JP2003131362A - レジスト用硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

レジスト用硬化性樹脂組成物及びその硬化物

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JP2003131362A
JP2003131362A JP2001327945A JP2001327945A JP2003131362A JP 2003131362 A JP2003131362 A JP 2003131362A JP 2001327945 A JP2001327945 A JP 2001327945A JP 2001327945 A JP2001327945 A JP 2001327945A JP 2003131362 A JP2003131362 A JP 2003131362A
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meth
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JP2001327945A
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Takashi Tamura
堅志 田村
Eikichi Kogure
栄吉 小暮
Kenichi Yamada
健一 山田
Motoyuki Hirata
元之 平田
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な光感度とアルカリ現像性を有し、さらに
難燃性と可撓性に優れ、特にFPC用のカバーレイ、ソ
ルダーレジスト等として好適なレジスト用硬化性樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】硬化性プレポリマーを主体とするレジスト
用硬化性樹脂材料(例えばアクリル系モノマーに由来す
るエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマ
ー、エチレン性不飽和基を有する化合物、光重合開始剤
からなる光硬化性樹脂材料など)と、表面処理剤(特に
両親媒性のもの、シランカップリング剤等の極性を有す
るもの)により表面処理された水和金属化合物とを配合
してレジスト用硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板等
の製造に使用される保護膜形成用のレジスト用硬化性樹
脂組成物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造においては、従来
より、エッチング時に使用されるレジスト、はんだ付け
工程で使用されるソルダレジストなど、種々の基板保護
手段が必要とされる。小型機器等に使用されるフィルム
状のプリント配線板(フレキシブルプリント配線板;略
称FPC)の製造過程においても、部品搭載のためのは
んだ付け工程において無関係な配線を保護するためのソ
ルダレジストが必要とされる。
【0003】このような基板の保護手段として、従来は
ポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたものを積層
するカバーレイが用いられてきた。このカバーレイは、
はんだ付け後の配線の保護膜も兼ねており、はんだ付け
時の耐熱性、絶縁性、基板の組み込み時の折り曲げでク
ラックが入らない可撓性や、難燃性などの諸特性が必要
に応じて求められる。近年では、FPC用の用途範囲の
拡大に伴い、それに要求される光感度、現像性、耐熱性
といったレジスト諸特性に加えて、更に可撓性と難燃性
のバランスの優れたものが望まれてきた。
【0004】ポリイミドフィルムを打ち抜いて形成され
るカバーレイは上記の要求特性を満足しており、現在最
も多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要な
うえに、打ち抜いたフィルムを人手によって位置合わ
せ、張り合せするためさらに高コストになり、また、微
細パターンの形成が困難であるという問題がある。
【0005】これらの問題を解決する方法として、基板
上に感光性樹脂組成物を印刷してカバーコートを形成す
る方法やフィルム状にして貼付する方法が提案された。
この方法によれば、基板上に被膜を形成した後、写真技
術によって露光、現像、加熱すれば微細パターンのカバ
ーコートやカバーレイを容易に形成することができるこ
とから、従来種々の感光性樹脂組成物が開発されてきて
いる。感光性樹脂組成物が開発されてきている。
【0006】しかし、従来の感光性樹脂組成物には、F
PC用として要求されるこれら全ての特性を満足するも
のはなかった。例えば、ノボラック型エポキシビニルエ
ステル樹脂に多塩基酸無水物を付加反応させたプレポリ
マー、光重合開始剤、希釈剤、エポキシ化合物からなる
感光性樹脂組成物が提案された(特公平1−54390
号公報)が、このものは耐熱性、絶縁性は良好であるも
のの、可撓性がなくFPCには不適当であった。また、
エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物及びエチレン性不
飽和コモノマーとから形成されるコポリマーとアミンと
の反応生成物である低分子量コポリマーと、カルボン酸
含有高分子量コポリマーとからなるバインダー系に、ア
クリル化ウレタンモノマー成分、光開始剤及びブロック
ポリイソシアネート架橋剤を配合した感光性樹脂組成物
が提案された(特開平7−278492号公報)が、こ
のものは難燃性がなく、用途が限定されてしまうという
問題があった。
【0007】感光性樹脂組成物に難燃性を付与する方法
としては、従来より臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン
化物系難燃剤や、これに三酸化アンチモンなどの難燃助
剤を組み合わせてなる難燃剤系を用いる方法があった
(特開平9−325490号公報、特開平11−242
331号公報等)。しかし、これらの難燃剤系は、高温
環境における信頼性に劣る場合があった。さらに、臭素
化エポキシ樹脂は、充分な難燃効果が得られる量を配合
しようとすると可撓性を損なうという問題があった。
【0008】また、難燃剤としてリン酸エステルを使用
する方法も提案されている(特開平9−235449号
公報、特開平10−306201号公報、特開平11−
271967号公報等)が、リン酸エステルのみでは難
燃効果が弱く、UL規格による難燃性の基準を十分に満
たすことができない。
【0009】これに対し、本発明者らは、高い難燃効果
と可撓性とを共に備えた感光性樹脂組成物を得るべく、
従来の難燃剤系に水和金属化合物を組み合わせて使用す
ることを検討した。 しかし、かかる配合成分を使用し
た感光性樹脂組成物は、水和金属化合物の分散不良によ
るフィルムの外観低下やそれに起因する可撓性不良の問
題があった。更に、本発明者らが鋭意研究した結果、水
和金属化合物の分散性を良好にすることにより難燃性の
向上、安定化が期待でき、ひいては難燃成分全体の減量
を図ることができることが判明しつつあったが、水和金
属化合物の分散性を向上させることは容易ではなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光感度、現
像性、可撓性、難燃性に優れたレジスト用硬化性樹脂組
成物、特にFPC用のカバーレイ、ソルダーレジスト等
として好適に用いることのできるレジスト用硬化性樹脂
組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、
上記レジスト用硬化性樹脂組成物を用いて耐熱保護皮膜
を形成するための好適な方法を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の表面処理された水和金属化合物を使用
することにより上記課題を解決できることを見いだし、
本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3
6]に示されるレジスト用硬化性樹脂組成物及びそれか
らなる硬化物に関する。
【0013】[1]レジスト用硬化性樹脂材料及び表面
処理された水和金属化合物を含むレジスト用硬化性樹脂
組成物。 [2]前記水和金属化合物が、両親媒性及び/または極
性を有する表面処理剤により表面処理されていることを
特徴とする[1]に記載のレジスト用硬化性樹脂組成
物。 [3]前記水和金属化合物が、両親媒性の表面処理剤に
より表面処理されていることを特徴とする、[1]に記
載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [4]前記両親媒性の表面処理剤が、炭素数6以上の飽
和脂肪酸;不飽和脂肪酸及びそれらの塩;第一級アミ
ン、第二級アミン、第三級アミン及びそれらの塩;第四
級アンモニウム塩;アミン化合物;及びアミノ酸誘導体
からなる群から選択されることを特徴とする[2]また
は[3]に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [5]前記水和金属化合物が、極性を有する表面処理剤
により表面処理されていることを特徴とする[1]に記
載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
【0014】[6]前記極性を有する表面処理剤が、チ
タネートカップリング剤、アルミニウムカップリング
剤、ジルコアルミネートカップリング剤、及びシランカ
ップリング剤からなる群から選択されることを特徴とす
る[2]または[5]に記載のレジスト用硬化性樹脂組
成物。 [7]前記水和金属化合物が、水酸化アルミニウム又は
水酸化マグネシウムである[1]〜[6]のいずれか一
つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [8]前記水和金属化合物が、層状結晶構造をなし該結
晶層間に水和アニオンを有するハイドロタルサイト類化
合物である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載のレ
ジスト用硬化性樹脂組成物。 [9]前記表面処理された水和金属化合物が、層状結晶
構造をなし該結晶層間に有機アニオンを有するハイドロ
タルサイト類化合物である[1]〜[6]のいずれか一
つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [10]前記有機アニオンが、アミノ酸、含硫黄化合
物、含窒素複素環化合物及びそれらの塩からなる群から
選択されるものである[9]に記載のレジスト用硬化性
樹脂組成物。
【0015】[11]前記表面処理された水和金属化合
物の平均粒子径が0.1〜30μmである[1]〜[1
0]のいずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成
物。 [12]前記表面処理された水和金属化合物が、レジス
ト用硬化性樹脂材料100質量部に対し10〜100質
量部配合されていることを特徴とする[1]〜[11]
のいずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [13]前記レジスト用硬化性樹脂材料が、光硬化性樹
脂材料である[1]〜[12]のいずれか一つに記載の
レジスト用硬化性樹脂組成物。 [14]前記光硬化性樹脂材料が、アクリル系モノマー
に由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレ
ポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)を除く
エチレン性不飽和基を有する化合物(B)、及び光重合
開始剤(C)からなることを特徴とする[13]に記載
のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [15]前記感光性プレポリマー(A)が、1分子中に
カルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結
合を併せ持つことを特徴とする[14]に記載のレジス
ト用硬化性樹脂組成物。
【0016】[16] 前記感光性プレポリマー(A)
が、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレ
ート化合物であることを特徴とする[14]または[1
5]に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [17] 前記カルボキシル基を有するエポキシ(メ
タ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgKOH
/g以上であることを特徴とする[16]に記載のレジ
スト用硬化性樹脂組成物。 [18] 前記感光性プレポリマー(A)が、カルボキ
シル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物で
あることを特徴とする、[14]または[15]に記載
のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [19] 前記カルボキシル基を有するウレタン(メ
タ)アクリレート化合物の固形分酸価が5〜150mg
KOH/gであることを特徴とする、[18]に記載の
レジスト用硬化性樹脂組成物。 [20] 前記感光性プレポリマー(A)が、固形分酸
価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満の
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート
化合物と、固形分酸価が60mgKOH/g以上、15
0mgKOH/g以下のカルボキシル基を有するウレタ
ン(メタ)アクリレート化合物とを含むことを特徴とす
る[14]または[15]に記載のレジスト用硬化性樹
脂組成物。
【0017】[21] 前記レジスト用硬化性樹脂材料
が、電子線硬化性樹脂材料である[1]〜[12]のい
ずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [22] 前記レジスト用硬化性樹脂材料が、X線硬化
性樹脂材料である[1]〜[12]のいずれか一つに記
載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [23] 熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする
[1]〜[22]のいずれか一つに記載のレジスト用硬
化性樹脂組成物。 [24] 前記レジスト用硬化性樹脂材料が、熱硬化性
樹脂材料である[1]〜[12]のいずれか一つに記載
のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [25] 有機溶媒が含まれていることを特徴とする
[1]〜[24]のいずれか一つに記載のレジスト用硬
化性樹脂組成物。
【0018】[26] 臭素化エポキシ化合物が配合さ
れていることを特徴とする、[1]〜[25]のいずれ
か一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [27] 前記臭素化エポキシ化合物が、エポキシ当量
200〜3,000、臭素含有量40〜60質量%のテ
トラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂であること
を特徴とする[26]に記載のレジスト用硬化性樹脂組
成物。 [28] 前記臭素化エポキシ化合物が、レジスト用硬
化性樹脂材料100質量部に対し10〜80質量部配合
されていることを特徴とする、[26]または[27]
に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [29] リン酸エステル化合物が配合されていること
を特徴とする[1]〜[28]のいずれか一つに記載の
レジスト用硬化性樹脂組成物。 [30] 前記リン酸エステル化合物が芳香族基を有
し、かつそのリン原子が5価であることを特徴とする
[29]に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
【0019】[31] 前記リン酸エステル化合物が、
レジスト用硬化性樹脂材料100質量部に対し0.5〜
