JP3516020B2 - 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法 - Google Patents

押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法

Info

Publication number
JP3516020B2
JP3516020B2 JP19240994A JP19240994A JP3516020B2 JP 3516020 B2 JP3516020 B2 JP 3516020B2 JP 19240994 A JP19240994 A JP 19240994A JP 19240994 A JP19240994 A JP 19240994A JP 3516020 B2 JP3516020 B2 JP 3516020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
cured
plastic film
key top
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19240994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0855534A (ja
Inventor
勝 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP19240994A priority Critical patent/JP3516020B2/ja
Publication of JPH0855534A publication Critical patent/JPH0855534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516020B2 publication Critical patent/JP3516020B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Push-Button Switches (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は電卓、リモコン、電話
機、OA機器などの各種分野入力装置用の押釦スイッチ
用キーシート部材の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電卓、リモコン、電話機などの入力装置
に利用される押釦スイッチ用キーシート部材は、回路基
板の上に配置され、そのキートップ部の押圧により、電
気回路の開閉を行わせ、各種装置に必要な動作を行わせ
るものである。この一般的な押釦スイッチ用キーシート
部材の構成は、天面に文字、記号、図形など入力信号の
違いを示す符号を有するキートップ部と、押込まれたキ
ートップ部を元の状態に復帰させるスプリング機能を持
つ薄肉部および回路基板の固定接点を直接もしくは導電
パターン印刷シートなどを介して間接的に開閉するため
の凸状の接点部を有し、複数のキートップ部を連接し、
シート状としたベース部からなるものとされている。従
来の押釦スイッチ用キーシート部材については、キート
ップ部、ベース部がゴムや熱可塑性エラストマーなどの
ゴム状弾性体で一体成形されたものや、キートップ部の
みがショアA硬度80度以上の高硬度樹脂で造られ、薄肉
部などその他の部分がゴム状弾性体であるものなどがあ
るが、これらはいずれも、基材を成形後、スクリーン印
刷やパッド印刷などの印刷により文字、記号、図形など
の符号がキートップ部天面などに加飾されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、押釦ス
イッチ用キーシート部材についてはデザインの多様化と
ともに、耐久性の向上、押圧操作性の向上など様々な製
品物性の向上が要求されるようになってきている。デザ
インの多様化の具体例をあげると、従来は押釦スイッチ
用キーシート部材のキートップ部の形状は天面がフラッ
トのものとされたが、近年ではキートップ部の天面に凹
凸が存在したり、Rや逆Rが設けられたものになってき
ており、また、従来は押釦スイッチ用キーシート部材の
複数のキートップ部同士の高さは一律であったものが、
近年ではキートップ部同士の高さも異なったものが採用
されるようになってきており、その一方では符号層など
の加飾層の多色化、高品位化も要求されている。 【0004】また、この加飾層の形成は成形体への印刷
で行われているが、キートップ部の天面がフラットであ
れば、スクリーン印刷でも比較的高品位に加飾層の形成
