JP2893166B2 - 押釦スイッチのキートップ板 - Google Patents

押釦スイッチのキートップ板

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JP2893166B2
JP2893166B2 JP7240798A JP24079895A JP2893166B2 JP 2893166 B2 JP2893166 B2 JP 2893166B2 JP 7240798 A JP7240798 A JP 7240798A JP 24079895 A JP24079895 A JP 24079895A JP 2893166 B2 JP2893166 B2 JP 2893166B2
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篤志 播
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高司 篠木
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Teikoku Tsushin Kogyo Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2229/00Manufacturing
    • H01H2229/044Injection moulding
    • H01H2229/047Preformed layer in mould

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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押釦スイッチのキ
ートップ板に関し、特に小型化,薄型化に適した押釦ス
イッチのキートップ板に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来のキートップ板の
中には、例えば特開平4−308622号公報に開示さ
れているように、合成樹脂フイルムの所定部分を、溶融
した高圧のモールド樹脂の熱と圧力で上方向に湾曲させ
ると同時に該湾曲によって形成された凹部内に充填した
前記モールド樹脂を固化させることでキートップを形成
する構造のものがあった。
【0003】そしてこのように合成樹脂フイルムをモー
ルド樹脂で湾曲させるためには、該合成樹脂フイルムの
湾曲変形しようとする部分の周囲を金型で強固に把持し
ておかねばならないが、従来その有効な手段がなかっ
た。
【0004】一方従来、電子機器の小型化,薄型化に伴
い、その操作部に用いる押釦スイッチのキートップ板に
対してもその小型化,薄型化が要望されている。
【0005】この要望に応えるものとして、本願出願人
が先に提案した特開平4−308622号公報に記載し
たものがある。図10はこの従来例を示す図であり、同
図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のa−a断
面図である。
【0006】同図に示すようにこの従来例は、1枚の樹
脂製フイルムからなるフイルム板110を用意し、該フ
イルム板110の中央に6つのキートップ120を成型
すると同時にその外周近傍に枠体130を成型して構成
されている。
【0007】そしてこのキートップ120の下面に設け
た押圧部121の下にスイッチ接点(図示せず)を配設
しておき、この状態でキートップ120を押圧すれば、
該キートップ120の周囲のフイルム板110が多少引
っ張られてキートップ120が下降し、前記スイッチ接
点がオンするのである。
【0008】しかしながら上記従来例において、小型化
のためにキートップ120と枠体130間の間隔や各キ
ートップ120間の間隔をもっと狭くした場合、以下の
ような問題点が顕著となった。
【0009】即ち、フイルム板110を固定した枠体
130とキートップ120の間隔が狭くなると、引っ張
られるフイルム板110の長さが短くなり、このためフ
イルム板110が無理に引っ張られようとする。このた
め、キートップ120をスムーズに押圧しにくくなり、
その操作感覚が重く且つ悪くなるばかりか、フイルム板
110を変形させてしまう恐れもある。
【0010】図11はフイルム板210を固定した枠体
230とキートップ220の間隔Lに対する、キートッ
プ220を0.3mm下降させたときのフイルム板210
が伸びなければならない量ΔLと、フイルム板210の
