JP2883879B2 - 照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法 - Google Patents

照光式押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法

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JP2883879B2
JP2883879B2 JP6025605A JP2560594A JP2883879B2 JP 2883879 B2 JP2883879 B2 JP 2883879B2 JP 6025605 A JP6025605 A JP 6025605A JP 2560594 A JP2560594 A JP 2560594A JP 2883879 B2 JP2883879 B2 JP 2883879B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照光時と非照光時(ス
イッチオン・オフまたはスイッチオフ・オン)の色が変
化しオン・オフの判別が明確な押釦スイッチ、例えば自
動車搭載電話機用の各種押釦スイッチもしくは携帯用電
話機などの携帯用機器の押釦スイッチなどに用いられ
、照光式押釦スイッチ用カバー部材(以下カバー部材
と略称する)とこれを効率よく得るための製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】カバー部材は、その文字などが暗所にお
いても視認されるように透光性のカバー部材の下部に光
源を配置し、その光が天面の文字、数字、記号、絵柄な
どの符号が設けられている光透過部に達するように構成
されていた。この様な構成のカバー部材は、光透過部に
設けられている符号が非照光時、照光時とも、同じよう
な色であり、非照光時と照光時の差が明確でないので押
した押釦スイッチの確認ができず、またファッション性
においても単調で多色カラー表示が困難であった。この
ため、着色された透光性材料で作製したキートップ部材
の天面に、透光性塗料層を印刷し、その上に遮光性塗料
による抜き符号を設けることで色の変化を楽しめるよう
にした照光式ラバースイッチが提案されている(実開平
5-6574号公報)。 他方、カバー部材には種々の製造方法
知られているが、透明または半透明の透光性ゴム材料
を用いて成形した透光性ドーム状押釦スイッチ用基体
(以下基体と略称する)の表面に、透光性着色層、透光
性保護層、遮光性着色層を順次重ねて設けた後、レーザ
ー光を照射して所定の符号形状に遮光性着色層を除去し
て透光部を形成する方法(特開平-67521号公報)や、
基体の表面に着色塗料を塗布して遮光層を形成し、キー
トップ部(ドーム頂部)天面の遮光層にレーザー光を照
射して所望の形状の透光窓部を形成し、この窓部に別の
着色塗料で透光符号をもつ遮光層を形成して符号の形の
透光部を形成する方法(特開平-62730号公報)などに
見られるように歩留まり、外観、工程などの点からレ
ーザー光を照射して符号を形成する方法がこれまで最も
優れていると考えられていまた、基体のキートップ
部天面に透光性着色層を、各色毎に印刷あるいは塗装に
より、また遮光性着色層を塗装により形成する方法は、
工程が多くなるにつれて、ゴミ付着、塗装ムラなどが生
じやすく、決して効率がよいとはいえないが、透光性着
色層を有する照光式スイッチの製造方法として主に用い
られてきた
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カバー部材は近年、
各種携帯用機器に使用され、特に携帯用電話機について
は、小型化、軽量化と共に誤作動、誤発信を防ぐため、
また着信を知らせるためにより明確に符号を認識できる
こと、しかも、昼間の視認性をよくすること、キートッ
プ部および押釦スイッチのドーム頂部に設けられる符号
多色カラー化することなどが要求されている。また、
従来のゴム製のカバー部材では、レーザー光の照射によ
りカバー部材の天面の遮光性着色層を除去して、抜き符
号形状に透光部を形成しようとすると、遮光性着色層の
厚さや、レーザー光のエネルギーのバラツキにより、遮
光性着色層の一部が残ったり、逆に透光性着色層までも
一部除去され、透光性着色層の色の濃淡となって抜き符
号の外観が見苦しくなるほか、遮光性着色層の厚さやレ
