JP2003128725A - 硬化性樹脂の製造方法および硬化性樹脂を含む組成物 - Google Patents
硬化性樹脂の製造方法および硬化性樹脂を含む組成物Info
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Abstract
抑制し、現像時の現像不良、膜残りを改善した硬化性樹
脂の製造方法およびその製造方法により得た硬化性樹脂
を含む組成物およびを提供すること。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル(A)と不
飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合
物(B)とから得られた共重合体の一部の酸基にエポキ
シ基含有不飽和化合物を付加させた変性共重合体(D)
を得る際に、触媒およびその酸化物の存在下に付加反応
を行うことを特徴とする変性共重合体(D)からなる硬
化性樹脂の製造方法および前記の製造方法により得た硬
化性樹脂、光重合開始剤、必要に応じて希釈モノマーも
しくはオリゴマーおよび必要に応じてエポキシ化合物を
含有してなる硬化性樹脂組成物。
Description
方法およびその製造方法により得られた硬化性樹脂を含
む組成物に関する。さらに詳しくは、被膜形成後、露光
および希アルカリ水溶液による現像で容易に画像形成可
能な硬化性樹脂の製造方法およびその製造方法により得
られた硬化性樹脂を含む耐熱性(耐熱かぶり性)が改善
された組成物に関する。硬化性樹脂およびその組成物は
特に、エレクトロニクスに関連するプリント配線板、L
SI関係、液晶に付随するカラーフィルター、封止剤等
のレジストインクのバインダー樹脂として有用である。
ー、作業性向上等の理由により、フォトレジストを用い
た画像形成分野で溶剤現像から希アルカリ水溶液現像へ
移行した。プリント配線板加工分野においても同様の理
由によりレジストインキが溶剤現像タイプから、希アル
カリ水溶液現像へ移行しつつある。プリント配線板で
は、基盤回路の永久保護被膜としてソルダーレジスト樹
脂が広く用いられている。ソルダーレジストは、基盤回
路導体の半田付けする部分を除いた全面に被膜形成され
る。主たる役目はプリント配線板に電子部品を半田付け
する際に半田が不必要な部分に付着するのを防止すると
共に、回路導体の酸化や腐食を防ぐものである。従来、
プリント配線板上にソルダーレジストを形成させる際に
は、熱硬化タイプのレジストインキをスクリーン印刷法
により印刷し、転写部を熱硬化もしくは紫外線硬化させ
ていた。しかし、スクリーン印刷法は、印刷時のブリー
ド、にじみ、ダレといった現象が発生し、最近の回路基
盤の高密度化に対応しきれなくなっている。この問題を
解決すべく、写真法が開発された。写真法はパターンを
形成したフィルムを介して露光した後、現像して目的の
パターンを形成する方法である。
の現像の際には従来有機溶剤が用いられていた。ところ
が、近年、環境汚染の問題から、希アルカリ水溶液で現
像できるタイプへ移行する傾向にある。このようなレジ
ストインキには、特公平1−54390号公報等に記載
されているような、ノボラック型エポキシ化合物と不飽
和モノカルボン酸との反応物に多塩基酸無水物を付加さ
せて得られる化合物が主成分として用いられる。この化
合物を主成分として得られるソルダーレジストインキは
耐熱性に優れ、現在でも広く使用されている。また、特
開昭63−11930、特開昭63−20564号公報
記載のスチレンと無水マレイン酸との共重合体のハーフ
エステル化合物を用いた組成物が提案されている。
溶媒を除去するための予備乾燥(プレベイク)時にタック
(粘着性)が残るという問題がある。このため、接触露
光時にネガフィルムに汚れが付くという問題点があり、
タックを完全にとるまで予備乾燥条件を強化する必要が
ある。ただし、熱によりインキが硬化し、露光後の現像
性が悪くなるため、熱処理温度には限界があり、処理時
間を長くする方法が一般的に取られている。このため、
プリント配線板製造を効率的に行うためにはプレベイク
時間を短縮化する必要がある。さらに、この樹脂はベン
ゼン環骨格を有しているために、(1)紫外線を吸収しそ
の結果インクの感度が低くなる、(2)電気特性が悪くな
るといった欠点も有していた。上記問題点を解決すべ
く、特開平1−289820、特開平6−138659
号公報では脂環式エポキシ含有不飽和化合物をポリ(メ
タ)アクリル樹脂に付加した樹脂組成物の提案がある。
しかしながら、いずれの場合においてもソルダーレジス
トとしてエポキシ硬化剤と併用する場合には、プレベイ
ク時にカルボキシル基とエポキシ基の反応が進行し、現
像性が劣ることが問題となっている。特開2000−7
2814号公報では、脂環式エポキシ含有不飽和化合物
をポリ(メタ)アクリル樹脂に付加した樹脂組成物を得た
後に、この合成反応に用いた触媒をハイドロパーオキサ
イドを添加して失活させることによってプレベイク時の
カルボキシル基とエポキシ基の反応(この反応により、
