JP3612818B2 - 押釦スイッチ用ツーピースカバー部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
計算機、リモコン、楽器、コンピューターなど、あらゆる電子機器の入力装置に使用される押釦スイッチ用のカバー部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な分野で用いられている各種電子機器には操作用のスイッチ類が不可欠である。スイッチにはトグルスイッチやスライドスイッチなど様々なスイッチ類が知られているが、特に目につきやすく、多用されている態様が押釦スイッチである。この押釦スイッチもかつてはスプリングなど複数の部品を組み込んだメカニカル式の押釦スイッチが主流であったが、約20年ほど前より、加工費用を押さえるために、部品点数を減らし、シリコーンゴムに代表されるゴム状弾性体などで一体成形された押釦スイッチ用カバー部材が好まれて使用されてきた。
ところが、近年になると押釦スイッチは様々な分野に展開され、デザイン、性能などに対する消費者ニーズの多様化が進み、従来主流であったシリコーンゴムなどのゴム状弾性体で一体成形された基材のキートップ部天面に符号をもつ構成の押釦スイッチ用カバー部材に対するニーズは減少しつつある。
押釦スイッチ用カバー部材の性能に対する消費者の要求は、主として、押圧操作性が良好である、文字の視認性がよい(携帯用機器に用いる場合は、暗所においても押釦表示が認識可能な視認性が求められる)、長期間使用しても文字の視認性が失われない、デザインが高級感を備えている、安価である、などである。
【0003】
ゴム状弾性体で一体成形された押釦スイッチ用カバー部材はキートップ部天面にゴム独特の粘着性があるため、特に夏場の高温多湿期には、操作時に指への粘着感を感じるという理由で敬遠され、代わって、ゴム状弾性体からなる薄肉可動部・ベース部にプライマーなどを用いて、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などからなるキートップチップを接着した態様のものや、あるいは、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主材とした複数の特別な樹脂からなるシリコーンゴムと一体成形可能な組成物を準備し、これをキートップ部に用いて、キートップ部のみが高硬度(ショア D硬度が40度以上のもの)の樹脂体で、薄肉可動部・ベース部がゴム状弾性体からなる態様のものが用いられている。
【0004】
従来から、押釦スイッチ用カバー部材のキートップ部天面には、押釦スイッチ操作の案内を示す数字、符号、文字、記号等(以下、単に符号という)が形成されている。これらの符号は当然ながら母材のゴム状弾性体もしくは高硬度樹脂体と接着可能なものでなければならないことから、通常、母材を構成する樹脂成分と同一の樹脂成分に着色剤を含有させたインクによって記されることが多い。
このような態様の押釦スイッチ用カバー部材は暗所での使用が不可能なため、以下のような方法で、視認性を高めた態様のものが使用されている。ひとつは、蓄光性または自発光性顔料をインクとしてこれにより符号を記すもの、もしくは符号を記すインク自体は蓄光性または自発光性ではないが、母材を蓄光性または自発光性とした押釦スイッチ用カバー部材である。他は、透光性のゴム状弾性体で押釦スイッチ用カバー部材の基材を造り、この基材のキートップ部側に厚さ30〜100 μm の遮光層を形成し、その一部をレーザー加工などの方法により除去して符号形成を行い、押釦スイッチ用カバー部材としたものである。この遮光層は、ゴム状弾性体の基材と接着が可能なものでなければならないことから、基材を構成するものと同一の樹脂に、カーボンブラックなどに代表される遮光性の顔料、接着性の樹脂成分(プライマーやカップリング剤など)及び硬化剤などを配合して構成される。
このタイプの押釦スイッチ用カバー部材は、LED などの発光源や導光板などとともに押釦スイッチ装置内に組み込まれ、発光源を点灯することによって符号照光を行うものである。
【0005】
なお、通常は符号を着色するために、キートップ部天面の遮光層の下にあらかじめ透光性の、遮光層とは異なる色調の着色層をスクリーン印刷などにより設け、この遮光層の一部除去によって透光性の着色層が露出するようにしたものが多用されている。
押圧操作を長期間繰り返し行うと、キートップ部天面の符号は徐々に摩耗し、視認性が失われるため、上記した様々な押釦スイッチ用カバー部材に、さらにプラズマ照射やコロナ放電などの表面処理を施した後、ウレタン樹脂などの摩耗しにくい透明樹脂層を被覆したものも知られている。
【0006】