傾斜角度Aの関係を示す図である。
【0011】同図に示すように、間隔Lが狭くなればな
るほど急激に量ΔLと傾斜角度Aが大きくなることがわ
かる。つまり間隔Lが狭くなればなるほど急激にキート
ップ220は押圧しにくくなるのである。
【0012】一方図10において、いずれか1つのキ
ートップ120を押圧したときは、隣接するキートップ
120が該押圧したキートップ120の方に向かって若
干引っ張られてしまうが、隣接するキートップ120間
の間隔を狭くすると、該引っ張られる量が急激に大きく
なってしまう。このため、1つのキートップ120を押
圧したとき、これに隣接するキートップ120が押圧し
たキートップ120方向に目視できるほどに動いてしま
う恐れもあった。
【0013】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
ありその目的は、フイルム板を湾曲すると同時に該湾曲
部内にモールド樹脂を充填することで形成されるキート
ップの製造が容易に行なえる押釦スイッチのキートップ
板を提供することにある。また本発明の他の目的は、小
型化しても各キートップの押圧操作がスムーズに行える
押釦スイッチのキートップ板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、熱可塑性の樹脂フイルムからなるフイルム
板を有し、該フイルム板の所定位置を上方向に向けて湾
曲するように変形し且つ該湾曲部内にモールド樹脂を充
填して一体に固定することで合成樹脂製のキートップを
成型した押釦スイッチのキートップ板であって、前記フ
イルム板の前記湾曲変形した部分の外周を囲む部分に、
さらにその外側のフイルム板の厚みよりもその厚みを厚
くするように印刷層を設けることによって押釦スイッチ
のキートップ板を構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかるキー
トップ板10を用いて構成した押釦スイッチ1を示す側
断面図である。同図に示すようにこの押釦スイッチ1
は、上シート61とスペーサ65と下シート63を重ね
合わせて形成されたスイッチ基板60と、キートップ5
0を設けたフイルム板20の上下に銘板30と枠体40
を固定したキートップ板10とを具備し、スイッチ基板
60のスイッチ接点68部分の上にクリック板69を取
り付けるとともに、該スイッチ基板60の上に両面接着
剤付きシート71を介して前記キートップ板10の枠体
40を貼り付けて構成されている。以下各構成部品につ
いて説明する。
【0016】ここで図2はキートップ板10を示す図で
あり、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図であ
る。なお図1のキートップ板10は図2(a)に示すA
−A断面を示している。また図3はフイルム板20の製
造手順を示す平面図、図4は銘板30の製造手順を示す
裏面図である。
【0017】フイルム板20を製造するには、まず図3
(a)に示すように、熱可塑性の合成樹脂フイルム21
(例えばポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナ
フタレート等)を用意し、該フイルム21の上面にホッ
トメルトタイプの接着剤26を、その厚みが25〜30
μmとなるように印刷する。
【0018】この接着剤26は、フイルム21の円a1
の内側部分を除いた全ての部分と、該円a1内のリング
状部分26Aの部分に施す。リング状部分26Aは、2
つの円a2,a3の間の部分である。
【0019】次に同図(b)に示すように、フイルム2
1上の所定位置に、所望の図柄などからなる加飾印刷2
5を施す。この加飾印刷25を印刷する場所は、同図
(a)に示す円a1と円a2の間の円a4の内側部分で
ある。なおこの加飾印刷25の厚みは5〜7μm程度と
する。
【0020】そして同図(c)に示すように、フイルム
21の円a1と円a2の間の部分を円弧状に切り欠いて
切欠き部22を設け、これによって円形のキートップ部
23を小さい幅のヒンジ部24によってフイルム21に
接続する構造とする。
【0021】次に銘板30を製造するには、まず図4
(a)に示すように、合成樹脂フイルム31(例えばポ
リエチレンテレフタレート等、また必ずしも熱可塑性の
ものでなくてもよい)を用意し、該フイルム31の上面
全体に所望の図柄などの印刷33を施す。
【0022】次に同図(b)に示すように、該印刷33
