JP5721590B2 - 押釦スイッチ用部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
の積層構造を有する押釦スイッチ用部材であって、弾性シート層あるいはシリコーンゴム層の面の少なくとも一部には、加飾層が設けられ、その加飾層を除去することで上記透光領域が形成されている押釦スイッチ用部材とその製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
キートップ1は、弾性ベースシート2の上面に固着されており人の指で押圧することで弾性ベースシート2の下方にあるスイッチ部材を入力するための部材である。弾性ベースシート2自身をキートップとすることも可能であるが、弾性ベースシート2よりも硬質素材であると、押圧感触、質感(意匠性)に優れる。また、人が直接触れるため、人脂等の浸透による接点障害の恐れもない。
弾性ベースシート2は、固定電極を上面に備える基板(図示せず)の上方に配置されるベース部22と、固定電極に対向し固定電極上方に備わる可動電極を押圧するための押子23と、ベース部の押子23とは逆面(上方)にキートップを固着する固着部4を備える。可動電極として、自身にクリック感触を発生させるメタルドーム等のドーム状導電接点を使用しない場合は、弾性ベースシート2のベース部22から固着部4に繋がる薄肉のドーム部21を設けても良い。この場合、ドーム部21はベース部22から固着部4に向けて約40〜70度の傾きで上方に延出しており、その形状は直線又は湾曲していても良い。
弾性ベースシート2用の遮光性加飾層3としては、弾性ベースシート2への密着性、柔軟性、光遮蔽性が求められ、例えばシリコーン系、ウレタン系、アクリル系、ジエン系の熱硬化性塗料が挙げられるが、弾性ベースシート2がドーム部21を有し、使用のたび繰り返して屈曲負荷がかかる場合には特に密着性に優れる、弾性ベースシート2と同系の材料が好ましい。
可動電極として、自身にクリック感触を発生させるメタルドーム等のドーム状導電接点を使用しない場合は、弾性ベースシート2の押子23の先端に導電層6を付与する必要がある。
導電層としては、先端部にカーボンや導電金属粒子を含有した樹脂層を印刷、塗装、ポッティング等の手段により形成できる。また、予め上記導電層をシート状に形成し、押子と略同形状にカットしたピル部材を、弾性ベースシートを成形する際にインサート成型しても良い。この場合、ピル部材として金属板や金属板と樹脂層を積層した構成等でも可能である。
キートップ1またはキートップの加飾層11と、弾性ベースシート2の固着部4とを接合させるための部材である、両部材を接合可能であれば素材は問わないが、ポリカーボネートとシリコーンゴムとを接合するためには、シアノアクリレート系、アクリル系、ウレタンアクリレート系、ウレタン系、塩ビ系、ポリエステル系、エポキシ系などが使用できる。接着剤の形体としては、当初の印刷形状を維持し易い溶剤希釈型の加熱接着タイプであるホットメルト型や加熱軟化型や、両面テープでも可能であるが、加熱型は弾性ベースシートの固着部が厚い場合は、瞬時に熱をかけられないため、固定用の治具の量が増加したり、キートップの耐熱性により時間がかかる。また、両面テープでは接着力が不十分であったり、気泡混入により内部照光時に、気泡の形状が視認される恐れもある。このため、液状の光軟化型、湿気硬化型の接着剤が好ましい。
レーザ照射して遮光性加飾層3の一部を除去することによる開口部31の形成の条件は、遮光性加飾層3の色調、厚さ等に応じて適宜選択される。そして、レーザ加工に際しては、レーザビームを遮光性加飾層3の略真上から走査する。レーザ光源としては、公知のレーザ光線が利用でき、紫外域、可視域、又は赤外域のいずれの波長域でも可能である。赤外域のレーザ光線を利用する場合、1064nmの中心波長を持つYAGレーザやYVO4レーザを挙げることができる。
図3は本発明の第1実施形態に係る押釦スイッチ用部材の断面構成を示したものである。弾性ベースシート2の上面全面に遮光性加飾層3を設けた後、レーザ照射により遮光性加飾層3を除去し、キートップ1との接触部を残して設けたレーザ加工による開口部31に接着剤を充填して接着層5を形成し、固着部4で弾性ベースシート2にキートップ1を固着する。
図4は本発明の第2実施形態に係る押釦スイッチ用部材の断面構成を示したものである。弾性ベースシート2のキートップ1との固着部にAで示したような遮光性加飾層3の厚みと同等以上の弾性ベースシートを設定し、弾性ベースシート2の上面全面に遮光性加飾層3を設けた後、図4に示したようにレーザ照射により遮光性加飾層3を除去して、露出した弾性ベースシートと平坦面を形成するキートップ1との接触部を残しておいて、弾性ベースシート2とキートップ1を両面テープで固着する。
図5は本発明の第4実施形態に係る押釦スイッチ用部材の断面構成を示したものである。弾性ベースシート2の形状にBで示したような遮光フィルムでは対応できない部分がある場合、弾性ベースシート2の上面全面に遮光性加飾層3を設けた後、レーザ照射により遮光性加飾層3を除去し、キートップ1との接触部を残して設けたレーザ加工による開口部31に接着剤を充填して接着層5を形成し、固着部4で弾性ベースシート2にキートップ1を固着する。
図6は本発明の第4実施形態に係る押釦スイッチ用部材の断面構成を示したものである。ドーム部のない弾性ベースシート2にCで示した段差のような遮光印刷では対応できない異形状部分がある場合、弾性ベースシート2の上面全面に遮光性加飾層3を設けた後、レーザ照射により遮光性加飾層3を除去し、キートップ1との接触部を残して設けたレーザ加工による開口部31に接着剤を充填して接着層5を形成し、固着部4で弾性ベースシート2にキートップ1を固着する。