近年、従来から用いられていた様々な態様の押釦スイッチ用カバー部材の優れた特性のすべてを併せ持つものとして、図11の縦断面図に示すような、上・下ツーピースのカバー部材101,102 とクリック板103 とを組み合わせて押釦スイッチ装置104 に組み込んだものも用いられてきた。この押釦スイッチ装置104 において、上カバー部材101 は、ゴム状弾性体である平面シート105 の上にキートップ部106 である大きな凸部を設けたものである。キートップ部106 自体はゴム状弾性体又は高硬度樹脂で形成されている。また、下カバー部材102 は、ゴム状弾性体である平面シート107 の下面にクリック板押圧部108 である小さい凸部が設けられている。クリック板押圧部108 はゴム状弾性体又は高硬度樹脂で形成されている。平面シート105 の下面又は平面シート107 の上面を凹凸のない平面として、これらのいずれかの面に符号109 が形成されている。このような構成としたことによって、サイズが異なる複数のキートップ部106 が隣接配置されたカバー部材であっても良好な品位の符号109 を形成することができる。従って、上カバー部材101 及び下カバー部材102 は透視性の材料で形成されている。このようなタイプでは、カバー部材自体にはスプリングの働きをする薄肉可動部を形成できないため、押釦スイッチ装置104 には別途、金属製やプラスチック製などの前記したようなクリック板103 が組み込まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
キートップ部が高硬度樹脂で、薄肉可動部、ベース部がゴム状弾性体で形成された押釦スイッチ用カバー部材は、押圧感が良好で押釦操作もスムーズにできる利点を有している。しかし、製造に際しては、高硬度樹脂部とゴム状弾性体部との境界位置を常に一定にすることが難しくばらつきがあり、個々に比較すると外観的に異なることもあるという不都合があった。これは、高硬度樹脂を金型内に充填する吐出装置の精度自体に限界があるためである。さらに、高硬度樹脂とゴム状弾性体とでは固有の色調に差があり境界位置で色調が異なっていた。
加えて、この押釦スイッチ用カバー部材は、暗所でも視認性が良好な符号照光式にすることは技術的に困難であった。つまり、ゴム状弾性体部分に設けることが可能な遮光性塗膜層と、高硬度樹脂部に設けることが可能な遮光性塗膜層とは異なるため(接着性、弾性率、熱収縮率などに差があることに起因する)、正確なマスキング技術が要求され、しかも数工程増やさなければならないためコスト高となる欠点がある。
【0008】
また、従来の符号照光式の押釦スイッチ用カバー部材で蓄光顔料や自発光性顔料を使用するタイプのものは、それら顔料自体の照光能力が低く、顔料添加に伴う耐久性の低下、色が独特の淡い黄緑色に限定されるなどの諸問題を抱えていることから、あまり市場には供されていない。
【0009】
また、ウレタン樹脂などの透明樹脂層を、ゴム状弾性体からなるカバー部材の少なくともキートップ部天面に設けたものも、硬質指触感の点において不満がある。さらに、近年採用されているツーピースのカバー部材は、符号を平面に形成することができるため、符号品位の優れた押釦スイッチが得られる利点がある。ところがこのタイプはクリック板を必ず必要とし、しかもクリック板を上カバー部材、下カバー部材とともに押釦スイッチ装置内に組み込むには、正確に位置あわせしなければならず、位置決めのためのガイド突起をわざわざ設けなければならなかった。また、押圧の際、上カバー部材と下カバー部材が局部的密着をおこし、密着部分が外光によって界面反射を起こし、視認性が落ちるという欠点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した多くの課題を解決してなり、本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材は、その底面に凹部を有する一つ以上の同一高さのキートップ部と、このキートップ部のスカートに位置する薄肉部と、この薄肉部を介してキートップ部を支持するベース部とからなる透視性の上カバー部材と、天面に符号を有する一つ以上の凸部と、この凸部のスカートに位置する薄肉可動部と、この薄肉可動部を介して凸部を支持するベース部と、凸部底面のほぼ中央から下方に膨出する接点部とからなる下カバー部材とからなり、前記上カバー部材は下カバー部材上に前記凹部が前記凸部に嵌合して積層され、このときの上カバー部材の凹部と下カバー部材の凸部との水平方向のクリアランスが 0〜+0.7mm、高さ方向のクリアランスが 0〜+0.2mmであり、上カバー部材の凹部底面の表面粗さ(Ra)が 0.1〜0.6 μm で、下カバー部材の凸部天面の表面粗さ(Ra)が 0.8〜1.7 μm であることを特徴とする。
本発明の一態様は、前記上カバー部材のキートップ部天面をショア D硬度40〜80度の透視性樹脂とするものである。
以下、本発明を図にもとづき詳細に説明する
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、上カバー部材1 と下カバー部材2 のツーピース部材が積層されてなる本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を示す斜視図であり、(b)は、積層された両部材をパネルに組み込んで構成した押釦スイッチ装置の縦断面図を示している。
上カバー部材1 、下カバー部材2 はいずれもゴム状弾性体からなっている。