レジストインキを塗布した後、乾燥する工程で、いわゆ
る熱かぶり現象が生じると考えられている。この熱かぶ
りが生じると、本来、現像液に溶解する未露光部が溶解
せず、残膜が生じる。)を抑制している。しかしなが
ら、この手法では、製造工程が増えるという問題があ
る。
ベイク時の酸基とエポキシ基との反応を抑制し、現像時
の現像不良、膜残りを改善した、すなわち、熱かぶり現
象の発生を抑制した硬化性樹脂の製造方法およびその製
造方法により得た硬化性樹脂を含む組成物を提供するこ
とにある。
題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(メタ)アクリル
酸エステルと不飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸
基を有する化合物とから得られた共重合体の一部の酸基
にエポキシ基含有不飽和化合物を反応させる際、触媒の
量を低減し、その替わりにその触媒の酸化物を併用し、
反応後に触媒を失活させる操作を行わずにかかる問題を
解決できることを見い出し、本発明を完成させるに至っ
た。
物を併用して酸基含有樹脂にエポキシ基含有不飽和化合
物を付加させて得られる変性共重合体を用いることによ
り、プレベイク時の酸基とエポキシ基との反応を抑制
し、現像時の現像不良、膜残りを改善した、すなわち、
熱かぶり現象の発生を抑制した硬化性樹脂の製造方法お
よびその製造法により製造した硬化性樹脂を含む組成物
を提供するものである。本発明の第1は、(メタ)アク
リル酸エステル(A)と不飽和基を含有し且つ少なくと
も1個の酸基を有する化合物(B)とから得られた共重
合体の一部の酸基にエポキシ基含有不飽和化合物を付加
させた変性共重合体(D)を得る際に、触媒およびその
酸化物の存在下に付加反応を行わせることを特徴とする
変性共重合体(D)からなる硬化性樹脂の製造方法を提
供する。本発明の第2は、前記製造方法により得た硬化
性樹脂、光重合開始剤、必要に応じて希釈モノマーもし
くはオリゴマーおよび必要に応じてエポキシ化合物を含
有してなる硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の硬化性樹脂組成物の製造に使用される変性共重
合体(D)は、(メタ)アクリル酸エステル(A)と不飽
和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合物
(B)(以後、不飽和基含有化合物(B)と云う)とか
ら得られた共重合体の一部の酸基にエポキシ基含有不飽
和化合物(C)を付加させた変性共重合体である。(メ
タ)アクリル酸エステル(A)としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、カプロカクトン変性2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの、水酸基を
有する(メタ)アクリル酸エステル類、メトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオ
キシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェ
ノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ートなどの(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
リル酸、メタクリル酸、ビニルフェノール、不飽和基と
カルボン酸の間に鎖延長された変性不飽和モノカルボン
酸、例えばβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アク
リロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキ
シエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性等エステ
ル結合を有する不飽和モノカルボン酸、エーテル結合を
有する変性不飽和モノカルボン酸のような化合物が挙げ
られる。
は、(メタ)アクリル酸をラクトン変性した化合物とし
て: CH2=C(-R1)CO-[O(CR2R3)mCO]n-OH (1) 末端水酸基を酸無水物により酸変性させたラクトン変性
物として: CH2=C(-R1)COO-CH2CH2O[CO(CR2CR3)mO]nCOR4COO H (2) 「式(1)、(2)中、R1は、水素原子またはメチル
基を表す。m個のR2およびR3は、各々水素原子、メチ
ル基またはエチル基を表し、互いに異なっていてもよ
い。R4は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和または不
飽和炭化水素基、炭素数1〜6の2価の脂環式飽和また
は不飽和炭化水素基、p-キシリレン基、フェニレン基等
を表す。mは4〜8の整数、nは1〜10の整数を表
す。」
