JPH09304929A - アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物 - Google Patents
アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物Info
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- JPH09304929A JPH09304929A JP8116660A JP11666096A JPH09304929A JP H09304929 A JPH09304929 A JP H09304929A JP 8116660 A JP8116660 A JP 8116660A JP 11666096 A JP11666096 A JP 11666096A JP H09304929 A JPH09304929 A JP H09304929A
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Abstract
ニスで、硬化後の塗膜が耐熱性、耐薬品性、耐クラック
性、透明性、密着性、絶縁性、硬度、さらには平滑性に
優れたアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるアルカリ可
溶性樹脂と、重合可能なエチレン性不飽和基を有する化
合物と、光重合開始剤とよりなるアルカリ現像可能な感
光性樹脂組成物。 (式中、R1及びR2は水素原子、炭素数1〜5のアル
キル基又はハロゲン原子を、nは1〜5の数を表す。ま
た、Aは4価の有機残基を、Xは1以上の数を表す。) 【効果】 樹脂の合成工程が短く、ゲル化のおそれもな
く、製造が容易でありカラーフィルター用材料やプリン
ト配線板関連の層間絶縁材料、接着剤、塗料、スクリー
ン印刷用のインキとして有用である。
Description
時に硬化、アルカリ現像処理によりパターン形成可能な
樹脂組成物に関するものである。
子、その保護膜及びプリント配線基板の絶縁膜には、有
害で、廃液処理費用のかかる有機溶剤を用いないアルカ
リ現像可能な感光性樹脂が多く用いられてきた。最近、
高精彩化や半導体素子の高密度実装化の変化に伴い、樹
脂に対しては硬度、はんだ耐熱性、透明性、密着性、耐
酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、絶縁抵抗、平坦性等に
厳しい性能が要求されている。
骨格を有するアルカリ可溶な樹脂が開発されている。フ
ルオレン置換基は、その大きさからくる分子鎖の運動制
御によるTgの上昇のために高耐熱であり、また、その
嵩高さが分子鎖間の相互作用を抑制し、その結果として
分子鎖間隙が広いため、透明性が高く、硬化収縮率も小
さい。分子鎖間隙が広いため溶剤が浸透し易く、溶解性
がよいため高濃度のワニスとなり、平坦性にも優れる。
そのうえ、芳香族の含有量が多いため耐溶剤性や屈折率
も高い。
−345608号公報、特開平4−355450号公
報、特開平4−363311号公報及び特開平6−32
2087号公報には、フルオレン骨格を含む耐熱性の液
状レジスト及びカラーフィルター材料、アクリル系樹脂
が開示されている。しかしながら、これらの原料である
フルオレンエポキシアクリレートまでの合成経路が長
く、その上、分子鎖内に2重結合を含むために、ゲル化
を防止するための重合禁止剤や、酸素の導入等の合成面
での負荷が大きくなる。また、酸無水物としてテトラヒ
ドロキシ無水フタル酸などの単官能酸無水物を使用する
ために、得られるアルカリ現像性不飽和化合物はジアク
リレート1分子と酸無水物1分子又は2分子が付加した
分子構造となった単量体であり、硬化膜とした際、膜の
脆弱さや絶縁抵抗の低下が容易に予測される。また、エ
チレンオキサイド変性せずに、すなわちビスフェノール
フルオレンをそのまま酸二無水物を反応させると、その
生成物の溶解性が低いために反応せず、ワニスを用いて
感光性樹脂を調整した場合、タックフリーとなり難いと
いう欠点を有する。
目的は、合成が容易でかつタックフリーのワニスであっ
て、硬化後の塗膜が耐熱性、耐薬品性、耐クラック性、
透明性、密着性、絶縁性、硬度、及び平滑性に優れると
ともに、カラーフィルター、絶縁膜、封止材などを形成
するのに有用なアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を
提供することにある。
を達成するために鋭意研究を行った結果、重合性基を持
たないため合成が簡便であり、エチレンオキサイド変性
されているため分子量増加が可能なフルオレン骨格を含
む樹脂を主要構成成分とするアルカリ現像可能な樹脂組
成物によって、上記目的が達成できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
示されるアルカリ可溶性樹脂と、重合可能なエチレン性
不飽和基を有する化合物と、光重合開始剤とよりなるア
ルカリ現像可能な感光性樹脂組成物である。
キル基又はハロゲン原子を、nは1〜5の数を表す。ま
た、Aは4価の有機残基を、Xは1以上の数を表す。)
記一般式(1)で示されるアルカリ可溶性樹脂は、下記
一般式(2)で示される1分子中にフルオレン骨格を有
するビスフェノールに、エチレンオキサイドを付加させ
た下記一般式(3)で示されるジオール化合物と、下記
一般式(4)で示される酸二無水物との反応により得ら
れる。
キル基又はハロゲン原子を表す。)
キル基又はハロゲン原子を、nは1〜5の数を表す。)
のビスフェノールとしては、例えば9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9
−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3
−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,
9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン
などが挙げられる。
ドを付加した上記一般式(3)のジオール化合物の合成
法は、既知のいかなる方法も用いることができる。代表
的には、上記のビスフェノールとエチレンカーボネート
又はエチレンオキサイドガスを反応して得られる。した
がって、エチレンオキサイドから誘導されるジオール化
合物は、若干n数が異なるものが混入することになる
が、本樹脂組成物の性能に問題はない。
上記一般式(4)の酸二無水物化合物としては、例えば
無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニル
スルフォンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロ
ビフェニルイソプロピリデン酸二無水物(6−FDA)
等の芳香族酸二無水物など、及びこれらの芳香環にアル
キル基、ハロゲン基等の置換基を有する芳香族酸二無水
物や脂環式酸二無水物などが挙げられる。
オール化合物と上記の酸二無水物とを、粘性調整を目的
とした反応温度より高い沸点を持つ溶媒中で加熱するこ
とにより製造することができる。両者の混合割合は、ジ
オール化合物のヒドロキシ基100モル部に対し酸二無
水物の酸無水物基が50〜110モル部、好ましくは7
5〜103モル部がよい。50モル部より少ないと分子
量の増加が不十分であり、また110モル部を超えても
同様に分子量が増加しない。
度としては90〜140℃、好ましくは100〜130
℃、反応時間としては2〜20時間、好ましくは2〜1
2時間である。90℃より低いと反応時間が20時間を
超えて長くなり、また未反応酸二無水物が残存して好ま
しくない。140℃を超えると樹脂の着色が起こる。反
応の進行は、インヘレント粘度を用いてチェックでき
る。また、酸価を測定することで、アルカリ可溶性を判
断することができる。すなわち、インヘレント粘度が
0.2g/dl未満の場合は十分な樹脂化が進行してい
ないことを示し、酸価が20mgKOH/g以下の場合
は十分なアルカリ可溶性を示さない。
度より高い沸点の溶媒、例えばエチルセロソルブアセテ
ート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶
媒、例えばジグライム、エチルカルビトールアセテー
ト、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテル系又
はエステル系溶媒、例えばシクロヘキサノン、ジイソブ
チルケトンなどのケトン系溶媒などが好ましく用いられ
る。
対して0.001〜1%の触媒を加えてもよい。触媒と
しては、テトラエチルアンモニウムブロマイドなど公知
のものを使用できる。重合性不飽和基の熱安定性を改善
するためジーtーブチルヒドロシトルエンなどの重合禁
止材をジオール化合物に対し0.1%以下加えてもよ
い。
耐熱性や溶解性を損なわない範囲で上記のジオール化合
物の一部分を、ビスフェノールフルオレンやビスフェノ
ールA型のようなビスフェノール類やフルオレン型やビ
スフェノールA型のエポキシアクリレートをアルコール
成分としてもよい。
成物には、アルカリ可溶性樹脂に加え、重合可能なエチ
レン性不飽和基を有する化合物が必要である。エチレン
性不飽和基を有する化合物としては、例えばヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、クロロヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有す
るもの、例えばアリル(メタ)アクリレート、ブトキシ
エチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノ(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、コハク酸(メタ)アクリレート、メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、シクロデカトリエン(メ
タ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、イソシアネート
エチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロ(メ
タ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アク
リレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、ジブロモ
プロピル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アク
リレート類、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等の脂環
式変性(メタ)アクリレート類、例えばフェニキシエチ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、フタル酸(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリ
レート類、例えばフェノキシ化リン酸(メタ)アクリレ
ート、リン酸(メタ)アクリレート、ブトキシ化リン酸
(メタ)アクリレート、オクトキシ化リン酸(メタ)ア
クリレート等のリン含有(メタ)アクリレート類、例え
ばスルホン酸ソーダ(メタ)アクリレート等の水溶性
(メタ)アクリレート類、例えばビニルアセテート、ビ
ニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、スチレン等の
ビニル化合物等の単官能化合物が挙げられる。
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、長鎖脂肪
族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸
変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ
(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘ
キシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキ
シルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレ
ート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)ア
ジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)
アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエ
ーテル等の二官能化合物が挙げられる。
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキ
ル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリ
ロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロ
キシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ア
ルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステ
ルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)
アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート、
トリビニルエーテル、ヘキサジビニルエーテル等の三官
能以上の化合物が挙げられる。
を有する化合物のカプロラクトン、プロピレンオキサイ
ド、エチレンオキサイド変性物も同様に使用可能であ
る。
可能なに二重結合を2つ(二官能)以上、より好ましく
は、3つ(三官能)以上有することが好ましい。これら
の化合物は、上記化合物と2種以上を併用して使用する
こともできる。
割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、50
〜160重量部とすることがよい。これらが50部より
少ないと十分に硬化が進まず露光部分が溶出し、160
部を超えると未露光部分でも現像できなり、重合度や酸
無水物の構造によってはタックフリー性が失われるおれ
がある。
性樹脂組成物の構成成分としては、アルカリ可溶性樹脂
と光重合が可能なエチレン性不飽和基を有する樹脂とと
もに光重合開始剤が必要である。その具体例としては、
ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2
−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−
ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルトン、2−メチル−1−{4−(メチルチ
オ)フェニル}−2−モリフォリノ−プロパン−1−オ
ン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチ
ルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t
−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサントン、アセトフェノンジメチルケター
ル、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、2−トリ
クロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,
3,4−オキサジアゾール、4,4’−ビスジエチルア
ミノベンゾフェノン、2−トリクロロメチル−S−トリ
アジン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキ
サントン、トリアリールフォスフォンオキサイド(TP
O)、ミヒラーズケトン等のラジカル発生型のもの、或
いはトリアリールスルフォニウム塩やジアリールヨウド
ニウム塩等のカチオン発生型を挙げることができる。こ
れらは、単独又は2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタ
ノールアミン、トリエチルアミンのような公知の光増感
剤を単独又は2種類以上と組み合わせて用いることがで
きる。
レン性不飽和基を有する化合物に対し1〜10重量%、
好ましくは1〜5重量%である。10重量%を超えると
吸光割合が大きくなり、光が下部まで浸透しなくなる。
密着性向上、耐アルカリ性の向上を目的にエポキシ樹脂
を混合することができる。エポキシ基を有する化合物と
しては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェニ
ルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジ
ルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリ
シジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、
グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を少なくとも
1個有する化合物などが挙げられる。
化合物と共に必要に応じて、エポキシ基硬化促進剤、重
合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を
配合することができる。エポキシ基硬化促進剤として
は、例えばアミン化合物類、イミダゾール化合物、カル
