JPH11126536A - 押釦スイッチ用カバー部材および押釦スイッチ - Google Patents

押釦スイッチ用カバー部材および押釦スイッチ

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Publication number
JPH11126536A
JPH11126536A JP9308118A JP30811897A JPH11126536A JP H11126536 A JPH11126536 A JP H11126536A JP 9308118 A JP9308118 A JP 9308118A JP 30811897 A JP30811897 A JP 30811897A JP H11126536 A JPH11126536 A JP H11126536A
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cover member
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Application number
JP9308118A
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English (en)
Inventor
Mikio Kiyozawa
幹男 清澤
Sadao Nakano
禎夫 中野
Kiyobumi Tanaka
清文 田中
Yusuke Morita
雄介 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質指触感が得られ、また、反撥弾性特性の
設定等に大きな自由度が得られ、さらに、繰り返し使用
に対する耐久性にも優れた押釦スイッチ用カバー部材お
よび押釦スイッチを提供する。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂の
硬質樹脂シート遮光性着色層56を形成し、この遮光性
着色層56をレーザーにより文字等の形状に抜き加工し
て表示部57を形成した後に表示部57上に重ねて透光
性着色層58を形成し、次いで、圧空成形等で表示部5
7が内底面に位置するキートップ52を成形し、さら
に、キートップ52をその周りに一部を残して切り込み
53を形成し、トップシート50を得る。また、シリコ
ーンゴム組成物を用い圧縮成形等で可動凸部42を有す
るカバー基体40を成形し、カバー基体40の可動凸部
42天面に接着剤55を塗布し、可動凸部42にキート
ップ52を嵌合させてキートップ52内底面と可動凸部
42天面とを接着固定することで、カバー基体40とト
ップシート50を組み付けてカバー部材30を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体通信機器
等のデータ入力装置やスイッチ装置等に部品として用い
る押釦スイッチ用カバー部材、および、このカバー部材
を用いた押釦スイッチに係り、特に、カバー部材をゴム
弾性体の基体の表面側に硬質樹脂のフィルムを設けてカ
バー部材を構成し、指触感の改善を図る押釦スイッチ用
カバー部材と押釦スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機等の移動体通信機器のデータ
入力装置やパーソナルコンピュータのキーボード等(押
釦スイッチ)は、通常、シリコーンゴム等のゴム弾性体
からなるカバー部材を回路基板に直接に組み付けて構成
される。このようなカバー部材は、通常、キーボード等
のキートップ配列と同一かつ同数(規定数)のキートッ
プ部を有し、これらキートップ部の裏面に可動接点が、
また、キートップ部の天面に図形や文字等が印刷され
る。
【0003】ところで、上述したカバー部材は、回路基
板と組み付けられて押釦スイッチを構成した状態で、キ
ートップ部の天面がオペレータの指と接触する操作部
(押圧面)として機能する。このため、押釦スイッチを
長期間にわたって使用した場合等には、キートップの天
面の図形や文字等がオペレータの指との接触で摩損し、
図形等の視認性が損なわれることがあり、また、キート
ップ部が軟質のゴムであることから良好な指触感を得ら
れないという欠点があった。
【0004】そこで、文字や図形等の耐磨耗性の改善と