が可能であったが、これに凹凸が存在したり、Rがもう
けられるなどキートップ部の形状が複雑になればなるほ
ど、また隣接するキートップ部同士のキーの高さが異な
れば異なるほど、印刷品位を維持することは難しくな
り、符号層のかけ、かすれなどの加工不良が発生するよ
うになり、さらに加飾層の色が複数の場合は、印刷工程
数も増えるため、成形品の良品率が益々低下してしまう
という問題点もあった。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
例における問題点を解決した押釦スイッチ用キーシート
部材の製造方法に関するもので、この押釦スイッチ用キ
ーシート部材は透視性のシリコーンゴムの硬化体または
透視性の樹脂の硬化体からなる少なくとも1個のキート
ップ部と、プラスチックフィルムを両面から挟持するシ
リコーンゴム硬化層とからなる、キートップ部を連接す
るベース部とを有し、さらに当該ベース部は、キートッ
プ部と対応する位置に凸状の接点部を有し、当該プラス
チックフィルムまたは当該シリコーンゴム硬化層の一面
あるいは両面に、一層以上の加飾層を有するものであ
り、この製造方法は (イ)プラスチックフィルムの一面もしくは両面にあら
かじめ一層以上の加飾層の形成を行ない、更に当該プラ
スチックフィルムの両面に未硬化のシリコーンゴム層を
挟持状に配し硬化または半硬化するか、プラスチックフ
ィルムの両面に未硬化のシリコーンゴム層を挟持状に配
し硬化または半硬化したのちに一層以上の加飾層を形成
する工程、 (ロ)プラスチックフィルムを挟持する硬化または半硬
化されたシリコーンゴム層の一面に未硬化の液状シリコ
ーンゴムを追加載置する工程、 (ハ)金型のキートップ部形成用掘り込み部に透視性の
液状シリコーンゴムもしくは透視性の液状樹脂を配する
工程、 (ニ)プラスチックフィルムを挟持する硬化または半硬
化されたシリコーンゴム層のうち、未硬化の液状シリコ
ーンゴムが追加載置されていない面を、透視性の液状シ
リコーンゴムもしくは透視性の液状樹脂の配されたキー
トップ部形成用掘り込み部に接するように載置する工
程、 (ホ)接点側ベース部形成用掘り込み部を有する金型
と、キートップ部形成用掘り込み部を有する金型を閉じ
合わせ、加圧加熱し、ベース部とキートップ部を一体硬
化させ、得られる成形体を金型から取り出す工程、 (ヘ)不要部分を除去する工程、とからなることを特徴
とするものである。 【0006】すなわち、本発明者らは従来の問題点を解
決した押釦スイッチ用キーシート部材を開発すべく種々
検討した結果、この押釦スイッチ用キーシート部材につ
いてはこれを透視性のシリコーンゴムの硬化体または透
視性の樹脂の硬化体からなるキートップ部と、プラスチ
ックフィルムを挟持するシリコーンゴム硬化層からな
り、キートップ部を連接するベース部とからなるものと
し、このプラスチックフィルムまたはシリコーンゴム硬
化層に加飾層を設けたものとすると、キートップ部天面
の形状、高さに異同があっても加飾層が容易に設定でき
るし、これは半永久的に摩耗せず、寸法安定性の優れた
ものとなることを見出すと共に、上記した製造方法によ
りこれを製造すればこの押釦スイッチ用キーシート部材
を容易に得ることができることを確認して本発明を完成
させた。以下にこれをさらに詳述する。 【0007】本発明の製造方法で得られる押釦スイッチ
用キーシート部材は例えば図1(a)、(b)に示され
たものとされる。図1(a)、(b)は本発明で得られ
押釦スイッチ用キーシート部材の縦断面図を示したも
のであるが、この押釦スイッチ用キーシート部材1、
1’は、透視性のシリコーンゴム硬化体または透視性の
樹脂の硬化体からなる少なくとも1個のキートップ部2
と、プラスチックフィルム4を両面から挟持するシリコ
ーンゴム硬化層5,5’からなるベース部3と接点部7
とからなるものとされるが、このものは図1(a)に示
したようにこのプラスチックフィルム4の片面または両
面に符号層などの加飾層6およびプライマー層8を設け
たもの1、あるいは図1(b)に示したようにこのシリ
コーンゴム硬化層5,5’の片面または両面に加飾層6
を設けたもの1’とされるが、このものにはキートップ
部天面の形状が複雑であったり、高低差を有するもので
あっても容易に加飾層が形成できるし、この加飾性は安
定したものになるという有利性が与えられる。 【0008】本発明による押釦スイッチ用キーシート部
材のキートップ部の形成については、ソフトな押圧感で
指が疲れないことが要求される場合は、ショアA硬度が
30〜80度のシリコーンゴムの硬化体とすればよい。この
シリコーンゴムの硬化反応系は特に制限されないが有機
