JP2005113040A - シリコーンゴム用接着剤及び接着方法 - Google Patents

シリコーンゴム用接着剤及び接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着できる接着剤及び接着方法を提供すること。
【解決手段】光硬化型アクリル樹脂組成物と、リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、及び光酸発生剤類からなる群より選ばれる1つ以上の化合物とを含有するシリコーンゴム用接着剤とする。また、シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程と、表面改質処理されたシリコーンゴム上にシリコーンゴム用接着剤を塗布する工程と、シリコーンゴム用接着剤上に被接着部材を配置する工程と、シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程とを有する接着方法とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゴムと被接着部材とを接着する接着剤及び接着方法に関する。
従来、携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン及び各種キーボード等の釦は、耐候性や電気絶縁性が優れているシリコーンゴムからなるキーパッドの上に、軟質樹脂又は硬質樹脂からなるキートップが接着されて形成されている。
そもそもシリコーンゴムは他の材料との接着性に乏しく剥離しやすいため、使用しているうちにキートップが脱離してしまうという問題があった。特に最近は、同じ釦を何度も押す操作が必要な場合も多く、その接着性を高める要求がより強くなってきている。
この問題に対して、シリコーンゴムを表面改質したのちに、シアノアクリレート等の短時間湿気硬化型の反応硬化性樹脂を接着剤として用いてキートップと接着する方法が、特開平11−144549号公報(特許文献1)に記載されている。しかしながら、その接着性は未だ十分なものではなかった。また、短時間湿気硬化型の反応硬化性樹脂を用いるため、スクリーン印刷による塗布等が不可能であり生産性が低いという問題もあった。さらに、シアノアクリレートは被接着部材を白化させるという問題もあった。
シリコーンゴムの表面にあらかじめプライマー層を形成する方法も考えられるが、工程が多くなり製造コストが高くなるという問題があった。また、キートップにつば状のもの等を形成して脱離を防止する方法も考えられるが、この場合でも、キーパッドとキートップとが剥離した状態では、キートップが不安定な状態となり、操作性が悪くなってしまうという問題があった。
特開平11−144549号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着できる接着剤及び接着方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、
シリコーンゴムと被接着部材とを接着する接着剤であって
(a)成分:光硬化型アクリル樹脂組成物と、
(b)成分:リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、及び光酸発生剤類からなる群より選ばれる1つ以上の化合物と
を含有するシリコーンゴム用接着剤である。このような本発明のシリコーンゴム用接着剤によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することができる。
前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたとき、前記(b)成分が0.1〜20質量部であることが好ましい。また、前記(b)成分がリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。また、前記光硬化型アクリル樹脂組成物が可視光硬化性を有することが好ましい。
また、本発明は、
シリコーンゴムと被接着部材とを接着する方法であって、
(A)前記シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程と、
(B)表面改質処理された前記シリコーンゴム上の少なくとも一部に、上述のシリコーンゴム用接着剤を塗布する工程と、
(C)前記シリコーンゴム用接着剤上に前記被接着部材を配置する工程と、
(D)前記シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程と
を有する接着方法である。このような本発明の接着方法によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することができる。
前記工程(A)における表面改質処理をコロナ放電処理により行うことが好ましい。また、前記工程(B)における前記シリコーンゴム用接着剤の塗布を、スクリーン印刷法又はディスペンシング法により行うことが好ましい。また、前記シリコーンゴム用接着剤に含まれる光硬化型アクリル樹脂組成物が可視光硬化性を有しており、前記工程(D)における硬化処理を可視光照射により行うことが好ましい。
本発明の接着方法は、前記被接着部材が、ポリカーボネート、アクリル樹脂、及びABS樹脂からなる群より選ばれる被接着部材であるときに好適に実施される。
光硬化型アクリル樹脂組成物と、リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、及び光酸発生剤類からなる群より選ばれる1つ以上の化合物とを含有する本発明のシリコーンゴム用接着剤によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することができる。また、シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程と、表面改質処理されたシリコーンゴム上にシリコーンゴム用接着剤を塗布する工程と、シリコーンゴム用接着剤上に被接着部材を配置する工程と、シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程とを有する本発明の接着方法によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することができる。
