WO2009123276A1 - 保護基を有するエポキシ化合物及びこれを含有する硬化性樹脂組成物 - Google Patents

保護基を有するエポキシ化合物及びこれを含有する硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

 多官能エポキシ化合物(A)に、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B),多塩基酸無水物(C)及び特定の式(1)で示されるビニルエーテル化合物(D)を反応させて得られる1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基及び特定の式(3)で示される部分構造を有する変性多官能エポキシ化合物。

Description

保護基を有するエポキシ化合物及びこれを含有する硬化性樹脂組成物
 本発明は、熱により硬化が可能なエポキシ化合物及びこれを含有する硬化性組成物に関する。更に詳しくは、エポキシ基と変性カルボキシル基とを有する多官能エポキシ化合物、並びに該エポキシ化合物及び熱硬化剤又はカチオン重合開始剤を含有する硬化性組成物に関する。
 従来、エポキシ樹脂に代表される環状エーテル基を有する樹脂のカチオン重合性を利用した樹脂組成物は、硬化性組成物に利用される組み合わせの一つとして公知であり、これら樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、化学的性能、物理的性能、さらには耐候性などの点で優れている。このような理由から、エポキシ樹脂組成物は、例えば、塗料、インク、接着剤、プラスチック成形品などの分野において広く利用されている。また、1分子中にエポキシ基とカルボキシル基の両方を有している化合物として、多官能エポキシ化合物に、水酸基及びカルボキシル基を有する化合物、並びに多塩基酸無水物の両者を反応させて得られる化合物が知られている(特許文献1)。しかしながら、カルボキシル基自体、これを加熱することによりエポキシ基と化学結合を形成しうる反応性の官能基であるため、1分子中にエポキシ基とカルボキシル基の両方を有する自己架橋型の化合物は、貯蔵中に粘度上昇を引き起こしやすく、ポットライフの短いことが問題である。
 特許文献2には、1分子中にカルボキシル基とビニルエーテルとの反応により得られる官能基と、カルボキシル基と化学結合を形成しうる反応性官能基とを有する自己架橋型化合物を含有する熱硬化性樹脂組成物が貯蔵安定性に優れることが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の化合物は骨格が脂肪族である化合物に限定され、塗料としての耐熱性や密着性、及びフォトレジストとしてのリソグラフィ特性が満足できるものではない。
特許第3698499号公報 特許第2682256号公報
 本発明は、塗料及びレジスト組成物の原料として利用可能な、貯蔵安定性と硬化物の密着性及びリソグラフィ特性に優れる変性多官能エポキシ化合物(樹脂)を得ることを目的とするものである。
 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、分子内にカルボキシル基を有するエポキシ化合物のカルボキシル基を特定のビニルエーテル化合物で保護することにより得られる変性エポキシ化合物は、優れた貯蔵安定性とリソグラフィ特性を有すると共に、その硬化物は密着性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 即ち、本発明は
(1)多官能エポキシ化合物(A)に、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B)、多塩基酸無水物(C)及び下記式(1)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~18のアルキル基又はアリール基を表し、該アルキル基及びアリール基は置換基を有していてもよい。また、R4は酸素原子を1~17個含む若しくは含まない炭素数1~18の脂肪族炭化水素残基、又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。nはR4の任意の炭素原子に結合する式(2)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(式(2)において、R1~R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)で表される置換基の数を表し、1~4のいずれかである。)
で示されるビニルエーテル化合物(D)を反応させて得られる1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基及び式(3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
(式(3)において、R1~R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で示される部分構造を有する変性多官能エポキシ化合物、
(2)多官能エポキシ化合物(A)が、50~100℃の軟化点及び100~900g/eq.のエポキシ当量を有する、前記(1)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(3)多官能エポキシ化合物(A)が、多官能フェノール類をエポキシ化して得られる、前記(1)又は(2)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(4)多官能エポキシ化合物(A)が、式(4)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
(式(4)において、R11~R16はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり1~8を表す。)
で表される、前記(3)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(5)多官能エポキシ化合物(A)が、o-クレゾールノボラック型エポキシ化合物である前記(4)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(6)多官能エポキシ化合物(A)が、式(5)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
(式(5)においてnは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり0~8を表す。)
で表される、前記(3)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(7)多官能エポキシ化合物(A)が、式(6)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(式(6)においてR21~R28はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。Qはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。Xが1分子中に複数存在する場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり0~8を表す。)
