JP3899279B2 - 活性エネルギー線硬化型接着剤組成物及び押釦スイッチ用キーパッド - Google Patents

活性エネルギー線硬化型接着剤組成物及び押釦スイッチ用キーパッド Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、プラスチック接着に係る接着剤組成物と、その接着剤組成物を用いた押釦スイッチ用のキーパッドに関する。
【0002】
【発明の背景】
従来より、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射により硬化する活性エネルギー線硬化型接着剤は、硬化速度が速く、生産性の向上、省資源・省エネルギー、作業環境の安全性といった多くの利点を活かして様々な分野で使用されている。ところが、こうした利点を有する前記接着剤は決して万能と言えるものではなく、以下の点で改善すべき問題点がまだまだ残っている。
【0003】
改善すべき問題点の一つは、プラスチックに対する接着性が良好でないということである。即ち、プラスチックは、表面のエネルギー状態が金属より低く、プラスチックの種類によっては、接着性を向上させるために、その表面に短波長UV洗浄やコロナ放電処理を施して接着面を活性化させたり、溶剤系のアンカー剤をプライマーとしてコーティングする、といった予備処理を接着工程で施す必要がある。ところが、こうした予備処理を行わなくてもプラスチックに対する接着性を向上できれば、接着工程を更に簡略化することができる。
【0004】
また、他の改善すべき問題点としては、接着作業性が良好でないということである。即ち、従来の接着剤では、塗布装置のノズルから接着剤の糸引きを生じたり、またエッジ面を有する部品等に塗布した場合に塗布後に接着剤が液垂れを生じることがあって、必ずしも接着作業性が良好であるとは言い難いものであった。そして、このように接着作業性が悪いと、接着剤組成物が、接着目的とする部分とは異なる部分に付着したりダレてしまって、製品の意匠性が悪化したり、互いに隣接した位置に接着させる部品どうしがそれぞれ正確な位置に接着できないという問題が生じる。
【0005】
以上のような二つの改善すべき問題点をより具体的に説明する。例えば、携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン、各種キーボードなどには、入力操作に使用する押釦スイッチ用キーパッドが利用されている。この押釦スイッチ用キーパッドとは、例えばシリコーンゴムのようなゴム状弾性体からなるベース部に接着剤を塗布し、ABS樹脂のような硬質樹脂を成形して得たキートップ部を該接着剤によって接着してベース部に固着した構造とされている。そして、キートップ部には、入力要素として文字や数字や記号などが表示されており、キートップ部を押圧するとベース部が該押圧方向へ撓んで、ベース部の下方に位置する導電接点が導通して、表示されている文字等の所定の入力がなされる、というものである。
【0006】
このような押釦スイッチ用キーパッドでは、前述のようにベース部にキートップ部を接着剤により接着するものであるが、その接着工程においては、前述した二つの問題点が依然残っている。即ち、押釦スイッチ用キーパッドは繰り返し押圧操作されて使用される。そのため、接着層については、繰り返される押圧操作力に耐え得るような高い接着性を備えている必要がある。しかしながら、従来の前記接着剤では、この接着性を得ることができず、接着性を向上すべく接着工程で前述のような予備処理をキートップ部やベース部に行ってから接着することが必要であり、接着工程を簡素化することが事実上困難であった。
【0007】
また、従来の前記接着剤は前述のように接着作業性が悪いため、接着剤組成物が、接着目的とする部分とは異なる部分に付着したりダレてしまって、押釦スイッチ用キーパッドの意匠性が悪化することがある。また、例えば携帯電話用の押釦スイッチ用キーパッドのように、キートップ部どうしを互いに隣接した位置に接着させなければならない場合には、キートップ部どうしがそれぞれ正確な位置に接着できないという問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、以上の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の接着剤組成物が、前記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物として、前述した接着性と接着作業性に優れる性質を有することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
即ち、本発明の第1の目的は、硬化速度が速いだけでなく、接着性と接着作業性にも優れる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、ベース部に対するキートップ部の接着速度が速いだけでなく、その接着性と接着工程時の接着作業性にも優れる押釦スイッチ用キーパッドを提供することにある
【0011】
【発明を解決するための手段】
即ち、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物であって、第3アミン類の塩又は第3アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンの何れかである活性エネルギー線硬化型接着剤組成物である。
【0012】
この活性エネルギー線硬化型接着剤組成物によれば、プラスチック接着性が良好である。(メタ)アクリルアミド化合物がジアルキルアクリルアミド基を含む成分を含有し、特にN,N−ジエチルアクリルアミドであれば、プラスチックに対する接着力がより強くなり好ましい。また、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレートに加えてさらに微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなる接着剤組成物であれば、塗布装置のノズルから糸引きせず、塗布しても液垂れが少なく、正確、充分に、そして容易に接着面に塗布できる。
【0013】
また、本発明は、ゴム状弾性体でなるベース部に、硬質樹脂製のキートップ部を固着して成る押釦スイッチ用キーパッドについて、キートップ部が、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を固化した接着層を介してベース部に結合されており、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなり、第3アミン類の塩又は第3アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンの何れかであることを特徴とする押釦スイッチ用キーパッドを提供する。
【0014】
この押釦スイッチ用キーパッドによれば、キートップ部が、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を固化した接着層を介してベース部に結合されており、該活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなり、該第3アミン類の塩又は第3アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンの何れかであるため、接着強度が高くキートップ部が剥離しづらい。特に、(メタ)アクリルアミド化合物がジアルキルアクリルアミド基を含む成分を含有し、特にN,N−ジエチルアクリルアミドであれば、接着性向上の点で優れている。
【0015】