ボン酸としては、(メタ)アクリル酸にエチレンオキサ
イド等のエポキシ化合物を付加させ、付加物の分子末端
水酸基を酸無水物により酸変性物とした次の一般式: CH2=C(-R1)COO-[(CR2R3)mO]n-COR4COOH (3) 「式中、R1は、水素原子またはメチル基を表す。m個
のR2およびR3は、各々水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基またはブチル基を表し、互いに異なって
いてもよい。R4は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和
または不飽和炭化水素基、炭素数1〜6の2価の脂環式
飽和または不飽和炭化水素基、p-キシリレン、フェニレ
ン基等を表す。mおよびnは1〜10の整数を表す。」
が挙げられる。または、マレイン酸等のカルボキシル基
を分子中に2個以上含む化合物であってもよい。また、
これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
物(B)から得られた共重合体の一部の酸基にエポキシ
基含有不飽和化合物を付加することにより変性共重合体
(D)が得られる。エポキシ基含有不飽和化合物(C)
とは、1分子中に少なくとも1個のラジカル重合性の不
飽和基とエポキシ基とを有する化合物である。具体的に
は、例えば下記構造式で示したような脂環式エポキシ基
含有不飽和化合物およびグリシジルメタクリレート、β
−メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物が挙げ
られる。これらのなかでも3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエ
ポキシ基含有不飽和化合物は単独で用いても2以上併用
してもよい。なお、下記一般式中、R6は水素原子また
はメチル基を示し、R7は炭素数1〜6の2価の脂肪族
飽和炭化水素基を示し、R8は炭素数1〜10の2価の
炭化水素基を示し、mは1〜10の整数を示す。
は、得られる変性共重合体(D)に対して5〜50重量
%の範囲にあることが望ましい。付加量が5重量%未満
であると紫外線硬化性が悪く、硬化被膜の物性が低下す
る。50重量%以上であると樹脂の保存安定性が悪くな
る。
(D)は酸価が、10〜150KOH-mg/g、さら
には50〜150KOH-mg/gの範囲にあることが
好ましい。この酸価が10KOH-mg/g未満の場合
には希アルカリ水溶液での未硬化膜の除去が難しく、1
50KOH-mg/gを越えると硬化皮膜の耐水性、電
気特性が劣るとの問題点がある。また、変性共重合体
(D)は重量平均分子量が5,000〜100,000
の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が5,0
00に満たないと(1)タックフリー性能が劣る、
(2)露光後の塗膜の耐湿性が悪く現像時に膜べりが生
じ、解像度が大きく劣ると云う問題点がある。また、重
量平均分子量が100,000を超えると、(1)現像
性が著しく悪くなる、(2)貯蔵安定性が劣る等の問題
点がある。
しては使用する原料を溶解するものであれば特に制限は
なく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパ
ノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサンなどのエー
テル類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、エチレングリコ
ールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノアセテートなどのエ
ステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プ
ロピレングリコールモノアルキルエーテル類,ジプロピ
レングリコールモノアルキルエーテル類,ブチレングリ
コールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジ
アルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどの
ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレン
グリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチ
レングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素などが用いられる。これらの溶媒は単独で、または
混合して使用してもよい。
る触媒およびその酸化物に関する説明を行う。前記(メ
タ)アクリル酸(A)と不飽和基含有化合物(B)とか
ら得られた共重合体の一部の酸基にエポキシ基含有不飽
和化合物(C)を付加させる際に使用する触媒として