で表される、前記(3)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(8)多官能エポキシ化合物(A)が、式(7)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(式(7)においてR31~R34はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり1~4を表す。)
で表される、前記(3)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(9)多官能エポキシ化合物(A)が、脂肪族炭化水素からなる環状構造を構造中に有する、前記(1)又は(2)に記載の変性多官能エポキシ化合物、
(10)1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B)がジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸及びジメチロール酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の変性多官能エポキシ化合物、
(11)前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の変性多官能エポキシ化合物、及び熱硬化剤又はカチオン重合開始剤を含有する硬化性組成物、
(12)前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の変性多官能エポキシ化合物、カチオン重合開始剤、及び解離触媒を含有する硬化性組成物、
(13)前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の変性多官能エポキシ化合物、又は前記(11)若しくは(12)に記載の硬化性組成物の硬化物、
に関する。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物は、優れた貯蔵安定性とリソグラフィ特性を有し、その硬化物は密着性に優れるので、塗料及びアルカリ現像性レジスト組成物等の原料として好適に用いられる。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物は、多官能エポキシ化合物(A)に、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基と1個のカルボキシル基を有する化合物(B)、多塩基酸無水物(C)、及びビニルエーテル化合物(D)を反応させて得ることができる。
 ここで、多官能エポキシ化合物(A)、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基と1個のカルボキシル基を有する化合物(B)、多塩基酸無水物(C)、ビニルエーテル化合物(D)の各化合物について詳細に説明する。
 本発明で使用し得る多官能エポキシ化合物(A)の具体例としては、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ハロゲン化フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ハロゲン化ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール類等)とアルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等)との縮合により得られるビスフェノール類、フェノール類ノボラック又はビスフェノール類ノボラックを、エポキシ化して得られるビスフェノール類型、フェノール類ノボラック型又はビスフェノール類ノボラック型エポキシ化合物、フェノール類(前記と同様)のアラルキル型エポキシ化合物、脂肪族炭化水素からなる環状構造を構造中に有するエポキシ化合物、オレフィンを有する化合物の酸化反応によって得られるエポキシ化合物等が挙げられるが、1分子中に複数個のエポキシ基を有するエポキシ化合物であれば特に制限なく使用出来る。これらのエポキシ化合物のうち、好ましくは軟化点50~100℃、エポキシ当量100~900g/eq.の物性を有する多官能性エポキシ化合物、より好ましくは軟化点55~80℃、エポキシ当量170~350g/eq.の物性を有する多官能エポキシ化合物が用いられる。多官能エポキシ化合物(A)の軟化点が低すぎる場合には、反応によって得られる本発明の変性多官能エポキシ化合物の軟化点も必然的に低くなり、その結果、該変性多官能エポキシ化合物を用いたフォトレジストで基板上に均一な膜を形成することが困難になったり、乾燥後のフォトレジストにべたつきが生じる恐れがある。また、多官能エポキシ化合物(A)の軟化点が高すぎる場合には、反応によって得られる本発明の変性多官能エポキシ化合物の溶剤に対する溶解度が低下して本発明の変性多官能エポキシ化合物の製造が困難になったり、フォトレジストの溶剤やアルカリに対する現造性が低下したりする恐れがある。尚、ここで言う多官能エポキシ化合物(A)の軟化点とは、JIS K7234に準拠して測定した値である。
 また、多官能エポキシ化合物(A)のエポキシ当量が低すぎる場合には、反応により得られる本発明の変性多官能エポキシ化合物が結晶状又は液状となる場合が多く、該変性多官能エポキシ化合物を用いたフォトレジストで基板上に均一な膜を形成することが困難になったり、乾燥後のフォトレジストにべたつきが生じる恐れがある。一方、多官能エポキシ化合物(A)のエポキシ当量が高すぎる場合には、変性多官能エポキシ化合物に反応基として導入される1分子中に少なくとも1個以上の水酸基と1個のカルボキシル基を有する化合物(B)、さらには多塩基酸無水物(C)の数が少なくなり、該変性多官能エポキシ化合物を用いたフォトレジスの基板に対する密着性や硬化物性、アルカリ現像性が低下する恐れがある。尚、ここで言う多官能エポキシ化合物(A)のエポキシ当量とは、JIS K7236に準拠して測定した値である。
 多官能エポキシ化合物(A)の好ましい骨格としては、フェノール類ノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、多官能脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。また、これら多官能エポキシ化合物(A)のうち、変性多官能エポキシ化合物の貯蔵時安定性の点で好ましい骨格としてはフェノール類ノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、多官能脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられ、より好ましい骨格としてはフェノール類ノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられ、更に好ましい骨格としてはフェノール類ノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。
