JPH10142793A - アルカリ現像可能なソルダーレジスト組成物 - Google Patents

アルカリ現像可能なソルダーレジスト組成物

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JPH10142793A
JPH10142793A JP31854396A JP31854396A JPH10142793A JP H10142793 A JPH10142793 A JP H10142793A JP 31854396 A JP31854396 A JP 31854396A JP 31854396 A JP31854396 A JP 31854396A JP H10142793 A JPH10142793 A JP H10142793A
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JP
Japan
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resin
acrylic copolymer
epoxy
meth
copolymer resin
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JP31854396A
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English (en)
Inventor
Shigeru Komori
シゲル 小森
Miyako Toni
美弥子 十二
Masao Arima
聖夫 有馬
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Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 数段階にわたる変性を必要とせず合成が容易
なため低コストで得られるアクリル系共重合樹脂を用い
て、乾燥後の塗膜が高い解像性を示し、加熱硬化した塗
膜が半田耐熱性、耐メッキ性等に優れるアルカリ現像可
能な液状ソルダーレジスト組成物を提供する。 【解決手段】 組成物は、(A)1分子中に1個以上の
カルボキシル基を有し、エチレン性不飽和基を持たな
い、固形分酸価60〜110mgKOH/g、ガラス転
移温度70〜115℃、重量平均分子量9,000〜2
6,000のアクリル系共重合樹脂、(B)上記(A)
成分の固形分100重量部当り20〜130重量部の割
合の、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有す
る光反応性化合物、(C)光重合開始剤、(D)1分子
中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
(E)エポキシ硬化剤、及び(F)溶剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にプリント配線
板製造に有用なアルカリ水溶液で現像可能な液状ソルダ
ーレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板製造業界においては、プ
リント配線板の永久保護膜として、ソルダーレジストが
広く用いられている。ソルダーレジストは、半田付け時
の半田ブリッジの防止及び使用時の導体部の腐食防止と
電気絶縁性の保持等を目的として使用されるものであ
る。従来より、熱硬化性インキあるいは光硬化性インキ
をスクリーン印刷することによりソルダーレジストを形
成する方法が広く用いられてきた。しかし、近年におい
ては、プリント配線板の配線密度が高まり、高密度化、
高機能化に対応するために現像型のソルダーレジストが
開発されており、中でもアルカリ水溶液で現像可能なも
のが注目されている。
【0003】これらのレジスト組成物は、酸基及びエチ
レン性不飽和基を有する樹脂を必須成分とすることを特
徴としている。例えば、特開昭64−62375号、特
開平3−253093号、特公平1−54390号に
は、フェノール性又はo−クレゾール性ノボラック型エ
ポキシ樹脂と不飽和一塩基酸を反応させ、更に飽和又は
不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られた樹脂を用い
たレジスト組成物が開示されている。この組成物を用い
て形成された塗膜は、耐熱性、電気絶縁性などに優れた
特性を示すが、ベース樹脂にエチレン性不飽和基を有す
る樹脂を用いているためハレーションの影響を受けやす
く、高い解像性が得られ難い。すなわち、露光の際に、
ガラス−エポキシ基板又はその上の銅箔による入射光の
反射や散乱により、未露光部(現像部)の露光部との境
界近辺まで光硬化されてしまい、この境界域の未露光部
分が現像されないため、シャープな細いラインを形成で
き難くなる。この現象は、特にレジスト組成物の感度を
上げたときに影響が大きくなる。
【0004】一方、特開平3−289656号にはグリ
シジル(メタ)アクリレート等を構成成分として共重合
し、前述の樹脂と同様にエポキシ基を変性した樹脂を用
いた組成物が、また、特開平2−97513号にはフェ
ノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒ
ドとの縮合物のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸と
の反応物を、多塩基性カルボン酸又はその無水物と反応
させてなるエチレン性不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂
を用いた組成物が開示されている。しかし、これらの組
成物に使用されている樹脂は、いずれの場合も、エポキ
シ基に不飽和一塩基酸を付加し、更に酸無水物を付加す
る変性を数段階にわたり行う必要があり、光重合性樹脂
組成物が高価になる一因となっている。
【0005】また、特開昭52−94388号、特開平
2−113252号には、カルボキシル基を有するアク
リル系共重合体をバインダー成分として光重合性樹脂組
成物(通称ドライフイルムといわれるもの)を得る方法
が開示されている。これらの共重合体をバインダー成分
とする光重合性樹脂組成物は、耐メッキ性及びエッチン