本発明のシリコーンゴム用接着剤及び接着方法は、シリコーンゴムと被接着部材との接着に関するものである。シリコーンゴムは、一般的に接着性に乏しく剥離しやすいが、本発明のシリコーンゴム用接着剤及び接着方法によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することが可能となる。
本発明のシリコーンゴム用接着剤は、
(a)成分:光硬化型アクリル樹脂組成物と、
(b)成分:リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、及び光酸発生剤類から選ばれる1つ以上の化合物と
を含有するシリコーンゴム用接着剤である。
(a)成分である光硬化型アクリル樹脂組成物には、(メタ)アクリレート系モノマー又はオリゴマーと、光重合開始剤と、その他必要に応じて反応性希釈剤、溶媒、増感剤、顔料、充填材、塗料、消泡剤等が含まれる。なお、「(メタ)アクリレート」の表現は、メタクリレート又はアクリレートを意味する(以下同様)。
(メタ)アクリレート系モノマー又はオリゴマーとしては、単官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、アミノ樹脂(メタ)アクリレート、アクリル樹脂(メタ)アクリレート、又はこれらの変性物等公知のものを適宜選択して用いることができる。これらは1種でも良く、2種以上を組み合わせても良い。(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いるときは、これらが高粘度であるため、通常反応性希釈剤や溶媒により粘度調整される。
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、アシルフォスフィンオキサイド等、公知のものを適宜選択して用いることができる。これらは1種でも良く、2種以上を組み合わせても良い。
上記のような成分を含む光硬化型アクリル樹脂組成物は、紫外線硬化性を有していても可視光硬化性を有していても良い。紫外線硬化性を有する光硬化型アクリル樹脂組成物の市販品としては、ヘンケルジャパン社製349、350、352、366、3523、LID−1316(以上、商品名)等が挙げられる。可視光硬化性を有する光硬化型アクリル樹脂組成物の市販品としては、ヘンケルジャパン社製3201、3221、3301、3311、3321、3341、3102、3103、3104、3105、3106(以上、商品名)等が挙げられる。特に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、及びABS樹脂からなる群より選ばれる被接着部材を透過しやすい可視光で硬化可能であることから、可視光硬化性を有することが好ましい。なお、被接着部材の耐熱性が低いときに利用が困難な熱硬化型のアクリル樹脂組成物はあまり好ましくない。
(b)成分となるリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類としては、リン酸又は亜リン酸の、モノエステル、ジエステル又はトリエステルであって、そのエステルを形成する官能基の少なくとも1つが(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を使用できる。好ましくはリン酸の、モノエステル、ジエステル又はトリエステルであり、より好ましくは下記式(1)で示される化合物である。
Figure 2005113040
式(1)中、Rは水素又はメチル基、R’は水素又は炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基、Xは2価の有機基、mは0〜3の整数、aは0<a≦3となる値、bはb=3−aとなる値を表す。R’は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素であることがより好ましい。Xは炭素数2〜12のアルキレン基又は−C(O)Cy2y−(yは1〜12の整数)であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基又は−C(O)Cz2z−(zは1〜6の整数)がより好ましい。具体的には、−C24−、−C36−、−C48−、−C510−、−C612−、−C(O)CH2−、−C(O)C24−、−C(O)C36−、−C(O)C48−、−C(O)C510−、−C(O)C612−が挙げられる。mは1又は2であることが好ましい。mが2以上でXが複数存在する場合、それぞれのXは異なっていても良い。aは1≦a≦3となる値であることが好ましい。特に、下記式(2)又は式(3)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2005113040
式(2)及び式(3)中、Rは水素又はメチル基、aは1.5≦a≦3となる値、bはb=3−aとなる値を表す。このようなリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類の市販品としては、日本化薬社製カヤマーPM−2、PM−21(以上、商品名)、大阪有機化学工業社製Viscoat 3PA(商品名)、共栄社化学社製ライトアクリレートP−1A、P−2A、ライトエステルP−1M、P−2M、HOA−PM(以上、商品名)等が挙げられる。これらは1種でも良く、2種以上を組み合わせても良い。