ボン酸類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類又は
メチロール基含有化合物類などが挙げられ、これらを少
量併用して塗膜を加熱することにより、樹脂組成物の硬
化後の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着
性、電気特性及び硬度等の諸特性をさらに向上すること
ができる。熱重合禁止剤としては、例えばハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロー
ル、tert−ブチルカテコール、フェノチアジンなど
が挙げられる。可塑剤としては、例えばジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルなどが挙げ
られる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコ
ン系、フッソ系、アクリル系の化合物などが挙げられ
る。
化、弾性率向上、低吸湿化等を目的としてシリカ等の充
填材を加えてもよい。そして、本発明のアルカリ現像可
能な感光性樹脂組成物には、必要に応じて樹脂及び添加
剤を溶解させることの可能な溶剤での希釈、さらには顔
料、充填材などを混合することもできる。本発明に使用
される溶剤としては、上記樹脂成分を溶解し、かつ樹脂
成分及び添加剤と反応しないものであれば、特に限定さ
れるものではない。
樹脂組成物によるパターン形成の方法について説明す
る。まず、本発明の樹脂組成物の各成分(アルカリ可溶
性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤)を溶媒で希釈
し、各種用途によって必要なエポキシ樹脂、硬化促進
剤、カップリング剤、酸化防止剤等の添加剤を加えてワ
ニスを調製する。インクとして使用する場合はさらに顔
料を、絶縁膜、封止剤として使用する場合は充填剤を、
必要に応じた量を前記ワニスに分散させる。
にコーティングする。実施例ではスピンコートを用いて
いるが、ディップコートやバーコート、ロールコート等
のコーティング方法ももちろん可能である。また、スク
リーン印刷等の印刷方式も適用可能である。本発明のア
ルカリ現像可能な感光性樹脂組成物は、紫外線又は電子
線などの活性光線によって硬化する。ワニスをコーティ
ングした後、通常50〜150℃で1〜30分間で溶剤
のほとんどを揮発させた後、ネガマスクを通して活性光
線で硬化させる。その後、未露光部分をアルカリ水溶液
を用いて溶出させる現像操作を行ってパターンを形成
し、さらに必要に応じて後硬化として熱処理を行う。こ
のようにして得られる被膜は、目的の平滑性、耐熱性、
透明性、密着性、硬度、耐溶剤性、及び耐アルカリ性等
に優れたものとなる。
られる現像液としては、アルカリ金属やアルカリ度類金
属の炭酸塩水溶液、アルカリ金属の水酸化物水溶液など
が挙げられる。また、有機系のジエタノールアミン水溶
液、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液な
ども利用可能である。これらの0.01〜3重量%含有
する水溶液を用いて10〜50℃、好ましくは20〜4
0℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波
洗浄機等を用いて微細なパターンを形成することができ
る。
接着剤、印刷インキやコーティング剤等として有用であ
り、また、液晶の表示装置又は撮影素子に使われるカラ
ーフィルターの保護膜用樹脂組成物、カラーフィルター
用インキ、ブラックマトリックス用インキ及びこれらよ
りなるカラーフィルターとして有用である。さらに、プ
リント配線板用、MCM(マルチチップモジュール)用
絶縁インキ、コーティング材、封止材としても有用であ
る。そして、本発明の樹脂組成物の硬化物は、優れた硬
度、はんだ耐熱性、透明性、耐酸性、耐アルカリ性、耐
溶剤性、絶縁抵抗、耐電解腐食性及び耐めっき性、さら
には膜の平滑性、基板に対する密着性を示す。
発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施
例によりなんら限定されるものではない。
1 及びR2 が水素原子でnが1であるビスフェノールフ
ルオレンジヒドロキシエチルエーテル(BPHE)4
3.85g(0.1モル)とビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(BPDA)14.71g(0.05モ
ル)、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)7.61
g(0.05モル)と溶媒としてエチルセルソルブアセ
テート100gを投入した。触媒としてテトラエチルア
ンモニウムブロマイド(TEAB)0.22g(0.0
01モル)を用い、115〜120℃で4時間加熱撹拌
し、粘調透明な樹脂溶液を得た。このものの酸価は、樹
脂固形分換算で70mgKOH/gであった。また、イ
ンヘレント粘度は0.3dl/gであった。
ンジヒドロキシエチルエーテル(BPHE)43.85
g(0.1モル)とビフェニルテトラカルボン酸二無水
物(BPDA)29.41g(0.1モル)と溶媒とし
てエチルセルソルブアセテート100gを投入した。触
媒としてテトラエチルアンモニウムブロマイド(TEA
B)0.22g(0.001モル)を用い、115〜1
20℃で4時間加熱撹拌し、粘調透明な樹脂溶液を得
た。このものの酸価は、樹脂固形分換算で91mgKO
H/gであった。また、インヘレント粘度は0.4dl
/gであった。
ンジヒドロキシエチルエーテル(BPHE)43.85
g(0.1モル)とヘキサフルオロイソプロピリデンビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(6FDA)44.
40g(0.1モル)と溶媒としてエチルセルソルブア
セテート100gを投入した。触媒としてテトラエチル
アンモニウムブロマイド(TEAB)0.22g(0.
