JP3697216B2 - 感光性樹脂組成物、フォトソルダーレジストインク、プリント配線板及びドライフィルム - Google Patents

感光性樹脂組成物、フォトソルダーレジストインク、プリント配線板及びドライフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性及び熱硬化性を有する希アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物、この感光性樹脂組成物からなるフォトソルダーレジストインク及びプリント配線板、並びにこの感光性樹脂組成物又はフォトソルダーレジストインクからなるドライフィルムに関するものであり、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性の低減、はんだ耐熱性等の耐熱性の向上及び耐金めっき性の向上を図ることができ、プリント配線板の製造のために好適に用いることができるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用及び産業用の各種プリント配線板の導体パターンの微細化、高密度化に伴い、ソルダーレジスト形成もより優れた解像性及び寸法精度等を求められるようになった。そのため今日では、スクリーン印刷法に替わり液状のフォトソルダーレジストインクを用いる方法が行われている。これらフォトソルダーレジストは、一般的に、プリント基板上に塗布した後、紫外線等により必要部位を硬化させ、また不必要部位を現像により除去する。そしてはんだリフロー法等によって、実装部品を実装するものである。
【0003】
このようなフォトソルダーレジストインクは、基板密着性、耐薬品性、電気特性、耐金めっき性、はんだ耐熱性、耐電蝕性等の特性を満足させる必要があり、このような特性を有する、フォトソルダーレジストインクに適用できる感光性樹脂組成物として、特開平8−211611号公報に開示されているものが提案されている。この従来技術における感光性樹脂組成物は、分子中に1個のみエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物40〜100mol%とその他のエチレン性不飽和化合物0〜60mol%を重合させて得られるエポキシ基含有重合体と、光開始剤と、希釈剤と、カルボキシル基及び光重合可能なエチレン性不飽和基を有し且つ希アルカリ溶液で溶解又は分解可能な感光性樹脂とからなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなフォトソルダーレジストインクは更なる性能向上が求められており、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性の低減や、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上が求められるようになってきている。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができる感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物、この感光性樹脂組成物からなるフォトソルダーレジストインク及びプリント配線板、並びにこの感光性樹脂組成物又はフォトソルダーレジストインクからなるドライフィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、
A.1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂、
B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
C.エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と他のエチレン性不飽和化合物をこの化合物全量中におけるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の割合が10mol%以上40mol%未満となる範囲で重合させて得られるエポキシ樹脂含有重合体、
D.光重合開始剤及び
E.希釈剤
を含んで成ることを特徴とするものである。
【0007】
上記エポキシ基含有重合体Cは、分子中に芳香環部分を4〜70重量%含有することが好ましい。
【0008】
また、上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート及び(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートから選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
【0009】
また、エポキシ基含有共重合体Cを、希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で1〜50重量%含有することも好ましい。
【0010】
また、上記感光性樹脂Aの一部又は全部が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)と、その他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることが好ましい。
【0011】
また、感光性樹脂Aの一部又は全部が、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることも好ましい。
【0012】
また、本発明に係るフォトソルダーレジストインクは、上記のような感光性樹脂組成物から成ることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係るプリント配線板は、上記のフォトソルダーレジストインクから形成される硬化皮膜を備えて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係るドライフィルムは、上記のような感光性樹脂組成物を乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成して成ることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係るドライフィルムは、上記のフォトソルダーレジストインクを乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において、(メタ)アクリ−とある場合は、アクリ−とメタクリ−を総称し、(メタ)アクリル酸とある場合は、アクリル酸とメタクリル酸を総称したものである。
【0017】
本発明の感光性樹脂組成物は、1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂A、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物B、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と他のエチレン性不飽和化合物を単量体全量中におけるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の割合が10mol%以上40mol%未満となる範囲で重合させて得られるエポキシ樹脂含有重合体C、光重合開始剤D及び希釈剤Eを必須の成分とするものであり、特にエポキシ樹脂含有重合体Cを含有することで、ソルダーレジスト形成用途として好適な優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性、はんだ耐熱性及び耐金めっき性が優れるものである。
【0018】