図において、上カバー部材1 は上部に押圧部であるキートップ部3 を有し、その底面に凹部4 が設けられ、キートップ部3 のスカートの位置には薄肉部5 が形成され、この薄肉部5 を介してベース部6 がキートップ部3 を支持している。下カバー部材2 は、キートップ部3 の凹部4 に嵌合する凸部7 を有し、この凸部7 のスカートの位置に薄肉可動部8 が形成され、この薄肉可動部8 を介してベース部9 が凸部7 を支持している。下カバー部材2 の凸部7 の天面には着色層によって符号10が形成されている。そして上カバー部材1 と下カバー部材2 とが基板11上に、上カバー部材1 の凹部4 と下カバー部材2 の凸部7 とで嵌合して積層されている。これらがパネル12に組み込まれて押釦スイッチ装置が構成されている。
【0012】
操作に際しては、選択したキートップ部3 を上方から押すことによって、対応する下カバー部材2 の凸部7 が押し下げられ、凸部7 の底部に設けられた可動接点部13が基板11上に設けられた固定接点14と当接する。指を離すとキートップ部3 は薄肉部5 、薄肉可動部8 の反撥力によって元の位置に復元する。
たお、符号10は、下カバー部材2 の凸部7 の平坦な天面に設けられるため、従来の押釦スイッチ用カバー部材ではその表面での符号形成が難しいために敬遠されていた曲面状の天面や、天面が傾斜するキートップ部であってもなんら支障なく形成される。
【0013】
次に、図2〜5にもとづき、図1の積層状態にある上カバー部材1 と下カバー部材2 を分離してさらに詳細に説明する。
図2は、上カバー部材1 を示し、(a)はその表面側を示す斜視図であり、平板状のシート部から上方に向けてキートップ部3 が突出している。(b)は、(a)の上カバー部材1 の裏面側を示す斜視図であり、キートップ部3 の裏面に凹部4 が形成されている。さらに裏面側には、押釦スイッチ装置としてキートップ部3 を押圧するとき、上カバー部材と下カバー部材との間の空気を外部に排出するための排気溝15が設けられている。この排気溝15は各凹部4 を連通するように設けられ、少なくとも一つの排気溝15が排気を容易にするため、上カバー部材1 の外側端に達している。
【0014】
図3は、下カバー部材2 を示し、(a)はその表面側を示す斜視図であり、平板状のシート部から上方に向けて凸部7 が突出し、凸部7 の天面には符号10が設けられている。(b)は、(a)の下カバー部材2 の裏面側を示す斜視図であり、上方に向けて突出する凸部7 の裏面に凹部16が形成され、そのほぼ中央に可動接点部13が設けられている。さらに上カバー部材1 と同様に、下カバー部材2 と基板11(図1(b)参照)との間の空気を外部に排出するための排気溝15が、各凹部16を連通するように設けられ、少なくとも一つの排気溝15が排気を容易にするため、下カバー部材2 の外側端に達している。
図4は他の態様の上カバー部材1 (a)と下カバー部材2 (b)を示している。いずれも透光性の部材で形成され、さらに下カバー部材2 の表面には、凸部7 の天面の符号10を除く全面に遮光性着色層が設けられている。
【0015】
本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材は、符号を下カバー部材の凸部天面に設けるため、従来、符号形成が難しいために敬遠されていた隣接するキートップ部どうしが高さの異なる態様のカバー部材も製造可能である。その一例を図5に示す。(a)は上カバー部材1 であり、(b)は下カバー部材2 を示す斜視図である。
従って、キートップ部のサイズ、形状、配置については、押釦スイッチ操作に支障が生じない限りにおいて、特に制約されない。
【0016】
上カバー部材1 の薄肉部5 の厚さは、摺動が可能な限り特に限定されるものではないが 0.1〜0.8mm の範囲が好ましく、かつ、ベース部6 の厚さよりも薄く設定すればよい。なお、薄肉部5 を逆椀状(ドーム状)として、押圧に対する反撥機能をもつ薄肉可動部とすることによって好ましい押圧感が得られる。
薄肉部5 を介して複数のキートップ部3 を支持しているシート状のベース部6 の厚さは 0.4〜1.5mm 程度とするのがよい。なお、上カバー部材1 のシート状のベース部6 の下面(下カバー部材2 のベース部9 との当接面)には、押圧の際にキートップ部内の空気を外に排出する役割を持つ排気溝15を、各キートップ間に連通し、かつ少なくとも一カ所、外周囲(矩形の場合は外側端)に通じるように設けてもよい。同様に、下カバー部材2 のベース部9 の下面(基板11の上面との当接面)に、排気溝15を設けてもよい。
なおこの排気溝15のサイズは深さが 0.1〜0.4mm 、幅が 0.5〜1.6mm とするのが好ましい。
【0017】
さらに、上カバー部材1 のキートップ部3 の底面に設けられた凹部4 と、この部分と嵌合する下カバー部材2 の凸部7 との間には若干のクリアランスがあり、上カバー部材1 、下カバー部材2 の収縮や金型精度を考慮すると、水平方向に 0〜+0.7mm、垂直方向(即ち、高さ方向)には 0〜+0.2mmの公差が押圧操作に影響のない範囲で許容される。クリアランスをこの範囲に設定することによって、上カバー部材1 と下カバー部材2 との嵌合が容易で、しかも上下カバー部材が有するゴム粘着性によって、上下カバー部材は一体的に嵌合、保持される。
【0018】