接着層となる接着剤組成物に含有される成分には、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレートに加えて、微粒無水珪酸と、第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方と、を含有している接着剤組成物を用いていれば、硬質樹脂からなるキートップ部とゴム状弾性体からなるベース部との接着の際に、塗布装置のノズルから糸引きがなく、塗布後の液垂れが生じない、接着操作性、接着作業性にも優れ、容易に且つ安価に押釦スイッチ用キーパッドを得ることができる。
【0016】
前記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、紫外線硬化型接着剤組成物である押釦スイッチ用キーパッドであれば、固化が秒単位で行えるために製造時間をより短縮することができる上、塗布作業中や保存中の安定性が高く、かつ複数の組成物を使用前に混合する必要がなく、作業性に優れているため、製造工程が簡単、迅速となり安価な押釦スイッチ用キーパッドを得ることができる。
【0017】
また、ベース部と接着層との間に、さらにこのベース部を保護する保護層が形成されていても、この保護層と前記接着剤組成物を固化した接着層との接着性が優れているため、キートップ部が剥離しづらい。特に、保護層が架橋性ウレタン系樹脂からなる場合は、この樹脂は塗工時には架橋しておらず作業性に優れ、架橋により耐久性に優れる樹脂ではあるが、キーパッド形成後も徐々に反応が進行するためか、接着当初の接着性が経時によって変化する現象が現れ、長時間経過したキーパッドは十分な接着性が得られなくなるという欠点があった。しかしながら、本発明であれば、このような樹脂に対しても、接着性の低下が起きず、経時によっても十分な接着力を有している。従って、例えばシリコーンゴムのようなゴム状弾性体からなるベース部に、部分的に厚肉の凸部を形成して設けた軟質キートップ部と、硬質樹脂製のキートップ部を接着剤により固着して設けた硬質キートップ部とを有する複合キーパッドであっても、硬質樹脂製のキートップ部が強固に接着され、剥離しずらい押釦スイッチ用キーパッドを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について説明する。
【0019】
接着剤組成物の実施形態
【0020】
本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(成分(1))、(メタ)アクリルアミド化合物(成分(2))、水酸基含有(メタ)アクリレート(成分(3))、微粒無水珪酸(成分(4))、及び所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類(成分(5))の少なくとも一方を含有してなる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物である。以下これらの成分について詳しく説明する。
【0021】
成分(1)であるウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート、ポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものである。すなわち、はじめにポリイソシアネートとポリオールを反応させ、高分子ポリイソシアネートを生成し、次いでそれを水酸基含有(メタ)アクリレートと反応させて、末端に不飽和基を結合させることによって得るか、あるいは、まず水酸基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネートを反応させ、得られた不飽和ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって、場合によっては、得られた不飽和ポリイソシアネートとポリオールとをポリイソシアネート共存化で反応させることによって得られるものである。
【0022】
上記成分の数平均分子量としては400〜40000が好ましい。
【0023】
ここで用いるポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート3量体、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート2量体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート相互付加物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリス(トリレンジイソシアネート)付加物、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中では接着層が経時による黄変がしにくい点でイソフォロンジイソシアネートが好ましい。
【0024】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び1,4−ブタンジオールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中ではアクリル二重結合の反応性が高く、硬化速度が速く、硬化強度が高くなる点で2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
【0025】
ポリオールとしては、例えば低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリオール等が挙げられ、低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、並びにポリエチレンポリプロポキシブロックポリマージオール等のブロック又はランダムポリマー等のジオール等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、前記低分子量ポリオール、前記ポリエーテルポリオール又は/及びビスフェノールA等のビスフェノールとエチレンカーボネート及び炭酸ジブチルエステル等の炭酸ジアルキルエステルの反応物等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、前記低分子量ポリオール又は/及び前記ポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその酸無水物等の酸成分とのエステル化反応物等が挙げられる。これらの中では貯蔵安定性が良好な点でポリエーテルポリオールが好ましい。
【0026】
ウレタン(メタ)アクリレートの使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部中、10〜70質量部が好ましく、15〜60質量部がより好ましい。10質量部未満だと接着剤組成物の硬化性が悪く、70質量部を越えると粘度が高すぎて接着作業性が悪いおそれがある。
【0027】
成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアマイドなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用しても良い。
【0028】
これらの中では、プラスチックへの接着性向上効果が高い点で、特に、押釦スイッチ用キーパッドに用いれば硬質樹脂キートップ部と保護層との接着性向上効果が高い点で、ジアクリルアルキルアミド基を含む成分が好ましく、N,N−ジエチルアクリルアミドがより好ましい。
【0029】
