JP2896636B2 - ソルダーフォトレジストインキ用組成物 - Google Patents

ソルダーフォトレジストインキ用組成物

Info

Publication number
JP2896636B2
JP2896636B2 JP9600095A JP9600095A JP2896636B2 JP 2896636 B2 JP2896636 B2 JP 2896636B2 JP 9600095 A JP9600095 A JP 9600095A JP 9600095 A JP9600095 A JP 9600095A JP 2896636 B2 JP2896636 B2 JP 2896636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
curable resin
anhydride
photoresist ink
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9600095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08272094A (ja
Inventor
政晴 斎藤
才英 塚谷
公博 牧野
功 師岡
邦彦 伊藤
仁 橋本
山大 岩佐
洋一 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14152845&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2896636(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Asahi Chemical Laboratory Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Laboratory Co Ltd
Priority to JP9600095A priority Critical patent/JP2896636B2/ja
Publication of JPH08272094A publication Critical patent/JPH08272094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2896636B2 publication Critical patent/JP2896636B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソルダーフォトレジス
トインキ用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、プリント配線基板のソルダーマスク用のフォトレジ
スト、プリント配線基板を製造する際の銅エッチング用
フォトレジスト、光照射によってパターン形成を行うた
めの文字インク用感光性樹脂として有用であり、貯蔵安
定性が良好で1液型組成物として使用することができ、
希アルカリ現像性に優れ、耐熱性、電気絶縁性及び耐湿
性に優れた硬化物を与えるソルダーフォトレジストイン
キ用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、各種プリント配線基板のソルダー
レジストとしては、希アルカリ現像型の液状ソルダーフ
ォトレジストインキが広く使用されている。このような
ソルダーフォトレジストインキ用組成物としては、例え
ば、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン
酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を
反応させて得られる紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤及
び希釈剤からなる第1液成分と、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するエポキシ化合物である熱硬化性成分
及び希釈剤からなる第2液成分とを、使用直前に混合し
て用いる2液型の組成物が知られている(特公平1−5
4390号公報)。2液を混合することにより得られる
ソルダーフォトレジストインキ用組成物を、プリント配
線基板に塗布し、仮乾燥工程により塗布表面をタックフ
リーにしたのち、フォトマスクを用いて紫外線露光を行
い、希アルカリ水溶液で現像処理して未露光部分を除去
し、さらに加熱により露光部分を完全に熱硬化させる。
しかし、上記のソルダーフォトレジストインキ用組成物
は、同一液中に反応性の高い不飽和結合、カルボキシル
基及び光重合開始剤を含むために、エポキシ基を有する
化合物は、使用直前にしか配合することができない。す
なわち、このような組成物は2液型レジストインキとし
て使用するほかなく、このためにプリント配線基板製造
における工程が複雑になり、生産効率向上のための大き
な障害となっている。また、これらの紫外線硬化性樹脂
を含有するソルダーフォトレジストインキ用組成物は、
ポットライフが必ずしも十分でなく、使用上の制限を受
けるという欠点も有している。上記のソルダーフォトレ
ジストインキ用組成物から第2液成分であるエポキシ化
合物を除いて1液型のレジストインキとして使用する
と、密着性、耐熱性、電気絶縁性、耐湿性などのソルダ
ーフォトレジスト硬化被膜として有すべき各種の性能が
低下する。また、多塩基酸無水物や光重合開始剤の種類
や配合量を調製し、ポットライフを向上させると、希ア
ルカリ現像性が非常に低下する結果を招き、ポットライ
フと希アルカリ現像性を両立させることは困難であっ
た。このため、貯蔵安定性が良好で1液型のレジストイ
ンキとして使用することができ、希アルカリ水溶液によ
る現像性が良好であり、しかも、硬化物の機械的、化学
的特性が優れるソルダーフォトレジストインキ用組成物
が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の紫外
線硬化性樹脂を含む希アルカリ現像型ソルダーフォトレ
ジストインキ用組成物の貯蔵安定性を改良し、紫外線硬
化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及び熱硬化促進剤を含
有する1液型組成物として長いシェルフライフを有し、
露光後の希アルカリ現像性が良好であり、硬化物の基板
への密着性、耐熱性、電気絶縁性、耐湿性に優れる、1
液型のソルダーフォトレジストインキ用組成物を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、2種以上の二塩基酸を同時に反応して得られる紫外
線硬化性樹脂と、熱硬化促進剤を含有する組成物が、貯