は、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系及びこれ
らの塩などを挙げることができるが、トリフェニルホス
フィンに代表される第3ホスフィンが好ましい。これら
の触媒は単独で使用しても混合して使用してもよい。本
発明においては、第3ホスフィンで代表される触媒およ
び第3ホスフィンオキサイドで代表されるその酸化物と
を混合して使用することが必須である。これら触媒およ
びその酸化物は、合計使用量がエポキシ基含有不飽和化
合物(C)に対して好ましくは0.01〜10重量%、
さらに好ましくは0.5〜3.0重量%用いる。0.0
1重量%より少ない場合は触媒効果が低く、10重量%
を越えるとレジストインキとした際に現像性が顕著に低
下することがある。
スフィンオキサイドで代表されるその酸化物との混合比
率は、好ましくは触媒/酸化物=9/1〜5/5(モル
比)、さらに好ましくは8/2〜7/3(モル比)であ
る。触媒とその酸化物のモル比合計を10とする場合、
酸化物の比率が1以下となる場合はレジストインクの露
光感度が低下する。一方、酸化物のモル比率が5を超え
る場合には触媒能力が低下し、製造時間が長くなるため
好ましくない。
説明する。本発明の硬化性樹脂組成物は、前記硬化性樹
脂、光重合開始剤、必要に応じて用いられる希釈モノマ
ーまたはオリゴマーおよび必要に応じて用いられるエポ
キシ化合物から構成されている。光重合開始剤として
は、例えばベンゾフェノン、アセトフェノンベンジル、
ベンジルジメチルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、ジメトキシアセトフェノン、ジメ
トキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェ
ノン、ジフェニルジサルファイト等を単独、もしくは混
合して使用する。チバガイギー社製「イルガキュア90
7」のような光重合開始剤も使用することができる。こ
れら光重合開始剤は、光吸収エネルギーの重合開始遊離
基への転換を強めるための相乗剤、例えば第3級アミン
をも含有することができる。本発明の硬化性樹脂組成物
を電子線照射で硬化させる場合には、必ずしも光重合開
始剤の添加を必要としない。光重合開始剤の添加量は硬
化性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、
好ましくは、0.1〜5重量部、さらに好ましくは、
0.5〜3量部である。0.01重量部より低い場合、
硬化性が十分でなく、逆に10重量部以上用いても硬化
性は向上せず、硬化した塗膜の他の物性が低下する場合
があり、かつ、コストアップとなる。
マーもしくはオリゴマーは、感度の向上、柔軟性等硬化
性塗膜の特性向上の観点から用いられる。希釈モノマー
としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テル化合物、スチレンなどのビニル芳香族化合物、アミ
ド系不飽和化合物などで代表されるラジカル重合性二重
結合を有する化合物である。代表的なアクリル酸エステ
ルまたはメタクリル酸エステルは以下のようなものがあ
る。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロカ
クトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
などの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、
メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アク
リレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコール#400−(メタ)アク
リレートなどの(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能(メタ)
アクリル酸エステル類、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の、三官能(メタ)アクリル酸
エステル類などが使用される。オリゴマーとしては、例
えばポリエステルポリオールの(メタ)アクリル酸エス
テル類、ポリエーテルポリオールの(メタ)アクリル酸
エステル類、ポリエポキシと(メタ)アクリル酸との付
加物およびポリオールにポリイソシアネートを介してヒ
ドロキシ(メタ)アクリレートを導入した樹脂などが挙
げられる。上記の希釈モノマーおよびオリゴマーは、前
記製造方法により得た硬化性樹脂100重量部に対し
て、例えば、好ましくは0〜300重量部、さらに好ま
しくは1〜100重量部の範囲で配合できる。重合性モ
ノマーおよびオリゴマー量が300重量部より多いと本
発明の硬化性樹脂の特徴が低減する。
用いられる構成成分の一つであるエポキシ化合物は硬化
塗膜の架橋間密度を上げ電気特性、耐候性、耐薬品性向
上のために用いられる。例えば、エポキシ化ポリブタジ