過酸化物などを添加するラジカル反応タイプや付加反応
タイプなどが例示される。これにはLIMSに代表され
る液状シリコーンゴムを選択すれば加工が容易である
が、ミラブルゴムを使用してもよい。一方、キートップ
部の天面に粘着感がなく、スムーズな押釦操作が可能で
あることが要求される場合には、ショアA硬度が80度以
上である樹脂、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メチルフェ
ニルシリコーン系樹脂など、もしくはこれらのいくつか
を混合したものに硬化剤を配合したものを硬化体として
選択すればよい。 【0009】なお、キートップ部を形成するシリコーン
ゴムもしくは樹脂は、このキートップ部を介して、プラ
スチックフィルムもしくはシリコーンゴム硬化層に形成
されている符号が認識できるだけの透視性が要求される
が、その条件がみたされるならば、特に無着色に限るも
のではなく、例えば着色剤を含んで淡く着色されていて
よいし、金属粉末などが分散されていてもよい。また、
このキートップ部の膨出部周囲についてはその押圧特性
を良好にするために薄肉状としてもよいが、この薄肉部
は絞り加工で逆椀形状のものとすることが好ましい。 【0010】このキートップ部の下に位置し、シリコー
ンゴム硬化層にて両面より挟持されるプラスチックフィ
ルムは耐熱性、機械的耐久性にすぐれているものとする
ことが好ましく、これは例えばポリエステルフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどか
ら任意に選択すればよいが、特に高透明性を必要とする
場合はポリカーボネートフィルムを選択することが好ま
しい。なお、このプラスチックフィルムの厚みに特に規
定はないが、20μm以上あれば耐久性もあり、好まし
い。 【0011】プラスチックフィルムを挟持するシリコー
ンゴム硬化層のうち、キートップ部側のシリコーンゴム
硬化層は、プラスチックフィルムの耐溶剤性の弱さを補
う機能を有すれば良いことから厚みは5〜20μmの範囲
であればよい。また、反対面のシリコーンゴム硬化層に
は必要に応じて接点を設けてもよいが、この接点は従来
の押釦スイッチ用キーシート部材と同様にキートップ部
の中央真下の位置に設けてもよい。なおこの接点を導電
性としたい場合はあらかじめ接点側ベース部形成用掘り
込み部に導電性チップを充填しておいて、未硬化のシリ
コーンゴムとともに一体成形して形成してもよいし、成
形体を形成した後に導電性インクで印刷して形成しても
よい。 【0012】また、プラスチックフィルムを挟持するシ
リコーンゴム硬化層は、剥離などが生じないようにプラ
スチックフィルムに接着していなければならないことか
ら、シランカップリング剤などのプライマー層をシリコ
ーンゴム層とプラスチックフィルムの間に介するか、あ
らかじめシリコーンゴム硬化層中にプライマーを配合し
ておき、プラスチックフィルムと接着させればよい。プ
ライマーの具体例としてはAP1、AP2[以上は信越
化学工業(株)製商品名]、ケムロック607 、ケムロッ
クAP133 [以上はロードコーポレイション(株)製商
品名]などのシランカップリング剤系のものがあり、ま
たこれらに必要に応じてRTVシンナーなどの希釈剤を
添加して用いてもよい。 【0013】なお、このプラスチックフィルムおよびこ
れを挟持するシリコーンゴム硬化層はベース部を形成し
ているわけであるが、このベース部があまり厚いとキー
トップ部の押圧操作がスムーズにできないため、通常凸
状である接点部を除いて、ベース部の総厚が 250μm未
満、好ましくは50μm未満とする必要がある。またこの
ベース部を形成する、キートップ部が膨出する側のシリ
コーンゴム硬化層もキートップ部同様に符号が認識でき
る透視性が要求される場合もあるが、用途やデザインに
よってはこれは遮蔽性としてもよい。一方、接点膨出側
のシリコーンゴム硬化層は透視性であっても非透視性で
あってもかまわないが、例えば接点部に対向する位置に
発光源を設け、プラスチックフィルム上の符号のみを照
光させる製品の場合はこの部分は、少なくとも透光性で
なければならない。 【0014】本発明によれば、押釦スイッチ用キーシー
ト部材上記したプラスチックフィルム、シリコーンゴ
ム硬化層に加飾層が設けられるが、この加飾層とは文
字、記号、図形などの符号層や着色層、金箔層、遮蔽機
能層、電磁シールド機能層などを総称したものである
が、この加飾層をプラスチックフィルムに形成する方法
はスクリーン印刷やパッド印刷、塗装などの従来の押釦
スイッチ用キーシート部材の加飾方法に限定されるもの
ではなく、グラビア印刷、カラープリンターによる印