(b)成分となる(メタ)アクリロイル基を有する酸類としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸類を好ましく使用できる。(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸類としては、(メタ)アクリル酸、α−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等を使用できる。これらは1種でも良く、2種以上を組み合わせても良い。なお、(メタ)アクリロイル基を有するリン酸類及び(メタ)アクリロイル基を有する亜リン酸類は、上記のリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類に含まれるものであり、便宜上この(メタ)アクリロイル基を有する酸類には含まれないとする。
(b)成分となる光酸発生剤類としては、可視光又は紫外線によってブレンステッド酸を生成する化合物を使用できる。使用できる光酸発生剤類としては、例えば、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。好ましくは、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートである。このような光酸発生剤類の市販品としては、UCBケミカル社製Uvacure1590(商品名)、ダウケミカル社製UVI6990(商品名)、和光純薬社製WPAG−145、WPAG−170、WPAG−199、WPAG281、WPAG336、WPAG―367、WPI−113(以上、商品名)、住友精化社製BMPS、BSP(以上、商品名)等が挙げられる。これらは1種でも良く、2種以上を組み合わせても良い。
本発明のシリコーンゴム用接着剤に含まれる上記のような(b)成分としては、単独でも2つ以上の化合物を併用しても良い。より高い接着性を発現できることから、(b)成分がリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。
本発明のシリコーンゴム用接着剤は、上記の(a)成分と(b)成分を含有するものであれば良い。その配合比には特に制限はないが、高い接着性を発現できることから、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部としたとき、(b)成分が0.1〜20質量部であるであることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
本発明のシリコーンゴム用接着剤は、要求される特性に応じて他の成分を含むものであっても良い。高い接着性を維持する観点から、シリコーンゴム用接着剤に含まれる(a)成分と(b)成分の合計が全体の90質量%程度以上とすることが好ましい。
本発明のシリコーンゴム用接着剤は、1液の状態でも、2液以上に分かれた状態でも良いが、1液の状態の方が簡便に使用できるため好ましい。
以上のような本発明のシリコーンゴム用接着剤によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することが可能となる。特に、携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン及び各種キーボード等の釦のキーパットであるシリコーンゴムと、その釦のキートップである軟質樹脂又は硬質樹脂とを接着するのに好適である。
また、本発明の接着方法は、シリコーンゴムと被接着部材とを接着する方法であって、
(A)シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程と、
(B)表面改質処理されたシリコーンゴム上の少なくとも一部に、上述のシリコーンゴム用接着剤を塗布する工程と、
(C)シリコーンゴム用接着剤上に被接着部材を配置する工程と、
(D)シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程と
を有する接着方法である。
シリコーンゴムは特に限定されず、ミラブル型シリコーンゴム又は液状シリコーンゴムを用いて、所望の大きさ・形状に成形されたものを用いることができる。厚さは、通常0.1mm〜10mm程度のものを用いる。ミラブル型シリコーンゴムとしては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SH831U、SH841U、SH851U、SH961U、SE4705U、SE4706U(以上、商品名)、信越シリコーン社製KE931−U、KE941−U、KE951−U、KE961−U、KE971−U、KE981−U(以上、商品名)、東芝シリコーン社製TSE221−4U、TSE221−5U、TSE2121−6U、XE20−523−5U、XE20−523−6U(以上、商品名)等が挙げられる。液状シリコーンゴムとしては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SE6745A/B(商品名)、信越シリコーン社製KE1990(A/B)(商品名)、東芝シリコーン社製TSE3503、TSE3504、TSE350、TSE3502(以上、商品名)等が挙げられる。
被接着部材は特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の樹脂、銅、鉄、アルミニウム等の金属、金属酸化物、金属窒化物、金属フッ化物等のセラミックス等を被接着部材とすることができる。シリコーンゴムとの接着性が低かった樹脂、中でも、ポリカーボネート、ABS樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選ばれる被接着部材としたときに、本発明のシリコーンゴム用接着剤を使用する効果が大きい。ポリカーボネートを被接着部材としたときに、本発明のシリコーンゴム用接着剤を使用する効果が特に大きい。