 軟化点50~100℃及びエポキシ当量100~900g/eq.の物性を有する好ましい骨格の多官能エポキシ化合物(A)の市販品の例としては、EOCN-102S、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1020、EOCN-4400H、EPPN-201、BREN-S(いずれも商品名、日本化薬株式会社製のフェノール類ノボラック型エポキシ化合物)、エピコート157S70(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製のビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物)、エピコート1001、エピコート1002(いずれも商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製のビスフェノールA型エポキシ化合物)、エピコート4004P(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製のビスフェノールF型エポキシ化合物)、NER-7604(商品名、日本化薬株式会社製のビスフェノールF型エポキシ化合物)、NC-3000H(商品名、日本化薬株式会社製のフェノールアラルキル型エポキシ化合物)、EHPE3150(商品名、ダイセル化学工業株式会社製の多官能脂環式エポキシ化合物)等が挙げられる。
 これらのうち、特に好ましい骨格はフェノール類ノボラック型エポキシ化合物であり、とりわけo-クレゾールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。o-クレゾールノボラック型エポキシ化合物の市販品の例としては、EOCN-102S、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1020、EOCN-4400H等が挙げられる。
 本発明で使用し得る1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B)(以下単に「化合物(B)」と記載する)としては、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基とカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定されることはないが、好ましい化合物(B)の具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシ含有モノカルボン酸類、ヒドロキシピバリン酸、p-ヒドロキシ安息香酸等のモノヒドロキシモノカルボン酸類等が挙げられる。これらのカルボン酸類のうち、より好ましいものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシ含有モノカルボン酸類が挙げられる。これらのうち、安価でかつ市場から入手しやすいことからジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸がとりわけ好ましい。
 本発明で使用し得る多塩基酸無水物(C)としては、多塩基酸無水物であれば特に限定されることはないが、好ましい多塩基酸無水物(C)の具体例としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。これらの酸無水物のうち、より好ましいものとしては無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
 本発明で使用し得るビニルエーテル化合物(D) は、前記式(1)で表される構造を有する。
 式(1)のR1~R3が表す炭素数1~18のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~18のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基やナフチル基が挙げられる。尚、R1~R3が表すアルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基は、特に限定されない。
 式(1)のRが表す炭素数1~18の脂肪族炭化水素残基とは、炭素数1~18から成る飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素から水素原子を一つ除いた置換基であり、通常、炭素数1~18の飽和炭化水素残基である。また、該炭素数1~18の飽和炭化水素残基は構造中に1~17個の酸素原子を含有していてもよい。ここでいう酸素原子を構造中に含有する飽和炭化水素残基とは、たとえば炭素数2の構造中に酸素原子を含有しない飽和炭化水素残基が-CH2CH3であるのに対して、炭素数2の構造中に酸素原子1個を含有する飽和炭化水素残基は-CH2OCH3を意味し、飽和炭化水素中のC-C結合の一部又は全部をC-O-C結合に置き換えたものである。
 式(1)のRが表すアリール基としては、式(1)のR1~R3が表すアリール基と同じものが挙げられる。尚、Rが表す脂肪族炭化水素残基及びアリール基が有していてもよい置換基は特に限定されない。
 式(1)におけるnはR4の任意の炭素原子に結合する前記式(2)で表される置換基の数を表し、1~4のいずれかである。
 本発明で使用し得るビニルエーテル化合物(D)としては、前記式(1)で表される化合物であれば特に限定されることはないが、式(1)におけるR1~R3の全てが水素原子であるビニルエーテル化合物、及びこれらに対応するビニルチオエーテル化合物が好ましい。好ましいビニルエーテル化合物(D)の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、9-ヒドロキシノニルビニルエーテル、4-ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル及びペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、並びに前記ビニルエーテル化合物に対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物が挙げられる。これらの化合物のうち、より好ましいものとしてはイソプロピルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
 本発明において、多官能エポキシ化合物(A)に、化合物(B)、多塩基酸無水物(C)及びビニルエーテル化合物(D)を反応させる方法は、種々の態様をとりうるが、分子量の制御が容易であることから、まず多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)とを反応させて得られた反応物(M-1)に多塩基酸無水物(C)を反応させ、次いで得られた反応物(M-2)にビニルエーテル化合物(D)を反応させる方法が好ましい。ここで、多官能エポキシ化合物(A)、化合物(B)、多塩基酸無水物(C)及びビニルエーテル化合物(D)はそれぞれ単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
 先ず多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)とを反応させて反応物(M-1)を得る方法について記載する。