さらに、上カバー部材1 の凹部4 の表面粗さ(Ra)は 0.1〜0.6 μm 、好ましくは 0.2〜0.4 μm とする。凹部4 の表面粗さ(Ra)を0.1 μm 未満に調製することは加工上困難であり、0.6 μm を越えるとキートップ部3 の透明感は失われ、白く濁った感じになるため好ましくない。従って、凹部4 の表面粗さ(Ra)は上記範囲とされる。
なお、キートップ部天面の表面粗さ(Ra)については 0.1〜0.3 μm が望ましいが、必ずしもこれらの範囲に限定されるものではない。
【0019】
下カバー部材2 の凸部7 の天面には符号10の印刷面が形成されるが、この印刷面は必ずしも一層から構成される必要はない。符号10はひとつの透視性または遮光性の着色層で形成されていてもよく、凸部7 の天面に透視性着色層、遮光性着色層の順で積層し、遮光性着色層の一部を除去して、透視性着色層が符号として露出するタイプのものであってもよい。凸部7 の天面に限らず、凸部7 の側面や薄肉可動部8 、ベース部9 に着色層を設けてもよいが、実用上は凸部7 の天面のみに着色層によって符号10が形成されていればよい。なお、符号10を形成する着色層の厚みは任意である。凸部7の天面は符号10の印刷に都合のよい平面とされる。
さらに、各凸部10の高さは実質上同一とする。実質上同一とは、各凸部の高低差が、パッド印刷を施しても全ての凸部天面に品位の優れた符号形成が可能な1mm未満、より好ましくは鮮明な符号形成が可能なスクリーン印刷法でも品位の優れた符号形成が可能な 0.5mm未満とする。
【0020】
下カバー部材2 の薄肉可動部8 の形状は逆椀状とされ、その厚さは 0.1〜0.6mm 、そのベース部9 の厚みは 0.4〜4.0mm が好ましいが、必ずしもこれらの範囲に限定されるものではない。
凸部10の底面の概ね中央には下方に膨出するφ1〜10mm(少なくとも凸部10の外径よりは小さな径)の突起が存在し、その先端にはカーボン層もしくは金属層の可動接点部13が設けられている。カーボン層の厚さは、後工程で印刷して形成したものでは10〜60μm であり、カーボン製導電性チップを一体成形したものでは0.2 〜0.5mm である。金属層としてはニッケル板や洋白板又はそれらに金、銀、チタンなどの鍍金を施したものが用いられ、その厚さは金属製導電性チップを一体成形したもので10〜50μm である。
【0021】
凸部7 の符号面の表面粗さ(Ra)は 0.8〜1.7 μm 、好ましくは 1.1〜1.5 μm である。符号10表面の表面粗さが 0.8μm 未満の場合、押圧した際に、力が強くかかった部分のみが密着し、その周囲は浮きぎみの状態であるため、局部的に鮮明部分、不鮮明部分のムラを生じ、符号10の視認性が損なわれる。
符号面の表面粗さ(Ra)が 1.7μm を超える場合は、押圧部分での乱反射が強すぎキートップ部3 自体が白っぽく見えてしまう不都合がある。
下カバー部材2 には、特に透視性の原料を用いる必要はないものの、図4(b)、図5(b)に示すように下カバー部材2 の符号10部分を除く、その表面全面に遮光層を設けた態様の場合は透光性の原料を用いることが望ましい。
【0022】
なお、上カバー部材1 、下カバー部材2 は、いずれもゴム状弾性体から構成されている。ゴム状弾性体としては、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などの合成ゴムや天然ゴム、ポリエステル系やウレタン系などの熱可塑性エラストマーなどが例示される。なお、精密加工性、電気絶縁性、反撥弾性、耐熱・耐寒性など様々な物性値においてバランスよく優れているシリコーンゴムを選択することが好ましい。また、上カバー部材1については、これを構成する原料のすべてが透明であることが最も好ましいが、少なくとも透視性を呈していなければならない。
【0023】
なお、上カバー部材1 の少なくともキートップ部天面をショア D硬度40〜80度の樹脂とすることにより、押圧の際のゴム独特の粘着感が解消され、押釦操作が良好となり好ましい。このとき上カバー部材1 の高硬度化の範囲は薄肉部5 まではかからない部分までとされ、好ましくは下カバー部材2 の凸部7 と嵌合するキートップ部3 の凹部4 底面より0.5 mm上方までとする。キートップ部3 天面にショア D硬度40〜80度の樹脂層を設けるためには、上カバー部材の他の部分を形成するゴム状弾性体と強固に接着が可能な樹脂を選択する必要がある。プライマーを用いての硬質樹脂チップとゴム状弾性体との接着は、工程が煩雑であり、外観的にも接合部分に段差を生じたり、透視性が落ちたり不具合を生じやすいため、好ましくはゴム状弾性体と一体成形可能な樹脂を選択することが好ましい。この場合、シリコーンゴムコンパウンドにはビニル基を含むものを選択し、熱硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂に硬化剤とともにビニルモノマーを配合してなる樹脂組成物を選択するか、又は高硬度シリコーン樹脂であるジフェニルジメチルシリコーン樹脂やフェニルメチルシリコーン樹脂などを選択すればよい。
なお、シリコーンゴム部(ゴム状弾性体部)との収縮率差を解消するために、あるいは樹脂組成物硬化体の強度を補うために、樹脂組成物にエポキシ樹脂などを配合してもよい。
【0024】
次に、本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の製造方法について説明する。
