JP4986059B2 - 反応性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

反応性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、透明性に優れた反応性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを含有する組成物並びにその硬化物に関する。さらに本発明は、紫外線領域を含む光の透明性(透過性)に優れ、長時間の光線暴露においても透明性(透過性)の低下及び変色が少ない、いわゆる耐光性の高い反応性ポリカルボン酸化合物及びそれを含有する組成物並びにその硬化物に関する。
従来から、例えばエポキシアクリレート等に代表される反応性エポキシカルボキシレート化合物は、硬化物の硬さや基材への密着性、高い熱安定性、寸法安定性に優れる化合物として広く用いられてきた。これらは大きく脂肪族系反応性エポキシカルボキシレート化合物と芳香族系反応性エポキシカルボキシレート化合物とに分類される。
ビスフェノール型エポキシアクリレート及びノボラック型エポキシアクリレートに代表される芳香族系エポキシカルボキシレート化合物は、高い熱安定性を有し、強靭な硬化物を提供するが、芳香族であるがゆえに、反応性エポキシカルボキシレート化合物本体の着色、また硬化物の光照射による黄変色、及び紫外線の吸収が見られる。従って、このような面での良好な特性が求められる用途(例えば、光学関連材料)への展開は困難であった。
また、脂肪族系エポキシアクリレートに代表される脂肪族反応性エポキシカルボキシレート化合物は、柔軟で、金属、プラスチックフィルム等への密着性に優れ、また透明で着色もなく、光による黄変色もなく、また紫外線が吸収されることによる不具合もない。しかし、これらは、硬化物の強靭性に優れているとは言い難かった。
また、これらの中間をなすものとして従来、水素添加ビスフェノール型エポキシアクリレート等も用いられてきたが、これらはエポキシ樹脂骨格の強靭性が不足しており、さらなる強靭な硬化物を与える樹脂骨格を持った反応性化合物が求められていた。具体的には、発光素子の封止材等の用途展開も行われているが、必ずしも満足できる機能を有するものではなかった。
具体的に例示をすれば、飽和環状構造を有するエポキシアクリレートを用いて光学レンズ用樹脂組成物を得る試みが開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、ここで開示されている一般的なエポキシアクリレート化合物では、レンズの強度を満足させることは出来なかった。
さらには、エポキシアクリレートを用いて凹凸パターンを形成させる方法が開示されている(特許文献2参照)。しかしながらここにおいて用いられる一般的なエポキシアクリレートでは、高い強度に対する要求を満たすことは出来ない。
このほかにも、水素添加芳香族エポキシ樹脂をもちいて、素子の封止材料とする方法が開示されている(特許文献3、4参照)。しかしこれらは硬化時間が長いという欠点があった。
また、後記一般式(1)で表される特定骨格を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物が、耐熱性、耐湿性、高い機械的強度を発揮することは公知である(特許文献5参照)。さらに、それらの反応性カルボキシレート化合物及びその用途に関する技術も公知である(特許文献6参照)。しかしながら、化合物中の芳香環が水素添加されていないこれらの技術においては、芳香環による光の吸収により、紫外線の吸収や経時的な黄変色が見られる。また、該文献にはその水素添加物及びそのエポキシアクリレート等に関する技術は開示されていない。
また、例えばエポキシアクリレート化合物等に多塩基酸無水物を付加反応させて得られる反応性ポリカルボン酸化合物は、硬化物の硬さや基材への密着性、高い熱安定性、寸法安定性に優れる化合物として広く用いられてきた。特に電気、電子部品用途におけるレジスト材料においては、酸変性することで、アルカリ水溶液による現像性を付与させた化合物として広く一般的に用いられている(特許文献7〜8)。
これらのうち、ビスフェノール型エポキシアクリレート及びノボラック型エポキシアクリレートに代表される芳香族系エポキシ樹脂から誘導される反応性ポリカルボン酸化合物は、高い熱安定性を有し、強靭な硬化物を提供するが、反応性ポリカルボン酸化合物自身が着色し、また硬化物は光照射により黄変し、紫外線の吸収が見られるため、例えば光学関連材料的な機能を求められる場合や、経時的な黄変色が忌避されるような用途への展開は困難であった。
また、レジスト材料として解像性、感度等の特性を改良することを目的に、従来、水素添加ビスフェノール型エポキシアクリレート等から誘導される反応性ポリカルボン酸化合物等も用いられてきた(特許文献9〜10)。しかしながらこれらはエポキシ樹脂骨格の強靭性が不足しており、さらなる強靭な硬化物を与える樹脂骨格を持った反応性化合物が求められていた。
特開2000−281725号公報 特開2005−10230号公報 特開2003−82062号公報 特開2003−73452号公報 特許第2952094号公報 特開平11−140144号公報 特公昭56−40329号公報 特公昭57−45795号公報 特許第3190251号公報 特許第3072811号公報
本発明は、光の照射によっても劣化がなく、かつ耐熱性、耐湿性、強靭性のバランスに優れた硬化物を与える反応性エポキシカルボキシレート化合物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、耐熱性、耐湿性、強靭性のバランスに優れ、かつ耐光性にも優れ、黄変しない硬化物を与える反応性ポリカルボン酸化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の骨格を有するエポキシ樹脂から誘導される反応性エポキシカルボキシレート化合物及び反応性ポリカルボン酸化合物が上記の特性のバランスに優れることを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
(1)一般式(1)
Figure 0004986059
(式中、Rは相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を、またnは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
で表されるエポキシ樹脂の芳香環の核水素化物である水素化エポキシ樹脂(a)と、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)とを反応させて得られる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、
(2)Rが全て水素原子である前項(1)に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、
(3)前項(1)又は(2)に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(4)前項(1)又は(2)に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)及び(A)以外の反応性化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(5)(A)以外の反応性化合物(B)が、アクリレート類及びビニル化合物類からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする前項(4)に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(6)成形用材料である前項(3)ないし(5)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(7)皮膜形成用材料である前項(3)ないし(5)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(8)前項(3)ないし(7)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物、
(9)前項(8)に記載の硬化物の層を有する多層材料、
(10)前項(8)に記載の硬化物からなる光学材料、
(11)一般式(1)
Figure 0004986059
(式中、Rは相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を、またnは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