本発明の接着方法では、まず、(A)シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程を行う。この表面改質処理により、シリコーンゴムの表面が接着しやすい状態となり、被接着部材との接着強度を高めることができる。表面改質処理としては、具体的に、(i)水銀灯からの短波長の紫外線による照射処理、(ii)大気中で電極間に高電圧をかけて絶縁破壊させた放電によるコロナ放電処理、(iii)強い酸化炎中に通す火炎処理、(iv)低圧の不活性ガスや、酸素、ハロゲンガス等の中でのグロー放電によるプラズマ処理、(v)シラン系、チタン系、アルミニウム系等のカップリング剤を表面に塗布する処理等が挙げられる。いずれもシリコーンゴムの表面エネルギーを増大させる効果を有するものであり、被接着部材との接着強度を高くすることができるものである。特に、簡便な処理で接着強度を高くできる観点から、コロナ放電処理が好ましい。また、これらの表面改質処理は1種のみでも良く、複数の表面改質処理を組み合わせて実施しても良い。
本発明の接着方法では、次に、(B)表面改質処理されたシリコーンゴム上の少なくとも一部に、シリコーンゴム用接着剤を塗布する工程を行う。シリコーンゴム用接着剤としては、前述のような本発明のシリコーンゴム用接着剤を用いる。塗布方法は特に限定されず、例えば、はけ塗り法、ローラーコート法、ディッピング法、ポッティング法、スピンコート法、スクリーン印刷法、ディスペンシング法等が挙げられる。正確な場所に効率良く塗布する観点から、スクリーン印刷法又はディスペンシング法が好ましい。特に生産性の観点からスクリーン印刷法が好ましい。塗布する厚さは特に制限ないが、高い接着性を発現させる観点から、1〜200μm程度が好ましい。
本発明の接着方法では、工程(B)の後に、(C)シリコーンゴム用接着剤上に被接着部材を配置する工程、及び、(D)シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程を行う。このようにして、シリコーンゴムと被接着部材との間にシリコーンゴム用接着剤が硬化した接着層を形成することで、シリコーンゴムと被接着部材とが良好に接着する。照射する光の波長や強度は、用いるシリコーンゴム用接着剤に含まれる成分、特に光硬化型アクリル樹脂組成物の光硬化特性に応じて適宜選択して決定すればよい。特に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、及びABS樹脂からなる群より選ばれる被接着部材を透過しやすい可視光で硬化可能であることから、シリコーンゴム用接着剤に含まれる光硬化型アクリル樹脂組成物が可視光硬化性を有しており、シリコーンゴム用接着剤の硬化処理を可視光照射により行うことが好ましい。光の照射時の温度は常温(約20℃)で行うことが多いが、被接着部材が変形等を起こさない範囲内で加熱をしながら行うこともできる。
以上のような本発明の接着方法によれば、シリコーンゴムと被接着部材とを良好に接着することが可能となる。特に、携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン及び各種キーボード等の釦のキーパットであるシリコーンゴムと、その釦のキートップである軟質樹脂又は硬質樹脂とを接着するのに好適である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
15mm×25mm×厚さ3mmのシリコーンゴム(商品名:KE931−U、信越シリコーン社製)の表面を、TANTEC社製High Frequency Generator HV05−2(商品名)を用いてコロナ放電処理した。具体的には、シリコーンゴムを、30〜500cm/min程度でコンベア搬送し、棒状電極を用いて100〜280W、大気中の条件でコロナ放電処理をした。
このコロナ放電処理されたシリコーンゴムの表面に、表1に示す成分を含有するシリコーンゴム用接着剤を、硬化後の厚さで5〜50μmとなるように、スクリーン印刷法により塗布した。その上にポリカーボネート樹脂板(15mm×25mm×厚さ3mm)をシリコーンゴムと十字状になるように配置した。その後、可視光を100mW/cm2の強度で30秒照射することで、シリコーンゴム用接着剤が硬化した接着層を形成し、シリコーンゴムとポリカーボネート樹脂板が接着した試験片を得た。
得られた試験片におけるシリコーンゴムの補強のため、プリズムプライマー770(表面前処理剤、ヘンケルジャパン社製、商品名)/プリズム401(シアノアクリレート系接着剤、ヘンケルジャパン社製、商品名)によってシリコーンゴム側にガラスエポキシ積層板(型番:ES3230、利昌工業社製、商品名)を貼り付けた後、引張り試験(島津製作所製オートグラフAGS−100A(商品名)を使用、条件:10mm/min、室温)により接着強度の評価を試みた。シリコーンゴムとポリカーボネート樹脂板との間で破壊する前に、シリコーンゴムとガラスエポキシ積層板との間で破壊した。結果を表1に示した。
(実施例2〜4)
表1に示す成分を含有するシリコーンゴム用接着剤をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の手法により試験片を作製した。また、実施例1と同様の手法により、それらの接着強度を評価した。結果を表1にまとめて示した。
(比較例1)
3341(商品名、ヘンケルジャパン社製)を接着剤として用いた以外は、実施例1と同様の手法により試験片を作製した。また、実施例1と同様の手法により、その接着強度を評価した。接着強度は0.22N/mm2であった。結果を表1に示した。
Figure 2005113040
*接着剤組成の数字は質量部、接着強度のSFは材料破壊
・3341:可視光硬化型アクリル樹脂組成物(主成分:脂肪族ポリエーテルポリウレタンアクリレート、ヘンケルジャパン社製、商品名)
・カヤマーPM−2:リン酸メタクリレート(日本化薬社製、商品名)
・UVI6990:光酸発生剤(ダウケミカル社製、商品名)
以上の結果より、(a)成分である光硬化型アクリル樹脂組成物と、(b)成分であるリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、又は光酸発生剤類とを含有するシリコーンゴム用接着剤(実施例1〜4)を用いることで、従来品(比較例1)に比べて、シリコーンゴムとポリカーボネートの接着強度が向上することが分かった。特に、リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含有するシリコーンゴム用接着剤(実施例1)を用いることで、接着強度が飛躍的に向上することが分かった。
(実施例5〜9)
表2に示す成分を含有するシリコーンゴム用接着剤をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の手法により試験片を作製した。また、実施例1と同様の手法により、それらの接着強度を評価した。結果を表2にまとめて示した。
Figure 2005113040
*接着剤組成の数字は質量部、接着強度のSFは材料破壊
・EpA/HEMA混合物:エポキシアクリレート(エベクリル3700:UCBケミカル社製、商品名)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート混合物、EpA/HEMAの質量比=70/30
・A−184:シランカップリング剤(ニホンユニカー社製、商品名)
・イルガキュア−184:光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル社製、商品名)
・ルシリンTPO:光重合開始剤(BASF社製、商品名)
・カヤマーPM−2:リン酸メタクリレート(日本化薬社製、商品名)
・Viscoat 3PA:リン酸アクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)
以上の結果より、(a)成分の種類及び(b)成分(リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類)の種類によらず、シリコーンゴムとポリカーボネートの接着強度は極めて高くなることが分かった。
(実施例10〜14)
表3に示す成分を含有するシリコーンゴム用接着剤をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の手法により試験片を作製した。また、実施例1と同様の手法により、それらの接着強度を評価した。結果を表3にまとめて示した。
Figure 2005113040
*接着剤組成の数字は質量部、接着強度のSFは材料破壊
・エベクリル230:芳香族ポリエーテルポリウレタンアクリレート(UCBケミカル社製、商品名)
・フォトマー4039:アクリルモノマー(コグニス社製、商品名)
・エルバサイト2013:PMMA(ポリメチルメタクリレート)(ルーサイト社製、商品名)
・ベイマック:アクリルゴム(デュポン社製、商品名)
・安定化剤混合物:エチレンジアミンテトラアセテートナトリウム塩水溶液
・A−174:シランカップリング剤(ニホンユニカー社製、商品名)
・イルガキュア−184:光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカル社製、商品名)
・ルシリンTPO:光重合開始剤(BASF社製、商品名)
・カヤマーPM−2:リン酸メタクリレート(日本化薬社製、商品名)
以上の結果より、(a)成分の種類及び(b)成分の種類によらず、また(b)成分として2つ以上の化合物を併用した場合でも、シリコーンゴムとポリカーボネートの接着強度は極めて高くなることが分かった。

Claims (9)

  1. シリコーンゴムと被接着部材とを接着する接着剤であって、
    (a)成分:光硬化型アクリル樹脂組成物と、
    (b)成分:リン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイル基を有する酸類、及び光酸発生剤類からなる群より選ばれる1つ以上の化合物と
    を含有するシリコーンゴム用接着剤。
  2. 前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部としたとき、前記(b)成分が0.1〜20質量部である請求項1に記載のシリコーンゴム用接着剤。
  3. 前記(b)成分がリン原子を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含む請求項1または2に記載のシリコーンゴム用接着剤。
  4. 前記光硬化型アクリル樹脂組成物が可視光硬化性を有する請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーンゴム用接着剤。
  5. シリコーンゴムと被接着部材とを接着する方法であって、
    (A)前記シリコーンゴムの表面を表面改質処理する工程と、
    (B)表面改質処理された前記シリコーンゴム上の少なくとも一部に、請求項1〜4のいずれかに記載のシリコーンゴム用接着剤を塗布する工程と、
    (C)前記シリコーンゴム用接着剤上に前記被接着部材を配置する工程と、
    (D)前記シリコーンゴム用接着剤を硬化処理する工程と
    を有する接着方法。
  6. 前記工程(A)における表面改質処理をコロナ放電処理により行う請求項5に記載の接着方法。
  7. 前記工程(B)における前記シリコーンゴム用接着剤の塗布を、スクリーン印刷法又はディスペンシング法により行う請求項5又は6に記載の接着方法。
  8. 前記シリコーンゴム用接着剤に含まれる光硬化型アクリル樹脂組成物が可視光硬化性を有しており、前記工程(D)における硬化処理を可視光照射により行う請求項5〜7のいずれかに記載の接着方法。
  9. 前記被接着部材が、ポリカーボネート、アクリル樹脂、及びABS樹脂からなる群より選ばれる被接着部材である請求項5〜8のいずれかに記載の接着方法。
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