上カバー部材、下カバー部材ともにゴム性弾性体のみで形成された態様の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法は、一般的なシリコーンゴム成形品の場合と同様に行えばよく、具体的には、圧縮成形、射出成形、射出圧縮成形などの成形方法を用いればよい。
なお、上カバー部材のキートップ部天面にショア D硬度40〜80度の熱硬化性樹脂層を設ける態様の場合は、ふたつに分離可能な金型を使用し、金型のキートップ部形成用彫り込み部へ、未硬化ゴムと一体成形可能な液状の熱硬化性樹脂組成物を所定量充填し、接着性能が失われない時間硬化させた後、さらにその上に未硬化のゴム状弾性体を充填する射出成形法、又は充填された未硬化のゴム状弾性体の上から加圧する圧縮成形法を用いて成形し、先に充填した樹脂組成物とゴム状弾性体とを一体硬化させて金型から取り出せばよい。
【0025】
上カバー部材のキートップ部底面の凹部は、例えば紫外線照射などの方法を用いてその表面を表面粗さ(Ra) 0.1〜0.6 μm に調製するのが好ましい。
紫外線照射の条件は、ワークの大きさ、薄肉部の厚さ、原料のグレードによって若干の差はあるが、概ね、放射照度を 200mW/cm未満とし、積算光量を 200〜15000 mJ/cmの範囲(紫外線放射ランプからワークまでの距離(照射距離)と照射時間により定まる)とするのがよい。なお、紫外線照射の波長は一般的とされる184.9nm と253.7nm のふたつの波長光を同時照射すればよい。
【0026】
下カバー部材の凸部天面への符号の形成は印刷法にて行うことが好ましく、具体的にはスクリーン印刷法、パッド印刷法などが例示される。使用するインクは下カバー部材の母材を構成するゴム状弾性体の樹脂成分に、有機もしくは無機の着色剤と硬化剤や触媒などを所定量配合したものを用いればよい。この凸部天面の符号面は表面粗さ(Ra)を 0.8〜1.7 μm としなければならないことから、上カバー部材と同様に紫外線照射処理にて表面改質を行う。この場合、紫外線照射の条件は、放射照度を200mW/cm 未満とし、積算光量を 18000〜35000mJ/cm の範囲とすればよい。
なお、凸部天面の符号面の表面粗さ(Ra)を0.8 〜1.7 μm とするための最も好ましい方法は、粒径 0.8〜65μm のシリカ粉末を 5〜40重量部配合したインクを用いてスクリーン印刷などにより、凸部天面に少なくとも一層のベタ印刷(天面の全面に印刷)を行った後、さらに着色の異なるインク(同様に粒径 0.8〜65μm のシリカ粉末を 5〜40重量部配合したもの)にて符号を設けることである。紫外線照射処理によって、所定の表面粗さの符号面を形成した場合は、符号面がやや劣化して色調が変化する不都合があるが、所定の粒度のシリカ粉末を配合してなるインクでベタ印刷及び符号を設けるとそのような不都合は生じずより好ましい。
【0027】
上カバー部材は、下カバー部材の全ての凸部と対応して嵌合する凹部を有するものが好ましいが、使用頻度の低い押釦では、図6の縦断面図に示すように、下カバー部材の一部の凸部を上カバー部材で覆わない部分があってもよい。さらに下カバー部材は共通部品として多量に作製しておき、下カバー部材の凸部の配列と、凹部の配列は同じで形状が異なるキートップ部を有する上カバー部材と組み合わせて用いてもよい。例えば、図4と図5とでは上カバー部材のキートップ部の形状が異なっているが、それぞれ共通の下カバー部材2 を用いてもよいことを示している。
【0028】
本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材によって、均一な視認性が得られるメカニズムについて図7〜図10を用いて詳述する。
図7(a)は、特にキートップ部3 底面の凹部4 の表面及び下カバー部材2 の符号10面の表面粗さを調製することなく上下カバー部材1, 2を成形し、組み立てた押釦スイッチのキートップ部3 の天面を指で押圧している様子を示す縦断面図である。このとき符号10は、図7(b)に示すように力のかかっている部分は鮮明に、それ以外の部分は不鮮明になり、力を解放した後も、均一なコントラストが得られず、視認性の悪い状態が所定時間続くことになる。これは上下カバー部材の成形段階において、原料の流れの影響で表面粗さがばらつき、さらにゴム弾性体独特の粘着性のため、力のかかった部分は互いに粘着してしまうためと思われる。この状態をたとえるならば、二枚の硝子板の間に水滴を介在させ、一方から視たときに、水滴の存在する部分は他の部分と屈折率が異なるため違和感を覚えるのと似ている。
【0029】
これに対し、図8(a)は、本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を用いて組み立てられた押釦スイッチのキートップ部3 の天面を指で押圧している様子を示す縦断面図である。さらにその一部を拡大して図9に示す。キートップ部3 底面の凹部4 の表面処理面20と下カバー部材2 の凸部7 の表面処理面21とが、上方から押圧されると当接するが、図8(b)に認められるように、当接面が互いに粗面であるため、密接することはなく、視認性に優れている。