で表されるエポキシ樹脂の芳香環を核水素化して得られる水素化エポキシ樹脂(a)と、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)とを反応させて得られる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる反応性ポリカルボン酸化合物(C)、
(12)Rが全て水素原子である前項(11)に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)、
(13)前項(11)又は(12)に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(14)前項(11)又は(12)に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)及び(C)以外の反応性化合物(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(15)(C)以外の反応性化合物(D)が、アクリレート類であることを特徴とする前項(14)に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(16)成形用材料である前項(13)ないし(15)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(17)皮膜形成用材料である前項(13)ないし(16)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(18)レジスト材料組成物である前項(13)ないし(17)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(19)前項(13)又は(18)のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物、
(20)前項(19)に記載の硬化物の層を有する多層材料、
に関する。
本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させた硬化物は、耐熱性、耐湿性のバランスに優れているだけではなく、高い透明性を有し、光による劣化が少ない。このことから、レンズ、導光板等の成形材料、光学ディスク用のハードコート、フィルム、液晶ディスプレー若しくはCCD用カラーフィルタ等のレジスト用バインダー等の皮膜形成用材料に好適である。また、活性エネルギー線によって速やかに硬化するために、高い生産性を発揮させることが出来る。
さらに、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物を含む組成物を硬化させた硬化物は、耐熱性、耐湿性のバランスに優れているだけではなく、高い透明性を有し、光による劣化が少ない。このことから、特に基材への密着性が優れた皮膜形成用材料、またカルボン酸によりアルカリ水可溶性を生かして現像させる、いわゆるレジスト用の素材としても好適である。さらに具体的には、エッチング用またはソルダーレジスト用材料、レンズ、光学ディスク用のハードコート、フィルム、液晶ディスプレーやCCD用カラーフィルタ等のレジスト用バインダー、光導波路等の光伝導材料等の皮膜形成用材料に好適である。
本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)の出発物質となる水素化エポキシ樹脂(a)は、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂において、その芳香環を、核水素化することによって得られるが、芳香環が水素化されたものであれば、他の方法で得られるものでも使用出来る。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂は、特許文献5に記載の方法に準じて得ることができる。また、市販品(商品名:NC−3000、式(1)におけるRが全て水素原子であり、n=1.8である樹脂、日本化薬株式会社製)を入手することも可能である。
一般式(1)に表されるnの値は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により求められる数平均分子量から算出することができる。nの値が1より小さい場合には、本構造の優位点である樹脂の耐熱性、耐湿性、高い機械的強度等の特性が充分に発揮されない。また6より大きい場合には、分子量が大きすぎ、粘度等、樹脂製造上の観点から好適ではない。
一般式(1)に表される官能基Rは、使用される用途に応じて適宜選択されるべきものである。例えば、無置換基である水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基等、炭素数が1〜4までの直鎖、または分岐状の飽和、及び不飽和炭化水素基、クロル基、ブロム基、ヨード基等のハロゲン系官能基等が示される。これらのうち、本発明においてはRが全て水素原子であるものが好ましい。
一般式(1)で表されるグリシジルエーテル化された芳香環における好ましい結合位置は、特に限定されない。しかしながら、本骨格の製造法上の都合から、グリシジルエーテル基の結合部位に対して、オルト位若しくはパラ位に結合している場合が大半を占める。
本発明で使用される水素化エポキシ樹脂(a)は、通常、水素添加触媒の存在下に前記一般式(1)のエポキシ樹脂と水素ガスとを接触させて核水素化することにより得られる。使用される水素添加触媒は、公知の白金族元素を活性成分とする触媒を使用することができる。白金族元素の中ではルテニウムまたはロジウムが好ましい。特に、炭素系担体に活性成分を担持して成る触媒が好ましい。炭素系担体としては、活性炭、グラファイト、カーボンブラック等が挙げられる。
これらの触媒は含浸法などの公知の方法で調製したものを使用することができる。また、水素化反応用触媒として市販されているものをそのまま使用することもできる。市販品としては、例えば「5%ルテニウム/カーボン触媒」、「5%ロジウム/カーボン触媒」(いずれもエヌイーケムキャット社製)等が挙げられる。触媒の使用量は特に限定されないが、触媒量が少ないと反応に長時間を要することになるため、通常は式(1)のエポキシ樹脂に対しルテニウムまたはロジウムの重量比で0.05重量%以上が好ましく、0.1〜2重量%の範囲がさらに好ましい。
水素化反応は通常溶媒中で行う。使用できる溶媒としては、水素化に対して安定で触媒に対し毒性のないエーテル系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、パラフィン系溶媒などが挙げられる。具体的には、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の鎖状または環状のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類等が好適に使用される。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を使用することも出来る。溶媒の使用量は特に限定されないが、通常は式(1)のエポキシ樹脂に対して溶媒が10〜1000重量%、好ましくは20〜500重量%の範囲である。
水素化反応の条件も一般的な条件でよく、水素化反応の反応温度および反応圧力は水素化反応が完結できる条件であれば特に限定されないが、実用的な反応速度が得られる条件として、反応温度が通常10〜200℃、好ましくは30〜150℃の範囲であり、反応圧力が通常0.5〜30MPa、好ましくは1.5〜15MPaの範囲である。
水素化反応が終了するまでの反応時間は、触媒の使用量や上記の反応条件によっても異なるが、通常は0.5〜20時間である。また、水素化反応の反応形式はバッチ式に限定されるものではなく、ルテニウムまたはロジウム担持触媒を適当な形状に成型して固定床反応器に充填して流通式で行うこともできる。
水素化反応が終了した後の反応液は、まず、適当な手段により触媒を分離し、次いで通常の蒸留等の手段により溶媒を分離すればそのまま目的物とする水素化エポキシ樹脂(a)を得ることができる。本発明で用いられる水素化エポキシ樹脂(a)の水素化率は通常70〜100%、好ましくは80〜95%である。水素化率が低い場合には、本発明の特徴である光吸収等が損なわれ、また水素化率を高めるために水素化条件を厳しくし過ぎると、エポキシ価が高くなってしまう。即ち、カルボキシレート化するためのエポキシ基が減少してしまい、活性エネルギー線による反応性が低下してしまう。
こうして得られた水素化エポキシ樹脂(a)に、分子中に1個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)を反応させること(カルボキシレート化工程)によって、本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を得ることができる。
カルボキシレート化工程について詳細に説明する。
