JP5216611B2 - 押釦スイッチ用部材、押釦スイッチ用部材の製造方法、キーパネルおよび電子機器 - Google Patents

押釦スイッチ用部材、押釦スイッチ用部材の製造方法、キーパネルおよび電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、押釦スイッチ用部材、押釦スイッチ用部材の製造方法、キーパネルおよび電子機器に関するものである。
携帯電話や、PDA、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置などの各種機器の操作部には、押釦スイッチ用部材が用いられる。この押釦スイッチ用部材としては、ベースシートにキートップを接着した構成が知られている。このタイプの押釦スイッチ用部材の作製に際して、ベースシートとキートップとの接着には、例えば、ウレタン系の2液硬化型の接着剤が用いられることが知られている(特許文献1、段落番号0075参照)。
特開2007−66818号公報
ベースシートとキートップとの接着を強固なものとするためには、上述したような2液の反応により硬化する2液硬化型接着剤を用いることが好適である。しかし、接着対象となる部材(キートップ及び/又はベースシート)表面に2液を混合して塗布した後から接着特性が経時劣化するため、接着強度は2液を混合した後からキートップとベースシートとの貼り合わせが完了するまでの間の時間の経過と共に低下する。
一方、このような接着性の低下に対しては、製造プロセスの見直しも考えられる。しかし、品質バラツキの抑制や、タクトタイムの短縮にも限界があるため、通常は、接着対象となる部材表面に2液を混合して塗布した後、一定時間経過後に、キートップとベースシートとの貼り合わせが行われることになる。従って、2液混合後からキートップとベースシートとの貼り合わせまでに要する作業時間の見直しによる接着性の改善には限界がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、キートップとベースシートとがより強固に接着された押釦スイッチ用部材およびキートップとベースシートとの接着強度をより強固なものとする押釦スイッチ用部材の製造方法、並びに、当該押釦スイッチ用部材を用いたキーパネルおよび電子機器を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明の押釦スイッチ用部材は、キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程と、ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程と、上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程と、を少なくとも経て作製され、且つ、下式(1)および(2)を満たすことを特徴とする。
・式(1) 0.25≦MR1≦0.8
・式(2) 1.25≦MR2≦4
〔式(1)および式(2)中、MR1は、上記第一の接着層および上記第二の接着層から選択されるいずれか一方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表し、MR2は、他方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表す。〕
本発明の押釦スイッチ用部材の製造方法は、キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程と、ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程と、上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程とを有し、且つ、下式(3)および(4)を満たすことを特徴とする。
・式(3) 0.25≦MR1≦0.8
・式(4) 1.25≦MR2≦4
〔式(3)および式(4)中、MR1は、上記第一の接着層および上記第二の接着層から選択されるいずれか一方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表し、MR2は、他方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表す。〕
本発明の押釦スイッチ用部材は、キートップと、ベースシートと、上記キートップと上記ベースシートとの間に設けられ、且つ、2液硬化型のウレタン系接着剤を硬化させることにより形成された硬化層と、を備え、前記硬化層が、上記キートップ側と接する第一層と、上記ベースシート側と接し且つ上記第一層とは組成の異なる第二層と、から構成され、上記第一層および上記第二層から選択されるいずれか一方の層に、上記硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応の水酸基が含まれ、他方の層に、上記硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応のイソシアネート基が含まれることを特徴としてもよい
本発明のキーパネルは、本発明の押釦スイッチ用部材を備えたことを特徴とする。