 前記多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)との反応は、多官能エポキシ化合物(A)のエポキシ基1当量に対して化合物(B)をカルボキシル基換算で、0.01~0.5当量反応させるのが好ましく、特に好ましくは、0.1~0.3当量である。
 該多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)との反応の際に溶媒を使用してもよい。使用し得る溶媒としては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテートなどのエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類が挙げられる。溶媒を使用した場合には、反応物(M-1)の溶液から溶媒を除去せずにそのまま以降の工程に用いることもできる。また、反応を促進させるために触媒(例えば、トリフェニルフォスフィン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム等)を使用することが好ましく、触媒を使用した場合には、反応終了後に有機過酸化物等を使用して酸化処理することにより、使用した触媒の触媒活性を実質的に不活性にすることがより好ましい。触媒の使用量は、反応に用いる多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)との総量に対して、好ましくは5質量%以下である。反応中の重合を防止するために重合防止剤(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p-メトキシフェノール、カテコール、ピロガロール等)を使用するのが好ましく、その使用量は、反応に用いる多官能エポキシ化合物(A)と化合物(B)との総量に対して、好ましくは1質量%以下である。反応温度は通常60~150℃、反応時間は通常5~30時間である。反応の終点は、反応液を水酸化カリウム標準液で滴定することによる酸価測定(JIS K5601-2-1:1999に準拠)で確認することが出来る。酸価が0~5.0mgKOH/gとなる時を、反応の終点の目安にすることができる。このようにして反応物(M-1)を得ることが出来る。
 次に反応物(M-1)と多塩基酸無水物(C)とを反応させて反応物(M-2)を得る方法について記載する。
 前述の方法により得られた反応物(M-1)と多塩基酸無水物(C)との反応は、反応物(M-1)中の水酸基1当量に対して、多塩基酸無水物(C) を0.1~1.0当量反応させるのが好ましい。反応温度は通常60~150℃、反応時間は通常1~10時間である。このようにして反応物(M-1)と多塩基酸無水物(C)との反応物(M-2)を得ることが出来る。反応の終点は、反応液を水酸化カリウム標準液で滴定することによる酸価測定(JIS K5601-2-1:1999に準拠)で確認することが出来る。酸価が仕込み量から計算した理論値±1.0mgKOH/gとなる時を、反応の終点の目安にすることができる。
 次に反応物(M-2)とビニルエーテル化合物(D)とを反応させて本発明の変性多官能エポキシ化合物を得る方法について記載する。
 前述の方法により得られた反応物(M-2)とビニルエーテル化合物(D)との反応は、反応物(M-2)中のカルボキシル基1当量に対して、ビニルエーテル化合物(D)を0.5~10当量反応させることが好ましく、特に1.0~3.0当量が好ましい。反応温度は通常0~100℃であり、好ましくは10~60℃である。反応時間は反応温度や反応に用いるビニルエーテル化合物の当量等に依存するが、通常10分間~60時間程度である。副生成物の抑制や反応時間の短縮を目的として、反応の際に酸触媒を使用することもできるが、酸触媒を使用した場合は反応終了後に水洗又は吸着剤(例えば、合成ハイドロタルサイト系吸着剤等に例示される吸着剤)を用いて吸着除去する必要がある。酸触媒の具体例としては、燐酸モノオクチル、燐酸ビス(2-エチルヘキシル)、酢酸ブチル等があげられる。反応の終点は、反応液を水酸化カリウム標準液で滴定することによる酸価測定(JIS K5601-2-1:1999に準拠)で確認することが出来る。酸価が0~3.0mgKOH/gとなる時を、反応の終点の目安にすることができる。
 尚、前述の合成反応に関与せずに反応終了後も変性多官能エポキシ化合物中に残留しているビニルエーテル化合物(D)は硬化物の諸物性を低下させる恐れがあるので、本発明の変性多官能エポキシ化合物から減圧蒸留等の手法で除去することが好ましい。
 このようにして得られた本発明の変性多官能エポキシ化合物は、酸価の他、エポキシ当量(JIS K-7236に準拠)の測定、重水素化クロロホルム溶媒を用いたプロトンNMRの測定、LC-MS等によっても確認することが出来る。
 次に、本発明の変性多官能エポキシ化合物の製造方法を、例示化合物を用いた下記の模式図によって具体的に示す。
 即ち、まず式(8)で示されるo-クレゾールノボラック型エポキシ化合物(多官能エポキシ化合物(A))に、式(9)で示されるジメチロールプロピオン酸(化合物(B))を、溶媒中、触媒の存在下で反応させて式(10)で示される化合物(前記反応物(M-1)に相当)を得る。次いで式(10)で示される化合物に式(11)で示されるテトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物(C))を反応させて式(12)で示され化合物(前記反応物(M-2)に相当)を得る。次に、式(12)で示される化合物に式(13)で示されるイソプロピルビニルエーテル(ビニルエーテル化合物(D))を反応させて式(14)で示される本発明の変性多官能エポキシ化合物を得る。尚、下記模式図は多官能エポキシ化合物(A)中の1個のエポキシ基が化合物(B)~(D)により変性された場合の例示であるが、変性されるエポキシ基の数は1個に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 本発明の変性多官能エポキシ化合物は、加熱によりビニルエーテル化合物を解離させることで、1分子中にエポキシ基及びカルボキシル基を有する自己架橋型の多官能のエポキシ化合物となるため、必要に応じ、公知公用の顔料、染料、ガラスフレーク、アルミニウムフレーク、マイカフレーク等の着色剤、フィラー、希釈剤、硬化触媒、流動調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、酸化防止剤などを配合して、塗料、インク、接着剤、成形品などに用いることが出来る。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物を塗料として使用する場合は、例えば、顔料及び添加剤を混合ミキサー、ボールミル等の装置を用いて十分に混練し、均一に分散させた顔料ペーストを用意する。この顔料ペーストと予め希釈剤に溶解させた本発明の変性多官能エポキシ化合物とを、さらに前記装置を用いて混練、分散した後、所望の濃度に希釈剤を用いて調整することで、塗料を得ることが出来る。塗料をロールコート、スプレー、刷毛、ヘラ、バーコーター、浸漬塗装、電着塗装等の方法で塗布して得られた塗膜に、50~250℃で2~30分間加熱処理を施すことにより硬化物とすることが出来る。
 次に、本発明の硬化性組成物について説明する。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物は前述のように単独でも加熱硬化可能であるが、本発明の硬化性組成物は、本発明の変性多官能エポキシ化合物に硬化時間の短縮や架橋密度を高める目的で熱硬化剤又はカチオン重合開始剤を併用したものである。