(メタ)アクリルアミド化合物の使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部中、5〜55質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。5質量部未満だと被着体に対する接着強さが低下し、55質量部を越えると接着作業性が悪くなるおそれがある。
【0030】
成分(3)のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパンジ又はモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びフェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用しても良い。
【0031】
これらの中では、被着体となるプラスチックへの接着性、特に押釦スイッチ用キーパッドに用いる場合にはキートップ部や保護層への接着性が良好な点で、及び接着作業性の良好な点で2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
【0032】
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部中、5〜55質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。5質量部未満だと被着体となるプラスチックへの接着性向上効果、特に押釦スイッチ用キーパッドに用いた場合には被着体となるキートップ部や保護層への接着性が得られず、また良好な作業性が得られず、55質量部を越えると硬化性が悪くなるおそれがある。
【0033】
成分(4)の微粒無水珪酸は、微粉末の無水二酸化珪素であればよく、好ましくは、高温加水分解法(乾式法)により得られる、比表面積50〜380m/g、粒子径7〜40nmの表面無処理の微粒子二酸化珪素が挙げられる。
【0034】
微粒無水珪酸の使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部に対して1〜15質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。1質量部未満だと液垂れが激しく接着作業性向上効果が得られず、特に押釦スイッチ用キーパッドに用いる場合には接着の不要なベース部上にまで流れ出すおそれがあり、15質量部を超えると粘度が高すぎて接着作業性が著しく悪くなるおそれがある。
【0035】
成分(5)の第3アミン類の塩としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩等が挙げられる。また、成分(5)の第3アミン類としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。これらの第3アミン類の塩又は第3アミン類のうちの1種又は2種以上を使用しても良い。
【0036】
これらの中では、液垂れ性、糸引き性等の接着作業性向上効果が高い点で、第3アミン類の塩としては1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、第3アミン類としては1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンが好ましい。
【0037】
第3アミン類の塩又は第3アミン類の使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部に対して、0.05〜2.0質量部が好ましく、特には0.1〜1.5質量部がより好ましい。0.05質量部未満だと糸引きがあって良好な接着作業性が得られず、特に押釦スイッチ用キーパッドに用いる場合には隣接したキートップ部の間に糸引きによって生じた接着剤組成物の硬化物が残存するおそれがあり、2.0質量部以上では粘度が高すぎて接着作業性が著しく悪くなるおそれがある。
【0038】
この接着剤組成物を紫外線により硬化させる場合に使用する光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)等のケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等のモノアシルフォスフィンオキシドあるいはビスアシルフォスフィンオキシド、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、並びにキサントン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種又は2種以上を使用しても良い。
【0039】
光重合開始剤の使用量は、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレート、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物、及び成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートを合わせた100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜8質量部がより好ましい。
【0040】
この接着剤組成物には必要に応じて成分(1)であるウレタン(メタ)アクリレート、成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレート以外のエチレン性不飽和結合を有する重合可能な官能基を1つ以上有する化合物を使用することができ、これらにはエチレン性不飽和基を有する単官能性化合物及び多官能性化合物が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、アクリル基及びビニル基が好ましい。以下例示する。単官能性化合物としては、例えば、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。多官能性化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和結合を有する重合可能な官能基を1つ以上有する化合物を1種又は2種以上を使用しても良い。
【0041】
また、接着剤組成物には必要に応じて、シランカップリング剤、酸性リン酸化合物、酸化防止剤、着色剤、剥離剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、レベリング剤、滑剤、可塑剤等を配合することができる。酸性リン酸化合物としては下記一般式(I)で表される酸性リン酸化合物が挙げられる。
【0042】
【化1】
Figure 0003899279
【0043】
接着剤組成物は、その各成分を攪拌又は混合することにより製造することができる。得られた接着剤組成物は、基材に塗布して活性エネルギー線を照射することにより使用することができる。
【0044】
接着剤組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線、X線及び電子線等が挙げられるが、安価な装置を使用することができる紫外線を用いることが好ましい。紫外線により硬化させる場合の光源としては、種々のものを使用することができ、例えば加圧若しくは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、又はカーボンアーク灯等が挙げられる。
【0045】
本発明の接着剤組成物の被着体として好ましい接着性を発揮する材質は、プラスチックである。この場合に、被着体の形態としては、フィルム、シート、テープ、クロスその他の形態とすることができる。プラスチック被着体は、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などによって強化されていても良く、また他の素材と複合された複合物であっても良い。プラスチックの種類としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂を列挙でき、本発明の接着剤組成物については、これらのプラスチックに対する接着力が特に強く被着体として好ましい。
