JP2862313B2 - ソルダーレジストインキ組成物及びその硬化物 - Google Patents

ソルダーレジストインキ組成物及びその硬化物

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JP2862313B2
JP2862313B2 JP4806890A JP4806890A JP2862313B2 JP 2862313 B2 JP2862313 B2 JP 2862313B2 JP 4806890 A JP4806890 A JP 4806890A JP 4806890 A JP4806890 A JP 4806890A JP 2862313 B2 JP2862313 B2 JP 2862313B2
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San Ei Kagaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプリント配線板用ソルダーレジストとして有
用な、現像性に優れかつ露光部の現像液に対する耐性を
有し、ポットライフが長く、予備乾燥時の熱安定性に優
れ、感光性に優れ、又その硬化皮膜の密着性、電気絶縁
性、半田耐熱性、耐薬品性、金メッキ耐性等に優れたア
ルカリ現像型感光性熱硬化性ソルダーレジストインキ組
成物及びその硬化物に関する。
(従来の技術) 近年、省資源、省エネルギー、作業性向上、生産性向
上などの理由により紫外線硬化型組成物が多用されてき
ている。プリント配線基板加工分野においても同様の理
由によりソルダーレジストインキ、マーキングインキな
ど種々のインキが従来の熱硬化型組成物から紫外線硬化
型組成物へと移行してきている。その中でもソルダーレ
ジストインキは、いち早く紫外線硬化型組成物へと移行
した。
(発明が解決しようとする課題) プリント配線基板のレジストパターン形成法には、ス
クリーン印刷法が用いられてきたが、かかるスクリーン
印刷法によるときには、多くの場合、印刷時のブリー
ド、にじみ、あるいは、ダレといった現象が発生し、こ
れがために最近のプリント配線基板の高密度化に対応し
きれなくなっている。
こうして問題点を解決するために、ドライフィルム型
のフォトレジストや、液状の現像可能なレジストインキ
もあるが、ドライフィルム型のフォトレジストの場合、
熱圧着の際に気泡を生じ易く、耐熱性や密着性にも不安
があり、また高価格であるなどの問題がある。一方、液
状レジストで現在市販されているものは、有機溶剤を現
像液として使用するものや、希アルカリ水溶液で現像す
るものがあるが、有機溶剤を使用する場合は、大気汚染
の問題の他に、溶剤が高価なうえ、耐溶剤性、耐酸性に
も問題がある。又希アルカリ水溶液で現像出来るもの
は、その硬化物が耐熱性、耐薬品性、金メッキ耐性等の
点で不十分であり、問題である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の問題を解決するため鋭意研究し
た結果、貯蔵安定性が良好で、予備乾燥時の熱安定性に
優れ、アルカリ水溶液で現像が可能であり、感光性に優
れ、又、その硬化皮膜の密着性、電気絶縁性、半田耐熱
性、耐薬品性、金メッキ耐性等に優れたソルダーレジス
トに適するアルカリ現像型感光性熱硬化性ソルダーレジ
ストインキ組成物及びその硬化物を提供することに成功
した。
すなわち、本発明は、 (1) 一般式[I]で表されるエポキシ樹脂 (式中、RはH又はCH3であり、nは0又は1以上の整
数であり、好ましくは0〜15の整数、特に好ましくは0
〜10の整数である。) と(メタ)アクリル酸との反応物を多塩基性カルボン酸
又はその無水物と反応させて得られる不飽和基含有ポリ
カルボン酸樹脂(A)、軟化点が50℃以上好ましくは65
℃以上のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物
であるエポキシ(メタ)アクリレート(B)、カルボキ
シル基又はカルボン酸無水物基を有する重合体とヒドロ
キシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応物
(C)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌ
レート(D)、希釈剤としての不飽和基含有単量体及び
/又は有機溶剤(E)、並びに高重合開始剤(F)を含
有することを特徴とするアルカリ現像型感光性熱硬化性
ソルダーレジストインキ組成物、 (2) 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)とエポ
キシ(メタ)アクリレート(B)との配合比率が100:1
〜35(重量基準)である上記(1)に記載の組成物、 (3) 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)と反応
物(C)との配合比率が100:1〜50(重量基準)である
上記(1)及び(2)のいずれかに記載の組成物、 (4) 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)とトリ
ス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(D)
との配合比率が100:5〜100(重量基準)である上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物、 (5) 希釈剤(E)の配合量が不飽和基含有ポリカル