蔵安定性と希アルカリ現像性に優れ、しかもその硬化物
が良好な機械的、化学的特性を有することを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤
及び希釈剤を含有するソルダーフォトレジストインキ用
組成物において、紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子量が
140以上の二塩基酸無水物をモル比が3/7〜7/3
となる割合で、同時に反応することにより得られるもの
であり、さらに熱硬化促進剤が配合されてなることを特
徴とするソルダーフォトレジストインキ用組成物、
(2)ノボラック型エポキシ化合物のフェノール核の核
数が、平均5核以上7核以下である第(1)項記載のソル
ダーフォトレジストインキ用組成物、(3)紫外線硬化
性樹脂が、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカ
ルボン酸との反応生成物の有する水酸基1モル当たり、
0.4〜1.0モルの二塩基酸無水物を反応させたもので
ある第(1)〜(2)項記載のソルダーフォトレジストイン
キ用組成物、(4)紫外線硬化性樹脂が、45〜100
mgKOH/gの酸価を有するものである第(1)〜(3)項記
載のソルダーフォトレジストインキ用組成物、(5)光
重合開始剤の配合量が、紫外線硬化性樹脂100重量部
当たり0.2〜20.0重量部である第(1)〜(4)項記載
のソルダーフォトレジストインキ用組成物、(6)希釈
剤が、有機溶剤及び光重合性モノマーの中から選ばれた
少なくとも1種であり、かつその配合量が、紫外線硬化
性樹脂100重量部当たり30〜200重量部である第
(1)〜(5)項記載のソルダーフォトレジストインキ用組
成物、及び、(7)熱硬化促進剤が、トリアジン化合物
又はトリアジン化合物とイソシアヌル酸の付加物であ
り、かつその配合量が紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり0.5〜30重量部である第(1)〜(6)項記載のソ
ルダーフォトレジストインキ用組成物、を提供するもの
である。
【0005】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物は、紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤及び希釈剤
を含有する組成物に、さらに熱硬化促進剤を配合したも
のである。本発明に用いる紫外線硬化性樹脂は、ノボラ
ック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応
生成物に、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分
子量が140以上の二塩基酸無水物を、2種の二塩基酸
無水物のモル比が3/7〜7/3となる割合で同時に反
応することにより得られるものである。使用するノボラ
ック型エポキシ化合物は、フェノール又はo−クレゾー
ルとホルムアルデヒドの反応生成物であるフェノールノ
ボラック又はクレゾールノボラックに、エピクロルヒド
リンを反応することにより得られる多官能のエポキシ化
合物であり、フェノール核の核数が平均5核以上7核以
下であり、エポキシ当量が170〜230であるものを
好適に使用することができる。フェノール核の核数が5
核未満であると、ソルダーフォトレジストインキ用組成
物の硬化物が脆くなるおそれがある。フェノール核の核
数が7核を超えると、ソルダーフォトレジストインキ用
組成物の希アルカリ現像性が低下するおそれがある。本
発明においては、ノボラック型エポキシ化合物に不飽和
モノカルボン酸を反応する。エポキシ基とカルボキシル
基の反応により、オキシラン環が開環し、水酸基とエス
テル結合が生成する。使用する不飽和モノカルボン酸に
は特に制限はなく、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、ビニル酢酸、ソルビン酸、桂皮酸などを挙げるこ
とができるが、アクリル酸は生成物の光重合性が良好で
あり、硬化物の特性に優れるので、特に好適に使用する
ことができる。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モ
ノカルボン酸の反応方法には特に制限はなく、例えば、
ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸
を、適当な希釈剤中で加熱することにより反応すること
ができる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、イソプロパ
ノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水
素類;石油エーテル、石油ナフサなどの石油系溶剤;セ
ロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;カル
ビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エ
チルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセ
テートなどの酢酸エステル類などを挙げることができ
る。
【0006】本発明において、反応するノボラック型エ
ポキシ化合物のエポキシ基の量と、不飽和モノカルボン
酸の量は、ほぼ当量であることが好ましい。エポキシ基
が過剰であっても、不飽和モノカルボン酸が過剰であっ
ても、貯蔵安定性が低下し、硬化物の特性が低下するお
それがある。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノ
カルボン酸の反応温度は、90〜200℃であることが
好ましく、100〜130℃であることがより好まし
い。ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸
の反応に際しては、ノボラック型エポキシ化合物、不飽
和モノカルボン酸及び希釈剤よりなる反応混合物中の、
ノボラック型エポキシ化合物及び不飽和モノカルボン酸
の合計量が20〜80重量%であることが好ましい。ノ
ボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反
応生成物は、単離することなく、希釈剤溶液のまま次の
二塩基酸無水物との反応に供することができる。本発明
に用いる紫外線硬化性樹脂は、ノボラック型エポキシ化
合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に、分子量が