ーザー光のエネルギー設定など製造条件の管理がむつ
かしく、製品合格率が著しく低下する欠点があった。こ
のようにして製造された従来のカバー部材は、符号の視
認性が悪く、カラー化によるファッション性にも限界が
あった。本発明は、これら従来の問題を解決するもので
あり、昼間(非照光時)および照光時の視認性をよく
し、非照光時と照光時の表示層の色特に色相を異なる
ものとし、符号を含む表示層の多色化を実現すると共
に、品質を安定させた照光式押釦スイッチ用カバー部材
と、これを効率よく得るための製造方法を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体のドーム
頂部に、 )透光性の照光用着色層の上にこれとは異色相
の透光性の照光用着色層を積層し、その表面に符号を
設けてなる積層シート状表示層と、 )透明キートップ部
層と順次設けてなるカバー部材に関する。また本発明
は、1)透光性の照光用着色シートの上に、これとは異色
相の透光性の非照光用着色シートを積層した後、この表
面に符号層を設けて積層シート状表示層を得る工程、2)
得られた積層シート状表示層を裏返して基体成形用下金
型の頂部成形部内に挿入した後、基体成形用上金型を閉
じ、前記両金型間に基体成形用組成物を注入して基体を
成形する工程、3)得られた積層シート状表示層付き基体
を基体成形用上金型と透明キートップ部層成形用金型で
挟持して積層シート状表示層の上に透明キートップ部層
用原料を注入し透明キートップ部層を成形する工程とか
らなる上記カバー部材の製造方法に関する。
【0005】
【作用】本発明カバー部材によれば、積層シート状表
示層が、非照光時には視認側の反射光の色を見、照光時
には視認側の反射光と光源からの透過光の複合された色
を見るので、非照光時には非照光用着色層の色が表示さ
れ押釦スイッチが認識でき、また照光時には非照光時の
色とは相異なる照光用着色層が加味された色で表示され
るもので、非照光時と照光時の押釦スイッチあるいは符
号の色が異なり、使用している押釦スイッチの識別が色
により判断でき、さらに透光性非照光用着色層と透光性
照光用着色層との色の組合せを種々変えることにより、
押釦スイッチ毎に色を変えることが可能で、カラフルで
ファッション性にも富んだものとなる。また透明キート
ップ部層は、積層シート状表示層を保護して使用中に剥
離、摩耗することを防ぎ、且つ指触性などを良くして高
級感を与えるほか、広角度・広範囲での符号の視認性も
良好にる。積層シート状表示層における符号は遮光
性のインキ、塗料などにより符号または抜き符号形状に
形成するので、従来のレーザー光を照射して遮光性着色
層を除去する方法のように、キートップ部天面の表示層
がしだいに削れてしまうということがなく、安定した品
質のものが得られる。
【0006】以下、本発明のカバー部材を、図1a〜図
1cに示した異なる態様に基づいて説明する。 図1a及
び図1bにおいて、1はカバー部材で、2は透明キート
ップ部層、6は頂部3、可動部4、ベース部5から構成
される(透光性ドーム状押釦スイッチ用)基体、7は基
体6の外表面に必要に応じて設けられる遮光性着色層、
11は積層シート状表示層で、透光性の照光用着色層10の
上にこれとは異色相の透光性の照光用着色層9を積層
し、その表面に符号8を設けたものである。この符号8
には遮光性材料からなる符号(図1a参照)と遮光性材
料層での抜き符号(図1b参照)とがある。なお、図1
cは図1aのカバー部材1の透明キートップ部層2の表
面に透明硬質皮膜12をキャップ状に被覆して設けた例で
ある。本発明においてキー照光とは、図1aのカバー部
材1において、非照光時には頂部3の天面全体が遮光性
の符号8を除き、透光性の非照光用着色層9の色で表示
され、照光時には透光性の照光用着色層10の色で表示さ
れる状態をいう。符号照光とは図1bのカバー部材1
において、符号8が遮光性の着色材で抜き符号になって
おり、非照光時には、この抜き符号が非照光用着色層9
の色で表示され、照光時には照光用着色層10の色で表示
される状態をいう。
【0007】本発明のカバー部材の製造方法について、
シリコーンゴムを原料とする例を用いて図2a〜図2d
により説明する。本発明はシリコーンゴムに限定される
ものではなく、一般の透光性ゴムを用いてもなんらさし
つかえない。まず、基体の外表面に必要に応じて被覆
される遮光性着色層の製作について説明する。図2a
に示すように遮光性着色層成形用の上金型14と下金型15
とで形成されるキャビティ射出成形機16などの材
料供給装置から遮光性着色ゴム組成物を射出・注入して
遮光性着色層7を製作する。遮光性着色層を設けない場
合にはこの工程は省略できる。この遮光性着色ゴム組成
はシリコーンゴムなどのゴム材料に黒色、灰色、茶
色、緑色などの着色材と必要に応じ電磁波シールド機能
と導電性を付与するためにカーボンブラック、ケッチェ
ンブラックEC、金属粉末またはこれらを混合したもの
を加え遮光性のものとする。例えば黒色用にはカーボン
ブラックまたはケッチェンブラックECなどを用いる。
その組成物の一例として平均重合度が 100以上のメチル
ビニルポリシロキサンからなるシリコーンゴムコンパウ
ンド 100重量部に遮光性および導電性付与剤としてケッ
チェンブラックECを35〜45重量部を添加したものがあ
り、これは体積抵抗率が 0.5Ω・cm以下で、ウイリアム
ス可塑度が 800以下、好ましくは 100〜 700のものであ
る。また、この遮光性着色層7は、透光部以外つまり
基体6の頂部3の天面以外遮光するのが好ましいか
ら、遮光性の強いものが望ましく、通常着色材を混入し
て黒色、灰色、茶色等に着色し、その厚さは必要な遮光
性に応じて40〜 100μm程度とするのがよい。また、着
色材予め添加された液状シリコーンゴムを用いてもよ
く、成形時のバリの発生がなく成形サイクルも短いこと
から粘度が 3,000〜10,000ポイズ、好ましくは 5,000〜
7,000ポイズのものが好適である。
【0008】次に図2b及び図2cにより透光性の非
照光用着色層9、照光用着色層10および遮光性の符号8
からなる積層シート状表示層11の製作について述べる。
図2bの17はロール状に捲回された非伸縮性基材であ
り、これに一対のカレンダーロール18、19から供給され
る照光用着色層材料がトッピングされ、加熱加硫炉20を
通過する間に加硫され照光用着色層10を担持したまま
の状態で巻取りロールに巻き取られる。ついでこの照光
用着色層10に図2cに示すように一対のカレンダー
ロール18’、19’から非照光用着色層材料が供給・トッ
ピングされて非照光用着色層9と照光用着色層10との複
合着色層となり、加熱加硫炉20を経てロールに巻取られ
る。非伸縮性基材17を剥した後、複合着色層には、図2
dに示すように遮光性の符号8がスクリーン印刷機21に
より符号または抜き符号形状に設けられ、積層シート状
表示層11が得られる。この非照光用着色層9および照光
用着色層10は、ゴムシート状に製作するのがよく、これ
は公知のカレンダーロール成形の他にプレス成形、コー
ターによる成形などで成形してよく、薄いシート状に成
形するには、作業性の良好なカレンダーロールによるト
ッピング法がよい。このシートは、取り扱いをよくする
ために、非伸縮性基材上に成形するのがよい。
【0009】ここに使用される非伸縮性基材17には、耐
熱性で 0.1kg/cm2の力で引っ張ったときの伸びが1%以
下のものが好まし、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンニトリルなど
のようなポリエステルフィルムやポリイミドフィルムな
の使用が好適である。また、この非伸縮性基材17上に
形成される照光用着色層10および非照光用着色層のゴ
ム材料としてはクロロプレンゴム、シリコーンゴム、
スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエン
ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム
などが例示されるが、基体6および透明キートップ部層
2とその種類を同じくしたゴム材料が好ましく、このな
かでも特にシリコーンゴムが好ましい。
【0010】前述したように、非伸縮性基材17上に透光
性の照光用着色層10をトッピングで厚さを例えば0.05
〜0.4mm 、好ましくは 0.2〜0.3mm の透光性照光用着
色シートとして成形し、さらにこの透光性照光用着色
シートの上に、透光性非照光用着色層9を、同じくト
ッピングで厚さを0.05〜0.4mm 、好ましくは 0.1〜0.2m
m の透光性の非照光用着色シートとして積層させ複合
着色層とする。次いでこの複合着色層のシートから非
伸縮性基材17を剥し、透光性の非照光用着色層の上に
遮光性の符号8を遮光性の着色材でスクリーン印刷、ス