図7は、実施例1(a)に係る押釦スイッチ用部材の断面図と、弾性ベースシート2の固着部4において残した0.4mm巾の遮光性加飾層3の形状を示したものである。
図8は、実施例1(b)の弾性ベースシート2の固着部4において残した遮光性加飾層3の形状を示したものである。
図9は、実施例1(c)の弾性ベースシート2の固着部4において残した遮光性加飾層3の形状を示したものである。
図10は、実施例1(d)に係る押釦スイッチ用部材の断面図と、弾性ベースシート2の固着部4において残した0.4mm巾の遮光性加飾層3の形状を示したものである。
遮光性加飾層3の厚さを10μmとしたこと以外は、実施例1(a)と同様である。
遮光性加飾層3の厚さを20μmとしたこと以外は、実施例1(a)と同様である。
遮光性加飾層3の厚さを30μmとしたこと以外は、実施例1(a)と同様である。
遮光性加飾層3の厚さを60μmとしたこと以外は、実施例1(a)と同様である。
遮光性加飾層3を設けなかったこと以外は、実施例1(a)と同様である。
遮光性加飾層3の厚さを70μmとしたこと以外は、実施例1(a)と同様である。
実施例1〜5、比較例1、2で作製した押釦用スイッチ部材の評価方法は以下の通りである。
暗室にて発光体が備える基板上に押釦用スイッチ部材を被覆した後、発光体発行した際にキートップの意匠部以外から光が漏れるか否かを観察した。
評価基準 ○:光漏れなし
△:キートップと弾性ベースシートの間から光漏れあり
×:遮光性なし
押釦用スイッチ部材を所定の検査治具に載せ、弾性ベースシートとキートップの間の剥離強度を測定した。測定は、荷重測定器FGC−2(日本電産シンポ株式会社製商品名)を用い、90度剥離テストを行った。
評価基準 ○:弾性ベースシートの凝集破壊
△:弾性ベースシートの凝集破壊及び弾性ベースシートと接着剤間
の界面剥離の混在
×:接着剤自身の凝集破壊若しくは弾性ベースシートと接着剤間
の界面剥離、又はそれらの混在
加飾層を設けないキートップ単体を100個接着したサンプルにおいて、キートップ表面から気泡の混入の有無を観察した。
評価基準 ◎:無し。実施例1(b)においては、無し又は角部に隣接した箇
所に1個でかつ接着面積の3%以下。実施例1(c)において
は、外周の溝を除く開口部31において無し。
○:1個かつ接着面積の3%以下
△:2個以下かつ接着面積の5%以下
×:3個以上又は接着面積の5%を超える
1 キートップ
11 加飾層
12 意匠部
13 フランジ部
2 弾性ベースシート
21 ドーム部
22 ベース部
23 押子
3 遮光性加飾層
31 開口部
32 溝
33 連結溝
34 連結溝
4 固着部
5 接着層
6 導電層
Claims (4)
- 1つ又は複数の透光性キートップと、
前記キートップの底面側に配置された、開口部を有する厚さ20〜50μmの遮光性加飾層を前記キートップに対向する面に備えた弾性ベースシートと、を少なくとも備え、
前記キートップの底面の一部は前記遮光性加飾層と接しており、前記遮光性加飾層の前記開口部に接着剤が充填され、
前記遮光性加飾層の前記開口部が前記キートップの底面と対向する面において円形であり、前記開口部から気泡を追い出すための連結溝が設けられていることを特徴とする押釦スイッチ用部材。 - 1つ又は複数の透光性キートップと、
前記キートップの底面側に配置された、開口部を有する厚さ20〜50μmの遮光性加飾層を前記キートップに対向する面に備えた弾性ベースシートと、を少なくとも備え、
前記キートップの底面の一部は前記遮光性加飾層と接しており、前記遮光性加飾層の前記開口部に接着剤が充填され、
前記遮光性加飾層の前記開口部が前記キートップの底面と対向する面において多角形であることを特徴とする押釦スイッチ用部材。 - 1つ又は複数の透光性キートップと弾性ベースシートとを少なくとも備えた押釦スイッチ用部材の製造方法であって、
弾性ベースシートを成形する工程と、
前記弾性ベースシートの背面を除く表面に厚さ20〜50μmの遮光性加飾層を形成する工程と、
前記キートップの底面の一部と前記遮光性加飾層が接する部分を残して、前記遮光性加飾層の一部をレーザ加工により除去して開口部を形成する工程と、
前記遮光性加飾層の一部をレーザ加工により除去した後の空間に接着剤を充填する工程と、
前記弾性ベースシートに、前記キートップを固着する工程と、を含み、
前記開口部を形成する工程において、前記開口部が前記キートップの底面と対向する面において円形に形成され、前記開口部から気泡を追い出すための連結溝が形成されることを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。 - 1つ又は複数の透光性キートップと弾性ベースシートとを少なくとも備えた押釦スイッチ用部材の製造方法であって、
弾性ベースシートを成形する工程と、
前記弾性ベースシートの背面を除く表面に厚さ20〜50μmの遮光性加飾層を形成する工程と、
前記キートップの底面の一部と前記遮光性加飾層が接する部分を残して、前記遮光性加飾層の一部をレーザ加工により除去して開口部を形成する工程と、
前記遮光性加飾層の一部をレーザ加工により除去した後の空間に接着剤を充填する工程と、
前記弾性ベースシートに、前記キートップを固着する工程と、を含み、
前記開口部を形成する工程において、前記開口部が前記キートップの底面と対向する面において多角形に形成されることを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。
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