120以下の二塩基酸無水物及び分子量が140以上の
二塩基酸無水物を、2種の二塩基酸無水物のモル比が3
/7〜7/3となる割合で同時に反応することにより得
られるものである。二塩基酸無水物としては、飽和二塩
基酸無水物及び不飽和二塩基酸無水物を使用することが
できる。分子量が120以下の二塩基酸無水物として
は、例えば、無水コハク酸、メチル無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グ
ルタコン酸、無水シトラコン酸、無水ジグリコール酸な
どを挙げることができ、これらの中で無水コハク酸を特
に好適に使用することができる。分子量が140以上の
二塩基酸無水物としては、アリル無水コハク酸、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ
無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、
無水ジフェン酸、無水ニトロフタル酸、無水フタロン酸
などを挙げることができ、これらの中でテトラヒドロ無
水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びヘキ
サヒドロ無水フタル酸を特に好適に使用することができ
る。
【0007】二塩基酸無水物は、ノボラック型エポキシ
化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物が有する水酸
基と反応し、エステル結合と遊離のカルボキシル基を生
成する。ここで生成する遊離のカルボキシル基及びカル
ボキシル基の主鎖骨格との結合の状態が、希アルカリ現
像性、貯蔵安定性及び硬化塗膜の特性に強い影響を有し
ていて、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子
量が140以上の二塩基酸無水物を、モル比が3/7〜
7/3となる割合で同時に反応することにより、好まし
くはモル比が4/6〜6/4となる割合で同時に反応す
ることにより、良好な性能を有する紫外線硬化性樹脂を
得ることができる。分子量が120以下の二塩基酸無水
物と分子量が140以上の二塩基酸無水物のモル比が3
/7未満であり、分子量が120以下の二塩基酸無水物
の割合が少ないと、希アルカリ現像性が低下するおそれ
がある。分子量が120以下の二塩基酸無水物と分子量
が140以上の二塩基酸無水物のモル比が7/3を超
え、分子量が140以上の二塩基酸無水物の割合が少な
いと、塗膜の良好な物性が十分発現しないおそれがあ
り、シェルフライフも低下する。分子量が小さい二塩基
酸無水物は、反応物の主鎖に付加した状態でpKa値が
比較的低く、希アルカリ現像性向上に寄与する効果を有
し、分子量が大きい二塩基酸無水物は、反応物の主鎖に
付加した状態でpKa値が比較的高く、好適な電気特
性、耐熱性に寄与する効果を有するものと考えられる。
【0008】本発明に使用する紫外線硬化性樹脂におい
ては、分子量の異なる2種の二塩基酸無水物を、同時に
ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の
反応生成物に添加して反応することが重要であり、この
ようにして得られる紫外線硬化性樹脂を含むフォトレジ
ストインキ用組成物は、優れた貯蔵安定性とソルダーフ
ォトレジストインキとしての良好な性能(光硬化性、希
アルカリ現像性、耐熱性、電気絶縁性、耐湿性)、なか
でも良好な希アルカリ現像性を兼ね備え、かつ良好な熱
硬化性を示すため、熱硬化成分(最も適しているのはエ
ポキシ化合物)を配合する必要がなく1液型で使用する
ことができる。上記の配合比を満足した上で、3種以上
の二塩基酸無水物を混合し反応せしめた場合も、得られ
る組成物は、貯蔵安定性及び希アルカリ現像性共に良好
である。しかし、2種の二塩基酸無水物をそれぞれ単独
でノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸
の反応生成物と反応せしめて得た紫外線硬化性樹脂同士
を、後で混ぜあわせ配合しても、良好な貯蔵安定性及び
良好な希アルカリ現像性を兼ね備えた組成物は得られ
ず、熱硬化性も不良である。すなわち、ノボラック型エ
ポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に、
2種の二塩基酸無水物を逐次反応する場合も、また、ノ
ボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反
応生成物に分子量が120以下の二塩基酸無水物を反応
して得た樹脂と、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和
モノカルボン酸の反応生成物に分子量が140以上の二
塩基酸無水物を反応して得た樹脂を混合して使用する場
合も、本発明の効果は得られない。その機構は明らかで
はないが、2種の二塩基酸無水物を同時に反応させるこ
とによって、紫外線硬化性樹脂中の同一分子に2種以上
の化学的に環境の異なるカルボキシル基が生成し、この
ことによって、単一の二塩基酸無水物を反応させた紫外
線硬化性樹脂では不可能であった優れた性能が、はじめ
て発現したものと考えられる。
【0009】紫外線硬化性樹脂の製造においては、分子
量が120以下の二塩基酸無水物を1種使用することが
でき、2種以上を併用することができる。同様に、分子
量が140以上の二塩基酸無水物を1種使用することが
でき、2種以上を併用することができる。使用する二塩
基酸無水物の種類が増加しても、分子量が120以下の
二塩基酸無水物と、分子量が140以上の二塩基酸無水
物のモル比が3/7〜7/3の範囲にあれば、本発明の
組成物に使用することができる。本発明に使用する紫外
線硬化性樹脂において、ノボラック型エポキシ化合物と
不飽和モノカルボン酸の反応生成物と反応させる二塩基
酸無水物の量は、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和
モノカルボン酸の反応生成物が有する水酸基1モル当た
り0.4〜1.0モルであることが好ましい。反応させる
二塩基酸無水物の量が、ノボラック型エポキシ化合物と
不飽和モノカルボン酸の反応生成物が有する水酸基1モ
ル当たり0.4モル未満であると、希アルカリ現像性及
び塗膜の特性が低下するおそれがある。反応させる二塩
基酸無水物の量が、ノボラック型エポキシ化合物と不飽
和モノカルボン酸の反応生成物が有する水酸基1モル当
たり1.0モルを超えると、反応混合物中に未反応の二
塩基酸無水物が残り、硬化した塗膜の性能が低下する。
【0010】本発明に使用する紫外線硬化性樹脂におい
て、分子量が120以下の二塩基酸無水物及び分子量1