 先ず熱硬化剤を含有する本発明の硬化性組成物について説明する。
 熱硬化剤としては、従来公知のエポキシ化合物用の硬化促進剤を熱硬化剤として用いることができる。熱硬化剤の具体例としては2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。本発明の硬化性組成物中におけるこれら熱硬化剤の使用量は、本発明の変性多官能エポキシ化合物100質量部に対して通常0.1~5.0質量部である。
 熱硬化剤を含有する本発明の硬化性組成物は、本発明の変性多官能エポキシ化合物、熱硬化剤、及び必要により無機充填材やその他の配合剤等を、ニーダー、ロール等従来公知の方法を用いて混合することにより得られる。尚、無機充填材やその他の配合剤等は本発明の硬化性組成物の具体的な用途に応じて選択すればよく、目的とする用途に必要な特性を損なわない範囲であれば、その種類や添加量に何ら制限はない。
 この様にして得られた本発明の硬化性組成物の使用方法にも特に制限はないが、例えば注型法により、又はトランスファー成型機等を用いて成型し、80~200℃で2~10時間加熱することによりその硬化物を得ることが出来る。
 次にカチオン重合開始剤を含有する本発明の硬化性組成物について説明する。
 カチオン重合開始剤としては、光照射又は加熱によって酸を発生する従来公知のカチオン重合開始剤を用いることが出来るが、中でも光カチオン重合開始剤が好ましい。光カチオン重合開始剤の例としては芳香族ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩を挙げることができる。
 このうち、芳香族ヨードニウム塩の具体例としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4-ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
 また、芳香族スルホニウム塩の具体例としては、特に、CPI-101A(商品名、サンアプロ(株)製のチオフェニルジフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート)、SP-172(商品名、旭電化工業(株)製の4-{4-(2-クロロベンゾイル)フェニルチオ}フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、及びUVI-6974(商品名、ダウケミカル製の芳香族スルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物)等が挙げられ、本発明においては熱的に安定である為、上記したような芳香族スルホニウム塩を用いるのが好ましい。これらの光カチオン重合開始剤は単独又は2種以上を併用しても差し支えない。
 本発明の硬化性組成物中におけるこれらカチオン重合開始剤の使用量は、本発明の変性多官能エポキシ化合物100質量部に対して通常0.5~20質量部である。
 次に解離触媒を含有する本発明の硬化性組成物について説明する。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物は前述のように単独でも加熱硬化可能であるが、本発明の硬化性組成物は、カルボキシル基を再生することで、アルカリ現像性を持たせたり、基板との密着性を高める目的でカチオン重合開始剤と解離触媒を併用することもできる。
 解離触媒としては、ルイス酸、プロトン酸、又は、光照射若しくは加熱によって酸を発生する酸発生剤を用いることが出来るが、酸又は発生する酸のpKaは3.0以下が好ましい。pKaが大きいとビニルエーテルの脱離反応の反応速度が遅く、好ましくない。pKaが3.0以下の酸の具体例としては、硫酸、亜硫酸、塩酸、p-トルエンスルホン酸、クロルスルホン酸、りん酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、ベンゼンスルホン酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、燐酸ビス(2-エチルヘキシル)等が挙げられる。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物、カチオン重合開始剤、及び必要により溶剤、解離触媒等を含有する本発明の硬化性組成物は、溶剤現像型のフォトレジストとして、また本発明の変性多官能エポキシ化合物、カチオン重合開始剤、解離触媒、必要により溶剤等を含有する本発明の硬化性組成物は、アルカリ現像型のフォトレジストとして、いずれも特に50μm以上の厚膜を形成することが可能なフォトレジストとして使用することが出来る。溶剤現像型のフォトレジストとして使用する場合は、本発明の変性多官能エポキシ化合物及びカチオン重合開始剤を含有する配合物を基板にスピンコートし、40~150℃でのプリベーク又は40~150℃での露光後ベークにより、ビニルエーテルの一部又は全部を解離させることで基板との密着性をさらに向上させることができる。アルカリ現像型のフォトレジストとして使用する場合は、溶剤現像型のフォトレジストと同様に基板上にスピンコートした後、40~150℃でのプリベーク又は40~150℃での露光後ベークにより、ビニルエーテルの一部又は全部を解離させることでアルカリ現像液に対する溶解性を再生することができる。また、露光及び露光後ベークにより、露光部のみエポキシ基の架橋反応を進行させることができ、その結果、露光部は有機溶剤又はアルカリ現像液に対して不溶化し、パターニング可能となる。
 尚、前述の方法はネガ型フォトレジストに関するものであるが、本発明の硬化性組成物はポジ型のフォトレジストとすることも出来る。
 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。尚、実施例及び比較例において、特に断りのない限り、部は質量部を、%は質量%をそれぞれ意味する。また物性値は、下記の方法で測定した。
 エポキシ当量;JIS K7236に準拠
 酸価;JIS K5601-2-1に準拠
 不揮発分;JIS K7235に準拠
 粘度;E型粘度計(東機産業社製、TV-20)により25℃における粘度を測定
実施例1
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(15)で示されるビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物(商品名 エピコート157S70、ジャパンエポキシレジン株式会社製、軟化点:70℃、エポキシ当量:210g/eq.)116部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸10.6部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.5部、溶媒としてシクロペンタノン60部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸13.3部を加え、撹拌下で溶解し80℃まで昇温し2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ35mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル22.5部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)0.56部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤としてキョーワード500(商品名、協和化学工業株式会社製の合成ハイドロタルサイト系吸着剤)28部を加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-1)を192部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は6.14Pa・s、不揮発分は69%であった。