エポキシ樹脂含有重合体Cは、熱硬化性エポキシ化合物としての作用を有し、感光性樹脂組成物中のカルボキシル基を熱硬化により封鎖すると共にソルダーレジストの架橋密度を高くして最終的に形成されるソルダーレジストを熱的、化学的に安定にし、半田耐熱性、耐薬品性、耐電蝕性及び耐金めっき性等を向上させる効果を有する。また、この熱硬化性エポキシ成分として配合されるエポキシ樹脂含有重合体Cは、組成物中で感光性樹脂及び希釈剤等と相溶し、また乾燥塗膜中ではカルボキシル基を有する感光性樹脂成分と相溶性良好であるにもかかわらず、予備乾燥条件下においての熱硬化による現像性及び解像性不良の問題は生じない。この詳細な理由は明らかではないが、前記感光性樹脂組成物の乾燥塗膜中では、カルボキシル基を有する感光性樹脂成分とエポキシ基含有重合体Cは、見かけ上は相溶性良好であるが微細なレベルでは非相溶性を呈し、予備乾燥条件下においては相互に反応するのが困難な程度に各成分の境界が明確なドメイン構造を有しているためであるとの一応の推定が可能である。
【0019】
このため、本発明に係る感光性樹脂組成物は、予備乾燥皮膜形成後の熱硬化過程においてエポキシ化合物の熱硬化によるソルダーレジストの被膜強度、硬度、耐薬品性、耐金めっき性及び耐電蝕性等の向上が十分に達成され、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性の低減、はんだ耐熱性の向上及び耐金めっき性の向上が著しく優れるものである。
【0020】
また、このエポキシ樹脂含有重合体Cとして、分子中に芳香環部分を有すると共に、エポキシ樹脂含有重合体C全量に対するエポキシ樹脂含有重合体C中の芳香環部分の全量の割合が、4〜70重量%であると、半田耐熱性及び耐金めっき性を更に向上することができるようになる。このとき、前記の芳香環部分の割合が4重量%以上となることで、半田耐熱性及び耐金めっき性に著しい向上がみられるものであり、またこの割合が70重量%を超えると、エポキシ樹脂含有重合体C中に十分な量のエポキシ基を確保することができなくなると共に組成物中での相溶性も悪化するおそれがある。また特に好ましくは、前記の割合を4〜50重量%の範囲とするものである。
【0021】
ここで、芳香環部分とは、ベンゼン環、縮合ベンゼン環、非ベンゼン系芳香環及び複素芳香環等の、芳香族に属する環を含む部分を意味するものであり、これらの環に結合したアルキル基等の置換基は含まず、これらの環を構成する炭素に結合する水素は含むものである。
【0022】
前記エポキシ基含有重合体Cは、分子中にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和化合物との共重合体である。
【0023】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のモノマー又はプレポリマーが用いられるが、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、(メタ)アクリレート等の脂環エポキシ誘導体、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート及びモノアリルグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で、或いは複数種を組み合わせて用いることができる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0024】
分子中にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能なエチレン性不飽和化合物は、エポキシ基含有重合体Cの被膜硬度調節等のために併用され、この成分としては、適宜のモノマー又はプレポリマーが用いられるが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐の脂肪族又は脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有しても良い)の(メタ)アクリル酸エステル、及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールエステル系(メタ)アクリレート、及び同様なプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ブチレングリコール系モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等、及びベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族系の(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ターシャリーブチル(メタ)アクリルアミド、N−ターシャリーオクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系化合物、及びビニルピロリドン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。またこれらのものに加えて、必要に応じてポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を用いることもできる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。それらの中でも、直鎖又は分岐の脂肪族又は脂環族の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが、現像幅の調節等のために特に好適である。
【0025】
また、特にエポキシ基含有重合体Cとして、芳香環部分を有するものを得る場合には、エチレン性不飽和化合物のうちの一部又は全部として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のような、芳香環部分を有するものを用いることができる。このうち、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。
【0026】
上記エポキシ基含有重合体Cは、公知の重合方法、例えば溶液重合やエマルジョン重合等により得られる。溶液重合を用いる場合について説明すれば、例えば、分子中に1個のみのエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を含む単量体成分を、適当な有機溶剤中で重合開始剤を添加して、窒素気流下に加熱撹拌する方法や沸点重合法等により重合させる工程を採用することができる。
【0027】
前記有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。
【0028】
前記重合のための重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられこれらは単独で又は組み合わせて用いることができる。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤を使用してもよい。
【0029】
エポキシ基含有重合体Cを構成するための、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と他のエチレン性不飽和化合物の全量中における、分子中にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の含有量は、10mol%以上40mol%未満の範囲であることが必要であり、好ましくは20〜36mol%である。この範囲において、予備乾燥皮膜の指触粘着性、半田耐熱性及び耐金めっき性が優れたものとなる。この含有量が40mol%以上である場合ではこれらの効果が上記範囲の場合と比べて劣ったものとなってしまい、また含有量が10mol%未満の場合は熱硬化性が不足し、最終的なソルダーレジストの所期の物性、特に半田耐熱性及び耐電蝕性の向上が十分でない。
【0030】
なお、エポキシ基含有重合体C中のエポキシ基の一部が、例えば(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸、安息香酸等のカルボキシル基を有する化合物、或いはイソシアネート系化合物等と反応させられていても良いが、その場合でも、エポキシ基含有重合体C中における分子中にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物に対応した構成部分中でエポキシ基の残存したものが単量体換算で10mol%以上40mol%未満存在することが必要である。
【0031】
本発明に使用するエポキシ基含有重合体Cの重量平均分子量は2000〜200000であることが望ましい。また、本発明に使用するエポキシ基含有重合体Cにおいて、特にパターン形成工程における現像性及び解像性等と最終的に得られるソルダーレジストの物性のバランスの特に良い範囲は、分子中にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、特にグリシジル(メタ)アクリレートの配合量が70〜100モル%であり、且つ重量平均分子量が2000〜40000の場合である。
【0032】
感光性樹脂組成物中におけるエポキシ基含有重合体Cの配合量は特に制限されないが、予備乾燥皮膜の指触粘着性、はんだ耐熱性及び耐金めっき性を十分に改善すると共に、良好な熱硬化性を得るためには、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した成分全量に対して1〜50重量%であることが望ましく、特に1〜40重量%の範囲において最適な効果が得られる。
【0033】
また、本発明のA成分である1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂について特別な制限はないが、露光の前における感光性樹脂Aに希アルカリ水溶液に対する溶解、分散又は膨潤性を付与し、また本発明の組成物の塗膜の露光される部分について、露光の前後で希アルカリ水溶液に対する溶解、分散又は膨潤性が充分な変化を生じさせるためには、前記の通り分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを併有しているものでなければならない。感光性樹脂Aにおいてカルボキシル基に由来する酸価は25〜250mgKOH/gであることが好ましく、特に好ましくは25〜150mgKOH/gである。なお、エチレン性不飽和基は、バックボーンポリマーに分子末端に或いは側鎖として光重合性のエチレン性不飽和基或いは光重合性のエチレン性不飽和結合を有する基を2個或いは多数導入したものでよい。
【0034】
このような感光性樹脂Aとしては、例えばエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)とその他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られる感光性樹脂(A−1)、及び1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られる感光性樹脂(A−2)、酸無水物共重合体(f)とエチレン性不飽和基を有するアルコール(g)とを反応させて得られる感光性樹脂(A−3)、及びカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)とこれと共重合可能なエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得られる化合物に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)を反応させて得られる感光性樹脂(A−4)等を挙げることができ、これらは単独、或いは組み合わせて用いることが可能である。
【0035】
1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂Aのうち、(A−1)及び(A−4)で使用される(a)成分であるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のモノマー又はプレポリマーが用いられるが、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体、及びβ−メチルグリシジルアクリレート又はβ−メチルグリシジルメタクリレート等を挙げることができ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを用いるのが好ましい。(A−1)及び(A−4)で使用される(b)成分であるエチレン性不飽和化合物としては、適宜のモノマー又はプレポリマーが用いられるが、上記(A−1)においては(a)成分とまた(A−4)においては(d)成分とそれぞれ共重合可能なエチレン性不飽和化合物であればよく、光硬化性の調整及び硬化膜物性の調整のために必要に応じて併用されるが、特に直鎖又は分岐の脂肪族、芳香族、あるいは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルアクリレート又はアルコキシアルキルメタクリレート、ベンジルアクリレート又はベンジルメタクリレート等、並びにN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO負荷物(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。またこれらのものに加えて、必要に応じポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を用いることもできる。これらはそれぞれ単独で又は併せて用いることができる。これら(b)成分は感光性樹脂の皮膜硬度及び油性の調節、並びに最終的に形成されるレジストの硬度の調節が容易である等の点で特に好適である。
【0036】
(A−2)で使用される(c)成分である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、適宜のエポキシ樹脂や重合系エポキシ化合物等を単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(油化シェルエポキシ社製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、並びにフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂のノボラック型エポキシ樹脂等が望ましく、これらのエポキシ化合物はそれぞれ単独で又は併せて用いることができる。
【0037】
これらのうち、特にノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。このノボラック型エポキシ樹脂とは、各種フェノール類を塩基性触媒の存在下で、ホルムアルデヒドと反応させて得られる各種フェノールノボラック樹脂に、エピハロヒドリンを反応させて得られるものである。このフェノール類としては特に限定されるものではないが、例えばフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビフェノール系化合物、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。特に好ましいノボラック型エポキシ樹脂は具体的にはフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂である。
【0038】
(A−1)、(A−2)及び(A−4)で使用される(d)成分であるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のモノマー又はプレポリマーが用いられるが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のエチレン性不飽和基を1個のみ有するもの、並びにペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られるもののような、エチレン性不飽和基を複数有するものが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は併せて用いることができる。これらの中でもカルボキシル基を1個のみ有するものが好ましく、特にアクリル酸又はメタクリル酸を単独又は併せて用いる場合やアクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらの混合物を主成分とするのが好ましい。すなわち、アクリル酸やメタクリル酸により導入されるエチレン性不飽和基は光反応性に優れるので、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)としてアクリル酸やメタクリル酸を用いるのが好ましいものである。
【0039】
(A−1)及び(A−2)で使用される(e)成分である飽和あるいは不飽和酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0040】
(A−1)の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)の含有率は、共重合体の製造に用いられる重合性単量体成分全量中で40〜95モル%の範囲であることが好ましい。これが40モル%以上であることで、十分な光硬化性を得ると共に、パターン形成工程において良好な感度や解像性が得られ、また最終的に形成されるソルダーレジストのはんだ耐熱性を更に向上することができる。特に好ましい範囲は50〜95モル%であり、この範囲では形成されるソルダーレジストが特に優れたはんだ耐熱性及び耐電蝕性を示す。
【0041】
また、(A−1)の製造において、上記(a)と(b)とを反応させて得られる共重合体は、公知の重合方法例えば溶液重合、エマルジョン重合等により得られる。溶液重合で行う場合を例にすると、上記(a)成分と(b)成分からなるエチレン性不飽和化合物の混合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤を添加し、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や共沸重合法等により重合を行う。
【0042】
上記有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。
【0043】
前記重合のための重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられこれらは単独で又は組み合わせて用いることができる。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤を使用してもよい。
【0044】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)の配合量は、(A−1)では上記共重合体について、又(A−2)ではエポキシ化合物(c)について、存在するエポキシ基1モルあたり(d)成分に存在するカルボキシル基が0.7〜1.2モルになるような量であることが好ましく、特に好ましくは0.9〜1.1モルの範囲とするものである。この範囲において感光性樹脂中におけるエポキシ基の残存量を特に低減して、予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下での熱硬化反応を抑制し、露光後の現像性の低下を防止することができると共に未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)の残存を抑制することができる。
【0045】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、(e)成分は、感光性樹脂に酸価を与え、希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性をもたせることを主たる目的として使用される。その使用量は、該酸無水物を付加してなる感光性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gの範囲になるように選択することが好ましい。酸価が25mgKOH/g以上とすることで良好な現像性を得ることができ、またこれが150mgKOH/g以下とすることで熱硬化後のレジスト中の残存カルボキシル基を低減し、ソルダーレジストの良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等を維持できる。特に酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0046】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)及び飽和又は不飽和の酸無水物(e)の付加反応は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)の付加反応は、上記共重合体の溶剤溶液に熱重合禁止剤としてハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等及び触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類もしくはトリフェニルスチビン等を加え撹拌混合し、常法により、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させる。飽和又は不飽和多塩基酸無水物(e)の付加反応も、上記と同様の方法で行うことができる。
【0047】
(A−3)の製造において使用される酸無水物共重合体(f)としては、例えば、無水マレイン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体(例えばアトケム社製SMAシリーズ等)、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(例えば、ISP社製ガントレットANシリーズ等)、(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、アルファオレフィン−無水マレイン酸共重合体、無水マレイン酸−無水イタコン酸−その他の不飽和単量体の共重合体、または無水マレイン酸−その他の不飽和単量体の共重合体が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても使用できる。
【0048】
成分(f)と反応させるエチレン性不飽和基を有するアルコール(g)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタンジ(メタ)アクリレート等が例示され、これらはそれぞれ単独で又は併せて用いられる。成分(f)に反応させる(g)の割合は任意の範囲をとることができる。また、これらと併せて不飽和基を有さないアルコールを用いてもよい。なお、生成される(A−3)中に無水カルボン酸が残らないようにすることが望ましい。例えば、上記アルコール類等の使用量を調節することで無水カルボン酸が残らないようにすることが可能となる。上記(f)と(g)の反応方法としては、例えば、エーテル類や芳香族炭化水素類等の適当な溶媒中で加熱することで得られる。この反応を行う場合、上記の触媒や重合禁止剤を用いることもできる。
【0049】
(A−4)の製造において、上記(b)と(d)とを反応させて得られる共重合体は、公知の重合方法、例えば(A−1)の製造に用いたものと同様な方法を用いて得ることができる。また、この共重合体に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)を付加させる反応も公知の方法を用いることができ、例えば(A−1)及び(A−2)の製造における(d)成分や(e)成分の付加反応に用いた方法を採ることができる。なお、(A−4)の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)の使用量は、製造された(A−4)中にカルボキシル基を残して、充分な酸価が残存する量でなければならない。
【0050】
本発明に使用する感光性樹脂A(例えば(A−1)乃至(A−4))に関しては、単独或いは組み合わせて使用できるが、その配合量は、感光性樹脂組成物の良好な感度及び作業特性並びに最終的に形成されるレジストの良好な物性を確保するために、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で10〜80重量%であることが望ましい。
【0051】
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物Bとしては、溶剤難溶性エポキシ化合物、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(油化シェルエポキシ社製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。感光性樹脂組成物中におけるB成分の配合量は、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で0.1〜50重量%であることが望ましく、0.1重量%以上とすることで硬化塗膜の耐はんだ性、耐めっき性等を更に向上することができ、また50重量%以下とすることで現像性を更に向上することができる。
【0052】
光重合開始剤Dとしては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテ類、アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類、2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含むもの、及び(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられ、これらはp−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤及び増感剤等と併用しても良い。また、可視光、近赤外線露光用等の光重合開始剤も使用可能である。これらの光重合開始剤は、各々単独で、又は複数種を適宜互いに組み合わせて配合される。
【0053】
尚、例えばレーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を適宜選択することもでき、また本発明の感光性樹脂組成物を可視光又は近赤外線硬化性のものとすることができる。
【0054】
感光性樹脂組成物中における光重合開始剤Dの配合量は、光硬化性と得られるソルダーレジストの物性の良好なバランスを得るために、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で0.1〜30重量%であることが望ましい。
【0055】
希釈剤Eとしては、光重合性単量体又は有機溶剤を単独で又は併せて使用することができる。上記光重合性単量体として、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート、並びにジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート或いはこれらに対応するメタクリレートが挙げられる。光重合性単量体は各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。任意成分としてこれらの光重合性単量体を使用する場合、その好適配合量の範囲は0.05〜40重量%である、また既述のようにこの光重合性単量体と化合物Cとの総量が、希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で、0.05〜40重量%、特に0.5〜25重量%であることが好ましいものである。
【0056】
また、上記有機溶剤としては、例えばエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、及びメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤及びセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、及びカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、及びプロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、及びジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0057】
上記光重合性単量体は、感光性樹脂A等を希釈し、塗布し易い状態にすると共に酸価を調整し、光重合性を与える。また、上記有機溶剤は、感光性樹脂A等を溶解、希釈し、液状として塗布可能にすると共に乾燥により造膜させる。
【0058】
尚、上記希釈剤Eとして光重合性単量体等の光重合性を有する成分は感光性樹脂組成物に必ずしも配合する必要はないが、配合する場合におけるその合計量は、希釈剤Eとして同様に配合されている有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で50重量%以下であることが望ましく、これにより、乾燥塗膜の表面粘着性が強くなり過ぎるのを抑制して、パターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接当てがって露光するときにネガマスクの汚損等を防止することができる。
【0059】
一方、上記光重合性単量体と同様に希釈剤Eとして用いられる有機溶剤は本発明の希アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物の必須成分であり、仮乾燥時に速やかに揮散し、乾燥塗膜に残存しないように選択する必要がある。感光性樹脂組成物中における有機溶剤の配合量は、特に限定するものではないが、組成物の成分全量中で5〜99.5重量%配合することが望ましく、これにより感光性樹脂組成物の良好な塗布性を維持することができる。尚、その好適な配合量は塗布方法により異なるので、該塗布方法に応じて適宜調節する必要がある。
【0060】
本発明の感光性樹脂組成物には、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分、及び紫外線硬化性エポキシアクリレート又は紫外線硬化性エポキシメタクリレート、例えばビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂にアクリル酸又はメタクリル酸を付加したもの、ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物を適宜加えることができる。
【0061】
また上記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、エポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤類、充填剤及び着色剤、シリコーンやアクリレート共重合体、レベリング剤、及びシランカップリング剤等の密着性付与剤、チクソトロピー剤、重合禁止剤、ハレーション防止剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤及び分散安定性を向上させるための界面活性剤や高分子分散剤等を数重量部加えても良い。
【0062】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、各配合成分及び添加剤等を三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって調製される。その場合に、上記A〜Eの成分の内の一部、例えばE成分の一部及びB成分を予め混合して分散させておき、これとは別にA、D、E及びC成分の一部を予め混合して分散させておき、使用時に本発明の感光性樹脂組成物の配合組成になるように混合調製する方法を採っても良い。上記感光性樹脂組成物をレジストインクとして使用して基板上へレジストパターンを形成する方法は特に限定されない。その中で最も一般的な方法を例示すれば以下の通りである。
【0063】
例えば、基板上に感光性樹脂組成物(レジストインク)を浸漬法、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター又はスクリーン印刷等により塗布した後、希釈剤たる有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行なう。次にパターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接又は間接的に当てがい、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射した後、現像によりパターンを形成し、さらに例えば120〜180℃で30〜90分程度の加熱によりエポキシ化合物を硬化させることでレジストの皮膜強度、硬度及び耐薬品性等を向上させるのである。
【0064】
上記現像工程で使用されるアルカリ溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などを例示することができる。また、上記アルカリ以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0065】
また、本発明の感光性樹脂組成物或いはフォトソルダーレジストインクを支持体の表面に成膜していわゆるドライフィルムレジストとし、支持体とドライフィルムレジストとからなるドライフィルムを形成することもできる。この場合、膜の厚さは10〜100μmとすることが好ましく、支持体としては好ましくはポリエチレンテレフタレート等の厚さ5〜100μmのフィルムが用いられる。皮膜は好ましくは支持体フィルム上に感光性樹脂組成物或いはフォトソルダーレジストインクを塗布乾燥等することにより形成される。
【0066】
【実施例】
下記に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記に示される「部」及び「%」は、全て重量基準である。
【0067】
〔合成例A−1〕
還流冷却器に、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート70部、メチルメタクリレート30部、カルビトールアセテート100部、ラウリルメルカプタン0.2部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下で加熱、攪拌しつつ80℃において5時間重合を行い、50%共重合体溶液を得た。次に、上記50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、アクリル酸37部、ジメチルベンジルアミン0.2部、を加えて100℃で24時間付加反応を行い、続いて、無水テトラヒドロフタル酸45部、カルビトールアセテート79部を加え、100℃で3時間反応させ、上記(A−1)成分に相当する感光性樹脂の50%溶液(A−1)を得た。
【0068】
〔合成例A−2〕
エピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製のクレゾールノボラック型樹脂、エポキシ当量214)214部をカルビトールアセテート60部に溶解させたものに、攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。この反応液にカルビトールアセテート95部を加え、攪拌し、エポキシアクリレート溶液を得た。続いて、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート87部を加えて100℃で3時間反応させ、上記(A−2)成分に相当する感光性樹脂の50%溶液(A−2)を得た。
【0069】
〔合成例C−1〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、β−メチルグリシジルメタクリレート70部、ヒドロキシメチルメタクリレート130部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−1)を得た。この共重合体の重量平均分子量は16000であった。
【0070】
〔合成例C−2〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、メチルメタクリレート140部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−2)を得た。この共重合体の重量平均分子量は14000であった。
【0071】
〔合成例C−3〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、サイクロマーA−200(ダイセル化学工業(株)社製の(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート)45部、メチルメタクリレート100部、ヒドロキシエチルメタクリレート55部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−3)を得た。この共重合体の重量平均分子量は13000であった。
【0072】
〔合成例C−4〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート35部、メトキシメチルメタクリレート165部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−4)を得た。この共重合体の重量平均分子量は14000であった。
【0073】
〔合成例C−5〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、サイクロマーA−200(ダイセル化学工業(株)社製の(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート)20部、スチレン180部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−5)を得た。この共重合体(芳香環67重量%)の重量平均分子量は13000であった。
【0074】
〔合成例C−6〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、スチレン140部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−6)を得た。この共重合体(芳香環52重量%)の重量平均分子量は12000であった。
【0075】
〔合成例C−7〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、スチレン110部、メチルメタクリレート30部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−7)を得た。この共重合体(芳香環41重量%)の重量平均分子量は13000であった。
【0076】
〔合成例C−8〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、サイクロマーA−200(ダイセル化学工業(株)社製の(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート)60部、ベンジルメタクリレート140部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−8)を得た。この共重合体(芳香環30重量%)の重量平均分子量は13000であった。
【0077】
〔合成例C−9〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート60部、スチレン15部、メチルメタクリレート125部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C−9)を得た。この共重合体(芳香環5.6重量%)の重量平均分子量は13000であった。
【0078】
〔合成例C′−1〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート10部、メチルメタクリレート190部、ラウリルメルカプタン0.2部、カルビトールアセテート120部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下に加熱し、85℃において5時間重合を行ない、60%エポキシ基含有重合体溶液(C′−1)を得た。この共重合体の重量平均分子量は14000であった。
【0080】
〔実施例1乃至18及び比較例1〕
上記合成例で生成された感光性樹脂溶液に、表1に示す各配合組成の配合成分を3本ロールで混練し、実施例1乃至18及び比較例1の希アルカリ水溶液で現像可能な液状感光性樹脂組成物を得た。各感光性樹脂組成物及びそれにより最終的にソルダーレジストの形成されたプリント配線板の各性能を下記の試験方法で評価した。
【0081】
【表1】
Figure 0003697216
【0082】
(注1)エポキシ当量195の油化シェルエポキシ社製のエポキシ化合物
(注2)エポキシ当量100の日産化学工業社製のトリグリシジルイソシアヌレート
(注3)エポキシ当量214の大日本インキ化学工業社製のクレゾールノボラック型樹脂
(注4)チバガイギー社製の光重合開始剤
(注5)日本化薬社製の光重合開始剤
(注6)モンサント社製のレベリング剤
(注7)丸善石油社製の芳香族系溶剤
各感光性樹脂組成物により製造されるプリント配線板の性能を確認するため、順次下記I〜Vの工程を経ることによりテストピースを作成した。
【0083】
<I.塗布工程>
感光性樹脂組成物を、厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により塗布し、基板表面にレジストインク層を形成させた。
【0084】
<II.予備乾燥工程>
塗布工程の後、基板表面のレジストインク層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を20分行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
【0085】
<III.露光工程>
その後、パターンを描いたマスクを乾燥塗膜表面に直接当てがうとともに各感光性樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射し、基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
【0086】
<IV.現像工程>
露光工程後の乾燥塗膜において、選択的に未露光となっている部分を、炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより除去し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成させた。
【0087】
<V.ポストベーク工程>
現像工程で得られた、露光硬化された乾燥塗膜のパターンが形成されている基板を150℃で30分間加熱し、乾燥塗膜の硬化を行い、テストピースを得た。
【0088】
上記工程で得られたテストピースについて以下の評価を行った。結果を表に示す。
【0089】
−解像性−
線幅及び線間が共に40μmの同心円で構成されるマスクパターンによって形成されるレジストパターンの形成状態を観察した。
【0090】
解像性の評価方法は次の通りである。
×:パターンが形成されなかった。
△:パターンは形成されているが、その一部にわずかに樹脂残り又は欠落があった。
○:パターンは形成されるが、線間、線幅の一定性にわずかにむらがあった。
◎:シャープなパターンを得ることができた。
【0091】
−乾燥塗膜の指触粘着性−
露光工程においてパターンを描いたマスクを乾燥塗膜表面に直接当てがうとともに各感光性樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射した後、パターンを描いたマスクを取り外すときの粘着の状態及び乾燥塗膜の指触粘着性を、下記の評価基準により評価した。
×:マスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。指触によっても顕著な粘着を感じた。
△:マスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥塗膜上にマスクの貼付痕が認められた。また、指触によってもわずかな粘着を感じた。
○:マスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、乾燥塗膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。また、指触によってもかすかに粘着を感じた。
◎:マスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。また、指触によっても全く粘着を感じなかった。
【0092】
−鉛筆硬度−
鉛筆硬度は、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K 5400に準拠して測定して評価した。
【0093】
−密着性−
JIS K 5400の試験方法に従って、テストピースに碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により次の基準に従い判定した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きを生じた。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥がれを生じた。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥がれを生じた。
【0094】
−はんだ耐熱性−
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを1回あるいは5回おこなった後の表面白化の程度を観察した。また、クロスカットによるセロハン粘着テープ剥離試験をJIS K 5400に準拠して行い、密着状態の変化を観察した。
【0095】
表面白化の評価方法は次の通りである。
×:著しく白化した。
△:白化が認められた。
○:僅かに白化が認められた。
◎:異常を生じなかった。
【0096】
また密着性の評価方法は次の通りである。
×:クロスカット試験をするまでもなく、レジストの膨れ又は剥離を生じた。
△:テープ剥離時にクロスカット部分に剥離が生じた。
○:テープ剥離時にクロスカット部分に僅かに剥離が生じた。
◎:クロスカット部分の剥離を生じなかった。
【0097】
−耐溶剤性−
室温において1時間、2−プロパノール及び1,1,1−トリクロロエタン中に浸漬し、基板を観察して評価した。
【0098】
耐溶剤性の評価方法は次の通りである。
○:異常を生じないもの。
△:僅かに変化が見られるもの。
×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0099】
−耐酸性−
室温において1時間、10%の塩酸に浸漬し、基板を観察して評価した。
【0100】
耐酸性の評価方法は次の通りである。
○:異常を生じないもの。
△:僅かに変化が見られるもの。
×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0101】
−耐金めっき性−
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、テストピースのめっきを行い、めっきの状態及び塗膜の密着状態を観察した。
【0102】
耐金めっき性の評価方法は次の通りである。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、めっきの潜り込みのいずれについても全くなかった。
○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生じなかったが。レジストの末端部分において、極めてわずかながら、めっきの潜り込みがみられた。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が見られるもの。
×:塗膜の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が見られるもの。
【0103】
−耐電蝕性−
テストピースに代えて、IPC B−25のくし型電極Bクーポンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、くし電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、40℃、90%R.H.の条件下にて500時間後のマイグレーションの有無を確認して評価した。
【0104】
耐電蝕性の評価方法は次の通りである。
○:全くマイグレーションが確認できないもの。
△:ほんの僅かにマイグレーションが確認できるもの。
×:マイグレーションが発生しているもの。
【0105】
【表2】
Figure 0003697216
【0106】
【発明の効果】
上記のように本発明に係る感光性樹脂組成物は、
A.1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂、
B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
C.エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と他のエチレン性不飽和化合物をこの化合物全量中におけるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の割合が10mol%以上40mol%未満となる範囲で重合させて得られるエポキシ樹脂含有重合体、
D.光重合開始剤及び
E.希釈剤
を含むため、プリント配線板のソルダーレジスト形成用途として優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0107】
また、エポキシ基含有重合体Cは、分子中に芳香環部分を4〜70重量%含有することが好ましく、この場合、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性を更に向上することができるものである。
【0108】
また、上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート及び(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートから選ばれた少なくとも一種であることが好ましく、この場合、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0109】
また、エポキシ基含有共重合体Cを、希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で1〜50重量%含有することも好ましく、この範囲において、予備乾燥皮膜の指触粘着性、半田耐熱性及び耐金めっき性を、効果的に改善することができるものである。
【0110】
また、上記感光性樹脂Aの一部又は全部が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)と、その他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることが好ましく、この場合、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0111】
また、感光性樹脂Aの一部又は全部が、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることも好ましく、この場合、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0112】
また、本発明に係るフォトソルダーレジストインクは、上記のような感光性樹脂組成物から成るため、プリント配線板のソルダーレジスト形成用途として優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0113】
また、本発明に係るプリント配線板は、上記のフォトソルダーレジストインクから形成される硬化皮膜を備えているため、プリント配線板のソルダーレジスト形成用途として優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0114】
また、本発明に係るドライフィルムは、上記のような感光性樹脂組成物を乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成するため、プリント配線板のソルダーレジスト形成用途として優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。
【0115】
また、本発明に係るドライフィルムは、上記のフォトソルダーレジストインクを乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成するため、プリント配線板のソルダーレジスト形成用途として優れた特性を有し、特に予備乾燥皮膜の指触粘着性を低減すると共に、はんだ耐熱性等の耐熱性及び耐金めっき性の更なる向上を図ることができるものである。

Claims (10)

  1. A.1分子中にカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂、
    B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
    C.エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物と他のエチレン性不飽和化合物をこの化合物全量中におけるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の割合が10mol%以上40mol%未満となる範囲で重合させて得られるエポキシ樹脂含有重合体、
    D.光重合開始剤及び
    E.希釈剤
    を含んで成ることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. エポキシ基含有重合体Cが、分子中に芳香環部分を4〜70重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート及び(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. エポキシ基含有共重合体Cを、希釈剤E中の有機溶剤を除外した感光性樹脂組成物の成分全量中で1〜50重量%含有して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 感光性樹脂Aの一部又は全部が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(a)と、その他のエチレン性不飽和化合物(b)とを共重合させて得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 感光性樹脂Aの一部又は全部が、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和或いは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成ることを特徴とするフォトソルダーレジストインク。
  8. 請求項7に記載のフォトソルダーレジストインクから形成される硬化皮膜を備えて成ることを特徴とするプリント配線板。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成して成ることを特徴とするドライフィルム。
  10. 請求項7に記載のフォトソルダーレジストインクを乾燥することにより得られる皮膜を支持体の表面に形成して成ることを特徴とするドライフィルム。
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