とともに指触感の改善を図ったカバー部材が種々提案さ
れ、この種のカバー部材として、特開平7−30252
6号公報、特開平6−267367号公報あるいは特開
平8−69727号公報等に記載されたものが知られ
る。例えば、特開平7−302526号公報には、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムに
複数の湾曲部を形成し、これら湾曲部内にポリカーボネ
ート等の溶融樹脂を注入、充填し、この溶融樹脂を硬化
させてなるカバー部材が記載される。
【0005】また、特開平6−267367号公報およ
び特開平8−69727号公報には、樹脂フィルムに凸
部を形成し、この凸部内に合成樹脂を充填硬化して一体
化させるとともに、樹脂フィルムの凸部の周囲を小さな
巾のヒンジ部を残して切り欠き部を形成し、樹脂フィル
ム上に凸部を挿通する穴が形成された樹脂の銘板を貼合
し、この銘板により切り欠き部を覆うカバー部材が記載
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公報に記載のカバー部材はいずれも、樹脂フィルム
に凹部(凸部、湾曲部)を形成し、この凹部内に樹脂を
充填するため、キートップの押圧操作に対する反撥弾性
特性やクリック感が樹脂フィルムの弾性特性に依存して
操作特性の選択の自由度が小さく、また、繰り返し使用
に対する耐久性も劣るという問題があった。
【0007】すなわち、PET等の樹脂フィルムによっ
てはゴム弾性が得られず、設定できるストロークも大き
く制限されて設計の自由度が低下し、また、相当の耐久
性を得るにはストロークを極めて小さくしなければなら
ず、満足すべき操作感を得ることが困難であった。この
発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、キートップ
の押圧操作に対する反撥弾性特性やクリック感等の設定
に際して選択の自由度が大きく、良好な操作感が得られ
る押釦スイッチ用カバー部材と、押釦スイッチを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、複数の可動凸部を一体に
有するゴム弾性体のカバー基体と、天面の内面または外
面に表示部を有する複数のキートップが前記カバー基体
の複数の可動凸部に対応して膨出成形され、前記キート
ップをそれぞれ前記可動凸部と嵌合させて前記カバー基
体と組み付けられる硬質樹脂のトップシートと、を備え
る押釦スイッチ用カバー部材であって、前記トップシー
トのキートップの周りに該キートップを中心として34
0°以上の角度範囲にわたって切り込みを形成した。
【0009】そして、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の押釦スイッチ用カバー部材において、前記カ
バー基体の天面と前記トップシートのキートップ内底面
のみを接着剤で接着してなる。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、複数の可
動凸部を一体に有するゴム弾性体のカバー基体と、該カ
バー基体の複数の可動凸部にそれぞれ嵌合された硬質樹
脂のキャップ状のキートップとを備える押釦スイッチ用
カバー部材であって、前記カバー基体の可動凸部天面と
前記キートップ内底面のみを接着剤で接着した。
【0011】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1、請求項2または請求項3に記載の押釦スイッチ用カ
バー部材において、前記キートップを透光性とするとと
もに、該キートップの内底面に記号・図形等の表示部を
印刷形成してなる。また、請求項5に記載の発明は、請
求項1、請求項2または請求項3に記載の押釦スイッチ
用カバー部材において、前記カバー基体および前記キー
トップを透光性に構成するとともに、前記カバー基体の
表面に遮光性着色層を形成し、前記凸部天面上の遮光性
着色層を記号・図形形状に除去して表示部を形成した。
【0012】押釦スイッチは、回路基板、カバー基体お
よび硬質樹脂のトップシート(キートップ)を主要な要
素として構成され、設けられる機器、例えば、携帯電話
機やキーボード等のケーシング内に収容される。回路基
板には、固定接点や周知の回路素子等が、また、照光式