グ耐性に優れているためエッチングレジストとして現在
使用されているが、ソルダーレジストへの展開はみられ
ない。一方、共重合体を用いた別の特許、特公昭52−
28159号、特公昭52−51111号によれば、ソ
ルダーレジストとしての使用も可能とされているが、十
分な耐熱性は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、前記したような従来技術にみられる種々の問題点を
解決するため、数段階にわたる変性を必要とせず合成が
容易なため低コストで得られるアクリル系共重合樹脂を
用いて、乾燥後の塗膜が高い解像性を示し、加熱硬化し
た塗膜が半田耐熱性、耐メッキ性等に優れるアルカリ現
像可能な液状ソルダーレジスト組成物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、(A)1分子中に1個以上のカル
ボキシル基を有し、エチレン性不飽和基を持たない、固
形分酸価60〜110mgKOH/g、ガラス転移温度
70〜115℃、重量平均分子量9,000〜26,0
00のアクリル系共重合樹脂、(B)上記アクリル系共
重合樹脂(A)の固形分100重量部当り20〜130
重量部の割合の、1分子中に1個以上のエチレン性不飽
和基を有する光反応性化合物、(C)光重合開始剤、
(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物、(E)エポキシ硬化剤、及び(F)溶剤を含
有することを特徴とするソルダーレジスト組成物が提供
される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のソルダーレジスト組成物
は、フェノール性又はo−クレゾール性ノボラック型エ
ポキシ樹脂を変性した樹脂や、フェノール類とフェノー
ル性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポ
キシ化物を変性した樹脂等のような、紫外線などの光に
よって反応するエチレン性不飽和基を有する樹脂と異な
り、エチレン性不飽和基を持たないアクリル系共重合樹
脂を用いているため、ハレーションの影響を受けず、高
い解像性が得られる。ハレーションは、露光の際の基板
やその上の銅箔による入射光の反射や散乱により、未露
光部の境界域近辺まで硬化反応が及ぶ現象で、分子量の
大きな、現像液に対して溶解性の低い感光性樹脂がこの
影響を受けると、反応量が僅かでも現像液に対して不溶
化し易く、解像性の低下をもたらす。
【0009】本発明のソルダーレジスト組成物は、塗膜
形成樹脂として、カルボキシル基を有するためアルカリ
水溶液に可溶ではあるが、エチレン性不飽和基、即ち感
光性基を持たないアクリル系共重合樹脂(A)を用い、
一方、感光性成分として該共重合樹脂に比べて分子量が
かなり小さい光反応性化合物(B)を用いたことを特徴
としている。露光の際に光反応性化合物(B)の光硬化
反応によって硬化膜が得られるが、アクリル系共重合樹
脂(A)はカルボキシル基を有するため、未露光部はア
ルカリ水溶液により現像可能である。またこの際、アク
リル系共重合樹脂(A)はエチレン性不飽和基を持たな
いためハレーションの影響を受けることはなく、一方、
光反応性化合物(B)は、ハレーションの影響を受けて
二量化あるいは三量化しても、その分子量が小さいため
に未露光部では上記アクリル系共重合樹脂と共にアルカ
リ水溶液により現像される。その結果、高い解像性で細
線パターンを形成できる。その後、加熱硬化(ポストキ
ュア)することにより、別途熱硬化性成分として加えた
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物(D)の硬化反応及び該エポキシ化合物(D)と上記
アクリル系共重合樹脂(A)のカルボキシル基との熱反
応により、耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性、硬度、無電
解金メッキ耐性等の耐メッキ性、基板との密着性等の諸
特性に優れたレジスト膜が得られる。
【0010】また、本発明のソルダーレジスト組成物に
用いられるアクリル系共重合樹脂(A)は、比較的高分
子量であり、且つエチレン性不飽和基を持たないので、
光架橋反応による収縮及び収縮により発生する歪みによ
る密着性の低下を招かない。密着性は諸特性に影響を与
えるもので、その低下がないことは特性の向上につなが
る。このことは、本発明により得られるレジスト膜の耐
メッキ性の向上に明瞭にみられる。これは、本発明の組
成物の塗膜が基板と界面で強力に密着することで、塗膜
の際からのメッキ液等の滲み込みを防げるため、塗膜の
浮きを生じないからである。しかしながら、ドライフイ
ルムに使用されているバインダー樹脂のような高分子量
(通常3万以上、100万に及ぶものもある)のもの
は、液状のソルダーレジスト組成物として使用するのが
困難になるため使用できない。なぜならば、スクリーン
印刷、ロールコート法、スプレーコート法等による塗布
工程において糸引きが生じ、きれいな塗膜が得られない
ためである。また、インキ化するために多くの溶剤を必
要とし、環境上も好ましくない。
【0011】更に、本発明に用いるアクリル系共重合樹
脂の合成は、前記エチレン性不飽和基を有する樹脂の合
成のように数段階にわたる変性を行う必要がなく、一段
階の反応(重合)により完結するため、合成に要する時
間及びエネルギーの消費が少なく、コストの削減ができ
る。
【0012】好適な態様によれば、本発明で用いるアク
リル系共重合樹脂(A)は、(a)カルボキシル基を有
する少なくとも1種の重合性不飽和化合物、(b)少な
くとも1種のイソボルニルアクリレートもしくはイソボ
ルニルメタクリレート(以下、アクリレートとメタクリ
レートを総称して(メタ)アクリレートと表記する。こ
の表記法は(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エ
ステルについても同様である。)、及び(c)アルコー
ル性水酸基を有する重合性不飽和化合物、スチレン化合
物、カルボキシル基及びアルコール性水酸基を持たない
(メタ)アクリル酸エステル類から選ばれる1種以上を
樹脂の構成成分として含有する。好ましくは、上記