字、カラーコピーなど一般的にフィルムやシートに適用
される加飾層形成方法を適用すればよい。また加飾層を
シリコーンゴム硬化層に設ける場合はシルクスクリーン
印刷やパッド印刷、塗装、蒸着などの方法で行えばよ
い。 【0015】つぎにこの押釦スイッチ用キーシート部材
の製造方法を説明する。まず、シリコーンゴム層に挟持
されるプラスチックフィルムのサイズは、得ようとする
押釦スイッチ用キーシート部材の外周サイズよりもひと
まわり大きいもの、好ましくは両者を重ね合わせた時に
上下左右に1cm程度ははみ出るようなものを準備し、そ
の中央に押釦スイッチ用キーシート部材に対応する加飾
層を形成することとする。なお、得ようとする押釦スイ
ッチ用キーシート部材の製品形状が異形であったからと
いって準備するプラスチックフィルムも異形とする必要
はなく短冊状で構わない。また、プラスチックフィルム
のサイズもかならずしも単数の押釦スイッチ用キーシー
ト部材に対応可能なサイズに制限されるものではなく、
複数に対応できるサイズとしてもよい。プラスチックフ
ィルムに、必要に応じてプラズマ放射や紫外線照射など
の表面処理を行った後、加飾層形成してもよい。プラ
スチックフィルム上のシリコーンゴム硬化層に加飾層を
設ける場合も同様である。 【0016】プラスチックフィルムで、押釦スイッチ用
キーシート部材の外形に対応しない余白部分は当該プラ
スチックフィルムの搬送の際の把握に用いてもよいが、
この余白部分にキートップ部形成用掘り込み部を有する
金型と正確な位置決めができるように、例えばトンボマ
ークを形成したり、孔を開けたりなどしてあらかじめ加
工しておくとよい。つぎにプラスチックフィルムへシリ
コーンゴム硬化層を挟持状に配する方法としては、当該
プラスチックフィルムに、塗装機による塗布もしくはカ
レンダー装置やコーターなどによる積層によりプライマ
ー層を形成後、さらに液状シリコーンゴムをロールキュ
ア装置もしくは硬化装置付きコーターなどを用い積層お
よび硬化もしくは半硬化(流動性はないが粘着性を残し
た状態まで硬化が進んだ状態。)してもよいが、あらか
じめ、液状シリコーンゴム中にプライマーを配合してお
けばプライマー層形成工程を省略できるため好ましい。 【0017】このプラスチックフィルムのシリコーンゴ
ム硬化層による挟持は、例えば図2に示したように、フ
ィルム繰り出し機11から繰り出されたプラスチックフィ
ルム4にゴム供給機12から供給される液状シリコーンゴ
ムをコーター13によりコーティングし、硬化装置14で硬
化してからフィルム巻取り機15で巻き取れば、プラスチ
ックフィルムの片面にシリコーンゴム硬化層を設けたシ
リコーンゴム硬化層付プラスチックフィルムA1 が得ら
れるので、これについて同様の方法を反対面にくり返し
て行えば、その両面がシリコーンゴム硬化層で挟持され
たシリコーンゴム硬化層付プラスチックフィルムA2
得ることができる。 【0018】また、このプラスチックフィルムを挟持し
たシリコーンゴム硬化層にも加飾を施す場合は図3に示
したように、フィルム繰り出し機11から繰り出されたシ
リコーンゴム層付プラスチックフィルムA2 にスクリー
ン印刷機16などの平面印刷可能な装置で加飾を施し、イ
ンキ硬化装置17で硬化してフィルム巻取り機18で巻き取
ればよい。(なお、図3は2色の印刷の例である。) 【0019】なお、このシリコーンゴム硬化層付プラス
チックフィルムA2 の余白部には位置決め用の孔を設
け、キートップ部形成用掘り込み部を持つ金型に設けら
れた凸部に対応させ、位置決めを行うようにしてもよ
く、この場合には、この孔の部分には、シリコーンゴム
硬化層が形成されないようにする。また、位置決め用の
孔をシリコーンゴム硬化層形成後に設けてもよい。 【0020】次に得ようとする押釦スイッチ用キーシー
ト部材に接点、エア溝などを形成するためにプラスチッ
クフィルムを挟持したシリコーンゴム硬化層の一面に更
に未硬化の液状シリコーンゴムを追加、所定形状に成形
する。この追加載置はエアディスペンサー、チューブポ
ンプ、プランジャーポンプなどの各種吐出装置の中から
任意に装置を選択しておこなえばよい。なお、液状シリ
コーンゴムが 800ポイズより低粘度であれば吐出装置へ
の付加が小さく、短時間で精度よく液状シリコーンゴム
を追加載置でき、好ましい。図4は、この未硬化の液状
シリコーンゴム9をプラスチックフィルムを挟持したシ
リコーンゴム硬化層の一方の面に吐出装置19で追加載置
している工程を示している。 【0021】次に所定温度に加熱された金型の複数のキ
ートップ部形成用掘り込み部に液状シリコーンゴムもし
くは樹脂を充填するわけであるが、この充填作業にも前