【0046】
押釦スイッチ用キーパッドの実施形態
【0047】
本発明の押釦スイッチ用キーパッドは、ゴム状弾性体でなるベース部に、硬質樹脂製のキートップ部を固着して成る押釦スイッチ用キーパッドである。この実施形態ではこの押釦スイッチ用キーパッドの一実施形態として、ゴム状弾性体でなるベース部にキートップ部を成す凸部を形成し、前記ベース部を、該凸部が成す軟質キートップ部と、前記硬質樹脂製のキートップ部が成す硬質キートップ部とを併せて備える複合キーパッド用ベース部としてある押釦スイッチ用キーパッド、即ち、ゴム状弾性体からなるベース部上に軟質キートップ部と硬質キートップ部とを有するいわゆる複合キーパッドを一例として説明する。
【0048】
図1で示すように、この複合キーパッド11は、ゴム状弾性体で成るベース部12を備えている。このベース部12には、軟質キートップ形成部13と、硬質キートップ形成部14が形成されている。このうち軟質キートップ形成部13には、ベース部12に肉厚の凸部15を形成することにより、操作者が押圧操作した際にソフトな操作触感を与える軟質キートップ部16が設けてある。この軟質キートップ部16の表面には、文字や数字や記号等を表す表示部17が印刷により形成されている。符号18は保護層で、凸部15を含むベース部12の上面を被覆するように塗布形成されており、軟質キートップ部16の表示部17の摩滅や、ベース部12の摩耗や破れを抑制するために機能する。また、硬質キートップ形成部14には、ベース部12の保護層18の上に、接着層19を介して、硬質樹脂からなる硬質樹脂キートップ20を結合してある。図1で示す本実施形態の複合キーパッド11の概略構成は以上のようなものである。なお、複合キーパッド11の軟質キートップ形成部13と硬質キートップ形成部14は各々複数形成されていても良い。次に、各部の材質等について詳細にする。
【0049】
ベース部12は、キー操作に従って軟質キートップ部16及び硬質キートップ部14を押圧操作方向へ可動となるように弾性支持するゴム状弾性体で形成されるものであり、例えば、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマーにて形成される。その中でも特に耐寒性、耐熱性、耐候性、精密成形性、電気絶縁性に優れるシリコーンゴムを用いるのが好ましい。
【0050】
ベース部12を被覆する保護層18は、表示部17や、軟質キートップ部16が、キーの繰り返し操作によって摩耗したり欠損等が生じるのを防止するため、ゴム状弾性体との接着性が良く、耐摩耗性に優れることが要求される。この保護層18は、例えば、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、アミノ系、アクリル系などの樹脂からなるコーティング剤を塗布、硬化させて形成される。これらの樹脂系コーティング剤のうち、強靱で耐摩耗性に優れ、密着性が高いウレタン架橋を有する架橋性ウレタン系樹脂からなるコーティング剤が好ましい。保護層18の色調、透明性等は、キーパッドのデザインに応じて適宜選択される。また、保護層18の膜厚は5μm〜100μmの範囲が好ましい。膜厚が5μmよりも薄いと保護層の機械的強度が弱くベース部12の表面を十分に保護することができない。100μmを超えると軟質キートップ部16と硬質樹脂キートップ20の押圧操作感が重くなり好ましくない。
【0051】
保護層18となるコーティング剤の塗布方法については、スプレー方式のほか、ディスペンサー方式、ポッティング方式、パッド印刷方式、スクリーン印刷方式および転写方式等を採用することができる。
【0052】
保護層18の被着体となるベース部12への接着性をより一層向上させるには、短波長紫外線の照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、又はプライマー処理のうち少なくとも一つの方法で、ベース部12を表面改質することができ、これにより保護層18が強固に接着される。
【0053】
ここで、短波長紫外線照射処理とは、ベース部12の表面に短波長紫外線照射を一定の照度、一定の積算光量照射して表面改質するものである。より詳述すれば、水銀が10−1mmHg程度の圧力で封入された水銀灯より照射される184.9nmと253.7nmの放射線が、酸素存在下でオゾンを生成し、そのオゾンが非処理体表面を酸化し、カルボキシル基やシラノール基等の活性基を生成させ、印刷インキや塗料などの付着性、親和性を向上させる。
【0054】
コロナ放電処理とは、大気中で電極間に高電圧をかけて絶縁破壊を起こさせ放電させ、その間に被処理体を通すことで、表層にあるポリマーを酸化させ表面に活性基を導入させ印刷インキや塗料などの付着性、親和性を向上させるものである。
【0055】
火炎処理とは、強い酸化炎中に非処理体を通して、コロナ放電処理と同様な効果をもたらすものである。
【0056】
プラズマ処理とは、低圧の不活性ガスや、酸素、ハロゲンガスなどの中でグロー放電を起こすことで、気体分子をイオン化しプラズマを発生させ、その化学活性を利用して表面を活性化させるものである。
【0057】
短波長紫外線の照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、あるいはプラズマ処理は、ドライプロセスなため、表面処理剤を使用する方法に比べ工程が簡略化できるが、プラズマ処理は、真空状態が必要であり、火炎処理は危険が伴うため、短波長紫外線の照射処理か、コロナ放電処理がより望ましい。
【0058】
本実施形態における複合キーパッド11では、製造工程上の便宜から、軟質キートップ形成部13、硬質キートップ形成部14の区別なく、ベース部12の表面全体を被覆するように保護層18が設けられている。従って、硬質樹脂キートップ20を固着する接着層19は、この保護層18上に積層形成されている。
【0059】
接着層19を介して保護層18に結合する硬質樹脂キートップ20は、金型成形や切削加工により作製される。硬質樹脂キートップ20の組成、弾性率、色調等についてはこの複合キーパッド11のデザイン、用途等に応じて適宜選択されるが、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を材質とすることができる。硬質樹脂キートップ20を照光させる場合や、硬質樹脂キートップ20の裏面に表示部を印刷等により形成してこれを外部から視認できるようにする場合、さらには硬質樹脂キートップ20の天面に抜き文字状の表示部21を形成し、これを硬質樹脂キートップ20の下側に設けた図示せぬ内部光源によって照光させる場合には、硬質樹脂キートップ20は、半透光性もしくは透光性とされる。
【0060】
硬質樹脂キートップ20の内部形状は、必ずしも中実である必要はなく、軽量化のためや内部光源からのに肉抜きされた形状としても良い。肉抜きされた形状としては、硬質樹脂キートップ20の内部を空洞とするほか、例えば図2〜図4で示すような形状としてもよい。図2で示す硬質樹脂キートップは、その天面20aの裏面20bに円柱状や角柱状の柱状部20cを形成し、それ以外の部分を肉抜きした形状である。該柱状部20cは、硬質樹脂キートップに加わる押圧操作力をベース部12に伝達する押し子として機能するものである。また、図3で示す硬質樹脂キートップは、周壁部20dに繋がるように押し子として機能する柱状部20eを形成し、それ以外の部分を肉抜きした形状である。さらに、図4に示す硬質樹脂キートップは、内部空間を十字状に仕切るような補強壁20fを設け、それ以外の部分を肉抜きした形状である。