(c)成分のうち、(c−1)アルコール性水酸基を有
する重合性不飽和化合物の1種以上と、(c−2)スチ
レン化合物及びカルボキシル基とアルコール性水酸基を
持たない(メタ)アクリル酸エステル類から選ばれる1
種以上を樹脂の構成成分として併用する。アクリル系共
重合樹脂の一構成成分としてイソボルニル(メタ)アク
リレートを用いることによって、光硬化塗膜の耐現像性
が向上し、また硬化塗膜に光沢を与え、耐薬品性の向上
にも寄与する。耐薬品性の向上は、メッキ液の表面から
の滲み込みに対する耐性の向上、即ち耐メッキ性の向上
も意味する。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のソルダーレジスト組成物は、塗膜形成樹脂とし
て、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有し、エチ
レン性不飽和基を持たない、固形分酸価60〜110m
gKOH/g、ガラス転移温度70〜115℃、重量平
均分子量9,000〜26,000のアクリル系共重合
樹脂を用いる。アクリル系共重合樹脂(A)は、カルボ
キシル基を有する重合性不飽和化合物(a)を樹脂の必
須の構成成分とし、これと他の重合性不飽和化合物とを
組み合わせ、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素
等の公知、慣用の重合開始剤を用いて共重合させて得ら
れる樹脂である。
【0014】カルボキシル基を有する重合性不飽和化合
物(a)としては、1分子中にカルボキシル基と(メ
タ)アクリロイル基を併せ持つ化合物であればよいが、
好ましくは、(メタ)アクリル酸、フタル酸2−メタク
リロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタ
クリロイルオキシエチル、コハク酸2−メタクリロイル
オキシエチルなどが挙げられる。
【0015】これらのカルボキシル基を有する重合性不
飽和化合物(a)と共重合させる重合性不飽和化合物と
しては、(b)イソボルニル(メタ)アクリレート、
(c)(c−1)アルコール性水酸基を有する重合性不
飽和化合物や、(c−2)スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン等のスチレン化合物、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
類などが挙げられる。アクリル系共重合樹脂(A)は、
カルボキシル基を有する重合性不飽和化合物(a)から
選ばれる1種以上と、カルボキシル基を有する重合性不
飽和化合物以外の重合性不飽和化合物(b)、(c)か
ら選ばれる1種以上を組み合わせて共重合して得られ
る。
【0016】得られるアクリル系共重合樹脂(A)の固
形分酸価は60〜110mgKOH/gである。樹脂の
酸価が60mgKOH/gより低過ぎると現像できず、
一方、110mgKOH/gより高過ぎると光硬化塗膜
の耐現像性が得られない。ガラス転移温度は70〜11
5℃、好ましくは90〜110℃である。ガラス転移温
度は酸価と同様に現像性に影響を及ぼし、一方で塗膜形
成性にも関与する。現像性に対しては、組成物の乾燥状
態において組成物のガラス転移温度が現像液の温度より
も高くなり過ぎると現像し難くなり、逆に低すぎると塗
膜が残らないか、粘調状になり現像できなくなる。塗膜
形成に対しては、同様に組成物の乾燥状態において組成
物のガラス転移温度が低すぎると乾燥塗膜がべた付き、
フォトマスクを汚してしまうので接触露光できなくな
る。本発明のソルダーレジスト組成物から形成される塗
膜は接触露光及び非接触露光のいずれも可能ではある
が、細線パターンを形成するためには接触露光が好まし
いことは言うまでもない。アクリル系共重合樹脂(A)
のガラス転移温度が70℃未満又は115℃を超える
と、乾燥状態における組成物のガラス転移温度を上記の
条件を満たすように調整するのが難しい。アクリル系共
重合樹脂(A)の分子量は、重量平均分子量で9,00
0〜26,000、好ましくは13,000〜16,0
00である。分子量は塗膜形成に関与し、9,000よ
り低い分子量では膜にならないか、光硬化塗膜の耐現像
性が得られない。一方、26,000より高い分子量で
は印刷適性が得られないか、光硬化塗膜が現像性に劣
り、解像性を著しく低下させるか、又は組成物がゴム状
になって練肉できず、インキ化できないということにな
る。
【0017】アクリル系共重合樹脂(A)は、塗膜の未
露光部の現像性を高めるためにアルコール性水酸基を有
する重合性不飽和化合物(c−1)を共重合成分として
有することが好ましい。アルコール性水酸基を有する重
合性不飽和化合物(c−1)としては、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシルアルキル(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。アルコール性水酸基
を有する重合性不飽和化合物(c−1)を共重合させる
場合は、アクリル系共重合樹脂(A)の水酸基価が15
0mgKOH/gを超えない範囲で樹脂の構成成分の量
を調整する。好ましい水酸基価は50〜90mgKOH
/gである。50mgKOH/g未満では現像性向上の
補助効果が十分発揮できず、また、アルコール性水酸基
を付与することにより得られる塗膜の密着性向上の効果
も十分得られないので好ましくない。一方、90mgK
OH/gを超えると、水酸基によってアクリル系共重合
樹脂(A)に付与された親水性の影響で、光硬化塗膜の
耐現像性の低下や得られるレジスト膜の電気絶縁性の低
下等を生じるため、ソルダーレジスト組成物としては望
ましくない。
【0018】本発明で用いるエチレン性不飽和基を有す
る光反応性化合物(B)としては、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート等の一価又は多価アルコール
あるいはこれらのEO(エチレンオキサイド)又はPO
(プロピレンオキサイド)付加物等の(メタ)アクリレ