ボン酸樹脂(A)100重量部当り10〜300重量部である上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物、 (6) エポキシ樹脂硬化剤を含有する上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の組成物、 (7) 無機充填剤を含有する上記(1)〜(6)のい
ずれかに記載の組成物、 (8) 着色顔料を含有する上記(1)〜(7)のいず
れかに記載の組成物、 (9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物
の硬化物に関する。
本明細書中、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸、メ
タクリル酸又はこれらの混合物を意味し、(メタ)アク
リル酸エステルとはアクリル酸エステル、メタアクリル
酸エステル又はこれらの混合物を意味する。
本発明で使用する不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂
(A)は、一般式[I]で表されるエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸とを反応させ、次いで、多塩基性カルボ
ン酸又はその無水物を反応させることによって得ること
ができる。本発明において用いる前記の式[I]で表さ
れるエポキシ樹脂は、例えばタクティクス−742(ダウ
・ケミカル社製、商品名)、EPPN−501,EPPN−502,EPPN
−504(日本化薬(株)製、商品名)等として既に市販
されている。式[I]で表されるエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸との反応は、式[I]で表されたエポキ
シ樹脂のエポキシ基の1化学等量に対して(メタ)アク
リル酸約0.8〜1.5化学当量、特に好ましくは、約0.9〜
1.1化学当量となる比で反応させ、反応時に、本発明で
使用する希釈剤としての不飽和基含有単量体及び/又は
有機溶剤(E)を使用することが好ましい。不飽和基含
有単量体の具体例としては、カルビトール(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス
(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アク
リレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アク
リレート等を挙げることができる。有機溶剤の具体例と
しては、メチルエチルケトン、エチルセロソルブアセテ
ート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ソル
ベントナフサ等の溶剤類を挙げることができる。更に、
反応を促進させるために触媒(例えば、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモ
ニウムクロライド、トリフェニルスチビン等)を使用す
ることが好ましく、該触媒の使用量は、反応混合物に対
して好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは、0.3〜
5重量%である。反応中の重合を防止するために、重合
防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、フェノ
チアジン等)を使用するのが好ましく、その使用量は、
反応混合物に対して好ましくは、0.01〜1重量%、特に
好ましくは0.05〜0.5重量%である。反応温度は好まし
くは60〜150℃、特に好ましくは、80〜120℃である。
又、反応時間は好ましくは5〜60時間、特に好ましくは
10〜50時間である。
多塩基性カルボン酸又はその無水物の具体例として
は、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、テトラクロロフ
タル酸、テトラブロモフタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等及びこれ
らの無水物等が挙げられる。
前記の方法で得た一般式[I]で表されるエポキシ樹
脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物と多塩基性カル
ボン酸又はその無水物との反応は、一般式[I]で表さ
れるエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物
の中の水酸基と前記の酸又はその無水物とのエステル化
反応である。反応温度は、好ましくは60〜150℃、特に
好ましくは80〜120℃である。反応時間は好ましくは1
〜30時間、特に好ましくは5〜20時間である。この反応
を行なう際、一般式[I]で表されるエポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸とを上記のようにして反応させて得
られた反応生成物をそのままこのエステル化反応の原料
として用いることが出来る。エステル化反応生成物[不
飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)]の酸価(mgKOH/
g)は、30〜150mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
本発明では、軟化点が50℃以上のエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アク
リレート(B)を使用する。軟化点が50℃以上のエポキ
シ樹脂の具体的な例としては、ノボラック型エポキシ樹
脂(東都化成(株)製、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−