40以上の二塩基酸無水物は、ノボラック型エポキシ化
合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に同時に添加
して反応する。ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モ
ノカルボン酸の反応生成物が希釈剤の溶液として存在す
るときは、この溶液に二塩基酸無水物の混合物を添加
し、加熱溶解して反応することにより、好適に反応を進
めることができる。ノボラック型エポキシ化合物と不飽
和モノカルボン酸の反応生成物と二塩基酸無水物を反応
する温度は、60〜120℃であることが好ましく、7
0〜90℃であることがより好ましい。本発明に使用す
る紫外線硬化性樹脂は、酸価が45〜100mgKOH/g
であることが好ましい。得られる紫外線硬化性樹脂の酸
価は、反応する二塩基酸無水物の量を適当に選択するこ
とにより、容易に調整することができる。紫外線硬化性
樹脂の酸価が45mgKOH/g未満であると、レジスト組
成物の希アルカリ現像性及び硬化した塗膜の密着性と耐
熱性に劣るおそれがある。紫外線硬化性樹脂の酸価が1
00mgKOH/gを超えると、硬化物被膜の電気絶縁性、
耐熱性、耐湿性が劣るおそれがある。本発明のソルダー
フォトレジストインキ用組成物は、光重合開始剤を含有
する。使用する光重合開始剤には特に制限はなく、光照
射によって分解してラジカルを発生する従来公知のも
の、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセト
フェノン類、アントラキノン類、キサントン類、チオキ
サントン類又はケタール類などの中から選ばれた1種又
は2種以上が用いられる。また、これらは、公知の光重
合促進剤である安息香酸類、又は第3級アミン類などと
組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の配合
量の好適な範囲は、紫外線硬化性樹脂に対して0.2〜
20.0重量%、好ましくは2.0〜10.0重量%であ
る。光重合開始剤の配合量が、紫外線硬化性樹脂100
重量部当たり0.2重量部未満であると、ソルダーフォ
トレジストインキ用組成物の硬化に長時間の露光を必要
とするおそれがある。光重合開始剤の配合量が、紫外線
硬化性樹脂100重量部当たり20.0重量部を超える
と、硬化した塗膜の性能が低下するおそれがある。
【0011】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物は、希釈剤を含有する。希釈剤としては、有機溶
剤又は光重合性モノマーを使用することができる。有機
溶剤を希釈剤として使用するときは、ノボラック型エポ
キシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応、及び、二塩
基酸無水物の反応による紫外線硬化性樹脂の合成に使用
した希釈剤をそのままソルダーフォトレジストインキ用
組成物の希釈剤とすることができる。必要に応じて、さ
らに有機溶剤を追加して、適当な濃度の組成物とするこ
とができる。光重合性モノマーとしては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2
−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシ
エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)ア
クリレートなどを代表とする単官能アクリレート化合
物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシ
ジルエーテルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
グリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能エポキ
シアクリレート類などを代表とする多官能アクリレート
などが挙げられる。ここにおいて(メタ)アクリレート
はアクリレートとメタクリレートの両者を示す。
【0012】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物において、有機溶剤又は光重合性モノマーからな
る希釈剤の配合量は、紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり、30〜200重量部であることが好ましい。有機
溶剤は、紫外線硬化性樹脂合成時の溶媒として機能する
他に、ソルダーフォトレジストインキ用組成物をプリン
ト配線基板に塗布した後乾燥させることによって造膜さ
せるために用いる。光重合性モノマーは、ソルダーフォ
トレジストインキ用組成物を希釈し、塗布しやすい粘度
にするために用いる他に、光重合性を促進するために使
用する。希釈剤の配合量が紫外線硬化性樹脂100重量
部当たり30重量部未満であると、ソルダーフォトレジ
ストインキ用組成物の粘度が高く、プリント配線基板へ
の塗布が困難になるおそれがある。希釈剤の配合量が紫
外線硬化性樹脂100重量部当たり200重量部を超え
ると、ソルダーフォトレジストインキ用組成物の粘度が
低くなりすぎて塗布が困難になり、希釈剤が有機溶剤で
ある場合はタックフリーまで乾燥するのに時間がかか
り、希釈剤が光重合性モノマーである場合には硬化した
塗膜の性能が低下するおそれがある。本発明のソルダー
フォトレジストインキ用組成物には、熱硬化促進剤を配
合する。熱硬化促進剤は、紫外線硬化性樹脂中に存在す
るカルボキシル基や水酸基の熱硬化反応を促進し、これ
らの官能基の量を低減させるとともに、硬化樹脂の架橋
密度を高くする。その結果として、ソルダーレジストの
必須性能である、密着性、耐熱性、電気絶縁性、耐湿性
を向上させる。熱硬化促進剤として代表的なものとして
は、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン
[四国化成(株)、キュアゾールVT]、2,4−ジアミ
ノ−6{2'−メチルイミダゾリル−(1)'}エチル−s
−トリアジン・イソシアヌル酸付加物[四国化成(株)、
キュアゾール2MA−OK]、2,4−ジアミノ−6−
メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオ
キシエチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物な
どのビニルトリアジン系の化合物などを挙げることがで
きる。熱硬化促進剤は、1種を単独で使用することがで
き、あるいは2種以上を混合して使用することができ
る。その配合量は、紫外線硬化性樹脂100重量部に対