ート類;上記ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート等の二塩基酸無水物付加物;ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート等のグリコール系(メタ)アク
リレート類;フタル酸2−メタクリロイルオキシエチ
ル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエ
チル、コハク酸2−メタクリロイルオキシエチル等の多
塩基酸無水物の(メタ)アクリレート類;エチル(メ
タ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロ
キシルアルキル(メタ)アクリレート類;メラミンモノ
(メタ)アクリレート等のメラミン(メタ)アクリレー
ト類などが挙げられる。これらの光反応性化合物(B)
は単独で又は任意に2種以上を組み合わせて使用でき
る。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレー
ト類や、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート等の二塩基酸無水物付加物が光反応性、現像性、
フォトマスク剥離性の面から好ましい。これらの1分子
中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する光反応性化
合物(B)は光重合のための反応基を有していればよ
く、ここに例示した化合物に限定されるものではない。
【0019】これらの光反応性化合物(B)は、アクリ
ル系共重合樹脂(A)の固形分100重量部に対して2
0〜130重量部、好ましくは40〜100重量部の割
合で用いられる。20重量部未満では光硬化性及び現像
性が劣り、一方、130重量部を超えると露光後のフォ
トマスクの剥離性が劣るので好ましくない。
【0020】光重合開始剤(C)としては、公知のもの
を任意に使用できるが、配合後の貯蔵安定性の良いもの
が望ましい。このような光重合開始剤(C)としては、
例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;アセト
フェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1
−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノ
−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセト
フェノン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキ
ノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン
類;2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等
のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケター
ル、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾ
フェノン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン
等のベンゾフェノン類;4−ベンゾイル−4’−メチル
ジフェニルサルファイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルフェニルホスフィンオキサイド、1,7−ビス
(9−アクリジニル)ヘプタン等を挙げることができ
る。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。更に、これらの光重合開始剤は、
N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、トリ
エタノールアミン、トリエチルアミンの様な公知、慣用
の光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて併用
することができる。
【0021】光重合開始剤(C)の添加量は、アクリル
系共重合樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.
2〜30重量部であり、好ましくは5〜25重量部であ
る。光重合開始剤の割合が0.2重量部未満でも30重
量部を超える場合でも光硬化反応が十分に進まないので
好ましくない。
【0022】本発明で用いるエポキシ化合物(D)は、
露光、現像後の加熱硬化の際にアクリル系共重合樹脂中
のカルボキシル基と熱反応し、硬化塗膜に耐アルカリ
性、耐溶剤性、耐熱性、電気絶縁性を付与するものであ
る。エポキシ化合物(D)としては、例えば、エピクロ
ンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.
E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート15
4(油化シェルエポキシ(株)製)、RE−306(日
本化薬(株)製)等のフェノールノボラック型エポキシ
樹脂;エピクロンN−695(大日本インキ化学工業
(株)製)、EOCN−102S(日本化薬(株)
製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、
ESCN−195(住友化学工業(株)製)等のクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂;TACTICX−74
2(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H6
0(油化シェルエポキシ(株)製)等のトリスヒドロキ
シフェニルメタン型エポキシ樹脂;エピクロンEXA−
7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACT
IX−556(ダウ・ケミカル社製)等のジシクロペン
タジエンフェノール型エポキシ樹脂;エピコート82
8、エピコート1001(油化シェルエポキシ製)、U
VR−6410(ユニオンカーバイド社製)、D.E.
