JP3722626B2 - キートップ部材およびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の移動体通信機器、家庭用電話機、電子手帳、計測機器類、車載用スイッチ、リモコン、計算機あるいはパーソナルコンピュータのデータ入力装置やスイッチ装置等に部品として用いられるスイッチのキートップ部材およびその製造方法に係り、詳しくは、文字、記号あるいは図形等の表示部のデザイン性と視認性と耐久性に優れ、かつ、照光式の押釦スイッチにも用いることができるキートップ部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話機等の移動体通信機器、電子手帳、計測器、リモコンなどのキーボード部(押釦スイッチ)のキートップ部材は、プラスチック製のキートップ部材が多く使われ、必要に応じて文字、数字、記号等の符号が印刷されているものが多い。近年においては、キートップの部分を透明樹脂で形成し、そのキートップの裏面に文字、数字、符号、記号等の印刷を施し、印刷層をキートップで保護すると同時に高級感を出し、さらにLEDなどを用いたバックライト式押釦スイッチとしたものも多い。
【0003】
このような、押釦スイッチ用のキートップ部材は、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、スチレン系等の透明熱可塑性樹脂またはシリコーン、ウレタン、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、アクリル系等の硬化性樹脂を用いて射出成形、圧縮成型、注型成形、トランスファー成形等により形成される。そして、このキートップ部材の裏面に符号をスクリーン印刷またはパッド印刷等により形成する。また、必要に応じてこのように形成された複数のキートップ部材をゴム製カバー基材、ポリエステル製皿バネなどに接着配列し、携帯電話他のキーボード部分に組み込まれて使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のキートップ部材にあっては、キートップ部材の裏面に直接印刷するために、通常はスクリーン印刷法またはパッド印刷法が行なわれていた。しかしながら、このスクリーン印刷法、パッド印刷法では、印刷意匠を印刷色に応じて版下と呼ばれるデザイン画を作り、さらにこれをスクリーン版或いは凹版などを製作する必要があり、しかも文字、数字、符号などの記号(以下記号という)に応じた形状の印刷版を1色毎に用いるため、多色印刷の場合は使用する色数と同じ回数印刷しなければならないし、手間がかかる割りには意匠性にも乏しく、高解像度の鮮明な写真、イラスト、絵などの印刷は事実上不可能である。また小ロット多品種印刷の場合は製版費用がコスト高となるし、納期も長く、デザイン変更に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、これら従来の問題点を排除しようとするもので、キートップの表示部のデザインにコンピューターを用いたデザインデータが使用でき、デザイン変更、修正も簡単で、しかも無版印刷なので、製版にかかるコストもなく簡易に多種情報に適応でき、従来のスクリーン印刷では不可能であった意匠性の高いキートップ部材およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、印刷表示部が形成された印刷シートと、該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部とを備えたキートップ部材であって、前記印刷シートの印刷表示部が、透明または半透明熱可塑性樹脂製の基体シートと、該基体シートに3色または数色の微少印刷点のフルカラー印刷によるオンデマンド印刷層と、該オンデマンド印刷層に対応する前記印刷表示部の前記基体シートに白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層とを有する少なくとも3層構造であることを特徴とするキートップ部材である。例えば、3層構造が上からオンデマンド印刷層、基体シート、白色または銀色の遮光性着色層(若しくは半透明性着色層)とするキートップ部材である
【0007】
また、請求項記載の発明にかかるキートップ部材は、前記オンデマンド印刷層が、熱転写昇華方式或いはトナー電子方式、静電画像方式、レーザー露光熱現像転写方式、インクジェット方式、加熱発色方式のいずれか少なくとも1種類の印刷装置を用いて形成されるものである。
【0008】
さらに、請求項記載の発明にかかるキートップ部材では、前記印刷シートと透明キー樹脂部とが透明接着剤を用いて固着一体化されていることを特徴としている。
【0009】