して、0.5〜30重量部であることが好ましく、1〜
5重量部であることがより好ましい。熱硬化促進剤の配
合量が、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり0.5重
量部未満であると、硬化した塗膜の密着性、耐熱性が低
下する傾向がある。熱硬化促進剤の配合量が、紫外線硬
化性樹脂100重量部当たり30重量部を超えると、熱
硬化後の塗膜中に不純物として残存する割合が多くな
り、結果として耐湿性、電気絶縁性が低下する。
【0013】本発明のソルダーフォトレジストインキ用
組成物には、必要に応じて、硫酸バリウム、酸化ケイ素
などの公知の充填剤、フタロシアニングリーン、フタロ
シアニンブルー、二酸化チタン、カーボンブラックなど
の公知の着色用顔料、消泡剤、レベリング剤などの各種
添加物、あるいはハイドロキノン、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール
などの公知の重合禁止剤などを配合することができる。
本発明のソルダーレジストインキ用組成物を、例えば、
プリント配線基板上にスクリーン印刷法、ロールコータ
ー法、スプレー法、あるいはカーテンコーター法などに
より全面に塗布し、65〜80℃で乾燥させ表面の粘着
性(タック)を除去した上でフォトマスクなどで不必要
な部分をマスクし、光硬化を行う。希アルカリ水溶液で
未露光部分を溶解し、さらに熱硬化を行うことでソルダ
ーレジスト被膜が得られる。本発明のソルダーフォトレ
ジストインキ用組成物の光硬化には、照射光源として、
低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
キセノンランプあるいはメタルハライドランプなど公知
の光源を使用することができる。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、紫外線硬化性樹脂のシェ
ルフライフ、組成物の現像性及び塗膜性能は下記の方法
により評価した。 (1)紫外線硬化性樹脂のシェルフライフ促進試験 紫外線硬化性樹脂をふた付きのプラスチック製のビンに
入れ、60℃の恒温槽に浸漬し、25℃における粘度が
初期粘度の2.5倍に達するか、あるいは1,000ポイ
ズを超えるまでの日数で評価した。 (2)希アルカリ現像性 テスト用プリント配線基板製作過程において、光照射に
よる硬化後に1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液と
して用い、20℃で5分間スターラー撹拌により現像し
た際の現像性を、次に示す基準により評価した。 ◎:1分以内で現像可能。 ○:1分を超え3分以内で現像可能。 △:3分を超え5分以内で現像可能。 ×:5分以内で現像不可能。 なお、仮乾燥状態におけるソルダーフォトレジストイン
キの安定性を評価するため、75℃で30分間仮乾燥を
行い、その直後と仮乾燥3日後の両方について、現像性
を評価した。 (3)密着性 JIS K 5400 8.5.2に準じて、それぞれのテ
スト用プリント配線基板に碁盤目状に縦横10本のクロ
スカットを入れ、次いでセロハンテープによる剥離試験
後の塗膜の剥離状態を目視によって判定した。 ◎:100/100で全く剥離が認められないもの。 ○:100/100で線の際がわずかにはがれたもの。 △:90/100〜99/100。 ×:0/100〜89/100。 (4)鉛筆硬度 JIS K 5400 8.4.2に準じて、「三菱ユニ」
鉛筆を用い、塗膜に傷が付かない最も高い硬度をもって
評価した。 (5)はんだ耐熱性 テスト用プリント配線基板に、ロジン系フラックス
[(株)アサヒ化学研究所、商品名 GX−7]を塗布
し、260℃に保ったはんだ浴に塗膜面をはんだに接触
するようにして15秒間浮かべ、その後塗膜の膨れと剥
離を観察した。これを1サイクルとし、膨れ又は剥離が
生ずるまでの延べ時間により評価した。 (6)耐水溶性フラックス性 それぞれのテスト用プリント配線基板に、水溶性フラッ
クス[LONCO社、商品名 CF−350]を塗布
し、260℃のはんだ浴に塗膜面をはんだに接触するよ
うにして5秒間浮かべ、さらに60℃の温水に15分間
浸漬したのち、セロハンテープにより剥離試験を行っ
た。同時に塗膜表面の光沢の変化、特に白化状態を観察
した。評価基準を以下に示す。 剥離試験 ◎:全くはがれないもの。 ○:ほんのわずかにはがれたもの。 △:全体の10〜30%がはがれたもの。 ×:全体の31%以上がはがれたもの。 白化状態 ◎:全く白化していないもの。 ○:ほんのわずかに白化しているもの。 △:全体の10〜30%が白化しているもの。 ×:全体の31%以上が白化しているもの。 (7)電気絶縁性試験 JIS Z 3197に準じて、それぞれのテスト用プリ
ント配線基板について初期の絶縁性と、60℃、相対湿
度90%に500時間放置したのちの絶縁性とを、SM
−8210[東亜電波(株)製]を用いてDC500Vで
の1分値として評価した。
【0015】製造例1(紫外線硬化性樹脂の製造) 撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び温度計を備えた1
リットル容のセパラブルフラスコに、エチルカルビトー
ルアセテート188g及びエポキシ当量が215で1分
子中に平均して6個のフェノール核を有するクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂215gを仕込んだ。撹拌し
つつ120℃まで加熱し、120℃を保ったまま滴下ロ
ートよりアクリル酸72g(1.0モル)を1時間かけ
て滴下し、さらに10時間120℃で反応を続けた。い
ったん反応混合物を室温まで冷却し、無水コハク酸25
g(0.25モル)及びテトラヒドロ無水フタル酸38
g(0.25モル)を加え、ふたたび80℃に加熱して
3時間反応した。反応終了後、室温まで冷却したとこ
ろ、粘稠な溶液が得られた。この溶液の加熱残分は65
重量%であり、溶液として53mgKOH/gの酸価を示し
た。この溶液を、樹脂A−1とする。 製造例2(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテート188gの代
わりに、ブチルセロソルブ188gを用い、無水コハク
酸25g及びテトラヒドロ無水フタル酸38gの代わり
に、無水コハク酸30g(0.3モル)及びメチルテト
ラヒドロ無水フタル酸33g(0.2モル)を用いた以
外は、製造例1と同じ操作を繰り返した。得られた粘稠
な溶液の加熱残分は65重量%であり、溶液として54
mgKOH/gの酸価を示した。この溶液を、樹脂A−2と