の上にホットメルトタイプの接着剤35を印刷する。な
おこの接着剤35は円b1の内側部分には印刷しない。
またこの円b1の径は、前記図3(a)に示す円a3の
径と同一とする。
【0023】そして同図(c)に示すように、フイルム
31の前記接着剤35を印刷しなかった部分を切り抜い
て、円形の穴32を設ける。この穴32の径は、前記円
b1の径と同一である。
【0024】そして上記図3(c)に示すフイルム板2
0の上に、図4(c)に示す銘板30を、両者の接着剤
26,35が接するように載置する。そして両者を熱圧
着工程によって強固に接着する。
【0025】次にこのフイルム板20と銘板30を一体
化したものに、前記図1,図2に示すキートップ50と
枠体40を同時に樹脂モールド成型によって設ける。以
下その方法を図5を用いて説明する。
【0026】即ち図5に示すように、前記一体化された
フイルム板20と銘板30を上金型Dと下金型Eの間に
挾み込む。ここで上金型Dにはキートップ50を形成す
るための凹部D1が設けられており、また下金型Eには
枠体40を形成するための凹部E1とキートップ50の
押圧部51を形成するための凹部E2が設けられてい
る。また下金型Eの凹部E1,E2には、それぞれピン
ゲートE10,E20が設けられている。
【0027】そしてピンゲートE10,E20から高温
・高圧の溶融樹脂を圧入すれば、フイルム板20の下面
外周に枠体40が形成されるとともに、フイルム板20
のキートップ部23が押し上げられて変形し、点線で示
すように上金型Dに設けた凹部D1の内面に密着し、同
時に該凹部D1と凹部E2内に溶融樹脂が充填される。
【0028】なおこのとき、充填される熱可塑性の溶融
樹脂は高温・高圧であり、またフイルム板20は熱可塑
性の樹脂で構成されているので、圧入した樹脂とフイル
ム板20は強固に融着し一体化し剥がれることはない。
つまりフイルム板20のキートップ部23の部分が上方
向に突出・変形することによって凹部D1の内面形状を
有する凸部が形成され、該凸部内に合成樹脂が充填硬化
されて一体化されることによってキートップ50が形成
されることとなるのである。
【0029】そして上下の金型D,Eを取り外せば、図
1,図2に示すキートップ板10が完成する。
【0030】このとき図1,図2に示すように、フイル
ム板20に設けた切欠き部22(図3(c)参照)は、
銘板30によって覆い隠されるので、上側からは見えな
い。従ってキートップ板10の美観を保持できる。
【0031】またフイルム板20のヒンジ部24はキー
トップ50を押圧したときにシワがよるが、このヒンジ
部24も銘板30によって覆い隠されるので、美観を保
持できる。
【0032】またここで図6は、図1のB部分の拡大図
である。同図に示すように、フイルム板20の接着剤2
6と銘板30の接着剤35は、直接当接しているので熱
によって接着される。しかしながらフイルム板20のキ
ートップ50を成形した部分の外周から張り出すつば部
上に設けられたリング状部分26Aの上には加飾印刷2
5が施されているので、この部分に熱が加わってもフイ
ルム板20と銘板30は接着しない。つまりこの部分は
当接するのみである。
【0033】このつば部の部分にリング状部分26Aを
設けたのは、この部分にもし所定の厚みの接着剤からな
るリング状部分26Aを設けておかないと、この部分に
おける銘板30の接着剤35とフイルム板20の加飾印
刷25の間に隙間ができてしまい、これを図5に示す金
型D,Eで挾み込んだとき、該金型D,Eによっては該
リング状部分26Aのフイルム板20と銘板30間を強
固に挾み込んで固定できないからである。この部分が強
固に固定できないと、溶融樹脂を充填した際に、その隙
間からフイルム板20の切欠き部22側に溶融樹脂が流
出してしまい、その成型がうまくできなくなってしまう
からである。
【0034】特にこの実施形態の場合は、フイルム板2
0の湾曲変形部分の外周を囲むリング状部分26A部分
のフイルム板20の厚みが、(フイルム21の厚み)+
(リング状部分26Aの厚み)+(加飾印刷25の厚
み)であるのに対して、リング状部分26Aのさらに外
側のフイルム板20の厚みは、(フイルム21の厚み)
+(接着剤26の厚み)である。一方銘板30の厚み
は、(接着剤35の厚み)+(加飾印刷33の厚み)+
(フイルム31の厚み)でどこも均一である。つまりリ
ング状部分26A部分のフイルム板20と銘板30を重
ねた部分の厚みは、(加飾印刷25の厚み)分だけその
外側の部分よりも厚く、このためこの部分の金型D,E
による挟持は強く、確実となる。
【0035】ところで上記実施形態においては、フイル
ム板20と銘板30を熱圧着工程によって接着したが、
この工程は必ずしも必要ではない。何故なら、フイルム
板10と銘板30を重ね合わせただけの状態(熱圧着し
ない状態)で前記図5に示す上下金型D,Eの間に挾み
込み、これに溶融樹脂を圧入すれば、該溶融樹脂の圧力
と温度によって、及び高温になっている金型D,Eの温
度によって、両接着剤25.35が溶融し接着されるか
らである。
【0036】次にスイッチ基板60は通常のメンブレン
スイッチであり、図1に示すように、上下シート61,
63の間にスペーサ65を介在させて重ね合わせて構成
されている。スペーサ65内には穴67を設け、該穴3
7内において上下シート61,63にそれぞれ設けた電
極パターンを対向せしめてスイッチ接点68を形成する
ように構成されている。なお上シート61の外形寸法は
前記フイルム板20の外形寸法と略同じに形成されてお
り、上シート61には何ら穴などを設けず、また下シー
ト63には空気逃げ穴66を設けている。
【0037】スイッチ接点68の上には金属製又は樹脂
製のクリック板69が取り付けられている。
【0038】そして図1に示すように、スイッチ基板6
0の上下面には両面接着剤付きシート71,73が貼り
付けられている。ここで上側の両面接着剤付きシート7
1は、スイッチ基板60の上面の外周全体を囲むように
形成され、また下側の両面接着剤付きシート73は、ス
イッチ基板60の下面全体を覆いその所定位置に空気逃
げ穴75を設けて構成されている。なお下側の両面接着
剤付きシート73の下面には、セパレータ77が貼り付
けられている。
【0039】そして図示の如く、上側の両面接着剤付き
シート71をキートップ板10の枠体40の下面に接着
すれば、この押釦スイッチ1が完成する。
【0040】そしてこの押釦スイッチ1を他の部材に固
定するときは、前記セパレータ77を剥がし、両面接着
剤付きシート73の下面を他の部材に接着すればよい。
【0041】そしてこのキートップ板10のキートップ
50を押圧すれば、その押圧部51がクリック板69を
押圧してクリック感覚を生じさせるとともに反転し、ス
イッチ接点68が押圧されてオンする。
【0042】キートップ50を押圧したとき、フイルム
板20には切欠き部22が設けられており、キートップ
50はヒンジ部24によってフイルム板20に接続され
ているのみなので、ヒンジ部24が湾曲することによっ
てキートップ50は極めて容易に下降する。
【0043】またこの押釦スイッチ1は防水機能を有す
る。即ち図1において、キートップ板10の上に水がか
かった場合、該水はフイルム板10の切欠き部22を介
してスイッチ基板60の上にかかる。しかしながら、該
スイッチ基板60の上シート61には何ら穴を設けてお
らず、しかもその周囲の全周は両面接着剤付きシート7
1によって枠体40に接着されているので、水はここか
ら下には侵入できない。従って防水できることとなる。
【0044】なお上記実施形態において、充填樹脂を透
明な材料で構成し、且つスイッチ基板60上に発光素子
を配設すれば、キートップ50を下から明るく照らし出
すことができる。
【0045】また上記実施形態においてはスイッチ基板
60としてメンブレンスイッチを用いたが、硬質基板
等、他の種々の基板を用いても良い。
【0046】次に図7は本発明の他の実施形態にかかる
キートップ板10′を用いて構成した押釦スイッチ1′
を示す側断面図である。この実施形態において前記実施
形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
【0047】この実施形態において前記実施形態と相違
する点は、銘板30′の外形寸法をフイルム板20の外
形寸法よりも所定寸法大きく形成し、銘板30′のフイ
ルム板20からはみ出した部分を折り曲げて枠体40の
側面に固着せしめた点である。
【0048】図8はこのキートップ板10′を樹脂モー
ルド成型によって形成するための方法を示す図である。
同図に示すようにこの実施形態の場合、上金型D′の凹
部D1の外周を下方に延ばして第2凹部D2を設け、ピ
ンゲートE10′,E20′から溶融樹脂を圧入した際
に、銘板30の外周部分が第2凹部D2の外周側面に密
着するようにしている。
【0049】このように構成したのは以下の理由によ
る。即ち図1に示す実施形態にかかる押釦スイッチ1の