本発明の電子機器は、本発明のキーパネルを備えたことを特徴とする。
本発明の電子機器の一実施態様は、携帯電話であることが好ましい。
以上に説明したように、本発明によれば、キートップとベースシートとがより強固に接着された押釦スイッチ用部材およびキートップとベースシートとの接着強度をより強固なものとする押釦スイッチ用部材の製造方法、並びに、当該押釦スイッチ用部材を用いたキーパネルおよび電子機器を提供することができる。
本実施形態の押釦スイッチ用部材の製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態の押釦スイッチ用部材を用いたキーパネルの一例を示す模式断面図である。
<押釦用スイッチ用部材および押釦スイッチ用部材の製造方法>
本実施形態の押釦スイッチ用部材は、(1)キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程と、(2)ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程と、(3)上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程と、を少なくとも経て作製される。そして、下式(1)および(2)を満たすことを特徴とする。
・式(1) 0.25≦MR1≦0.8
・式(2) 1.25≦MR2≦4
〔式(1)および式(2)中、MR1は、上記第一の接着層および上記第二の接着層から選択されるいずれか一方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表し、MR2は、他方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表す。〕
そして、上述した3つの工程を経て作製された本実施形態の押釦スイッチ用部材は、キートップと、ベースシートと、上記キートップと上記ベースシートとの間に設けられ、且つ、2液硬化型のウレタン系接着剤を硬化させることにより形成された硬化層と、を備え、前記硬化層が、上記キートップ側と接する第一層と、上記ベースシート側と接し且つ上記第一層とは組成の異なる第二層と、から構成され、上記第一層および上記第二層から選択されるいずれか一方の層に、上記硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応の水酸基が含まれ、他方の層に、上記硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応のイソシアネート基が含まれる、という構成を有する。
本実施形態の押釦スイッチ用部材は、キートップおよびベースシートを貼り合わせて接着する際に、式(1)および式(2)を満たすように、各々の部材表面に接着層が設けられる。すなわち、各々の接着層中に含まれる主剤と硬化剤との配合比が、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中の水酸基とが等量で反応できないように、両方の基のモル比率を理想的モル比率(2種類の基が過不足なく反応できる比率)である1:1からずらしたものになるように調整される。それゆえ、接着層の表面には、未反応のイソシアネート基又は水酸基が存在することになる。これに加えて、一方の部材側の接着層表面が、イソシアネート基過剰(水酸基不足)な状態であり、他方の部材側の接着層表面が、水酸基過剰(イソシアネート基不足)な状態となるように、各々の接着層の主剤と硬化剤との配合比が調整される。このため、キートップおよびベースシートを貼り合わせた際に、2つの接着層の接着界面で一方の接着層側の未反応のイソシアネート基と、他方の接着層の未反応の水酸基とが反応する。それゆえ、接着界面での接着強度が向上する。
但し、イソシアネート基と水酸基とのモル比率が、理想的モル比率からずれていたとしても、そのずれ具合が小さすぎる場合は、接着層表面に存在する未反応のイソシアネート基又は水酸基の量が少なくなる。このような場合は、接着界面での接着強度を向上させることができなくなる。それゆえ、一方の接着層におけるモル比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数);MR1は、式(1)に示すように0.8以下であることが必要であり、他方の接着層におけるモル比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数);MR2は、式(2)に示すように1.25以上であることが必要である。なお、MR1は0.6以下であることが好ましく0.5以下であることがより好ましい。また、MR2は1.7以上であることが好ましく2以上であることがより好ましい。
一方、イソシアネート基と水酸基とのモル比率が、理想的モル比率から大幅にずれている場合は、接着層中に含まれるイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応が不十分となるため、接着層自体の硬化反応が十分に進まないことになる。この場合、接着層が硬化できず、結果として硬化層を形成できなかったり、接着層が硬化して硬化層が形成できたとしても硬化層の強度が著しく不足し、結果として、キートップとベースシートとの接着力が不十分となる。従って、MR1は、式(1)に示すように0.25以上であることが必要であり、MR2は、式(2)に示すように4以下であることが必要である。なお、MR1は0.33以上であることが好ましく0.4以上であることがより好ましい。また、MR2は3以下であることが好ましく2.5以下であることがより好ましい。