【0061】
この実施形態の硬質樹脂キートップ20の表示部21は、硬質樹脂キートップ20の表面を文字や数字や記号等の形状に切除することにより形成されている。なお、硬質樹脂キートップ20を透明または半透明とし、その表面側又は裏面側に印刷等によって表示部を形成するようにしてもよい。
【0062】
接着層19は、保護層18に硬質樹脂キートップ20を結合する。この接着層19は、ウレタン(メタ)アクリレート(成分(1))、(メタ)アクリルアミド化合物(成分(2))、水酸基含有(メタ)アクリレート(成分(3))、微粒無水珪酸(成分(4))、及び所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも何れか一方(成分(5))を含有する接着剤組成物を塗布、固化させることにより形成される。この接着剤組成物については、前述した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を用いることができる。
【0063】
接着層19を構成する接着剤組成物の塗布は、スクリーン印刷方式のほか、ディスペンサー方式、ポッティング方式、パッド印刷方式、スプレー方式および転写方式などが用いられる。
【0064】
この接着剤組成物は、被着体に塗布した後、活性エネルギー線を照射することにより硬化させるが、光硬化させることが好ましい。光硬化によれば、固化が秒単位で行えるために製造時間をより短縮することができる上、塗布作業中や保存中の安定性が高く、かつ複数の組成物を使用前に混合する必要もないからである。光反応のなかでも、可視光硬化では、通常の作業灯でも反応してしまうため、作業性を考慮すると紫外線硬化がさらに好ましい。なお、図1で光を複合キーパッド11の裏面側から照射する場合には、ベース部12と保護層18は、この接着剤組成物が硬化する200 〜600nmの波長の光を透過できるような透光性の材質のものとする必要がある。また、図1で光を複合キーパッド11の表面側から照射する場合には、前記接着剤組成物が硬化する200 〜600nmの波長の光を透過できるような透光性材質のもので硬質樹脂キートップ20を形成する必要がある。
【0065】
接着層19のより強固な接着性を必要とする場合は、硬質樹脂キートップ20の被接着面を短波長紫外線の照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、あるいはプライマー処理の方法で表面改質しても良い。
【0066】
なお、硬質樹脂キートップ20とベース部12との接着の際の位置決めは、ベース部12か硬質樹脂キートップ20のどちらか一方又は双方に、位置決め用の凹凸などを設けるようにしてもよいし、外部からベース部12と硬質樹脂キートップ20とを抱えるような治具を用いて位置決めしてもよい。
【0067】
さらに押釦スイッチ用キーパッドの別の実施形態について説明する。
【0068】
押釦スイッチ用キーパッドの他の実施形態
【0069】
上記実施形態においては、軟質キートップ形成部13と硬質キートップ形成部14とを備える複合キーパッド11を例示したが、このような複合キーパッド11ではなく、ゴム状弾性体からなるベース部に別体として形成された硬質樹脂キートップ部のみを結合したタイプである硬質樹脂キートップ付キーパッド(図示せず)としてもよい。
【0070】
なお、表示部の形成方法やその配置、ベース部の素材などは上記実施形態で示した例に限らず、適宜変更して押釦スイッチ用キーパッドを形成することも可能である。
【0071】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0072】
接着剤組成物の実施例
【0073】
1.接着剤組成物の作製
【0074】
接着剤組成物の各成分、即ち、ウレタン(メタ)アクリレート(成分(1))、(メタ)アクリルアミド化合物(成分(2))、水酸基含有(メタ)アクリレート(成分(3))、微粒無水珪酸(成分(4))、所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも何れか一方(成分(5))、さらに光重合開始剤を表1〜表4に示した割合で混合、攪拌して本発明の接着剤組成物を作製した。また、比較例として成分(1)〜成分(5)の何れかを含まない接着剤組成物を作製した。原材料となる各物質には市販品を用いた。表1〜表4において、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレートは、ダイセル・ユーシービー株式会社製のEbecryl KRM7776(商品名)を用い、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物は、実験No.2−7−Aにおいて、N−イソプロピルアクリルアミド、実験No.2−8−Aにおいてダイアセトンアクリルアミドを用いた以外は、N,N−ジエチルアクリルアミドを用い、成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、成分(4)の微粒無水珪酸は、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL380(商品名)を、成分(5)の所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類は、実験No.4−6−Aにおいて、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7を、実験No.4−7−Aにおいて、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンを用いた以外は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩を、光重合開始剤には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンをそれぞれ用いた。
【0075】
2.接着剤組成物の評価
【0076】
接着剤組成物の粘度、液垂れ性、糸引き性、引っ張り剪断接着強さ、密着性については次のように測定し評価した。その結果を表1〜表4に示す。
【0077】
[粘度]
JIS K−6833(旧K−6838)に従い、試料を液温25℃に調整した。B型粘度計を用い、ローター回転数20rpmで2分間回転後の指針の目盛りより粘度(単位:mPa・s)を算出した。
【0078】
[液垂れ性]
温度23℃、湿度50%の環境下でガラス板(型式:MICRO SLIDEGLASS プレクリント水縁磨、寸法:76mm×26mm×0.9〜1.2mmt、MATUNAMI社製)上に接着剤組成物を約0.1g塗布し、10秒間静置した。その後ガラス板を垂直に立て、点状に塗布した接着剤組成物が1分間に垂れた長さ(単位:mm)を測定した。
【0079】
[糸引き性]
温度23℃、湿度50%の環境下でスポイト(ポリエチレン製、突出口内径1.5mm、突出口外径3.0mm)の先端からガラス板(型式:MICRO SLIDEGLASS プレクリント水縁磨、寸法:76mm×26mm×0.9〜1.2mmt、MATUNAMI社製)上に塗布し、ノズル先端からの接着剤組成物の糸引きの状態を観察した。糸引きがなかったものを○、糸引きがややあったものを△、糸引きがあったものを×、と判定した。
【0080】
[ポリウレタン樹脂の引っ張り剪断接着強さ]