703、YDPN−601;日本化薬(株)製、EOCN−102、EOCN−
104、EPPN−201、BREN;旭化成工業(株)製、ECN−26
8、ECN−273、ECN−286等)、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート10
01、エピコート1002;東都化成(株)製、YDB−400、YDB
−500等)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシア
ヌレート、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベース
のエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EPPN−502等)等
が挙げられる。
軟化点が50℃以上のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸との反応は、軟化点が50℃以上のエポキシ樹脂のエポ
キシ基の1化学当量に対して(メタ)アクリル酸を好ま
しくは0.8〜1.5化学当量、特に好ましくは約0.9〜1.1化
学当量となる比で反応させる。反応時に、希釈剤とし
て、メチルエチルケトン、エチルセロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテ
ート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ソルベ
ントナフサ等の溶剤類を使用することが好ましく、更
に、反応を促進させるために触媒(例えば、トリエチル
アミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルア
ンモニウムクロライド、トリフェニルスチビン等)を使
用することが好ましい。該触媒の使用量は、反応混合物
に対して、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは
0.3〜5重量%である。反応中の重合を防止するために
重合防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、フ
ェノチアジン等)を使用するのが好ましく、その使用量
は、反応混合物に対して、好ましくは0.01〜1重量%、
特に好ましくは、0.05〜0.5重量%である。反応温度
は、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは、80〜120℃
である。反応時間は好ましくは5〜60時間、特に好まし
くは10〜50時間である。好ましいエポキシ(メタ)アク
リレート(B)としては、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂のエポキシアクリレート、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂のエポキシアクリレート等を挙げるこ
とができる。
本発明では、カルボキシル基又はカルボン酸無水物を
有する重合体と、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル
酸エステルとの反応物(C)を使用する。カルボキシル
基又はカルボン酸無水物基を有する重合体の具体例とし
ては、スチレンと無水マレイン酸との共重合体(ATOCHE
M社製SMA−1000、SMA−2000等)、α−イソブチレンと
無水マレイン酸との共重合体((株)クラレ製、クラレ
イソバン−04等)、スチレンと無水マレイン酸との共重
合体とアルキルアルコールとの反応物(ATOCHEM社製、S
MA−17352 A等)等を挙げることができる。重合体の平
均分子量は5万以下が好ましく、特に1万以下が好まし
い。好ましい重合体としては、スチレンと無水マレイン
酸との共重合体等を挙げることができる。ヒドロキシル
基含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの反応
物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
を挙げることができる。好ましいヒドロキシル基含有
(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート等を挙げることができる。前記重合体とヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応において
重合体のカルボキシル基1化学当量に対して、ヒドロキ
シル基含有(メタ)アクリル酸エステルの水酸基0.1〜
0.75化学当量の割合で反応させるのが好ましい。又、重
合体のカルボン酸無水物1化学当量に対しては、ヒドロ
キシル基含有(メタ)アクリル酸エステルの水酸基0.4
〜0.6化学当量の割合で反応させるのが好ましい。生成
物の酸価(mgKOH/g)は50〜300mgKOH/g程度であること
が好ましい。反応温度は、好ましくは60〜150℃、特に
好ましくは80〜120℃である。反応時間は好ましくは5
〜50時間、特に好ましくは5〜20時間である。反応時
に、希釈剤として前記の有機溶剤を使用するのが好まし
い。
本発明で使用するトリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレート(D)は、市場より容易に入手するこ
とができる。例えば、日産化学(株)製、TEPIC−G、T
EPIC−P,TEPIC−L,TEPIC−S、TEPIC−H等を挙げるこ
とができる。
本発明で使用する光重合開始剤(F)としては、公知
のどのような光重合剤でも使用することができるが、配