またさらに、請求項記載の発明は、印刷表示部が形成された印刷シートと、該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部とを備えたキートップ部材を製造する製造方法において、コンピューターデザイン方法を用いた押釦スイッチのカラーデザインデータを熱転写昇華方式或いはトナー電子方式、静電画像方式、レーザー露光熱現像転写方式、インクジェット方式、加熱発色方式のいずれか少なくとも1種類を用いた印刷装置に供給し、これをCMY(シアン,マゼンダ,イエロー)系、CMYK(シアン,マゼンダ,イエロー,ブラック)系インクまたはRGB(レッド,グリーン,ブルー)系インクによって3色または数色の微少印刷点を用いて、前記透明または半透明の熱可塑性樹脂製の基体シートに、実質的なフルカラー印刷を行ってオンデマンド印刷層を形成し、次にこのオンデマンド印刷層が印刷された基体シートの片面に、該オンデマンド印刷層の印刷表示部に対応する分部に白色または銀色の着色層を印刷またはコーティングするか、或いは白色のシートをラミネートたのち、該基体シートの前記印刷表示部に対応する位置に透明キー樹脂部を透明接着剤を介して固着一体化させることを特徴とするキートップ部材の製造方法である。
【0010】
本発明のキートップ部材とは、透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる板あるいは柱またはドーム状の押釦形態の透明キー樹脂部と、記号などの印刷表示部のある基体シートとから構成されるが、キートップ部が単体であるものに限るものではなく、複数のキートップが多数配列されたシート状のキートップシートやキートップ集合体も含まれる。
このキートップ部材は、スプリング、ダイヤフラム等により付勢され、あるいは、ゴムシート、ダイヤフラムシート等に固着されて用いることも可能である。これらのキートップ部材は、回路基板等とともに押釦スイッチ等を構成する。押釦スイッチ等に用いれる回路基板は、必要に応じて可動接点、固定接点、周知の回路素子およびLED等の発光体等が設けられ、取り付けられる機器のケーシング内、例えば、携帯電話機やキーボード等のケーシング内に収容される。ケーシングは、データ入力用のキー(キートップ)と同数の穴を有するもの等が用いられ、これらの穴からキートップが操作可能に突出して用いられる。
【0011】
前記印刷シートは、その構成が、透明または半透明熱可塑性樹脂製基体シートと、オンデマンド印刷層と、白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層とを有する少なくとも3層構造のシートとなっている。
【0012】
この場合、前記基体シートは、熱可塑性樹脂シートを用いるが、非晶性の熱可塑性樹脂、結晶性の熱可塑性樹脂またはこれらの共重合体若しくは混合物からなり、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が例示される。この熱可塑性樹脂フィルムは、無色透明或いは有色透明もしくは半透明のシートを用いる。
また、基体シートは印刷適性等の観点からポリエステル系、ポリイミド系の10μm〜250μmの厚みのものを選択する。さらにこの基体シートには、後述するオンデマンド印刷層が施されるのであるが、印刷方法の適性に応じて、印刷インクの受容層、たとえば熱転写昇華型印刷ならば、塩化ビニル酢酸ビニル系またはポリエステル系のコーティング層が施され、インクジェット印刷ならば水溶性のインクを固着させるための吸水層が形成されていても良い。
もちろん密着性を改善するためにコロナ放電、プラズマ処理、UV(紫外線線照射)処理、プライマー処理等を施してもよい。
【0013】
そして、この基体シートにオンデマンド印刷を施すのであるが、記号や印刷意匠は、本発明の場合は、コンピューターを用いて画面上でデザインを行うので、デザインに用いるソフトウェアーは機能に応じて任意に選択すればよいが、たとえば写真、または精細なグラフィックであれば、いわゆるペイント系のフォトショップ(アドビ社製:商品名)などが例示され、また記号または幾何学模様を中心とした高精度な模様などの場合は、いわゆるドロー系のイラストレーター(アドビ社製:商品名)など等が例示される。
【0014】
このようなソフトウェアーを用いてコンピューター上で作られたデザインは、従来の方式では得られない斬新なデザインとすることができる。たとえば従来はキートップの印刷は単一色で着色された符号であったものが、高画質の風景写真、人物写真を取り入れることも可能であるし、精密な幾何学模様を描くことも可能である。また色数も実質的に制限がないので記号、幾何学模様毎に単一色ではなく、徐々に色が変化するグラデーションなどの手法も可能となる。このことによって、キートップのデザイン自由度が増し、多様化するデザインニーズ、電子機器の外観上の付加価値向上に柔軟に対応できる。
【0015】