述と同様の各種吐出装置を用いればよい。またこの液状
シリコーンゴムまたは樹脂も 800ポイズよりも低粘度も
のを用いることが好ましい。硬化剤の種類及び配合量で
も異なるが、金型の温度は液状シリコーンゴムの場合は
100〜180 ℃、樹脂の場合は 100〜175 ℃が熱劣化しに
くく好ましい。図5はキートップ部形成用掘り込み部を
有する金型20に透視性液状シリコーンゴム9もしくは透
視性の樹脂を吐出装置19で配している工程を示してい
る。 【0022】配された液状シリコーンゴムもしくは樹脂
が硬化を開始したところで、次に図6に示すようにシリ
コーンゴム硬化層にて挟持されたプラスチックフィルム
を、未硬化の液状シリコーンゴム層が上面となり、反対
面がキートップ部2形成用掘り込み部を金型20のキート
ップ部形成用堀込み部に対応するように位置決めし、載
置する。次に図7に示すように接点側ベース部形成用掘
り込み部を有する金型21と、キートップ部形成用堀込み
部を有する金型20をそれぞれの掘りこみ部が対向するよ
うにし、金型を閉じ、所定時間加圧加熱する。押釦スイ
ッチ用キーシート部材のサイズなどにもよるが、通常は
2〜5分の成形時間、5〜200kg/cm2 の成形圧力が普通
である。所定時間経過後に金型から取り出した成形体に
は押釦スイッチ用キーシート部材には不要な部分、つま
りばりなどが連接されていることから、打抜き刃を持つ
エアシリンダーなど、ばり打ち抜き機で不要部分22を除
去すればよい。 【0023】加飾層は平面に形成されるので品位よく形
成できる。またプラスチックフィルムはシリコーンゴム
層にて覆われているため、外部からの摩擦、溶剤などの
侵入のおそれがなく劣化しにくい。薄肉部がシリコーン
ゴム硬化層に挟持状に配されたプラスチックフィルムで
形成されているため、プラスチックフィルム独特の高反
発弾性とシリコーンゴム独特の優れた繰り返し屈曲性能
をあわせもつ。 【0024】 【実施例】実施例1 付加反応タイプの透明液状シリコーンゴム・KE−1934
A/B[信越化学工業(株)製商品名]のAとBを重量
比 100:100 で混合したもの 100重量部とプライマー・
AP−1[同上]とRTVシンナー[同上]を重量比
2:2で混合したもの4重量部を添加し、羽根型撹拌機
で混合して 800ポイズの液状体とした(これをA液状体
とする)。次に厚さ50μmのポリカーボネートフィルム
の両面にコーターで当該A液状体をコーティングし硬化
炉で硬化させ、10μmのシリコーンゴム硬化層を形成し
た。なおこのときの硬化条件は 120℃として処理時間は
20時間であった。 【0025】ポリカーボネートフィルムを挟持するシリ
コーンゴム硬化層の一面にスクリーン印刷機でまず10μ
mの白色層を印刷し硬化させた。次にシリコーンゴム硬
化層の他面に同様にスクリーン印刷機で40μmの遮光性
着色層を、抜き文字となるように設けた。なお10μmの
白色層を形成する際に用いたインクはA液状体に、着色
顔料の酸化チタン20重量部を配合したものとし、40μm
の遮光性着色層を形成する際に用いたインクはA液状体
にカーボンブラックを40重量を配合したものとした。つ
いで接点部を形成する面である、10μmの白色層側に透
明であるA液状体をエアディスペンサー・AD3000VH
[岩下エンジニアリング(株)製商品名]を用いて所定
量、未硬化のまま追加載置した。 【0026】次にキートップ部形成用掘り込み部を有す
る、 120℃に加熱されている金型の複数のキートップ部
形成用掘り込み部に、透明であるA液状体をAD3000V
Hで充填した。A液状体が未硬化のままで載置していな
い面を、この金型の複数のキーボード部形成用掘り込み
部に接するように載置した。キートップ部形成用掘り込
み部を有する金型とこれと対となる接点側ベース部形成
用掘り込み部を有する金型を閉じ合わせ、成形温度 120
℃、成形圧力 150kg/cm2、成形時間2分で成形して、キ
ートップ部の高さが3mm、接点を除くベース部の厚みが
180μmである成形体4個が連接されたものを得た。複
数の成形体の連接部やアセンブリー時の位置決め用の孔
にできたバリなどの不要物を除去して所望の押釦スイッ
チ用キーシート部材とした。得られた押釦スイッチ用キ
ーシート部材はLEDなどの発光源をキートップ部の真
下などに設けて、発光させると、符号のみが照光され、
認識が容易となるものであるが、加飾層の形成が平面で
行われているため、外観の品位に優れていた。 【0027】また、キートップ部天面に加飾層が存在し
ないため、押圧操作を繰り返しても加飾層の視認ができ
なくなるようなことはなかった。また、シリコーンゴム
のみからなる押釦スイッチ用キーシート部材は外気温度