合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。この様な光重
合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセト
フェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアン
トラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−ク
ロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−
アミノアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピ
ルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタールベ
ンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロ
ロベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾ
フェノン、ミヒラーズケトン等を挙げることができる。
これらは、単独あるいは2種以上を組合せて用いること
ができる。さらに、斯かる光重合開始剤は、N,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミ
ン、トリエチルアミンの様な公知慣用の光増感剤を単独
であるいは2種以上を組合せて用いることができる。
好ましい組合せは、2,4−ジエチルチオキサントンや
2−イソプロピルチオキサントンとN,N−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチルエステルの組合せ、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノー
プロパン−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュ
アー907)と2,4−ジエチルチオキサントンや2−イソプ
ロピルチオキサントンの組合せ等である。
本発明の組成物の各成分の好ましい使用割合は次のと
おりである。(A)成分と(B)成分との配合比率は、
100:1〜35(重量基準)が好ましく、特に好ましくは、1
00:5〜30(重量基準)である。(A)成分と(C)成分
との配合比率は100:1〜50(重量基準)が好ましく、特
に好ましくは100:5〜40(重量基準)である。
(A)成分と(D)成分との配合比率は、100:5〜100
(重量基準)が好ましく、特に好ましくは、100:15〜70
(重量基準)である。
(E)成分の使用量は、(A)成分100重量部当り10
〜300重量部が好ましく、特に好ましくは、40〜150重量
部である。
(F)成分の使用量は、(A)成分100重量部当り0.5
〜50重量部が好ましく、特に好ましくは4〜35重量部で
ある。
本発明の組成物には、(D)成分を熱硬化するために
エポキシ樹脂硬化剤を使用するのが好ましい。エポキシ
樹脂硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド及びそ
の誘導体(例えば、フェニルビグアニド等);有機酸ヒ
ドラジド(例えば、アジピン酸ヒドラジド等);尿素、
メラミン及びそれらの誘導体(ジアリルメラミン等);
イミダゾール化合物(例えば2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチル
イミダゾル−(1))エチル−S−トリアジン、2,4−
ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾール−(1))
エチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−
メチルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール等);トリアジン化合物(例えば2,4
−ジアミノ−6−ビニル−S−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリア
ジン、2−メトキシエチル−4,6−ジアミノ−S−トリ
アジン等);ウレア化合物(例えば3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1,1′−ジメチルウレア、1,1′−イソホ
ロン−ビス(3−メチル−3−ヒドロキシエチルウレ
ア)、1,1′−トリレン−ビス(3,3−ジメチルウレア)
等;芳香族アミン化合物(例えば4,4′−ジアミノ−ジ
フェニルメタン等);脂肪族アミン化合物(例えばジエ
チレントリアミン等);ポリフェノール化合物(例えば
ポリビニルフェノール、フェノールノボラック等);有
機酸ホスフィン化合物(例えばトリブチルホスフィン、
トリフェニルホスフィン等)及び光カチオン重合触媒
(例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホス
フェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフル
オロホスフェート、2,4−シクロペンタジエン−1−イ
ル((1−メチルエチル)−ベンゼン)−Fe−ヘキサフ
ルオロホスフェート(チバ・ガイギー(株)製、イルガ
キュアー261)等を挙げることができる。これら公知の
硬化剤を、1種又は2種以上混合して用いることが出来
る。
エポキシ樹脂硬化剤を用いる場合、その使用量は
(D)成分100重量部当り、0.5〜50重量部が好ましく、