分子中に1個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸化合物(b)は、水素化エポキシ樹脂(a)に活性エネルギー線への反応性を付与させるために反応させるものである。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。上記においてアクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、飽和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等の一分子中にカルボキシル基を1個含むモノカルボン酸化合物、さらに一分子中に複数の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸と複数のエポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等の一分子中にカルボキシル基を複数有するポリカルボン酸化合物等が挙げられる。
これらのうち、水素化エポキシ樹脂(a)とカルボン酸化合物(b)との反応の安定性を考慮すると、(b)はモノカルボン酸であることが好ましく、モノカルボン酸とポリカルボン酸を併用する場合でも、モノカルボン酸のモル量/ポリカルボン酸のモル量で表されるモル比の値が15以上であることが好ましい。
更に好ましくは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸が挙げられる。
カルボキシレート化工程における水素化エポキシ樹脂(a)とカルボン酸化合物(b)との仕込み割合は、用途に応じて適宜変更されるべきものである。即ち、全てのエポキシ基をカルボキシレート化した場合は、未反応のエポキシ基が残存しないために、反応性カルボキシレート化合物としての保存安定性は高い。この場合は、導入した二重結合による反応性のみを利用することになる。また、引き続いて後記の酸付加工程により反応性ポリカルボン酸化合物(C)を製造する場合には、エポキシ基が残存していると、残存するエポキシ基が付加させた多塩基酸に由来するカルボン酸と反応して製造時にゲル化したり、もしくは保存安定性が悪化したりするので、エポキシ基が残存しないような量比で反応させるのが好ましい。
一方、意図してカルボン酸化合物の仕込み量を減量して未反応のエポキシ基を残存させることにより、導入した不飽和結合による反応性と、残存するエポキシ基による反応、例えば光カチオン触媒による重合反応や熱重合反応を複合的に利用することも可能である。しかし、この場合は反応性カルボキシレート化合物の保存、及び製造条件の検討により注意を払うべきである。
エポキシ基を残存させない反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造する場合には、カルボン酸化合物(b)が、水素化エポキシ樹脂(a)に対し90〜120当量%であることが好ましく、この範囲であれば比較的安定な条件での製造が可能である。これよりもカルボン酸化合物(b)の仕込み量が多い場合には、過剰のカルボン酸化合物(b)が残存してしまうために好ましくない。
また、エポキシ基を意図して残留させる場合には、カルボン酸化合物(b)が、水素化エポキシ樹脂(a)に対し20〜90当量%であることが好ましい。この範囲を逸脱する場合には、複合硬化の効果が薄くなる。もちろんこの場合は、反応中のゲル化や、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)の経時安定性に対して十分な注意が必要である。
カルボキシレート化工程は、無溶剤で、または溶剤で希釈して、行うことが出来る。ここで用いることが出来る溶剤としては、カルボキシレート化反応に対して不活性な溶剤であれば特に限定はない。また、本工程で溶剤を用いて製造した場合には、その両反応に不活性であることを条件に、溶剤を除くことなく直接に次工程である酸付加工程に供することもできる。
使用し得る溶媒として具体的には、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ、水添石油ナフサ、等が挙げられ、更には後記する反応性化合物(B)等の単独または混合有機溶媒中で行うことができる。
反応時には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物に対して通常0.1〜10重量%である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。使用しうる触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
また、熱重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ジフェニルピクリルヒドラジル、ジフェニルアミン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等を使用するのが好ましい。
本反応は、適宜サンプリングしながら、サンプルの酸価(JIS K5601−2−1:1999準拠)が1mgKOH/g以下、好ましくは0.5mgKOH/g以下となった時点を終点とする。
本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)は、上記反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)に多塩基酸無水物(c)を反応させること(酸付加工程)によって製造することができる。
酸付加工程について詳細に説明する。
酸付加工程は、カルボキシレート化反応により生じた水酸基に多塩基酸無水物が付加反応し、エステル結合を介してカルボキシル基を導入させることを目的として行なわれる。
多塩基酸無水物(c)としては、分子中に酸無水物構造を有する化合物であれば全て用いることができるが、具体例としては、アルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れた無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または無水マレイン酸が特に好ましい。
多塩基酸無水物(c)を付加させる反応は、前記カルボキシレート化工程における反応液に多塩基酸無水物(c)を加えることにより行うことができる。添加量は用途に応じて適宜変更されるべきものである。
しかしながら、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)をアルカリ現像型のレジストとして用いようとする場合は、最終的に得られる反応性ポリカルボン酸化合物(C)の固形分酸価(JIS K5601−2−1:1999準拠)が40〜100mg・KOH/g、より好ましくは60〜90mg・KOH/g、となる計算値を仕込むことが好ましい。このときの固形分酸価が上記範囲よりも小さい場合、本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液現像性が著しく低下し、最悪の場合、現像できなくなるおそれがあり、また、固形分酸価がこれを越える場合、酸無水物が反応点に対して過剰となり、未反応の多塩基酸無水物が残存する。もしくは現像性が高くなりすぎて、パターニングができなくなるおそれがある。
酸付加工程では、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物、即ち水素化エポキシ樹脂(a)及びカルボン酸化合物(b)から得られた反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、及び多塩基酸無水物(c)、場合により溶剤その他を加えた反応物の総量に対して通常0.1〜10重量%である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。使用しうる触媒の具体例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
酸付加工程は、無溶剤で、または溶剤で希釈して、行うことが出来る。ここで用いることが出来る溶剤としては、酸付加反応に対して不活性な溶剤であれば特に限定はない。また、前工程であるカルボキシレート化工程で溶剤を用いて製造した場合には、その両反応に不活性であることを条件に、溶剤を除くことなく直接に次工程である酸付加反応に供することもできる。
酸付加工程で使用することのできる溶剤は前記カルボキシレート化反応において用いられるものと同じのものを使用することができる。
また、熱重合禁止剤等は、前記カルボキシレート化工程における例示と同様のものを使用することが好ましい。
酸付加工程の反応は、適宜サンプリングしながら、反応物の酸価が、設定した酸価の±10%の範囲になった点をもって終点とする。
