JP3079188B2 - ウレタン系tpe製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法 - Google Patents

ウレタン系tpe製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法

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JP3079188B2
JP3079188B2 JP06205320A JP20532094A JP3079188B2 JP 3079188 B2 JP3079188 B2 JP 3079188B2 JP 06205320 A JP06205320 A JP 06205320A JP 20532094 A JP20532094 A JP 20532094A JP 3079188 B2 JP3079188 B2 JP 3079188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リモコン電卓、OA機
器などあらゆる装置の入力部、とくには自動車電話に代
表される移動体通信機器など暗所での入力操作が要求さ
れる分野において有用な、文字照光式押釦スイッチ用カ
バー部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話に代表される移動体通
信機器の普及はめざましい。これらは暗所での操作性が
要求されるため、入力部である押釦スイッチ用カバー部
材の文字のみが照光するタイプの物が好まれて使用され
ている。これは図3に示すように、透明な押釦スイッチ
用カバー基材(以下、単にカバー基材とする)31と、そ
の少なくともキートップ部天面部32に設けた光が透過す
る程度に淡く着色された淡着色透光性層33と、抜き文字
部分34を有する遮光性層(遮光性塗膜、遮蔽性塗膜とも
呼称される)35とからなるものである。このカバー部材
の背面部に発光源が組込まれた装置として使用される。
また、この製造方法は、特公平5-32850号公報に開示さ
れているように、まずあらかじめ準備した透光性のカバ
ー基材31のキートップ部天面部32に、光が透過する程度
の淡着色塗料をスクリーン印刷で配して硬化させ淡着色
透光性層33を形成した後、この淡着色透光性層33の上を
含めたカバー基材31のキートップ部全面に遮光性塗料を
塗布・硬化させて遮光性層35を形成する。次に、レーザ
ー光を照射してキートップ部天面部32の遮光性層35の一
部を除去し、抜き文字部分34を形成するものである。こ
のとき、レーザー光の照射で破壊された遮光性層35の滓
がキートップ部天面部32に付着したままで残るため、ア
ルコールを含ませたブラシや布などで拭き取っていた。
この文字照光式押釦スイッチ用カバー部材の基材の原料
には、透光性が要求されることからシリコーンゴムが最
適とされている。このゴム硬度の上限値はショアA硬度
で80度とされているが、精密成形性を確保するためには
60度未満に止めた方がよいとされている。しかし、この
硬度によってもたらされる独特の粘弾性がスムーズな押
圧操作の妨げとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、TPE(Thermo
Plastic Elastomer:熱可塑性エラストマー)はショア
A硬度が80〜99度であることから硬質指触感に優れ、し
かも薄肉とすると弾性もあり、とくにウレタン系TPE
はポリエステル系TPEと比べて透明性に優れ、オレフ
ィン系TPEと比べて表面の濡れ特性に優れ、塗料の接
着も強固であることから押釦スイッチ用カバー部材とし
て実用化が検討されてきた。なお、従来のウレタン系T
PE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材の淡着色透
光性層にはエポキシ系塗料もしくはポリエステル系ウレ
タン塗料が、遮光性層にはポリエステル系ウレタン塗料
が、それぞれ基材への接着力と耐摩耗性に優れているこ
とから好適に使用されてきた。ところが従来のウレタン
系TPE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材は、硬
質指触感には優れてはいるものの、遮光性層が除去され
て露出する淡着色透光性層がレーザー光の熱により黄変
したり、カバー基材素地の一部が露出するなど、外観的
に劣る欠点があった。また、レーザー光を照射して破壊
された遮光性層の一部は燃え滓となって、その場所に固
着しているわけであるが、これをカバー基材がシリコー
ンゴムの場合のようにアルコールを含ませたブラシや布
などで拭き取ると、抜き文字の淡着色透光性層が剥離し