特に好ましくは、1〜30重量部である。
本発明の組成物には、更に、無機充填剤、例えば、タ
ルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシ
ウム等を使用することが出来、無機充填剤を用いる場
合、その使用量は、(A)成分100重量部当り、5〜250
重量部が好ましく、特に好ましくは、10〜150重量部で
ある。又、着色顔料として、シアニングリーン、シアニ
ンブルー等を使用することも出来、着色顔料を用いる場
合、その使用量は、(A)成分100重量部当り、0.1〜10
重量部が好ましく、特に好ましくは、1〜5重量部であ
る。
本発明の組成物には、更に、必要に応じてヘキサメト
キシメラミン、ヘキサブトキシメラミン等のメラミン樹
脂、MB−3000(三菱油化(株)製)、MB−210(三菱油
化(株)製)、MP−256(三菱油化(株)製)等のポリ
イミド、アエロジルなどのチキソトロピー剤、シリコー
ン、フッ素系ポリマー、アクリル共重合体等のレベリン
グ剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤
等を使用することもできる。
本発明の組成物は、配合成分を好ましくは前記の割合
で配合し、ロールミル等で均一に混合することにより得
られる。
本発明の組成物は、例えば次のようにして硬化し、硬
化物を得る。即ち、プリント配線板にスクリーン印刷
法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテ
ンフローコート法等の方法により10〜100μmの膜厚で
本発明の組成物を塗布し、塗膜を60〜80℃で乾燥した
後、ネガフィルムを塗膜に直接接触させ、次いで紫外線
を照射し、さらに0.5〜2%Na2CO3水溶液や0.5〜1%の
苛性ソーダ水溶液又は苛性カリ水溶液等のアルカリ水溶
液で、塗膜の未照射部分を溶解除去した後、120〜170℃
で加熱硬化することにより硬化皮膜が得られる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお
実施例中の部は、重量部である。
[不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の合成(合成
例1〜3)] 合成例1 サリチルアルデヒドとフェノールの反応物とエピクロ
ルヒドリンとの反応物であるエポキシ樹脂(日本化薬
(株)製、EPPN−502、軟化点70℃、エポキシ当量167)
53.1部、アクリル酸21.8部、メチルハイドロキノン0.05
部、トリフェニルスチビン0.5部及びジエチレングリコ
ールジメチルエーテル34.1部を加え、95℃まで昇温し、
反応液の酸価(mgKOH/g)が5以下になるまで約45時間
反応させ、次いで無水テトラヒドロフタル酸27.4部を加
えて20時間反応させた。酸価(溶剤をのぞいた成分にお
ける)が123mgKOH/gの不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂
(A−1)を得た。
合成例2 合成例1中の無水テトラヒドロフタル酸に代えて無水
フタル酸25部を用い、又ジエチレングリコールジメチル
エーテルを33.9部に変えた以外は、合成例1と同様に反
応させ、酸価(溶剤をのぞいた成分における)が90mgKO
H/gの不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−2)を得
た。
合成例3 サリチルアルデヒドとo−クレゾールの反応物とエピ
クロルヒドリンとの反応物であるエポキシ樹脂(日本化
薬(株)製、EPPN−504、軟化点、75℃、エポキシ当量1
80)180部、アクリル酸68.5部、メチルハイドロキノン
0.17部、トリフェニルスチビン1.6部及びエチルセロソ
ルブアセテート99.8部を加え、95℃まで昇温し、反応液
の酸価(mgKOH/g)が5以下になるまで約45時間反応さ
せ、次いで無水マレイ酸49部を加えて、20時間反応させ
た。酸価(溶剤をのぞいた成分における)が94.3mgKOH/
gの不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−3)を得
た。
[エポキシ(メタ)アクリレート(B)の合成(合成例
4〜5)] 合成例4 EPPN−201(日本化薬(株)製、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、軟化点、65℃、エポキシ当量187.
1)51.2部、アクリル酸18.7部、メチルハイドロキノン
0.05部、トリフェニルスチビン0.5部及びジエチレング
リコールジメチルエーテル30部を加え、95℃まで昇温
し、酸価(mgKOH/g)が5以下になるまで約45時間反応
させ、エポキシアクリレート(B−1)を得た。
合成例5 EOCN−104(日本化薬(株)製、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、軟化点90℃、エポキシ当量220)220
部、アクリル酸69.1部、メチルハイドロキノン0.2部、
トリフェニルスチビン2.0部及びブチルセロソルブアセ
テート124部を加え、95℃まで昇温し、酸価(mgKOH/g)
が5以下になるまで約45時間反応させ、エポキシアクリ
レート(B−2)を得た。
[カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有する重合
体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと
の反応物(C)の合成(合成例6)] 合成例6 スチレンと無水マレイン酸との共重合体(ATOCHEM社