押釦スイッチを構成する場合はLED等の発光体が設け
られる。ケーシングは、データ入力用のキー数と同数
(上述した規定数)の穴を有し、これらの穴にトップシ
ートのキートップが突出する。
【0013】カバー基体は、回路基板への支承部として
機能するベース部、ベース部から突出する規定数の可動
凸部、これら可動凸部とベース部を連続する薄肉のスカ
ート部等を有し、直接、あるいは、皿バネ的な弾性変形
特性を有するドーム部が形成されたクリック板を介して
回路基板に組み付けられる。このカバー基体は、クリッ
ク板を介して回路基板に組み付けられる場合は可動凸部
の裏面に押圧部が一体に、また、回路基板に直接に組み
付けられる場合は回路基板の固定接点と接触可能な可動
接点が導電性ゴム等で形成される。
【0014】また、カバー基体は、ウレタンゴム、アク
リルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合(EPD
M)等の合成ゴムや天然ゴム、熱可塑性エラストマ、ポ
リエステル系若しくはウレタン系の熱可塑性エラストマ
等のゴム弾性体(組成物)、特に、照光式の押釦スイッ
チを構成する場合は透光性のゴム組成物を用いて、圧縮
成形や射出成形等で単独に、あるいは、キートップ(ト
ップシート)をインサートとするインサート成形等によ
り成形される。
【0015】特に、キートップに表示部を設けて照光式
の押釦スイッチを構成する場合は、カバー基体を透光性
のゴム弾性体で構成し、さらに、キートップないしトッ
プシートを透光性の皇室樹脂とし、キートップの内底面
にその成形前に印刷等で表示部を形成し、カバー基体の
可動凸部天面と対面する部分の少なくとも一部を除いて
遮光性着色層を形成、あるいは、この遮光性着色層の非
形成部分に透光性着色層を形成する。同様に、カバー基
体に表示部を設けて照光式の押釦スイッチを構成する場
合は、可動凸部天面の遮光性着色層をレーザー等で記号
や図形状に除去して表示部を形成する。
【0016】カバー基体への表示部の形成は、表面全面
にスプレー塗装等で遮光性着色層を形成した後に可動凸
部天面の遮光性着色層をレーザー照射等で文字等の形状
に抜き、この抜き部に透光性着色層を形成すること、あ
るいは、基体表面全面にスプレー等で形成した後に可動
凸部上の部分をレーザー等で除去すること等により行
う。また、キートップへの表示部の形成は、硬質樹脂シ
ートに長尺の状態で遮光性着色層を形成して文字等の形
状の抜き部をレーザー照射や抜き文字印刷等で形成し、
この抜き部に透光性着色層を印刷等で形成した後に圧空
成形等でキートップを形成すること等により行う。
【0017】硬質樹脂のトップシートは、熱硬化性樹脂
や熱可塑性樹脂のシート(フィルム)、望ましくは、成
形の容易さ等から熱可塑性樹脂のシート、例えば、PE
Tシート、ポリエチレン、塩化ビニル、スチロール、ア
クリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂シ
ート、特に、照光式の押釦スイッチを構成する場合は透
光性のシートが用いられる。この硬質樹脂のトップシー
トは、カバー基体の可動凸部天面に記号や図形等の表示
部を形成しない場合は、表示部を印刷等で形成した後に
真空成形、圧空成形あるいはプレス成形等でキャップ
(凹あるいは凸)状の規定数のキートップ等が表示部を
内底面(裏面)に位置させて形成され、また、カバー基
体の可動凸部天面に表示部を形成する場合は、表示部を
形成することなくキートップが形成される。
【0018】キートップは、キャップ状、すなわち、表
面側が閉止された有底筒状であって、カバー基体の可動
凸部が嵌合、あるいは、相当のクリアランスをもって遊
合して状態でカバー基体に取り付けられる。キートップ
は、フィルムから打ち抜き等で完全に分離された単独状
態、周辺の少なくとも一部が連続して他の部分が切り込
みにより分離されたシート状態で、望ましくは、切り込
みが340°以上の角度範囲にわたって形成された状
態、若しくは、連続部を1mm〜2mm残した状態に形
成される。このキートップは、少なくとも内底面が可動
凸部の天面と、望ましくは、内面のみ(換言すれば、側
部の変形を許容するため内側面を除いた部分)が可動凸
部天面と接着剤で接着され、また、表面にハードコー