たり耐摩耗性に劣るものになるなどの不利があった。し
たがって、本発明の目的は、硬質指感触を有しながら淡
着色透光性層、透明性層および基材自体の黄変がなく視
認性、耐摩耗性に優れた、ウレタン系TPE製文字照光
式押釦スイッチ用カバー部材と、その製造方法を提供す
るにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるウレタン系
TPE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材は、これ
を押釦スイッチの一単位で示した図1(a)〜(c)か
ら明らかなように、(イ)ウレタン系TPEからなる透
光性のカバー基材1と、(ロ)このカバー基材1の少な
くともキートップ部天面部2に設けられた、光が透過す
る程度に着色されたアクリル系ウレタン製淡着色塗料か
らなる淡着色透光性層3と、(ハ)少なくともこの淡着
色透光性層3の上に設けられたアクリル系ウレタン透明
性塗料からなる第1透明性層4と、(ニ)キートップ部
天面部2の抜き文字部分5以外のキートップ部6の全面
に、第1透明性層4を被覆して設けられたポリエステル
系ウレタン遮光性塗料からなる遮光性層7と、(ホ)少
なくともキートップ部天面部2に遮光性層7を被覆して
設けられたポリエステル系ウレタン透明性塗料からなる
第2透明性層8とから構成されてなるものである。
【0005】また、本発明によるウレタン系TPE製文
字照光式押釦スイッチ用カバー部材の製造方法は、図2
(a)〜(e)に工程順に示したように、(イ)透光性
のウレタン系TPEにて形成されたカバー基材1の、少
なくともキートップ部天面部2にアクリル系ウレタン淡
着色の透光性塗料を配設・硬化して淡着色透光性層3を
形成する工程、(ロ)少なくともその淡着色透光性層3
の上にアクリル系ウレタン透明性塗料を配設・硬化して
第1透明性層4を形成する工程、(ハ)カバー基材1の
キートップ部6の全面に第1透明性層4を被覆してポリ
エステル系ウレタン遮光性塗料を配設・硬化して遮光性
層7を形成する工程、(ニ)レーザー光を照射してキー
トップ部天面部2の遮光性層7に抜き文字部分5を形成
する工程、(ホ)少なくともキートップ部天面部2に遮
光性層7を被覆してポリエステル系ウレタン透明性塗料
を配設・硬化して第2透明性層8を形成する工程からな
り、それぞれの層の硬化温度は80〜 110℃とし、硬化時
間の総計が 120〜 170分とすることを特徴とするもので
ある。
【0006】以下、本発明のウレタン系TPE製文字照
光式押釦スイッチ用カバー部材を、上記図1(a)〜
(c)に基づいてさらに詳細に説明する。なお、ここで
呼称される押釦スイッチ用カバー部材とは、複数のキー
トップ部が、ばねの役割も有する薄肉部を介してベース
部に連接され、1枚のキーシート部材とされたものであ
る。カバー基材1に用いられるウレタン系TPEは、ウ
レタン系熱可塑性エラストマーとも呼称されるもので、
ゴム的な性質とプラスチック的な性質を併せ持つもので
ある。このカバー基材1は光が透過するものであればか
まわないが、透明性のものもしくは乳白色のものであれ
ばより好ましい。淡着色透光性層3は単に明るい場所で
の抜き文字の見映えをよくするために存在するわけでは
なく、暗所では導光部である基材からの光を拡散し、照
度が不均一とならないようにする役割も持つ。淡着色透
光性層3の着色の種類についてはとくに制限がなく、単
一のカバー基材1に複数色の淡着色透光性層3が存在し
てもよい。淡着色透光性層3をアクリル系ウレタン樹脂
に着色剤を配合させたものとすれば、カバー基材1への
接着が強固となるばかりか、色も鮮明となり、レーザー
光照射に伴う黄変も起こらないので好ましい。淡着色透
光性層3の厚みは5〜50ミクロンとすればよい。この厚
みが10ミクロン以下であれば、図1(b)に示すように
キートップ部6の表面全体に形成されてもかまわない
が、図1(a)および(c)のようにキートップ部天面
部2のみに存在することとすれば、薄肉部が厚くなら
ず、キートップ部6の押圧が小さな力で可能なため好ま
しい。
【0007】淡着色透光性層3の上に、少なくとも設け
られるアクリル系ウレタンからなる第1透明性層4は、
この上に設けられる遮光性層7の厚みのばらつきやキー
トップ部6自体の高低のばらつきにより、レーザー光の
焦点距離が均一にならず破壊深度もばらつくことがある
ため、この緩衝体としての役割を持っている。第1透明
性層4の厚みは5〜50ミクロンが好ましい。ただし、こ
の場合も図1(a)および(c)のように、キートップ
部天面部2のみを被覆するか、キートップ部6の天面部
2と側面部9だけを被覆して薄肉部10には及ばないよう
にするのが好ましいが、図1(b)のように第1透明性
層4をキートップ部2の全面に設ける場合は、できれば
10ミクロン以下の厚みとするのがよい。この第1透明性
層4の上面を含むキートップ部2の全面には、ポリエス
テル系ウレタン塗料に遮光性の着色剤を含ませた塗料に
より遮光性層7が設けられるが、この厚みは20〜 100ミ
クロンとすれば、充分な遮光性が確保できる。なお、遮
光性層7の形成材料をポリエステル系ウレタン遮光性塗
料とした理由は、レーザー光照射による抜き文字部分5
が容易にでき外観的に優れたものとなるほか、耐溶剤性
や耐摩耗性に優れているためである。
【0008】遮光性層7の上に第2透明性層8が設けら
れる理由は、レーザー光照射により、遮光性層7に覆わ
れている部分と遮光性層7が除去されて露出している第
1透明性層4との段差が、摩耗や層間剥離のきっかけと
なりやすいし、淡着色透光性層3や第1透明性層4を形
成するアクリル系ウレタンはアルコールなどの溶剤や人
体からの汗に対して弱いためである。なお、第2透明性
層8はアルコールなどの溶剤や人体からの汗に強く、耐
摩耗性のあるポリエステル系ウレタン透明性塗料とすれ
ばよい。この第2透明性層8は図1(c)のようにキー
トップ部天面部2のみに施してもよいが、図1(a)お
よび(c)のようにキートップ部2の全面に施すのが好
ましい。この厚みは特に制限はないが5〜15ミクロンと
すればよい。
【0009】次に、本発明の文字照光式押釦スイッチ用
カバー部材の製造方法について、図2(a)〜(e)に
基づいて詳述する。図2(a)の透光性のカバー基材1
は一般に射出成形にて準備される。このカバー基材1に
は必要に応じて濡れ性向上のための表面処理を施した
後、アクリル系ウレタン淡着色塗料を配するわけである
が、これは塗装で配しても構わないし、スクリーン印刷
などの印刷で配しても構わない。ただし、各キートップ
部天面部2のみに複数の淡着色透光性層3を設けたい場
合には、スクリーン印刷によるのが好ましい。なお、淡
着色透光性塗料の硬化は各色の印刷毎、80〜 110℃で15
〜60分かけて行えばよい。なお、この場合の硬化は完全
な硬化を必ずしも要求するものではなく表面が乾燥する
程度でよい。このようにして淡着色透光性層3が形成さ
れる。
【0010】次に、図2(b)のように淡着色透光性層
3の上にアクリル系ウレタン透明塗料を配して第1透明
性層4を形成するが、この場合も、淡着色透光性層3の
形成と同様に、塗装もしくは印刷にて淡着色透光性層3
に塗料を配した後、80〜 110℃で15〜60分かけて硬化さ
せ形成すればよい。さらに、図2(c)のように上記第
1透明性層4の上面を含めたキートップ部2の全面にポ
リエステル系ウレタン塗料にカーボンなどの遮光性着色
剤を配合させた遮光性塗料を配し、これを硬化させて遮
光性層7とするわけであるが、この場合は塗装にて行う
ことが好ましい。この遮光性層7はカバー基材1の上に
形成される4層の内、最も厚みの均一性が要求される。
遮光性塗料の硬化は80〜 110℃で行えばよいが、層の厚
みが厚いこと、しかも完全硬化させることが好ましいこ
とから、硬化時間を30〜60分とするのが望ましい。
【0011】次に図2(d)に示すように、淡着色透光
性層3、第1透明性層4、遮光性層7を順次設けた、カ
バー基材1のキートップ部天面部2にレーザー光照射を
行い、文字、記号、図などの形に遮光性層7の一部を破
壊して抜き文字部分5を形成する。レーザー光は特に制
限はないが、Nb:YAG レーザーなどを用いればよい。ま
た、レーザー光を照射して破壊された遮光性層の一部は
燃え滓となって、その場所に固着しているが、これを除
去する場合に第1透明性層4の厚みが30ミクロン以上の
場合は、従来通りアルコールによる払拭でもかまわない
が、そうでない場合は布による乾拭きもしくはブラシに
水を含ませた払拭を行うと、淡着色透光性層3が損傷を
受けないので好ましい。最後に、このレーザー光の照射
で破壊し第1透明性層4を露出させた基材1の少なくと
もキートップ部天面部2を覆うように、第2透明性層8
を設けるわけであるが、この場合も第1透明性層4の形
成と同様に行えばよいが、層の厚みは第1透明性層4よ
りも薄くても構わない。このようにして図2(e)に示
した文字照光式押釦スイッチ用カバー部材が得られる。
ところで、ウレタン系TPEはあまり熱量をかけすぎる
と樹脂自体が黄変したり、変形することもあるため、そ
れぞれの層の硬化は80〜 110℃の間で行うこととし、例
えばすべての層とも80℃で硬化する場合、各層の硬化時
間の総計が3時間を越えないこととし、すべての層とも
110℃で硬化する場合は各層の硬化時間の総計が2時間
を越えないようにするのが望ましい。
【0012】
【作用】本発明の文字照光式押釦スイッチ用カバー部材
では、レーザー光の照射によっても黄変や劣化がしにく
いアクリル系ウレタン淡着色透光層3および第1透明層
4の上にアルコールや人体からの汗に強く耐摩耗性にも
優れたポリエステル系ウレタン遮光性層7もしくは第2
透明性層8が覆っている。遮光性層7はポリエステル系
ウレタンであるためレーザー光の照射で品位よく抜き文
字加工される。
【0013】
【実施例】
(実施例1)ウレタン系TPE・レザミン樹脂(大日精
化社製、商品名)のショアA硬度95度のグレードを用い
てカバー基材を複数個成形した。このカバー基材のキー
トップ部天面に市販のアクリル系ウレタン透光性塗料の
白色をスクリーン印刷にて配し、80℃で20分の条件で硬
化させ、20ミクロンの淡着色透光性層を形成した。その
上にアクリル系ウレタン透明性塗料を、キートップ部天
面、キートップ部側面の上半分まで塗装した。これを80
℃で30分の条件で硬化させ、30ミクロンの第1透明性層
とした。さらに第1透明性層の上面を含めキートップ部
側全体に市販のポリエステル系ウレタン透明性塗料にカ
ーボンブラック30重量部を配合した遮光性塗料を塗装に
て配し、80℃、60分の条件で硬化させ、60ミクロンの遮
光性層を形成した。 Nb:YAG のレーザー加工機・レーザーメート(富士電機
社製、商品名)で所定の抜き文字部分を形成後、布でか
らぶきしたところ、露出した第1の透明性層およびその
下に視認できる淡着色層とも黄変、劣化などは見られな
かった。
【0014】このカバー基材のキートップ部天面を指で
擦ると、レーザー光が照射されて第1透明性層が露出し
ている部分と残っている遮光性層との境界から容易に摩
耗するため、ポリエステル系ウレタン透明性塗料をキー
トップ部全面に塗装し、80℃で60分硬化させ、5ミクロ
ンの厚みの第2透明性層を形成した。このようにして得
られた押釦スイッチ用カバー部材は抜き文字部分などに
も黄変はなく、耐摩耗性にも優れ、砂消しゴムでキート
ップ部天面の抜き文字部分を5000回、均一の力で擦って
も摩耗は少なく、視認性は失われなかった。またキート
ップ部は硬質指感触を有し粘着性もないことから、押圧
操作がスムーズであった。この文字照光式押釦スイッチ
用カバー部材を光源であるLEDと共に入力機器に組込
み、背面から導光したところ、抜き文字状に淡着色透光
性層が照光された。この淡着色透光性層はアクリル系ウ
レタン塗料独特の鮮明さを有していることから極めて視
認性が良かった。
【0015】(比較例1)実施例1と同じカバー基材を
用いて同様に押釦スイッチ用カバー部材を作製したが、
淡着色透光性層の形成はアクリル系ウレタン塗料ではな
くエポキシ系塗料もしくはポリエステル系ウレタン塗料
とした。その結果、エポキシ系塗料を選択した場合は、
レーザー光照射前は白色であった抜き文字部分の淡着色
透光性層が黄変してしまった。また淡着色透光性層をポ
リエステル系ウレタン塗料とした場合は、黄変は見られ
ないものの、第1透明性層ばかりか淡着色透光層の一部
も破壊されて基材素地が露出してしまった。
【0016】(比較例2)実施例1と同じカバー基材、
淡着色透光性層ではあるが、第1透明性層のみないも
の、または第2透明性層のみないもの、第1透明性層と
第2透明性層とがないものの3条件で押釦スイッチ用カ
バー部材を作製した。第1透明性層がないものは抜き文
字部分の品位が悪く、遮光性層の一部が破壊されず残っ
ている部分もあれば、基材素地が一部露出している部分
もあった。また第2透明性層のないものは、耐摩耗性が
低く、実施例1で行ったように砂消しゴムでキートップ
部天面の抜き文字を均一な力で擦ったところ2000回で視
認性が損なわれた。さらに第1透明性層と第2透明性層
とがないものは、文字部分の品位も悪く、その耐摩耗性
も劣悪であった。
【0017】(比較例3)実施例1と同じカバー基材、
淡着色透光性層、第1透明性層、遮光性層、第2透明性
層ではあるが、各層の硬化条件を変えてみたところ、層
が未硬化であるかもしくはカバー基材自体が黄変した
り、変形したり不具合が生じた。 *硬化温度75℃ 淡着色透光性層:30分、第1透明性層:40分、遮光性
層:60分、第2透明性層:60分、硬化時間総計: 190分
‥‥‥カバー基材の黄変、変形はないが各層の硬化が充
分でなく指で擦ると層が剥離する。 *硬化温度80℃ 淡着色透光性層:30分、第1透明性層:40分、遮光性
層:60分、第2透明性層:60分、硬化時間総計: 190分
‥‥‥各層の硬化は充分である。カバー基材の変形はな
いがやや黄変ぎみ。 *硬化温度 110℃ 淡着色透光性層:20分、第1透明性層:30分、遮光性
層:30分、第2透明性層:30分、硬化時間総計: 110分
‥‥‥カバー基材の黄変、変形はないが各層の硬化が充
分でなく指で擦ると層が剥離する。 *硬化温度 110℃ 淡着色透光性層:30分、第1透明性層:30分、遮光性
層:60分、第2透明性層:60分、硬化時間総計: 180
分、‥‥‥各層の硬化は充分である。カバー基材の変形
はないがやや黄変ぎみ。
【0018】
【発明の効果】本発明による文字照光式押釦スイッチ用
カバー部材は、硬質指感触を有するウレタン系TPE製
であっても、淡着色透光性層、透明性層、カバー基材自
体の黄変がないことから極めて視認性に優れている。ま
たアルコールや人体の汗が付着しても視認性が失われる
ことはなく、耐摩耗性にも優れている。さらに本発明の
ウレタン系TPE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部
材の製造方法によると、レーザー光照射にてキートップ
部天面に文字形成を行っても文字の視認性が失われな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明のウレタン系
TPE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材の異なる
態様についての縦断面図である。
【図2】(a)〜(e)はそれぞれ本発明のウレタン系
TPE製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材の製造過
程を工程順に示す縦断面図である。
【図3】従来の文字照光式押釦スイッチ用カバー部材の
縦断面図である。
【符号の説明】
1、31…(押釦スイッチ用)カバー基材、 2、32…
キートップ部天面部、3、33…淡着色透光性層、
4…第1透明性層、5、34…抜き文字
部分、 6…キートップ部、
7、35…遮光性層、 8…
第2透明性層、9…側面部、
10…薄肉部。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 13/02 H01H 11/00 H01H 13/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ウレタン系TPEからなる透光性の
    押釦スイッチ用カバー基材と、(ロ)この基材の少なく
    ともキートップ部天面部に設けられた光が透過する程度
    に着色されたアクリル系ウレタン製淡着色塗料からなる
    淡着色透光性層と、(ハ)少なくともその淡着色透光性
    層の上に設けられたアクリル系ウレタン透明性塗料から
    なる第1透明性層と、(ニ)キートップ部天面部の抜き
    文字部分以外のキートップ部の全面に第1透明性層を被
    覆して設けられたポリエステル系ウレタン遮光性塗料か
    らなる遮光性層と、(ホ)少なくともキートップ部天面
    部に遮光性層を被覆して設けられたポリエステル系ウレ
    タン透明性塗料からなる第2透明性層とからなることを
    特徴とするウレタン系TPE製文字照光式押釦スイッチ
    用カバー部材。
  2. 【請求項2】(イ)透光性のウレタン系TPEにて形成
    された押釦スイッチ用カバー基材の、少なくともキート
    ップ部天面部にアクリル系ウレタン淡着色の透光性塗料
    を配設・硬化して淡着色透光性層を形成する工程、
    (ロ)少なくともその淡着色透光性層の上にアクリル系
    ウレタン透明性塗料を配設・硬化して第1透明性層を形
    成する工程、(ハ)押釦スイッチ用カバー基材のキート
    ップ部の全面に第1透明性層を被覆してポリエステル系
    ウレタン遮光性塗料を配設・硬化して遮光性層を形成す
    る工程、(ニ)レーザー光を照射してキートップ部天面
    部の遮光性層に抜き文字部分を形成する工程、(ホ)少
    なくともキートップ部天面部に遮光性層を被覆してポリ
    エステル系ウレタン透明性塗料を配設・硬化して第2透
    明性層を形成する工程からなり、それぞれの層の硬化温
    度は80〜 110℃とし、硬化時間の総計が 120〜 170分と
    することを特徴とするウレタン系TPE製文字照光式押
    釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
JP06205320A 1994-08-30 1994-08-30 ウレタン系tpe製文字照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法 Expired - Lifetime JP3079188B2 (ja)

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