製、SMA−1000、酸価(mgKOH/g)480)43.4部、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート21.6部、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル35部、メトキノン0.05部を仕込
み、90℃で酸価(mgKOH/g)が146になるまで約20時間反
応を行ない反応物(C−1)[カルボキシル基又はカル
ボン酸無水物基を有する重合体とヒドロキシル基含有
(メタ)アクリル酸エステルとの反応物(C)]を得
た。
実施例1〜7、比較例1〜8 第1表に示す配合組成に従ってソルダーレジストイン
キ組成物を配合し、3本ロールミルで混練した。これを
スクリーン印刷で、乾燥後の膜厚が15〜25μmになるよ
うに、銅スル−ホールプリント配線基板に全面塗布し、
塗膜を70℃、15分間予備乾燥した後、同様に後面も印刷
し、70℃、25分間予備乾燥した。得られたものについて
後述の[指触乾燥性]の試験を行った。次に、ソルダー
マスクパターンフィルムを塗膜面に接触させ、メタルハ
ライドランプ両面同時露光装置(オーク社製、HMW 68
0)を用いて500mj/cm2の光量で露光し、1.0wt%の炭酸
ソーダ水溶液で塗膜の未照射部分をスプレー圧2.5kg/cm
2、液温25℃で60秒間現像し、溶解除去した。得られた
ものの[現像性]及び[現像耐性]について、後述のと
おり評価を行なった。その後、熱風乾燥器で150℃、60
分加熱硬化を行ない、得られた塗膜を有する試験片につ
いて、後述のとおり[塗膜硬度]、[密着性]、[半田
耐熱性]、[耐酸性][金メッキ耐性]、[耐アルカリ
性]、[耐溶剤性]及び[絶縁抵抗]の試験を行なっ
た。又[露光感度]の試験も、後述のとおり行なった。
それらの結果を第2表に示す。
試験方法及び評価方法 [指触乾燥性] 10分間放冷後、塗膜の乾燥性をJISK5400に準じて判定
した。
◎……全くタックが認められないもの ○……わずかにタックが認められるもの △……顕著にタックが認められるもの ×……インクが指に付着するもの [現 像 性] 現像性を、拡大像にて目視判定した。
○……完全に現像できたもの △……薄く現像されない部分があるもの ×……現像されない部分がかなりあるもの [現像耐性] 塗膜の状態を目視判定した。
○……全く変化が認められないもの △……塗膜表面の光沢が低下したもの ×……塗膜の一部が剥れたもの [露光感度] Stouffer Gray Scales(Stouffer Graphic Arts社
製、光学濃度0.15、21段差のネガフィルム)を前記の両
面を予備乾燥して得た塗膜に密着し、7KWメタルハライ
ドランプを用いて500mj/cm2(基板上)の光量を照射し
た。この塗膜を前記の条件で現像し、銅箔上に残存する
段数を調べた。
[塗膜硬度] 塗膜の硬度をJISK5400に準じて測定した。
[密 着 性] 塗膜にJISD−0202の試験法に従って、碁盤目状にクロ
スカットを入れ、100個刻み、次いでセロテープを用い
ピーリング試験を行ない、碁盤目の剥離状態を拡大鏡を
用いJISD−0202に準じて評価した。
[半田耐熱性] JIS C6481の試験方法に従って、260℃の半田浴に試験
片の10秒浸漬を10回又は4回行ない、外観の変化を評価
した。
(ポストフラックス耐性) 10秒浸漬を10回行い、外観の変化を評価した。
○……外観変化なし △……塗膜の変色が認められるもの ×……塗膜の浮き、剥れ、半田潜りあり 注)使用したポストフラックス:JS−64P(山栄化学
(株)製) (レベラー用フラックス耐性) 10秒浸漬を4回行ない、外観の変化を評価した。
○……外観変化なし △……塗膜の変色が認められるもの ×……塗膜の浮き、剥れ、半田潜りあり 注)使用したレベラー用フラックス:SSF−832(山栄化
学(株)製) [耐 酸 性] 試験片を10vol%硫酸水溶液に25℃で15分間浸漬し、
塗膜の外観変化を目視で行なった.密着性は、ソルダー
パターン部をセロハンテープでピーリング試験を行いレ
ジストの剥離状態を判定した。
○……外観変化もなく、塗膜の剥離も全くない △……外観の変化はないが、塗膜にわずかに剥れあり ×……塗膜の浮きが見られ、ピーリングテストで剥れの
大きいもの [金メッキ耐性] 試験片にニッケル電解メッキを行ない、次に、上村工
業(株)製「オールナ539」を用いて、液温45℃、電流
密度2.5A/dm2、5分間メッキを行ない、2.0μmの厚さ
の金メッキを析出させた後、耐酸性試験と同様に塗膜の
状態を評価した。
[耐アルカリ性] 試験片を10wt%水酸化ナトリウム水溶液に25℃、15分
間浸漬し、耐酸性試験と同様の試験を行ない評価した。
[耐溶剤性] 試験片をジクロロメタンに25℃、30分浸漬し、外観変
化を観察した。
○……外観変化が全くないもの ×……膨潤、浸透しているもの [絶縁抵抗] 試験片を用いて、IPC−SM−840Bの試験方法(IPCクラ
スIII)に従い、7日後の吸湿及び電触後の絶縁抵抗を
測定した。
注) *(1) KAYARAD R−5027: 日本化薬(株)製、フェノールノボラック型エポキシア
クリレートと二塩基酸無水物の反応物、ブチルセロソル
ブアセテート40重量%含有品、酸価68.5(mgKOH/g) *(2) KAYARAD R−5089: 日本化薬(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリ
レートと二塩基酸無水物の反応物、カルビトールアセテ
ート40重量%含有品、酸価63(mgKOH/g) *(3) KAYARAD R−5100: 日本化薬(株)製、エピコート1031S(油化シェルエポ
キシ(株)製、エポキシ樹脂)のエポキシアクリレート