なお、接着界面における接着強度を極大化するという観点からは、一方の接着層表面に存在する未反応のイソシアネート基(又は水酸基)と、他方の接着層表面に存在する未反応の水酸基(イソシアネート基)とを、過不足無く反応させることが好ましい。この観点からは、MR1とMR2との積;MR1×MR2は0.5以上2以下が好ましく、0.6以上1.6以下がより好ましく、1が最も好ましい。
次に、本実施形態の押釦スイッチ用部材を構成する各部の材料や、製造方法等についてより詳細に説明する。
−押釦スイッチ用部材の構成−
本実施形態の押釦スイッチ用部材は、キートップと、ベースシートと、これら両部材の間に設けられた2液硬化型のウレタン系接着剤を硬化させることにより形成された硬化層と、を少なくとも備えたものである。すなわち、本実施形態の押釦スイッチ用部材は、ベースシートの片面に、硬化層を介してキートップが接着固定された構成を有する。なお、本実施形態の押釦スイッチ用部材には、必要に応じて、キートップと並べて、ベースシートにフレームシートを配置してもよい。このフレームシートは、キートップの側面に形成される隙間を埋めるように設けられるものであり、通常は、ベースシート表面のキートップが配置されていない領域全体を覆うように設けられることが好ましい。フレームシートを設けることで、キートップ間に爪が入り込むことによりキートップが剥離して脱落するのをより確実に防止することができる。また、キートップの極端な浮き上がりを防止できるため、この点でも、キートップが剥離して脱落するのをより確実に防止することができる。フレームシートとベースシートとの接着方法は、両面テープや、接着剤を用いたものであれば特に限定されないが、キートップとベースシートとを接着する場合と同様の接着方法を採用することが好ましい。
−ベースシート−
ベースシートは、樹脂フィルムから構成され、必要に応じて、この樹脂フィルムの表面にその他の層を設けることができる。このようなその他の層としては、特に限定されないが、例えば、ベースシートのキートップが配置されない領域(非キートップ領域)に、文字、記号、図形、外観色、模様など、情報伝達やデザイン性の向上、遮光を目的として印刷層を設けることができる。なお、他の層は、複数回に分けて積層形成してもよい。例えば、外観色を付与する印刷層を形成後、乾燥処理し、続いて、文字・図形・記号(色)等を付与する印刷層を形成後、乾燥処理し、遮光層を形成するといったように、複数の層を順次積層してもよい。また、非キートップ領域には、耐傷性向上を目的として、ハードコート層を設けてもよい。ハードコート層としては、UV硬化型アクリル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂などの透明樹脂材料が利用できる。また、本実施形態の押釦スイッチ用部材が、押釦スイッチ用部材が配置された操作パネル面の裏面側にLED等のバックライトを配置したいわゆる照光式である場合、黒顔料を含む印刷層(遮光層)を設けることが好ましい。この遮光層は、バックライト光を透過させたくない領域(例えば、非キートップ領域など)に設けられる。
樹脂フィルムの厚みやサイズは、押釦スイッチ用部材を用いる電子機器やスイッチパネルに応じて適宜選択することができる。しかしながら、厚みは12μm以上300μm以下が好ましく、25μm以上100μm以下がより好ましい。厚みが12μm未満では、押釦スイッチ用部材の機械的耐久性が低下してしまうことがある。一方、厚みが300μmを超えると、特に携帯型の電子機器に押釦スイッチ用部材に用いる場合に、薄型化の要請に応えることが困難となる場合がある。
樹脂フィルムを構成する材料としては、公知の樹脂材料を用いることができる。しかしながら、キートップが押圧された場合、ベースシートは、僅かに変形してベースシートのキートップが設けられた側と反対側に配置されたスイッチの接点を押圧する必要がある。また、ベースシートとキートップとの接着に際して、ベースシートとキートップとの接着に用いる2液硬化型のウレタン系接着剤との濡れ性や化学的親和性が高い方が好ましい。これらの点を考慮すると、樹脂フィルムとしては、ポリウレタン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂を用いることが好ましく、これらの中でも特にポリウレタン樹脂が最も好ましい。なお、樹脂フィルムが2層以上のフィルムを貼り合わせて構成されたようなものなどである場合には、樹脂フィルムのキートップが接着される側の面が、上述した樹脂材料を含んでいることが好ましい。また、本実施形態の押釦スイッチ用部材が照光式である場合、樹脂フィルムは光透過性を有することが好ましい。このような透光性樹脂材料の可視域(約400〜800nm)の波長に対する透過率は70%以上であることが必要であり、85%以上であることが好ましく、100%に近いほど好ましい。