温度23℃、湿度50%の環境下でJIS K−6850に従い、1枚の試験片(100mm×25mm×2mmtのポリウレタン樹脂、表面無処理)の片面に接着剤組成物を塗布し、ガラス板(25mm×25mm×2mmt)を貼り合わせた。これを120W/cm、集光型の無電極放電ランプ(フュージョンシステムズ社製;型式F−450−20)の下から19cmの位置で、コンベアスピード0.68m/分の条件でガラス板側から照射して接着剤を硬化させた。硬化した試料のガラス板側に常温硬化型二液アクリル系接着剤で鉄試験片(100mm×25mm×1.6mmt)を接着後、温度23℃、湿度50%の環境下で約1時間養生したものを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度10mm/分で測定した引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)の値を表1〜表4の「PU」欄に示す。
【0081】
[ポリウレタン樹脂密着性]
ポリウレタン樹脂の引っ張り剪断接着強さ測定後試験片の破壊状態を観察した。ポリウレタン樹脂材破壊又は接着剤の凝集破壊が起こったものを○、ポリウレタン樹脂と接着剤の界面が破壊したものを×と判定した。結果を表1〜表4の「PU」欄に示す。
【0082】
[ポリカーボネート樹脂の引っ張り剪断接着強さ]
温度23℃、湿度50%の環境下で、JIS K−6850に従い、1枚の試験片(100mm×25mm×2mmtのポリカーボネート樹脂、表面無処理)の片面に接着剤組成物を塗布し、もう一枚の試験片(100mm×25mm×2.0mmtのポリカーボネート樹脂、表面無処理)を貼り合わせた。これを120W/cm、集光型の無電極放電ランプ(フュージョンシステムズ社製;型式F−450−20)の下から19cmの位置で、コンベアスピード0.68m/分の条件で照射して接着剤を硬化後、温度23℃、湿度50%の環境下で1時間養生したものを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度10mm/分で測定した引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)の値を表1〜表4の「PC」欄に示す。
【0083】
[ポリカーボネート樹脂密着性]
ポリカーボネート樹脂の引っ張り剪断接着強さ測定後試験片の破壊状態を観察した。ポリカーボネート樹脂材破壊又は接着剤の凝集破壊が起こったものを○、ポリカーボネート樹脂と接着剤の界面が破壊したものを×と判定した。結果を表1〜表4の「PC」欄に示す。
【0084】
[アクリル樹脂の引っ張り剪断接着強さ]
温度23℃、湿度50%の環境下で、JIS K−6850に従い、1枚の試験片(100mm×25mm×2mmtのアクリル樹脂、表面無処理)の片面に接着剤組成物を塗布し、もう一枚の試験片(100mm×25mm×2.0mmtのアクリル樹脂、表面無処理)を貼り合わせた。これを120W/cm、集光型の無電極放電ランプ(フュージョンシステムズ社製;型式F−450−20)の下から19cmの位置で、コンベアスピード0.68m/分の条件で照射して接着剤を硬化後、温度23℃、湿度50%の環境下で約1時間養生したものを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度10mm/分で測定した引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)の値を表1〜表4の「AC」欄に示す。
【0085】
[アクリル樹脂密着性]
アクリル樹脂の引っ張り剪断接着強さ測定後試験片の破壊状態を観察した。アクリル樹脂材破壊又は接着剤の凝集破壊が起こったものを○、アクリル樹脂と接着剤の界面が破壊したものを×と判定した。結果を表1〜表4の「AC」欄に示す。
【0086】
[ABS樹脂の引っ張り剪断接着強さ]
温度23℃、湿度50%の環境下で、JIS K−6850に従い、1枚の試験片(100mm×25mm×2mmtのABS樹脂、表面無処理)の片面に接着剤組成物を塗布し、ガラス板(25mm×25mm×2mmt)を貼り合わせた。これを120W/cm、集光型の無電極放電ランプ(フュージョンシステムズ社製;型式F−450−20)の下から19cmの位置で、コンベアスピード0.68m/分の条件でガラス板側から照射して接着剤を硬化させた。硬化した試料のガラス板に常温硬化型の二液アクリル系接着剤で鉄試験片(100mm×25mm×1.6mmt)を接着し、温度23℃、湿度50%の環境下で約1時間養生したものを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度10mm/分で測定した引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)の値を表1〜表4の「ABC」欄に示す。
【0087】
[ABS樹脂密着性]
ABS樹脂の引っ張り剪断接着強さ測定後試験片の破壊状態を観察した。ABS樹脂材破壊又は接着剤の凝集破壊が起こったものを○、ABS樹脂と接着剤の界面が破壊したものを×と判定した。結果を表1〜表4の「ABC」欄に示す。
【0088】
[塩化ビニル樹脂の引っ張り剪断接着強さ]
温度23℃、湿度50%の環境下で、JIS K−6850に従い、1枚の試験片(100mm×25mm×2mmtの塩化ビニル樹脂、表面無処理)の片面に接着剤組成物を塗布し、ガラス板(25mm×25mm×2mmt)を貼り合わせた。これを120W/cm、集光型の無電極放電ランプ(フュージョンシステムズ社製;型式F−450−20)の下から19cmの位置で、コンベアスピード0.68m/分の条件でガラス板側から照射して接着剤を硬化させた。硬化した試料のガラス板に常温硬化型の二液アクリル系接着剤で鉄試験片(100mm×25mm×1.6mmt)を接着し、温度23℃、湿度50%の環境下で約1時間養生したものを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度10mm/分で測定した引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)の値を表1〜表4の「VCL」欄に示す。
【0089】
[塩化ビニル樹脂密着性]
塩化ビニル樹脂の引っ張り剪断接着強さ測定後試験片の破壊状態を観察した。塩化ビニル樹脂材破壊又は接着剤の凝集破壊が起こったものを○、塩化ビニル樹脂と接着剤の界面が破壊したものを×と判定した。結果を表1〜表4の「VCL」欄に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0003899279
【0091】
【表2】
Figure 0003899279
【0092】
【表3】
Figure 0003899279
【0093】
【表4】
Figure 0003899279
【0094】
表1、表2に示したように、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレートを含有してなる本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂に対する接着性が優れていた。特に、(メタ)アクリルアミド化合物として、N,N−ジエチルアクリルアミドを用いた場合は、実験No.1−4−A、実験No.2−7−A、及び実験No.2−8−Aをそれぞれ比較するとわかるように、プラスチック接着性がより優れていた。一方、これらの3種の成分のうちの何れか一つが欠けても、プラスチックに対する接着性が劣っていた。また、表4に示したように微粒無水珪酸を含まないと液垂れ性が悪化し、表5に示したように第3アミン類の塩又は第3アミン類を含まないと糸引き性が劣っていた。
【0095】
押釦スイッチ用キーパッドの実施例
【0096】