の差により容易に寸法変化が生じるため、寸法精度を要
求されるタイプについては使用できなかったが、得られ
た押釦スイッチ用キーシート部材は剛性の高いポリカー
ネートフィルムがベース部に用いられているため、寸法
安定性に優れていた。また、従来の押釦スイッチ用キー
シート部材は剛性がなかったため、容易に変形したりす
るため、アセンブリ工程での把握や位置決めが難しかっ
たが、本願の押釦スイッチ用キーシート部材は剛性を有
することからアセンブリも容易であった。 【0028】実施例2 パーソナルコンピューター・PC−9801BX2[日本電
気(株)製商品名]で作図ソフト「花子」を用い、符
号、図などを設計し、表面にコロナ放電を施した30μm
のポリエステルフィルムにバブルジェットカラープリン
ター・BJC-600J[キヤノン(株)製商品名]にてカ
ラー印字し、加飾層とした。当該ポリエステルフィルム
にプライマー・ケムロック677 [ロード・コーポレーシ
ョン社製商品名]を塗装機で塗布した。ついで付加反応
タイプの透明液状シリコーンゴム・KE−1934A/B
[信越化学工業(株)製商品名]のAとBを重量比 10
0:100 で混合したものを羽根型撹拌機で混合し、 700
ポイズの液状体とした(これを液状体Bとする)。準備
したポリエステルフィルムの両面にコーターで当該液状
体Bをコーティングし、風乾で半硬化させ、5μmのシ
リコーンゴム半硬化層を形成した。次にポリエステルフ
ィルムに挟持状に配されるシリコーンゴム硬化層におい
て接点部を形成する面に当該液状体Bをエアディスペン
サー・AD3000VHで所定量、未硬化のままに追加載置
した。 【0029】次にキートップ部形成用掘り込み部を有す
る、 120℃に加熱された金型のキートップ部形成用掘り
込み部に、透明な硬化性ポリエステル樹脂をAD3000V
Hで充填した。液状体Bを未硬化のままで載置していな
い面を当該金型の複数のキートップ部形成用掘り込み部
に接するように載置した。当該キートップ部形成用掘り
込み部を有する金型とこれと対となる接点側ベース部形
成用掘り込み部を有する金型を閉じ合わせ、成形温度 1
50℃、成形圧力 100kg/cm2、成形時間5分で成形して、
成形体が3個が連接されたものを得た。複数の成形体の
連接部や、アセンブリー時の位置決め用の孔にできたば
りなど不要物を除去して所望の押釦スイッチ用キーシー
ト部材とした。得られた押釦スイッチ用キーシート部材
はキートップ部天面にRがついており、しかも12個のキ
ートップ部のうち10個のキートップ部の高さが6mm、残
り2個のキートップ部の高さが4mmと異なっており、し
かも薄肉部はポリエステルフィルムに印字されているた
め、符号の品位は良好であった。また、シリコーンゴム
層及び硬化性ポリエステルフィルムにおおわれて加飾層
が形成されていることから摩耗して加飾層の視認ができ
なくなることはなかった。実施例1同様寸法安定性、ア
センブリ時のハンドリング性も良好であった。 【0030】 【発明の効果】本発明の製造方法で得られる押釦スイッ
チ用キーシート部材はキートップ部天面の形状が複雑で
あったり、隣接する複数のキートップ部の高さ同士が異
なったものであっても、高品位に加飾層が形成できる
し、加飾層は指で接触できない位置に設けることができ
るため、半永久的に摩耗しないし、寸法安定性にも優れ
ており、剛性を有するため、アセンブリ時のハンドリン
グも容易であり、さらにはキートップ部の膨出部の周囲
を絞り加工などで逆椀状の薄肉部とした場合は、この薄
肉部が高反発弾性と長期に安定した繰り返し屈曲特性を
あわせもつという有利性をもつものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 (a)は本発明の製造方法で得られる押釦ス
イッチ用キーシート部材の1例の縦断面図、(b)はそ
の他の例の縦断面図を示したものである。 【図2】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、プラスチックフィルムをシ
リコーンゴム硬化層にて挟持する工程の縦断面図を示し
たものである。 【図3】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、プラスチックフィルムを挟
持するシリコーンゴム硬化層に加飾層を設ける工程の縦
断面図を示したものである。 【図4】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、プラスチックフィルムを挟
持するシリコーンゴム硬化層の一方に未硬化のシリコー
ンゴムを追加載置する工程の縦断面図を示したものであ
る。 【図5】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、キートップ部形成用掘り込
み部にシリコーンゴムもしくは樹脂の液状体を充填して
いる工程の縦断面図を示したものである。 【図6】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、当該プラスチックフィルム
の未硬化の液状シリコーンゴムが追加載置されていない
面を、キートップ部形成用掘り込み部に接するように載
置する工程の縦断面図を示したものである。 【図7】 本発明による押釦スイッチ用キーシート部材
製造の一工程を示すもので、キートップ部形成用掘り込
み部を有する金型と、接点側ベース部形成用掘り込み部
を有する金型を閉じ合わせた状態の縦断面図を示したも
のである。 【符号の説明】 1,1’…押釦スイッチ用キーシート部材 2…キートップ部 3…ベース部 4…プラスチックフィルム 5,5’…シリコーンゴム硬化層 6…加飾層 7…接点部 8…プライマー層 9…液状シリコーンゴム 11…フィルム繰り出し機 12…ゴム供給機 13…コーター 14…硬化装置 15…フィルム巻取り機 16…スクリーン印刷機 17…インキ硬化装置 18…フィルム巻取り機 19…吐出装置 20…キートップ部形成用掘り込み部を有する金型 21…接点側ベース部形成用掘り込み部を有する金型 22…不要部分 A…シリコーンゴム層付プラスチックフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−62558(JP,A) 特開 平6−84423(JP,A) 特開 昭63−34813(JP,A) 特開 平2−189830(JP,A) 特開 平4−67521(JP,A) 特開 平6−309988(JP,A) 特開 平7−220565(JP,A) 特開 平7−235233(JP,A) 実開 平5−25632(JP,U) 実開 平5−25620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 11/00 H01H 13/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(イ)プラスチックフィルムの一面もしく
    は両面にあらかじめ一層以上の加飾層の形成を行ない、
    更に当該プラスチックフィルムの両面に未硬化のシリコ
    ーンゴム層を挟持状に配し硬化または半硬化するか、プ
    ラスチックフィルムの両面に未硬化のシリコーンゴム層
    を挟持状に配し硬化または半硬化したのちに一層以上の
    加飾層を形成する工程、 (ロ)プラスチックフィルムを挟持する硬化または半硬
    化されたシリコーンゴム層の一面に未硬化の液状シリコ
    ーンゴムを追加載置する工程、 (ハ)金型のキートップ部形成用掘り込み部に透視性の
    液状シリコーンゴムもしくは透視性の液状樹脂を配する
    工程、 (ニ)プラスチックフィルムを挟持する硬化または半硬
    化されたシリコーンゴム層のうち、未硬化の液状シリコ
    ーンゴムが追加載置されていない面を、透視性の液状シ
    リコーンゴムもしくは透視性の液状樹脂の配されたキー
    トップ部形成用掘り込み部に接するように載置する工
    程、 (ホ)接点側ベース部形成用掘り込み部を有する金型
    と、キートップ部形成用掘り込み部を有する金型を閉じ
    合わせ、加圧加熱し、ベース部とキートップ部を一体硬
    化させ、得られる成形体を金型から取り出す工程、 (ヘ)不要部分を除去する工程、とからなることを特徴
    とする押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法。
JP19240994A 1994-08-16 1994-08-16 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法 Expired - Fee Related JP3516020B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19240994A JP3516020B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19240994A JP3516020B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0855534A JPH0855534A (ja) 1996-02-27