上カバー部材1 の凹部4 は表面粗さ(Ra)0.1 〜0.6 μm に、紫外線照射して調製されているため、ゴム状弾性体独特の粘着性は失われ、下カバー部材2 の凸部7 天面の符号10は、紫外線照射によって、あるいは所定の粒径を有するシリカ粉末を所定量配合してなるインクを用いた印刷によって、その表面粗さを比較的粗めである(Ra)0.8 〜1.7 μm とすることによって、符号部分の表面硬度を3〜5度高めるとともに、均一な光拡散効果がもたらされ、押圧の際、局部的に鮮明な部分と不鮮明な部分とが混在するようなことなく、均一な視認性が確保される。
【0030】
本発明の押釦スイッチ用ツーピース部材の押釦スイッチ装置への組み込み方法は、従来の押釦スイッチ用カバー部材と同様に基板11上に下カバー部材2 、上カバー部材1 の順に積層して組み込めばよい。位置決めが必要な場合は、基板11の任意の場所にガイドピンを設けておくとともに、上カバー部材1 、下カバー部材2 の両者の同一位置にガイド孔を設けておけばよい。なお符号照光式の押釦スイッチ装置を得たい場合は、図10のようにパネル12と上カバー部材1 のシート状ベース部6 との間に発光源17が位置するように組み込むか、下カバー部材2 のさらに下方に発光源17を設ければよい。
【0031】
本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材は、上カバー部材の凹部と下カバー部材の凸部とで嵌合することによって簡単に組み立てられる。下カバー部材の凸部天面を平面としたことによって、スクリーン印刷法などにより、符号の印刷は極めて容易になされ、符号の品位、視認性も良好である。下カバー部材は透視性の上カバー部材に保護されているため、長期間使用しても符号の視認性は半永久的に失われない。また、上カバー部材のベース部及び下カバー部材のベース部の裏面に排気溝を設けることによって、押圧操作がスムーズにできる。上カバー部材の凹部の表面粗さ(Ra)が0.1 〜0.6 μm 、下カバー部材の凸部の天面符号面の表面粗さ(Ra)が0.8 〜1.7 μm であるため、押圧してもキートップ部に局部密着を生じることなく、したがって均一な視認性が確保される。
さらに、上カバー部材の凹部と下カバー部材の凸部との水平方向のクリアランスを 0〜+0.7mm、高さ方向のクリアランスを 0〜+0.2mmとしたことにより、上カバー部材と下カバー部材との組み込みが容易で、押圧操作に影響を与えず、しかも局部的密着や局部的反射を生じず、良好な視認性が得られる。
以下、本発明の実施態様を実施例にもとづき詳細に説明する。
【0032】
【実施例】
実施例に先立ち、上カバー部材のキートップ部底面の凹部の表面と、及び下カバー部材の凸部に形成された符号面の表面粗さと視認性の関係について調べた。[予備試験1]
シリコーンゴムコンパウンド・KE−951U (信越化学工業製、商品名)100 重量部と硬化剤 C−8(信越化学工業製、商品名)2重量部とを配合、混練し、温度 200℃、圧力200kg/cm で 2分間圧縮成形して、寸法が2mm×20mm×20mmのシリコーンゴム製のプレートA を複数枚得た。
次に、メチルフェニルシリコーン樹脂の液状体を、エアディスペンサーAD3000(岩下エンジニアリング製、商品名)を用いて、180 ℃に加熱された鏡面仕上げ面を有する金型中に充填し、流動性が無くなったところで、透明グレードのシリコーンゴムコンパウンド DY32−379U(東レ製、商品名)100 重量部に硬化剤RC−8を0.5 重量部配合してなるシリコーンゴム原料を充填し、金型を閉じ、温度 180℃、圧力200kg/cm で2分間圧縮成形して、寸法が 1mm×20mm×20mmのメチルフェニルシリコーン樹脂層と同寸法のシリコーンゴム層とが積層されてなるプレートB を複数枚得た。
シリコーンゴム製のプレートA の片面にシリコーン樹脂系黒インクを用い、スクリーン印刷により、塗膜層の厚さが30μm の三角マークを形成した。
プレートA の三角マーク形成面とプレートB のシリコーンゴム面の表面粗さを紫外線照射により種々変更して調製したものを準備し、これらのプレートA とプレートB を種々組み合わせて積層し(但し、プレートA の三角マーク形成面がプレートB のシリコーンゴム面に接するように積層する)、プレートB の高硬度樹脂面側より指で押圧して、符号の視認性を確認した。その結果を表1に示す。
なお、表中の「未処理」表示は紫外線照射処理がなされていないことを示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003612818
【0034】
以上の結果から、押圧する側のプレートB の下面については表面粗さ(Ra)が0.1 〜0.6 μm で、符号形成された側のプレートA の符号形成面の表面粗さ(Ra)が0.8 〜1.7 μm のとき、均一で優れた視認性が得られることが判った。
【0035】
[実施例1]
シリコーンゴムコンパウンド・KE−951U (信越化学工業製、商品名)100 重量部と硬化剤・C−8 ( 信越化学工業製、商品名)2重量部からなるシリコーンゴム原料を混練し、温度185 ℃、圧力200kg/cm で2分間圧縮成形を行い、下カバー部材用の基板を得た。この基板の凸部天面にスクリーン印刷で厚さ7μm の透視性着色層を形成し、さらにその上に、厚さ15μm の遮光性着色層を抜き符号状に積層し、電話操作に必要な符号を形成した。なお、使用した遮光性着色層を形成するインク中に粒度がほぼ30μm のシリカ粒子を20重量部配合し、凸部天面の表面粗さ(Ra)を1.1 μm とした。さらに、カーボン系導電インクを用いて可動接点部を印刷して形成し、下カバー部材を得た。
次にシリコーンゴムコンパウンド・DY32−379U (東レ製、商品名)100 重量部と硬化剤・RC−8(東レ製、商品名)0.5 重量部からなるシリコーンゴム原料を準備し、成形温度185 ℃、成形圧力200kg/cm 、成形時間2分45秒間という条件で圧縮成形して上カバー部材用の基材を得た。この基板のキートップ部底面の凹部に、UV−DRY−PROCESSOR・VUM−3333−A (株式会社オーク製作所製、製品名)を用いて、照射距離15cmで2分間紫外線照射を行ったところ、凹部の表面粗さ(Ra)が0.3 μm である上カバー部材を得た。
【0036】
なお、この上カバー部材のキートップ部の高さは、個々に異なっていて最高、最低で5mmの差があり、しかもキートップ部天面は曲率半径 5mmの凸面状をなしている。
この上カバー部材を下カバー部材上に積層し、複数のLED とともに電話用ケースに組み込み、電話用押釦スイッチ装置を組み立てた。この装置はキートップ部を押圧することによってLED が点灯し、符号が照光される。
この装置の押釦操作性と符号の視認性を確認したところ、押圧操作はクリック感も良好であり、符号も明瞭に視認できた。また、従来の押釦スイッチ用カバー部材の場合は、隣接するキートップ部どうしの高さが3.5mm 以上違うと、符号形成が難しかったが、本実施例で得られた押釦スイッチ用カバー部材の符号は高品位に形成されていた。
【0037】
[実施例2]
下カバー部材は、実施例1で使用したものを用い、上カバー部材は、キートップ部天面から下方に2.5mm までが熱硬化性樹脂で形成された上カバー部材を、以下の方法で製造した。。
予め160 ℃に加熱した金型のキートップ部形成用彫り込み部に、不飽和ポリエステル樹脂・エスター1510C (三井東圧化学製、商品名)100 重量部、ジアリルフタレート35重量部、エポキシ樹脂・エピオールP−400 (日本油脂製、商品名)20重量部、メラミン樹脂・サイメル701 (三井サイアナミッド製、商品名)15重量部、硬化剤・ナイパーBMT−k40 (日本油脂製、商品名)1重量部及び酸性触媒・キャタリスト4050(三井サイアナミッド製、商品名)1重量部を配合してなる未硬化の樹脂組成物を、エアディスペンサー・AD3000を用いて所定量充填し、この樹脂組成物が流動性を失ったところで、その上から、薄肉部、ベース部形成用彫り込み部にシリコーンゴムコンパウンド・DY32−379U (東レ製、商品名)100 重量部に硬化剤RC−8(東レ製、商品名)0.5 重量部を配合してなるシリコーンゴム原料を充填し、温度165 ℃、圧力200kg/cm で2分間一体成形し、上カバー部材用基材を得た。
【0038】
この基材のキートップ部底面の凹部側に、放射照度200mW/cm 、積算光量8000mJ/ cm で紫外線処理を行い、表面粗さ(Ra)が0.4 μm である上カバー部材とした。この上カバー部材の各キートップ部の高さは同じであるが、その天面には点字で押釦スイッチ操作の操作内容を示す複数の小突起が設けられている。実施例1と同様に、上カバー部材を下カバー部材上に積層して、複数のLED とともに電話用ケースに組み込み、電話用押釦スイッチ装置を組み立てた(キートップ部を押圧することによってLED が点灯し、符号が照光される)。
この装置の押釦操作性と符号の視認性を確認したところ、押圧操作はクリック感も良好であり、キートップ部天面に粘着感もなく押釦スイッチ操作をスムーズに行うことができ、符号も明瞭に視認できた。
【0039】
なお、従来のキートップ部天面に高硬度樹脂部を設けた押釦スイッチ用カバー部材では、高硬度樹脂部とシリコーンゴム部との継ぎ目に色調差が目立ったが、本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材は、高硬度樹脂、シリコーンゴムともに透明なものを使用することができ、境目での色調差は目立たなかった。
この従来の高硬度樹脂キートップ部付き押釦スイッチ用カバー部材は、符号照光式のものにするためには、高硬度樹脂部用着色インクとシリコーンゴム部用着色インクの二種類を準備し、最新の注意でマスキング作業を行わなければならなかったが、本発明のものはマスキング作業どころか、塗装作業、レーザー加工作業も必要としないことから、良品率が高く生産性に優れている。しかも従来の押釦スイッチ用カバー部材ではキートップ部の天面に突起が存在すると、品位を保持して符号形成することが難しかったが、本発明のものは符号が品位よく形成されていた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材は、上カバー部材のキートップ部の高さにばらつきがあるものや、キートップ部天面に凹凸や曲面が存在するものであっても高品位な符号形成が可能であり、押圧操作に優れ、押圧操作時の符号表示も、均一なコントラストで視認性に優れた表示が得られ、違和感を生じることがない。さらにクリック板を用いずともクリック感に優れたものを提供できる。また、キートップ部を高硬度樹脂としたものであっても、本発明の構成の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を用いることによって、符号照光機能を容易にもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の一態様を示し、(a)はその斜視図であり、(b)は、本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材をパネルに組み込んだ押釦スイッチ装置の縦断面図である。
