JP2665712B2 - 押釦スイッチのキートップ板 - Google Patents

押釦スイッチのキートップ板

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JP2665712B2
JP2665712B2 JP5081366A JP8136693A JP2665712B2 JP 2665712 B2 JP2665712 B2 JP 2665712B2 JP 5081366 A JP5081366 A JP 5081366A JP 8136693 A JP8136693 A JP 8136693A JP 2665712 B2 JP2665712 B2 JP 2665712B2
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二郎 稲垣
篤志 播
信幸 菊地
高司 篠木
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帝国通信工業株式会社
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2223/00Casings
    • H01H2223/002Casings sealed
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2229/00Manufacturing
    • H01H2229/044Injection moulding
    • H01H2229/047Preformed layer in mould

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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押釦スイッチのキート
ップ板に関し、特に小型化,薄型化に適し、且つ防水に
好適な押釦スイッチのキートップ板に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来のキ
ートップ板の中には、例えば特開平4−308622号
公報に開示されているように、合成樹脂フイルムの所定
部分を上方向に湾曲させると同時に該湾曲によって形成
された凹部内にモールド樹脂を充填し、さらに該フイル
ム板の湾曲した部分の外周に設けた小孔を介して、その
上下面に前記モールド樹脂と一体にフイルム固定部とフ
イルム押え部とを設け、該フイルム固定部とフイルム押
え部とによって前記フイルム板を挟持することでこのモ
ールド樹脂をフイルム板に固定する構造のキートップ板
があった。 しかしながらこのような構造のキートップの
場合、樹脂フイルムの湾曲した部分の外周にフイルム押
え部とフイルム固定部を突出しなければならないので、
該キートップの外径が大きくなってしまう。またこのキ
ートップを上から見たときの見栄えも悪い。またこれを
隠すようにこの樹脂フイルムの上に銘板やケース等を取
り付けた場合、樹脂フイルム上に突出するフイルム固定
部が邪魔をして樹脂フイルムと銘板等との間に隙間が生
じ、その厚み方向の薄型化が図れない。さらにこのキー
トップの場合、フイルム固定部とフイルム押え部でフイ
ルム板に設けた小孔を塞いでいるとは言え、該フイルム
固定部とフイルム押え部とフイルム板の小孔の間に微小
な隙間が生じる恐れがあり、従ってこのキートップ板に
完全な防水機能を持たせることができないという不都合
があった。 一方従来、電子機器の小型化・薄型化に伴
い、その操作部に用いる押釦スイッチのキートップ板に
対してもその小型化・薄型化が要望されている。
【0003】一方これらの電子機器の中には湿気や水分
が侵入する恐れのある環境下で使用されるものがあり、
このためその操作部に用いる押釦スイッチのキートップ
板に対しても、防水・防滴構造のものが必要とされてい
る。
【0004】これらの要望に応えるものとして、本願出
願人が先に提案した特開平4−308622号公報に記
載のものや、特願平4−148484号で提案したもの
がある。図8(a),(b)は特開平4−308622
号公報に記載のキートップ板を示す図であり、同図
(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のa−a断面
図である。
【0005】同図(a),(b)に示すようにこのキー