40質量部配合されていることを特徴とする、[29]
または[30]に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [32] 粘度が500〜500,000mPa・s
(25℃)であることを特徴とする[1]〜[31]の
いずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。 [33] [1]〜[32]のいずれか一つに記載のレ
ジスト用硬化性樹脂組成物が硬化したことを特徴とする
硬化物。 [34] [1]〜[32]のいずれか一つに記載のレ
ジスト用硬化性樹脂組成物から形成された感光層を支持
体上に有することを特徴とする感光性ドライフィルム。 [35] [1]〜[32]のいずれか一つに記載のレ
ジスト用硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする絶
縁保護被膜。 [36] [35]に記載の絶縁保護被膜を有すること
を特徴とするプリント配線基板。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、レジスト用硬
化性樹脂材料に水和金属化合物が配合されたものであ
る。
【0021】I.レジスト用硬化性樹脂材料 本発明で用いられるレジスト用硬化性樹脂材料は、硬化
性プレポリマーを主体とするものである。ここで、硬化
性樹脂材料とは、光硬化性樹脂材料、電子線硬化性樹脂
材料、X線硬化性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料等、レジ
スト用に使用されているいずれの硬化性材料を使用して
もよい。
【0022】(i)光硬化性樹脂材料 光硬化性樹脂材料としては、可視光、紫外線等により硬
化しうるものであれば特に制限はないが、好ましくは、
アクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基
を有する感光性プレポリマー(A)、前記感光性プレポ
リマー(A)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物
(B)、及び光重合開始剤(C)からなるものである。
【0023】(1)感光性プレポリマー(A) 本発明に用いられる感光性プレポリマー(A)は、アク
リル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有
するものである。ここでいうアクリル系モノマーは、ア
クリル酸若しくはメタクリル酸(以下、アクリル酸とメ
タクリル酸をあわせて「(メタ)アクリル酸」とい
う)、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリ
ル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等又はこ
れらのアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル
等の誘導体であり、(メタ)アクリル酸又はこれらのア
ルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル等の誘導
体が特に好ましい。かかる感光性プレポリマーとして
は、上記条件を満たすものであれば特に限定されない
が、具体的には、ポリエステルアクリレート、エポキシ
アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリブタジエン
アクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアク
リレート等が挙げられ、、中でもエポキシアクリレート
及びウレタンアクリレートが好ましい。
【0024】これらのうち、より好ましいものとして、
1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン
性不飽和結合を併せ持つものが挙げられる。より具体的
には、以下に示すような、カルボキシル基を有するエポ
キシ(メタ)アクリレート化合物(EA)、又はカルボ
キシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物
(UA)が特に好ましい。
【0025】<カルボキシル基を有するエポキシ(メ
タ)アクリレート化合物(EA)>本発明におけるカル
ボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合
物としては、特に限定されるものでは無いが、例えばエ
ポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物
を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アク
リレート化合物が適している。
【0026】エポキシ化合物としては、特に限定される
ものではないが、例えばビスフェノールA型エポキシ化
合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノ
ールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポ
キシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、
または脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙
げられる。これらは単独又は二種以上併用することもで
きる。
【0027】不飽和基含有モノカルボン酸としては、例
えばアクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、
β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、
桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられ
る。また、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル等の水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽
和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合
物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和あるい
は不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステ
ル化合物も挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボ
ン酸は、単独又は二種以上併用することもできる。
【0028】酸無水物としては、無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラ
ヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒ
ドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロ
フタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンド
ビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘
導体等が挙げられる。これらは単独又は二種以上併用す
ることもできる。
【0029】このようにして得られるカルボキシル基を
有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は
特に制限されないが、好ましくは数平均分子量が100
0〜40000、より好ましくは2000〜5000で
ある。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値で
ある。
【0030】また、前記エポキシ(メタ)アクリレート
化合物の固形分酸価は10mgKOH/g以上であるこ
とが好ましく、45mgKOH/g〜160mgKOH
/gの範囲にあることがより好ましく、さらに50mg
KOH/g〜140mgKOH/gの範囲がアルカリ溶
解性と硬化膜の耐アルカリ性のバランスが良く、とりわ
け好ましい。固形分酸価が10mgKOH/gより小さ
い場合にはアルカリ溶解性が悪くなり、逆に大きすぎる
と、レジスト用硬化性樹脂組成物の構成成分の組み合わ
せによっては硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等のレジ
ストとしての特性を下げる要因となる場合がありうる。
【0031】前記カルボキシル基を有するエポキシ(メ
タ)アクリレート化合物は、単独で感光性プレポリマー
(A)を構成していてもよいが、後述するカルボキシル
基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と併用
してもよい。その場合は、カルボキシル基を有するエポ
キシ(メタ)アクリレート化合物は、カルボキシル基を
有するウレタン(メタ)アクリレート化合物100質量
部に対して、100質量部以下の範囲で使用することが
好ましい。
【0032】<カルボキシル基を有するウレタン(メ
タ)アクリレート化合物(UA)>本発明におけるカル
ボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合
物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由
来の単位と、ポリオール由来の単位と、ポリイソシアナ
ート由来の単位とを構成単位として含む化合物である。
より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メ
タ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間は
ウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位と
ポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位
により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基
が存在する構造となっている。
【0033】すなわち、前記カルボキシル基を有するウ
レタン(メタ)アクリレート化合物は、−(ORbO−
CONHRcNHCO)n-〔式中、ORbOはポリオール
の脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシア
ナート残基を表す。〕で表される。
【0034】カルボキシル基を有するウレタン(メタ)
アクリレート化合物は、少なくとも、ヒドロキシル基を
有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイ
ソシアナートとを反応させることにより製造できるが、
ここで、ポリオールまたはポリイソシアナートの少なく
ともどちらか一方には、カルボキシル基を有する化合物
を使用することが必要である。好ましくは、カルボキシ
ル基を有するポリオールを使用する。このようにポリオ
ールおよび/またはポリイソシアナートとして、カルボ
キシル基を有する化合物を使用することにより、Rbま
たはRc中にカルボキシル基が存在するウレタン(メ
タ)アクリレート化合物を製造することができる。な
お、上記式中、nとしては1〜200程度が好ましく、
2〜30がより好ましい。nがこのような範囲である
と、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓
性がより優れる。
【0035】また、ポリオールおよびポリイソシアナー
トの少なくとも一方が2種類以上用いられている場合に
は、繰り返し単位は複数の種類を表すが、その複数の単
位の規則性は完全ランダム、ブロック、局在等、目的に
応じて適宜選ぶことができる。
【0036】本発明で用いられるヒドロキシル基を有す
る(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまた
は酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アク
リレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシ
ジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロー
ルプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸
化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0037】これらのヒドロキシル基を有する(メタ)
アクリレートは1種または2種以上を組み合わせて用い
ることができる。また、これらのうちでは、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートがより好ましい。2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートを使用すると、カルボキシル基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート化合物の合成がより容
易である。
【0038】本発明で用いられるポリオールとしては、
ポリマーポリオールおよび/またはジヒドロキシ化合物
を使用することができる。ポリマーポリオールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系
ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得
られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカー
ボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位
を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポ
リカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオー
ル等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
【0039】また、カルボキシル基を有するポリマーポ
リオールを使用する場合は、例えば、上記ポリマーポリ
オール合成時に(無水)トリメリット酸等の3価以上の
多塩基酸を共存させ、カルボキシル基が残存するように
合成した化合物などを使用することができる。
【0040】ポリマーポリオールは、これらの1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、
これらのポリマーポリオールとしては、数平均分子量が
200〜2000であるものを使用すると、レジスト用
硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓性がより優れる
ため好ましい。また、これらのポリマーポリオールのう
ち、ポリカーボネートジオールを使用すると、レジスト
用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の耐熱性が高く、プ
レッシャークッカー耐性に優れるため好ましい。さら
に、ポリマーポリオールの構成単位が、単一の構成単位
からのみではなく、複数の構成単位からなるものである
と、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓
性がさらに優れるためより好ましい。このような複数の
構成単位からなるポリマーポリオールとしては、エチレ
ングリコールおよびプロピレングリコールに由来の単位
を構成単位として含むポリエーテル系ジオール、ヘキサ
メチレンカーボネートおよびペンタメチレンカーボネー
トに由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート
ジオールなどが挙げられる。
【0041】ジヒドロキシ化合物としては、2つのアル
コール性ヒドロキシル基を有する分岐または直鎖状の化