JP3516020B2 true JP3516020B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=16290843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19240994A Expired - Fee Related JP3516020B2 (ja) 1994-08-16 1994-08-16 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3516020B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100539780B1 (ko) 2003-02-20 2006-01-10 엘지전자 주식회사 휴대용 무선 단말기의 키패드 및 그 제조방법
KR100627971B1 (ko) * 2006-01-09 2006-09-26 디케이 유아이엘 주식회사 휴대단말기용 일체형 이엘 키패드 및 그 제조방법
JP2008300153A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Sunarrow Ltd キーベース及びキーシート
US20100140065A1 (en) * 2008-12-08 2010-06-10 Hanbit Precision Co., Ltd. (Republic Of Korea) Multi-step pressurized switch

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0855534A (ja) 1996-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000057871A (ja) 押釦スイッチ用部材およびその製造方法
JP2001148214A (ja) 押釦スイッチ用キートップ部材およびその製造方法
JPH0850831A (ja) 照光式押釦スイッチ装置
JP3102854B2 (ja) 照光式押釦スイッチ用カバー部材およびその製造方法
JPH0866658A (ja) 成形体内に図形を作製する方法
JP2011204616A (ja) キーパッド、電子機器およびキーパッドの製造方法
JP3516020B2 (ja) 押釦スイッチ用キーシート部材の製造方法
JP4201226B2 (ja) 押釦スイッチ構造体及びその製造方法
KR20100075527A (ko) 키 시트
JP4499903B2 (ja) キースイッチ
JP3410633B2 (ja) 照光式押釦スイッチ用押圧部材の製造方法
JPH11144551A (ja) キートップ部材の製造方法および押釦スイッチ用カバー部材の製造方法
JP3722626B2 (ja) キートップ部材およびその製造方法
JP3320277B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
JP3612818B2 (ja) 押釦スイッチ用ツーピースカバー部材
JP2002231084A (ja) キーパッドとその製造方法
KR101347426B1 (ko) 키탑 구조, 전자기기 및 키탑 구조의 제조 방법
JPH09102235A (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
JP3079188B2 (ja) ウレタン系tpe製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法
JPH11329139A (ja) シリコーンゴムキーパッドとその製造方法
KR200409343Y1 (ko) 휴대폰용 키패드
JP2772316B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材の製造方法
JP2883879B2 (ja) 照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法
JP3827532B2 (ja) キーシートとその製造方法
JP2000215748A (ja) 照光式シ―ト状キ―トップ

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20031215

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100130

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees