JP2003295434A - 艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物、フォトソルダーレジストインク、プリント配線板及びドライフィルム - Google Patents

艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物、フォトソルダーレジストインク、プリント配線板及びドライフィルム

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JP2003295434A
JP2003295434A JP2002094852A JP2002094852A JP2003295434A JP 2003295434 A JP2003295434 A JP 2003295434A JP 2002094852 A JP2002094852 A JP 2002094852A JP 2002094852 A JP2002094852 A JP 2002094852A JP 2003295434 A JP2003295434 A JP 2003295434A
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JP
Japan
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film
photosensitive resin
resin composition
forming
solder
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JP2002094852A
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English (en)
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Nobuhito Hamada
亘人 濱田
Shinya Tanaka
信也 田中
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Goo Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Goo Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艶消し剤として無機フィラーを配合すること
により良好な艶消し皮膜を形成することができると共
に、この皮膜に適正な硬度を付与して、皮膜と銅やはん
だ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やはんだ等
が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生を防止す
ることができ、プリント配線板等のソルダーレジスト形
成用途として用いた場合に、プリント配線板の外観の悪
化及び回路のショート等の不良発生を防止することがで
きる艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 A.1分子中にカルボキシル基と2個以
上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂、B.1
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物、C.新モース硬度が2.5〜4の範囲にあり、比重
が3以下である無機フィラー、D.光重合開始剤及び
E.希釈剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
ソルダーレジスト皮膜の形成に好適に用いられ、はんだ
リフロー時における、ソルダーレジスト皮膜へのはんだ
付着を原因とするはんだブリッジ発生の防止等のため
に、表面を艶消しにした艶消しレジスト皮膜を形成する
ことができる艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物、この
艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物からなるフォトソル
ダーレジストインク、このフォトソルダーレジストイン
クの硬化皮膜を備えるプリント配線板、並びに、この艶
消し皮膜形成用感光性樹脂組成物あるいはフォトソルダ
ーレジストインクからなるドライフィルムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、微細、高密度の導体パターンを有
するプリント配線板を製造するためのソルダーレジスト
形成材料としては、主として希アルカリ水溶液で現像可
能な毎ソルダーレジストインクが使用されている。
【0003】上記のフォトソルダーレジストインクの硬
化皮膜により形成されるソルダーレジスト皮膜として
は、はんだリフロー時における、ソルダーレジスト皮膜
へのはんだ付着を原因とするはんだブリッジ発生の防止
等のために、表面を艶消しにした艶消しレジスト皮膜を
形成する場合がある。
【0004】このような艶消しレジスト皮膜を形成する
にあたっては、従来、艶消し剤を配合したソルダーレジ
スト形成材料を用いることが行われていた(例えば特開
平9−157574号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、艶消し
剤を配合したソルダーレジスト形成材料では、次のよう
な問題があった。
【0006】艶消し剤として微粒子シリカ(新モース硬
度8、比重約2.5)を配合する場合には、硬度が高い
ために、ソルダーレジスト皮膜を形成したプリント配線
板等と他のプリント配線板等とが接触するなどして、ソ
ルダーレジスト皮膜と、銅やはんだ等とが接触した場合
に、銅やはんだ等が削れてソルダーレジスト皮膜に汚れ
(チョークマーク様汚れ)が付着してしまうおそれがあ
る。
【0007】また、艶消し剤としてタルク(新モース硬
度1、比重2.7〜2.8)を用いる場合には、タルク
は銅やはんだと比べて硬度が低いために、ソルダーレジ
スト皮膜に汚れが付着するようなことはないが、ソルダ
ーレジスト皮膜の硬度が十分に得られず、銅やはんだ等
と接触した場合にソルダーレジスト皮膜に傷が付きやす
くなってしまい、プリント配線板の美観が損なわれるの
みならず、回路のショート等を生じやすくなる。このた
め、タルクの含有量は制限されてしまって、ソルダーレ
ジスト皮膜を十分に艶消し仕上げすることが困難となっ
てしまい、また十分な艶消し仕上げを行おうとすると、
シリカ等の硬度の高い艶消し剤を併用する必要があっ
て、逆に皮膜の硬度が高くなりすぎてしまうものであ
る。
【0008】また、艶消し剤としてカオリン(新モース
硬度2、比重2.5〜2.6)等を用いる場合には、銅
やはんだと比べて硬度が低いために、タルクを用いる場
合と同様にソルダーレジスト皮膜の硬度が十分に得られ
ず、銅やはんだ等と接触した場合にソルダーレジスト皮
膜に傷が付きやすくなってしまうものである。
【0009】また、無機フィラーとして硫酸バリウム
(新モース硬度3、比重4.2〜4.6)を用いる場合
には、硬度は銅やはんだと同等ではあるが、組成物中で
はこの硫酸バリウムが沈み込んでしまって分散しにくく
なり、皮膜形成時に皮膜表面にこの硫酸バリウムの粒子
が現れず、艶消し皮膜を形成することが困難となる。
【0010】また、このような艶消し剤を用いずに、相
溶性の異なる二以上の樹脂を混合した感光性樹脂組成物
を用いることにより、皮膜の艶消しを行うことも提案さ
れているが、組成物の調製時にロールミル等で混練を行
う場合にはこの二以上の樹脂が十分に混練されてしまっ
て皮膜の光沢値を十分に低減させることが困難となる場
合があり、また樹脂成分のみからなる組成物では十分な
皮膜物性を得ることが困難となって、シリカ等の無機フ
ィラーを配合しなければならない場合があり、結局は上
記のような従来の艶消し剤を用いる場合と同様の問題が
発生してしまうものである。
【0011】本発明は上記の点に鑑みて為されたもので
あり、艶消し剤として無機フィラーを配合することによ
り良好な艶消し皮膜を形成することができると共に、こ
の皮膜に適正な硬度を付与して、皮膜と銅やはんだ等と
が接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やはんだ等が削れ
ることによる皮膜への汚れの付着の発生を防止すること
ができ、プリント配線板等のソルダーレジスト形成用途
として用いた場合に、プリント配線板の外観の悪化及び
回路のショート等の不良発生を防止することができる艶
消し皮膜形成用感光性樹脂組成物、この艶消し皮膜形成
用感光性樹脂組成物からなるフォトソルダーレジストイ
ンク、このフォトソルダーレジストインクの硬化皮膜を
備えるプリント配線板、並びに、この艶消し皮膜形成用
感光性樹脂組成物あるいはフォトソルダーレジストイン
クからなるドライフィルムを提供することを目的とする
ものである
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物は、 A.1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性
不飽和基とを有する感光性樹脂、 B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物、 C.新モース硬度が2.5〜4の範囲にあり、比重が3
以下である無機フィラー、 D.光重合開始剤及び E.希釈剤 を含んで成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、無機フィラーCの新モース硬度が2.8〜3.3の
範囲にあることを特徴とするものである。
【0014】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、無機フィラーCが有機化合物で表面処理されて
いることを特徴とするものである。
【0015】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、無機フィラーCの一部又は全部が、
水酸化アルミニウムであることを特徴とするものであ
る。
【0016】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、感光性樹脂Aの一部又は全部が、エ
ポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)と、そ
の他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて
得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性
不飽和化合物(d)と飽和又は不飽和酸無水物(e)と
を反応させて得られるものであることを特徴とするもの
である。
【0017】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、感光性樹脂Aの一部又は全部が、1
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
(c)にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
物(d)と飽和又は不飽和酸無水物(e)とを反応させ
て得られるものであることを特徴とするものである。
【0018】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、感光性樹脂Aの重量平均分子量が、
5000〜100000の範囲にあることを特徴とする
ものである。
【0019】また請求項8のに係るフォトソルダーレジ
ストインクは、請求項1乃至7のいずれかに記載の艶消
し皮膜形成用感光性樹脂組成物から成ることを特徴とす
るものである。
【0020】また請求項9に係るプリント配線板は、請
求項8に記載のフォトソルダーレジストインクの硬化皮
膜を備えて成ることを特徴とするものである。
【0021】また請求項10に係るドライフィルムは、
請求項1乃至9のいずれかに記載の艶消し皮膜形成用感
光性樹脂組成物を乾燥することにより得られる皮膜を支
持体の表面に形成して成ることを特徴とするものであ
る。
【0022】また請求項11に係るドライフィルムは、
請求項10に記載のフォトソルダーレジストインクを乾
燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成し
て成ることを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。尚、本明細書において、(メタ)アクリ−とある
場合は、アクリ−とメタクリ−を総称し、(メタ)アク
リル酸とある場合は、アクリル酸とメタクリル酸を総称
したものである。
【0024】本発明の艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成
物(以下、「組成物」と略称することがある。)は、1
分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和
基とを有する感光性樹脂A、1分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物B、新モース硬度が2.
5〜4の範囲にあり、比重が3以下である無機フィラー
C、光重合開始剤D及び希釈剤Eを必須の成分とするも
のであり、特に無機フィラーCを含有することで、良好
な艶消し皮膜を形成することができると共に、皮膜と銅
やはんだ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やは
んだ等が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生を
防止することができ、プリント配線板等のソルダーレジ
スト形成用途として用いた場合に、プリント配線板の外
観の悪化及び回路のショート等の不良発生を防止するこ
とができるものである。
【0025】すなわち、無機フィラーCを配合すること
によって、本発明の組成物から形成される皮膜の光沢度
を低減して十分な艶消し仕上げを行うことができるもの
であるが、このとき無機フィラーCとして新モース硬度
が2.5〜4の範囲にあるものを配合することにより、
皮膜に適正な硬度を付与することができ、皮膜と銅やは
んだ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やはんだ
等が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生を防止
することができるものである。
【0026】このとき、無機フィラーCの新モース硬度
が2.5に満たない場合には、皮膜の硬度が十分に得ら
れず、特にプリント配線板のソルダーレジスト形成用途
に用いる場合等には、他のプリント配線板等と皮膜とが
接触すると、皮膜が傷付いて外観が悪化し、また回路の
ショートが発生してしまうおそれがある。また無機フィ
ラーCの新モース硬度が4を超える場合には、皮膜の硬
度が高くなりすぎて、皮膜と銅やはんだ等とが接触した
場合に銅やはんだ等が削れ、皮膜にチョークマーク様汚
れと呼ばれる汚れが付着してしまうおそれがある。
【0027】特に無機フィラーCとして、新モース硬度
が2.8〜3.3の範囲にあるものを用いると、上記の
ような皮膜の汚れや傷付きを確実に防止することができ
るものである。
【0028】また、この無機フィラーCとして比重が
3.0以下のものを用いることにより、組成物及びこの
組成物から形成される皮膜中における、無機フィラーC
の沈み込みを防止することができ、皮膜表面に無機フィ
ラーCを露出させて、皮膜の光沢度を十分に低減して良
好な艶消し皮膜を形成することができるものである。こ
のときの無機フィラーCの比重の下限は特に限定されな
いが、フィラーの比重が小さすぎると組成物中でフィラ
ーが分離しやすくなり、保存安定性が悪くなるため、下
限を1.2とすることが好ましい。
【0029】また、この無機フィラーCには、有機化合
物で表面処理を施しておくことが好ましいものであり、
この場合、有機化合物としては、金属アルコキシド類や
その加水分解物、部分加水分解物、加水分解縮合物、部
分加水分解縮合物等、或いは有機ケイ素化合物等を挙げ
ることができる。
【0030】このような無機フィラーCとしては、具体
的には、水酸化アルミニウム、マイカ、水酸化マグネシ
ウム、硫酸マグネシウム等を用いることができる。特
に、無機フィラーCとして新モース硬度3、比重2.4
の水酸化アルミニウムのみを用いるか、或いは無機フィ
ラーCの一部として水酸化アルミニウムを用いる場合に
は、特に艶消し効果が良好となる。このとき水酸化アル
ミニウムは、無機フィラーCの全量に対して好ましくは
30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有さ
せるものである。
【0031】また、この無機フィラーCの一部又は全部
として水酸化アルミニウムを用いる場合には、平均一次
粒子径が0.01〜10μmの範囲の水酸化アルミニウ
ムを用いることが好ましいものであり、平均一次粒子径
がこの範囲に満たないとフィラー表面積が大きくなって
希釈剤等の吸油量が増加し、チクソ性が大きくなりすぎ
て塗布性の低下を招くおそれがあり、この範囲を超える
とロールでの分散性が低下して、組成物の保存安定性や
皮膜の表面平滑性の低下を招くおそれがある。
【0032】またこの無機フィラーCの配合量は、皮膜
に要求される光沢度に応じて適宜の量とすればよく、特
に制限されるものではないが、有機溶剤を除外した組成
物に対して、好ましくは10〜50重量%、特に好まし
くは15〜35重量%配合するものであり、この場合、
特に艶消し性及び表面平滑性を向上することができるも
のである。
【0033】また本発明の組成物中には、上記のような
無機フィラーC以外の充填材は配合しないことが望まし
いが、他の充填材を配合する場合には、モース硬度が4
未満の充填材を、本発明の効果を損なわない程度に配合
するようにしても良い。
【0034】また、本発明のA成分である1分子中にカ
ルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有す
る感光性樹脂について特別な制限はないが、露光の前に
おける感光性樹脂Aに希アルカリ水溶液に対する溶解、
分散又は膨潤性を付与し、また本発明の組成物の塗膜の
露光される部分について、露光の前後で希アルカリ水溶
液に対する溶解、分散又は膨潤性が充分な変化を生じさ
せるためには、前記の通り分子中にカルボキシル基と2
個以上のエチレン性不飽和基とを併有しているものでな
ければならない。感光性樹脂Aにおいてカルボキシル基
に由来する酸価は25〜250mgKOH/gであるこ
とが好ましく、特に好ましくは25〜150mgKOH
/gである。なお、エチレン性不飽和基は、バックボー
ンポリマーに分子末端に或いは側鎖として光重合性のエ
チレン性不飽和基或いは光重合性のエチレン性不飽和結
合を有する基を2個或いは多数導入したものでよい。
【0035】このような感光性樹脂Aとしては、例えば
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)とそ
の他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて
得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性
不飽和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物
(e)とを反応させて得られる感光性樹脂(A−1)、
及び1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物(c)にカルボキシル基を有するエチレン性不飽
和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物(e)と
を反応させて得られる感光性樹脂(A−2)、酸無水物
共重合体(f)とエチレン性不飽和基を有するアルコー
ル(g)とを反応させて得られる感光性樹脂(A−
3)、及びカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化
合物(d)とこれと共重合可能なエチレン性不飽和化合
物(b)とを共重合させて得られる化合物に、エポキシ
基を有するエチレン性不飽和化合物(a)を反応させて
得られる感光性樹脂(A−4)等を挙げることができ、
これらは単独、或いは組み合わせて用いることが可能で
ある。
【0036】1分子中にカルボキシル基と2個以上のエ
チレン性不飽和基とを有する感光性樹脂Aのうち、(A
−1)及び(A−4)で使用される(a)成分であるエ
ポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適
宜のポリマー又はプレポリマーが用いられるが、例えば
アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル
誘導体類、アクリレート又はメタクリレートの脂環エポ
キシ誘導体、及びβ−メチルグリシジルアクリレート又
はβ−メチルグリシジルメタクリレート等を挙げること
ができこれらは単独で又は組み合わせて用いることがで
きる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジルアクリ
レート又はグリシジルメタクリレートを用いるのが好ま
しい。(A−1)及び(A−4)で使用される(b)成
分であるエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリ
マー或いはプレポリマーが用いられ、上記(A−1)に
おいては(a)成分とまた(A−4)においては(d)
成分とそれぞれ共重合可能なエチレン性不飽和単量体で
あればよく、光硬化性の調整及び硬化膜物性の調整のた
めに必要に応じて併用されるが、特に直鎖又は分岐の脂
肪族、芳香族、あるいは脂環族(但し、環中に一部不飽
和結合を有してもよい)のアクリル酸エステル又はメタ
クリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレート又
はヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシアル
キルアクリレート又はアルコキシアルキルメタクリレー
ト、ベンジルアクリレート又はベンジルメタクリレート
等、並びにN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド等のN−置換マレイミド類、スチレン等が
挙げられる。またこれらのものに加えて、必要に応じ
て、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分
子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を用
いることもできる。これらはそれぞれ単独で又は併せて
用いることができる。これら(b)成分は感光性樹脂の
皮膜硬度及び油性の調節、並びに最終的に形成されるレ
ジストの硬度の調節が容易である等の点で特に好適であ
る。
【0037】(A−2)で使用される(c)成分である
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物としては、適宜のエポキシ樹脂や重合系エポキシ化合
物等を単独で又は組み合わせて用いることができる。特
に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000
(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、並びにフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA−ノボラッ
ク型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂等が好
ましく、これらのエポキシ化合物はそれぞれ単独で又は
複数種を組み合わせて用いることができる。
【0038】これらのうち、特にノボラック型エポキシ
樹脂を用いることが好ましい。このノボラック型エポキ
シ樹脂とは、各種フェノール類を塩基性触媒の存在下
で、ホルムアルデヒドと反応させて得られる各種フェノ
ールノボラック樹脂に、エピハロヒドリンを反応させて
得られるものである。このフェノール類としては特に限
定されるものではないが、例えばフェノール、クレゾー
ル、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テ
トラブロムビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビ
フェノール系化合物、ジヒドロキシナフタレン等が挙げ
られる。特に好ましいノボラック型エポキシ樹脂は、具
体的にはフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA
−ノボラック型エポキシ樹脂である。
【0039】(A−1)、(A−2)及び(A−4)で
使用される(d)成分であるカルボキシル基を有するエ
チレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプ
レポリマーが用いられるが、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシ
エチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハ
ク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メ
タクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエ
チルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネ
ート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−
プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキ
シ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイル
オキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイ
ルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイ
ルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロ
イルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のエチレン性
不飽和基を1個のみ有するもの、並びにペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有
する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩
基酸無水物を反応させて得られるもののような、エチレ
ン性不飽和基を複数有するものが挙げられ、これらをそ
れぞれ単独で、又は併せて用いることができる。これら
の中でもカルボキシル基を1個のみ有するものが好まし
く、特にアクリル酸又はメタクリル酸を単独又は併せて
用いる場合やアクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれ
らの混合物を主成分とするのが好ましい。すなわち、ア
クリル酸やメタクリル酸により導入されるエチレン性不
飽和基は光反応性に優れるので、カルボキシル基を有す
るエチレン性不飽和化合物(d)としてアクリル酸やメ
タクリル酸を用いるのが好ましいものである。
【0040】(A−1)及び(A−2)で使用される
(e)成分である飽和あるいは不飽和酸無水物として
は、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水
イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジ
ック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリ
ット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸
無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられ、これら
は単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0041】(A−1)の製造において、エポキシ基を
有するエチレン性不飽和化合物(a)の含有率は、共重
合体の製造に用いられる重合性化合物成分全量中で40
〜95モル%の範囲であることが好ましい。これが40
モル%以上であることで、十分な光硬化性を得ると共
に、パターン形成工程において良好な感度や解像性が得
られ、また最終的に形成されるソルダーレジストのはん
だ耐熱性を更に向上することができる。特に好ましい範
囲は50〜95モル%であり、この範囲では形成される
ソルダーレジストが特に優れたはんだ耐熱性及び耐電蝕
性を示す。
【0042】また、(A−1)の製造において、上記
(a)と(b)とを反応させて得られる共重合体は、公
知の重合方法例えば溶液重合、エマルジョン重合等によ
り得られる。溶液重合で行う場合を例にすると、上記
(a)成分と(b)成分からなるエチレン性不飽和化合
物の混合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤を添加
し、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や共沸重合法等に
より重合を行う。
【0043】上記有機溶剤として、例えばメチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エ
ステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙
げられ、これらは単独で又は混合して用いることができ
る。
【0044】前記重合のための重合開始剤としては、例
えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパー
オキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、
イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイ
ド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパ
ーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等の
アルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられこれ
らは単独で又は組み合わせて用いることができる。ま
た、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤を使用
してもよい。
【0045】また、(A−1)及び(A−2)の製造に
おいて、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
物(d)の配合量は、(A−1)では上記共重合体につ
いて、又(A−2)ではエポキシ化合物(c)につい
て、存在するエポキシ基1モルあたり(d)成分に存在
するカルボキシル基が0.7〜1.2モルになるような
量であることが好ましく、特に好ましくは0.9〜1.
1モルの範囲とするものである。この範囲において感光
性樹脂中におけるエポキシ基の残存量を特に低減して、
予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下での熱硬化反応を抑制
し、露光後の現像性の低下を防止することができると共
に未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化
合物(d)の残存を抑制することができる。
【0046】また、(A−1)及び(A−2)の製造に
おいて、(e)成分は、感光性樹脂に酸価を与え、希ア
ルカリ水溶液による再分散、再溶解性をもたせることを
主たる目的として使用される。その使用量は、該酸無水
物を付加してなる感光性樹脂の酸価が25〜150mg
KOH/gの範囲になるように選択することが好まし
い。酸価が25mgKOH/g以上とすることで良好な
現像性を得ることができ、またこれが150mgKOH
/g以下とすることで熱硬化後のレジスト中の残存カル
ボキシル基を低減し、ソルダーレジストの良好な電気特
性、耐電蝕性及び耐水性等を維持できる。特に酸価が4
0〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得
られる。
【0047】また、(A−1)及び(A−2)の製造に
おいて、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
物(d)及び飽和又は不飽和の酸無水物(e)の付加反
応は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)
の付加反応は、上記共重合体の溶剤溶液に熱重合禁止剤
としてハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチ
ルエーテル等及び触媒としてベンジルジメチルアミン、
トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベン
ジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモ
ニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類もしくは
トリフェニルスチビン等を加え撹拌混合し、常法によ
り、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜
120℃の反応温度で反応させる。飽和又は不飽和多塩
基酸無水物(e)の付加反応も、上記と同様の方法で行
うことができる。
【0048】(A−3)の製造において使用される酸無
水物共重合体(f)としては、例えば、無水マレイン酸
とエチレン性不飽和化合物との共重合体、例えば、スチ
レン−マレイン酸共重合体(例えばアトケム社製SMA
シリーズ等)、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体(例えば、ISP社製ガントレットANシリー
ズ等)、(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸
共重合体、アルファオレフィン−無水マレイン酸共重合
体、無水マレイン酸−無水イタコン酸−その他の不飽和
化合物の共重合体、または無水マレイン酸−その他の不
飽和化合物の共重合体が挙げられ、これらは単独でも組
み合わせても使用できる。
【0049】成分(f)と反応させるエチレン性不飽和
基を有するアルコール(g)としては、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールメタンジ(メタ)アクリレート等が例示さ
れ、これらはそれぞれ単独で又は併せて用いられる。成
分(f)に反応させる(g)の割合は任意の範囲をとる
ことができる。また、これらと併せて不飽和基を有さな
いアルコールを用いてもよい。なお、生成される(A−
3)中に無水カルボン酸が残らないようにすることが望
ましい。例えば、上記アルコール類等の使用量を調節す
ることで無水カルボン酸が残らないようにすることが可
能となる。上記(f)と(g)の反応方法としては、例
えば、エーテル類や芳香族炭化水素類等の適当な溶媒中
で加熱することで得られる。この反応を行う場合、上記
の触媒や重合禁止剤を用いることもできる。
【0050】(A−4)の製造において、上記(b)と
(d)とを反応させて得られる共重合体は、公知の重合
方法、例えば(A−1)の製造に用いたものと同様な方
法を用いて得ることができる。また、この共重合体に、
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)を付
加させる反応も公知の方法を用いることができ、例えば
(A−1)及び(A−2)の製造における(d)成分や
(e)成分の付加反応に用いた方法を採ることができ
る。なお、(A−4)の製造において、エポキシ基を有
するエチレン性不飽和化合物(a)の使用量は、製造さ
れた(A−4)中にカルボキシル基を残して、充分な酸
価が残存する量でなければならない。
【0051】上記のような本発明に使用する感光性樹脂
Aは、好ましくは重量平均分子量が5000〜1000
00、特に好ましくは10000〜50000、更に好
ましくは12000〜30000の範囲であるようにす
る。このような分子量範囲にある感光性樹脂Aを用いる
と、組成物中における無機フィラーCの良好な分散性が
確保されて、無機フィラーCの沈降が更に抑制されて皮
膜表面に無機フィラーCが露出しやすくなり、皮膜の光
沢度を十分に低減することができる。特に、感光性樹脂
Aとして既述の(A−2)を用いる場合には、1分子中
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)
として、ノボラック型エポキシ樹脂を用いると、上記の
ような分子量範囲の感光性樹脂Aを得ることができて、
好ましい。
【0052】また、本発明に使用する感光性樹脂A(例
えば(A−1)乃至(A−4))に関しては、単独或い
は組み合わせて使用できるが、その配合量は、感光性樹
脂組成物の良好な感度及び作業特性並びに最終的に形成
されるレジストの良好な物性を確保するために、同時に
配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂
組成物の成分全量中で10〜80重量%であることが望
ましい。
【0053】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物Bとしては、溶剤難溶性エポキシ化合
物、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等が挙げられ、こ
れらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特
に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000
(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフ
ェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。
感光性樹脂組成物中におけるB成分の配合量は、同時に
配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂
組成物の成分全量中で0.1〜50重量%であることが
望ましく、0.1重量%以上とすることで硬化塗膜の耐
はんだ性、耐めっき性等を更に向上することができ、ま
た50重量%以下とすることで現像性を更に向上するこ
とができる。
【0054】光重合開始剤Dとしては、例えば、ベンゾ
インとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、ベン
ジルジメチルケタール等のアセトフェノン類、2−メチ
ルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメ
チルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピ
ルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
トン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4−ベン
ゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾ
フェノン類、2,4−ジイソプロピルキサントン等のキ
サントン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含むも
の、及び(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェ
ニルホスフィンオキシド等が挙げられ、これらはp−ジ
メチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安
息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチル
ベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進
剤及び増感剤等と併用しても良い。また、可視光、近赤
外線露光用等の光重合開始剤も使用可能である。これら
の光重合開始剤は、各々単独で、又は複数種を適宜互い
に組み合わせて配合される。
【0055】尚、例えばレーザ露光法用増感剤として7
−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘
導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系
等を適宜選択することもでき、また本発明の感光性樹脂
組成物を可視光又は近赤外線硬化性のものとすることが
できる。
【0056】感光性樹脂組成物中における光重合開始剤
Dの配合量は、光硬化性と得られるソルダーレジストの
物性の良好なバランスを得るために、同時に配合される
希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成
分全量中で0.1〜30重量%であることが望ましい。
【0057】希釈剤Eとしては、光重合性化合物又は有
機溶剤を単独で又は併せて使用することができる。上記
光重合性化合物として、適宜のポリマー或いはプレポリ
マーが用いられるが、例えば、2−ヒドロキシエチルア
クリレート等の単官能アクリレート、並びにジエチレン
グリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート等の多官能アクリレート或いはこれらに
対応するメタクリレートが挙げられる。光重合性化合物
は各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用する
ことができる。任意成分としてこれらの光重合性化合物
を使用する場合、その好適配合量の範囲は0.05〜4
0重量%である、また既述のようにこの光重合性化合物
と化合物Cとの総量が、希釈剤E中の有機溶剤を除外し
た感光性樹脂組成物の成分全量中で、0.05〜40重
量%、特に0.5〜25重量%であることが好ましいも
のである。
【0058】また、上記有機溶剤としては、例えばエタ
ノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分
岐、2級あるいは多価のアルコール類、及びメチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリー
ズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソ
ン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤及びセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、及びカ
ルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、
及びプロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレ
ングリコールアルキルエーテル類、及びジプロピレング
リコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコール
アルキルエーテル類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セ
ロソルブアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキ
ルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは各々単
独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することがで
きる。
【0059】上記光重合性化合物は、感光性樹脂A等を
希釈し、塗布し易い状態にすると共に酸価を調整し、光
重合性を与える。また、上記有機溶剤は、感光性樹脂A
等を溶解、希釈し、液状として塗布可能にすると共に乾
燥により造膜させる。
【0060】尚、上記希釈剤Eとして光重合性化合物等
の光重合性を有する成分は感光性樹脂組成物に必ずしも
配合する必要はないが、配合する場合におけるその合計
量は、希釈剤Eとして同様に配合されている有機溶剤を
除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で50重量%以
下であることが望ましく、これにより、乾燥塗膜の表面
粘着性が強くなり過ぎるのを抑制して、パターンを描い
たネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接当てがって露光
するときにネガマスクの汚損等を防止することができ
る。
【0061】一方、上記光重合性化合物と同様に希釈剤
Eとして用いられる有機溶剤は本発明の希アルカリ水溶
液で現像可能な感光性樹脂組成物の必須成分であり、仮
乾燥時に速やかに揮散し、乾燥塗膜に残存しないように
選択する必要がある。感光性樹脂組成物中における有機
溶剤の配合量は、特に限定するものではないが、組成物
の成分全量中で5〜99.5重量%配合することが望ま
しく、これにより感光性樹脂組成物の良好な塗布性を維
持することができる。尚、その好適な配合量は塗布方法
により異なるので、該塗布方法に応じて適宜調節する必
要がある。
【0062】本発明の感光性樹脂組成物には、上記各成
分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸
エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネー
ト、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロッ
クドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラ
ミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹
脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミ
ン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分、及び紫
外線硬化性エポキシアクリレート又は紫外線硬化性エポ
キシメタクリレート、例えばビスフェノールA型、フェ
ノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型
エポキシ樹脂にアクリル酸又はメタクリル酸を付加した
もの、ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物
を適宜加えることができる。
【0063】また上記感光性樹脂組成物には、必要に応
じて、エポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤類及び着色
剤、シリコーンやアクリレート共重合体、レベリング
剤、及びシランカップリング剤等の密着性付与剤、チク
ソトロピー剤、重合禁止剤、ハレーション防止剤、難燃
剤、消泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤及び分散安定性
を向上させるための界面活性剤や高分子分散剤等を数重
量部加えても良い。
【0064】本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、各
配合成分及び添加剤等を三本ロール、ボールミル、サン
ドミル等を用いる公知の混練方法によって調製される。
その場合に、上記A〜Eの成分の内の一部、例えばE成
分の一部及びB成分を予め混合して分散させておき、こ
れとは別にA、D、E及びC成分の一部を予め混合して
分散させておき、使用時に本発明の感光性樹脂組成物の
配合組成になるように混合調製する方法を採っても良
い。上記感光性樹脂組成物をレジストインクとして使用
して基板上へレジストパターンを形成する方法は特に限
定されない。その中で最も一般的な方法を例示すれば以
下の通りである。
【0065】例えば、基板上に感光性樹脂組成物(レジ
ストインク)を浸漬法、スプレー、スピンコーター、ロ
ールコーター、カーテンコーター又はスクリーン印刷等
により塗布した後、希釈剤たる有機溶剤を揮発させるた
めに例えば60〜120℃で予備乾燥を行なう。次にパ
ターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接又
は間接的に当てがい、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中
圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ
又はメタルハライドランプ等を用いて紫外線等を照射し
て露光した後、現像によりパターンを形成し、さらに例
えば120〜180℃で30〜90分程度の加熱により
エポキシ化合物を硬化させることでレジストの皮膜強
度、硬度及び耐薬品性等を向上させるのである。
【0066】上記現像工程で使用されるアルカリ溶液と
しては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、
炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭
酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、
水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸
化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などを例
示することができる。また、上記アルカリ以外でもモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機ア
ミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合
わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒
としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコー
ル類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも
可能である。
【0067】また、本発明の感光性樹脂組成物を支持体
の表面に成膜していわゆるドライフィルムレジストと
し、支持体とドライフィルムレジストとからなるドライ
フィルムを形成することもできる。この場合、膜の厚さ
は10〜100μmとすることが好ましく、支持体とし
ては好ましくはポリエチレンテレフタレート等の厚さ5
〜100μmのフィルムが用いられる。感光性樹脂組成
物の皮膜は好ましくは支持体フィルム上に感光性樹脂組
成物を塗布乾燥等することにより形成される。
【0068】
【実施例】下記に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記
に示される「部」及び「%」は、全て重量基準である。
【0069】〔合成例1〕還流冷却器に、温度計、窒素
置換用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコ
に、グリシジルメタクリレート70部、メチルメタクリ
レート30部、カルビトールアセテート100部、ラウ
リルメルカプタン0.2部、アゾビスイソブチロニトリ
ル3部を加え、窒素気流下で加熱、攪拌しつつ80℃に
おいて5時間重合を行い、50%共重合体溶液を得た。
次に、上記50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.
05部、アクリル酸37部、ジメチルベンジルアミン
0.2部、を加えて100℃で24時間付加反応を行
い、続いて、無水テトラヒドロフタル酸45部、カルビ
トールアセテート79部を加え、100℃で3時間反応
させ、上記(A−1)成分に相当する、重量平均分子量
14000の感光性樹脂の50%溶液(A−1−1)を
得た。
【0070】〔合成例2〕エピクロンN−680(大日
本インキ化学工業株式会社製のクレゾールノボラック型
樹脂、エポキシ当量214)214部をカルビトールア
セテート60部に溶解させたものに、攪拌しながらアク
リル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベ
ンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100
℃で24時間反応させた。この反応液にカルビトールア
セテート95部を加え、攪拌し、エポキシアクリレート
溶液を得た。続いて、テトラヒドロフタル酸無水物76
部、およびカルビトールアセテート87部を加えて10
0℃で3時間反応させ、上記(A−2)成分に相当す
る、重量平均分子量9000の感光性樹脂の50%溶液
(A−2−1)を得た。
【0071】〔実施例1乃至12及び比較例1乃至5〕
上記合成例で生成された感光性樹脂溶液に、表1に示す
各配合組成の配合成分を3本ロールで混練し、実施例1
乃至12及び比較例1乃至5の希アルカリ水溶液で現像
可能な液状感光性樹脂組成物を得た。各感光性樹脂組成
物及びそれにより最終的にソルダーレジストの形成され
たプリント配線板の各性能を下記の試験方法で評価し
た。
【0072】
【表1】
【0073】(注1)チバガイギー社製の光重合開始剤 (注2)日本化薬社製の光重合開始剤 (注3)モンサント社製のレベリング剤 (注4)丸善石油社製の芳香族系溶剤 各感光性樹脂組成物により製造されるプリント配線板の
性能を確認するため、順次下記I〜Vの工程を経ること
によりテストピースを作成した。
【0074】<I.塗布工程>感光性樹脂組成物を、厚
み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積
層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成して
おいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により
塗布し、基板表面にレジストインク層を形成させた。
【0075】<II.予備乾燥工程>塗布工程の後、基板
表面のレジストインク層中の溶剤を揮発させるために8
0℃で予備乾燥を20分行ない、膜厚20μmの乾燥塗
膜を得た。
【0076】<III.露光工程>その後、パターンを描
いたマスクを乾燥塗膜表面に直接当てがうとともに各感
光性樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射し、
基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
【0077】<IV.現像工程>露光工程後の乾燥塗膜に
おいて、選択的に未露光となっている部分を、炭酸ナト
リウム水溶液を現像液として現像することにより除去
し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成
させた。
【0078】<V.ポストベーク工程>現像工程で得ら
れた、露光硬化された乾燥塗膜のパターンが形成されて
いる基板を150℃で30分間加熱し、乾燥塗膜の硬化
を行い、テストピースを得た。
【0079】上記工程で得られたテストピースについて
以下の評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】−解像性− 線幅及び線間が共に40μmの同心円で構成されるマス
クパターンによって形成されるレジストパターンの形成
状態を観察した。
【0081】解像性の評価方法は次の通りである。 ×:パターンが形成されなかった。 △:パターンは形成されているが、その一部にわずかに
樹脂残り又は欠落があった。 ○:パターンは形成されるが、線間、線幅の一定性にわ
ずかにむらがあった。 ◎:シャープなパターンを得ることができた。
【0082】−乾燥塗膜の指触粘着性− 露光工程においてパターンを描いたマスクを乾燥塗膜表
面に直接当てがうとともに各感光性樹脂組成物における
最適露光量の紫外線を照射した後、パターンを描いたマ
スクを取り外すときの粘着の状態及び乾燥塗膜の指触粘
着性を、下記の評価基準により評価した。 ×:マスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマス
クパターンが毀損した。指触によっても顕著な粘着を感
じた。 △:マスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると
共に、乾燥塗膜上にマスクの貼付痕が認められた。ま
た、指触によってもわずかな粘着を感じた。 ○:マスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、
乾燥塗膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。ま
た、指触によってもかすかに粘着を感じた。 ◎:マスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼
付痕もなかった。また、指触によっても全く粘着を感じ
なかった。
【0083】−鉛筆硬度− 鉛筆硬度は、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、
JIS K 5400に準拠して測定して評価した。
【0084】−密着性− JIS D−0202の試験方法に従って、テストピー
スに碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘
着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視
により次の基準に従い判定した。 ◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変
化が見られない。 ○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに
浮きを生じた。 △:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に
剥がれを生じた。 ×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇
所に剥がれを生じた。
【0085】−はんだ耐熱性− フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンド
ンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテス
トピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃
の溶融はんだ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。こ
のサイクルを1回あるいは5回おこなった後の表面白化
の程度を観察した。また、クロスカットによるセロハン
粘着テープ剥離試験をJIS D 0202に準拠して
行い、密着状態の変化を観察した。
【0086】表面白化の評価方法は次の通りである。 ×:著しく白化した。 △:白化が認められた。 ○:僅かに白化が認められた。 ◎:異常を生じなかった。
【0087】また密着性の評価方法は次の通りである。 ×:クロスカット試験をするまでもなく、レジストの膨
れ又は剥離を生じた。 △:テープ剥離時にクロスカット部分に剥離が生じた。 ○:テープ剥離時にクロスカット部分に僅かに剥離が生
じた。 ◎:クロスカット部分の剥離を生じなかった。
【0088】−耐溶剤性− 室温において1時間、2−プロパノール及び1,1,1
−トリクロロエタン中に浸漬し、基板を観察して評価し
た。
【0089】耐溶剤性の評価方法は次の通りである。 ○:異常を生じないもの。 △:僅かに変化が見られるもの。 ×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0090】−耐酸性− 室温において1時間、10%の塩酸に浸漬し、基板を観
察して評価した。
【0091】耐酸性の評価方法は次の通りである。 ○:異常を生じないもの。 △:僅かに変化が見られるもの。 ×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0092】−耐金めっき性− 市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴
を用いて、テストピースのめっきを行い、めっきの状態
及び塗膜の密着状態を観察した。
【0093】耐金めっき性の評価方法は次の通りであ
る。 ◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、めっきの潜り込
みのいずれについても全くなかった。 ○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生
じなかったが。レジスト の末端部分において、極めてわずかながら、めっきの潜
り込みがみられた。 △:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が見ら
れるもの。 ×:塗膜の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が見られ
るもの。
【0094】−耐電蝕性− テストピースに代えて、IPC B−25のくし型電極
Bクーポンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、く
し電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、40
℃、90%R.H.の条件下にて500時間後のマイグ
レーションの有無を確認して評価した。
【0095】耐電蝕性の評価方法は次の通りである。 ○:全くマイグレーションが確認できないもの。 △:ほんの僅かにマイグレーションが確認できるもの。 ×:マイグレーションが発生しているもの。
【0096】−光沢度− 各テストピースについて、JIS Z8741による入
射角60°での鏡面光沢度を、株式会社堀場製作所製
「GLOSS CHECKER」を用いて測定した。
【0097】−チョークマーク様汚れ− 各実施例及び比較例について、上記はんだ耐熱性試験を
1回行った後のテストピースをそれぞれ2枚用意し、そ
のうち一方のテストピースの角にて、他方のテストピー
スのレジスト形成面を一定のの強さで擦り、この擦られ
た部分の外観を観察して評価を行った。
【0098】チョークマーク様汚れの評価方法は次の通
りである。 ×:レジスト自体に深い傷が生じた。 △:チョークマーク様の汚れが認められた。 ○:僅かにチョークマーク様の汚れが認められた。 ◎:チョークマーク様の汚れは全く生じなかった。
【0099】尚、図1,2は、各評価に対応するレジス
ト表面のチョークマーク様の汚れの様子を示すものであ
り、図1(a)は評価「×」、図1(b)は評価
「△」、図2(a)は評価「○」、図2(b)は評価
「◎」のものにそれぞれ対応するものである。
【0100】−経時安定性試験− 各実施例及び比較例にて得られた液状感光性樹脂組成物
を、それぞれ同量のカルビトールアセテートで均一に希
釈し、40℃で静置保存して、組成物の経時安定性を試
験した。
【0101】経時安定性の評価方法は次の通りである。 ◎:2ヶ月間保存後においても全く変化がなかった。 ○:2ヶ月間の保存で、フィラー成分が僅かに沈殿を生
じていた。 △:1週間の保存で、フィラー成分の分離沈殿が生じて
いた。 ×:24時間の保存で、フィラー成分の分離沈殿が生じ
ていた。
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】上記のように本発明に係る艶消し皮膜形
成用感光性樹脂組成物は、 A.1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性
不飽和基とを有する感光性樹脂、 B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物、 C.新モース硬度が2.5〜4の範囲にあり、比重が3
以下である無機フィラー、 D.光重合開始剤及び E.希釈剤 を含むため、表面を艶消しにした良好な艶消しレジスト
皮膜を形成することができて、プリント配線板のソルダ
ーレジスト皮膜の形成に好適に用いられ、はんだリフロ
ー時における、ソルダーレジスト皮膜へのはんだ付着を
原因とするはんだブリッジ発生の防止等を行うことがで
きるものであり、更にこの皮膜に適正な硬度を付与し
て、皮膜と銅やはんだ等とが接触した場合の皮膜の傷付
きや、銅やはんだ等が削れることによる皮膜への汚れの
付着の発生を防止することができ、プリント配線板等の
ソルダーレジスト形成用途として用いた場合に、プリン
ト配線板の外観の悪化及び回路のショート等の不良発生
を防止することができるものであり、しかも、分散剤等
を配合することなく、無機フィラーCの沈降を防止する
ことができて、皮膜表面に無機フィラーCを露出させ、
皮膜の光沢度を十分に抑制することができるものであ
る。
【0104】また、無機フィラーCの新モース硬度が
2.8〜3.3の範囲であると、皮膜の硬度を更に適正
化して、皮膜と銅やはんだ等とが接触した場合の皮膜の
傷付きや、銅やはんだ等が削れることによる皮膜への汚
れの付着の発生を、更に確実に防止することができるも
のである。
【0105】また、無機フィラーCの一部又は全部が、
水酸化アルミニウムであると、得られる皮膜の艶消し性
が特に良好なものとなるものである。
【0106】また、感光性樹脂Aの重量平均分子量が、
5000〜100000の範囲にあると、組成物中にお
ける無機フィラーCの良好な分散性が確保されて、無機
フィラーCの沈降が更に抑制され、皮膜表面に無機フィ
ラーCが露出しやすくなり、皮膜の光沢度を更に低減す
ることができるものである。
【0107】また、本発明に係るフォトソルダーレジス
トインクは、上記のような艶消し皮膜形成用感光性樹脂
組成物から成るため、表面を艶消しにした良好な艶消し
レジスト皮膜を形成することができて、プリント配線板
のソルダーレジスト皮膜の形成に好適に用いられ、はん
だリフロー時における、ソルダーレジスト皮膜へのはん
だ付着を原因とするはんだブリッジ発生の防止等を行う
ことができるものであり、更にこの皮膜に適正な硬度を
付与して、皮膜と銅やはんだ等とが接触した場合の皮膜
の傷付きや、銅やはんだ等が削れることによる皮膜への
汚れの付着の発生を防止することができ、プリント配線
板等のソルダーレジスト形成用途として用いた場合に、
プリント配線板の外観の悪化及び回路のショート等の不
良発生を防止することができるものであり、しかも、分
散剤等を配合することなく、無機フィラーCの沈降を防
止することができて、皮膜表面に無機フィラーCを露出
させ、皮膜の光沢度を十分に抑制することができるもの
である。
【0108】また本発明に係るプリント配線板は、上記
のようなフォトソルダーレジストインクの硬化皮膜を備
えるため、この硬化皮膜は表面を艶消しにした良好な艶
消しレジスト皮膜となり、はんだリフロー時における、
ソルダーレジスト皮膜へのはんだ付着を原因とするはん
だブリッジ発生の防止等を行うことができるものであ
り、更にこの皮膜に適正な硬度を付与して、皮膜と銅や
はんだ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やはん
だ等が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生を防
止することができ、外観の悪化及び回路のショート等の
不良発生を防止することができるものであり、しかも、
分散剤等を配合することなく、無機フィラーCの沈降を
防止することができて、皮膜表面に無機フィラーCを露
出させ、皮膜の光沢度を十分に抑制することができるも
のである。
【0109】また本発明に係るドライフィルムは、上記
のような艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物を乾燥する
ことにより得られる皮膜を支持体の表面に形成するた
め、表面を艶消しにした良好な艶消しレジスト皮膜を形
成することができて、プリント配線板のソルダーレジス
ト皮膜の形成に好適に用いられ、はんだリフロー時にお
ける、ソルダーレジスト皮膜へのはんだ付着を原因とす
るはんだブリッジ発生の防止等を行うことができるもの
であり、更にこの皮膜に適正な硬度を付与して、皮膜と
銅やはんだ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅や
はんだ等が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生
を防止することができ、プリント配線板等のソルダーレ
ジスト形成用途として用いた場合に、プリント配線板の
外観の悪化及び回路のショート等の不良発生を防止する
ことができるものであり、しかも、分散剤等を配合する
ことなく、無機フィラーCの沈降を防止することができ
て、皮膜表面に無機フィラーCを露出させ、皮膜の光沢
度を十分に抑制することができるものである。
【0110】また本発明に係るドライフィルムは、上記
のようなフォトソルダーレジストインクを乾燥すること
により得られる皮膜を支持体の表面に形成するため、表
面を艶消しにした良好な艶消しレジスト皮膜を形成する
ことができて、プリント配線板のソルダーレジスト皮膜
の形成に好適に用いられ、はんだリフロー時における、
ソルダーレジスト皮膜へのはんだ付着を原因とするはん
だブリッジ発生の防止等を行うことができるものであ
り、更にこの皮膜に適正な硬度を付与して、皮膜と銅や
はんだ等とが接触した場合の皮膜の傷付きや、銅やはん
だ等が削れることによる皮膜への汚れの付着の発生を防
止することができ、プリント配線板等のソルダーレジス
ト形成用途として用いた場合に、プリント配線板の外観
の悪化及び回路のショート等の不良発生を防止すること
ができるものであり、しかも、分散剤等を配合すること
なく、無機フィラーCの沈降を防止することができて、
皮膜表面に無機フィラーCを露出させ、皮膜の光沢度を
十分に抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソルダーレジスト皮膜の外観を示すデジタル画
像をプリントアウトしたものであり、(a)はチョーク
マーク様汚れの評価試験においてレジスト自体に深い傷
が生じて評価が「×」となるもの、(b)はチョークマ
ーク様の汚れが認められて評価が「△」となるものを示
す。
【図2】ソルダーレジスト皮膜の外観を示すデジタル画
像をプリントアウトしたものであり、(a)はチョーク
マーク様汚れの評価試験において僅かにチョークマーク
様の汚れが認められて評価が「○」となるもの、(b)
はチョークマーク様の汚れは全く生じず評価が「◎」と
なるものを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/027 515 7/027 515 H05K 3/28 H05K 3/28 D // C08L 63:00 C08L 63:00 C Fターム(参考) 2H025 AA04 AA13 AB11 AB15 AC01 AD01 BC13 BC42 BC53 BC74 BC85 BC86 BC92 CA00 CC08 CC12 CC17 4F071 AA33 AA42 AA76 AB18 AE17 AF32 AH12 BB02 BC01 4J036 AA01 AK11 HA02 JA09 JA10 5E314 AA27 AA32 AA42 AA49 BB02 BB11 BB12 CC01 FF05 FF19 GG02 GG03 GG22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.1分子中にカルボキシル基と2個以上
    のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂、 B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
    化合物、 C.新モース硬度が2.5〜4の範囲にあり、比重が3
    以下である無機フィラー、 D.光重合開始剤及び E.希釈剤 を含んで成ることを特徴とする艶消し皮膜形成用感光性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機フィラーCの新モース硬度が2.8
    〜3.3の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載
    の艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機フィラーCが有機化合物で表面処理
    されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の艶
    消し皮膜形成用感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機フィラーCの一部又は全部が、水酸
    化アルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 感光性樹脂Aの一部又は全部が、エポキ
    シ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)と、その他
    のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得ら
    れる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽
    和化合物(d)と飽和又は不飽和酸無水物(e)とを反
    応させて得られるものであることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の艶消し皮膜形成用感光性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 感光性樹脂Aの一部又は全部が、1分子
    中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    (c)にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
    物(d)と飽和又は不飽和酸無水物(e)とを反応させ
    て得られるものであることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の艶消し皮膜形成用感光性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 感光性樹脂Aの重量平均分子量が、50
    00〜100000の範囲にあることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の艶消し皮膜形成用感光性
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の艶消
    し皮膜形成用感光性樹脂組成物から成ることを特徴とす
    るフォトソルダーレジストインク。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のフォトソルダーレジス
    トインクの硬化皮膜を備えて成ることを特徴とするプリ
    ント配線板。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の艶
    消し皮膜形成用感光性樹脂組成物を乾燥することにより
    得られる皮膜を支持体の表面に形成して成ることを特徴
    とするドライフィルム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のフォトソルダーレ
    ジストインクを乾燥することにより得られる皮膜を支持
    体の表面に形成して成ることを特徴とするドライフィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008020632A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板
JP2014178708A (ja) * 2014-06-03 2014-09-25 Taiyo Holdings Co Ltd 光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
CN109541887A (zh) * 2017-09-21 2019-03-29 株式会社田村制作所 感光性树脂组合物的光固化膜以及具有该光固化膜的印刷电路板

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