001モル)を用い、115〜120℃で4時間加熱撹
拌し、粘調透明な樹脂溶液を得た。このものの酸価は、
樹脂固形分換算で91mgKOH/gであった。また、
インヘレント粘度は0.4dl/gであった。
1 及びR2 が水素原子でnが2であるビスフェノールフ
ルオレンテトラヒドロキシエチルエーテル(BPHE)
52.62g(0.1モル)とビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(BPDA)29.41g(0.1モル)
と溶媒としてエチルセルソルブアセテート100gを投
入した。触媒としてテトラエチルアンモニウムブロマイ
ド(TEAB)0.22g(0.001モル)を用い、
115〜120℃で4時間加熱撹拌し、粘調透明な樹脂
溶液を得た。このものの酸価は、樹脂固形分換算で91
mgKOH/gであった。また、インヘレント粘度は
0.4dl/gであった。
1 及びR2 が水素原子であるビスフェノールフルオレン
(BPFL)35.05g(0.1モル)とビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(BPDA)14.71g
(0.05モル)、テトラヒドロ無水フタル酸(THP
A)7.61g(0.05モル)と溶媒としてエチルセ
ルソルブアセテート100gを投入した。触媒としてテ
トラエチルアンモニウムブロマイド(TEAB)0.2
2g(0.001モル)を用い、115〜120℃で4
時間加熱撹拌したが、粘調透明な樹脂溶液とならず、固
体状のものが残った。このものを分析したところ、原料
のBPFLであった。
光重合開始剤、さらにその他の添加物と有機溶剤を混合
して、それぞれ表1に掲げる配合割合(単位:g)でワ
ニスを調製した。次いで、これらのワニスを、脱脂洗浄
した厚さ1.2mmのガラス板上に約2μmの厚さに塗
布して80℃で乾燥した後、ネガ型マスクを用い365
nmの波長のUV光を500mj/cm2 照射した。そ
の後0.7重量%のジエタノールアミン水溶液により現
像を行った。更に、水洗した後水分を除去し、熱風乾燥
機を用いて200℃で30分間加熱乾燥処理を行なっ
た。得られた塗膜表面は非常に平滑であった。また、以
下の条件で測定した、塗膜の乾燥性(タックフリー
性)、塗膜硬度、基板との密着性、耐熱性、耐薬品性及
び透明性を評価した結果を表2に掲げる。
た。評価のランクは、次のとおりである。 ○:全くタックが認められないもの △:わずかにタックが認められるもの ×:顕著にタックが認められるもの
度を、JIS−K5400の試験法に準じて、鉛筆硬度
試験機を用いて荷重1Kgをかけた際の塗膜にキズが付
かない最も高硬度をもって表示した。使用した鉛筆は
「三菱ハイユニ」である。
少なくとも100個の碁盤目を作るようにクロスカット
を入れて、次いでセロテープを用いてピーリング試験を
行ない、碁盤目の剥離の状態を目視によって評価した。
評価のランクは次のとおりである。 ○:全く剥離が認められないもの ×:剥離が少しでも認められるもの
250℃、3時間オーブンに入れ、塗膜の状態を評価し
た。評価のランクは次のとおりである。 ○:塗膜の外観に異常なし ×:塗膜の外観にわれ、剥離、着色あり。
下記の薬品に下記の条件で浸漬し、浸漬後の外観及び密
着性を評価した。
て、耐熱性試験、耐薬品性試験前後における400〜8
00nmの波長における吸収スペクトルを測定した。 ○:全領域で95%以上。 ×:95%未満になる。
能な感光性樹脂組成物は、耐熱性、透明性、密着性、硬
度、耐溶剤性、耐アルカリ性及び平滑性等に優れる硬化
物を形成することが認められた。
組成物を用いると、溶媒乾燥後に塗膜がタックフリーと
なり、しかも硬化後は耐熱性、透明性に優れ、さらに耐
酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、平坦性、表面硬度など
にも優れた塗膜や硬化物を与える。その上、従来のもの
より樹脂の合成工程が短く、ゲル化のおそれもないた
め、容易に工業化可能である。したがって、カラーフィ
ルター用材料やプリント配線板関連の層間絶縁材料、接
着剤、塗料、スクリーン印刷用のインキなどの幅広い分
野に使用しても高い信頼性を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるアルカリ可
溶性樹脂と、重合可能なエチレン性不飽和基を有する化
合物と、光重合開始剤とよりなるアルカリ現像可能な感
光性樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜5のアル
キル基又はハロゲン原子を、nは1〜5の数を表す。ま
た、Aは4価の有機残基を、Xは1以上の数を表す。)
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