図1に示すような複合キーパッドを作製した。ベース部12はシリコーンゴムコンパウンド(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製SH861)を使用した。軟質キートップ形成部13には、シリコーンインキ(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製PRK−3)を用いて表示部17となる文字を印刷して形成した。さらにベース部12の表面に短波長紫外線を照射し表面改質をした後、透明ウレタン系塗料(大日精化工業株式会社製 ダイプラコートSO−1501)をエアガンにてベース部12表面に塗布し硬化乾燥させ膜厚が60μmの保護層18を設けた。その後、硬質樹脂キートップ20が接着する接着面に表5〜表9に示した各成分を含有してなる接着剤組成物をディスペンサーにて塗布し、着色されたポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製パンライト L1225L)を用いて成形した硬質樹脂キートップ20を、塗工した接着剤組成物の上に貼り合わせ、ベース部12の裏面側から、中心波長365nmの紫外線を3000mJ/cmという条件で照射して接着剤組成物を硬化させて、保護層18に隣接した接着層19、及び硬質樹脂キートップ20を有する複合キーパッド11を得た。このようにして作製した複合キーパッド11の実験No.と接着層19となる接着剤組成物の成分の相違等を表5〜表9に示す。
【0097】
また、ベース部12や硬質樹脂キートップ20、保護層18となるコーティング剤の素材を代えた本発明の複合キーパッド11や、硬質キートップ形成部14に保護層を設けない本発明の複合キーパッドも作製した。また、本発明の押釦スイッチ用キーパッド11の接着層19となる接着剤組成物に代えて、成分(1)〜成分(3)の何れかを含まない接着剤組成物や、二液ウレタン系、シアノアクリレート系、従来型の紫外線硬化型接着剤組成物を用いた比較例となる押釦スイッチ用キーパッドも作製した。このようにして作製した押釦スイッチ用キーパッドも併せて表5〜表9に示す。
【0098】
【表5】
Figure 0003899279
【0099】
【表6】
Figure 0003899279
【0100】
【表7】
Figure 0003899279
【0101】
【表8】
Figure 0003899279
【0102】
【表9】
Figure 0003899279
【0103】
表5〜表9において、接着剤組成物中の各成分の含有量を示したものは全て質量部を示し、成分を示していない接着剤組成物はその名称を示す。また、表5〜表9中、成分(1)のウレタン(メタ)アクリレートは、ダイセル・ユーシービー株式会社製のEbecryl KRM7776(商品名)を、成分(2)の(メタ)アクリルアミド化合物は、実験No.2−7−Bにおいて、N−イソプロピルアクリルアミド、実験No.2−8−Bにおいて、ダイアセトンアクリルアミドを用いた以外は、N,N−ジエチルアクリルアミドを、成分(3)の水酸基含有(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、成分(4)の微粒無水珪酸は、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL380(商品名)を、成分(5)の所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類は、実験No.4−6−Bにおいて、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7を、実験No.4−7−Bにおいて、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンを用いた以外は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩を、光重合開始剤には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンをそれぞれ用いた。また、コーティング剤である「透明ウレタン系」には、大日精化工業株式会社製のダイプラコートSO−1501(商品名)を、「透明アクリル系」には、大橋化学工業株式会社製のオーフレックスNo.800(商品名)を用いた。
【0104】
また、表9における接着剤組成物のうち、「二液ウレタン」は、二液型ウレタン系接着性樹脂(ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製、7550)を、「シアノアクリレート系」は、シアノアクリレート系接着性樹脂(株式会社スリーボンド製、Loctite401)を、「紫外線硬化型」は、紫外線硬化型の接着性樹脂(株式会社スリーボンド製、TB3033D)をそれぞれ用いた。なお、これらの接着剤組成物の硬化条件は、「二液ウレタン」では80℃、10分間加熱、「シアノアクリレート系」は20秒間加圧としている。ただし、「紫外線硬化型」の硬化条件は上述の本発明に用いられる接着剤組成物の硬化条件と同条件である。
【0105】
また、実験No.5−5−Bは、実験No.1−2−B(表5)で用いたベース部12となるシリコーンゴムに代えてスチレン系熱可塑性エラストマーを用い、実験No.5−6−Bは、実験No.1−2−Bで用いた硬質樹脂キートップ部20となるポリカーボネート樹脂に代えてABS樹脂を用い、実験No.5−7−Bは、硬質キートップ形成部14に保護層を設けずに接着層19を設けた以外は、実験No.1−2−B等と同様にして押釦スイッチ用キーパッドを作製している。
【0106】
実施例、比較例で作製した各キーパッドについて、硬質樹脂キートップ部の剥離試験を行った。また、接着層となる接着剤組成物の液垂れ性、糸引き性の観察評価を行った。
【0107】
剥離試験
【0108】
押釦スイッチ用キーパッドの剥離試験は、図1中のベース部を固定し、硬質樹脂キートップを矢示方向へ、23℃、湿度50%RH、引っ張り速度50mm/分の条件で引っ張り、硬質キートップ形成部の硬質樹脂キートップが、ベース部から剥離した際の剥離強度を測定した。なお、接着層と硬質樹脂キートップとの接着面、及び接着層とベース部(又は保護層)との接着面の面積は何れも、0.1cmであり、接着層の厚さは何れも、50μmであった。
【0109】
液垂れ性、糸引き性
【0110】
接着層となる接着剤組成物の液垂れ性と糸引き性についての目視による評価は、液垂れ性については、液垂れのほとんどないものを○、やや液垂れするものを△、液垂れがひどいものを×とし、糸引き性については、糸引きがないものを○、やや糸引きするものを△、糸引きがひどいものを×とした。
【0111】
剥離試験の結果、及び接着層に用いた接着剤組成物の液垂れ性、糸引き性を表5〜表9に示す。ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び所定の第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を用いた本発明の押釦スイッチ用キーパッド11は、透明ウレタン系コーティング剤からなる保護層18と、接着層19、そしてポリカーボネート樹脂(又はABS樹脂)からなる硬質樹脂キートップ20の接着性に優れ、硬質樹脂キートップ20がベース部12から剥離し難い押釦スイッチ用キーパッド11であった。特に、(メタ)アクリルアミド化合物として、N,N−ジエチルアクリルアミドを用いた場合は、実験No.1−4−B、実験No.2−7−B、及び実験No.2−8−Bをそれぞれ比較するとわかるように、硬質樹脂キートップ20の接着性がより優れていた。一方、これらの3種の成分のうちの何れか一つが欠けても、硬質樹脂キートップの剥離強度が劣っていた。また、表7に示したように用いる接着剤組成物に微粒無水珪酸を含まないと液垂れ性が悪化し、表8に示したように用いる接着剤組成物に第3アミン類の塩又は第3アミン類を含まないと糸引き性が劣っていた。なお、表中、剥離強度の単位は、いずれもMPaである。
【0112】
接着試験後の破断面の状態を観察すると、成分(1)〜成分(3)の何れかが含まれない実験No.1−1−B、実験No.2−1−B、又は実験No.2−6−Bでは、ベース部と接着層との界面で剥離していた。しかし、それ以外の表5〜表9に示した実験では、ベース部の材料破壊が発生(接着層との接着は保持)した。
【0113】
シアノアクリレート系接着剤を用いた場合は、この接着剤が瞬間接着性であるため、粘度等の経時変化が大きく、作業性に難があった。二液ウレタン系接着剤は、やや液垂れするとともに糸引きがひどく作業性が悪かった。従来の紫外線硬化型接着剤では、やや糸引きし接着性もあまり好ましいものではなかった。
【0114】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物によれば、プラスチック接着性が良好であり、塗布装置のノズルから糸引きせず、塗布しても液垂れが少なく、正確、充分に、そして容易に接着面に塗布できる。
【0115】
本発明の押釦スイッチ用キーパッドによれば、接着強度が高く硬質樹脂キートップが剥離しづらい。さらに、硬質樹脂キートップの接着の際には、塗布装置のノズルから糸引きがなく、塗布後の液垂れが生じない接着操作性に優れた接着剤組成物であるため、押釦スイッチ用キーパッドの製造において生産性、作業性に優れ、安価かつキートップ部の接着性に優れた押釦スイッチ用キーパッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押釦スイッチ用キーパッドの概略縦断面図である。
【図2】本発明の押釦スイッチ用キーパッドに用いられる硬質樹脂キートップの変形例であり、分図(a)はその底面図を、分図(b)は、分図(a)のSA−SA線断面図である。
【図3】本発明の押釦スイッチ用キーパッドに用いられる硬質樹脂キートップの変形例であり、分図(a)はその底面図を、分図(b)は、分図(a)のSB−SB線断面図である。
【図4】本発明の押釦スイッチ用キーパッドに用いられる硬質樹脂キートップの変形例であり、分図(a)はその底面図を、分図(b)は、分図(a)のSC−SC線断面図である。
【符号の説明】
11 複合キーパッド(押釦スイッチ用キーパッド)
12 ベース部
13 軟質キートップ形成部
14 硬質キートップ形成部
15 凸部
16 軟質キートップ部
17 表示部
18 保護層
19 接着層
20 硬質樹脂キートップ
20a 天面
20b 裏面
20c 柱状部
20d 周壁部
20e 柱状部
20f 補強部
21 表示部

Claims (12)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなる活性エネルギー線硬化型接着剤組成物であって、
    第3アミン類の塩又は第3アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンの何れかである活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリルアミド化合物が、ジアルキルアクリルアミド基を含む成分を含有してなる請求項1記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  3. 前記ジアルキルアクリルアミド基を含む成分が、N,N−ジエチルアクリルアミドである請求項2記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  4. 前記第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンのいずれかである請求項1〜請求項3の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
  5. ゴム状弾性体でなるベース部に、硬質樹脂製のキートップ部を固着して成る押釦スイッチ用キーパッドにおいて、
    キートップ部が、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を固化した接着層を介してベース部に結合されており、
    活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート、微粒無水珪酸、及び第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方を含有してなり、 第3アミン類の塩又は第3アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−オレイン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−p−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−ギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンの何れかであることを特徴とする押釦スイッチ用キーパッド。
  6. 前記第3アミン類の塩又は第3アミン類の少なくとも一方が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7又は1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンのいずれかである活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を固化した前記接着層を介してベース部に結合されている請求項5記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  7. 前記(メタ)アクリルアミド化合物が、ジアルキルアクリルアミド基を含む成分を含有してなる請求項5又は請求項6記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  8. 前記ジアルキルアクリルアミド基を含む成分が、N,N−ジエチルアクリルアミドである請求項7記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  9. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が、紫外線硬化型接着剤組成物である請求項5〜請求項8の何れか1項記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  10. 前記ベース部と接着層との間にさらに該ベース部を保護する保護層が形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項9の何れか1項記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  11. 前記保護層が架橋性ウレタン系樹脂からなる請求項10記載の押釦スイッチ用キーパッド。
  12. ゴム状弾性体でなるベース部にキートップ部を成す凸部を形成し、前記ベース部を、該凸部が成す軟質キートップ部と、前記硬質樹脂製のキートップ部が成す硬質キートップ部とを併せて備える複合キーパッド用ベース部としてある請求項5〜請求項11の何れか1項記載の押釦スイッチ用キーパッド。
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