トップ板は、1枚の樹脂製フイルムからなるフイルム板
110を用意し、該フイルム板110の中央に6つのキ
ートップ120を成型すると同時にその外周近傍に枠体
130を成型して構成されている。
【0006】そしてこのキートップ120の下面に設け
た押圧部121の下にスイッチ接点(図示せず)を配設
しておき、この状態でキートップ120を押圧すれば、
該キートップ120の周囲のフイルム板110が多少引
っ張られてキートップ120が下降し、前記スイッチ接
点がオンするのである。
【0007】しかしながら上記従来例において、小型化
のためにキートップ120と枠体130間の間隔や各キ
ートップ120間の間隔をもっと狭くした場合、以下の
ような問題点が顕著となった。
【0008】即ち、フイルム板110を固定した枠体
130とキートップ120の間隔が狭くなると、引っ張
られるフイルム板110の長さが短くなり、このためフ
イルム板110が無理に引っ張られようとする。このた
め、キートップ120をスムーズに押圧しにくくなり、
その操作感覚が悪くなるばかりか、フイルム板110を
変形させてしまう恐れもある。
【0009】図9はフイルム板210を固定した枠体2
30とキートップ220の間隔Lに対する、キートップ
220を0.3mm下降させたときのフイルム板210が
伸びなければならない量ΔLと、フイルム板210の傾
斜角度Aの関係を示す図である。
【0010】同図に示すように、間隔Lが狭くなればな
るほど急激に量ΔLと傾斜角度Aが大きくなることが分
かる。つまり間隔Lが狭くなればなるほど急激にキート
ップ220は押圧しにくくなるのである。
【0011】一方図8において、いずれか1つのキー
トップ120を押圧したときは、隣接するキートップ1
20が該押圧したキートップ120の方に向かって若干
引っ張られてしまうが、隣接するキートップ120間の
間隔を狭くすると、該引っ張られる量が急激に大きくな
ってしまう。このため、1つのキートップ120を押圧
したとき、これに隣接するキートップ120が押圧した
キートップ120方向に目視できるほどに動いてしまう
恐れもあった。
【0012】上記問題点,を解決するために、図
8(c)に示すように、フイルム板110のキートップ
120の周囲の部分を円弧状に切り欠いて切欠き部12
1を設ければ、キートップ120の押圧操作は容易に行
えるようになる。しかしながらこのようにフイルム板1
10に切欠き部121を設けると、このフイルム板11
0自体に防水機能がなくなってしまう。このためこのキ
ートップ板を用いた押釦スイッチを防水構造とするため
には、該キートップ板の下側に別に防水構造を設けなけ
ればならなくなってしまう。
【0013】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
ありその目的は、合成樹脂フイルムの所定部分を上方向
に湾曲させることによって形成された凹部内にモールド
樹脂を充填する構造のキートップを設けたキートップ板
であっても、該キートップの外径を小さくできるばかり
か、その見栄えが良く、また該フイルム板の上に銘板等
を取り付けたときに両者が密着してその厚み方向の薄型
化が図れ、さらに完全な防水機能を持たせることができ
る押釦スイッチのキートップ板を提供することにある。
また本発明の他の目的は、構造が簡単で、小型化しても
各キートップの押圧操作がスムーズに行える押釦スイッ
チのキートップ板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、樹脂フイルムからなるフイルム板の所定位
置に合成樹脂製のキートップを成形してなる押釦スイッ
チのキートップ板において、前記フイルム板をポリエチ
レンテレフタレート又はポリエチレンナフタレート製の
孔のない樹脂フイルムで構成すると共に、前記キートッ
プは前記フイルム板の所定位置を該フイルム板の下面側
に直接圧入される高温高圧溶融モールド樹脂によって上
方向に向かって湾曲変形せしめると共に、該フイルム板
の湾曲変形部分の下面と該下面に直接接触するモールド
樹脂とを前記モールド樹脂を充填する際の熱と圧力で直
接熱融着し、該熱融着面のみによって前記フイルム板と
モールド樹脂間を一体に固定して構成することとした。
【0015】
【作用】フイルム板の湾曲変形部分の下面とモールド樹
脂とが接触する熱融着面のみによって該フイルム板とモ
ールド樹脂間を一体に固定してキートップを構成したの