−キートップ−
キートップは、フィルム状またはブロック状の樹脂部材から構成され、必要に応じて、この樹脂部材の表面に、上述した印刷層やハードコート層、遮光層などの他の層を設けることができる。また、ベースシートの場合と同様に、他の層は、複数回に分けて積層形成してもよい。なお、樹脂部材の接着層が設けられる側の面に他の層を設ける場合は、樹脂部材の表面に印刷層を形成した後、この印刷層の表面に接着層を形成することができる。樹脂部材の厚みやサイズは、押釦スイッチ用部材を用いる電子機器やスイッチパネルに応じて適宜選択することができる。しかしながら、厚みは250μm以上1000μm以下が好ましく、400μm以上700μm以下がより好ましい。厚みが250μm未満では、キートップとベースシートとの段差が小さすぎるために、目視や手で触った際にどの領域がキーを構成しているのかが識別困難となる場合がある。一方、厚みが1000μmを超えると、特に携帯型の電子機器に押釦スイッチ用部材に用いる場合に、薄型化の要請に応えることが困難となる場合がある。
樹脂部材を構成する材料としては、公知の樹脂材料を用いることができる。しかしながら、ベースシートとキートップとの接着に際して、ベースシートとキートップとの接着に用いる2液硬化型のウレタン系接着剤との濡れ性や化学的親和性が高い方が好ましい。この点を考慮すると、樹脂部材としては、ポリカーボネート樹脂や、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、これらの中でも特にポリカーボネート樹脂が最も好ましい。なお、樹脂フィルムが2層以上のフィルムを貼り合わせて構成されたようなものである場合には、樹脂フィルムのベースシートが接着される側の面が、上述した樹脂材料からなることが好ましい。また、本実施形態の押釦スイッチ用部材が照光式である場合、樹脂部材は光透過性を有することが好ましい。このような透光性樹脂材料の可視域(約400〜800nm)の波長に対する透過率は70%以上であることが必要であり、85%以上であることが好ましく、100%に近いほど好ましい。
−フレームシート−
上述したように、フレームシートは、必要に応じて、キートップと並べて、ベースシートに配置してもよい。フレームシートの構成材料や、フレームシート表面に設けられる場合については、平面方向の形状・サイズや、遮光層の有無などを除いて、基本的にキートップに準じた構成とすることができる。
−硬化層−
キートップとベースシートとの間や、必要に応じて設けられるフレームシートとベースシートとの間には、これら両部材を接着固定する硬化層が設けられる。この硬化層は、接着剤が硬化することにより形成された層である。硬化層は、接着強度の確保という点でキートップやフレームシートのベースシート側の面全体に設けられていることが最も好ましい。しかし、実用上は、キートップやフレームシートの側端面から内側へ0.2mmぐらいの距離までは、設けられていないようにすること好適である。接着時の接着剤のはみ出しを回避するためである。
本実施形態の押釦スイッチ用部材では、キートップとベースシートとの間に設けられる硬化層は、(1)キートップ側と接する第一層と、ベースシート側と接し且つ第一層とは組成の異なる第二層と、からなる2層構成を有し、且つ、(2)第一層および第二層から選択されるいずれか一方の層に、硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応の水酸基が含まれ、他方の層に、硬化時にウレタン結合を形成しなかった未反応のイソシアネート基が含まれるものである。一方、フレームシートとベースシートとの間に設けられる硬化層については、その層構成や材料組成については特に限定されず、公知の接着剤を硬化させた硬化層であれば特に限定されない。また、硬化層の代わりに、両面テープを用いてもよい。
−製造方法−
本実施形態の押釦スイッチ用部材の製造方法について、まず、上述した2層構成のウレタン系材料からなる硬化層に着目して説明する。本実施形態の押釦スイッチ用部材の製造に際しては、以下の3つの工程が必ず実施される。
(1)キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程
(2)ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程
(3)上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程
第一の接着層形成工程および第二の接着層形成工程に用いられる接着剤としては、ポリオール化合物を主成分とする主剤と、イソシアネート化合物を主成分とする硬化剤とを含むいわゆるウレタン系の2液硬化型接着剤が用いられる。このウレタン系の2液硬化型接着剤としては、公知のものであれば特に限定されず、通常は、市販品が利用できる。具体例としては、SG740(セイコーアドバンス社製、メーカー推奨の混合比(質量基準)、主剤:硬化剤=100:10)、MP4(セイコーアドバンス社製、メーカー推奨の混合比(質量基準)、主剤:硬化剤=100:3)、VIC(セイコーアドバンス社製、メーカー推奨混合比(質量基準)、主剤:硬化剤=100:10)、OSP(セイコーアドバンス社製、メーカー推奨混合比(質量基準)、主剤:硬化剤=100:10)、RUX(セイコーアドバンス社製、メーカー推奨混合比(質量基準)、主剤:硬化剤=100:10)などが挙げられる。なお、「メーカー推奨の混合比」とは、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中の水酸基とが等量で反応できる理想的モル比率(2種類の基が過不足なく反応できる比率)となるような、主剤と硬化剤との配合比率を意味する。