実施例2
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(16)で示されるo-クレゾールノボラック型エポキシ化合物(商品名 EOCN-1020、日本化薬株式会社製、軟化点:60℃、エポキシ当量:195g/eq.)190部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸20部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.9部、溶媒としてシクロペンタノン90部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定ところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸45部、溶媒としてシクロペンタノン20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ45mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル30部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)1.5部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤として前記キョーワード500を75部加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-2)を300部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は5.60Pa・s、不揮発分は71%であった。
実施例3
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(17)で示されるビスフェノールF型エポキシ化合物(商品名 NER-7604、日本化薬株式会社製、軟化点:70℃、エポキシ当量:325g/eq.)119部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸7.3部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.5部、溶媒としてシクロペンタノン60部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸13.3部を加え、撹拌下で溶解し80℃まで昇温し2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ43.8mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル22.5部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)0.56部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤として前記キョーワード500を28部加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-3)を183部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は5.31Pa・s、不揮発分は70.5%であった。
実施例4
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(18)で示されるフェノールアラルキル型エポキシ化合物(商品名 NC-3000H、日本化薬株式会社製、軟化点:70℃、エポキシ当量:290g/eq.)178部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸12.3部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.9部、溶媒としてシクロペンタノン90部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ28.4mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル30部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)1.0部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤として前記キョーワード500を50部加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-4)を250部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は0.8Pa・s、不揮発分は69%であった。
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(19)で示される脂環式エポキシ化合物(商品名 EHPE3150、ダイセル化学工業株式会社製、軟化点:77℃、エポキシ当量:180g/eq.)114部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸12.7部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.6部、溶媒としてシクロペンタノン60部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ26.1mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル25部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)0.8部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤として前記キョーワード500を50部加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-5)を175部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は1.0Pa・s、不揮発分は70%であった。
実施例6