本発明の第1の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上記反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を含有する樹脂組成物であり、好ましくは、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)及び(A)以外の反応性化合物(B)を含有する樹脂組成物である。
上記本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含まれる反応性化合物(B)とは、本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)と同様、活性エネルギー線により反応性を示す化合物である。これらは使用目的に応じて硬化前、硬化後の物性を付与させるために使用することが好ましい。
使用しうる反応性化合物(B)の具体例としては、ラジカル反応型のアクリレート類及びビニル化合物類、カチオン反応型のエポキシ化合物類等のいわゆる反応性モノマー、反応性オリゴマー類が挙げられる。
使用しうるアクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート、水素化エポキシ樹脂(a)から誘導されるエポキシアクリレート以外のエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート類としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
使用しうるビニル化合物類としてはビニルエーテル類、スチレン類、その他ビニル化合物が挙げられる。ビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソイシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
また、カチオン反応型のエポキシ化合物としては、一般的にエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6110」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社製「ERL−4206」等)、リモネンジオキシド(ダイセル化学工業社製「セロキサイド3000」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6128」等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、反応性化合物(B)としては、ラジカル反応型であるアクリレート類及びビニル化合物類が好ましく、更に好ましくはラジカル反応型であるアクリレート類が挙げられる。
本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)と、(A)以外の反応性化合物(B)とを混合して本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得ることができる。このとき、用途に応じて適宜その他の成分を加えてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、組成物中に反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を通常97〜5重量%、好ましくは87〜10重量%、(A)以外の反応性化合物(B)を通常3〜95重量%、好ましくは3〜90重量%を含む。必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は活性エネルギー線によって容易に硬化する。ここで活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマ線、レーザー光線等の電磁波、アルファ線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
本発明において成形用材料とは、未硬化の組成物を型にいれて物体を成形したのち、活性エネルギー線により硬化反応を起こさせて成形させるもの、もしくは未硬化の組成物にレーザー等の焦点光などを照射し、硬化反応を起こさせて成形させる用途に用いられる材料を指す。
具体的な用途としては、凸レンズ、凹レンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のレンズ材料、液晶表示装置等に用いられる導光材料、板状に加工したシートやフィルム、ディスク等、未硬化の組成物に微細加工された「型」を押し当てて微細な成形を行う、いわゆるナノインプリント用材料、さらには素子を保護するための封止材、特に発光ダイオード、光電変換素子等の封止材料等が挙げられる。
本発明において皮膜形成用材料とは、基材表面を被覆することを目的として利用されるものである。具体的な用途としては、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ、オフセットインキ等のインキ材料、ハードコート、トップコート、オーバープリントニス、クリヤコート等の塗工材料、ラミネート用、光ディスク用他各種接着剤、粘着剤等の接着材料、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、カラーフィルタ用レジスト、スペーサー用レジスト、マイクロマシン用レジスト等のレジスト材料等がこれに該当する。さらには、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工してフィルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、いわゆるドライフィルムも皮膜形成用材料に該当する。
皮膜を形成させる方法としては特に制限はないが、グラビア等の凹版印刷方式、フレキソ等の凸版印刷方式、シルクスクリーン等の孔版印刷方式、オフセット等の平版印刷方式、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗工方式が任意に採用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物とは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し硬化させたものを指す。
本発明の多層材料とは、本発明において示される活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材上に皮膜形成及び硬化させて得られる、少なくとも二層以上の層をもってなる材料を指す。
本発明の光学材料とは、本発明において示される活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物を用いて、光を透過させる、屈折させる、散乱させる、あるいは拡散させることを目的として用いられるものである。
この他、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を各種用途に適合させる目的で、組成物中に通常70重量%を上限にその他の成分を加えることもできる。その他の成分としては光重合開始剤、その他の添加剤、着色材料等が挙げられる。下記に使用しうるその他の成分を例示する。
光重合開始剤は、本発明において用いられる活性エネルギー線の種類、組成物の用途や加工形態によって適宜選択される。
例えばラジカル型光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。
また、カチオン系光重合開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボーレート系開始剤、及びその他の光酸発生剤等が挙げられる。
ルイス酸のジアゾニウム塩としては、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート(三新化学工業社製、サンエイドSI−60L/SI−80L/SI−100Lなど)等が挙げられ、ルイス酸のヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられ、ルイス酸のスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(Union Carbide社製、Cyracure UVI−6990など)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(Union Carbide社製、Cyracure UVI−6974など)等が挙げられ、ルイス酸のホスホニウム塩としては、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられる。