第一の接着層の形成に用いられる接着剤と、第二の接着層の形成に用いられる接着剤としては、同一種類のものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてもよい。接着剤の選定に際しては、接着剤を塗布する面を構成する材料に対する濡れ性や化学的親和性を考慮することが好ましい。この観点から、接着剤を塗布する面を構成する樹脂材料と接着剤との好適な組み合わせとしては、ポリウレタン樹脂とMP4との組み合わせや、ポリカーボネート樹脂とSG740との組み合わせ、ポリウレタン樹脂とMP4又はRUXとの組み合わせ、ポリカーボネート樹脂とSG740又はVICとの組み合わせなどが挙げられる。
接着剤の塗布方法としては特に限定されず、スクリーン印刷、パッド印刷や、インクジェット印刷などの公知の塗付方法が適宜利用できる。また、主剤と硬化剤とを混合した直後は、キートップやベースシート表面に形成された接着層は流動性が高いため、主剤や硬化剤中に含まれる溶媒成分の揮発や、主剤と硬化剤との自発的な反応の進行などにより接着層が半硬化状態となるまで放置する。ここで、「半硬化状態」とは、流動性は喪失しているが、接着層表面が他の部材と接着できるポテンシャルを保持している状態を意味する。半硬化状態か否かは、接着層を指で触って型崩れしないか否かや、粘着感を有しているか否かで判断できる。また、主剤と硬化剤とを混合してから、接着層が加圧加熱工程の実施に適した半硬化状態となるまでの放置時間としては、一般的には、60分〜24時間程度の範囲内で、接着剤中に含まれる溶媒の量や沸点、接着剤の反応性、接着層を乾燥させる乾燥工程の有無などを考慮して適宜選択される。なお、乾燥工程を実施する場合、80℃で、5分〜60分程度の温度・時間条件で乾燥処理を行うことが好ましい。
第一の接着層形成工程および第二の接着層形成工程を終え、必要に応じて乾燥工程を実施した後には、加圧加熱工程が実施される。加圧加熱条件としては、接着層を構成する材料や、接着層の半硬化状態の程度、接着層の膜厚などを応じて適宜選択することができる。典型的な条件としては、(i)加熱温度(押圧部表面温度)としては140℃〜190℃が好ましく、150℃〜180℃がより好ましく、(ii)時間としては、3秒〜30秒が好ましく、5秒〜20秒がより好ましく、(iii)圧力としては、0.5kg/cm〜4kg/cmが好ましく、1kg/cm〜3kg/cmがより好ましい。
なお、本実施形態の押釦スイッチ用部材が、フレームシートも有する場合は、キートップに形成される第一の接着層と同様の接着層をフレームシートに形成した後、加圧加熱工程を実施してもよい。これによりフレームシートとベースシートとをより強固に接着することが容易となる。また、接着剤ではなく、両面テープによりフレームシートとベースシートとを接着する場合は、加圧加熱工程の実施後に両部材を接着する。これらの工程を終えた後、更に、必要に応じて、ベースシートのキートップが設けられた側と反対側の面にプッシャーシートや押圧子が設けられる。なお、プッシャーシートとしては、厚みが25μm〜125μm程度の透明樹脂シートを用いることができる。透明樹脂シートを構成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA樹脂)等が挙げられるが、これらの中でも特にPET樹脂が好適である。そして、この透明樹脂シートの片面に、アクリル系やアクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂により押圧子を形成することができる。この押圧子の高さとしては、100μm〜400μm程度とすることができる。また、プッシャーシートと押圧子とを一体成型した部材を用いることもできる。このような一体成型部材は、例えば、未硬化のシリコーンゴムを圧縮成形することにより作製できる。この場合、一体成型部材のプッシャーシートに相当する部分の厚みは125μm〜1000μm程度とすることができ、押圧子に相当する部分の高さは150μm〜500μm程度とすることができる。
次に、本実施形態の押釦スイッチ用部材の製造方法の一例を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の押釦スイッチ用部材の製造方法の一例を示す模式図である。ここで、図1(A)は、第一の接着層形成工程および第二の接着層形成工程を終え、キートップとベースシートとを貼り合わせる前の状態について示す図であり、図1(B)は、加圧加熱工程実施中の状態について示す図であり、図1(C)は、加圧加熱工程終了後の状態について示す図であり、図1(D)は、加圧加熱工程終了後に、フレームシートやプッシャーシート、押圧子などを設け、押釦スイッチ用部材が完成した状態について示す図である。以下、図1に示す製造過程を順に説明する。
