JPH0754656B2 - 押釦スイッチのキートップの製造方法 - Google Patents

押釦スイッチのキートップの製造方法

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JPH0754656B2
JPH0754656B2 JP4148484A JP14848492A JPH0754656B2 JP H0754656 B2 JPH0754656 B2 JP H0754656B2 JP 4148484 A JP4148484 A JP 4148484A JP 14848492 A JP14848492 A JP 14848492A JP H0754656 B2 JPH0754656 B2 JP H0754656B2
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  • Manufacture Of Switches (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押釦スイッチのキート
ップに関し、特に部品点数が少なく、小型化,薄型化に
適し、且つ防水,防滴に好適な押釦スイッチのキートッ
プ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、電子機器の小型化に伴い、その操作
部に用いる押釦スイッチに対してもその小型化,薄型化
が要望されている。
【0003】一方これらの電子機器の中には湿気や水分
が侵入する恐れのある環境下で使用されるものがあり、
このためその操作部に用いる押釦スイッチに対しても、
外部からの湿気や水分がスイッチの接点部に侵入しない
構造、いわゆる防滴構造のものが必要とされている。
【0004】これらの要望に応えるものとして、図9に
示す構造の押釦スイッチがあった。この押釦スイッチ
は、それぞれ接点パターン61a,62aを形成したシ
ート61,62を具備し、該シート61,62をスペー
サ63を介在させて上下に配置し、シート61の上部に
配置したパネル65と一体成形されたキートップ64
(このキートップ64は図示しないヒンジによってパネ
ル65と連結されている)を押圧することによって、ク
リックバネ68を介して接点パターン61aを接点パタ
ーン62aに当接させてオンするように構成されてい
る。
【0005】そしてシート61とキートップ64の間に
防滴用のシート66を配設し、該防滴用のシート66と
パネル65の間にゴムパッキン67を介在させ、これに
よって外部、主にパネル65の上面側から侵入してくる
湿気や水分が、接点パターン61a,62aで構成され
たスイッチ接点部に浸透するのを防止するように構成さ
れている。なお図10はゴムパッキン67と防滴用のシ
ート66の形状を示す平面図である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記押釦スイッチは外
部からの湿気や水分がスイッチ接点部に侵入するのを防
ぐ、いわゆる防滴構造となっているが、部品点数が多
く、このためその組み立て作業が煩雑になるばかりか薄
型化が図れないという問題点があった。
【0007】またキートップ64にはパネル65と連結
するための図示しない所定長さのヒンジが付いているの
で小型・集積化が図れないという問題点があった。
【0008】またこの押釦スイッチのキートップ64を
照光式とするためには、防滴用のシート66とキートッ
プ64を透明な材料で構成するとともに、シート61上
に発光素子を配置することとなる。しかしながら発光素
子から発射された光は、シート61を透過した後に一旦
空間を通過し、しかる後にキートップ64内に入射する
こととなるため、その間における光の損失は大きく、キ
ートップ64の上面を効率的に照らし出せないという問
題点もあった。
【0009】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、キートップそのものを外部から湿気
や水分が侵入しにくい構造とし、部品点数が少なく小型
化,薄型化に適し、さらにキートップを効率的に照らし
出せる構造の押釦スイッチのキートップが、極めて容易
且つ迅速に製造できる押釦スイッチのキートップの製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、キートップの上部の形状と同型状のキャビ
ティーを有する上金型と、前記キートップの下部の形状
と同型状のキャビティーを有する下金型と、樹脂フイル
ムとを用意し、前記樹脂フイルムを前記上金型と下金型
の間に挟持し、下金型に設けられたピンゲートから下金
型に設けたキャビティー内に溶融樹脂を注入することに
より、該溶融樹脂の圧力と熱により樹脂フイルムを変形
させて押し上げ前記上金型のキャビティー内面に密着さ