その他のハロゲン化物としては、2,2,2−トリクロロ−[1−4’−(ジメチルエチル)フェニル]エタノン(AKZO社製、Trigonal PIなど)、2,2−ジクロロ−1−4−(フェノキシフェニル)エタノン(Sandoz社製、Sandray 1000など)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(製鉄化学社製、BMPSなど)等が挙げられる。トリアジン系開始剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine Aなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine PMSなど)、2,4−トリクロロメチル−(ピプロニル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine PPなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine Bなど)、2−[2’−(5”−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製など)、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製)等が挙げられる。
ボーレート系開始剤としては、日本感光色素製NK−3876及びNK−3881等が挙げられ、その他の光酸発生剤等としては、9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(黒金化成社製、ビイミダゾールなど)、2,2−アゾビス(2−アミノ−プロパン) ジヒドロクロリド(和光純薬社製、V50など)、2,2−アゾビス[2−(イミダソリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬社製、VA044など)、[イータ−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,イータ)−(メチルエチル)−ベンゼン]鉄(II)ヘキサフロロホスホネート(Ciba Geigy社製、 Irgacure 261など)、ビス(y5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6− ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム(Ciba Geigy社製、CGI−784など)等が挙げられる。
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いてもよい。また、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いてもよい。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
その他の添加剤としては、例えばメラミン等の熱硬化触媒、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレー等の充填剤、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤等を使用することが出来る。
また、着色材料としては例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系等の有機顔料、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク等の無機顔料を使用することができる。
この他に活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類(いわゆるイナートポリマー)、たとえば(A)以外のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、天然及び合成ゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの変性物を用いることもできる。これらを用いる場合は、0〜40重量%までの範囲において用いることが好ましい。
また使用目的に応じて、粘度を調整する目的で、0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%の範囲において揮発性溶剤を添加することも出来る。使用できる溶剤は特に限定はなく、用途、に応じて適宜選択されるべきものである。本質的に本発明で示される溶剤とは、塗工、成形等の加工前の流動性を与えるために用いられるもので、加工後に揮発させることを前提とするものである。
例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
また、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
また、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン等が挙げられる。
本発明の第2の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上記反応性ポリカルボン酸化合物(C)を含有する樹脂組成物であり、好ましくは、反応性ポリカルボン酸化合物(C)及び(C)以外の反応性化合物(D)を含有する樹脂組成物である。
上記本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含まれる反応性化合物(D)とは、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)と同様、活性エネルギー線により反応性を示す化合物である。これらは使用目的に応じて硬化前、硬化後の物性を付与させるために使用することが好ましい。
使用しうる反応性化合物(D)の具体例としては、ラジカル反応型のアクリレート類及びビニル化合物類、カチオン反応型のエポキシ化合物類、その双方に感応するビニルエーテル化合物類等が挙げられる。
使用しうるアクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート、水素化エポキシ樹脂(a)から誘導されるエポキシアクリレート以外のエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート類としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
使用しうるビニル化合物類としてはビニルエーテル類、スチレン類、その他ビニル化合物が挙げられる。ビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソイシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
また、カチオン反応型のエポキシ化合物類としては、一般的にエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6110」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社製「ERL−4206」等)、リモネンジオキシド(ダイセル化学工業社製「セロキサイド3000」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6128」等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、反応性化合物(D)としては、ラジカル反応型であるアクリレート類が最も好ましい。カチオン型の場合、カルボン酸とエポキシ基とが反応してしまうため2液混合型にする必要が生じる。
本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)に、必要に応じて前記の反応性化合物(D)を混合して本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得ることができる。このとき、用途に応じて適宜その他の成分を加えてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、組成物中に反応性ポリカルボン酸化合物(C)97〜5重量%、好ましくは87〜10重量%、その他の反応性化合物(D)3〜95重量%、さらに好ましくは3〜90重量%を含む。必要に応じてその他の成分を含んでいてよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は活性エネルギー線によって容易に硬化する。ここで活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマ線、レーザー光線等の電磁波、アルファ線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