図1に示すように、第一の接着層形成工程を終えたキートップ10の片面には、式(1)を満たすような比率で主剤と硬化剤と含む半硬化状態の第一の接着層30Aが形成され、第二の接着層形成工程を終えたベースシート20の片面には、式(2)を満たすような比率で主剤と硬化剤と含む半硬化状態の第二の接着層30Bが形成されている。なお、ベースシート20表面に設けられる第二の接着層30Bは、キートップ10のサイズに略一致するようにベースシート20表面の一部の領域に形成される。また、図1(A)中、キートップ10と第一の接着層30Aとの間には、必要に応じて1層以上の印刷層が設けられていてもよい。さらに、必要に応じてベースシート20のキートップ10が設けられた側の面であって、且つ、キートップ10が配置されていない領域や、ベースシート20のキートップ10が設けられた側の面の反対側の面に、加飾や遮光を目的とした印刷層を設けてもよい。
続いて、図1(B)に示すように、キートップ10とベースシート20とを貼り合わせ、第一の接着層30A表面と第二の接着層30B表面とを密着させた状態で、キートップ10と、接着層30(第一の接着層30A、第二の接着層30B)と、ベースシート20とをこの順に積層した積層体を、両面から加圧加熱する。この際、第一の接着層30A表面に残留する未反応のイソシアネート基(または水酸基)と、第二の接着層30B表面に残留する未反応の水酸基(またはイソシアネート基)とが、反応し、ウレタン結合を形成する。これにより、第一の接着層30Aと第二の接着層30Bとの界面が強固に接着される。また、接着層30全体が加熱されるため、接着層30中に含まれる未反応の成分の硬化反応が一気に進行する。なお、積層体の加熱加圧は、上述したように積層体の両面側から実施されることが好ましいが、加熱については積層体のベースシート20側のみから実施するだけでもよい。
加圧加熱工程を終えた後は、図1(C)に示すように接着層30は完全に硬化して硬化層40となる。なお、硬化層40は、第一の接着層30Aに対応する第一層40Aおよび第二の接着層30Bに対応する第二層40Bから構成される。ここで、第一層40A中には、硬化時に反応できなかった未反応のイソシアネート基(または水酸基)が残留し、第二層40B中には、硬化時に反応できなかった未反応の水酸基(またはイソシアネート基)が残留している。このように、2つの接着層30A、30Bが密着して硬化することで、これらの層は見かけ上は一体化し、1層の硬化層40を形成する。しかし、硬化層40の厚み方向における未反応のイソシアネート基や水酸基の残留濃度については、硬化層40の厚み方向で全く異なるものとなる。
最後に、図1(D)に示すように、フレームシート52等を設けることにより、押釦スイッチ用部材100が完成する。なお、図1(D)に示す押釦スイッチ用部材100は、
キートップ10と並べて、ベースシート20上に両面テープ42を介してフレームシート52が接着固定されると共に、ベースシート20のキートップ10が設けられた側と反対側の面にプッシャーシート50、押圧子60がこの順に積層形成されたものである。また、図1(D)中、押圧子60と、プッシャーシート50との間や、ベースシート20とプッシャーシート50との間に設けられる接着層については記載を省略してある。
<キーパネル、電子機器>
本実施形態のキーパネルは、少なくとも本実施形態の押釦スイッチ用部材を備えたものである。ここで、本願明細書において、「キーパネル」とは操作スイッチを有する操作盤のことである。キーパネルは、スイッチ操作による操作対象となる電子機器本体と一体に設けられたものであってもよいし、スイッチ操作による操作対象となる電子機器本体と物理的に分離して設けられたものであってもよい。なお、後者の場合は、キーパネルと電子機器とが、有線接続されるタイプであってもよいし、キーパネルと電子機器とが赤外線通信などによって信号のやり取りが可能なワイヤレスタイプであってもよい。代表的な例としては、エアーコンディショナ、インターホン、テレビ等のリモートコントローラ、デスクトップタイプのパソコンのキーボードなどに用いられる操作盤が挙げられる。また、キーパネルを備えた電子機器(キーパネルが電子機器本体と一体化した電子機器)としては、電子辞書、携帯電話、電卓、ノートパソコン、PDA、MP3プレーヤ等の音楽再生機能を持つ携帯型プレーヤなどが挙げられる。
本実施形態の押釦スイッチ用部材が、照光式の押釦スイッチ用部材である場合には、キーパネルには、本実施形態の押釦スイッチ用部材以外にも、ベースシートのキートップが設けられた側と反対側の面(以下、単に「裏面」と称す場合がある)またはベースシートの側面側に光源が更に設けられる。ここで、「光源」とは、裏面側を照射するために自らが発光する光源を意味する。なお、光源が押釦スイッチ用部材の側面側に配置される場合は、押釦スイッチ用部材の裏面側に、導光板のように光源から照射される光を裏面側に導く部材を、押釦スイッチ用部材と略平行に配置し、この部材の側面側に光源を配置する。ここで自らが発光する光源としては、LEDやエレクトロルミネッセンスシート(ELシート)等が利用できる。
本実施形態の電子機器は、上述したキーパネルを電子機器本体と一体的に有するものであればその用途は特に限定されないが、携帯型の電子機器;例えば、携帯電話や、電子辞書、PDA、ノートパソコンなどであることが好ましい。
−キーパネル、電子機器の実施の形態−
図2は、本実施形態の押釦スイッチ用部材を用いたキーパネルの一例を示す模式断面図である。なお、図2中、図1中に示す部材と同様の機能・構成を有する部材については同じ符号を付してある。また、キーパネル110のその他の部分;例えばキーパネル単体の場合の筺体構造や、キーパネルが電子機器本体と一体的に構成されている場合の電子機器本体部分の構造等についても記載を省略してある。図2に示すキーパネル110は、押釦スイッチ用部材100と、押釦スイッチ用部材100の裏面に対向して配置された基板74と、基板74表面に配置されたタクトスイッチ70と、基板74表面に配置されたLED72とから構成されている。そして、タクトスイッチ70は、押圧子60と接触できるように基板74表面に配置されている。
ここで、LED72を発光させると、押釦スイッチ用部材100のキートップ10などに設けられた不図示の印刷層に形成された文字や記号、外観色などが、押釦スイッチ用部材100のキートップ10が設けられた側の面から目視で確認できる。この際、例えば、キー操作者が、キートップ10を押し込むと押圧子60が下方に押し込まれてタクトスイッチ70のオンオフ操作がなされる。
以下に本発明を、実施例を挙げてより具体的に説明するが本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
<押釦スイッチ用部材の作製>
(比較例1)
主剤と硬化剤とを表1に示す割合で混合した接着剤を、ベースシート(ポリウレタン樹脂フィルム、シーダム社製、商品名;DUS605、厚み;50μm)およびキートップ(ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、商品名;H3000R、厚み;500μm、縦横サイズ11mm×6mm)の片面に、厚みがそれぞれ400μm程度となるようにスクリーン印刷法により塗布し、接着層を形成した。なお、接着層は、ベースシートおよびキートップを構成する樹脂フィルムの表面に直接形成した。また、接着層は、キートップの片面全面に形成すると共に、ベースシート側には、キートップに対応する領域にのみ形成した。その後、各々の接着層が半硬化状態となるように、80℃で30分間乾燥処理を行った。なお、乾燥処理後のキートップ側およびベースシート側の接着層の表面を指で触ったところ型崩れすることはなく、接着層が半硬化状態となっていることが確認された。続いて、乾燥処理を終えた後にベースシートとキートップとを貼り合わせた状態で、温度180℃、圧力2kg/cmの条件にて15秒間加圧加熱処理を行い、キートップとベースシートとを接着固定した。この際の主要な実験条件を表1に示す。
なお、表1中の「主剤100質量部に対する硬化剤適量値C」とは、メーカー推奨の混合比(主剤中のイソシアネート基と硬化剤中の水酸基とが等量で反応できる理想的モル比率に相当する主剤と硬化剤との質量配合比)を、主剤100質量部を基準とした時の硬化剤の最適量で表したものである。また、表1中のMR(K)、MR(B)は、各々の接着層中の2種類の官能基のモル比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を、主剤の配合量A(質量部)、硬化剤の配合量B(質量部)および主剤100質量部に対する硬化剤の適量値Cから計算して求めたものである。ここで、MR(K)、MR(B)=A×C/100Bである。
(実施例1〜実施例5、比較例2〜比較例4)
MR(K)、MR(B)および接着剤種類を表1に示すように変化させた以外は比較例1と同様にしてキートップとベースシートとを接着固定した。なお、いずれの実施例、比較例においても、乾燥処理後のキートップ側およびベースシート側の接着層の表面を指で触ったところ型崩れすることはなく、接着層が半硬化状態となっていることが確認された。
(比較例5〜7)
MR(K)および接着剤種類を表1に示すように変化させると共に、ベースシート側に接着層を設けなかった以外は比較例1と同様にしてキートップとベースシートとを接着固定した。なお、いずれの比較例においても、乾燥処理後のキートップ側の接着層の表面を指で触ったところ型崩れすることはなかった。
Figure 0005216611
(評価)
各実施例、比較例のサンプルについて、接着性を評価した結果を表2に示す。
Figure 0005216611
なお、表2中に示す初期、1週間後および高温高湿試験後の接着性評価の評価方法および評価基準は以下の通りである。
−接着性(初期)−
接着性(初期)の評価は、接着性測定器(FGC−10,日本電産シンボ社製)を用いて、キートップとベースシートとの間の接着強度を調べた。接着強度の測定は、主剤と硬化剤とを配合した時点から24時間以内にベースシートとキートップを貼り合わせた各実施例、比較例サンプルを用いて以下のように実施した。まず、キートップの上部をクランプに固定し、垂直引き上げ速度50mm/minにて、上方に向かって垂直に引き上げた。一方、ベースシートは、下方に力を加え固定した。そして、この際のキートップとベースシートとの剥離に要する最大応力を10個のサンプルについて測定し、その平均値を求めた。評価基準は以下の通りである。
◎:最大応力の平均値が、3kg/cm 以上
○:最大応力の平均値が、2kg/cm以上3kg/cm未満
△:最大応力の平均値が、1kg/cm以上2kg/cm未満
×:最大応力の平均値が、1kg/cm 未満
−接着性(1週間後)−
接着性(1週間後)の評価は、主剤と硬化剤とを配合した時点から乾燥工程を経て1週間後にベースシートとキートップを貼り合わせた各実施例、比較例サンプルを用いて、接着性(初期)の場合と同様の評価を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:最大応力の平均値が、3kg/cm 以上
○:最大応力の平均値が、2kg/cm以上3kg/cm未満
△:最大応力の平均値が、1kg/cm以上2kg/cm未満
×:最大応力の平均値が、1kg/cm 未満
−接着性(高温高湿試験後)−
接着性(高温高湿試験後)の評価は、主剤と硬化剤とを配合した時点から1週間以内にベースシートとキートップを貼り合わせた各実施例、比較例のサンプルを高温高湿環境下(65℃、95Rh%)にて240時間放置した後、接着性(初期)の場合と同様の評価を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:最大応力の平均値が、3kg/cm 以上
○:最大応力の平均値が、2kg/cm以上3kg/cm未満
△:最大応力の平均値が、1kg/cm以上2kg/cm未満
×:最大応力の平均値が、1kg/cm 未満
10 キートップ
20 ベースシート
30 接着層
30A 第一の接着層
30B 第二の接着層
40 硬化層
40A 第一層
40B 第二層
42 両面テープ
50 プッシャーシート
52 フレームシート
60 押圧子
70 タクトスイッチ
72 LED
74 基板
100 押釦スイッチ用部材
110 キーパネル

Claims (5)

  1. キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程と、
    ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程と、
    上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程と、を少なくとも経て作製され、且つ、
    下式(1)および(2)を満たすことを特徴とする押釦スイッチ用部材。
    ・式(1) 0.25≦MR1≦0.8
    ・式(2) 1.25≦MR2≦4
    〔式(1)および式(2)中、MR1は、上記第一の接着層および上記第二の接着層から選択されるいずれか一方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表し、MR2は、他方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表す。〕
  2. キートップの片面に、第一のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第一のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第一の接着層を形成する第一の接着層形成工程と、
    ベースシートの片面に、第二のポリオール化合物を主成分とする主剤と、第二のイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤と、を含む半硬化状態の第二の接着層を形成する第二の接着層形成工程と、
    上記キートップの上記第一の接着層が形成された面と、上記ベースシートの上記第二の接着層が形成された面とを貼り合わせることにより得られた積層体を加圧加熱する加圧加熱工程とを有し、且つ、
    下式(3)および(4)を満たすことを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。
    ・式(3) 0.25≦MR1≦0.8
    ・式(4) 1.25≦MR2≦4
    〔式(3)および式(4)中、MR1は、上記第一の接着層および上記第二の接着層から選択されるいずれか一方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表し、MR2は、他方の接着層におけるイソシアネート化合物起因のイソシアネート基のモル数に対するポリオール化合物起因の水酸基のモル数の比率(水酸基のモル数/イソシアネート基のモル数)を表す。〕
  3. 請求項に記載の押釦スイッチ用部材を備えたことを特徴とするキーパネル。
  4. 請求項に記載のキーパネルを備えたことを特徴とする電子機器。
  5. 携帯電話であることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
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