で、従来のように別途フイルム板をモールド樹脂によっ
て挟持する部分を設ける必要がなく、従ってキートップ
の大きさをフイルム板の湾曲部のみの大きさにできるの
で外径寸法の小型化が図れるばかりか、フイルム板の上
面側に全くモールド樹脂を露出する必要がないのでこの
キートップを上から見たときの見栄えも良くなり、また
このキートップの上に銘板等を取り付けた場合、フイル
ム板と該銘板等とを密着できてその厚みの薄型化が図れ
る。 しかもこのフイルム板は孔のない樹脂フイルムで構
成しているので、何ら他の部材を用いずこのキートップ
板のみによって完全防水構造を構成することができる。
さらにフイルム板のキートップを形成した部分の外周に
湾曲凸部を設けた場合は、キートップを押圧して該キー
トップを下降させようとしたとき、前記湾曲凸部が変形
するのでその外側の部分は何ら引っ張られたりすること
はない。従って該押圧操作が容易に行える。
【0016】
【実施例】図1は本発明の1実施例にかかるキートップ
板10を用いて構成した押釦スイッチ1を示す側断面図
である。同図に示すようにこの押釦スイッチ1は、上シ
ート61とスペーサ63と下シート65を重ね合わせて
形成されたスイッチ基板60と、キートップ50を設け
たフイルム板20の下面外周に枠体40を固定したキー
トップ板10とを具備し、スイッチ基板60のスイッチ
接点68部分の上にクリック板69を取り付けるととも
に、該スイッチ基板60の上に両面接着剤付きシート7
1を介して前記キートップ板10の枠体40を貼り付け
て構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0017】ここで図2はキートップ板10を示す図で
あり、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図であ
る。なお図1のキートップ板10は図2(a)に示すA
−A断面を示している。
【0018】キートップ板10は、図1,図2に示すよ
うに、フイルム板20の中央部にキートップ50を設
け、また該フイルム板20の下面外周に枠体40を取り
付けて構成されている。またこのフイルム板20のキー
トップ50を設けた部分の周囲には、該キートップ50
を囲むように、該フイルム板20の面よりも下方向に突
出する湾曲凸部25を設けている。
【0019】ここでこのキートップ板10を製造するに
は、まずフイルム板20を用意する。このフイルム板2
0は、図3に示すように、熱可塑性の合成樹脂フイルム
(例えばポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナ
フタレート等)を矩形状にカットするとともに、その上
面又は下面に所望の図柄(図示せず)などを印刷して製
造される。
【0020】次に図4に示すように、このフイルム板2
0を上金型Dと下金型Eの間に挾み込む。ここで上金型
Dにはキートップ50を形成するための凹部D1が設け
られており、また下金型Eには枠体40を形成するため
の凹部E1とキートップ50の押圧部51を形成するた
めの凹部E2が設けられている。また下金型Eの凹部E
1,E2には、それぞれピンゲートE10,E20が設
けられている。
【0021】また上金型Dの凹部D1の外周部分には、
リング状の凸部D2が設けられている。この凸部D2は
その側断面が半円状に形成されている。
【0022】一方下金型Eの前記凸部D2に対向する位
置には、リング状の凹部E3が設けられている。この凹
部E3はその側断面が半円状であり、前記上金型Dと下
金型Eを重ね合わせたときに、前記凸部D2との間に前
記フイルム板20の厚み分だけ隙間ができる寸法に形成
されている。
【0023】そしてピンゲートE10,E20から高温
・高圧の溶融樹脂を圧入すれば、フイルム板20の下面
外周に枠体40が形成されるとともに、フイルム板20
の凹部D1に位置する部分が押し上げられて変形し、点
線で示すように凹部D1の内面に密着し、同時に該凹部
D1と凹部E2内に溶融樹脂が充填される。つまりフイ
ルム板20には凹部D1の内面形状を有する凸部21
(図1参照)が形成され、該凸部21内に充填樹脂23
(図1参照)が充填硬化されて一体化されることによっ
てキートップ50が形成されるのである。
【0024】なおこのとき、充填される溶融樹脂は高温
・高圧であり、またフイルム板20は熱可塑性の樹脂で