本発明において成形用材料とは、未硬化の組成物を型にいれ、もしくは型を押し付け物体を成形したのち、活性エネルギー線により硬化反応を起こさせ成形させるもの、もしくは未硬化の組成物にレーザー等の焦点光などを照射し、硬化反応を起こさせ成形させる用途に用いられる材料を指す。
具体的な用途としては、凸レンズ、凹レンズ、マイクロレンズ、フルネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のレンズ材料、液晶表示装置等に用いられる導光材料、板状に加工したシートやフィルム、ディスク等、未硬化の組成物に微細加工された「型」を押し当て微細な成形を行う、いわゆるナノインプリント材料、さらには素子を保護するための封止材、特に発光ダイオード、光電変換素子等の封止材料等が好適な用途として挙げられる。
本発明において皮膜形成用材料とは、基材表面を被覆することを目的として利用されるものである。具体的な用途としては、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ、オフセットインキ等のインキ材料、ハードコート、トップコート、オーバープリントニス、クリヤコート等の塗工材料、ラミネート用、光ディスク用他各種接着剤、粘着剤等の接着材料、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、カラーフィルタ用レジスト、スペーサー用レジスト、マイクロマシン用レジスト等のレジスト材料等これに該当する。さらには、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工し、フィルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、いわゆるドライフィルムも皮膜形成用材料に該当する。
これらのうち、反応性ポリカルボン酸化合物(C)のカルボキシル基の導入によって、基材への密着性が高まるため、プラスチック基材、若しくは金属基材を被覆するための用途として用いることが好ましい。
さらには、未反応の反応性ポリカルボン酸化合物(C)が、アルカリ水溶液に可溶性となる特徴を生かして、レジスト材料組成物として用いることも好ましい。
本発明においてレジスト材料組成物とは、基材上に該組成物の皮膜層を形成させ、その後、紫外線等の活性エネルギー線を部分的に照射し、照射部、未照射部の物性的な差異を利用して描画しようとする活性エネルギー線感応型の組成物を指す。具体的には、照射部、または未照射部を何らかの方法、例えばアルカリ溶液等で溶解させるなどして除去し、描画を行うことを目的として用いられる組成物である。
皮膜を形成させる方法としては特に制限はないが、グラビア等の凹版印刷方式、フレキソ等の凸版印刷方式、シルクスクリーン等の孔版印刷方式、オフセット等の平版印刷方式、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗工方式が任意に採用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物とは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し硬化させたものを指す。
本発明の多層材料とは、本発明において示される活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材上に皮膜形成・硬化させ得られる、少なくとも二層以上の層をもってなる材料を指す。
本発明の硬化物を、光学材料、即ち、光を透過させる、屈折させる、散乱させる、あるいは拡散させることを目的とする材料として用いることは、透明で黄変色が少ないという特徴を生かす上で好適な用途である。
この他、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を各種用途に適合させる目的で、通常70重量%を上限にその他の成分を加えることもできる。その他の成分としては光重合開始剤、その他の添加剤、着色材料等が挙げられる。下記に使用しうるその他の成分を例示する。
光重合開始剤は、本発明において用いられる活性エネルギー線の種類、組成物の用途や加工形態によって適宜選択される。
例えばラジカル型光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等の公知一般のラジカル型光反応開始剤が挙げられる。
また、カチオン系光重合開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボーレート系開始剤、及びその他の光酸発生剤等が挙げられる。
ルイス酸のジアゾニウム塩としては、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート(三新化学工業社製、サンエイドSI−60L/SI−80L/SI−100Lなど)等が挙げられ、ルイス酸のヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられ、ルイス酸のスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(Union Carbide社製、Cyracure UVI−6990など)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(Union Carbide社製、Cyracure UVI−6974など)等が挙げられ、ルイス酸のホスホニウム塩としては、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられる。
その他のハロゲン化物としては、2,2,2−トリクロロ−[1−4’−(ジメチルエチル)フェニル]−エタノン(AKZO社製、Trigonal PIなど)、2,2−ジクロロ−1−4−(フェノキシフェニル)−エタノン(Sandoz社製、Sandray 1000など)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(製鉄化学社製、 BMPSなど)等が挙げられる。トリアジン系開始剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine Aなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine PMSなど)、2,4−トリクロロメチル−(ピプロニル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine PPなど)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン(Panchim社製、Triazine Bなど)、2−[2’−(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製など)、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製)等が挙げられる。
ボーレート系光重合開始剤としては、日本感光色素製NK−3876及びNK−3881等が挙げられ、その他の光酸発生剤等としては、9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(黒金化成社製、ビイミダゾールなど)、2,2−アゾビス(2−アミノ−プロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬社製、V50など)、2,2−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬社製、VA044など)、[イータ−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,イータ)−(メチルエチル)−ベンゼン]鉄(II)ヘキサフロロホスホネート(Ciba Geigy社製、Irgacure 261など、ビス(y5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム(Ciba Geigy社製、CGI−784など)等が挙げられる。
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の熱に感応する過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いてもよい。また、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いてもよい。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
その他の添加剤としては、例えばメラミン等の熱硬化触媒、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレー等の充填剤、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤等を使用することが出来る。