合物を使用できるが、特にカルボキシル基を有するジヒ
ドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することが好ましい。
このようなジヒドロキシ化合物としては、ジメチロール
プロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。カ
ルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を
使用することによって、ウレタン(メタ)アクリレート
化合物中に容易にカルボキシル基を存在させることがで
きる。ジヒドロキシ化合物は、1種または2種以上を組
み合わせて用いることができ、ポリマーポリオールとと
もに使用してもよい。
【0042】また、カルボキシル基を有するポリマーポ
リオールを併用する場合や、後述するポリイソシアナー
トとしてカルボキシル基を有するものを使用する場合に
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ハイドロキノンなどのカルボキシル基
を持たないジヒドロキシ化合物を使用してもよい。
【0043】本発明で用いられるポリイソシアナートと
しては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、
2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェ
ニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)
−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン
ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレ
レンジイソシアナートおよび1,5−ナフタレンジイソ
シアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらの
ポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせ
て用いることができる。また、カルボキシル基を有する
ポリイソシアナートを使用することもできる。
【0044】本発明で用いられるカルボキシル基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に
限定されないが、好ましくは数平均分子量が1000〜
40000、より好ましくは8000〜30000であ
る。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値であ
る。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの固形分
酸価は、5〜150mgKOH/gが好ましく、さらに
好ましくは30〜120mgKOH/gである。
【0045】カルボキシル基を有するウレタン(メタ)
アクリレート化合物の数平均分子量が1000未満で
は、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の伸度
と強度を損なうことがあり、40000を超えると硬く
なり可撓性を低下させるおそれがある。また、固形分酸
価が5mgKOH/g未満ではレジスト用硬化性樹脂組
成物のアルカリ溶解性が悪くなる場合があり、150m
gKOH/gを超えると硬化膜の耐アルカリ性・電気特
性等を悪くする場合がある。
【0046】カルボキシル基を有するウレタン(メタ)
アクリレート化合物の固形分酸価は5〜150mgKO
Hであれば、好ましいが、その範囲でも固形分酸価を高
くすれば現像性は改善されるものの、可撓性が低下する
傾向があり、固形分酸価を低くすれば、可撓性は高くな
るもの、現像性が低下し現像残りが生じやすくなる傾向
がある。その場合、少なくとも2種類の固形分酸価が異
なるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレ
ート化合物を組み合わせて使用することで、さらに優れ
た可撓性を有しかつ良好な現像性を有するレジスト用硬
化性樹脂組成物を容易に得ることができる場合がある。
【0047】とりわけ、固形分酸価が5mgKOH/g
以上、60mgKOH/g未満のカルボキシル基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート化合物(以下、「ウレ
タン(メタ)アクリレート化合物(a)」とする)と、
固形分酸価が60mgKOH/g以上、150mgKO
H/g以下のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)
アクリレート化合物(以下、「ウレタン(メタ)アクリ
レート化合物(b)」とする)をそれぞれ少なくとも1
種以上選んで組み合わせることが好ましい。
【0048】また、組み合わせて使用する場合の使用割
合は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリ
レート化合物全量(100質量部)中、ウレタン(メ
タ)アクリレート化合物(a):ウレタン(メタ)アク
リレート化合物(b)=40〜90:60〜10の質量
比であることが好ましく、さらには、ウレタン(メタ)
アクリレート化合物(a):ウレタン(メタ)アクリレ
ート化合物(b)=50〜80:50〜20の質量比で
あることがより好ましい。
【0049】カルボキシル基を有するウレタン(メタ)
アクリレート化合物は、(1)ヒドロキシル基を有する
(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシア
ナートを一括混合して反応させる方法、(2)ポリオー
ルとポリイソシアナートを反応させて、1分子あたり1
個以上のイソシアナート基を含有するウレタンイソシア
ナートプレポリマーを製造した後、このウレタンイソシ
アナートプレポリマーとヒドロキシル基を有する(メ
タ)アクリレートを反応させる方法、(3)ヒドロキシ
ル基を有する(メタ)アクリレートとポリイソシアナー
トを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアナー
ト基を含有するウレタンイソシアナートプレポリマーを
製造した後、このプレポリマーとポリオールとを反応さ
せる方法などで製造することができる。
【0050】(2)エチレン性不飽和基を有する化合物
(B) レジスト用硬化性樹脂組成物中の光硬化成分に含まれる
エチレン性不飽和基を有する化合物は、感光性プレポリ
マー(A)以外のものであり、レジスト用硬化性樹脂組
成物の粘度を調整したり、レジスト用硬化性樹脂組成物
を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調整
する目的で使用されるものである。好ましくは(メタ)
アクリル酸エステルを使用する。
【0051】具体的には、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の
脂環式(メタ)アクリレート;
【0052】ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)
アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、
ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノ
ニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メ
タ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)ア
クリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;
【0053】2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メ
タクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロ
キシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフ
ェニールアシッドホスフェート(フェニールP)等のリ
ン原子を有するメタクリレート;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)ア
クリレート等のジアクリレート;
【0054】トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート等のポリアクリレート;ビスフェノールSのエチレ
ンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノール
Aのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪
酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリア
クリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキ
シド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポ
リアクリレート;
【0055】ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒ
ドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクト
ン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌ
レート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレー
ト;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコー
ル)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビ
ストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート
等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)ア
クリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロ
キシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;
ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロ
イルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルア
クリレート等が挙げられる。
【0056】また、N−ビニルピロリドン、N−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル
化合物、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、エポキシアクリレート等もエチレン性不飽和基を
有する化合物として好適に用いることができる。
【0057】これらのうち好ましいものとしては、ヒド
ロキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレートおよびウレタンアクリレートであ
り、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートが挙
げられる。また、耐熱性が高くなることから、エチレン
性不飽和基を3個以上有するものが好ましい。
【0058】感光性プレポリマー(A)とエチレン性不
飽和基を有する化合物(B)との配合比は、質量比で
(A):(B)=95:5〜50:50、好ましくは9
0:10〜60:40、さらに好ましくは85:15〜
70:30である。(A)成分の配合量が95質量%を
超えると、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜
のはんだ耐熱性が低下することがあり、(A)成分の配
合量が50質量%未満になるとレジスト用硬化性樹脂組
成物のアルカリ可溶性が低下する傾向にある。
【0059】(3)光重合開始剤(C) 本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、ベン
ゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾ
フェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン
類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル等のベンゾインアルキルエーテル類、4―フェノキ
シジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)2−ヒドロキシ2−メチルプロパン
−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]−2−ヒドロキシ ジ−2−メチル−1−プロ
パン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フ
ァニルケトン、2,2−ジメトキシ−1.2−ジフェニ
ルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1.2−ジフ
ェニルエタンオン、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルフォリノプロパンオン−1、
4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブ
チル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−フェニ
ル−1.2−プロパンジオン2−(o−エトキシアルボ
ニル)オキシム等のアセトフェノン類、チオキサンテ
ン、2-クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテ
ン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテ
ン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等
のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシル
ホスフィンオキサイド類などを挙げることができる。こ
れらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0060】また、2.2.2−トリクロロ−[1-
4’−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エタノ
ン、2.2−ジクロロ−1-4’−(フェノキシフェニ
ル)エタノン、α,α,α‐トリブロモメチルフェニル
スルフォン、2.4.6−トリス(トリクロロメチル)
トリアジン、2,4−トリクロロメチル‐(4’−メト
キシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロ
メチル‐(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジ
ン、2,4−トリクロロメチル‐(ピプロニル)−6−
トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メト
キシナフチル)−6−トリアジン、2[2’(5”−メ
チルフリル)エチリデン−4,6−ビス(トリクロロメ
チル)−S−トリアジシン、2(2’−フリルエチリデ
ン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリア
ジシン等の光酸発生剤を用いてもよい。さらに必要に応
じて光増感剤を併用することができる。
【0061】これらの光重合開始剤のうちベンゾフェノ
ン類、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド
類が好ましく。具体的なものとしては、4,4’−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−
ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。これらの光
重合開始剤(C)の配合量は、感光性プレポリマー
(A)とエチレン性不飽和基を有する化合物(B)とか
らなる光硬化成分の合計100質量部に対して、0.1
質量部〜20質量部が好ましく、0.2質量部〜10質
量部がより好ましい。光重合開始剤の配合量が0.1質
量部未満であると硬化が不十分な場合がある。
【0062】(ii)電子線硬化性樹脂材料 本発明で用いられる電子線硬化性樹脂材料としては、ポ
ジ型、ネガ型があるが、レジスト用材料として使用でき
るものであればいずれでもよい。具体的には、ポリビニ
ルシンナマート、ポリビニル−p−アジドベンゾエー
ト、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチ
ルメタクリレート、メチルメタクリレート−メタクリル
酸共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル
共重合体、メチルメタクリレート−イソブチレン共重合
体、メチルメタクリレート−メチル−α−クロルアクリ
レート共重合体、エポキシ化1,4−ポリブタジエン
(EPB)、エポキシ化ポリイソプレン、ポリグリシジ
ルメタクリレート(PTMG)、グリシジルメタクリレ
ート−エチルアクリレート共重合体、グリシジルメタク
リレート−スチレン共重合体、メチルビニルシロキサ
ン、ポリメチルシクロシロキサン(PMCA)、ポリビ
ニルシロキサン(PVS)、側鎖にアクリル基を持つ共
重合体、ポリブタジエン(PB)、ポリジアリール−o
−フタレート(PDOP)、側鎖にメタクリル酸基とグ
リシジル基を持つ共重合体、アルキルビニルエーテル-
無水マレイン酸共重合体のアリルエステル、ポリ(ブテ
ン−1−スルホン)(PBS)、ポリ(スチレンスルホ
ン)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、ポリ−α−メチルスチレン、ポリメタクリロニト
リル、酢酸セルロース、ポリイソブチレン、ポリビニル
カルバゾール、ポリビニルフェロセン、ポリメチルイソ
プロペニルケトン、ポリメタクリルアミド(PMA
A)、ポリ−α−シアノエチルアクリレート(PCE
A)等が挙げられる。
【0063】(iii)X線硬化性樹脂材料 本発明で用いられるX線硬化性樹脂材料としては、具体
的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ
(ブテン−1−スルホン)(PBS)、ポリビニルフェ
ロセン(PVFc)、ポリブタジエン(PB)、ポリジ
アリール−o−フタレート(PDOP)、クロスリキン
グエレクトロンレジスト(CER)、エポキシ化ポリブ
タジエン(EPB)、グリシジルメタクリレート−エチ
ルアクリレート共重合体等が挙げられる。
【0064】(iv)熱硬化性樹脂材料 本発明で用いられる熱硬化性樹脂材料としては、具体的
には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹
脂、メラミン誘導体(例えば、ヘキサメトキシメラミ
ン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメ
ラミン等)、尿素化合物(例えば、ジメチロール尿素
等。)、ビスフェノールA系化合物(例えば、テトラメ
チロール・ビスフェノールA等。)、オキサゾリン化合
物、オキセタン化合物等が挙げられる。これらの熱硬化
性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0065】これらのうちエポキシ樹脂が好ましい。エ
ポキシ樹脂としては具体的には、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭
素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型
エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ
基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロ
ペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン
変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹
脂などの一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物が挙げられる。さらに、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサ
イクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂およびテトラグリシジル
キシレノイルエタン樹脂等を使用してもよい。これらの
エポキシ樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0066】II.表面処理された水和金属化合物 本発明においては、上記レジスト用硬化性樹脂材料に、
表面処理された水和金属化合物が配合される。
【0067】(1)水和金属化合物 本発明で用いられる水和金属化合物は、結晶水をもつ金
属化合物であり、例えば熱分解時の吸熱量が400J/
g以上のものが挙げられるが、これに限定されるもので
はない。かかる水和金属化合物の具体例としては、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石
膏,ホウ酸亜鉛、メタホウ素酸バリウム、亜鉛ヒドロキ
シスズ酸塩、カオリン、バーミキュライト等が挙げられ
る。これらのうち特に好ましいものは水酸化アルミニウ
ム又は水酸化マグネシウムである。
【0068】また、前記水和金属化合物として、層状結
晶構造をなし該結晶層間に水和アニオンを有するハイド
ロタルサイト類化合物、又は層状結晶構造をなし該結晶
層間に有機アニオンを有するハイドロタルサイト類化合
物を用いることも好ましい。ここで、ハイドロタルサイ
ト類化合物とは、以下に述べるハイドロタルサイト及び
ハイドロタルサイト類を含む総称である。ハイドロタル
サイト(Hydrotalcite)は元々天然鉱物Mg6Al2(O
H)16CO 3・4〜5H2Oに与えられた名称であるが、
その後これと同じ結晶構造をもつ鉱物が多数発見され、
合成もされた。それは次の一般式(a)及び(b)で表
わされる。
【0069】 [M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+[anion]x- ・・・(a) [M3+ 2(OH)6l+ x]y+[anion]y- ・・・(b) ここで、0.1≦x≦0.4、0<y<2、Ml+はL
i、Na、K、Rb、Cs等に代表される1価の金属の
少なくとも1種、M2+はMg、Ca、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn等に代表される2価の金属の少な
くとも1種、M3+は、Al,Fe,Cr,In等に代表
される3価の金属の少なくとも1種、[anion]x-は結晶
層間に存在する水和アニオン又は有機アニオンである。
【0070】上記一般式(1)でM2+がMg、M3+がA
lである化合物がハイドロタルサイトと言われ、それ以
外の一般式(1)の化合物及び一般式(2)の化合物は
通称ハイドロタルサイト類と呼ばれている。これらのハ
イドロタルサイト及びハイドロタルサイト類はプラスに
電荷した基本層と、そのプラスを電気的に中和するアニ
オンと結晶水を持つ中間層からなる構造単位を有し、構
造破壊温度に違いがある他は殆ど似た性質を示すことが
知られている。なお、これらの化合物については「スメ
クタイト研究会会報”スメクタイト”」(第6巻第1号
P.12−26、1996,5月)に詳しく説明されて
いる。
【0071】上記のハイドロタルサイト類化合物の具体
例としては、スティヒタイト、パイロオーライト、リー
ベサイト、タコヴァィト、オネサイト、アイオワイト等
が挙げられる。
【0072】結晶層間に水和アニオンを有するハイドロ
タルサイト類化合物の場合は、上記一般式(1)及び
(2)中、[anion]x-が[An- x/n・mH2O]x-で表される水
和アニオンとなる。よって、結晶層間に水和アニオンを
有するハイドロタルサイト類化合物の一般式は、以下の
(c)及び(d)で表されるものとなる。ここで、An-
は、Cl− 、Br− 、CO3 2-、NO3 2-、SO4 2-
Fe(CN)6 4-、酒石酸イオンで表わされるn価のイ
オン交換性アニオンの少なくとも1種である。
【0073】 [M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+[An- x/n・mH2O]x- ・・(c) [M3+(OH)6l+ x]y+[An- x/n・mH2O]y- ・・・(d) ここで、0.1≦x≦0.4、0<y<2、mは1以上
の整数、nは1から4の整数である。Ml+、M2+、M3+
は、(a)式、(b)式と同じ意味である。[anion]x-
は結晶層間に存在する水和アニオン又は有機アニオンで
ある。
【0074】結晶層間に有機アニオンを有するハイドロ
タルサイト類化合物の場合、該有機アニオンとしては、
特に制限はないが、アミノ酸、含硫黄化合物、含窒素複
素環化合物及びそれらの塩化合物が好適である。
【0075】具体的には、ロイシン、システィン、フェ
ニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、リジン、6−アミノヘキシルカルボン酸、12−ア
ミノラウリルカルボン酸、N,N−ジメチル−6−アミ
ノヘキシルカルボン酸、N−n−ドデシル−N,N−ジ
メチル10−アミノデシルカルボン酸、ジメチル−N−
12アミノラウリルカルボン酸等のアミノ酸誘導体、2
−クロロベンズチアゾール、チオアセティック酸、メチ
ルジチオカルバミン酸、ジメチルジチアノカルバミン酸
等の含硫黄化合物及びその塩化合物、2−メルカプトチ
アゾリン、2,5−ジメルカプト−1,3,4チアジア
ゾール、1−カルボキシメチル−5−メルカプト1H−テ
トラゾール、2,4,6−トリメルカプト−s−トリア
ジン等の含窒素複素環化合物及びその塩化合物が挙げら
れる。
【0076】結晶層間に有機アニオンを有するハイドロ
タルサイト類化合物は、天然には存在せず、所定の有機
アニオンを含む有機溶剤でハイドロタルサイト類化合物
を処理することにより得ることができる。
【0077】本発明で用いられる表面処理された水和金
属化合物の粒子サイズは特に限定されないが、平均粒子
径が0.05〜40μmのものが好ましく、さらには
0.1〜2.0μmのものが好適である。平均粒子径が
30μmを超えると、硬化膜の透明性が悪化し光透過性
が低下したり、塗工膜表面の外観、平滑性が損なわれる
場合がある。一方、0.05μm未満では、粉体の生産
性が著しく低下するという難点がある場合がある。
【0078】ハイドロタルサイト類化合物を用いる場合
は、その結晶粒子のサイズは、平均粒子径が0.05〜
10μmの範囲が好ましく、0.1〜5.0μmが更に
好適である。平均粒子径が、10μmを超えると硬化膜
の光透過性を低下させると共に硬化過程において塗工膜
の収縮異方性によりソリが発生しやすくなる場合があ
る。一方、0.05μm未満では、粉体の生産性が著し
く低下するという難点がある場合がある。
【0079】本発明の表面処理された水和金属化合物の
粒子径は、溶媒中での沈降式粒度測定法や光散乱法で求
めることができる。或いは、透過型電子顕微鏡及び走査
型電子顕微鏡等で結晶粒子を直接観察し、個々の粒子の
幾何学的径を求め、個数基準による各フラクションの頻
度分布或いは、積算分布から求めるてもよい。平均粒子
径の値は、測定法によって異なる。上記の顕微鏡観察に
よる平均粒子径は個々の粒子の長短径の平均を求め、対
数正規分布から求めた値であるが、本発明においては、
上記のいずれかの方法により測定して上記の平均粒子径
の範囲に入ればよい。
【0080】本発明で用いられる水和金属化合物のより
好ましいものとしては、熱分解時の吸熱量が400J/
g以上、好ましくは600〜2500J/gの水和金属
化合物が挙げられる。吸熱量が400J/g以上であれ
ば、高い難燃効果が得られる場合がある。
【0081】(2)表面処理剤 本発明の水和金属化合物の表面処理には表面処理剤を用
いることができる。かかる表面処理がなされた水和金属
化合物を硬化性樹脂材料に配合することにより、高濃度
マスターバッチ中間体材料の製造に当っては混練時の粘
度上昇が抑えられて成形が容易となり、また透明性も格
段に向上する。更に硬化性樹脂組成物中における水和金
属化合物粒子の分散状態が良好になるため、可撓性、難
燃性が大幅に改善される。
【0082】表面処理剤としては、特に制限はないが、
両親媒性を有するものや極性を有するものが好ましい。
【0083】両親媒性を有する表面処理剤の具体例とし
ては、炭素数8以上の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸;第一
アミン、第二アミン、第三アミン及びそれらの塩化物;
第四級アンモニウム塩;アミン化合物;及びアミノ酸誘
導体からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0084】より具体的には、オクチルアミン、ラウリ
ルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、
ステアリルアミン、オレイルアミン、アクリルアミン、
ベンジルアミン、アニリン等に代表される第一アミン;
ジラウリルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデ
シルアミン、ジステアリルアミン、N−メチルアニリン
等に代表される第二アミン:ジメチルオクチルアミン、
ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメ
チルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジ
メチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−
ジメチルアニリン等に代表される第三アミン;テトラブ
チルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウム
イオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオ
クチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチル
アンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイ
オン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサ
デシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリ
メチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアン
モニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオ
ン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシ
ルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジル
アンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアン
モニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオ
ン、N−メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオ
ン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイ
オン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイ
オン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニ
ウムイオン、アルキルアミノプロピルアミン四級化物等
の第四級アンモニウムが挙げられる。
【0085】更に、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽
和脂肪酸及びそれらの金属塩、ウンデシレン酸、セトレ
イン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸及び
それらの金属塩、ロイシン、フェニルアラニン、チロシ
ン、リシン、12−アミノラウリルカルボン酸、N−n
−ドデシル−N,N−ジメチル10−アミノデシルカル
ボン酸、ジメチル−N−12アミノラウリルカルボン酸
等のアミノ酸誘導体等が挙げられる。
【0086】極性を有する表面処理剤の具体例として
は、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリ
ング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、及びシラ
ンカップリング剤からなる群から選択されるものが挙げ
られる。
【0087】シランカップリング剤としては、3−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニル・トリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0088】チタネートカップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネ
ート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオ
キシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホス
ファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチル
パイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピ
ルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソス
テアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピル
クミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−ア
ミドエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェ
ニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイル
エチレンチタネート等が挙げられる。アルミニウムカッ
プリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート等が挙げられる。
【0089】ジルコアルミネートカップリング剤として
は、下記一般式で表される骨格を有する化合物が挙げら
れる。ここで、官能基(−RX)において、Rは置換基
を有していてもよいアルキレン基を示し、Xはアミノ
基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、アル
ケニル基を示す。RX−としては、以下に示す有機基群
が例示される。これらの官能基は1種のみでもよく、ま
た2種以上有していても良い。 有機基群;−(CH2)2NH2、−(CH2)4COOH、−
(CH2)12CH3、−C(CH3)=CH2、−(CH2)2
H、−(CH2)2NH2
【0090】
【化1】
【0091】なお、表面処理剤の使用量は、好ましくは
水和金属化合物に対し0.1〜5.0質量%、より好ま
しくは0.4〜2.0質量%程度である。表面処理剤の
使用量が少なすぎると、硬化膜等のフィルム状物に成形
する際に粘度上昇を招きやすいため成形性が劣ることが
ある。一方、表面処理剤の使用量が多すぎると未反応物
の増加による膜の耐熱性低下や加熱工程でのアウトガス
の原因となる場合がある。
【0092】結晶層間に有機アニオンを有するハイドロ
タルサイト類化合物を用いる場合は、有機アニオンを含
む溶剤により処理した時点で表面処理がなされる。よっ
て、該結晶層間に有機アニオンを有するハイドロタルサ
イト類化合物自体がすでに表面処理を施されている物質
ということができるから、あらたに上述した表面処理剤
により表面処理をする必要はなく、そのまま本発明の
「表面処理剤により表面処理された水和金属化合物」と
して使用することができる。
【0093】(3)配合割合 本発明の表面処理された水和金属化合物は、レジスト用
硬化性樹脂材料100質量部に対し、好ましくは10〜
100質量部、より好ましくは20〜80質量部、特に
好ましくは30〜60質量部配合される。水和金属化合
物の配合割合が少なすぎると、難燃性が不足し、高い難
燃効果を得ようとすると結果として臭素化エポキシ化合
物、リン酸エステル化合物等の他の難燃性付与成分の割
合を増やさねばならず固形分酸価の低下、現像性の低下
を招く。一方、多すぎると硬化膜が不透明になりやす
く、また柔軟性が低下して可撓性が劣り、またソリの発
生する場合がある。
【0094】III.その他の配合成分 本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物には、上述した硬
化性プレポリマーと水和金属化合物の他に、必要に応じ
て種々の化合物を配合することができる。例えば、難燃
性付与成分として、臭素化エポキシ化合物及び/又はリ
ン酸エステル化合物を配合することができる。上記水和
金属化合物と組み合わせることにより、優れた難燃性付
与効果を発揮する。また、レジスト用硬化性樹脂材料が
光硬化性樹脂材料、電子線硬化性樹脂材料、又はX線硬
化性硬化性樹脂材料の場合には、必要に応じて熱硬化性
樹脂を熱硬化成分として熱重合触媒とともにレジスト用
硬化性樹脂組成物に含有させることができる。
【0095】<臭素化エポキシ化合物>臭素化エポキシ
化合物としては下記式(I)〜(III)で表される化
合物などが挙げられる。ここで、式(II)〜(II
I)中、Yは水素原子あるいは式(IV)で表される
基、Zは式(IV)で表される基である。pは0または
1以上、好ましくは1〜20の整数であり、qは0また
は1以上、好ましくは1〜10の整数である。
【0096】
【化2】
【0097】
【化3】
【0098】
【化4】
【0099】
【化5】
【0100】また、上記臭素化エポキシ化合物と不飽和
基含有モノカルボン酸との反応生成物に飽和若しくは不
飽和基含有多塩基酸無水物を反応させて得られる酸変性
臭素化エポキシ樹脂を用いることもできる。不飽和基含
有モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリ
ル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、
α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。飽和若しくは不飽和
基含有多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ
無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
【0101】上記のうち、特に好ましい臭素化エポキシ
化合物は、エポキシ当量200〜3,000、臭素含有
量40〜60質量%のテトラブロムビスフェノールA型
エポキシ樹脂である。エポキシ当量が200未満では十
分な可撓性が得られず、エポキシ当量が3,000を超
えると現像性が低下する可能性があると共に、入手が困
難になる場合がある。また、臭素含有量が50質量%未
満では十分な難燃性が得られず、60質量%を超えるも
のは入手が困難である場合がある。
【0102】臭素化エポキシ化合物のレジスト用硬化性
樹脂組成物に対する配合割合は特に制限されないが、好
ましくはレジスト用硬化性樹脂組成物100質量部に対
し、10〜80質量部、さらに好ましくは20〜60質
量部、特に好ましくは30〜50質量部使用することが
できる。臭素化エポキシ化合物の配合割合が少なすぎる
と、難燃効果が不十分な場合があり、多すぎると可撓
性、現像性が低下する場合がある。
【0103】<リン酸エステル化合物>本発明では、必
要に応じてリン酸エステル化合物を含めることができ
る。これにより、硬化性樹脂組成物の難燃性を高めるこ
とができる。特に、可撓性が不十分の場合に、上記水和
金属化合物と臭素化エポキシ化合物とリン酸エステル化
合物とを併用することにより、難燃性を損なうことなく
可撓性を高めることができるので好ましい。すなわち、
水和金属化合物、臭素化エポキシ化合物、及びリン酸エ
ステル化合物の3成分からなる難燃複合系にすること
で、難燃性と可撓性の両立を高水準で実現することが可
能となる。
【0104】本発明で必要に応じて用いられるリン酸エ
ステル化合物とは、化学構造で「P−O−R」(Rは有
機基)の結合を有する化合物を言い、通常はリン原子が
3価のものまたは5価のものが使用される。3価のもの
としては、ホスファイト(Phosphite)化合物、ホスホナ
イト(Phosphonite)化合物、ホスフィナイト(Phosphi
nite)化合物がある。一方5価のリン原子を有するもの
としては、ホスフェート(Phosphate)化合物、ホスホネ
ート(Phosphonate)化合物、ホスフィネート(Phosphina
te)化合物がある。そのうちで5価のリン原子を有する
リン酸エステル化合物が保存安定性の観点から好ましく
使用される。
【0105】これらのリン酸エステル化合物のエステル
を形成する有機基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、脂環族炭化水素基等のいずれであってもよ
いが、そのうち芳香族炭化水素基を有するものであるこ
とが、難燃性および半田耐熱性の観点から好ましい。
【0106】そのようなリン酸エステル化合物として
は、芳香族炭化水素基を有する5価のものが特に好まし
く、具体的にはトリフェニルホスフェート、レゾルシノ
ールビス(ジフェノル)ホスフェート、2ーエチルヘキ
シルジフェニルホスフェート、および下式(V)で表さ
れる骨格を含有するものが挙げられる(式(V)中、X
は同一でも異なっていてもよく、1価以上の芳香族基を
意味する)。
【0107】
【化6】
【0108】それらのうち好ましいのは上式(V)で表
される骨格を含有するものであり、さらに具体的には下
式(VI)〜(VII)で示される化合物が挙げられ
る。
【0109】
【化7】
【0110】
【化8】
【0111】(上記式(VI)において、Rは同一また
は相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を
あらわす。Yは直接結合、アルキレン基、フェニレン
基、−S−、−SO2−、または−CO−を表す。Ar
は同一または相異なる芳香族基または有機基で置換され
た芳香族基を意味する。k、mはそれぞれ0以上2以下
の整数であり、k+mは0以上2以下の整数である。n
は0以上の整数である。)
【0112】リン酸エステル化合物の分子量は、300
以上、さらに350以上、またさらに500以上のもの
が好ましい。リン酸エステル化合物は一種類のみでな
く、数種類を組み合わせて使用してもよい。分子量30
0以上のリン酸エステル化合物を全リン酸エステル化合
物成分中に50質量%以上含むと耐湿性、半田耐熱性の
観点からさらに好ましい。また本発明の組成物では、組
成物中に3価のリン原子を有するリン酸エステルを配合
して、組成物中での酸化によって5価のリン原子を有す
るリン酸エステルとしたものでも同様の効果が得られ
る。
【0113】リン酸エステル化合物の配合割合は特に制
限されないが、レジスト用硬化性樹脂組成物100質量
部に対し、好ましくは0.5〜40質量部、さらに好ま
しくは1〜30質量部、特に好ましくは5〜20質量部
使用することができる。リン酸エステル化合物の配合割
合が少なすぎると、可撓性が不十分な場合があり、多す
ぎるとブリードアウトにより塗工膜外観を損なう場合が
ある。
【0114】<熱硬化性樹脂>本発明においては、レジ
スト用硬化性樹脂材料が光硬化性樹脂材料、電子線硬化
性樹脂材料、又はX線硬化性硬化性樹脂材料の場合に
は、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化成分としてレジ
スト用硬化性樹脂組成物に含有させることができる。か
かる熱硬化性樹脂としてはそれ自身が熱によって硬化す
るものや、例えば感光性プレポリマーのカルボキシル基
等と熱により反応するものでもよい。かかる熱硬化性樹
脂としては、上述した熱硬化性樹脂材料に使用されるも
のと同様の樹脂材料から選択することができる。これら
の熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。これらのうち好ましいものはエポ
キシ樹脂である。エポキシ樹脂の具体例についても、上
述した熱硬化性樹脂材料に使用されるものとして挙げた
もののなかから選択することができる。
【0115】また、本発明のレジスト用硬化性樹脂組成
物は、エポキシ樹脂からなる相を含む不均一系となって
いることが好ましい。具体的には、硬化前のレジスト用
硬化性樹脂組成物中に、固体状または半固体状のエポキ
シ樹脂が認められる状態などであり、エポキシ樹脂がレ
ジスト用硬化性樹脂組成物中に、不均一に混合している
状態である。また、その粒径はスクリーン印刷に支障を
きたさない程度が好ましい。例えば、硬化前のレジスト
用硬化性樹脂組成物の全体が均一に透明ではなく、少な
くとも一部が不透明であることなども含まれる。このよ
うに、硬化前のレジスト用硬化性樹脂組成物が、エポキ
シ樹脂からなる相を含む不均一系であると、レジスト用
硬化性樹脂組成物のポットライフが長くなるため好まし
い。
【0116】このような目的で使用されるエポキシ樹脂
の好ましいものとしては、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリッ
クエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂およびテトラグリシジルキシレノ
イルエタン樹脂であり、さらにはこれらのエポキシ樹脂
からなる相がレジスト用硬化性樹脂組成物に含まれてい
て、硬化前のレジスト用硬化性樹脂組成物が不均一系と
なっていることが好ましい。このように、硬化前のレジ
スト用硬化性樹脂組成物が不均一系となるエポキシ樹脂
としては、明確な融点を持った結晶であり不均一系を形
成しやすく、さらに、硬化物の耐熱性が高いものが得ら
れるという点で、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ま
しい。
【0117】本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物にお
いて熱硬化性樹脂を併用する場合、その配合量は、光硬
化性樹脂材料を使用する場合は、光硬化成分(上記感光
性プレポリマー(A)とエチレン性不飽和基を有する化
合物(B))の合計100質量部に対して10〜150
質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部で
ある。
【0118】熱硬化性樹脂の配合量が10質量部未満で
は、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる硬化膜のはん
だ耐熱性が不十分となる場合がある。一方、150質量
部を超えると、硬化膜の収縮量が多くなり、硬化膜をF
PC基板の絶縁保護被膜に用いると、そり変形(カー
ル)が増大する傾向がある。
【0119】<熱重合触媒>本発明において、光硬化性
樹脂材料(あるいは電子線硬化性樹脂材料又はX線硬化
性樹脂材料)を用いる場合に熱硬化性樹脂を併用すると
きは、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化させる作用を
示す熱重合触媒を用いることができる。具体的には、ア
ミン類、該アミン類の塩化物等のアミン塩類や第四級ア
ンモニウム塩類、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水