このようにして作られたデザインデータをコンピューターから印刷装置に送り、前述の基体シートに印刷を行う。このときの印刷装置は、熱転写昇華方式或いはトナー電子方式、静電画像方式、レーザー露光熱現像転写方式、インクジェット方式、加熱発色方式のいずれか少なくとも1種類の印刷装置を用いればよい。これらの印刷装置をここでは「オンデマンド印刷機」と呼ぶ。このオンデマンド印刷機は実質的にフルカラー印刷を行うことができ、その原理は、CMY系またはCMYK系またはRGB系の少なくとも3色、または数色のインクを用いて、これらの色を微少印刷点として印字し、3色の色の混合で実質的なフルカラー印刷とするものである。微少印刷点の大きさは、印刷装置によって異なるが、一般的には直径0.01mmから0.2mm程度の大きさで、これらの微少印刷色が混合または隣接すれば、3原色の原理と人間の視覚錯覚によって、実質的にほとんどすべての色を表現する印刷が可能である。
【0016】
なお、前記印刷シートに、白色または銀色の遮光性着色層又は半透明着色層を重ね印刷するのは、オンデマンド印刷機によって印刷が施された熱可塑性樹脂の透明シートでは、明度が足りず、暗く視認性の悪いものになってしまうからで、またCMYまたはRGB系の印刷色の3原色表現の原理上、オンデマンド印刷機では「白」の印刷ができず明度、彩度ともに十分な表現ができないので、特に本発明の形態のキートップでは、印刷部分が透明キートップの裏側に位置するために、十分な外光が入り込まず、視認性の悪いものになってしまう不利点を補うためである。
【0017】
次に、この印刷シートに白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層を形成するのは、前述したように原理的に「白」色が印刷できないオンデマンド印刷機の表現を補うという意味の他に、外部からの光を白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層をもちいて、有効に散乱させ、大きく視認性を向上させる働きがある。また、キーボードがLEDなどを使った照光タイプのバックライト式押釦スイッチであるときは、半透明の白色などを用いればよい。白または銀以外の、たとえば薄いクリーム色、金、銅色などでも有効ではあるが、白色以外の色は前述のオンデマンド印刷層の色相を大きく変えてしまうし、金色などは実質的に銀色とオンデマンド印刷層の薄い黄色の混合で表現できるので、高価な金色を使うことはコスト的にも好ましくない。もちろん単一の白色層だけでなく白色と銀色など多層組み合わせることは任意である。
【0018】
以上のような理由から、本発明のキートップ部材に用いられる印刷シートは、透明または半透明熱可塑性樹脂製基体シートと、オンデマンド印刷層と、白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層とを有する少なくとも3層構造のシートとするのであるが、その構成順序は、透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部が形成される側から見て、オンデマンド印刷層の裏面に白色または銀色の着色層が必要である。この場合、印刷シートとしてみると、上から熱可塑性樹脂製基体シート、オンデマンド印刷層、白色または銀色の着色層という順序とするか或いは、オンデマンド印刷層、熱可塑性樹脂製基体シート、白色または銀色の着色層という順序の場合など複数考えられるが、この順序に関しては製造工程の都合などから任意に選択できる。
【0019】
ここで、白色または銀色の着色層は、印刷、コーティング、塗装、ラミネート、ホットスタンプ、蒸着、スパッタリングなどの方法で形成されるが、基体シートの片面全体に施されるので工業的には簡単で安価に連続的に形成することが可能である。例えば、コーティングならば白いインクをバーコーターやダイコーターで高速塗布することが可能であるし、またホットスタンプならば白色、銀色などを必要な部分にだけ、1秒程度の時間で任意にスタンプして形成することができる。
さらに、蒸着、スパッタリングなどを用いた銀色層を形成すれば、従来印刷法などではなし得ないホログラムや高輝度メタリック装飾とすることも可能である。
【0020】
このようにして準備された印刷シートの該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部を接着剤で接着、固定化しキートップ部材とするのであるが、この透明キー樹脂部は従来の方法で作られるもので、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、スチレン系などの熱可塑性樹脂材料を用いて射出成形、トランスファー成形などの成型装置で成形すればよいし、また不飽和ポリエステル、アクリルモノマー、スチレンモノマー、ビニルエステル、ウレタン、エポキシおよびそれらの誘導体などの熱硬化性または光硬化性材料をもちいて射出成形、注型成形装置などで成形しても良い。こうして成形された透明キー樹脂部は、透明なウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系、シリコン系などの接着剤を用いて印刷シートの所定の位置に接着一体化される。