せるとともに上下両金型の両キャビティー内を溶融樹脂
で満たし、該溶融樹脂が固化した後に、前記上金型と下
金型を取り外すこととした。
【0011】また本発明は、樹脂フイルムが上下両金型
の間に挟持される前に、樹脂フイルムのキートップが形
成される部分の下面に予め接着剤層を塗布しておくこと
とした。
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】何ら穴のない樹脂フイルムで覆われることによ
ってその裏面側に湿気や水分が浸透していくことがなく
また部品点数が少なくて薄型化,小型化に適するキート
ップが、樹脂フイルムを上金型と下金型の間に挟持して
下金型に設けたピンゲートから溶融樹脂を注入すること
により、極めて容易且つ迅速に製造できる。
【0015】
【0016】
【0017】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の1実施例にかかる押釦ス
イッチのキートップを示す図であり、同図(a)は平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図
(c)は裏面図である。同図に示すようにこのキートッ
プ10は、湾曲部31を設け該湾曲部11内に接着剤層
35を施した可撓性を有する樹脂フイルム30と、該湾
曲部31内に収納され、その上面が前記接着剤層35に
接着されたキートップ本体20を具備して構成されてい
る。
【0018】ここでキートップ本体20は、熱可塑性プ
ラスチック(例えばアクリル系樹脂,ポリカーボネート
樹脂,AS樹脂,ABS樹脂等)であって透光性を有す
る材料で形成されており、その下面中央にはスイッチ接
点を押圧する押圧部21が設けられている。
【0019】一方樹脂フイルム30は、可撓性を有する
熱可塑性フイルム(例えばポリエチレンテレフタレート
等)であって透光性を有する材料で形成されている。
【0020】接着剤層35は樹脂フイルム30の下面の
湾曲部31の内面全体に設けられている。そして該接着
剤層35の中央部には、三角形の形状の接着剤層35を
設けない部分33が設けられている。なおこの接着剤層
35は着色されており、エポキシ系樹脂やホットメルト
タイプの接着剤等で構成されている。
【0021】図2は上記構造のキートップ10を用いて
構成した押釦スイッチの1例を示す側断面図である。同
図において、41,42はそれぞれ可動接点パターン4
1a,固定接点パターン42aが形成されたシートであ
り、該シート41,42はその接点パターン41a,4
2aを対向させてスイッチ接点を構成し、且つその間に
スペーサ43を介在させて重ね合わせて防滴枠51の下
部に配置されている。またシート41の接点パターン4
1aが位置する上面側にはクリックバネ47が取り付け
られており、その上部中央にキートップ10の押圧部2
1が位置している。またキートップ10の下部の所定位
置には発光ダイオード等からなる発光素子49が配設さ
れている。
【0022】51は後に詳述するように、樹脂フイルム
30上に設けた複数個のキートップ10を囲んでその上
下を水密状に挟持する防滴枠である。上記キートップ1
0,防滴枠51及びシート41,42の組み立て体は筐
体55内に収容されている。また該筐体55の上部には
パネル54が被せられている。該パネル54には長尺の
突起54aが設けられており、該長尺突起54aは前記
防滴枠51の上面に設けた長溝51aに水密状に嵌合し
ている。防滴枠51の材料は、弾性のある熱可塑性エラ
ストマー,合成ゴムのいずれでもかまわない。防滴枠5
1の材料の使用例としてはスチレン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー等がある。
【0023】上記押釦スイッチにおいて、樹脂フイルム
30のキートップ10を設けた部分は何ら穴を設けない
樹脂フイルム30で覆われているので(図1参照)、キ
ートップ10とパネル54の間隙から侵入してきた湿気
や水分が、該キートップ10の部分から樹脂フイルム3
0の下面側に浸透していくことは全くない。また樹脂フ
イルム30とこれを囲む防水枠51の間及び防滴枠51
とパネル54の間はいずれも水密状に構成されているの
で、キートップ10とパネル54の間隙から侵入してき
た湿気や水分が、これらの間から樹脂フイルム30の下
面側に浸透していくこともない。従ってこの押釦スイッ
チは防滴性に優れた構造のものとなる。
【0024】図3乃至図5は前記図2に示す押釦スイッ
チの全体構造を示す図であり、図3は平面図、図4は図
3のB−B断面図、図5は図3のC−C断面図である。
これらの図に示すように防滴枠51は複数個のキートッ
プ10(この実施例では6個)を囲んで、樹脂フイルム
30の上下に水密状態で設けられている。
【0025】詳述すると、防滴枠51は、樹脂フイルム
30を挾んで枠上部51bと枠下部51cが形成されて
おり、枠上部51bの上面には断面矩形状の長溝51a
が形成され、枠下部51cの下面には前記図2に示すシ
ート41,42等を固定するための突起53が一体に形
成されている。ここで防滴枠51は下記する製造方法で
ループ状の枠上部51bと枠下部51cを樹脂フイルム
30に水密状に密着せしめて形成され、且つ枠上部51
bと枠下部51cは図5に示す孔70(詳しくは図6参
照)を通して連結されているのみであるから、湿気や水
分はこの防滴枠51と樹脂フイルム30の間を通ってそ
の下面側に浸透することはない。
【0026】次に、樹脂フイルム30にキートップ10
と防滴枠51を樹脂モールドで一体的に形成する方法を
説明する。まず樹脂フイルム30を用意する。ここで図
6は樹脂フイルム30を示す平面図である。同図に示す
ように樹脂フイルム30は長方形状に形成され、防滴枠
51を形成する部分にモールドの際に溶融樹脂が通る孔
70を所定の間隔で多数個設ける。
【0027】次にこの樹脂フイルム30の6個のキート
ップ10を設ける部分のそれぞれの裏面に、接着材を塗
布して接着剤層35を設ける。このとき各接着剤層35
中には、所望形状の接着剤層35を塗布しない部分33
を形成する。
【0028】次にこの樹脂フイルム30へのキートップ
10と防滴枠51の形成は、この樹脂フイルム30を上
金型と下金型で挾んで、上金型と下金型の隙間に溶融樹
脂を圧入することによって行う。ここで図7はキートッ
プ10の部分の製造方法を説明するための図であり、樹
脂フイルム30を上金型81と下金型91で挟持した状
態を示している。なお同図は図3のD−D断面に相当す
る部分を示している。
【0029】同図に示すように、上金型81にはキート
ップ10の上部の形状と同形状のキャビティー83が設
けられており、下金型91にはキートップ10の下部の
形状と同形状のキャビティー93が設けられている。
【0030】そして同図に示すように上金型81と下金
型91で樹脂フイルム30を挾み、下金型91に設けた
ピンゲート95から溶融樹脂を圧入することにより、下
金型91のキャビティー93内に該溶融樹脂を充填す
る。その際、該溶融樹脂は高温且つ高圧であるため、樹
脂フイルム30は上方向に押し上げられるように変形
(湾曲)され、これによって該溶融樹脂は上金型81の
キャビティー83内にも流入していく。そして、変形し
た樹脂フイルム30は上金型81のキャビティー83の
内壁面に点線で示すように密着する。そして該溶融樹脂
が固化した後に上金型81と下金型91を取り外すと、
図1に示すようなキートップ10が完成する。なお圧入
した樹脂(キートップ本体20)は樹脂フイルム30の
裏面に設けた接着剤層35に接着するため、樹脂フイル
ム30から離脱することはない。
【0031】上記本発明の製造方法は、樹脂フイルム3
0を上金型81のキャビティー83の内壁面の形状に変
形させながら溶融樹脂をモールドするものであるため、
キートップ10の形状及び溶融樹脂の注入条件に影響さ
れる。上記実施例では樹脂フイルム30の厚みを75〜
100μm、キートップ10の高さを外径の1/2以下
にして製造したところ、樹脂フイルム30はキャビティ
ー83の内壁面に密着した。なおこの実施例においては
接着材層35の厚みを10〜50μmとし、記号等33
の厚みを5〜10μmとした。
【0032】また上記実施例では、溶融樹脂温度を24
0℃、及び金型温度80℃前後とし、射出時間を3秒前
後及び冷却時間を10秒前後とし、更に射出成形機の射
出圧力を1400kg、射出速度を15mm/秒と設定した
場合、歩留まりのよい成形ができた。
【0033】一方防滴枠51は、図8に示すように、枠
上部51b(図5参照)と同形状のキャビティー85を
有する上金型81と、枠下部51c(図5参照)と同形
状のキャビティー97を有する下金型91とで樹脂フイ
ルム30を挾み、ピンゲート87から溶融樹脂を注入す
ることにより形成される。注入された溶融樹脂は樹脂溜
89を通って上金型81のキャビティー85内へ流入
し、更に樹脂フイルム30に設けた孔70を通って下金
型91のキャビティー97内に流入する。そして溶融樹
脂が固化した後に上金型81と下金型91を取り外すこ
とにより防滴枠51が完成する。
【0034】ところで本実施例においては、図1に示す
ように、樹脂フイルム30とキートップ本体20をいず
れも透明な材料で形成し、且つ接着剤層35を着色した
ので、接着剤層35を設けない部分33はキートップ1
0の上側から鮮明に見ることができ、特にこのキートッ
プ10を図2に示すようにその裏面側から発光素子49
によって照らし出した場合は、鮮明に見ることができ、
美観に優れたものとなる。
【0035】なおこの実施例においては、接着剤層35
を設けない部分33を記号等の所望形状としたが、その
逆に、接着剤層35自体を所望形状とし(上記実施例で
き三角形とし)、これにキートップ本体20を接着させ
てもよい。
【0036】なおキートップ10の形状は上記実施例の
ように円形である必要はなく、例えば矩形状でも多角形
でもよいことは当然である。
【0037】図11は本考案の他の実施例を示す図であ
る。なお前記実施例と同一部分には同一符号を付してそ
の説明は省略する。この実施例の場合は、接着剤層35
を設けない部分を設ける代わりに、その部分に所望の記
号等100(記号の他に、番号やマーク等でも良い)が
印刷されている。なお印刷手段としては、シルク印刷,
パッド印刷,オフセット印刷等、どのような印刷手段を
用いても良い。
【0038】そして該記号等100を覆うように、湾曲
部31の内面全体に接着剤層35が設けられている。こ
のキートップ10′を製造するために樹脂フイルム30
の裏面側から溶融樹脂を注入した際、接着剤層35に覆
われた記号等100に直接溶融樹脂が触れることはな
い。このため該記号等100には直接溶融樹脂の熱と圧
力が加わらない。従って該記号等100が変形したり変
質したりすることはない。なおこの実施例の場合、接着
剤層35を透明なものとしておけば、この記号等100
は下から照らし出せる。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる押釦スイッチのキートップの製造方法によれば、何
ら穴のない樹脂フイルムで覆うことによってその裏面側
に湿気や水分が浸透していくことがなく、また部品点数
が少なくて薄型化,小型化に適するキートップが、樹脂
フイルムを上金型と下金型の間に挟持して下金型に設け
たピンゲートから溶融樹脂を注入することにより、極め
て容易且つ迅速に製造できるという優れた効果を有す
る。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる押釦スイッチのキー
トップを示す図である。
【図2】キートップ10を用いて構成した押釦スイッチ
の1例を示す側断面図である。
【図3】図2に示す押釦スイッチの全体構造を示す平面
図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】樹脂フイルム30を示す平面図である。
【図7】キートップ10の部分の製造方法を説明するた
めの図である。
【図8】防滴枠51の部分の製造方法を説明するための
図である。
【図9】従来の防滴構造の押釦スイッチを示す概略断面
図である。
【図10】ゴムパッキン67と防滴用のシート66の形
状を示す平面図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10,10′ キートップ 20 キートップ本体 21 押圧部 30 樹脂フイルム 31 湾曲部 33 接着剤層を設けない部分 35 接着材層 81 上金型 83 キャビティー 91 下金型 93 キャビティー 95 ピンゲート 100 記号等
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加来 泰俊 神奈川県川崎市中原区苅宿335番地 帝国 通信工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−14726(JP,U) 実開 昭60−194827(JP,U) 実開 昭57−141334(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キートップの上部の形状と同型状のキャ
    ビティーを有する上金型と、前記キートップの下部の形
    状と同型状のキャビティーを有する下金型と、樹脂フイ
    ルムとを用意し、 前記樹脂フイルムを前記上金型と下金
    型の間に挟持し、下金型に設けられたピンゲートから下
    金型に設けたキャビティー内に溶融樹脂を注入すること
    により、該溶融樹脂の圧力と熱により樹脂フイルムを変
    形させて押し上げ前記上金型のキャビティー内面に密着
    させるとともに上下両金型の両キャビティー内を溶融樹
    脂で満たし、該溶融樹脂が固化した後に、前記上金型と
    下金型を取り外すことを特徴とする押釦スイッチのキー
    トップの製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂フイルムが上下両金型の間に挟持さ
    れる前に、樹脂フイルムのキートップが形成される部分
    の下面に予め接着剤層を塗布しておくことを特徴とする
    請求項1記載の押釦スイッチのキートップの製造方法。
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