民生用や産業用プリント
配線板等の製造に適した感光性熱硬化性樹脂組成物およ
びソルダーレジストパターンの形成方法を提供すること
が可能となった。
【0067】
【発明の効果】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は紫
外線硬化型でアルカリ現像ができるため、作業性が良
く、精度の良いレジストパターンを得ることができる。
しかも、熱硬化型でもあるため密着性、電気絶縁性およ
び耐電蝕性、はんだ耐熱性、レベラー用水溶性フラック
スに対する非白化性、塩化メチレンのような溶剤に対す
る優れた耐性、耐酸および耐アルカリ性、耐メッキ性、
PCT性等がさらに優れた硬化塗膜が得られる。従っ
て、民生用や産業用プリント配線板等の製造に適したソ
ルダーレジスト、エッチングレジスト、メッキレジスト
として用いることができる。
【0068】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものでは
ない。なお、「部」および「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準である。
【0069】合成例1 ベンジルナトリウムを触媒とし、連鎖移動剤のトルエ
ンの存在下に30℃でブタジエンを重合させて得られる
数平均分子量1000、25℃における粘度13ポイ
ズ、1、2結合65%の液状ブタジエン重合体258
g、無水マレイン酸194g、トリエチレングリコール
ジメチルエーテル10gおよびトリメチルヒドロイキノ
ン2gを環流冷却管および窒素吹き込み管付の1リット
ルのセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下に190
℃で5時間反応させた。反応後、未反応無水マレイン
酸、トリエチレングリコールジメチルエーテルを留去さ
せ、全酸価480mgKOH/gのマレイン化ブタジエ
ン重合体442gを得た。このものの軟化点(環球式軟
化点JIS−K−2531−60)は129℃であっ
た。
【0070】得られたマレイン化ブタジエン重合体30
0g、ジエチレングリコールジメチルエーテル189g
を環流冷却管および窒素吹き込み管付の2リットルのセ
パラブルフラスコに入れ125℃で溶解した。溶解後、
65℃まで冷却したのち2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート149.0gとヒドロキノン0.6gを添加し、続
いてトリエチルアミン3gを加え半エステル化を開始し
た。トリエチルアミンの添加とともに反応熱により系内
の温度が上昇したが、反応温度が85℃になるように制
御しながら、3時間反応を行ない、マレイン化ブタジエ
ン重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレートの70w
t%ジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を得
た。
【0071】合成例2 合成例1で合成した全酸価480mgKOH/gのマ
レイン化ブタジエン重合体を用い、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートによる半エステル化物を以下のように
して得た。
【0072】マレイン化ブタジエン重合体300g、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル194gを環流冷
却管付の2リットルのセパラブルフラスコに入れ125
℃で溶解した。溶解後、65℃まで冷却したのち2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート167gとヒドロキノン
0.6gを添加し、続いてトリエチルアミン6gを加え
半エステル化を開始した。トリエチルアミンの添加とと
もに反応熱により、系内の温度が上昇したが、反応温度
が95℃になるように制御しながら、3時間反応を行な
い、マレイン化ブタジエン重合体の2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートの70wt%ジエチレングリコールジ
メチルエーテル溶液を得た。
【0073】実施例1〜3および比較例1〜2 表1に示す配合(単位は、重量部)の主剤1〜4を三
本ロールにより調製した。
【0074】主剤100gに対して、添加剤1(油化シ
ェルエポキシ社製、ビフェニル型エポキシ樹脂、YX−
4000 60部とプロピレングリコールモノメチルア
セテート 40部とからなる)を35g加え、実施例1
〜3、比較例1〜2の感光性熱硬化性樹脂組成物とし
た。
【0075】
【表1】
【0076】1)合成例1で合成したマレイン化ブタジ
エン重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレートによる
半エステル化物の70%ジエチレングリコールジメチル
エーテル溶液
【0077】2)合成例2で合成したマレイン化ブタジ
エン重合体の2−ヒドロキシエチルメタクリレートによ
る半エステル化物の70%ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル溶液
【0078】3)チバ・ガイギー社製、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
プロパン−1−オン
【0079】4)日本化薬社製、2,4−ジエチルチオ
キサントン
【0080】5)四国化成工業社製、2,4−ジアミノ
−6−ビニル−s−トリアジン
【0081】6)四国化成工業社製、2.4−ジアミノ
−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン
【0082】7)日本アエロジル社製、シリカ
【0083】8)東芝シリコーン社製、シリコーン系消
泡剤
【0084】各々の感光性熱硬化性樹脂組成物を、スク
リーン印刷法によりガラス/エポキシのプリント基板全
面に、乾燥膜厚20μmになるように塗布し、熱風乾燥
器で75℃、30分間乾燥した。
【0085】次に、ネガパターンのフォトマスクをこの
乾燥塗膜に密着させ、オーク社製メタルハライド灯露光
装置で、500mJ/cm2 の露光をし、ついで1%炭
酸ソーダ水溶液(30℃)を現像液として、2kg/c
2 のスプレー圧で現像し、水洗・乾燥(75℃、30
分)した。
【0086】さらに、150℃の熱風循環炉で、30分
熱硬化反応を行った。
【0087】このようにして作成した各々の感光性熱硬
化性樹脂組成物硬化物の特性を表2にまとめた。また、
実施例1〜3の組成物においては、シェルフライフはい
ずれも1カ月以上と良好であり、また現像性も良好であ
った。
【0088】
【表2】
【0089】これらの実施例等に用いた試験方法および
評価判定基準は下記の通りである。
【0090】1)シェルフライフ ポリ容器にインク状の感光性熱硬化性樹脂組成物(エポ
キシ樹脂を添加していないもの)を入れ密栓して、40
℃の恒温槽に保管し、経時的に粘度を測定した。初期の
粘度が2倍となる時間をシェルフライフとした。
【0091】2)現像性 エポキシ基板にスクリーン印刷により感光性熱硬化性樹
脂組成物のインクを塗布し(乾燥膜厚で約20μm)、
75℃、30分間乾燥の後、フォトマスクを塗膜面に接
触させ、オーク製作所製メタルハライド灯露光装置を用
いて500mJ/cm2 の露光をし、1%炭酸ソーダ水
溶液を現像液として2kg/cm2 のスプレー圧で1分
間現像し、水スプレーで水洗し、乾燥した時の状態を、
光照射された部分に脱落があったり、未照射部分にイン
クが残っていないか、目視で判定した。
【0092】3)光硬化反応性および解像度 エポキシ基板にセロファンテープ2枚厚で感光性熱硬化
性樹脂組成物のインクを塗布し、75℃、30分間乾燥
の後、STOUFFER社のステップタブレットおよび
日立化成社の解像度測定用テストパターンNo.1とを
塗膜面に接触させ、オーク製作所製メタルハライド灯露
光装置を用いて500mJ/cm2の露光をし、ついで
1%炭酸ソーダ水溶液を現像液として2kg/cm2
スプレー圧で1分間現像し、水スプレーで水洗し、乾燥
した。次に、150℃の熱風循環炉で30分間、熱硬化
させた。
【0093】STOUFFER社のステップタブレット
により、パターンの残っている段数を読み、光硬化反応
性の目安(感度)とした。段数が多いほど光硬化反応が
早いものと考えられる。また、日立化成社の解像度測定
用テストパターンNo.1により解像度を評価した。
【0094】4)密着性 エポキシ基板にスクリーン印刷により感光性熱硬化性樹
脂組成物のインクを塗布し(乾燥膜厚で約20μm)、
75℃、30分間乾燥の後、フォトマスクを塗膜面に接
触させ、オーク製作所製メタルハライド灯露光装置を用
いて500mJ/cm2 の露光をし、1%炭酸ソーダ水
溶液を現像液として2kg/cm2 のスプレー圧で1分
間現像し、水スプレーで水洗し、乾燥した。次に、15
0℃の熱風循環炉で30分間、熱硬化させた(以下、こ
れを硬化塗膜という)。
【0095】銅箔上の硬化塗膜を1mm×1mmの碁盤
目(100個)にクロスカットし、この上にセロファン
テープを張り付けて、引き剥し、剥がれ状態から目視判
定をした。
【0096】◎;100/100で全く剥がれないもの ○;100/100でクロスカット部が少し剥がれたも
の △;99/100〜50/100 ×;49/100〜0/100
【0097】5)鉛筆硬度試験 銅箔上の硬化塗膜について、JIS K 5400の試
験方法に従って硬度を測定した。
【0098】6)耐熱性 硬化塗膜にフラックス(アサヒ化学研究所製、アサヒス
ピディフラックスAGF−J3)を塗布し、それを26
0℃のはんだ浴上に15秒間置き、はんだ付けをしてか
ら、塗膜に異常がないか観察する。塗膜が剥離したり、
ふくれたり、塗膜の下にはんだが潜り込むような異常が
なければ、再びフラックスを塗布して260℃、15秒
はんだ付けしてから塗膜を観察する。塗膜に異常の出な
い最長時間を耐熱時間とする。
【0099】7)レベラー用水溶性フラックスに対する
耐性 硬化塗膜にレベラー用水溶性フラックス(メック社製、
W−139)を塗布し、それを260℃のはんだ浴中に
15秒間浸漬した後、直ちにこれを70〜80℃の温水
中に投入し、1時間放置後水洗して乾燥し、塗膜にふく
れ、剥離、白化等の異常がないか観察する。本発明では
白化のレベルを以下のように評価した。
【0100】○;白化なし △;やや白化 ×;白化あり
【0101】なお、実施例および比較例では、塗膜のふ
くれや剥離は発生していない。また、セロファンテープ
を張り付けた後、それを引き剥して塗膜が剥離しないか
どうかピーリングテストし、次のように判定した。
【0102】◎;全く剥がれないもの ○;わずか少し剥がれたもの △;剥がれが顕著なもの ×;塗膜が全体的に剥離してしまうもの
【0103】8)塩化メチレン対する耐性 硬化塗膜を常温の塩化メチレン中に浸漬し、15分ごと
に取り出し、塗膜にふくれがないかどうか、また、ガラ
ス基材目が見えるかどうか観察し、塗膜に欠陥が発生す
るまでの時間を測定した。
【0104】9)耐酸性 硬化塗膜を10vol%HCl水溶液、20vol%硫
酸水溶液および5wt%苛性ソーダ水溶液に、それぞれ
室温で3時間浸漬し、表面の白化と塗膜の密着性(ピー
リングテスト)を評価した。
【0105】10)耐メッキ性 奥野製薬製の無電解ニッケルメッキ用前処理液によっ
て、前処理の後、無電解ニッケルメッキ、続いて無電解
金メッキを施したテスト基板をピーリングテストし、剥
がれ状態を観察した。
【0106】耐メッキ性の程度は、セロファンテープを
張り付けた後、それを引き剥して塗膜が剥離しないかど
うかピーリングテストし、次のように判定した。
【0107】◎;全く剥がれないもの ○;わずか少し剥がれたもの △:剥がれが顕著なもの ×;塗膜が全体的に剥離してしまうもの
【0108】11)PCT(Pressure Cook Test)性 121℃、2気圧の蒸気中で5時間放置したあと、塗膜
にふくれ、剥離、変色等の異常がないものを合格とし
た。
【0109】12)電気絶縁性および耐電蝕性 電気絶縁性はJIS C−6481に準拠しておこなっ
た。また、耐電蝕性は、くし状パターンを用いIPC
SM−840に準拠しておこなった。尚、IOCでは試
験条件として、以下の3つの異なった条件を規定してお
り、これに合格するか否か評価した。
【0110】ClassI 温度 35±5℃、温度
90%、4日間 ClassII 温度 50±5℃、湿度90%、7日
間 ClassIII 温度 25±2℃〜65℃±2℃サイ
クル、湿度90%、4日間
【0111】実施例4〜6および比較例3〜5 以下に示す主剤5を作成した。
【0112】 主剤5; 合成例1のアクリレート(70%固形分 66部 DPHA 7部 DETX 0.8部 イルガキュア−907 3.8部 VT 2.8部 タルク 1.4部 硫酸バリウム 12.6部 フタロシアニングリーン 0.5部 エロジルR−812 2.8部 消泡剤TSAー750S 1部
【0113】主剤5に、添加剤としてエポキシ樹脂YX
−4000の微粉末を加えて実施例4〜6および比較例
3〜5の感光性熱硬化性樹脂組成物を得た。これらの組
成物を実施例1と同様な方法で硬化物とし、それの特性
を評価した。結果を表3に示す。また、実施例4〜6の
組成物においては、シェルフライフはいずれも1カ月以
上と良好であり、また現像性も良好であった。
【0114】
【表3】
【0115】実施例7〜12および比較例6〜7 以下に示す主剤6を作成した。
【0116】 主剤6; 合成例1で合成したアクリレート(70%固形分) 47部 DPHA 4部 DETX 0.5部 イルガキュア−907 3部 VT 3部 タルク 19部 硫酸バリウム 19部 フタロシアニングリーン 0.5部 エロジルR−812 2部 消泡剤TSA−750S 1部
【0117】主剤6に、添加剤として各種エポキシ樹脂
を加えて実施例7〜12および比較例6〜7の感光性熱硬
化性樹脂組成物を得た。これらの組成物を実施例1と同
様な方法で硬化物とし、それの特性を評価した。
【0118】主剤6の100gに対して、以下の硬化剤
を固形分量で20g添加して感光性熱硬化性樹脂組成物
とした。硬化剤の種類は以下の通りである。
【0119】実施例7;YX−4000(油化シェルエ
ポキシ社製、ビフェニル型エポキシ樹脂)/エポクロン
HP4032(大日本インキ化学工業社製、ナフタレン
環をもつ特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂)=5
0/50
【0120】実施例8;YX−4000/エポクロンE
XA4506(大日本インキ化学工業社製、フェノール
ノボラックエポキシ樹脂)=90/10
【0121】実施例9;YX−4000/エピクロンE
XA4621(大日本インキ化学工業社製、クレゾール
ノボラックエポキシ樹脂)=90/10
【0122】実施例10;EPPN−502(日本化薬社
製、特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂
【0123】実施例11;エピクロンN−510(大日本
インキ化学工業社製、ビスフェノールAノボラック型エ
ポキシ樹脂)
【0124】実施例12;トリグリシジルイソシアヌレー
ト(油化シェルエポキシ社製、PF−810)