する。 参考例1(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテートの量を181
gとし、無水コハク酸25g及びテトラヒドロ無水フタ
ル酸38gの代わりに、無水コハク酸50g(0.5モ
ル)を用いた以外は、製造例1と同じ操作を繰り返し
た。得られた粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であ
り、溶液として57mgKOH/gの酸価を示した。この溶
液を、樹脂A−3とする。 参考例2(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテートの量を204
gとし、無水コハク酸25g及びテトラヒドロ無水フタ
ル酸38gの代わりに、テトラヒドロ無水フタル酸91
g(0.6モル)を用いた以外は、製造例1と同じ操作
を繰り返した。得られた粘稠な溶液の加熱残分は65重
量%であり、溶液として59mgKOH/gの酸価を示し
た。この溶液を、樹脂A−4とする。 参考例3(紫外線硬化性樹脂の製造)樹脂A−3と樹脂
A−4を重量比1:1で混合した。得られた粘稠な溶液
の加熱残分は65重量%であり、溶液として58mgKOH
/gの酸価を示した。この溶液を、樹脂A−5とする。 参考例4(紫外線硬化性樹脂の製造) 製造例1のエチルカルビトールアセテートの量を191
gとし、無水コハク酸25g及びテトラヒドロ無水フタ
ル酸38gの代わりに、無水コハク酸45g(0.45
モル)及びテトラヒドロ無水フタル酸23g(0.15
モル)を用いた以外は、製造例1と同じ操作を繰り返し
た。得られた粘稠な溶液の加熱残分は65重量%であ
り、溶液として62mgKOH/gの酸価を示した。この溶
液を、樹脂A−6とする。
【0016】実施例1 紫外線硬化性樹脂A−1を55g、光重合開始剤[チバ
・ガイギー社、イルガキュア907]3g、光重合開始
剤[日本化薬(株)、Cayacure DETX−S]
1g、希釈剤としてのトリメチロールプロパントリアク
リレート5g、イミダゾール系熱硬化促進剤[四国化成
工業(株)、キュアゾール2MA−OK]0.5g、フタ
ロシアニングリーン顔料3g、硫酸バリウム12g、酸
化ケイ素10g及び消泡剤[日華化学(株)、フォームレ
ックスSOL−30]0.5gを、ロールミル(3本ロ
ール)により混練してソルダーフォトレジストインキ用
組成物を調製した。この組成物を、あらかじめエッチン
グしてパターンを形成しておいた銅プリント配線基板2
枚にスクリーン印刷法にて15〜20μmの膜厚で全面
に塗布し、熱風循環型乾燥炉で75℃で30分仮乾燥し
た。仮乾燥直後に、基板のうち1枚にフォトマスクを当
て、3kWメタルハライドランプにより紫外線500m
J/cm2を照射し、光硬化を行った。次いで1重量%炭
酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、塗膜の未硬化
部分を除去した。現像した基板は、さらに150℃で3
0分間熱硬化を行い、テスト用プリント配線基板を完成
した。テスト用基板の他の1枚は、仮乾燥を行った3日
後に紫外線露光を上記の条件で行い、同様に炭酸ナトリ
ウム水溶液で現像し、さらに熱硬化を行った。仮乾燥直
後の現像性と、仮乾燥3日後の現像性を評価した。仮乾
燥直後に露光及び現像を行ったテスト用プリント配線基
板を用いて、塗膜の性能評価を行った。結果を第2表に
示す。 実施例2 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−2を用いた以外は、実
施例1と同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配線基
板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評価
し、結果を第2表に示した。 実施例3 イミダゾール系熱硬化促進剤としてキュアゾール2MA
−OKの代わりに、キュアゾールVT[四国化成工業
(株)]を用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を繰り
返し、テスト用プリント配線基板を作成した。希アルカ
リ現像性及び塗膜性能を評価し、結果を第2表に示し
た。 比較例1 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−3を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例2 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−4を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例3 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−5を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例4 紫外線硬化性樹脂として樹脂A−6を用いた以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント配
線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評
価し、結果を第2表に示した。 比較例5 イミダゾール系熱硬化促進剤を配合しないこと以外は、
実施例1と全く同じ操作を繰り返し、テスト用プリント
配線基板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を
評価し、結果を第2表に示した。 比較例6 2液型ソルダーフォトレジストインキ用組成物について
試験を行った。紫外線硬化性樹脂A−4を55g、光重
合開始剤[チバ・ガイギー社、イルガキュア907]3
g、光重合開始剤[日本化薬(株)、Cayacure
DETX−S]1g、希釈剤としてのトリメチロールプ
ロパントリアクリレート5g、イミダゾール系熱硬化促
進剤[四国化成工業(株)、キュアゾール2MA−OK]
0.5g、フタロシアニングリーン顔料3g、硫酸バリ
ウム12g、酸化ケイ素10g及び消泡剤[日華化学
(株)、フォームレックスSOL−30]0.5gを、ロ
ールミル(3本ロール)により混練してソルダーフォト
レジストインキ用組成物の第1液を調製した。上記の第
1液に、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂[東都
化成(株)、YDCN−702S]10gを第2液成分と
して配合し、さらにロールミル(3本ロール)により混
練を続けて、ソルダーフォトレジストインキ用組成物を
調製した。得られたソルダーフォトレジストインキ用組