プレー、転写などの方法で形成する。ここでは生産性を
考慮するとスクリーン印刷がよい。符号8は、符号を凸
状に印刷してもよいし、抜き符号として印刷してもよ
い。また金型により遮光性着色層7を成形するときに、
このキャビティを基体のドーム頂部天面部分まで延ばし
ておいて、遮光性着色層7の成形と同時に、ここに抜き
符号成形するようにしてもよい。積層シート状表示層
11の色において、符号8はデザイン、押釦スイッチの機
能により色分け、多色にするが、遮光性の着色とするこ
とが必要である。非照光用着色層9は、照光時には透光
性であり、その着色は照光時の照光用着色層10の色を損
なうことがなく、また、非照光時には非照光用着色層9
の色が鮮明に見えるように着色する必要があるので、彩
度、明度、色相を種々組み合せて対比がはっきりするよ
うな組み合せがよく、特にその色相を相異なるものにす
るのがよい。これらを考慮すると、透光性であり、しか
も外からの入射光を反射させるために反射性のよい白色
がよい。照光用着色層10は透光性の着色層とし、デザイ
ン性や押釦スイッチの機能別に着色すればよい。
【0011】積層シート状表示層11で使用する着色材と
しては顔料が最適であり、顔料は無機顔料および有機顔
料の2つに大別されるが、一般的には無機顔料の方が色
の純度が悪く、純粋に色で評価する場合は有機顔料より
劣るので注意を要する。なお、本発明で使用される顔料
は、顔料をジメチルシリコーンオイルなどのビヒクル
(展色剤)に分散し、インキ化しておくと使い易くな
る。このような着色材に関しては、(1) 色が鮮明である
こと、(2) 分散性に優れること、(3) 耐移行性がよいこ
と、(4) 耐熱性がよいこと、(5) シリコーンゴムの架橋
を妨害しないこと、(6) 耐光性のよいこと、(7) 毒性の
ないこと、などが重要であり、また分光特性を考慮して
適切なものを選定する必要がある。
【0012】次に図2eに示すように、カバー部材に
遮光性着色層7を設ける場合には図2aで成形した遮光
性着色層7の頂部内に、またカバー部材に遮光性着色層
7を設けない場合には遮光性着色層成形用下金型15の頂
部成形部内に直接、図2のb、c、dを経て成形した
層シート状表示層11を、遮光性の符号8が遮光性着色層
成形下金型15側にるように、裏返して挿入する。
らに、基体6を成形するため、この上に基体成形用金型
22を被せ、この間に基体成形用組成物23を図2eに示す
ように挿入する。この基体成形用組成物23は、シリコー
ンゴムを例として以下に説明するが、本発明はシリコー
ンゴムに限定されるものではなく一般のゴムでも適用で
きる。
【0013】基体成形用のシリコーンゴム組成物は、そ
の硬化物がソフトな指感触を与える必要があるから、架
橋後の硬度がIRHDで80以下であり、反撥弾性率が40
%以上のものが好ましい。これは有機過酸化物によって
ラジカルを発生するものであるから、ポリブタジエン、
メチルビニルシロキサン共重合体、ポリイソプレン、エ
チレンプロピレンジエン三元共重合体、パーフルオロプ
ロピレン・ビニリデンフルオリド共重合体、クロロプレ
ンゴム、ウレタンゴムなどで例示されるゴム系重合体と
有機過酸化物とからなるゴム組成物がよいが、またこれ
にナフテン酸コバルトやジメチルアニリンといったレド
ックス系触媒や硫黄、硫黄同族体、金属酸化物、イソシ
アネート、オルガノハイドロジエンポリシロキサンなど
のシラン化合物と塩化白金酸(H2PtCl4 6H2Oなどの白
金触媒、アミン化合物など有機過酸化物以外の架橋剤を
併用したり、充填剤、着色材、耐熱剤、耐候剤、難燃性
付与剤、防カビ剤、導電性付与剤などを添加することは
任意であるが、カバー部材であるから、透明あるいは
半透明の透光性の必要がある。また、この基体は、全体
を絶縁性としたもの、全体を導電性としたもののいずれ
でもよいが、通常は接点部を導電性とし、その他を絶縁
性としたものであり、圧縮成形、射出成形、トランスフ
ァー成形など公知の方法で作られる。このように、遮光
性着色層成形下金型15と基体成形用金型22との間で、
積層 シート状表示層11および必要に応じて用いられる遮
光性着色層7と共に、基体成形用組成物23を、10〜 40k
gf/cm2、 120〜 180℃の条件で加圧加熱し、共架橋、接
着一体化する。
【0014】次に図2fにより透明キートップ部層2
を設ける成形について説明する。図2eで接着一体化さ
れた基体を基体成形用金型22に転写して反転し基体成
形用金型22上にキートップ部成形用金型24を設置し、
キートップ部層用の透明性の高い原料をディスペン
サー25よりキートップ部成形用金型24内の積層シート状
表示層11上に吐出注入し、加熱、成形して積層シート状
表示層11(図2d参照)及び必要に応じて用いられる
光性着色層7(図2e参照)と接着一体化する。透明性
高い原料は低粘度で流動性のある液状シリコーンゴ
ムが最適であり、この液状シリコーンゴムは適度の粘度
をもつものであれば加熱( 110℃〜 140℃)のみによっ
て硬化し、流動性が失われ成形できるが、粘度がロータ
ー粘度計で 300ポイズ以下、好ましくは30〜 100ポイズ
のものがよい、即ち加熱のみで硬化する脂肪族不飽和基
含有ポリシロキサンとオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンおよび白金系触媒とからなる付加反応型のものが
よい。
【0015】透明キートップ部層の成形にあたって
は、液状シリコーンゴム組成物中に空気がまき込まれて
いると、注入後の加熱によって空気が膨張発泡して透明
キートップ部層に穴があいたり、割れたりすることも
あるので、前工程で十分に脱気しておくのが望ましい。
また、液状シリコーンゴム組成物のキートップ部成形用
金型への注入に当たっては、上記組成物を貯するタン
ク、組成物の定量押出し機構、押出し機構に連結してい
る吐出先端で構成されるディスペンサーを用いて行なえ
ばよい。上記組成物の定量押し出しは、空気圧力値と空
圧を加えている時間により決まるシリンジ式、一定空気
圧力値と流路開放時間により決まるタンクバルブ式や、
ケンバン式、ロータリー式、ギヤポンプ式、プランジャ
ー式などの引っぱり込んで押し出すという公知の制御方
法で定量押し出しすればよい。このとき要求される定量
押し出し精度はキートップの大きさやその形状によって
異なるけれども±0.01mlよりも優れた繰返し精度であれ
ばよい。
【0016】また、このとき使用するディスペンサー
は、一つの定量押し出し機構で複数種の一定容量を押し
出す制御を行なうようにしたもの、一つの定量押し出し
機構に複数個の吐出先端を設けたもの、一つのディスペ
ンサーに複数の定量押し出し機構を設けたものなどいづ
れであってもよい。液状シリコーンゴムのキートップ部
成形用金型への注入は、金型のキートップ部の数だけ用
意された吐出先端を金型のすべてのキートップ部に対応
する配列でプレートなどに固定して吐出先端群を作り、
この吐出先端群を金型の対応するキートップ上に配置
して注入すればよいが、金型のキートップ部に相当する
部分の一部に対応する配列で固定した吐出先端群や単一
の吐出先端を、ハンドリングやロボットによって金型の
キートップ部に相当する部分の上方で金型のキートップ
部配列に送りながら注入するようにしてもよい。キート
ップ部成形用金型24に注入された液状シリコーンゴム組
成物は、適度の粘度をもつものであれば、そのまま放置
すればキートップ部状に成形できるが、この粘度が高い
ときは容易にキートップ部状に成形されない。
【0017】透明キートップ部層は、デザイン、キート
ップの大きさにもよるが、厚さを 0.5〜3.0mm とすれば
実用上さしつかえない。透明キートップ部層はカバー部
材の高さの10〜40%が最適であるが、これは透明キート
ップ部層部分を携帯用電話機等のセットケースより 0.2
〜 0.5mm程度出すか、または2〜3mm程度出すのが主流
であり、薄型のセットケースではカバー部材の高さが3
〜5mm程度であり、また通常のセットケースでもカバー
部材の高さが7〜10mm程度である。このようにセットケ
ースより出ている部分を透明キートップ部層とすること
で、デザイン性、視認性が良好となる。さらに透明キー
トップ部層が厚いと表示層が奥まってみえるので奥床し
い趣を与える。透明キートップ部シリコーンゴムで
形成され、架橋後の硬化物(加硫物:ゴム硬度は50〜80
°H、好ましくは60〜70°Hソフトな指感触と共に
プラスチックの感触を出すために、特に透明キートップ
の表面の感触を硬くしプラスチックの感触を出し
たり、あるいは透明キートップ部層の表面から指などの
油、汗、各種の物質が内部に浸透するのを防ぐために、
透明キートップ部層の表面さらに硬度がH〜2H程度
透明硬質皮膜を設けるのが望ましい。 これには皮膜材
料としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