【0125】比較例6;エピコート828(油化シェル
エポキシ社製、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル)
【0126】比較例7;エピコート1004(油化シェ
ルエポキシ社製、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル)
【0127】主要特性を評価し、結果を表4に示す。ま
た、実施例7〜12の組成物においては、シェルフライフ
はいずれも1カ月以上と良好であり、また現像性も良好
であった。
【0128】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/029 G03F 7/029 7/032 501 7/032 501 H05K 3/06 H05K 3/06 H (72)発明者 岩佐 山大 東京都八王子市諏訪町251番地株式会社 アサヒ化学研究所内 (72)発明者 湯浅 仁士 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 佐藤 晴義 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 大月 裕 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石 油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−138371(JP,A) 特開 昭51−116893(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/038 G03F 7/027 G03F 7/029 G03F 7/032

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)数平均分子量が500〜5000
    の共役ジエンの重合体および/または共重合体にα,β
    −不飽和ジカルボン酸無水物を付加して得られる酸無水
    物基含有の共役ジエンの重合体および/または共重合体
    に、一般式 【化1】 [式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜6
    の有機残基、R3は炭素数2〜12のアルキレン基を示
    す]で表わされるアルコール性水酸基を有するα,β−
    不飽和モノカルボン酸エステルを反応させ、該付加物の
    酸無水物基の少なくとも80モル%を開環させて得られ
    る感光性オリゴマー、 (b)光重合開始剤、 (c)ビスフェノール型特殊エポキシ樹脂、ノボラック
    型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、特殊グリ
    シジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系
    エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式
    脂肪族エポキシ樹脂および複素環式エポキシ樹脂からな
    る群より選ばれる一種または二種以上のエポキシ樹脂、
    および (d)2,4−ジアミノ−6−ビニル−S−トリアジン
    および/または2,4−ジアミノ−6−メタクリロイル
    オキシエチル−S−トリアジンを必須成分として配合
    し、前記感光性オリゴマー100重量部に対して前記エ
    ポキシ樹脂を20〜64重量部配合してなる感光性熱硬
    化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記感光性オリゴマー100重量部に対
    して、前記光重合開始剤を1〜15重量部、前記2,4
    −ジアミノ−6−ビニル−S−トリアジンおよび/また
    は2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル
    −S−トリアジンを1〜10重量部配合してなる請求項
    1記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(c)成分のエポキシ樹脂が式
    (I)、(II)および(III)から選ばれるエポキ
    シ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感光性熱
    硬化性樹脂組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 [各式中、Gはいずれもグリシジル基を示す]
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の感光性熱硬化性樹脂組
    成物をプリント配線板に塗布し、フォトマスクを介して
    露光し、未露光部を現像してパターンを形成し、その
    後、熱硬化させることを特徴とするソルダーレジストパ
    ターンの形成方法。
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