構成されているので、圧入した樹脂とフイルム板20間
は強固に融着し一体化し剥がれることはない。
【0025】また図4に示すフイルム板20の凸部D2
と凹部E3の間に挾まれた部分は、充填した溶融樹脂の
熱によって該挾まれた形状に熱可塑変形する。
【0026】そして上下金型D,Eを取り外せば、図
1,図2に示すキートップ板10が完成する。
【0027】一方スイッチ基板60は通常のメンブレン
スイッチであり、図1に示すように、上下シート61,
65の間にスペーサ63を介在させて重ね合わせて構成
されている。スペーサ63内には穴67を設け、該穴6
7内において上下シート61,65にそれぞれ設けた電
極パターンを対向せしめてスイッチ接点68を形成する
ように構成されている。なお下シート65には空気逃げ
穴66を設けている。
【0028】スイッチ接点68の上には金属製又は樹脂
製のクリック板69が取り付けられている。
【0029】また図1に示すように、スイッチ基板60
の上下面には両面接着剤付きシート71,73が貼り付
けられている。ここで上側の両面接着剤付きシート71
は、スイッチ基板60の上面の外周全体を囲むように貼
り付けられ、また下側の両面接着剤付きシート73は、
スイッチ基板60の下面全体を覆いその所定位置に空気
逃げ穴75を設けて貼り付けられている。なお下側の両
面接着剤付きシート73の下面には、セパレータ77が
貼り付けられている。
【0030】そして図1に示すように、上側の両面接着
剤付きシート71をキートップ板10の枠体40の下面
に接着すれば、この押釦スイッチ1が完成する。
【0031】そしてこの押釦スイッチ1を他の部材に固
定するときは、前記セパレータ77を剥がし、両面接着
剤付きシート73の下面を他の部材に接着すればよい。
【0032】そしてこのキートップ板10のキートップ
50を押圧すれば、その押圧部51がクリック板69を
押圧してクリック感覚を生じさせるとともに反転し、ス
イッチ接点68を押圧してオンする。
【0033】ところでフイルム板20には湾曲凸部25
が設けられているので、キートップ50を押圧して該キ
ートップ50を下降させようとしたとき、該湾曲凸部2
5が変形することで、該押圧操作が容易に行える。何故
ならキートップ50を押圧したとき、該キートップ50
のストローク分に相当するフイルムの伸びが、湾曲凸部
25における伸び変形によって補償(吸収)されるから
である。
【0034】またこのキートップ板10のフイルム板2
0には何ら穴等を設けていないので、この押釦スイッチ
1の上に水がかかっても、該水が内部に侵入することは
ない。
【0035】なお上記実施例において、キートップ50
の充填樹脂23を透明な材料で構成し、且つ該キートッ
プ50の下側所定位置に発光素子を配設すれば、キート
ップ50を下側から明るく照らし出すことができる。
【0036】また上記実施例においてはスイッチ基板6
0としてメンブレンスイッチを用いたが、その代わりに
硬質基板等、他の種類の基板を用いても良い。また上記
実施例のキートップ50は、フイルム板20の所定部分
を該フイルム板20の下面側に直接圧入される高温高圧
溶融モールド樹脂によって上方向に向かって湾曲変形せ
しめるとともに、該フイルム板20の湾曲変形部分の下
面と該下面に直接接触するモールド樹脂とを前記モール
ド樹脂を充填する際の熱と圧力で直接熱融着し、該熱融
着面のみによって前記フイルム板20とモールド樹脂間
を一体に固定して構成されているので、従来のように別
途フイルム板20とモールド樹脂を挟持する部分を設け
る必要がなく、従ってこのキートップ50の大きさをフ
イルム板20の湾曲部のみの大きさにできるので外径寸
法の小型化が図れるばかりか、フイルム板20の上面側
に全くモールド樹脂を露出する必要がないのでこのキー
トップ50を上から見たときの見栄えも良くなり、さら
にこのキートップ板10の上に銘板30を貼り付けた場
合、キートップ板10と銘板30の面が密着してその厚
み方向の薄型化が図れる。 しかもこのフイルム板20は
何ら孔のない樹脂フイルムで構成されているので、何ら
他の部材を用いなくてもこのキートップ板に完全防水機
能を持たせることができる。 さらにこのキートップ50
は、モールド樹脂の上面をフイルム板20が覆っている
ので、その表面が滑らかで美観・触りごこちがよい。さ
らにフイルム板20に施した図柄などの印刷がキートッ
プ50の表面に表われるので、キートップ50表面を鮮
明に装飾できる。何故ならフイルム板20に印刷を施す
ことは、紙などへの印刷と同様に容易であり、容易に多
色刷り等の各種印刷手段も駆使できるからである。もし
モールド樹脂自体の表面に直接印刷を施すとすれば、あ
まり容易には印刷できない。特に該表面が曲面の場合は
なおさらである。
【0037】次に図5は本発明の他の実施例にかかるキ
ートップ板10′を用いて構成した押釦スイッチ1′を
示す概略側断面図である。この実施例において上記実施
例と相違する点は、フイルム板20の上に銘板30を貼
り付けた点である。なお銘板30にはキートップ50を
貫通するための円形の穴31が設けられている。つまり
この銘板30はその穴31にキートップ50を貫通した
状態でフイルム板20上に貼り付けられる。
【0038】このように構成すれば、フイルム板20に
設けた湾曲凸部25は上からは見えなくなり、その目隠
しができる。またこの銘板30の上面又は下面に各種の
印刷を施すこともできる。
【0039】次に図6は本発明のさらに他の実施例にか
かるキートップ板10″を用いて構成した押釦スイッチ
1″を示す側断面図である。この実施例において前記各
実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明
は省略する。
【0040】この実施例において前記図5に示す実施例
と相違する点は、銘板30″の外形寸法をフイルム板2
0の外形寸法よりも所定寸法大きく形成し、銘板30″
のフイルム板20からはみ出した部分を折り曲げて枠体
40の側面に固着せしめた点である。
【0041】このように構成したのは以下の理由によ
る。即ち図5に示す実施例にかかる押釦スイッチ1′
(図1に示す押釦スイッチ1でも同じ)の場合、図7
(a)に示すように、そのキートップ板10′の外周側
面fが板状に張り出しているので、これをデザイン上及
びフイルム板20と銘板30の間が剥がれないようにす
るためにケース80によって隠そうとすると、この押釦
スイッチ1′をケース80に収納する際、ケース80の
側壁81の上面gよりも押釦スイッチ1′の上面hの面
を低くする必要がある。このため、両上面g,h間に生
じる段差部83にゴミが溜り易くなる。
【0042】また押釦スイッチ1′の組み立て誤差によ
り、該押釦スイッチ1′の厚み方向には若干の寸法誤差
が生じるが、この厚み方向の誤差によって面hの方が面
gよりも高くなってしまう恐れがあり、このため該押釦
スイッチ1′の厚み方向の組み立て誤差を小さくするよ
うにしなければならず、従って厚み方向の組み立て誤差
等を厳しくしなければならない。
【0043】これに対してこの実施例にかかるキートッ
プ板10″を用いた押釦スイッチ1″の場合は、図7
(b)に示すように、その外周上端部iが銘板30″に
よって覆われているので、同図に示すように該外周上端
部iをケース80の側壁81の上面gから多少突出させ
てもデザイン上問題なく、またフイルム板20と銘板3
0の間が剥がれる恐れもない。従って多少押釦スイッチ
1″の厚みに寸法誤差が生じても何ら問題とならない。
従って押釦スイッチ1″の厚み方向の組み立て誤差を特
別に厳しくする必要はなく、作業性が向上し、その製作
が容易となる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】ところで上記各実施例においては、フイル
ム板20の下面周囲に枠体40を設けたが、本発明にか
かるキートップ板においてはこの枠体40は必ずしも必
要ではない。即ちこの枠体を設けないキートップ板を直
接スイッチ基板上に配置しても良いし、枠体を設けない
キートップ板を他の部材によって保持しておいてこれを
スイッチ基板上に配置しても良い。
【0052】また上記各実施例においては、湾曲凹部を
フイルム板の面よりも下方向に突出するように構成した
が、図1(a)に示すように、フイルム板20Dの面
よりも上方向に突出するように湾曲凹部25Dを構成し
ても良く、また同図(b)に示すようにフイルム板20
Eの面に対して上下に波状に突出するように湾曲凹部2
5Eを構成してもよい。上下に突出せしめた場合は、該
湾曲凹部25Eの長さが他の実施例のものに比べて長い
分、キートップの押圧がさらに容易となる。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、フイルム板の湾曲変形部分の下面と該下面に直接接