【0021】
このとき、1枚の印刷シート片に1つの透明キー樹脂部を接着して単一のキートップ部材としても良いし、1枚の印刷シートに複数の透明キー樹脂部を接着したシート状のキートップシートとしても良い。もちろん単一のキートップ部材を必要に応じてゴムシート、可動接点、ダイヤフラムシートなどの上に配列することも任意であるし、寸法調整や可動範囲調整などのためにシート状のキートップシートの一部に切り込み、切り欠き、絞り加工等を施し電子機器に組み込みやすくすることなども任意に行える。
【0022】
【作用】
この発明にかかるキートップ部材は、記号などの印刷表示部が形成されたシートと、該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部とを備えたキートップ部材であって、前記印刷シートの構成が、透明または半透明熱可塑性樹脂製基体シートと、オンデマンド印刷層と、白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層とを有する少なくとも3層構造のシートとしたことを特徴とし、印刷部位にオンデマンド印刷表示部を形成したので、多種意匠形成情報に適応でき、高精細、高精度なフルカラーの小ロット多品種に適した優れたキートップ部材とすることができ、しかもオンデマンド印刷層の明度を補う白色または銀色の層が形成されることによって、明度、彩度ともに良好な視認性に優れた印刷表示部が形成され、またメタリック、ホログラム、実写写真、コンピューターグラフィックス(CG)などを多用した特殊装飾にも簡単に対応でき、ユーザーアピール力の高い商品デザインとすることができる。
なお、印刷部分は透明キー樹脂部で被覆されるため、使用に際して表示部が磨耗することがなく、表示部に優れた耐久性、すなわち、長期にわたって優れた視認性が保持される。
【0023】
また、この発明にかかるキートップ部材の製造方法は、コンピューター上でデザインした意匠が、製版、フィルム出力などの工程を経ずにダイレクトに印刷表示部に反映でき、高画質印刷が得られ、しかも印刷は透明熱可塑性樹脂シートに形成するので、成形品などに印刷する場合に比べ簡単で安価に制作することができ、白色または銀色の着色層も工業的に容易に形成できる。すなわち多量品、小ロット品に関わらずその製造コストを大幅に削減できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1はこの発明の一の実施の形態を示し、キートップ部材20は、印刷シート10と複数の透明キー樹脂部11を透明接着剤12を介して固着一体化した構成としてある。該印刷シート10は、図1bに示すように、透明な熱可塑性樹脂製の基体シート1と、オンデマンド印刷層2と、白色または銀色の着色層3から成り立っており、この印刷シート10の上に透明の接着剤4を介して透明キー樹脂部11が固着され一体化されている。
図1bでは、印刷シート10の構成が、上から基体シート1、オンデマンド印刷層2、白色または銀色の着色層3の順序になっているが、図1cに示す本発明の他の形態のように、印刷シートの構成が上から、オンデマンド印刷層2、基体シート1、白色または銀色の着色層3の順にしてもよい。
いずれの場合も、オンデマンド印刷層2は、デザインデータに応じて、記号、写真、幾何学模様などがフルカラーで印刷されている。また文字のみをバックライトで照光する場合は、抜き文字形状の遮光性の強い色でデザインすればよい。
【0025】
なお、前記キートップ部材20の透明キー樹脂部11に対応した印刷シート10の裏側に必要に応じクリック板押圧子或いは補強フィルムを固着することもできる。
また、図示を省略するが、キートップ部材20は、クリック板等を介して回路基板と組み付けられて携帯電話機等のケーシング内に収容され、透明キー樹脂部11の先端部分がケーシング外へ押圧操作可能に突出し、また、押圧操作でクリック板のドーム部を押圧してドーム部の可動接点を回路基板の固定接点に接触させ、回路を開閉するようにして用いられる。また、キートップ部材20はキートップ毎に切り離し、個々のキートップをゴムシートや回路基板に組み付けても良いし、シート状態のままをケーシング内に収容しても良い。
【0026】
図2は、印刷部材10のオンデマンド印刷デザイン例で、キーの機能に応じた記号等が配置され印刷されているものである。図示の都合上、単純なデザインとなっているが、実際には写真、CG、高精度幾何学模様など自由に配置できる。また、文字照光とする場合は文字の外周を暗色系の色で印刷し、文字は抜き文字とし、印刷の裏面には半透明の白色または銀色の着色層が配置されている。また、金色に表現したい場合は、オンデマンド印刷層は薄い黄色にしておき、裏面に銀色の着色層を配置すると実質的に金色となるし、また同様の手法で、ブルーメタリック、レッドメタリックなどの表現も可能である。
【0027】
次に、製造方法を説明する。
先ず、熱可塑性樹脂製の基体シート1に必要であれば、オンデマンド印刷用の下地処理を行う。例示すると密着性向上のためのプラズマ処理、プライマー処理等を行い、次にオンデマンド印刷装置のインクを付着させるためのインク受容層、インク吸収層またはインク接着層などをコーターでコーティングする。つぎにこの基体シート1にオンデマンド印刷機でキーボードに用いる所定の記号などのオンデマンド印刷層2を印刷すると共に、さらにこれに白色または銀色の着色層3を形成して印刷シート10とし、該印刷シート10の上に透明の接着剤4を介して透明キー樹脂部11を固着一体化してキートップ部材とする。 前記着色層3は白色の場合は、印刷、ホットスタンプ、コーティングなどの方法で形成しても良いし、白色のシートを用意してこれをラミネートしても良い。また、銀色の着色層の場合は、同様に銀色のインクを用いて印刷、コーティングをしても良いし、直接シートに蒸着、スパッタリングなどを施しても良いし、ホットスタンプ等の方法で形成しても良い。
【0028】
そして、透明樹脂キー部11はアクリル、ポリカーボネート、ポリエステルなどの材料を用いインジェクション成形、注型成形などで成形するが、前述の印刷シート10を接着する都合上、透明樹脂キー部11の裏側、すなわち、印刷シート10を接着する面はできるだけ平らな面であることが望ましい。
このように準備された透明キー樹脂部11を前述の印刷シート10の所定の位置に透明接着剤12を介して固定し、キートップ部材20を得る。
このキートップ部材20は、回路基板に組み付けられてスイッチを構成、すなわち、携帯電話機等のケーシング内に回路基板と組み付けられて収容され、電話番号入力等に用いる押釦スイッチを構成する。
【0029】
上述したように、この実施の形態は、多彩なデザイン印刷が簡単に実現でき、白色または銀色の着色層によって視認性が大幅に向上し、明度、彩度も高く、しかも、構造が簡単にキートップ部材が成形できる。このため、意匠性に富んだキートップ部材の製造コストを低減でき、また、照光式のキートップ部材も安価に製造でき、小ロット多品種製造であってもコストを増大させることなく柔軟に対処できる。そして、製造されたキートップ部材は、印刷表示部がキー樹脂部裏面に一体化され、表示部の視認性にも優れ、表示部磨耗も生じることが無く、高い耐久性が得られる。
【0030】
【実施例】
次に、この発明の実施例を説明する。
実施例1
キートップ用の印刷シートのデザインとして、パーソナルコンピューターを用いてデザインしたカラーの記号、幾何学模様を、熱転写昇華型プリンター Trueprint−3500(ビクター社製:商品名)を用いて125ミクロンの透明ポリエステルシート上に印刷した。
【0031】
そして、この印刷の裏側に半透明白色の25ミクロンのポリエステルシートをラミネートして、白色着色層を形成し、印刷シートを完成させた。
次に、熱可塑性アクリル樹脂材料を用いて射出成形機で所定の形の透明樹脂キー部を成形した。この透明樹脂キー部20個を印刷シートとポリエステル系透明接着剤のハイボンYA790−1(日立化成ポリマー社製:商品名)を用い接着してキートップシートを得た。
【0032】
実施例2
キートップ用の印刷シートのデザインとして、パーソナルコンピューターを用いてデザインしたカラーの符号、幾何学模様を、レーザー露光熱現像転写方式プリンタ Pictrography−4000(富士写真フイルム社製:商品名)を用いて125ミクロンの透明ポリエステルシート上に印刷した。
【0033】
そして、この印刷の裏面にアルミ蒸着箔をホットスタンプ方式を用いて形成し、銀色の着色層を設けた。
次に、アクリル系光硬化材料、ダイヤビームUT−1022(三菱レイヨン社製:商品名)を所定の形状の金型に注型し、紫外線を照射して、透明樹脂キー部を得た。
この透明樹脂キー部と印刷シートをシリコーン系透明接着剤、KE−1934(信越化学工業製:商品名)を用い加熱接着してキートップ部材を得た。
【0034】
実施例3
キートップ用の印刷シートのデザインとして、パーソナルコンピューターを用いてデザインしたカラーの符号、幾何学模様を、静電転写プリンター NEW PIXEL Dio 950 (キャノン社製:商品名)を用いて透明ポリエステルシート上に印刷した。
そして、この印刷の裏側に半透明白色のポリエステルシートをラミネートして、白色着色層を形成し、印刷シートを完成させた。
次に、熱可塑性アクリル樹脂材料を用いて射出成形機で所定の形成形した透明樹脂キー部を印刷シート上に接着してキートップ部材を得た。
【0035】
実施例4
キートップ用の印刷シートのデザインとして、パーソナルコンピューターを用いてデザインしたカラーの記号、幾何学模様を、乾式二成分トナー電子写真方式LP−8000C (エプソン社製:商品名)を用いて透明ポリエステルシート上に印刷した。
そして、この印刷の裏面にアルミ蒸着箔をホットスタンプ方式を用いて形成し、銀色の着色層を設けた。
次に、熱可塑性アクリル樹脂材料を用いて射出成形機で所定形状に成形した透明樹脂キー部を印刷シート上に接着してキートップ部材を得た。
【0036】
上述した実施例1乃至実施例4はともに、印刷表示部がキー樹脂部裏面に完全に一体化したキートップ部材が得られた。そして、これら実施例1乃至実施例4により得られたキートップは、表示部が明瞭に視認でき極めて高品位なものであった。
【0037】
【発明の効果】
本発明では、キートップの表示部のデザインにコンピューターを用いたデザインデータが使用でき、デザイン変更、修正が簡単で、しかも無版印刷なので、製版にかかるコストもなく簡易に多種意匠形成情報に適応でき、従来のスクリーン印刷では不可能であった意匠性の高いキートップ部材とすることができると共に、白色または銀色の着色層によって視認性が大幅に向上し、明度、彩度も高く、しかも、鮮明な写真、イラスト、絵などの高画質の再現が可能で色数にも制限がなくこのため、意匠性に富んだキートップ部材の製造コストを低減できるほか、デザインの自由度が増し、従来方式ではえられない斬新なデザインとすることができ、小ロット多品種製造であってもコストを増大させることなく柔軟に対処できる。そして、製造されたキートップ部材は、印刷表示部が透明キー樹脂部裏面に一体化され、表示部の視認性にも優れ、表示部磨耗も生じることがなく、高い耐久性が得られるものである。
さらに、この製造方法は、キートップの表示部のデザインにコンピューターを用いたデザインデータが使用でき、従来のスクリーン印刷では不可能であったコンピューター上でデザインした意匠が、製版、フィルム出力などの工程を経ずにダイレクトに印刷表示部に反映でき、高画質印刷が得られるし、印刷は透明熱可塑性樹脂シートに形成するので、成形品などに印刷する場合に比べ簡単に大量に安価に制作することができるほか、多量品、小ロット品に関わらずその製造コストを大幅に削減してキートップ部材を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる押釦スイッチ用キートップを示し、(a)はその平面図、(b)はA−A線における拡大縦断面図、(c)は同じくA−A線におけ他の例の拡大縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施例のキートップ用印刷シートの平面図である。
【符号の説明】
20 キートップ部材
10 印刷シート
11 透明樹脂キー部
12 透明接着剤
1 基体シート
2 オンデマンド印刷層
3 着色層

Claims (3)

  1. 印刷表示部が形成された印刷シートと、該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部とを備えたキートップ部材であって、
    前記印刷シートの印刷表示部が、透明または半透明熱可塑性樹脂製の基体シートと、該基体シートに3色または数色の微少印刷点のフルカラー印刷によるオンデマンド印刷層と、該オンデマンド印刷層に対応する前記印刷表示部の前記基体シートに白色または銀色の遮光性着色層或いは半透明性着色層の着色層とを有する少なくとも3層構造であることを特徴とするキートップ部材。
  2. 前記印刷シートと、透明キー樹脂部とが透明接着剤を用いて固着一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のキートップ部材。
  3. 印刷表示部が形成された印刷シートと、該印刷表示部に対応した位置に透明熱可塑性樹脂或いは透明硬化性樹脂からなる押釦状の透明キー樹脂部とを備えたキートップ部材の製造方法において、
    コンピューターデザイン方法を用いた押釦スイッチのカラーデザインデータを、熱転写昇華方式或いはトナー電子方式、静電画像方式、レーザー露光熱現像転写方式、インクジェット方式、加熱発色方式のいずれか少なくとも1種類を用いた印刷装置に供給し、
    これをCMY系、CMYK系インクまたはRGB系インクによって3色または数色の微少印刷点を用いて、前記透明または半透明の熱可塑性樹脂製の基体シートに、実質的なフルカラー印刷を行ってオンデマンド印刷層を形成し、
    次に、このオンデマンド印刷層が印刷された基体シートの片面に、該オンデマンド印刷層の印刷表示部に対応する分部に白色または銀色の着色層を印刷またはコーティングするか、或いは白色のシートをラミネートしたのち、該基体シートの前記印刷表示部に対応する位置に透明キー樹脂部を透明接着剤を介して固着一体化させることを特徴とするキートップ部材の製造方法
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