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として下記式(20)で示されるビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名 エピコート828、ジャパンエポキシレジン株式会社製、軟化点:20℃以下、エポキシ当量:190g/eq.)114部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸12.1部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.55部、溶媒としてシクロペンタノン60部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ40mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル25部、酸触媒として燐酸ビス(2-エチルヘキシル)0.8部を加え、室温で5時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。反応液に吸着剤として前記キョーワード500を50部加え室温で24時間撹拌した。10μmのメンブレンフィルターで吸着剤を除去した後にロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-6)を178部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は1.0Pa・s、不揮発分は70%であった。
実施例7
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として実施例2で用いたのと同じo-クレゾールノボラック型エポキシ化合物190部、化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸20部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.9部、溶媒としてシクロペンタノン90部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸45部、溶媒としてシクロペンタノン20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ45mgKOH/gであった。続いて、反応液にビニルエーテル化合物(D)としてイソプロピルビニルエーテル30部を加え室温で72時間撹拌した。反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。ロータリーエバポレーターで未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去し、本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-7)を300部得た。得られた溶液の酸価は0.5mgKOH/g以下、粘度は5.39Pa・s、不揮発分は71%であった。
比較例1
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら多官能エポキシ化合物(A)として実施例2で用いたのと同じo-クレゾールノボラック型エポキシ化合物190部、化合物(B)としてジメチロールプロピオン酸20部、触媒としてトリフェニルフォスフィン0.9部、溶媒としてシクロペンタノン90部を加え、撹拌下で溶解し、98℃まで昇温し4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液の酸価を測定したところ1mgKOH/g以下であった。次に、反応液に多塩基酸無水物(C)としてテトラヒドロ無水フタル酸45部、溶媒としてシクロペンタノン20部を加え、撹拌下で溶解し98℃まで昇温し3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し反応液の酸価を測定したところ45mgKOH/gであった。反応液を10μmのメンブレンフィルターでろ過し、カルボキシル基を有する比較用の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(R-1)を350部得た。得られた溶液のエポキシ当量は489g/eq.、酸価は45mgKOH/g、粘度は19.6Pa・s、不揮発分は70%であった。
特性評価
 実施例1~7で得られた本発明の変性多官能エポキシ化合物と比較例1で得られた比較例用のエポキシ化合物の経時安定性を評価した。即ち、上記各実施例及び比較例で得られた変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液の、初期(製造直後)並びに23℃及び40℃で28日間貯蔵した後の25℃における粘度を測定し、初期粘度に対する貯蔵後粘度の増加率(=貯蔵後粘度/初期粘度)を算出した。結果を表1に示す。尚、経時変化により粘度が測定限界を超えていたものについては「測定不能」と記載した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022
 表1の結果から、本発明の変性多官能エポキシ化合物(E-1~E-7)は、比較例で得られたカルボキシル基がビニルエーテルで保護されていない変性多官能エポキシ化合物(R-1)と比べて経時安定性に優れていることは明らかである。
応用例1
 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコ中で、実施例1で得られた本発明の変性多官能エポキシ化合物のシクロペンタノン溶液(E-1)100質量部にC.I.ピグメントブルー60を1質量部加え撹拌分散して塗料を得た。得られた塗料をガラス基板にバーコーターを用いて塗布し200℃で30分間乾燥、硬化し塗料硬化膜を得た。
実施例8~10(硬化性組成物)
 表2に記載の配合量(単位は質量部)に従って、多官能エポキシ化合物、光カチオン重合開始剤、及びその他の成分を攪拌羽が取り付けられたセパラブルフラスコで40℃で1時間混合し、得られた組成物を10μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することにより本発明の硬化性組成物を得た。
 実施例8及び9の硬化性組成物をシリコンウエハー上に50μmの厚みで塗布し、ホットプレートを用いて95℃で20分間乾燥した後にネガマスクを接触させ、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト、i線)を行った。次いで、ホットプレートにより95℃で6分間の露光後ベーク(PEB)を行い、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて23℃で6分間浸漬現像処理を行うことで、基板上に硬化した樹脂パターンを得た。
 実施例10の硬化性組成物をシリコンウエハー上に50μmの厚みで塗布し、ホットプレートを用いて95℃で20分間乾燥した後にネガマスクを接触させ、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト、i線)を行った。次いで、ホットプレートにより95℃で6分間の露光後ベーク(PEB)を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(TMAH)を用いて23℃で6分間浸漬現像処理を行うことで、基板上に硬化した樹脂パターンを得た。