などを塗布すればよく、その際、使用する樹脂に合っ
たプライマーを使用するか、または透明キートップ部層
表面改質しておく必要がある。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 (a)遮光性着色層の成形 付加反応型の液状シリコーンゴム・SEー6746A/B
[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名]
のAとBとを 100:100 の比で混合したのち、この 100
重量部にシリコーンゴム用着色材・KEーColor BL
[信越化学工業(株)製商品名]を2重量部添加し、羽
根型撹拌機で300rpmで回転、混合し、25℃における粘度
が 4,000ポイズのシリコーンゴム組成物を調製した。こ
のシリコーンゴム組成物は図2aに示すように射出成形
機16から金型中に射出して遮光性着色層7を成形した。
このときの成形条件は遮光性着色層成形用下金型15と同
上金型14の型締圧力を120kgf/cm2、射出ノズルからの吐
出圧力 80kgf/cm2、成形温度 150℃、成形加硫時間30秒
とし、この遮光性着色層成形用下金型15側に厚さ50μm
の遮光性着色層7が転写した状態で成形された。
【0019】 (b)積層シート状表示層の成形 シリコーンゴム・KE971U[信越化学工業(株)製
商品名] 100重量部に、加硫剤・Cー19A/19B[信越
化学工業(株)製商品名]のAとBとを各々2.5 重量部
および 3.0重量部加え、この組成物の 100重量部にシリ
コーンゴム用着色材・KEーColor W[信越化学工業
(株)製商品名]を2重量部を添加混練し、非照光用着
色層の白色のシリコーンゴム組成物を調製した。また
上記シリコーンゴム 100重量部にシリコーンゴム用着色
材・KEーColor R(同上)を2重量部添加混練し、照
光用着色層の赤色のシリコーンゴム組成物を調製し
た。次いで、照光用着色層の赤色のシリコーンゴム組
成物を、図2のb、c、dに示すように、一対のカレン
ダーロール18、19から非伸縮性基材17上にトッピングし
た後、加熱加硫炉20に導入して 0.3mm厚、幅 400mmの連
続シートに加硫成形し、透光性の照光用着色層10を得
た。この上に非照光用着色層の白色のシリコーンゴム
組成物を同じく一対のカレンダーロール18’、19’から
トッピングし、加熱加硫炉20で 0.2mm厚、 400mmの連
続シートに加硫成形し、透光性の非照光用着色層9を得
て、これらを互いに接着成形して複合着色層を得た。さ
らに、この複合着色層上(非照光用着色層9側)に、
性の符号8をスクリーン印刷機21により30μmの厚さ
で、符号印刷または抜き符号印刷形状で成形し、キート
ップ横断面形状にカットして積層シート状表示層11
を得た。スクリーン印刷で使用したインキは、付加反応
型の低温硬化性液状シリコーンゴム・KEー1935A/B
[信越化学工業(株)製商品名]のAとBを 100:100
の比で混合したのち、この 100重量部にシリコーンゴム
用着色材・KEーColorBB(前出)を2重量部添加
し、羽根型撹拌機で300rpmで回転、混合し調製した。
【0020】 (c)基体の成形 図2eにより説明すると、図2aのようにして得た遮光
性着色層7が転写されている遮光性着色層成形下金型
15に、図2のb、c、dのようにして得た積層シート状
表示層11を、上記下金型側に符号8がくるように設置し
た。次いでこの遮光性着色層成形下金型15に、シリコ
ーンゴム・KEー78VBS[信越化学工業(株)製商品
名] 100重量部に加硫剤・Cー8[信越化学工業(株)
製商品名] 0.7重量部をミキシングロールでよく混合、
分散させた基体成形用組成物23を充填し、基体成形用金
型22を被せて 180℃で 200kg/cm2の条件で加熱加圧し
遮光性着色層7、積層シート状表示層11および基体6を
共架橋させ、接着一体化した。
【0021】 (d)透明キートップ部層の成形 図2fに示すように、接着成形された基体を基体成形用
金型22に転写して反転しこの上にキートップ部成形用
金型24を設置して上記基体を保持、固定した。次いで、
付加反応型の低温硬化性液状シリコーンゴム・KE1935
A/B[信越化学工業(株)製商品名]のAとBを100:
100 の比で混合し、この液状シリコーンゴム組成物をデ
ィスペンサー25を用いてキートップ部成形用金型24内
積層シート状表示層11の上に厚さ2mmになるまで注入
し、キートップ部成形用金型24を 130℃に加熱した。こ
の液状シリコーンゴム組成物は金型内で流動性を失い
部分架橋、硬化・成形され、透明性の高い透明キートッ
プ部層2が得られた。このようにして、広範囲、広角度
から表示層が認識でき、視認性もデザインも良い、文字
照光あるいはキー照光が自由に形成できるカバー部材1
が得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明は、表示層の多色化を容易にし、
しかも符号およびキートップ部を照光させることができ
るため、デザインの自由度が増す。また、キートップ部
が透明部材により成形されているため、昼夜を問わず広
範囲、広角度からの視認性がよく、表示されている符号
を鮮明に視認することができ、非照光時と照光時での表
示層の色が異なり、カラフルになり、カバー部材の差別
化、独自性がだせる。さらに従来、キートップ部に透光
性着色層を印刷し、さらに遮光性着色層を塗装したもの
では、キートップ部表面の外周に段差が生じ、外観上、
好ましくなかったが、本発明はキートップ部表面が金型
通りに成形され、より一層見ばえがよくなり、高級感が
だせるなど本発明の産業上に及ぼす効果はきわめて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a 本発明のカバー部材のキー照光の縦断面図である。 b 本発明のカバー部材の文字照光の縦断面図である。 c 本発明のカバー部材において透明キートップ部
表面に硬質皮膜を設けた場合の縦断面図である。
【図2】a 本発明の製造方法において、遮光性着色
成形工程を示す説明である。 b 本発明の製造方法において、非伸縮性基材上での照
光用着色層成形工程を示す説明である。 c 本発明の製造方法において、照光用着色層から複合
着色層を得る工程を示す説明である。 d 本発明の製造方法において、複合着色層から積層シ
ート状表示層を得る工程を示す説明である。本発明の製造方法において、基体の成形と積層シー
ト状表示層との一体化工程を示す説明である。本発明の製造方法において、積層シート状表示層の
上に透明キートップ部層を成形する工程を示す説明
ある。
【符号の説明】
1 (照光式押釦スイッチ用)カバー部材、 2 透明キートップ部層、 3 頂部、 4 可動部、 5 ベース部、 6 (透光性ドーム状押釦スイッチ用)基体、 7 遮光性着色層、 8 符号、 9 非照光用着色層、 10 照光用着色
層、 11 積層シート状表示層、 12 透明硬質皮
、 14 遮光性着色層成形上金型、 15 遮光性着色
層成形下金型、 16 射出成形機、 17 非伸縮性基
材、 18、18’、19、19’ カレンダーロール、 20 加熱加硫炉、 21 スクリーン
印刷機、 22 基体成形用金型、 23 基体成形用組
成物、 24 キートップ部成形用金型、 25 ディスペンサ
ー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性ドーム状押釦スイッチ用基体のドー
    ム頂部に、 )透光性の照光用着色層の上にこれとは異色
    相の透光性の照光用着色層を積層し、その表面に符号
    を設けてなる積層シート状表示層と、 )透明キートップ
    部層と順次設けてなることを特徴とする照光式押釦ス
    イッチ用カバー部材。
  2. 【請求項2】1)透光性の照光用着色シートの上に、これ
    とは異色相の透光性の非照光用着色シートを積層した
    後、この表面に符号を設けて積層シート状表示層を得る
    工程、2)得られた積層シート状表示層を裏返して基体成
    形用下金型の頂部成形部内に挿入した後、基体成形用上
    金型を閉じ、前記両金型間に基体成形用組成物を注入し
    て透光性ドーム状押釦スイッチ用基体を成形する工程、
    3)得られた積層シート状表示層付き基体を基体成形用上
    金型と透明キートップ部層成形用金型で挟持して積層シ
    ート状表示層の上に透明キートップ部層用原料を注入し
    透明キートップ部層を成形する工程とからなることを特
    徴とする請求項1記載の照光式押釦スイッチ用カバー部
    材の製造方法。
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