と二塩基酸無水物の反応物、ブチルセロソルブアセテー
ト35重量%含有品、酸価79(mgKOH/g) *(4) TEPIC−S: 日産化学(株)製、トリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレート、融点95〜125℃ *(5) TEPIC−H: 日産化学(株)製、トリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレート、融点150〜156℃ *(6) TEPIC−L: 日産化学(株)製、トリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレート、融点101〜106℃ *(7) EPPN−201: 日本化薬(株)製、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、軟化点65℃ *(8) KAYARAD DPHA: 日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールポリアクリ
レート *(9) KAYARAD DPCA−60 日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールのε−カプ
ロラクトン変性物のポリアクリレート *(10) イルガキュアー907: チバ・ガイギー社製、光重合開始剤 *(11) KAYACURE DETX: 日本化薬(株)製、光重合開始剤 *(12) KS−603: 信越化学工業(株)製、消泡剤 *(13) 太陽インキ(株)製: PHOTO FINER PSR−4000,H−7 (フェノールノボラックエポキシアクリレート系) [発明の効果] 本発明のアルカリ現像型感光性熱硬化性ソルダーレジ
ストインキ組成物は、パターンを形成したフィルムを通
し選択的に紫外線により露光し未露光部分を現像するこ
とによるソルダーレジストパターンの形成において、現
像性に優れ、かつ露光部の現像液に対する耐性を有し、
ポットライフが長く、予備乾燥時の熱安定性に優れ、感
光性にも優れている。又、得られる硬化物の密着性、電
気絶縁性、半田耐熱性、耐薬品性、金メッキ耐性等に優
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−172317(JP,A) 特開 平3−71137(JP,A) 特開 平2−173747(JP,A) 特開 平2−97513(JP,A) 特開 平1−179934(JP,A) 特開 平2−237115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/004 - 7/038 C08F 299/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]で表されるエポキシ樹脂 (式中、RはH又はCH3であり、nは0又は1以上の整
    数である。) と(メタ)アクリル酸との反応物を多塩基性カルボン酸
    又はその無水物と反応させて得られる不飽和基含有ポリ
    カルボン酸樹脂(A)、軟化点が50℃以上のエポキシ樹
    脂と(メタ)アクリル酸との反応物であるエポキシ(メ
    タ)アクリレート(B)、カルボキシル基又はカルボン
    酸無水物基を有する重合体とヒドロキシル基含有(メ
    タ)アクリル酸エステルとの反応物(C)、トリス(2,
    3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(D)、希釈
    剤としての不飽和基含有単量体及び/又は有機溶剤
    (E)、並びに光重合開始剤(F)を含有することを特
    徴とするアルカリ現像型感光性熱硬化性ソルダーレジス
    トインキ組成物。
  2. 【請求項2】不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)と
    エポキシ(メタ)アクリレート(B)との配合比率が10
    0:1〜35(重量基準)である請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)と
    反応物(C)との配合比率が100:1〜50(重量基準)で
    ある請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)と
    トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート
    (D)との配合比率が100:5〜100(重量基準)である請
    求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】希釈剤(E)の配合量が不飽和基含有ポリ
    カルボン酸樹脂(A)100重量部当り10〜300重量部であ
    る請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂硬化剤を含有する請求項1か
    ら5のいずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】無機充填剤を含有する請求項1から6のい
    ずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項8】着色顔料を含有する請求項1から7のいず
    れかに記載の組成物。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれかに記載の組成物
    の硬化物。
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