エン、エポキシ化ブタジエンスチレンブロック共重合体
等の不飽和基含有エポキシ化樹脂が例示できる。その市
販品としては、ダイセル化学(株)製エポリードPB,
ESBS等がある。さらに、脂環式エポキシ樹脂として
は、例えば、ダイセル化学(株)製セロキサイド202
1、EHPE;三井化学(株)製、エポミックVG−3
101;油化シェルエポキシ(株)製、E−1031
S;三菱ガス化学(株)製、TETRAD−X、TET
RAD−C;日本曹達(株)製、EPB−13,EPB
−27等があり、共重合型エポキシ樹脂としては、例え
ば、グリシジルメタクリレートとスチレンの共重合体、
グリシジルメタクリレートとスチレンとメチルメタクリ
レートの共重合体である日本油脂(株)製CP−50
M、CP−50S,或いはグリシジルメタクリレートと
シクロヘキシルマレイミド等の共重合体等がある。
脂等を挙げることができる。また、ノボラック型エポキ
シ樹脂(例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化
フェノールおよびアルキルフェノール等のフェノール類
とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られる
ノボラック類とエピクロルヒドリン及び/又はメチルエ
ピクロルヒドリンとを反応して得られるもの等。その市
販品としては、日本化薬(株)製EOCN−103,E
OCN−104S,EOCN−1020,EOCN−1
027,EPPN−201,BREN−S:ダウ・ケミ
カル社製、DEN−431,DEN−439:大日本イ
ンキ化学工業(株)製,N−73,VH−4150等が
ある)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えばビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及び
テトラブロムビスフェノールA等のビスフェノール類と
エピクロルヒドリンとを反応させて得られるものや、ビ
スフェノールAのジグリシジルエーテルと前記ビスフェ
ノール類の縮合物とエピクロルヒドリンとを反応させ得
られるもの等が挙げられる。その市販品として、油化シ
ェル(株)製、エピコート1004、エピコート100
2;ダウケミカル社製DER−330,DER−337
等)、トリスフェノールメタン、トリスクレゾールメタ
ン等のエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロル
ヒドリンとを反応させて得られるもの等。その市販品と
して、日本化薬(株)製EPPN−501,EPPN−
502等)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソ
シアヌレート、ビフェニルジグリシジルエーテル等も使
用することができる。これらのエポキシ樹脂は単独で用
いても、混合して用いてもよい。これらエポキシ化合物
は、例えば前記の製造方法により得た硬化性樹脂100
重量部に対して、好ましくは0〜100重量部、さらに
好ましくは1〜50重量部加えられる。エポキシ化合物
の量が100重量部より多いと本発明の硬化性樹脂の特
徴が低減する。
剤として必要に応じて熱重合禁止剤、界面活性剤、光吸
収剤、チキソ性付与剤、染料および顔料などを含有し得
る。さらには熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂なども配合す
ることができる。本発明の組成物は、基材上に薄膜とし
て被着させることにより硬化させることができる。薄膜
を形成する方法としては、スプレー、ブラシ掛け、ロー
ル塗装、カーテン塗装、電着塗装、静電塗装などが用い
られる。
ト、ドライフィルムの1成分として使用する場合は、硬
化性樹脂組成物を基板上に被着させた後、光によって硬
化させることができる。「光」としては、高圧水銀燈、
紫外線、電子線、レーザー光線等の光を使用することが
できる。また、液状レジスト、ドライフィルムの1成分
として使用する場合には、熱により硬化させることもで
きる。硬化の条件は、100乃至200℃で、1乃至9
0分の条件下で行うことができる。硬化は不活性ガス雰
囲気下で行うことが好ましいが、空気雰囲気下において
も硬化させることができる。
組成物はインキ、プラスチック塗料、紙印刷、フィルム
コーティング、家具塗装などの種々のコーティング分
野、FRP、ライニング、さらにはエレクトロニクス分
野における絶縁ワニス、絶縁シート、積層版、プリント
基盤、レジストインキ、カラーフィルター用顔料レジス
トインキ、半導体封止剤など多くの産業分野への応用が
可能である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の方法で評価試験を行った。評価用インク組成
物の調製:後記樹脂溶液A1〜9 100重量部(固形
分)、トリメチロールプロパントリアクリレート20重
量部、エポキシ当量220のクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製エピコート1
80S70)20重量部、ベンジルメチルケタール7重
量部、ジエチルチオキサントン2重量部、フタロシアニ
ングリーン1.5重量部、シリカ5重量部、硫酸バリウ
ム20重量部、ジシアンジアミド5重量部を混合した
後、3本ロールで混練し、粘ちょうなインキ組成物を得
た。上記で得られたインキをパターン形成された基盤の
上にバーコーターを用いて20μmの厚さに塗布した。 1.現像性試験:上記で得られた塗膜を80℃の送風乾
燥機で80,100,140分間乾燥させた。乾燥後の
塗膜を1%炭酸ソーダ水溶液で現像し、現像に要する時
間(秒)に基づき熱かぶり性の評価を行なった。 2.露光感度測定:上記で得られた塗膜を80℃の送風
乾燥機で20分間乾燥させた。その後、ネガフイルム
(ストーファー社の21段タブレット、段数が大きい
程、高感度である。)を密着させ、800mJ/cm2の光量
を照射した。更に、1%炭酸ソーダ水溶液で現像し、得
られた塗膜を150℃送風オーブンで30分間硬化させ
た。
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルセパ
ラブルフラスコに、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル(日本乳化剤社製MFDG)300gを導入
し、95℃に昇温後、メタクリル酸151g(1.76
モル)、メチルメタクリレート110g(1.1モ
ル)、MFDG200gおよびt−ブチルパーオキシ2
−エチルヘキサノエート(日本油脂社製パーブチルO)1
6.6gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟
成してカルボキル基を有する幹ポリマーを合成した。次
に、上記幹ポリマー溶液に、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業社製サイ
クロマーA−200)239g(1.3モル)、トリフ
ェニルホスフィン(以下TPPと略す)及びトリフェニル
ホスフィンオキサイド(以下TPPOと略す)をTPP/TPPO
=9/1のモル比率にして合計でサイクロマーA−20
0に対して1重量部、メチルハイドロキノン1.0gを
加えて、110℃で10時間反応させた。反応は、空気
/窒素の混合雰囲気下で行った。これにより、酸価50
KOH−mg/g、二重結合当量(不飽和基1mol当り
の樹脂重量)381、重量平均分子量11,000の硬
化性樹脂溶液(A−1)を得た。
リメチロールプロパントリアクリレート25重量部、エ
ポキシ当量220のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(東都化成社製YD-128)15重量部、フタロシアニング
リーン2重量部、開始剤としてチバガイギー社製「イル
ガキュア907」を混合した後、3本ロールで混練し、
粘稠なインキ組成物を得た。このインキ組成物について
現像性の評価を行い、その結果を表1に示した。
とした以外は実施例1と同様に反応を行い、硬化性樹脂
溶液(A−2)を得た。硬化性樹脂溶液(A−2)を用
い、実施例1と同様な配合のインキ組成物を調製し、実
施例1と同様な条件で現像性の評価を行った。結果を表
1に示した。 (実施例3)TPP/TPPOのモル比を7/3とした以外は実
施例1と同様に反応を行い、ついで、ジメチルベンジル
アミンを1g添加し、硬化性樹脂溶液(A−3)を得
た。硬化性樹脂溶液(A−3)を用い、実施例1と同様
な配合のインキ組成物を調製し、実施例1と同様な条件
で現像性の評価を行った。結果を表1に示した。 (実施例4)TPP/TPPOのモル比を5/5とした以外は実
施例1と同様に反応を行い、ついで、過酸化水素水(3
0%)を0.8g添加し、硬化性樹脂溶液(A−4)を
得た。硬化性樹脂溶液(A−4)を用い、実施例1と同
様な配合のインキ組成物を調製し、実施例1と同様な条
件で現像性の評価を行った。結果を表1に示した。
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルセパ
ラブルフラスコに、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル(日本乳化剤社製MFDG)300gを導入し、
95℃に昇温後、メタクリル酸152g(1.75モ
ル)、メチルメタクリレート162g(1.62モ
ル)、MFDG200gおよびt−ブチルパーオキシ2
−エチルヘキサノエート(日本油脂社製パーブチルO)2
0gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成し
てカルボキル基を有する幹ポリマーを合成した。次に、
上記幹ポリマー溶液に、グリシジルメタクリレート(日
本油脂社製ブレンマーG)186g(1.3モル)、TPP
とTPPOのモル比を7/3にして合計でグリシジルメタク
リレートに対して1重量部、メチルハイドロキノン1.
0g加えて、100℃で10時間反応させた。反応は、
空気/窒素の混合雰囲気下で行った。これにより、酸価
50KOH-mg/g、二重結合当量(不飽和基1mol
当りの樹脂重量)381、重量平均分子量10,500
の硬化性樹脂溶液(A−5)を得た。硬化性樹脂溶液
(A−5)を用い、実施例1と同様な配合のインキ組成
物を調製し、実施例1と同様な条件で現像性の評価を行
った。結果を表1に示した。
0とした以外は実施例1と同様に反応を行い、硬化性樹
脂溶液(A−6)を得た。硬化性樹脂溶液(A−6)を
用い、実施例1と同様な配合のインキ組成物を調製し、
実施例1と同様な条件で現像性の評価を行った。結果を
表1に示した。 (比較例2)TPP/TPPOのモル比を10/0とし且つト
リフェニルフォスフィン使用量を比較例1の4/5量と
した以外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後の
トリフェニルホスフィンの酸化失活を省略し、硬化性樹
脂溶液(A−7)を得た。硬化性樹脂溶液(A−7)を
用い、実施例1と同様な配合のインキ組成物を調製し、
実施例1と同様な条件で現像性の評価を行った。結果を
表1に示した。 (比較例3)TPP/TPPOのモル比を10/0とし且つト
リフェニルフォスフィン使用量を比較例1の1/2量と
した以外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後の
トリフェニルホスフィンの酸化失活を省略し、硬化性樹
脂溶液(A−8)を得た。硬化性樹脂溶液(A−8)を
用い、実施例1と同様な配合のインキ組成物を調製し、
実施例1と同様な条件で現像性の評価を行った。結果を
表1に示した。 (比較例4)TPP/TPPOのモル比を10/0とした以外
は実施例5と同様に反応を行い、反応終了後のトリフェ
ニルホスフィンの酸化失活を省略し、硬化性樹脂溶液
(A−9)を得た。硬化性樹脂溶液(A−9)を用い、
実施例1と同様な配合のインキ組成物を調製し、実施例
1と同様な条件で現像性の評価を行った。結果を表1に
示した。
10/0の系の反応時間を1としてTPP/TPPOの
比率を変化させた場合の反応時間により算出した。反応
の終点までに要する時間は、前記「サイクロマーA20
0」の濃度が1%以下になったことをガスクロマトグラ
フィーで確認して測定した。反応時間比が1の場合は、
約10時間である。現像速度の経時変化が小さく反応時
間も従来(TPP/TPPO=10/0の系)と大差な
く、さらに、露光感度が大きいものが良い、と判断され
る。たとえば、実施例2と比較例2を比べた場合、実施
例2のものはTPPOを添加しているので、TPPの量
を減らしたにもかかわらず、現像速度の経時変化が小さ
く感度が低下することはない。一方、比較例2および3
に示されているように、TPPの量を単に減らしただけ
では、露光感度が低下し、反応時間も遅延する。ちなみ
に、上記実施例、比較例のいずれにおいても特開200
0−72814号公報に記載されているようなTPPの
酸化による失活操作は行っていない。
インキはエポキシ化合物共存下での熱安定性に優れるこ
とが解かった。
Claims (6)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステル(A)と不
飽和基を含有し且つ少なくとも1個の酸基を有する化合
物(B)とから得られた共重合体の一部の酸基にエポキ
シ基含有不飽和化合物(C)を付加させた変性共重合体
(D)を得る際に、触媒およびその酸化物の存在下に付
加反応を行うことを特徴とする変性共重合体(D)から
なる硬化性樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 触媒が第3ホスフィンである請求項1記
載の硬化性樹脂の製造方法。 - 【請求項3】 硬化性樹脂の酸価が10〜150の範囲
にある請求項1または2に記載の硬化性樹脂の製造方
法。 - 【請求項4】 エポキシ基含有不飽和化合物が3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートであ
る請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂の製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
法により得た硬化性樹脂、光重合開始剤、必要に応じて
希釈モノマーもしくはオリゴマーおよび必要に応じてエ
ポキシ化合物を含有してなる硬化性樹脂組成物。 - 【請求項6】 液状レジスト、ドライフィルムの1成分
として使用され、光硬化性または熱硬化性であることを
特徴とする請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
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