場合、図9(a)に示すように、そのキートップ板10
の外周側面fが板状に張り出しているので、これをデザ
イン上及びフイルム板20と銘板30が剥がれないよう
にするためにケース80によって隠そうとすると、この
押釦スイッチ1をケース80に収納する際、ケース80
の側壁81の上面gよりも押釦スイッチ1の上面hの面
を低くする必要がある。このため、両上面g,h間に生
じる段差部83にゴミが溜り易くなる。
【0050】また押釦スイッチ1の組み立て誤差によ
り、該押釦スイッチ1の厚みには若干の寸法誤差が生じ
るが、この厚み方向の誤差によって面hの方が面gより
も高くなってしまう恐れがあり、このため該押釦スイッ
チ1の厚み方向の組み立て誤差を小さくするようにしな
ければならず、従って厚み方向の組み立て誤差等を厳し
くしなければならない。
【0051】これに対してこの実施形態にかかるキート
ップ板10′を用いた押釦スイッチ1′の場合は、図9
(b)に示すように、その外周上端部iが銘板30′に
よって覆われているので、同図に示すように該外周上端
部iをケース80の側壁81の上面gから多少突出させ
てもデザイン上問題なく、またフイルム板20と銘板3
0が剥がれる恐れもない。従って多少押釦スイッチ1′
の厚みに寸法誤差が生じても何ら問題とならない。従っ
て押釦スイッチ1′の厚み方向の組み立て誤差を特別に
厳しくする必要はなく、作業性が向上し、その製作が容
易となる。
【0052】またこの実施形態においては、枠体40の
下面に段部41を設けたので、この段部41にスイッチ
基板60を係合するだけで、その位置合わせや固定が容
易に行える。
【0053】なおこの実施形態に適用した、銘板30′
のフイルム板20からはみ出した部分を折り曲げて枠体
40の側面に固着せしめる発明は、フイルム板20中に
キートップ50を設ける構造のものに限定されず、キー
トップ以外の操作部をフイルム板20中に設ける構造の
操作板に適用しても良い。
【0054】ところで上記各実施例においては、ヒンジ
部24は1か所としたが、本発明はこれに限られず、複
数個所に設けても良い。
【0055】また上記各実施例においては、フイルム板
への加飾印刷をフイルム板の上面に行ったが、この加飾
印刷はフイルム板の下面側に行っても良い。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる押釦スイッチのキートップ板によれば、フイルム板
の湾曲変形した部分の外周を囲む部分にフイルム板のさ
らにその外側の部分の厚みよりもその厚みが厚くなるよ
うに印刷層を設けたので、このフイルム板を湾曲してキ
ートップを成形する際に前記印刷層の部分を金型で挟持
した際、該挟持部分を確実に強く挟持・固定でき、従っ
てこのフイルム板へのキートップの成形が確実に行なえ
る。
【0057】さらにこのキートップ周囲の前記印刷層の
周囲を1又は2以上のヒンジ部を残して切り欠けば、た
とえ小型化のためにキートップと枠体間の間隔を狭くし
たり、各キートップ間の間隔を狭くした場合であって
も、キートップをスムーズに押圧でき、またいずれか1
つのキートップを押圧したときに、隣接する他のキート
ップが該押圧したキートップの方向に向かって引っ張ら
れることもない。
【0058】また銘板の外周部分を枠体の外周側面に折
り曲げて固着するとともに、該枠体の銘板に覆われた外
周上端部をケースの上面から突出するように収納した場
合は、枠体とケースの接合部分にゴミが溜りにくくなる
にもかかわらず、枠体の外周上端部がケースの側壁上面
から多少突出してもデザイン上問題なく、またフイルム
板と銘板が剥がれる恐れもなく、従って枠体の厚み方向
のケースへの組立て誤差を特別に厳しくする必要はな
く、作業性が向上し、その製作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるキートップ板10を用いて構成
した押釦スイッチ1を示す側断面図である。
【図2】キートップ板10を示す図である。
【図3】フイルム板20の製造工程を示す平面図であ
る。
【図4】銘板30の製造工程を示す裏面図である。
【図5】キートップ板10を樹脂モールド成型によって
形成するための方法を示す図である。
【図6】図1のB部分の拡大図である。
【図7】本発明の他の実施形態にかかるキートップ板1
0′を用いて構成した押釦スイッチ1′を示す側断面図
である。
【図8】キートップ板10′を樹脂モールド成型によっ
て形成するための方法を示す図である。
【図9】押釦スイッチ1,1′をケース80に収納した
状態を示す要部概略図である。
【図10】従来の押釦スイッチのキートップ板を示す図
である。
【図11】枠体230とキートップ220の間隔Lに対
する、キートップ220を0.3mm下降させたときのフ
イルム板210が伸びなければならない量ΔLと、フイ
ルム板210の傾斜角度Aの関係を示す図である。
【符号の説明】
1,1′ 押釦スイッチ 10,10′ キートップ板 20 フイルム板 22 切欠き部 24 ヒンジ部 30,30′ 銘板 32 穴 40 枠体 50 キートップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠木 高司 神奈川県川崎市中原区苅宿335番地 帝 国通信工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−260338(JP,A) 実開 平6−33329(JP,U) 実開 昭62−157023(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 11/00 H01H 13/00 - 13/76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性の樹脂フイルムからなるフイル
    ム板を有し、該フイルム板の所定位置を上方向に向けて
    湾曲するように変形し且つ該湾曲部内にモールド樹脂を
    充填して一体に固定することで合成樹脂製のキートップ
    を成型した押釦スイッチのキートップ板であって、 前記フイルム板の前記湾曲変形した部分の外周を囲む部
    分に、さらにその外側のフイルム板の厚みよりもその厚
    みを厚くするように印刷層を設けたことを特徴とする押
    釦スイッチのキートップ板。
  2. 【請求項2】 前記フイルム板の前記印刷層を設けた部
    分の周囲を1又は2以上のヒンジ部を残して切り欠き、
    且つ該フイルム板上には樹脂フイルムからなり前記フイ
    ルム板の切り欠き部分を覆った状態で前記キートップを
    挿通する形状の穴を設けた銘板を貼り付けたことを特徴
    とする請求項1記載の押釦スイッチのキートップ板。
  3. 【請求項3】 前記フイルム板と前記銘板との貼り付け
    は、両者の表面にそれぞれ形成した接着層同士の接合に
    よって行ない、 且つ前記フイルム板には、前記フイルム板の前記キート
    ップを成型した部分の外周を囲む部分の上面に前記フイ
    ルム板に形成した接着層と同一の接着層を形成し、且つ
    該接着層の上にフイルム板の切欠き部分の内側の部分の
    表面に印刷される加飾印刷層を印刷することで、その厚
    みを該加飾印刷層の厚み分だけ該フイルム板の切欠き部
    分の外側の部分の厚みよりも厚くしたことを特徴とする
    請求項2記載の押釦スイッチのキートップ板。
  4. 【請求項4】 樹脂フイルムからなりその内部の所定位
    置にキートップなどの操作部を形成したフイルム板と、
    該フイルム板よりも外形寸法の大きい樹脂フイルムから
    なり前記フイルム板の上に貼り付けられる銘板と、前記
    フイルム板の下面の外周部分に該フイルム板に固着する
    ように取り付けられる樹脂製の枠体と、該枠体を収納す
    るケースとを具備し、 前記銘板の外周部分を前記枠体の外周側面に折り曲げて
    固着するとともに、該枠体の銘板に覆われた外周上端部
    をケースの上面から突出するように収納したことを特徴
    とする操作板。
  5. 【請求項5】 樹脂フイルムからなりその内部の所定位
    置にキートップなどの操作部を形成するフイルム板の上
    に、該フイルム板の外周からはみ出すように銘板を貼り
    付け、 該フイルム板と銘板とを、フイルム板の下面の外周部分
    に枠体を形成するキャビティーを有する上下金型で挟持
    し、その際銘板の外周を該キャビティー内にたわめてお
    き、その状態で該キャビティー内に溶融樹脂を圧入する
    ことでキャビティーの角部で銘板を折り曲げながら、銘
    板の外周をキャビティーの面に密着させ、上下金型を取
    り外すことで銘板の外周部分を枠体の外周側面に固着せ
    しめることを特徴とする操作板の製造方法。
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