ト、エンボスあるいは装飾用の加飾層の形成等の各種の
表面処理が必要に応じて施される。
【0019】そして、押釦スイッチとして完成した状態
では、キートップはケーシングの穴からケーシング外へ
押圧操作可能に突出する。特に、望ましい態様として
は、フランジ部を有するトップシートのキートップは、
内底面のみをカバー基体の可動凸部天面と接着させ、フ
ランジ部がケーシングとカバー基体との間に挟持された
状態で取り付けられる。
【0020】
【作用】この発明にかかる押釦スイッチ用カバー部材
は、ゴム弾性体のカバー基体の表面にキートップを有す
るトップシートあるいは硬質樹脂から成形されたキート
ップを可動凸部と固着させて設けるため、硬質指触感を
得ることができ、また、反撥弾性特性等の設定の自由度
も大きく、さらに、繰り返しの使用に対しても優れた耐
久性が得られる。すなわち、キートップにより硬質の指
触感を得、また、反撥弾性特性等はゴム弾性体のカバー
基体により得るため、適正な反撥弾性特性が達成でき、
優れたクリック感と耐久性が得られる。
【0021】特に、キートップの周りに320°以上の
切り込みを形成して、換言すれば、20°以下の連続部
(ヒンジ部)で連続させることで、トップシート(硬質
樹脂シート)の変形が反撥弾性特性等に及ぼす影響をよ
り小さくでき、また、キートップをその内底面とカバー
基体の可動凸部天面のみを接着剤で接着させて設けるこ
とで、キートップの側部の変形が許容されるため、より
適正な反撥弾性特性を得ることができる。なお、上記連
続部の幅は、トップシートの耐久性と組付時の作業性よ
り1mm〜20mmが好ましい。さらに、表示部をキー
トップの内底面あるいはキートップにより被覆される可
動凸部天面に設けることで、表示部の摩損を防止でき、
表示部に優れた耐久性が得られる。
【0022】またさらに、この発明にかかる押釦スイッ
チは、トップシートにフランジ部を形成し、このフラン
ジ部をケーシングとカバー基体の間に挟持するため、高
い気密性、水密性が得られ、また、照光式に構成した場
合でもケーシング内部のLED等が発する光が漏洩する
ことを防止できる。
【0023】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。図1から図4はこの発明の一の実施の
形態にかかる押釦スイッチ用カバー部材を示し、図1が
同カバー部材を用いた押釦スイッチの模式断面図、図2
がカバー基体を示す図、図3が硬質樹脂シートを示す
図、図4が硬質樹脂シートの他の態様を示す図である。
【0024】先ず、図1を参照して製造されたカバー部
材を説明する。図1は押釦スイッチとして組み付けた状
態を示し、図中、5は機器のケーシング、10は回路基
板、20はクリック板、30はカバー部材である。周知
のように、ケーシング5は後述するキートップが貫通す
る複数の穴5aを有し、回路基板10はエポキシ樹脂等
からなり、表面に固定接点11とLED等の発光体12
を有する。クリック板20は、皿バネ的な弾性変形特性
を有する複数のドーム部21がカバー部材30の後述す
る可動凸部に対応して表面側に膨出形成され、ドーム部
21の裏面に可動接点22が設けられる。このクリック
板20は、ドーム部21の表面頂部にカバー部材30の
押圧部が当接し、押圧部による押圧でドーム部21が変
形して可動接点22が固定接点11と接触する。
【0025】カバー部材30は、透光性のカバー基体4
0の表面に透光性の硬質樹脂のトップシート50を平面
視矩形状に組み付けて構成され、数字、機能およびスク
ロール等の規定数のキーを有する。図2a,bに示すよ
うに、カバー基体40は、シリコーンゴム組成物の圧縮
成形や射出成形等により成形され、回路基板10への支
承部としてのベース部41と、ベース部41に薄肉部4
3を介して連続する規定数の可動凸部42とを一体に備
える。このカバー基体40は、可動凸部42が略筒状を
なして後述するトップシートのキートップに嵌合し、ま
た、各可動凸部42の裏面にドーム部21を押圧可能に
押圧部44が一体に突設される。このカバー基体40
は、シリコーンゴム組成物を用いて圧縮成形や射出成形
等で成形される。
【0026】トップシート50は、平面視形状がカバー
基体40と略同一の矩形状を有し、PET、ポリエチレ
ンあるいはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂シートから
圧空成形等で構成される。図3a,b,cに示すよう
に、トップシート50には、規定数のキートップ52が
シート部51(キートップを除いた部分)に成形され、
これらキートップ52の周りに20°以下の角度θを除
く範囲で切り込み53が打抜等により形成される(角度
θの範囲の連続する部分をヒンジ部54と称する)。キ
ートップ52は、可動凸部42が嵌合する表面側に凸の
キャップ状であって、切り込み53によりフランジ部5
2aが形成される。
【0027】また、トップシート50には、裏面全面に
遮光性着色層56が形成され、キートップ51内底面の
遮光性着色層56を記号や図形状に除去して表示部57
が形成され、また、この表示部57に重ねて透光性着色
層58が形成される。遮光性着色層56はカーボンブラ
ック等の顔料が配合された遮光性のインクや塗料(樹脂
組成物)を用いて印刷やスプレー塗装等でキートップ5
2の成形前に形成され、表示部57は遮光性着色層56
をレーザーにより文字等の形状に除去すること、あるい
は、抜き文字印刷等で形成され、透光性着色層58は透
光性のインク等を用いてスクリーン印刷等で形成され
る。なお、図1、後述する図5aおよび図6では、遮光
性着色層56や透光性着色層58等の記載を省略してい
る。
【0028】このトップシート50は、キートップ52
にそれぞれカバー基体40の可動凸部42が嵌合し、キ
ートップ52の内底面と可動凸部42の天面が接着剤5
5により接着固定される。なお、上述したヒンジ部54
は、その形成範囲が20°以下の角度に限定されるもの
でなく、また、図4に示すように複数箇所に形成するこ
とも可能である。さらに、トップシート50とカバー基
体40の接着部分も、キートップ52の内底面と可動凸
部42の天面に限定されるものでなく、これらの部分に
加えてシート部51とベース41を接着することも可能
であり、またさらに、接触する面の全面を接着すること
も可能である。
【0029】この実施の形態にあっては、図1に示すよ
うに、キートップ52を押圧することで可動凸部42が
薄肉部43を変形させて回路基板10側に変位し、押圧
部44がクリック板20のドーム部21を押圧する。こ
のため、クリック板20は、ドーム部21が皿バネ的な
特性で変形し、可動接点22が固定接点11と接触して
回路を開閉する。そして、この時、ドーム部21の変形
がキートップ52の押圧操作に適正な抵抗感とクリック
感を与える。
【0030】ここで、キートップ52は内底面のみが可
動凸部42と接着されているにすぎず、また、シート部
51とはヒンジ部54でのみ連続する。このため、可動
凸部42が変位を生じた時には、キートップ52は、ヒ
ンジ部54を屈曲させて可動凸部42と一体に変位し、
また、押圧力が過大で可動凸部42自体が圧縮変形を生
じた場合等は側部が径方向外側へ膨出するような変形を
生じる。したがって、可動凸部42の変位の特性、すな
わち、キートップ52の押圧操作特性は、キートップ5
2の変位に大きな影響を受けることが無く、キートップ
52の反撥弾性特性をカバー基体30とクリック板20
により決定でき、その設定の自由度が大きく、また、所
望の特性への設定も容易に行え、さらに、繰り返しの使
用に対する耐久性も改善できる。
【0031】また、この押釦スイッチにあっては、オペ
レータの指等が直接に接触するキートップ52はゴムに
比較して硬質の熱可塑性樹脂から構成され、表示部57
がキートップ52の裏面である内底面に印刷形成され
る。このため、硬質の指触感が得られ、また、繰り返し
使用しても表示部57が摩損することが無く、表示部5
7に高い耐久性が達成される。
【0032】図5a,bはこの発明の他の実施の形態に
かかる押釦スイッチ用カバー部材を示し、図5aが押釦
スイッチの一部の模式断面図、図5bがキートップの拡
大模式断面図である。なお、この実施の形態および後述
する実施の形態においては前述した実施の形態と同一の
部分には同一の番号を付して説明と図示を割愛する。
【0033】この実施の形態は、独立した個々のキート
ップ52、すなわち、シート部51から完全に分離した
個々のキートップ52をカバー基体40の可動凸部42
に嵌合させてキートップ52の内底面と可動凸部42の
天面とを接着剤55で接着する。キートップ52には、
裏面に遮光性着色層56が形成され、内底面の遮光性着
色層56を文字等の形状に除去して表示部57が形成さ
れ、表示部57に重ねて透光性着色層58が設けられ
る。また、キートップ52は、フランジ部52aを有
し、このフランジ部52aがケーシング5とカバー基体
40との間に挟持される。
【0034】この実施の形態にあっても、キートップ5
2が硬質の樹脂であるため、硬質指触感が得られ、ま
た、キートップ52が反撥弾性特性に大きな影響を及ぼ
さないため、特性設定の自由度が大きく、優れた耐久性
が得られる。特に、この実施の形態は、キートップ52
のフランジ部52aをカバー基体40とケーシング5と
の間に挟持するため、ケーシング5内部のLEDの光の
漏洩を防止でき、また、優れた水密性が得られる。
【0035】また、このカバー部材30は以下に述べる
ようにして製造する。すなわち、硬質樹脂シートに遮光
性着色層56を抜き文字状態に形成して表示部57を設
けた後、表示部57上に透光性着色層58を設け、次い
で、圧空成形等でキートップ52を成形し、キートップ
52を微少幅の連続部(ヒンジ部54)でシート部51
と連続する状態に打ち抜く。そして、カバー基体40の
各可動凸部42天面に接着剤55を塗布し、各可動凸部
42にヒンジ部54で連続したキートップ52を嵌合さ
せて接着し、接着剤の硬化後にヒンジ部54を切断して
シート部51を引き剥がす。したがって、カバー基体4
0へのキートップ52の取付が容易に、例えば、各キー
トップ52を治具等で一体的に保持して同時に取り付け
ることができ、製造工数を削減してコストの低減が図れ
る。
【0036】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されるものではなく、図6あるいは図7に示すような
カバー部材30(押釦スイッチ)も達成できる。すなわ
ち、図6に示すカバー部材30は、キートップ52をフ
ランジ部52aを有しない形状に成形し、カバー基体4
0の可動凸部42に嵌着する。このキートップ52は、
内底面のみ、あるいは、内側面と天面の全面が接着剤5
5により可動凸部42に接着される。
【0037】また、図7に示すカバー部材30は、図1
の実施の形態において、硬質樹脂シート50のキートッ
プ52内底面のみならずシート部51もカバー基体40
の表面に接着剤55(図中、×で示す)で接着する。こ
の実施の形態は、硬質樹脂シート50がカバー基体40
に強固に固着するため、より優れた耐久性と水密性が得
られる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明は、ゴム弾性体で可動凸部を有するカバー基体を成
形するとともに、硬質樹脂シートにキートップを膨出成
形してトップシートを構成し、トップシートのキートッ
プの周りに320°以上の範囲で切り込みを形成し、キ
ートップを可動凸部に嵌合させてトップシートをカバー
基体に取り付けるため、また、請求項3に記載の発明
は、硬質樹脂シートから打抜分離されたキートップをカ
バー基体の可動凸部に取り付けるため、キートップの押
圧操作に際して硬質指触感を得ることができるのみなら
ず、押圧操作に際してキートップの変形等が反撥弾性特
性に及ぼす影響を小さくでき、特性の設定に大きな自由
度が得られ、また、繰り返しの使用に対する耐久性の低
下も防止できる。
【0039】特に、請求項2,3に記載の発明によれ
ば、キートップのカバー基体の取付に際して、キートッ
プの内底面と可動凸部の天面のみを接着剤で接着するた
め、押圧操作に際してキートップの側部の変形が許容さ
れ、キートップの変形が反撥弾性特性等に与える影響を
より小さくできる。
【0040】また、請求項6に記載の発明によれば、キ
ートップにフランジ部を形成し、カバー部材をケーシン
グに組み込んだ状態でフランジ部をカバー基体とケーシ
ングとの間に挟持するため、より高い水密性が得られ、
また、照光式の押釦スイッチとして構成した場合にはケ
ーシング内のLED等の光の漏洩もより有効に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態にかかる押釦スイッ
チ用カバー部材を組み込んだ押釦スイッチの一部の模式
断面図である。
【図2】同押釦スイッチ用カバー部材のカバー基体を示
し、aが模式平面図、bがaのA−A矢視模式断面図で
ある。
【図3】同押釦スイッチ用カバー部材の硬質樹脂シート
を示し、aが模式平面図、bが一部拡大模式平面図、c
がaのB−B矢視模式断面図である。
【図4】同硬質樹脂シートの他の態様を示す一部拡大模
式平面図である。
【図5】この発明の他の実施の形態にかかる押釦スイッ
チ用カバー部材を示し、aが同押釦スイッチ用カバー部
材を組み込んだ押釦スイッチの一部の模式断面図、bが
同カバー部材に用いる硬質樹脂シートの一部拡大模式断
面図である。
【図6】この発明のまた他の実施の形態にかかる押釦ス
イッチ用カバー部材を組み込んだ押釦スイッチの一部の
模式断面図である。
【図7】この発明のさらに他の実施の形態にかかる押釦
スイッチ用カバー部材を組み込んだ押釦スイッチの一部
を拡大した模式断面図である。
【符号の説明】
5 ケーシング 10 回路基板 12 LED(発光体) 20 クリック板 21 ドーム部 30 カバー部材 40 カバー基体 41 ベース部 42 可動凸部 43 薄肉部 50 トップシート 51 シート部 52 キートップ 52a フランジ部 53 切り込み 54 ヒンジ部(連続部) 55 接着剤 56 遮光性着色層 57 表示部 58 透光性着色層 θ 切り込みの形成範囲の角度
フロントページの続き (72)発明者 森田 雄介 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地の1 信越ポリマー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の可動凸部を一体に有するゴム弾性
    体のカバー基体と、天面の内面または外面に表示部を有
    する複数のキートップが前記カバー基体の複数の可動凸
    部に対応して膨出成形され、前記キートップをそれぞれ
    前記可動凸部と嵌合させて前記カバー基体と組み付けら
    れる硬質樹脂のトップシートと、を備える押釦スイッチ
    用カバー部材であって、 前記トップシートのキートップの周りに該キートップを
    中心として340°以上の範囲にわたって切り込みを形
    成したことを特徴とする押釦スイッチ用カバー部材。
  2. 【請求項2】 前記カバー基体の天面と前記トップシー
    トのキートップ内底面のみを接着剤で接着した請求項1
    に記載の押釦スイッチ用カバー部材。
  3. 【請求項3】 複数の可動凸部を一体に有するゴム弾性
    体のカバー基体と、該カバー基体の複数の可動凸部にそ
    れぞれ嵌合された硬質樹脂のキャップ状のキートップと
    を備える押釦スイッチ用カバー部材であって、 前記カバー基体の可動凸部天面と前記キートップ内底面
    のみを接着剤で接着したことを特徴とする押釦スイッチ
    用カバー部材。
  4. 【請求項4】 前記キートップが透光性であって、該キ
    ートップの内底面に記号・図形が印刷形成された表示部
    を備える請求項1、請求項2または請求項3に記載の押
    釦スイッチ用カバー部材。
  5. 【請求項5】 前記カバー基体および前記キートップが
    透光性であって、前記カバー基体の表面に遮光性着色層
    を形成し、前記凸部天面上の遮光性着色層を記号・図形
    形状に除去して表示部を形成した請求項1、請求項2ま
    たは請求項3に記載の押釦スイッチ用カバー部材。
  6. 【請求項6】 複数の可動凸部が一体形成されたゴム弾
    性体のカバー基体を回路基板に組み付け、前記可動凸部
    にそれぞれ硬質樹脂のトップシートあるいはキャップ状
    のキートップを嵌合させ、前記カバー基体および回路基
    板をスイッチケーシング内に収容して前記トップシート
    あるいはキートップの先端部分をスイッチケーシング外
    へ突出させる押釦スイッチにおいて、 前記トップシートあるいはキートップの基端側にフラン
    ジ部を一体形成し、該フランジ部を前記カバー基体と前
    記スイッチケーシングとの間に挟圧するとともに、前記
    カバー基体の天面と前記キートップ内底面のみを接着剤
    で接着したことを特徴とする押釦スイッチ。
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