成物を用い、実施例1と同様にテスト用プリント配線基
板を作成した。希アルカリ現像性及び塗膜性能を評価
し、結果を第2表に示した。
【0017】
【表1】
【0018】[注]1)チバ・ガイギー社製の光重合開
始剤。 2)日本化薬(株)製の光重合開始剤。 3)四国化成工業(株)製のイミダゾール系熱硬化促進
剤。 4)日華化学(株)製の消泡剤。 5)東都化成(株)製のo−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂。
【0019】
【表2】
【0020】本発明に使用する製造例1及び2で製造し
た紫外線硬化性樹脂は、促進試験におけるシェルフライ
フが長く、良好な貯蔵安定性を示している。これに対し
て、分子量120以下の二塩基酸無水物の使用量の多い
参考例1及び4の紫外線硬化性樹脂、並びに分子量12
0以下の二塩基酸無水物の使用量の多い樹脂を配合した
参考例3の紫外線硬化性樹脂は、促進試験におけるシェ
ルフライフが短く、貯蔵安定性に劣ることが分かる。本
発明のソルダーフォトレジストインキ用組成物は、仮乾
燥直後には希アルカリ現像性に優れ、仮乾燥3日ごにお
いても優秀ないし良好な希アルカリ現像性を示してい
る。分子量が100である無水コハク酸のみを用いて製
造した紫外線硬化性樹脂を使用した比較例1のソルダー
フォトレジストインキ用組成物は、仮乾燥3日後の希ア
ルカリ現像性が不良であり、はんだ耐熱性と電気絶縁性
に劣る。分子量が152であるテトラヒドロ無水フタル
酸のみを用いて製造した紫外線硬化性樹脂を使用した比
較例2のソルダーフォトレジストインキ用組成物は、希
アルカリ現像性に劣り、密着性、鉛筆硬度、はんだ耐熱
性、耐水溶性フラックス性に劣っている。無水コハク酸
のみを用いて製造した紫外線硬化性樹脂と、テトラヒド
ロ無水フタル酸のみを用いて製造した紫外線硬化性樹脂
の配合物を使用した比較例3のソルダーフォトレジスト
インキ用組成物は、紫外線硬化性樹脂中の無水コハク酸
の量とテトラヒドロ無水フタル酸の量の比は本発明の範
囲内にあるにもかかわらず、それらを同時に反応したも
のではないために、希アルカリ現像性に劣り、密着性、
はんだ耐熱性、電気絶縁性に劣っている。無水コハク酸
とテトラヒドロ無水フタル酸を、モル比75/25で用
いて製造した紫外線硬化性樹脂を使用した比較例4のソ
ルダーフォトレジストインキ用組成物は、紫外線硬化性
樹脂中の無水コハク酸の量がテトラヒドロ無水フタル酸
の量に比べて多すぎるために、仮乾燥3日後の希アルカ
リ現像性に劣り、密着性、はんだ耐熱性、電気絶縁性に
劣っている。熱硬化促進剤を配合しない比較例5のソル
ダーフォトレジストインキ用組成物は、密着性、鉛筆硬
度、はんだ耐熱性、耐水溶性フラックス性、電気絶縁性
のすべてに劣り、本発明の組成物において熱硬化促進剤
の配合が必須の構成であることが分かる。従来の技術で
ある比較例6の2液型のソルダーフォトレジストインキ
用組成物は、本発明の組成物に比べ、仮乾燥直後におい
ても、仮乾燥3日後においても、希アルカリ現像性に劣
っている。
【0021】
【発明の効果】本発明のソルダーフォトレジストインキ
用組成物は、熱硬化性樹脂などの2液成分の使用を必要
とせず、1液型のフォトレジストインキとして優れた性
能を示す。しかも、本発明のソルダーフォトレジストイ
ンキ用組成物は、長期間のシェルフライフと、良好な希
アルカリ現像性を兼ね備える。また、本発明のソルダー
フォトレジストインキ用組成物の硬化塗膜は、密着性、
耐熱性、電気絶縁性、耐湿性に優れ、従来の2液型ソル
ダーフォトレジストインキ用組成物の硬化塗膜と同等以
上の性能を示す。さらに、本発明のソルダーフォトレジ
ストインキ用組成物は、プリント配線基板に塗布し仮乾
燥の後、長時間にわたって良好な希アルカリ現像性を保
持し、プリント配線基板の製造工程における仮乾燥後の
作業の中断を可能とすることができる。この特徴と1液
型のインキであることによって、本発明のソルダーフォ
トレジストインキ用組成物は、休日を挟んだプリント配
線基板の製造における生産効率を大きく向上させる効果
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/06 H05K 3/06 H 3/28 3/28 D (72)発明者 師岡 功 東京都八王子市宇津木町656 株式会社 アサヒ化学研究所 宇津木事業所内 (72)発明者 伊藤 邦彦 東京都八王子市宇津木町656 株式会社 アサヒ化学研究所 宇津木事業所内 (72)発明者 橋本 仁 東京都八王子市宇津木町656 株式会社 アサヒ化学研究所 宇津木事業所内 (72)発明者 岩佐 山大 東京都八王子市宇津木町656 株式会社 アサヒ化学研究所 宇津木事業所内 (72)発明者 大場 洋一 東京都八王子市宇津木町656 株式会社 アサヒ化学研究所 宇津木事業所内 (56)参考文献 特開 平7−70289(JP,A) 特開 平3−253093(JP,A) 特開 平4−281454(JP,A) 特開 平4−165357(JP,A) 特開 平2−294371(JP,A) 特開 平2−173747(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/027 515 C09D 11/00 C09D 11/10 G03F 7/004 501 G03F 7/031

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤及び希釈
    剤を含有するソルダーフォトレジストインキ用組成物に
    おいて、紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エポキシ化
    合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、分子量
    が120以下の二塩基酸無水物及び分子量が140以上
    の二塩基酸無水物をモル比が3/7〜7/3となる割合
    で、同時に反応することにより得られるものであり、さ
    らに熱硬化促進剤が配合されてなることを特徴とするソ
    ルダーフォトレジストインキ用組成物。
  2. 【請求項2】ノボラック型エポキシ化合物のフェノール
    核の核数が、平均5核以上7核以下である請求項1記載
    のソルダーフォトレジストインキ用組成物。
  3. 【請求項3】紫外線硬化性樹脂が、ノボラック型エポキ
    シ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物の有す
    る水酸基1モル当たり、0.4〜1.0モルの二塩基酸無
    水物を反応させたものである請求項1〜2記載のソルダ
    ーフォトレジストインキ用組成物。