また、顔料材料としては例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系等の有機顔料、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク等の無機顔料、公知一般の着色、及び体質顔料等を使用することができる。
この他に活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類(いわゆるイナートポリマー)、たとえばその他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、天然及び合成ゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの変性物を用いることもできる。これらは40重量%までの範囲において用いることが好ましい。
また使用目的に応じて、粘度を調整する目的で、40重量%、さらに好ましくは20重量%までの範囲において揮発性溶剤を添加することも出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中、特に断りがない限り、部は重量部を示す。なお、実施例中の各物性値は以下の方法で測定した。
(1)エポキシ当量:JIS−K7236:2001に記載の方法で測定。
(2)核水素化率:分光光度計で測定。
分光光度計:UV−2500PC(島津製作所製)。
合成例1:水素化エポキシ樹脂(a)の合成
オートクレーブに、フェノール・ビフェニルノボラック型のエポキシ樹脂(商品名;NC−3000、日本化薬社製;エポキシ当量276g/eq)50部、テトラヒドロフラン50部、ルテニウム/カーボン触媒6部(エヌイーケムキャット社製;ルテニウム担持量5重量%、含水品)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、水素で置換した。その後、内容物を攪拌しながら水素圧8MPa、反応温度110℃で12時間反応させた。反応終了後、反応液にテトラヒドロフラン50部を加えた後、ろ紙を用いて吸引ろ過し、ろ液をさらにロータリーエバポレーターにより減圧乾燥し、不揮発分として透明な本発明の水素化エポキシ樹脂(a)を得た。得られた水素化エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は388g/eqであった。また、核水素化率は89%であった。
比較合成例1:水素化エポキシ樹脂の合成
合成例1と同様の方法によってフェノール・ビフェニルノボラック型のエポキシ樹脂の替わりに、クレゾールノボラック樹脂(日本化薬製、EOCN−104S)を用いて水素添加を行った。得られたクレゾールノボラック型水素化エポキシ樹脂のエポキシ当量は295g/eq、核水素化率は86%であった。
実施例1−1〜1−4及び比較例1−1
合成例1で調製した水素化エポキシ樹脂(a)192g、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)としてアクリル酸(略称AA、Mw=72)を表1中の記載量、触媒としてトリフェニルホスフィン1.5g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート200gを加え、100℃で24時間反応させた。
反応終了後、一部ライフ試験用に樹脂溶液を採り抜いた後に2リットルのヘキサン中に反応液を注ぎ込んで樹脂を沈殿精製し、減圧乾燥して樹脂を取り出した。
比較例1−1においては、合成例1において原料として用いた水素添加反応前のエポキシ樹脂(商品名;NC−3000、日本化薬株式会社製)132gを(a)の替わりに用いる以外は実施例と同様に反応及び精製を行った。
ライフ試験は、反応終了後に採り抜いた樹脂溶液を、ガラス瓶中に入れ、40℃の環境試験槽に入れ、ゲル化までの時間を測定した。
Figure 0004986059
実施例2−1及び比較例2−1及び2−2:活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の調製と評価(電子線硬化型コーティング組成物)
実施例1−1または比較例1−1において合成した反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)20g、ラジカル反応型の反応性化合物(B)であるトリプロピレングリコールジアクリレート10gを加熱溶解し、コーチィング組成物を調製した。
さらにこれを、膜厚20ミクロンになるようハンドアプリケータによって石英ガラス板上に塗工し、電子線照射装置(岩崎電機製、EZCure)によって加速電圧100kV, 照射線量100kGyの電子線を照射し、硬化させて多層材料を得た。続いて、硬化後の塗膜の硬度をJIS K5600:1999(鉛筆硬度試験)によって測定した。
さらに硬化塗膜をカーボンアークウエザーメータによって1000時間の光照射を行い、耐光性試験を実施した。その後500nmにおける光の透過性を測定し、耐光性試験実施後の透過率/実施前の透過率の比を求めた。
さらに、比較例2−2として、水素添加ビスフェノールAエポキシジアクリレート(略称BADA)を(A)の代替として用い、同様の比較を行った。
Figure 0004986059
実施例3−1〜3−4及び比較例3−1:複合硬化型樹脂組成物の調製と評価(紫外線硬化型成形用組成物)
実施例1−1において合成した反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)20g、カチオン反応型の反応性化合物(B)であるリモネンジオキシド10gを加熱溶解し、さらに開始剤として「イルガキュア184」を1g、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール0.5gを加え、よく溶解させて成形用材料を得た。
離型剤を塗工した型に調製した材料を流し込み、その上から離型剤を同様に塗工した石英ガラスで封をし、さらにその上からメタルハライドランプにより紫外線を3000mJ/cmの照射量にて照射した。その後、硬化した成形物を取り出し、厚み0.5mm、40mm×15mmの試験片を調製し、そのヤング率を測定した。
さらに比較例3−1として、水素添加ビスフェノールAエポキシジアクリレート(略称BADA)を(A)の代替として用い、同様の比較を行った。
Figure 0004986059
実施例4−1〜4−5
1)カルボキシレート化反応工程
合成例1で調製した水素化エポキシ樹脂(a)192g、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)としてアクリル酸(Mw=72)を表4に記載の量、触媒としてトリフェニルホスフィン1.5g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート100gを加え、100℃で24時間反応させた。
2)酸付加反応工程
1)において得られた反応液に多塩基酸無水物(c)として、テトラヒドロ無水フタル酸(略称THPA)を表4に記載の量、及び溶剤として固形分が70重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを添加し、100℃に加熱して付加反応させ、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)溶液を得た。
比較例4−1
1)カルボキシレート化反応工程
比較合成例1で調製したクレゾールノボラック型水素化エポキシ樹脂148gを実施例4−1と同様の方法によってカルボキシレート化させた。
2)酸付加反応工程
1)において調製した反応液を実施例4−1と同様の方法によってクレゾールノボラック型の反応性ポリカルボン酸化合物を得た。
比較例4−2
合成例1において原料として用いた水素添加反応前のエポキシ樹脂132gを水素化エポキシ樹脂(a)の替わりに用いて実施例4−1と同様に反応を行った。
比較例4−3
合成例1で調製した水素化エポキシ樹脂(a)192gを実施例4−1と同様の方法でカルボキシレート化反応を実施しただけで、酸付加させることなく反応を終了させた。反応終了後、固形分を測定したところ70重量%であった。
Figure 0004986059
実施例5−1〜5−5及び比較例5−1〜5−2:活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の調製と評価(アルカリ現像型レジスト組成物)
実施例4−1〜4−5または比較例4−2及び4−3において合成した反応性ポリカルボン酸化合物(C)20g、反応性化合物(D)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10g、紫外線反応型開始剤として「イルガキュア184」1.5gを加熱溶解し、アルカリ現像型レジスト組成物を調製した。