【図2】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を構成する上カバー部材の一態様を示し、(a)はその表面を、(b)はその裏面を示す斜視図である。
【図3】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を構成する下カバー部材の一態様を示し、(a)はその表面を、(b)はその裏面を示す斜視図である。
【図4】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の他の態様を示し、(a)はその上カバー部材を、(b)は下カバー部材を示す斜視図である。
【図5】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の他の態様を示し、(a)はその上カバー部材を、(b)は下カバー部材を示す斜視図である。
【図6】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の他の態様を示す縦断面図である。
【図7】本発明に用いられる表面粗さ未調整の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を示し、(a)はその押圧時の縦断面図であり、(b)はその視認性を示す平面図である。
【図8】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を示し、(a)は押圧時の縦断面図であり、(b)は視認性を示す平面図である。
【図9】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材の一部拡大断面図である。
【図10】本発明の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を押釦スイッチ装置に組み込んだ他の態様を示す縦断面図である。
【図11】従来の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1.・・・・上カバー部材、 2.・・・・下カバー部材、
3.・・・・キートップ部、 4.・・・・凹部、
5.・・・・薄肉部、 6.・・・・ベース部、
7.・・・・凸部、 8.・・・・薄肉可動部、
9.・・・・ベース部、 10.・・・・符号、
11.・・・・基板、 12.・・・・パネル、
13.・・・・可動接点部、 14.・・・・固定接点、
15.・・・・排気溝、 16.・・・・凹部、
17.・・・・発光源、 18.・・・・遮光層、
19.・・・・着色層、 20.・・・・表面処理面、
21.・・・・表面処理面、 101.・・・・上カバー部材、
102.・・・・下カバー部材、 103.・・・・クリック板、
104.・・・・押釦スイッチ装置、 105.・・・・平面シート、
106.・・・・キートップ部、 107.・・・・平面シート、
108.・・・・クリック板押圧部、 109.・・・・符号、
110.・・・・発光源、 111.・・・・可動接点部、
112.・・・・固定接点、 113.・・・・パネル、
114.・・・・基板。

Claims (2)

  1. その底面に凹部を有する一つ以上のキートップ部と、このキートップ部のスカートに位置する薄肉部と、この薄肉部を介してキートップ部を支持するベース部とからなる透視性の上カバー部材と、天面に符号を有する一つ以上の凸部と、この凸部のスカートに位置する薄肉可動部と、この薄肉可動部を介して凸部を支持するベース部と、凸部底面のほぼ中央から下方に膨出する接点部とからなる下カバー部材とからなり、前記上カバー部材は下カバー部材上に前記凹部が前記凸部に嵌合して積層され、このときの上カバー部材の凹部と下カバー部材の凸部との水平方向のクリアランスが 0〜+0.7mm、高さ方向のクリアランスが 0〜+0.2mmであり、上カバー部材の凹部底面の表面粗さ(Ra)が 0.1〜0.6 μm で、下カバー部材の凸部天面の表面粗さ(Ra)が 0.8〜1.7 μm であることを特徴とする押釦スイッチ用ツーピースカバー部材。
  2. 前記上カバー部材のキートップ部の天面がショア D硬度40〜80度の透視性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用ツーピースカバー部材。
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