触するモールド樹脂との熱融着面のみによって該フイル
ム板とモールド樹脂間を一体に固定してキートップを構
成したので、従来のように別途フイルム板をモールド樹
脂によって挟持する部分を設ける必要がなく、従ってキ
ートップの大きさをフイルム板の湾曲部のみの大きさに
できるので外径寸法の小型化が図れるばかりか、フイル
ム板の上面側に全くモールド樹脂を露出する必要がない
のでこのキートップを上から見たときの見栄えも良くな
り、さらにこのキートップ板の上に銘板等を取り付けた
場合、該キートップ板と銘板等を密着できるのでその厚
み方向の薄型化が図れる。 またこのキートップは、モー
ルド樹脂の上面をフイルム板が覆っているので、その表
面が滑らかで美観・触りごこちがよく、またフイルム板
に施した図柄などの印刷がキートップの表面に表われる
のでキートップ表面を鮮明に装飾できる。 しかもこのキ
ートップにおいてはフイルム板に何ら孔を設けていない
ので、何ら他の部材を用いなくてもこのキートップ板の
みによって完全な防水構造を構成することができる。
たこのフイルム板のキートップを形成した部分の外周に
湾曲凸部を設けた場合は、キートップの押圧操作が容易
に行えるようになるという優れた効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかるキートップ板10を
用いて構成した押釦スイッチ1を示す側断面図である。
【図2】キートップ板10を示す図である。
【図3】フイルム板20を示す図である。
【図4】キートップ板10を樹脂モールド成型によって
形成するための方法を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例にかかるキートップ板1
0′を用いて構成した押釦スイッチ1′を示す概略側断
面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例にかかるキートップ
板10″を用いて構成した押釦スイッチ1″を示す概略
側断面図である。
【図7】押釦スイッチ1′,1″をケース80内に収納
した状態を示す要部概略図である。
【図8】従来の押釦スイッチのキートップ板を示す図で
ある。
【図9】枠体230とキートップ220の間隔Lに対す
る、フイルム板210が伸びなければならない量ΔL
と、フイルム板210の傾斜角度Aの関係を示す図であ
る。
【図10】本発明のさらに他の実施例を示す図(特に湾
曲凹部25D,Eの部分を示している)である。
【符号の説明】
1,1′,1″ 押釦スイッチ 10,10′,10″ キートップ板 20 フイルム板 25 湾曲凸部 50 キートップ
フロントページの続き (72)発明者 篠木 高司 神奈川県川崎市中原区苅宿335番地 帝 国通信工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−308622(JP,A) 特開 平1−281797(JP,A) 実開 昭61−119218(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フイルムからなるフイルム板の所定
    位置に合成樹脂製のキートップを成形してなる押釦スイ
    ッチのキートップ板において、 前記フイルム板をポリエチレンテレフタレート又はポリ
    エチレンナフタレート製の孔のない樹脂フイルムで構成
    すると共に、前記キートップは前記フイルム板の所定位
    置を該フイルム板の下面側に直接圧入される高温高圧溶
    融モールド樹脂によって上方向に向かって湾曲変形せし
    めると共に、該フイルム板の湾曲変形部分の下面と該下
    面に直接接触するモールド樹脂とを前記モールド樹脂を
    充填する際の熱と圧力で直接熱融着し、該熱融着面のみ
    によって前記フイルム板とモールド樹脂間を一体に固定
    して構成されていることを特徴とする押釦スイッチのキ
    ートップ板。
  2. 【請求項2】 前記フイルム板の前記キートップを形成
    した部分の外周に該キートップを囲むように、該フイル
    ム板の面よりも下又は上方向に突出する湾曲凸部を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチのキー
    トップ板。
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