R−331(ダウ・ケミカル社製)等のビスフェノール
A型エポキシ樹脂;UVR−6490(ユニオンカーバ
イド社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;YX
−4000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレ
ノール型エポキシ樹脂;YL−6121(油化シェルエ
ポキシ(株)製)等のビフェノール型エポキシ樹脂;エ
ピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)
製)、エピコートE157S75(油化シェルエポキシ
(株)製)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ
樹脂;EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)
製)等のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂;EHPE−
3150(ダイセル化学工業(株)製)等の脂環式エポ
キシ樹脂;TEPIC,TEPIC−L,TEPIC−
H(日産化学工業(株)製)等の複素環式エポキシ樹脂
などが挙げられる。これらのエポキシ化合物(D)は、
1分子中に2個以上のエポキシ基を有していればよく、
単独での使用のみならず2種以上を組み合わせて用いて
も良い。
【0023】エポキシ化合物(D)の添加量は、アクリ
ル系共重合樹脂(A)の固形分100重量部に対して1
0〜150重量部であり、好ましくは20〜100重量
部である。エポキシ化合物(D)の割合が10重量部未
満では、熱硬化後にアクリル系共重合樹脂(A)中のカ
ルボキシル基の残存量が多くなり十分な特性が得られな
い。一方、150重量部を超えると現像ができ難くなる
ので好ましくない。
【0024】エポキシ硬化剤(E)は、組成物の貯蔵安
定性に著しく悪影響を及ぼさない範囲で公知、慣用の硬
化剤を使用できる。例えば、C11Z、2PHZ、2M
Z−AZINE、2E4MZ−AZINE、2E4MZ
−CN,2MA−OK(いずれも四国化成工業(株)
製)等のイミダゾール及びその誘導体;ヘキサ(N−メ
チル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノ)フェノール等の3級アミン類;ベンゾグアナミン、
アセトグアナミン、メラミン等のトリアジン化合物類;
5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)
−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸無水物等の酸無水物類;ジシアンジアミド等のポリ
アミン類;トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン
類などが挙げられる。これらの中でも好ましいのはメラ
ミン、ジシアンジアミドである。
【0025】エポキシ硬化剤(E)の添加量はアクリル
系共重合樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.
5〜15重量部であり、より好ましくは2〜10重量部
である。エポキシ硬化剤の割合が0.5重量部未満では
カルボキシル基とエポキシ基の硬化反応を十分に行え
ず、一方、15重量部を超えるとソルダーレジスト組成
物としての保存安定性を著しく低下させる。
【0026】なお、前記のような熱硬化性成分を予めソ
ルダーレジスト組成物に混合して一液型とした場合、回
路板ブランクへの塗布前に増粘し易いので、前記アクリ
ル系共重合樹脂(A)及び光反応性化合物(B)を主体
とし、これにエポキシ硬化剤等を配合した主剤溶液と、
前記エポキシ化合物(D)を主体とした硬化剤溶液の二
液型に組成し、使用に際してこれらを混合して用いるこ
とが好ましい。
【0027】溶剤(F)は、組成物の粘度を調整し、印
刷等をし易くするために使用するもので、塗布方法によ
り任意の量を使用できる。溶剤の具体例としては、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエス
テル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル等のグリコールエーテル類;及び石油ナフ
サ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。その配合量は、塗布方法により変わ
るが、アクリル系共重合樹脂(A)100重量部に対し
て100〜300重量部が適当である。
【0028】本発明の組成物には、更にウレタン(メ
タ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト類、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエ
ポキシ(メタ)アクリレート類などの光反応性化合物、
従来より知られている感光性樹脂、例えば、特公平1−
54390号に開示されているクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂にアクリル酸を反応させ、更に酸無水物を
反応してえられた樹脂、特開平3−289656号に開
示されているグリシジル(メタ)アクリレート等を構成
成分として重合した樹脂をアクリル酸と反応させ、更に
酸無水物を反応させて得られた樹脂等のカルボキシル基
及びエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂類、タル
ク、アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタン等の体質顔
料、微粉状酸化珪素、有機ベントナイト等の揺変剤、シ
リコーンやアクリレート共重合物等のレベリング剤・消
泡剤、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー
等の着色剤、及び難燃剤、密着性付与剤等を必要に応じ
て加えることができる。これら種々の添加剤は、本発明
の組成物の所望の性質を損なわない範囲で任意の量を添
加することができる。
【0029】本発明のソルダーレジスト組成物は、必要
に応じて塗布方法に適した粘度に調整し、これを例え
ば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷
法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコー
ト法等の方法により塗布し、例えば、60〜100℃の
温度で組成物中に含まれる溶剤を揮発乾燥させることに
より、露光後のフォトマスクの剥離性のよいタックフリ
ーの塗膜を形成できる。その後、パターンを形成したフ
ォトマスクを通して選択的に活性光線により露光し、未
露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパタ
ーンを形成し、更に、例えば、130〜180℃の温度
で加熱し硬化させることにより、耐熱性、耐メッキ性、
電気絶縁性等に優れたレジスト膜が得られる。
【0030】上記現像に使用される希アルカリ水溶液と
しては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、珪酸ナトリ
ウム、アンモニア、アミン類等の水溶液が挙げられる。
【0031】また、光硬化させるための照射光源として
は、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げら
れる。その他にレーザー光線などの使用も可能である。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。なお、以下にお
いて「部」及び「%」とあるのは、特に断りがない限り
全て重量基準である。
【0033】合成例1 2リットルのセパラブルフラスコに溶剤としてジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル450部と重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル2g(下記表1に
示す量の2/3)を加え、テフロン(登録商標)製の撹
拌棒、冷却管、滴下漏斗をセットした3ツ口セパラブル
フラスコカバーをし、オイルバスに浸し、液温が均一に
なるように撹拌しながら110℃に加温した。滴下漏斗
に重合物の組成成分(メチルメタクリレート120g、
イソボルニルメタクリレート233g、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート99.5g、メタクリル酸46.
4g)と重合開始剤の残り(0.9g)を均一に混合し
て入れ、全量が1時間で滴下し終わるように滴下量を調
節しながら上記セパラブルフラスコ中に滴下した。全量
滴下終了後、滴下漏斗に溶剤50gを加え、滴下漏斗に
付着している組成成分を洗い流しながら完全に滴下し
た。この滴下後更に1時間加熱し、固形分50%の粘調
状重合物(樹脂A−1)を得た。
【0034】合成例2〜6及び9 成分組成を表1に記載のものに変える以外は合成例1と
同様の装置、手順及び溶剤量で重合を行い、固形分50
%の粘調状重合物(樹脂A−2〜A−6及びA−9)を
得た。
【0035】合成例7 成分組成を表1に記載の重合物番号A−7のものに変
え、かつ重合温度を120℃に変える以外は合成例1と
同様の装置、手順及び溶剤量で重合を行い、固形分50
%の粘調状重合物(樹脂A−7)を得た。
【0036】合成例8 成分組成を表1に記載の重合物番号A−8のものに変
え、かつ重合温度を100℃に変える以外は合成例1と
同様の装置、手順及び溶剤量で重合を行い、固形分50
%の粘調状重合物(樹脂A−8)を得た。
【0037】合成例10(比較合成例) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)
製、EOCN−103、エポキシ当量218)545部
とジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
273.3部及び石油ナフサ(出光石油化学(株)製、
イプゾール#150)117.2部、ハイドロキノン
0.9部、トリフェニルホスフィン3.3部を2リット
ルのセパラブルフラスコに秤り取り、撹拌棒、冷却管、
温度計をセットした3ツ口セパラブルフラスコカバーを
し、オイルバスを用いて80〜90℃に撹拌しながら加
温し、樹脂を溶解した。次いで、アクリル酸183.6
部を加え、100〜110℃に加温し、約8時間反応さ
せると、固形分酸価3.2mgKOH/gのノボラック
型エポキシ化合物のアクリル酸付化物が得られた。これ
を一旦室温まで冷却し、乳鉢で粉砕したテトラヒドロフ
タル酸無水物182.5部を加え、85〜95℃で6時
間反応させ、固形分酸価75.8mgKOH/g、固形
分75%のエポキシアクリレートカルボン酸樹脂溶液
(樹脂A′−1)を得た。
【0038】合成例11〜13 成分組成を表2に記載の重合物番号A−1a〜A−3a
のものに変える以外は合成例1と同様の装置、手順及び
溶剤量で重合を行い、固形分50%の粘調状重合物(樹
脂A−1a〜A−3a)を得た。
【0039】合成例14〜17(比較合成例) 成分組成を表2に記載の重合物番号A′−2〜A′−5
のものに変える以外は合成例1と同様の装置、手順及び
溶剤量で重合を行い、固形分50%の粘調状重合物(樹
脂A′−2〜A′−5)を得た。
【0040】合成例18(比較合成例) 組成成分を表2に記載の重合物番号A′−6のものに変
える以外は合成例7と同様の装置、手順及び溶剤量で重
合を行い、固形分50%の粘調状重合物(樹脂A′−
6)を得た。
【0041】合成例19(比較合成例) 成分組成を表2に記載の重合物番号A′−7のものに変
える以外は合成例8と同様の装置、手順及び溶剤量で重
合を行い、固形分50%の粘調状重合物(A′−7)を
得た。
【0042】前記各合成例で得られた重合物の構成成
分、重合開始剤量及び物性を表1及び表2に示す。な
お、各表中、下段の( )内の数字はモル数を表わす。
酸価及び水酸基価の単位はmgKOH/gであり、それ
ぞれ滴定により求めた。また、ガラス転移温度はレオバ
イブロン(日本油脂(株)製、剛体振り子型動的粘弾性
試験器)で測定し、重量平均分子量はゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにより測定(スチレン換算値)
した。
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】実施例1 表3に示す配合組成(数値は重量部)に従って主剤
(I)の各成分を十分撹拌した後、3本ロールミルで3
回練肉し、練肉度20μm以下の均一なペーストを得
た。これを硬化剤(II)と合わせ、均一になるように撹
拌混合し、本発明のレジスト組成物を得た。このレジス
ト組成物をスクリーン印刷法によりプリント配線板に乾
燥後の塗膜の厚さが25μmになるように塗布し、次い
で、熱風循環炉に入れ、80℃で20分乾燥した。次
に、パターンを形成したフォトマスクを塗膜面に接触さ
せ、オーク製作所製の露光装置(メタルハライドランプ
7KW2灯)にて減圧下、露光(365nmの波長の紫
外線の積算光量で750mJ/cm2 )した後、フォト
マスクを剥がし、1%炭酸ナトリウム水溶液で2.0K
g/cm2 のスプレー圧で120秒間現像し、水洗、乾
燥した。更に150℃で60分加熱し、塗膜を硬化して
試験基板を得た。
【0045】実施例2〜8及び比較例1 表3に示す配合組成に従って、前記実施例1と同様にし
て本発明の組成物及び比較用の組成物を得、それを用い
て実施例1と同様に試験基板を作製した。
【表3】
【0046】前記実施例1〜8及び比較例1で作製され
た試験基板についての特性評価結果を表4に示す。諸特
性の試験方法及び評価判定基準は下記の通りである。な
お、以下の試験方法及び判定基準は、後述する実施例及
び比較例についても同様である。
【0047】(1)印刷適性 各実施例及び比較例のレジスト組成物をプリント配線板
にスクリーン(テトロン製、100メッシュ)印刷した
時の版離れのし易さなどを評価した。 ◎:糸引きもなく、版離れもよく、印刷後のレベリング
性も良好なもの。 ○:やや粘りがあるが糸引きもなく、版離れも問題のな
いもの。 △:粘りがあり、糸引きをするもの。 ×:粘りがあり、版離れしないもの。
【0048】(2)フォトマスク剥離性試験 各実施例及び比較例のレジスト組成物をプリント配線板
全面にスクリーン印刷し、80℃で20分乾燥した基板
を用い、乾燥塗膜にフォトマスクを密着させ、オーク製
作所製の露光装置(メタルハライドランプ7KW2灯)
にて減圧下、露光(365nmの波長の紫外線の積算光
量で750mJ/cm2 )した後、フォトマスクを剥が
した時の状態(光の熱によるフォトマスクの粘着状態)
を観察した。 ◎:剥離するとき、剥離音を発しない。 ○:やや剥離音を発するがフォトマスク及び塗膜に異常
はない。 △:剥離音を発し、塗膜にフォトマスクの跡が残る。 ×:剥離が困難であるか、フォトマスクを著しく汚す。
【0049】(3)現像性・耐現像性試験 所定パターンのフォトマスクを用いてオーク製作所製の
露光装置(メタルハライドランプ7KW2灯)にて減圧
下、露光(365nmの波長の紫外線の積算光量で75
0mJ/cm2 )し、1%炭酸ナトリウム水溶液で2.
0Kg/cm2のスプレー圧で120秒間現像した後の
塗膜の状態を目視判定した。 ◎:現像されており、光沢が認められるもの。 ○:現像されているが光沢が認められないもの。 △:現像残りのあるもの。 ×:殆ど現像されていないもの。
【0050】(4)感度 各実施例及び比較例のレジスト組成物をガラス−エポキ
シ基板にスクリーン印刷し、80℃で20分乾燥し、コ
ダック製ステップタブレットNo.2(21段)をフォ
トマスクとして用いて前記(2)現像性試験の基板作製
と同様に露光・現像し、残存する像の段数を光沢が有る
ものと無いもので区別し評価した。なお、表中の(光沢
/残し)の「光沢」は露光・現像後の硬化塗膜に光沢が
みられる残存段数を示し、「残し」は露光・現像後の硬
化塗膜に光沢がみられ無いところまでを含む残存段数を
示す。数値が大きいほど多く残っていることを表わす。
【0051】(5)解像性試験 銅厚が50μmで銅のパターン間隔が180μmの基材
に各実施例及び比較例のレジスト組成物の乾燥塗膜を得
た後、銅のパターン間に50μmから130μmまで1
0μmずつ線幅が異なって形成されるフォトマスクを通
し、オーク製作所製の露光装置(メタルハライドランプ
7KW2灯)にて減圧下、露光(365nmの波長の紫
外線の積算光量で750mJ/cm2 )し、1%炭酸ナ
トリウム水溶液で2.0Kg/cm2 のスプレー圧で1
20秒間現像し、残存する像の線幅を読みとった。
【0052】(6)半田耐熱性試験 各試験基板にロジン系フラックスSF−270(三和ケ
ミカル製)を刷毛で塗布し、基板ごと260℃の半田槽
に20秒間浸漬し、取り出し冷却する。これを2回繰り
返した後、フラックスを洗浄して乾かした。得られた塗
膜は、目視検査により外観上の異常の有無、及びJIS
K 5400の6.15による方法で密着性の試験を
行った。 ○:膨れ、剥がれ等の外観上の異常及び碁盤目密着性試
験いずれも異常無いもの。 △:膨れ、剥がれ等の外観上に異常はないが、碁盤目密
着性試験で若干剥離が有るもの。 ×:膨れ、剥がれが有るもの/あるいは碁盤目密着性試
験でかなり剥がれが有るもの。
【0053】(7)無電解金メッキ耐性試験 基板の研磨方法を、バフ研磨と砥粒によるスクラブ研磨
の2種に分け、以下のようにして評価基板を作製した。
前記各実施例及び比較例で得られた試験基板を、30℃
の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L
−5Bの20vol%水溶液)に3分間浸漬した後、水
洗し、次いで、14.4wt%過硫酸アンモン水溶液に
室温で3分間浸漬した後、水洗し、更に10vol%硫
酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後水洗し
た。次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス
製、メタルプレートアクチベーター350の10vol
%水溶液)に7分間浸漬し、水洗し、85℃のニッケル
メッキ液(メルテックス製、メルプレートNi−865
Mの20vol%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬
し、ニッケルメッキを行った後、10vol%硫酸水溶
液に室温で1分間浸漬し、水洗した。次いで、試験基板
を95℃の金メッキ液(メルテックス製、オウロレクト
ロレスUP15vol%とシアン化金カリウム3vol
%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッ
キを行った後、水洗し、更に60℃の温水で3分間浸漬
し、水洗し、乾燥した。得られた無電解金メッキ評価基
板にセロハン粘着テープを付着し、剥離したときの状態
を観察した。 ○:全く異常が無いもの。 △:若干剥がれが観られたもの。 ×:剥がれたもの。
【0054】(8)電気絶縁性試験 銅の線幅0.025インチ、線間隔0.050インチの
IPC規格のテストパターンを用いて作製した試験基板
に、500Vの電圧を1分間かけたときの絶縁抵抗値を
測定し、これを初期値とした。この基板を60℃、90
%RHの恒温恒湿器に入れ、100Vの電圧をかけ10
0時間経過した後、初期と同様の条件で絶縁抵抗値を測
定した。
【0055】
【表4】
【0056】実施例9〜12 表5に示す配合組成に従って、前記実施例1と同様にし
て、各種水酸基価のアクリル系共重合樹脂を用いた各種
レジスト組成物を得、それを用いて実施例1と同様に試
験基板を作製した。特性評価結果は表6に示す通りであ
った。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】 表6に示す結果から、アクリル系共重合樹脂の水酸基価
が50mgKOH/gより低くなる(実施例10)と解
像性が悪くなり、一方、90mgKOH/gを超える
(実施例12)と感度や電気絶縁性が悪くなる。この結
果より、水酸基価は50〜90mgKOH/gの範囲が
より好ましい。
【0059】比較例2〜7 表7に示す配合組成に従って、前記実施例1と同様にし
て比較用の組成物を得、それを用いて実施例1と同様に
試験基板を作製した。特性評価結果は表8に示す通りで
あった。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】実施例13〜17及び比較例8、9 表9に示す配合組成に従って、前記実施例1と同様にし
て各種レジスト組成物を得、それを用いて実施例1と同
様に試験基板を作製した。特性評価結果は表10に示す
通りであった。
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】 表10に示す結果から明らかなように、アクリル系共重
合樹脂(A)の固形分100重量部に対して、エチレン
性不飽和基を有する光反応性化合物(B)の配合量が2
0重量部未満になる(比較例8)と印刷適性、現像性、
解像性が著しく悪くなり、一方、130重量部を超える
(比較例9)とフォトマスクの剥離性が著しく低下する
ため、接触露光できなくなり、好ましくない。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明の組成物は、光反
応性を有するエチレン性不飽和基を持たないアクリル系
共重合樹脂をバインダー樹脂として用いているため、パ
ターン形成において光のハレーションの影響を受けず、
高い解像性を得ることができた。また、本発明の組成物
に用いているアクリル系共重合樹脂は分子量が比較的大
きく、且つ、光硬化反応に関与しないため、組成物の光
硬化反応による収縮が抑制される。そのため、硬化塗膜
は、収縮による歪みに起因する密着性の低下を生じず、
組成物塗布前の基板前処理における研磨方法(バフ研
磨、スクラブ研磨)の違いによる影響を受けない優れた
無電解メッキ耐性を示した。また樹脂の合成が簡便であ
り、エステル化等の工程を経ないため、樹脂の合成触媒
などによる保存安定性の低下の影響を受けない。また、
特性の向上に有意に働くエポキシ化合物を配合すること
で、アクリル系共重合樹脂をバインダー樹脂とした組成
物でありながら、耐熱性、電気絶縁性にも優れたアルカ
リ現像可能な液状のソルダーレジストとして好適な組成
物を得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に1個以上のカルボキシ
    ル基を有し、エチレン性不飽和基を持たない、固形分酸
    価60〜110mgKOH/g、ガラス転移温度70〜
    115℃、重量平均分子量9,000〜26,000の
    アクリル系共重合樹脂、(B)上記アクリル系共重合樹
    脂(A)の固形分100重量部当り20〜130重量部
    の割合の、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を
    有する光反応性化合物、(C)光重合開始剤、(D)1
    分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
    物、(E)エポキシ硬化剤、及び(F)溶剤を含有する
    ことを特徴とするソルダーレジスト組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合樹脂(A)が、アルコ
    ール性水酸基を有し、固形分水酸基価が150mgKO
    H/g以下である請求項1に記載のソルダーレジスト組
    成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合樹脂(A)が、(a)
    カルボキシル基を有する少なくとも1種の重合性不飽和
    化合物、(b)少なくとも1種のイソボルニルアクリレ
    ートもしくはイソボルニルメタクリレート、及び(c)
    アルコール性水酸基を有する重合性不飽和化合物、スチ
    レン化合物、カルボキシル基及びアルコール性水酸基を
    持たないアクリル酸エステル類もしくはメタクリル酸エ
    ステル類から選ばれる1種以上を樹脂の構成成分として
    含む請求項1に記載のソルダーレジスト組成物。
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