さらにこれを、乾燥時の膜厚20ミクロンになるようにハンドアプリケータによって石英ガラス板上に塗工し、80℃で30分間、電気オーブンにて溶剤乾燥を実施した。乾燥後、高圧水銀ランプを具備した紫外線垂直露光装置(オーク製作所製)によって照射線量1000mJの紫外線を照射、硬化させて多層材料を得た。また、同様にして乾燥終了後の塗工物の上からマスクパターンを覆いかぶせた後、同様に垂直露光し、パターニングした多層材料を得た。
さらにマスクパターンで覆わず、全面露光したものは、500nmにおける光の透過性を測定した後、フェドメータによって1000時間の光照射を行い、耐光性試験を実施した。耐光性試験後、再度500nmにおける光の透過性を測定し、耐光性試験実施後の透過率/実施前の透過率の比を求め、耐光性として表5に示した。
また、マスクパターンで覆って露光させたものは、1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーにより吹き掛け、未露光部を溶解、現像させた。現像が完了するまでの時間(秒)を現像性として表5に示した。
Figure 0004986059
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物においては水素添加されていないエポキシ樹脂を用いた比較例5−1の硬化物に比較して、耐光性の大幅な向上が見られた。また、実施例5−1〜5−5では耐光性試験後の黄変は認められなかったが、比較例5−1〜5−2においては耐光性試験後、黄変が認められた。また、反応性エポキシカルボキシレート化合物を用いた比較例5−2の硬化物が現像不可であるのに比較して、本発明の硬化物は良好な現像性を示し、比較的良好なレジスト適性を発揮するアクリル酸付加量及び酸付加量が示された。
実施例6及び比較例6−1〜6−2:硬化物の硬度測定(電子線硬化型塗料組成物)
実施例4−5並びに比較例4−1及び4−3で調製した反応性ポリカルボン酸化合物15gとトリプロピレングリコールジアクリレート10gを混合し、塗料組成物を得た。この塗料組成物をハンドアプリケータによって乾燥後の膜圧が20±2ミクロンとなるように、ワイヤーバーコーターの番手を適宜調整しながら、TFS板(クロム酸処理鋼板)に塗工し、80℃で30分間、乾燥させた。
乾燥後、電子線照射装置(岩崎電気製EZ CURE)によって加速電圧100kV、照射線量100kGyの電子線を照射、硬化させて多層材料を得た。さらに、硬化皮膜の硬度を、鉛筆硬度試験法(JIS K5600:1999)によって測定した。また、基材への密着性をクロスカットセロテープ(登録商標)剥離試験(JIS K5600−5−6:1999)により評価した。
Figure 0004986059
以上の結果より、本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化することで従来の素材にはない、耐光性の高い、また強靭な硬化物を提供できることが明らかである。
また、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)を用いることで、従来の素材にはない、耐光性の高く、また密着性が良好で、比較的強靭な硬化物を得ることが出来、またアルカリ現像可能な材料を提供できることが明らかである。
産業上の利用の可能性
本発明の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、光の照射によっても劣化がなく、かつ強靭性の高い硬化物を与える。本発明においては、主に透明である点と、耐光性が良好であるという点から、成形材料、皮膜形成用材料としての用途に使用することができる。具体的には、レンズ等の光学部品、塗料、フィルム、レジスト等の用途に好適に利用することが出来る。
そのほかにも、強靭な硬化物を得ることができることから、柔軟性と強靭性を併せ持つ硬化物にもなりうる可能性を有している。
また、本発明の反応性ポリカルボン酸化合物(C)は、光の照射によっても劣化がなく、かつアルカリ現像可能な反応性ポリカルボン酸化合物である。本発明においては、主に透明である点と、耐光性が良好であるという点から、特にアルカリ現像可能なレジストとしての用途に使用することができる。さらには、この特性を生かす用途として成形材料、皮膜形成用材料として、具体的には、レンズ等の光学部品、塗料、フィルム等の用途に好適に利用することが出来る。

Claims (20)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004986059
    (式中、Rは相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を、またnは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
    で表されるエポキシ樹脂の芳香環の核水素化物である水素化エポキシ樹脂(a)と、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)とを反応させて得られる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
  2. が全て水素原子である請求項1に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
  3. 請求項1又は2に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)及び(A)以外の反応性化合物(B)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. (A)以外の反応性化合物(B)が、アクリレート類及びビニル化合物類からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 成形用材料である請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 皮膜形成用材料である請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 請求項3ないし請求項7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物の層を有する多層材料。
  10. 請求項8に記載の硬化物からなる光学材料。
  11. 一般式(1)
    Figure 0004986059
    (式中、Rは相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜4の整数を、またnは平均値で1〜6の正数をそれぞれ表す。)
    で表されるエポキシ樹脂の芳香環を核水素化して得られる水素化エポキシ樹脂(a)と、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基及び一個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)とを反応させて得られる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)に、多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる反応性ポリカルボン酸化合物(C)。
  12. が全て水素原子である請求項11に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  14. 請求項11又は請求項12に記載の反応性ポリカルボン酸化合物(C)及び(C)以外の反応性化合物(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  15. (C)以外の反応性化合物(D)が、アクリレート類であることを特徴とする請求項14に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  16. 成形用材料である請求項13ないし請求項15のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  17. 皮膜形成用材料である請求項13ないし請求項16のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  18. レジスト材料組成物である請求項13ないし請求項17のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  19. 請求項13又は請求項18のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物。
  20. 請求項19に記載の硬化物の層を有する多層材料。
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