物、芳香族酸無水物等の酸無水物類、ポリアミド類、イ
ミダゾール類、トリアジン化合物等の窒素含有複素環化
合物類、有機金属化合物等を使用することができる。こ
れらは1種または2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0120】アミン類としては、脂肪族および芳香族の
第一、第二、第三アミンが挙げられる。脂肪族アミンの
例としてはポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、
ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、ア
ミノエチルエタノールアミン、ビス(ヘキサメチレン)
トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサ
ン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]ウンデセン−7−エン等が挙げられる。芳香族アミ
ンの例としてはメタフェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジアミノジフォニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルフォン等が挙げられる。
【0121】酸無水物類としては、無水フタル酸、無水
トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテー
ト)等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ポリアジピン酸無水
物、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸等
が挙げられる。
【0122】ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエ
チレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリ
アミンを縮合反応させて得られる第一および第二アミノ
基を有するポリアミノアミドが挙げられる。イミダゾー
ル類としては、具体的には、イミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミ
ダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウ
ム・イソシアムレート等が挙げられる。
【0123】トリアジン化合物は、窒素原子3個を含む
6員環を有する化合物であって、例えばメラミン化合
物、シアヌル酸化合物およびシアヌル酸メラミン化合物
等が挙げられる。具体的には、メラミン化合物としてメ
ラミン、N−エチレンメラミン、N,N’,N’’−ト
リフェニルメラミン等が挙げられる。シアヌル酸化合物
としては、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシ
アヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチ
ルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ
(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピ
ル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,
N’−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレー
ト、メチルイソシアヌレート等が挙げられる。シアヌル
酸メラミン化合物は、メラミン化合物とシアヌル酸化合
物との等モル反応物が挙げられる。
【0124】有機金属化合物としては、有機酸金属塩、
1,3−ジケトン金属錯塩、金属アルコキシド等が挙げ
られる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫マレエート、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の有機酸
金属塩、ニッケルアセチルアセトナート、亜鉛アセチル
アセトナート等の1,3−ジケトン金属錯塩、チタンテ
トラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、アル
ミニウムブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられ
る。
【0125】熱重合触媒の使用量は、熱硬化性樹脂10
0質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜
10質量部である。熱重合触媒の使用量が0.5質量部
より少ないと硬化反応が十分に進まず、耐熱性が低下す
る。また、長時間、高温での硬化が必要となるため、作
業効率低下の原因となることがある。20質量部以上に
なると、レジスト用硬化性樹脂組成物中のカルボキシル
基と反応し、ゲル化が起こりやすくなり、保存安定性の
低下などの問題を生じることがある。
【0126】<その他>また、レジスト用硬化性樹脂組
成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒
を添加して使用してもよい。このようにして粘度を調節
することによって、ローラーコート、スピンコート、ス
クリーンコート、カーテンコートなどで対象物上に塗布
したり、印刷したりしやすくなる。
【0127】有機溶媒としては、エチルメチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸
ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアル
コール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテー
ト、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カ
ルビトール系およびそれらのエステル、エーテル誘導体
の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチル
スルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール
系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘ
キサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリ
ン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族
系および脂環族系等の溶媒等が挙げられる。1種または
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0128】有機溶媒の使用量は、レジスト用硬化性樹
脂組成物の粘度が500〜500,000mPa・s
[B型粘度計(Brookfield Viscometer)にて25℃で測
定]になるよう調節するのが好ましい。更に好ましくは
1,000〜500,000mPa・sである。このよ
うな粘度であると対象物への塗布や印刷により適し、使
用しやすくなる。また、このような粘度とするために好
ましい有機溶媒の使用量は、有機溶媒以外の固形分の
1.5質量倍以下が好ましい。1.5質量倍を超えると
固形分濃度が低くなり、このレジスト用硬化性樹脂組成
物を基板などに印刷する場合、一回の印刷で十分な膜厚
が得られず、多数回の印刷が必要になる場合がある。
【0129】また、このようなレジスト用硬化性樹脂組
成物にさらに着色剤を加えて、インクとして使用するこ
ともできる。着色剤としては、フタロシアニン・ブル
ー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックが挙げ
られる。インクとして使用する場合も、その粘度は50
0〜500,000mPa・s[B型粘度計(Brookfiel
d Viscometer)にて25℃で測定]であることが好まし
い。
【0130】本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物に
は、流動性の調整のため、さらに流動調整剤を添加する
ことができる。流動性調整剤は、例えば、レジスト用硬
化性樹脂組成物をローラーコート、スピンコート、スク
リーンコート、カーテンコートなどで対象物に塗布する
場合などに、レジスト用硬化性樹脂組成物の流動性を適
宜調節でき好ましい。流動調整剤としては、例えば、無
機および有機充填剤、ワックス、界面活性剤等が挙げら
れる。
【0131】無機充填剤の具体例としては、タルク、硫
酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、珪
酸塩化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム等が挙げられる。有機充填剤の具体例と
しては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙
げられる。ワックスの具体例としては、ポリアミドワッ
クス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。界面
活性剤の具体例としては、シリコンオイル、高級脂肪酸
エステル、アミド等が挙げられる。これらの流動性調整
剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることが
できる。また、これらのうちでは、無機充填剤を使用す
ると、レジスト用硬化性樹脂組成物の流動性だけではな
く、密着性、硬度などの特性も改良できるため好まし
い。
【0132】また、レジスト用硬化性樹脂組成物には必
要に応じて、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリン
グ剤、密着性付与剤等の添加剤を添加することができ
る。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。
【0133】増粘剤としては、ヘクトライト、モンモリ
ロナイト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイ
ト、四珪素マイカ、テニオライト等の層状珪酸塩及びそ
れらを有機カチオン処理した層間化合物、シリカ及び有
機化シリカ等が挙げられる。
【0134】消泡剤は、印刷、塗工時および硬化時に生
じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル
系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。レベリン
グ剤は、印刷、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くす
ために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコン系
等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、
イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シラ
ンカップリング剤等が挙げられる。
【0135】他の添加剤として、例えば保存安定性のた
めに紫外線防止剤、可塑剤などを、本発明の主旨を損ね
ない範囲で添加することができる。
【0136】IV.レジスト用硬化性樹脂組成物の製造
方法 本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、上記の各成分
を通常の方法で混合することによって製造することがで
きる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混
合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべ
ての成分を一括で混合してもよい。
【0137】具体的には、上記した各成分を混合した
後、溶融混練することが好ましく、たとえばバンバリー
ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、単軸もしく
は二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法
を用いて溶融混練することにより製造される。溶融温度
としては60〜130℃の範囲が好ましい。
【0138】V.レジスト用硬化性樹脂組成物の硬化物
及び用途 本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、基板上などに
適当な厚みで塗布し、熱処理して乾燥し、その後、露
光、現像、熱硬化して硬化させることにより、硬化物と
することができる。
【0139】本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、
様々な用途に使用できるが、特に、光感度、現像性に優
れ、かつ、硬化させて薄膜とした場合の基板との密着
性、絶縁性、耐熱性、そり変形性、可撓性、外観にもに
優れるため、プリント配線基板の絶縁保護被膜としての
使用に適している。
【0140】絶縁保護被膜を形成する場合には、レジス
ト用硬化性樹脂組成物やインクを回路が形成された基板
上に10μm〜100μmの厚みで塗布した後、60℃
〜100℃の温度範囲で、5〜30分間程度で熱処理し
て乾燥し、5〜70μmの厚みとした後、所望の露光パ
ターンが施されたネガマスクを介して露光し、未露光部
分を現像液で除去して現像し、100℃〜180℃の温
度範囲で、10〜40分間程度熱硬化して硬化させる方
法が挙げられる。このレジスト用硬化性樹脂組成物は、
難燃性のみならず、硬化物とした場合の可撓性にとりわ
け優れ、柔軟性に優れるため、FPC基板の絶縁保護被
膜に用いるのに特に適していて、カールが少なく、取扱
い性にも優れたFPC基板とすることができる。また、
例えば、多層プリント配線基板の層間の絶縁樹脂層とし
て使用してもよい。
【0141】露光に用いられる活性光は、公知の活性光
源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノ
ンアーク等から発生する活性光が用いられる。感光層に
含まれる光重合開始剤(C)の感受性は、通常、紫外線
領域において最大であるので、その場合は活性光源は紫
外線を有効に放射するものが好ましい。もちろん、光重
合開始剤(C)が可視光線に感受するもの、例えば、
9,10−フェナンスレンキノン等である場合には、活
性光としては可視光が用いられ、その光源としては前記
活性光源以外に写真用フラッド電球、太陽ランプなども
用いられる。また、現像液には、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類
などのアルカリ水溶液を使用することができる。
【0142】本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、
感光性ドライフィルムの感光層に使用することもでき
る。感光性ドライフィルムは、重合体フィルムなどから
なる支持体上に、レジスト用硬化性樹脂組成物からなる
感光層を有するものである。感光層の厚みは10〜70
μmが好ましい。
【0143】支持体に使用される重合体フィルムとして
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリ
エステル等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、低密
度ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなるフィル
ム等を例示でる。これらのうち、ポリエステルおよび低
密度ポリエチレンからなるフィルムが好ましい。また、
これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去する必
要があるため、感光層から容易に除去可能であることが
好ましい。これらの重合体フィルムの厚さは、通常5〜
100μm、好ましくは10〜30μmである。
【0144】感光性ドライフィルムは、レジスト用硬化
性樹脂組成物を支持体上に塗布し乾燥する感光層形成工
程により製造できる。また、形成された感光層上に、カ
バーフィルムを設けることにより、支持体、感光層、カ
バーフィルムが順次積層され、感光層の両面にフィルム
を有する感光性ドライフィルムを製造することもでき
る。カバーフィルムは感光性ドライフィルムの使用時に
は剥がされるが、使用時までの間に感光層上にカバーフ
ィルムが設けられることにより、感光層を保護でき、ポ
ットライフに優れた感光性ドライフィルムとなる。カバ
ーフィルムとしては、上述した支持体に使用される重合
体フィルムと同様のものを使用でる。カバーフィルムと
支持体とは、同じ材料であっても異なる材料であっても
よく、また、厚みも同じであっても異なっていてもよ
い。
【0145】感光性ドライフィルムを使用して、プリン
ト配線基板に絶縁保護被膜を形成するためには、まず、
感光性ドライフィルムの感光層と基板とを貼合する貼合
工程を行う。ここで、カバーフィルムが設けられている
感光性ドライフィルムを使用する場合には、カバーフィ
ルムを剥がして感光層を露出させてから基板に接触させ
る。そして、感光層と基板とを加圧ローラなどで40〜
120℃程度で熱圧着して、基板上に感光層を積層す
る。
【0146】そして、感光層を所望の露光パターンが施
されたネガマスクを介して露光する露光工程と、感光層
から支持体を剥離する工程と、現像液で未露光部分を除
去し現像する現像工程と、感光層を熱硬化させる熱硬化
工程を行うことによって、基板の表面に絶縁保護被膜が
設けられたプリント配線基板を製造することができる。
【0147】また、このような感光性ドライフィルムを
使用して、多層プリント配線基板の層間に絶縁樹脂層を
形成してもよい。
【0148】なお、露光に用いられる活性光および現像
液には、上述したものを同様に使用できる。
【0149】上述したような種々の用途において、本発
明のレジスト用硬化性樹脂組成物は、優れたフィルム成
形性と透明性とを有し、且つ高い難燃効果も有してい
る。しかも、他の難燃性付与成分と組み合わせることに
より、更にいっそう優れた難燃性を発揮しうる。その一
方で、外観が美しく高い可撓性が保たれ、また光感度や
現像性に優れ、さらに耐熱性、電気絶縁性、配線基板に
対する密着性などの性能をも満足する硬化膜を形成する
ことができる。そして、この硬化膜は、特に、透明性、
難燃性、可撓性、電気絶縁性、外観に優れる。よって、
FPC基板のような薄い配線基板に使用した場合でも、
カールが生じず、電気的性能や取り扱い性にも優れた可
撓性の良好な絶縁保護被膜を形成することができる。
【0150】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみに限定される
ものではない。
【0151】
【製造例1〜3】以下の製造例1〜3において、カルボ
キシル基を有する感光性プレポリマー(A)を合成し
た。
【0152】[製造例1]<EA−1> ガス導入管、攪拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラ
スコに、旭チバ(株)製のビスフェノールA型エポキシ
化合物(商品名“アラルダイト#2600”)291g、ビ
スフェノールA129g及び触媒としてのトリエチルア
ミン0.20gとを仕込み、150〜160℃で1時間
反応させ、軟化点97℃、エポキシ当量1000g/eq
uivのビスフェノールA型エポキシ化合物を得た。これ
にアクリル酸30g、重合禁止剤としてのモノメチルエ
ーテルハイドロキノン0.45g及びエステル化触媒と
してのトリフェニルホスフィン1.65gを仕込み、1
20℃で5時間反応させ、固形分酸価1mgKOH/g
の反応物を得た。さらにこれに、テトラハイドロ無水フ
タル酸168gを投入して120℃で3時間攪拌し、固
形分酸価が100mgKOH/gになるまで反応させ
た。これに溶剤としてエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート265gと三菱石油(株)製のスーパ
ーゾール#1800 114gを投入し、エポキシアク
リレート樹脂(EA−1)を得た。
【0153】[製造例2]<UA−1> 攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、
ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業
(株)製、PTMG−850、分子量850)2550
g(=3mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキ
シ化合物としてジメチロールプロピオン酸670g(=
5mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイ
ソシアナート1776g(=8mol)及びヒドロキシ
ル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、238g(=2.05mo
l)、さらにp−メトキシフェノール及びジ−t−ブチ
ル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつを投入し
た。攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル
錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度
が低下し始めたら再度加熱して、80℃で攪拌を続け、
赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペク
トル(2280cm−1)が消失したことを確認して反
応を終了し、固形分酸価が46mgKOH/gの固形分
濃度60%のカルボキシル基含有感光性プレポリマー
(UA−1)を得た。このものの粘度(25℃)は25
000mPa・sであった。
【0154】[製造例3]<UA−2> ポリマーポリオールとして、ヘキサメチレンカーボネー
トおよびペンタメチレンカーボネートに由来の単位を
1:1で含むポリカーボネートジオール(分子量80
0)800g(=1mol)、カルボキシル基を有する
ジヒドロキシ化合物としてジメチロールプロピオン酸9
38g(=7mol)、ポリイソシアナートとしてイソ
ホロンジイソシアナート1998g(=9mol)およ
びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして
2−ヒドロキシエチルアクリレート238g(=2.0
5mol)を各々使用した以外は製造例1の<UA−1
>と同様にして合成した。得られたウレタンアクリレー
ト(UA−2)の数平均分子量は18,000、固形分
酸価は90mgKOH/gであった。
【0155】<実施例1〜8、比較例1〜4>(レジス
ト用硬化性樹脂組成物の調製) 表1に示す配合割合(質量部)で、カルボキシル基を有
する感光性プレポリマーとして上記製造例1〜3で製造
した<EA−1,UA−1,UA−2>と、エチレン性
不飽和基を有する化合物と、光重合開始剤と、水和金属
化合物と、臭素化エポキシ化合物と、リン酸エステル化
合物と、熱硬化性樹脂と、熱重合触媒とを混合して、硬
化性難燃組成物を調製した。なお、感光性プレポリマー
の合成や組成物の調製には溶媒を使用しているが、表1
の配合割合は全て乾燥後の固形分換算で表示している。
【0156】エチレン性不飽和基を有する化合物として
は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・M−
400(東亜合成株式会社製)、ウレタンアクリレート
・EB1290K(ダイセル化学工業株式会社製)を使
用した。
【0157】光重合開始剤としては、BASF社製
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン
オキサイド・TPO(光重合開始剤‐1)、チバ・スペ
シャリティー・ケミカルズ株式会社製 2−ベンジル−
2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1(商品名「イルガキュア369」;
「イルガキュア」は登録商標)(光重合開始剤‐2)、
チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製 1−
ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品
名「イルガキュア184」)(光重合開始剤−3)を使
用した。
【0158】<水酸化アルミニウム−1,−2,−3>水
和金属化合物としては、水酸化アルミニウム・ハイジラ
イトH−43M(昭和電工株式会社製)[走査型電子顕
微鏡(日本電子製JSM−5500LV)を用いて加速
電圧20kVで二次電子像観察を行ない、その長短径比
から計算して求めた平均粒子径;0.6μm]を使用し
た。表面処理剤としては、(1)ステアリン酸(両親媒
性化合物;純正化学(株)製の試薬)、(2)3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランA−187(日本
ユニカー株式会社製シランカップリング剤)、(3)3
−メルカプトプロピルトリメトキシシランA−189
(日本ユニカー株式会社製シランカップリング剤)の3
種類を用いた。このように表面処理剤(1)〜(3)を
用いて得られる表面処理された水酸化アルミニウムを、
各々水酸化アルミニウム−1、−2、−3とする。
【0159】なお、表面処理は、次のように行った。ス
テアリン酸を用いる場合は、水酸化アルミニウムとステ
アリン酸(3質量%)を20Lヘンシャルミキサーに供
給し、攪拌しながら100℃±5℃に加熱してステアリ
ン酸を溶解させることで水酸化アルミニウムの表面処理
を行なった。シランカップリング剤の場合、まず水酸化
アルミニウムに対して1質量%量の上記シランカップリ
ング剤を計量し、水/アルコール=1/9(vol/v
ol)の溶液に4倍希釈した。次いで、上記水酸化アル
ミニウムの10質量%水分散液を調製し、攪拌しなが
ら、これに該シランカップリング剤を投入した。シラン
カップリング剤を完全に投入した後、5時間攪拌して濾
過し、80℃で12時間真空乾燥して試料を得た。尚、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランA−18
7については、希釈剤を用いずにシランカップリング剤
を投入後、ヘンシェルミキサーを80℃まで昇温して処
理を行なった。
【0160】<ハイドロタルサイト−1,−2> (1)原料として硝酸マクネシウムと硝酸アルミニウム
3水酸化ナトリウムを用い、文献〔S.Miyata,
Clays & Clay Minearals,
,369−375(1975)〕の方法にしたがっ
て、ハイドロタルサイトの合成を行った。水酸化ナトリ
ウムの滴下速度を50ml/分,60℃、6時間エージ
ングしたのち、硝酸イオンを層間イオンとした構造式
[Mg0.7Al0 .3(OH)2(NO31.00.6H2O]
のハイドロタルサイト(未処理品)を得た。本単結晶粒
子の粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(日本電子製CX
200)を用いて加速電圧120kVで観察し、その長
短径比から計算して求めた平均粒子径は、0.4μmで
あった。このハイドロタルサイト結晶にステアリン酸を
3質量%の割合で混合し、ヘンシェルミキサー中で攪拌
しながら100℃まで昇温して5分間攪拌して試料(ハ
イドロタルサイト−1)を得た。
【0161】(2)硝酸マクネシウムと硝酸アルミニウ
ムの混合水溶液(モル比3:1)に水酸化ナトリウムで
調製したpH10のD,L-フェニルアラニン(純正化
学株式会社製 試薬)水溶液を滴下してD,L-フェニ
ルアラニンを層間イオンとしたハイドロタルサイトを共
沈させた。混合液に適宜水酸化ナトリウムを滴下してp
H10に保ち、60℃、6時間エージングしたのち、洗
浄、濾過を繰り返し、乾燥、粉砕して試料(ハイドロタ
ルサイト−2)を得た。
【0162】臭素化エポキシ化合物としては、ビスフェ
ノールA型臭素化エポキシ樹脂・エピコートE−505
0(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を使用した。
リン酸エステル化合物としては、芳香族縮合リン酸エス
テルPX−200(大八化学工業(株)製)を使用し
た。熱硬化性樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂
YL6121H(ジャパンエポキシレジン株式会社製)
を使用した。熱重合触媒としては、メラミン(日産化学
工業株式会社製)を使用した。
【0163】
【表1】
【0164】<感光性ドライフィルムの作製>上記実施
例1〜8、比較例1〜4でメチルセロソルブアセテート
を溶媒として調製したレジスト用硬化性樹脂組成物(粘
度5,000mPa・s,25℃)を、23μm厚ポリ
エチレンテレフタレート製フィルム上にドクターブレー
ドを使用して塗工し、80℃、7分で乾燥して感光層を
形成した後、その上に25μm厚の低密度ポリエチレン
フィルムを貼合して、カバーフィルムを有する感光性ド
ライフィルムを作製した。乾燥後の感光層の膜厚は40
±1μmであった。
【0165】<積層物試験片の作製>上記感光性ドライ
フィルムのカバーフィルムを剥がし、感光層を70℃に
加熱し、一方、評価用基板を60℃に加温し、感光層と
評価用基板とを、加圧ロールを具備したラミネーターで
貼合し、積層物試験片を得た。なお、評価用基板として
は、下記の(1)及び(2)を使用した。 (1)銅箔(厚さ35μm)を片面に積層したポリイミ
ドフィルム(厚さ50μm)からなるプリント基板〔ユ
ピセル(登録商標)N、宇部興産株式会社製〕を1%硫
酸水溶液で洗浄し、水洗後、空気流で乾燥したもの。 (2)25μm厚ポリイミドフィルム〔カプトン(登録
商標)100H、東レ・デュポン株式会社製〕
【0166】<積層物試験片の露光、現像、熱硬化>得
られた各積層物試験片を、メタルハライドランプを有す
る露光機〔オーク(株)製〕HMW−680GWを用い
て500mJ/cm2 で露光した。次に、30℃の1質
量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて1分間現像し、未露
光部分を除去し現像後、150℃、30分の加熱処理を
行い、銅張り積層板(評価用基板(1)を使用)とポリ
イミド積層板(評価用基板(2)を使用)を得た。な
お、光感度、現像性の評価試料の作製時には、ネガパタ
ーンとして日立化成(株)製 21段ステップタブレッ
トを用いて露光した。
【0167】<物性評価>物性評価は以下のようにして
実施した。結果を表2に示す。 〔評価項目〕
【0168】・燃焼性 試験片は、以下の方法で作成した。厚み25μm、20
0mm×50mmのポリイミドフィルム(東レデュポン
製,カプトン100H)の両面に、厚みが40μmの硬
化性難燃組成物層を設け、その後、500mJ/cm2
でUV照射後、150℃、30分で熱硬化した。この試
料を70℃で168時間状態調整した後、260℃のサ
ンドバスにて10秒のソルダーショック処理を行ない難
燃試験用の試料とした。燃焼特性は米国のUnderwriters
Laboratories Inc.(ULと略す)の高分子材料の難燃
性試験規格94UL−VTM試験に準拠した方法で難燃
性を評価した。本評価では、試験片数5本を1セットと
した1回のみの試験を実施した。更に難燃性を比較する
為、5本の試験片が消火に要した時間の合計と試験片5
本中の消火試験片数を読み取った。
【0169】なお、表2中の「VTM」および「NO
T」は、以下の基準による。 「VTM−0」:下記の要求事項をすべて満足するもの (1)全ての試験片は、各回接炎中止後10秒を越えて
有炎燃焼しない。 (2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、
有炎燃焼時間の合計が50秒を超えないこと。 (3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達し
ないこと。 (4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しないこと。 (5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼
の合計は30秒を超えないこと。 (6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適
しないとき、または有炎時間の合計が51秒から55秒
の範囲にあるときは、更に5個の試験片を試験し、すべ
てが(1)から(5)を満足すること。
【0170】「VTM−1」:下記の要求事項をすべて
満足するもの (1)全ての試験片は、各回接炎中止後30秒を越えて
有炎燃焼しない。 (2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、
有炎燃焼時間の合計が250秒を超えないこと。 (3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達し
ないこと。 (4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しないこと。 (5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼
の合計は60秒を超えないこと。 (6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適
しないとき、または有炎時間の合計が251秒から25
5秒の範囲にあるときは、更に5個の試験片を試験し、
すべてが(1)から(5)を満足すること。
【0171】「VTM−2」:下記の要求事項をすべて
満足するもの (1)全ての試験片は、各回接炎中止後30秒を越えて
有炎燃焼しない。 (2)各組5個の試験片に合計10回の接炎を行ない、
有炎燃焼時間の合計が250秒を超えないこと。 (3)有炎または赤熱燃焼が125mmの標線まで達し
ないこと。 (4)有炎滴下物により、脱脂綿が着火しても良い。 (5)第2回目の接炎中止後、各試料の有炎と赤熱燃焼
の合計は60秒を超えないこと。 (6)1組5個の試験片のうち1個のみが要求事項に適
しないとき、または有炎時間の合計が251秒から25
5秒の範囲にあるときは、更に5個の試験片を試験し、
すべてが(1)から(5)を満足すること。 「NOT」:以上のクラスいずれにも合格しない場合
【0172】・光感度 ネガパターンとして日立化成(株)製 21段ステップ
タブレットを試料上に重ね、500mJ/cm2 で露光
した。次に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を
1分間現像して未露光部分を除去し現像後して、銅張り
積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの
段数を測定することにより、硬化性難燃組成物の光感度
を評価した。光感度は、ステップタブレットの段数で示
され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感
度が高いことを示す。
【0173】・現像性 光感度評価時において、現像時に1質量%炭酸ナトリウ
ム水溶液を現像液として用いて温度30℃、スプレー圧
2kg/cm2の条件で1分間現像させた後の銅張り積
層板上の状態を目視判定した。表2中の略号は以下を示
す。 ○:現像できたもの △:現像残りが若干あり ×:現像残りがある
【0174】・耐折性 試料は、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面にレ
ジストをラミネートした後、上記条件にて露光、現像、
硬化した試験片を幅15mm,長さ110mmにカット
して調製した。評価はJIS C5016耐折性試験に
準拠して(株)東洋精機製作所製MIT耐揉疲労試験機
S型を使用して評価した。ヒラキ0.25mm、R=
0.38の折曲げ装置に試料を装着し、荷重4.9N、
左右135°、速度175cpmで左右に繰り返し折り
曲げた。折り曲げ試験は、10回毎に休止して、各試験
片の折曲げ箇所を顕微鏡で観察した。レジスト層に亀裂
が入らない折り曲げ回数の最大値を読み取った。
【表2】
【0175】
【発明の効果】本発明のレジスト用硬化性樹脂組成物
は、良好な光感度とアルカリ現像性を有し、さらに高い
難燃性と可撓性を具備した保護膜を形成することができ
る。よって、特にFPC用カバーレイ、ソルダーレジス
ト等の形成に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 健一 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社総合研究所川崎研究室内 (72)発明者 平田 元之 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社総合研究所川崎研究室内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA04 AA13 AA20 AB11 AB15 AC01 AD01 BC13 BC66 BC74 BC85 CA00 CC08 CC20 5E314 AA32 BB06 DD07 FF06 GG08 GG26

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レジスト用硬化性樹脂材料及び表面処理さ
    れた水和金属化合物を含むレジスト用硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】前記水和金属化合物が、両親媒性及び/ま
    たは極性を有する表面処理剤により表面処理されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のレジスト用硬化性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】前記水和金属化合物が、両親媒性の表面処
    理剤により表面処理されていることを特徴とする、請求
    項1に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記両親媒性の表面処理剤が、炭素数6以
    上の飽和脂肪酸;不飽和脂肪酸及びそれらの塩;第一級
    アミン、第二級アミン、第三級アミン及びそれらの塩;
    第四級アンモニウム塩;アミン化合物;及びアミノ酸誘
    導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項
    2または3に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記水和金属化合物が、極性を有する表面
    処理剤により表面処理されていることを特徴とする請求
    項1に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記極性を有する表面処理剤が、チタネー
    トカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジル
    コアルミネートカップリング剤、及びシランカップリン
    グ剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項
    2または5に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記水和金属化合物が、水酸化アルミニウ
    ム又は水酸化マグネシウムである請求項1〜6のいずれ
    か一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記水和金属化合物が、層状結晶構造をな
    し該結晶層間に水和アニオンを有するハイドロタルサイ
    ト類化合物である、請求項1〜6のいずれか一つに記載
    のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記表面処理された水和金属化合物が、層
    状結晶構造をなし該結晶層間に有機アニオンを有するハ
    イドロタルサイト類化合物である請求項1〜6のいずれ
    か一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記有機アニオンが、アミノ酸、含硫黄
    化合物、含窒素複素環化合物及びそれらの塩からなる群
    から選択されるものである請求項9に記載のレジスト用
    硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】前記表面処理された水和金属化合物の平
    均粒子径が0.1〜30μmである請求項1〜10のい
    ずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】前記表面処理された水和金属化合物が、
    レジスト用硬化性樹脂材料100質量部に対し10〜1
    00質量部配合されていることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】前記レジスト用硬化性樹脂材料が、光硬
    化性樹脂材料である請求項1〜12のいずれか一つに記
    載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】前記光硬化性樹脂材料が、アクリル系モ
    ノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光
    性プレポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)
    を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、及び
    光重合開始剤(C)からなることを特徴とする請求項1
    3に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】前記感光性プレポリマー(A)が、1分
    子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不
    飽和結合を併せ持つことを特徴とする請求項14に記載
    のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】前記感光性プレポリマー(A)が、カル
    ボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合
    物であることを特徴とする請求項14又は15に記載の
    レジスト用硬化性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】前記カルボキシル基を有するエポキシ
    (メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgK
    OH/g以上であることを特徴とする請求項16に記載
    のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】前記感光性プレポリマー(A)が、カル
    ボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合
    物であることを特徴とする、請求項14又は15に記載
    のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】前記カルボキシル基を有するウレタン
    (メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が5〜150
    mgKOH/gであることを特徴とする、請求項18に
    記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】前記感光性プレポリマー(A)が、固形
    分酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未
    満のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレ
    ート化合物と、固形分酸価が60mgKOH/g以上、
    150mgKOH/g以下のカルボキシル基を有するウ
    レタン(メタ)アクリレート化合物とを含むことを特徴
    とする請求項14又は15に記載のレジスト用硬化性樹
    脂組成物。
  21. 【請求項21】前記レジスト用硬化性樹脂材料が、電子
    線硬化性樹脂材料である請求項1〜12のいずれか一つ
    に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  22. 【請求項22】前記レジスト用硬化性樹脂材料が、X線
    硬化性樹脂材料である請求項1〜12のいずれか一つに
    記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  23. 【請求項23】熱硬化性樹脂を含有することを特徴とす
    る請求項1〜22のいずれか一つに記載のレジスト用硬
    化性樹脂組成物。
  24. 【請求項24】前記レジスト用硬化性樹脂材料が、熱硬
    化性樹脂材料である請求項1〜12のいずれか一つに記
    載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  25. 【請求項25】有機溶媒が含まれていることを特徴とす
    る請求項1〜24のいずれか一つに記載のレジスト用硬
    化性樹脂組成物。
  26. 【請求項26】臭素化エポキシ化合物が配合されている
    ことを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一つに記
    載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  27. 【請求項27】前記臭素化エポキシ化合物が、エポキシ
    当量200〜3,000、臭素含有量40〜60質量%
    のテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項26に記載のレジスト用硬化性
    樹脂組成物。
  28. 【請求項28】前記臭素化エポキシ化合物が、レジスト
    用硬化性樹脂材料100質量部に対し10〜80質量部
    配合されていることを特徴とする、請求項26又は27
    に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  29. 【請求項29】リン酸エステル化合物が配合されている
    ことを特徴とする請求項1〜28のいずれか一つに記載
    のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  30. 【請求項30】前記リン酸エステル化合物が芳香族基を
    有し、かつそのリン原子が5価であることを特徴とする
    請求項29に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  31. 【請求項31】前記リン酸エステル化合物が、レジスト
    用硬化性樹脂材料100質量部に対し0.5〜40質量
    部配合されていることを特徴とする、請求項29又は3
    0に記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  32. 【請求項32】粘度が500〜500,000mPa・
    s(25℃)であることを特徴とする請求項1〜31の
    いずれか一つに記載のレジスト用硬化性樹脂組成物。
  33. 【請求項33】請求項1〜32のいずれか一つに記載の
    レジスト用硬化性樹脂組成物が硬化したことを特徴とす
    る硬化物。
  34. 【請求項34】請求項1〜32のいずれか一つに記載の
    レジスト用硬化性樹脂組成物から形成された感光層を支
    持体上に有することを特徴とする感光性ドライフィル
    ム。
  35. 【請求項35】請求項1〜32のいずれか一つに記載の
    レジスト用硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする
    絶縁保護被膜。
  36. 【請求項36】請求項35に記載の絶縁保護被膜を有す
    ることを特徴とするプリント配線基板。
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