 上記で得られた実施例8~10の硬化性組成物の樹脂パターンについて、下記評価を行った。結果を下記表2に示す。
 最適露光量:マスク転写精度が最良となる露光量
 アスペクト比:膜厚/形成されたレジストパターン中、密着している最も細かいパターン幅
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023

注:
カチオン重合開始剤(商品名 UVI-6974、ダウケミカル社製50%炭酸プロピレン溶液)
フッ素系レベリング剤(商品名 メガファックF-470、DIC社製)
 表2の結果から、本発明の変成多官能エポキシ化合物を用いた硬化性組成物は、厚膜レジストとしての充分な特性を有していることは明らかである。
 本発明の変性多官能エポキシ化合物及びそれを含有する硬化性組成物は、塗料及びレジスト組成物の原料として、好適に使用することができる。

Claims (13)

  1.  多官能エポキシ化合物(A)に、1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B)、多塩基酸無水物(C)及び下記式(1)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    (式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~18のアルキル基又はアリール基を表し、該アルキル基及びアリール基は置換基を有していてもよい。また、R4は酸素原子を1~17個含む若しくは含まない炭素数1~18の脂肪族炭化水素残基、又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。nはR4の任意の炭素原子に結合する式(2)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

    (式(2)において、R1~R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
    で表される置換基の数を表し、1~4のいずれかである。)
    で示されるビニルエーテル化合物(D)を反応させて得られる1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基及び式(3)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

    (式(3)において、R1~R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
    で示される部分構造を有する変性多官能エポキシ化合物。
  2.  多官能エポキシ化合物(A)が、50~100℃の軟化点及び100~900g/eq.のエポキシ当量を有する、請求項1に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  3.  多官能エポキシ化合物(A)が、多官能フェノール類をエポキシ化して得られる、請求項1又は2に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  4.  多官能エポキシ化合物(A)が、式(4)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

    (式(4)において、R11~R16はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり1~8を表す。)
    で表される、請求項3に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  5.  多官能エポキシ化合物(A)が、o-クレゾールノボラック型エポキシ化合物である、請求項4に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  6.  多官能エポキシ化合物(A)が、式(5)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

    (式(5)においてnは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり0~8を表す。)
    で表される、請求項3に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  7.  多官能エポキシ化合物(A)が、式(6)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

    (式(6)においてR21~R28はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。Qはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。Xが1分子中に複数存在する場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり0~8を表す。)
    で表される、請求項3に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  8.  多官能エポキシ化合物(A)が、式(7)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

    (式(7)においてR31~R34はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。nは括弧内の構造で示される繰り返し単位の数を表す平均値であり1~4を表す。)
    で表される、請求項3に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  9.  多官能エポキシ化合物(A)が、脂肪族炭化水素からなる環状構造を構造中に有する、請求項1又は2に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  10.  1分子中に少なくとも1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有する化合物(B)がジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸及びジメチロール酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の変性多官能エポキシ化合物。
  11.  請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の変性多官能エポキシ化合物、及び熱硬化剤又はカチオン重合開始剤を含有する硬化性組成物。
  12.  請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の変性多官能エポキシ化合物、カチオン重合開始剤、及び解離触媒を含有する硬化性組成物。
  13.  請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の変性多官能エポキシ化合物、又は請求項11若しくは12に記載の硬化性組成物の硬化物。
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