  4. 【請求項4】紫外線硬化性樹脂が、45〜100mgKOH
    /gの酸価を有するものである請求項1〜3記載のソル
    ダーフォトレジストインキ用組成物。
  5. 【請求項5】光重合開始剤の配合量が、紫外線硬化性樹
    脂100重量部当たり0.2〜20.0重量部である請求
    項1〜4記載のソルダーフォトレジストインキ用組成
    物。
  6. 【請求項6】希釈剤が、有機溶剤及び光重合性モノマー
    の中から選ばれた少なくとも1種であり、かつその配合
    量が、紫外線硬化性樹脂100重量部当たり30〜20
    0重量部である請求項1〜5記載のソルダーフォトレジ
    ストインキ用組成物。
  7. 【請求項7】熱硬化促進剤が、トリアジン化合物又はト
    リアジン化合物とイソシアヌル酸の付加物であり、かつ
    その配合量が紫外線硬化性樹脂100重量部当たり0.
    5〜30重量部である請求項1〜6記載のソルダーフォ
    トレジストインキ用組成物。
JP9600095A 1995-03-29 1995-03-29 ソルダーフォトレジストインキ用組成物 Expired - Fee Related JP2896636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9600095A JP2896636B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 ソルダーフォトレジストインキ用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9600095A JP2896636B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 ソルダーフォトレジストインキ用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08272094A JPH08272094A (ja) 1996-10-18
JP2896636B2 true JP2896636B2 (ja) 1999-05-31

Family

ID=14152845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9600095A Expired - Fee Related JP2896636B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 ソルダーフォトレジストインキ用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2896636B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4523679B2 (ja) * 1998-06-22 2010-08-11 太陽インキ製造株式会社 ハロゲンフリーの着色顔料を用いたプリント配線板用緑色レジストインキ組成物
CN108219589B (zh) * 2017-12-06 2020-12-15 中山大学 一种uv-led喷墨打印阻焊墨水及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08272094A (ja) 1996-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101009081B1 (ko) 광경화성ㆍ열경화성 수지 조성물 및 그것을 사용한 인쇄배선판
JP6204734B2 (ja) ソルダーレジスト用樹脂組成物
JP5027458B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板
JP3134037B2 (ja) メラミンの有機酸塩を用いた熱硬化性もしくは光硬化性・熱硬化性コーティング組成物
JP4655362B2 (ja) 感光性樹脂の製造方法
JP4649212B2 (ja) 光硬化性熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板
JPH01161038A (ja) 樹脂組成物及びソルダーレジスト樹脂組成物
JP2937800B2 (ja) ソルダーフォトレジストインキ用組成物
JP2000355621A (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
JPH08335768A (ja) アルカリ現像可能な一液型ソルダーレジスト組成物及びそれから得られるソルダーレジスト皮膜
JP3503910B2 (ja) フォトソルダーレジストインク、プリント回路基板及びその製造方法
JP2802801B2 (ja) 感光性熱硬化性樹脂組成物及びソルダーレジストパターン形成方法
JP2963069B2 (ja) ソルダーフォトレジストインキ組成物
JP2896636B2 (ja) ソルダーフォトレジストインキ用組成物
JP2003128725A (ja) 硬化性樹脂の製造方法および硬化性樹脂を含む組成物
JPH0882930A (ja) 光硬化性熱硬化性樹脂組成物
JP2835539B2 (ja) 感光性熱硬化性樹脂組成物およびパターン形成方法
JP2004264773A (ja) 感光性樹脂組成物、その硬化物及びプリント配線板
JPH05140251A (ja) 感光性・水性樹脂組成物
JP2884046B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂の製造方法
JP2001013684A (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP2001264977A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2786533B2 (ja) 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、これを含む樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JPH1121327A (ja) 光硬化性樹脂及び該樹脂を含有するソルダーフォトレジストインキ組成物
JPH06263832A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090312

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120312

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees