JP4060962B2 - アルカリ現像型フォトソルダーレジストインク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化性及び熱硬化性を有する希アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク及び微細・高密度の導体パターンを有するプリント配線板の製造に好適に用いられるアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用及び産業用の各種プリント配線板の導体パターンの微細化、高密度化に伴い、ソルダーレジスト形成もより優れた解像性及び寸法精度等を求められるようになった。そのため今日では、スクリーン印刷法に替わり液状のフォトソルダーレジストインクを用いる方法が行われている。これらフォトソルダーレジストは、一般に、特開昭61−243869号公報、特開平2−173747号公報、特開平7−72624号公報、特開平9−235348号公報などに開示されているように、ノボラック型エポキシ樹脂あるいはアクリル系共重合体に不飽和結合基及びカルボキシル基を付与させた紫外線硬化性樹脂組成物を用いたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、上記のような紫外線硬化性樹脂組成物を用いたフォトソルダーレジストは、プリント基板上に印刷した後、紫外線等により必要部位を硬化させ、また不必要部位を現像により除去する。通常、現像には希アルカリ水溶液を用いるが、現像液のpHは11以上を必要とし、そのため現像液のpHが10付近まで低下すると印刷されたレジストが現像されにくくなる。つまり、現像液のアルカリ性が弱まったときに、現像可能性を保持し得る予備乾燥条件の幅、すなわち現像幅(予備乾燥管理幅あるいは予備乾燥許容範囲をいう)が狭くなるという問題があった。また、銅の変色防止等改善のためメラミンを添加しているレジスト等もあるが、メラミンはノボラック型樹脂中あるいはアクリル系樹脂中のカルボキシル基とエポキシ化合物のエポキシ基との反応促進剤として働くため、レジストインクの粘度が上昇するなど保存安定性が悪くなるという問題もあった。
【0004】
本発明は上記の欠点を鑑みてなされたものであり、pHが10付近の現像液を使用しても良好な現像性を示し、かつレジストの保存安定性、耐電蝕性及び電気特性、耐薬品性、耐メッキ性、はんだ耐熱性、密着性、及び鉛筆硬度等の良好なアルカリ現像型フォトソルダーレジストを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクは、A.1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する紫外線硬化性樹脂
B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
C.モノカルボン酸である蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸、ジカルボン酸であるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、クロトン酸、トリカルボン酸であるトリメリット酸、クエン酸の少なくとも一つ
D.光重合開始剤
E.希釈剤
を含んで成ることを特徴とするものである。
【0006】
また本発明の請求項2に係るアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクは、請求項1の構成に加えて、A成分が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)を重合させて得られる共重合体に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)と飽和または不飽和の多塩基酸無水物(e)とを反応させて得られる紫外線硬化性樹脂であることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の請求項3に係るアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクは、請求項2の構成に加えて、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)がグリシジル(メタ)アクリレートを含むものであることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明の請求項4に係るアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクは、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、C成分が前記ジカルボン酸を含むものであることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項5に係るアルカリ現像型フォトソルダーレジストインクは、請求項4の構成に加えて、前記ジカルボン酸を希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.01〜3.0重量%含有して成ることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明のA成分である1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する紫外線硬化性樹脂について特別な制限はないが、前記の通り分子中に2個以上のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を併有しているものでなければならない。すなわち、カルボキシル基は、露光の前後における紫外線硬化性樹脂Aに希アルカリ水溶液に対する溶解、分散又は膨潤性を付与するために導入されているものである。そして、露光後においては紫外線硬化性樹脂Aの希アルカリ水溶液に対する溶解、分散又は膨潤性が低下するので、本発明のフォトソルダーレジストインクを希アルカリ水溶液で現像可能なものとし、画像形成を可能とすることができる。この現像性、画像形成性を充分なものとするため、紫外線硬化性樹脂Aにおいてカルボキシル基に由来する酸価は25〜250mgKOH/gであることが好ましい。一方、エチレン性不飽和基の導入は以下の理由による。すなわち、上述のように紫外線硬化性樹脂Aは、選択的露光による画像形成を可能とするため、紫外線硬化性樹脂Aは露光の前後で希アルカリ水溶液に対する溶解、分散又は膨潤性が充分な変化を生じるものでなければならない。この性質を付与すべく、紫外線硬化性樹脂Aでは、光重合反応による、分子量の増大及び架橋が利用される。そこで、紫外線硬化性樹脂Aには、光重合反応が可能な2個以上のエチレン性不飽和基が導入されていなければならないのである。なお、エチレン性不飽和基は、バックボーンポリマーに分子末端に或いは側鎖として光重合性のエチレン性不飽和基或いは光重合性のエチレン性不飽和基を有する基を2個或いは多数導入したものでよい。
【0014】
このような紫外線硬化性樹脂Aとしては、例えばエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)とを反応させて得られる化合物に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られる紫外線硬化性樹脂(A−1)、及び1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と飽和あるいは不飽和酸無水物(e)とを反応させて得られる紫外線硬化性樹脂(A−2)、酸無水物共重合体(f)とエチレン性不飽和基を有するアルコール(g)とを反応させて得られる紫外線硬化性樹脂(A−3)、及びカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(b)とを反応させて得られる化合物に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)を反応させて得られる紫外線硬化性樹脂(A−4)等を挙げることができ、これらは単独、或いは組み合わせて用いることが可能である。
【0015】
1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する紫外線硬化性樹脂Aのうち、(A−1)及び(A−4)で使用される(a)成分であるエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類や、アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体、及びβ−メチルグリシジルアクリレート又はβ−メチルグリシジルメタクリレート等を挙げることができこれらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、汎用されて入手が容易なグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを用いるのが好ましい。(A−1)及び(A−4)で使用される(b)成分であるエチレン性不飽和単量体としては、上記(a)成分と共重合可能なエチレン性不飽和単量体であればよく、光硬化性の調整及び硬化膜物性の調整のために必要に応じて併用される。この成分としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルアクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート等の直鎖、分岐或は脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)のアクリル酸エステル又はメタクリル酸、及びヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシジエチレングリコールモノアクリレート、メトキシジエチレングリコールモノメタクリレート等のエチレングリコールエステル系アクリレート又はエチレングリコールエステル系メタクリレート、及び同様なプロピレングリコール系アクリレート、プロピレングリコール系メタクリレート、ブチレングリコール系モノアクリレート、ブチレングリコール系モノメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート等、及びベンジルアクリレート又はベンジルメタクリレート等の芳香族系のアクリレート又は芳香族系のメタクリレート、並びにアクリルアミド又はメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド等のアクリルアミド系化合物又はメタクリルアミド系化合物、並びにN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類及びビニルピロリドン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。それらの中でも、直鎖又は分岐の脂肪族、芳香族、あるいは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレート、アルコキシアルキルアクリレート又はアルコキシアルキルメタクリレート等が、紫外線硬化性樹脂の被膜硬度及び油性の調節、並びに最終的に形成されるレジストの硬度の調節が容易である等の点で特に好適である。
【0016】
(A−2)で使用される(c)成分である1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(油化シェルエポキシ社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、N−グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えばダイセル化学工業社製「EHPE−3150」)、ポリオールポリグリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、N−グリシジル型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベースの多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製EPPN−502H、並びにダウケミカル社製タクテックス−742及びXD−9053等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。
【0017】
(A−1)、(A−2)及び(A−4)で使用される(d)成分であるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等を例示することができ、これらの少なくとも一種を選択して用いることができる。特にアクリル酸又はメタクリル酸より導入されるエチレン性不飽和基は光反応性に優れるので、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)としてアクリル酸又はメタクリル酸を用いるのが好ましい。
【0018】
(A−1)及び(A−2)で使用される(e)成分である飽和あるいは不飽和酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0019】
(A−1)の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)の含有率は、共重合体の製造に用いられる重合性単量体成分全量中で40〜95モル%の範囲であることが好ましい。これが40モル%より少ない場合は光硬化性が不十分であり、パターン形成工程において感度不足及び解像性不良を生じ、また最終的に形成されるソルダーレジストにおいてははんだ耐熱性等の物性が不十分となる。特に好ましい範囲は50〜95モル%であり、この範囲では形成されるソルダーレジストが特に優れたはんだ耐熱性及び耐電蝕性を示す。
【0020】
また、(A−1)の製造において、上記(a)と(b)とを反応させて得られる共重合体は、公知の重合方法例えば溶液重合、エマルジョン重合等により得られる。溶液重合で行う場合を例にすると、上記(a)成分と(b)成分からなるエチレン性不飽和単量体の混合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤を添加し、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や沸点重合法等により重合を行う。
【0021】
上記有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。
【0022】
前記重合のための重合開始剤としては、例えば、ハイドロパーオキサイド類のジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、及びジアルキルパーオキサイド類のジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、及びジアシルパーオキサイド類のイソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、及びケトンパーオキサイド類のメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、及びアルキルパーエステル類のt−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、及びパーオキシジカーボネート類のジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物類としてアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキセン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド}等が挙げられこれらは単独で又は組み合わせて用いることができる。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤を使用してもよい。
【0023】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)の配合量は、(A−1)では上記共重合体について、又(A−2)ではエポキシ化合物(c)について、その1エポキシ当量に対して(d)成分のカルボキシル基が0.7〜1.2化学当量になるような量であることが必要である。前記配合量が0.7化学当量に満たないと紫外線硬化性樹脂中にエポキシ基が多く残り過ぎて、予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下においても熱硬化反応が起こり、露光後の現像性の低下が生じ易く、またこれが1.2化学当量を越えると未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)の残存が問題となる恐れがある。
【0024】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、(e)成分は、紫外線硬化性樹脂に酸価を与え、希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性をもたせることを主たる目的として使用される。その使用量は、該酸無水物を付加してなる紫外線硬化性樹脂の酸価が25〜150mgKOH/gの範囲になるように選択することが好ましい。酸価が25mgKOH/gより少ないと現像性不良となり、またこれが150mgKOH/gより大きいと、熱硬化後のレジスト中の残存カルボキシル基に起因して、形成されるべきソルダーレジストの電気特性、耐電蝕性及び耐水性等の低下の問題を生じる。なお、特に酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0025】
また、(A−1)及び(A−2)の製造において、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)及び飽和又は不飽和の酸無水物(e)の付加反応は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)の付加反応は、上記共重合体の溶剤溶液に熱重合禁止剤としてハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等及び触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類もしくはトリフェニルスチビン等を加え撹拌混合し、常法により、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させる。飽和又は不飽和多塩基酸無水物(e)の付加反応も、上記と同様の方法で行うことができる。
【0026】
(A−3)の製造において使用される酸無水物共重合体(f)としては、例えば、無水マレイン酸とエチレン性不飽和単量体との共重合体、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体(例えばアトケム社製SMAシリーズ等)、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(例えば、ISP社製ガントレットANシリーズ等)、(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、アルファオレフィン−無水マレイン酸共重合体、無水マレイン酸−無水イタコン酸−その他の不飽和単量体の共重合体、または無水マレイン酸−その他の不飽和単量体−その他の不飽和単量体エステルの共重合体が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても使用できる。尚、本明細書において、(メタ)アクリル酸とある場合は、アクリル酸とメタクリル酸を総称し、(メタ)アクリ−とある場合は、アクリ−とメタクリ−を総称したものである。
【0027】
成分(f)と反応させるエチレン性不飽和基を有するアルコール(g)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、成分(f)に反応させる(g)の割合は任意の範囲をとることができる。上記(f)と(g)の反応方法としては、例えば、エーテル類や芳香族炭化水素類等の適当な溶媒中で加熱することで得られる。この反応を行う場合、上記の触媒や重合禁止剤を用いることもできる。
【0028】
(A−4)の製造において、上記(b)と(d)とを反応させて得られる共重合体は、公知の重合方法、例えば(A−1)の製造に用いたものと同様な方法を用いて得ることができる。また、この共重合体に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)を付加させる反応も公知の方法を用いることができ、例えば(A−1)及び(A−2)の製造における(d)成分や(e)成分の付加反応に用いた方法を採ることができる。なお、(A−4)の製造において、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)の使用量は、製造された(A−4)中にカルボキシル基を残して、充分な酸価が残存する量でなければならない。
【0029】
本発明に使用する紫外線硬化性樹脂A((A−1)乃至(A−4))に関しては、単独或いは組み合わせて使用できるが、その配合量は、インクの良好な感度及び作業特性並びに最終的に形成されるレジストの良好な物性を確保するために、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で10〜80重量%であることが望ましい。
【0030】
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物Bとしては、溶剤難溶性エポキシ化合物、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等が挙げられ、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(油化シェルエポキシ社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、N−グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えばダイセル化学工業社製「EHPE−3150」)、ポリオールポリグリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、N−グリシジル型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベースの多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製EPPN−502H、並びにダウケミカル社製タクテックス−742及びXD−9053等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂及びエポキシ基を有するビニル重合ポリマー等が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。レジストインク中におけるB成分の配合量は、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.1〜50重量%であることが望ましく、0.1重量%よりも少ない場合、硬化塗膜の耐半田性、耐めっき性等が低下する恐れがあり、逆に、50重量%より多い場合、現像性が低下する恐れがあるので好ましくない。
【0031】
本発明においてC成分としては、少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物をそれぞれ単独で用いたりこれらと多価カルボン酸無水物とを併用したりする。少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物としては、モノカルボン酸である蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、クロトン酸等が挙げられる。トリカルボン酸としては、トリメリット酸、クエン酸が挙げられる。これらの中でもカルボキシル基を2個以上有するものが好ましい。また、特にジカルボン酸を添加した場合に最も現像液のpHの影響を受けにくく、最適である。
【0032】
また多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等のジカルボン酸無水物、及び無水トリメリット酸、ピロメリット酸の1無水物、ピロメリット酸の2無水物、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。これらの中でもジカルボン酸酸無水物を添加したものが最も現像液のpHの影響を受けにくく、好ましい。
【0033】
これらC成分の配合量は、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜2.5重量%である。配合量が0.01%未満であると、pHが10付近の現像液で現像を行った場合、現像不良が生じ易くなる。一方、3.0重量%を超えると、最終塗膜の電気特性等の物性が悪くなる恐れがある。尚、少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物と多価カルボン酸無水物を併用する場合、それぞれの配合比率は任意である。
【0034】
光重合開始剤Dとしては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、及びアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、及び2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、及び2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン類、及びアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、及びベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルペルオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類又はキサントン類、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、4,4’−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン等の窒素原子を含むもの、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられ、これらは安息香酸系又はp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤及び増感剤等と併用しても良い。これらの光重合開始剤は各々単独で又は適宜互いに組み合わせて配合される。
【0035】
尚、例えばレーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を適宜選択することもでき、また本発明のフォトソルダーレジストインクを可視光又は近赤外線硬化性のものとすることができるが、紫外線硬化性を有する限りにおいてこれらを用いたものも含まれる。
【0036】
フォトソルダーレジストインク中における光重合開始剤Dの配合量は、光硬化性と得られるソルダーレジストの物性の良好なバランスを得るために、同時に配合される希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.1〜30重量%であることが望ましい。
【0037】
希釈剤Eとしては、光重合性単量体又は有機溶剤を単独で又は併せて使用することができる。上記光重合性単量体として、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフォリン、メタクリロイルモルフォリン、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、及びジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、シクロペンタニルモノアクリレート、シクロペンタニルモノメタクリレート、シクロペンテニルモノアクリレート、シクロペンテニルモノメタクリレート、シクロペンタニルジアクリレート、シクロペンタニルジメタクリレート、シクロペンテニルジアクリレート、シクロペンテニルジメタクリレート、及び多塩基酸とヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステル等、及びポリエステルアクリレート又はポリエステルメタクリレート、ウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレート等のアクリレート単量体又はメタクリレート単量体等が挙げられる。光重合性単量体は各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0038】
また、上記有機溶剤としては、例えばエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、及びメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤及びセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、及びカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、及びプロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、及びジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられ、これらは各々単独であるいは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0039】
上記光重合性単量体は、紫外線硬化性樹脂A等を希釈し、塗布し易い状態にすると共に酸価を調整し、光重合性を与える。また、上記有機溶剤は、紫外線硬化性樹脂A等を溶解、希釈し、液状として塗布可能にすると共に乾燥により造膜させる。
【0040】
尚、上記希釈剤Eとして光重合性単量体等の光重合性を有する成分はレジストインクに必ずしも配合する必要はないが、配合する場合におけるその合計量は、希釈剤Eとして同様に配合されている有機溶剤を除外したインク成分全量中で50重量%以下であることが望ましい。これを50重量%を越えて配合した場合は乾燥塗膜の表面粘着性が強くなり過ぎ、パターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接当てがって露光するときにネガマスクの汚損等の問題を生じ易い。
【0041】
一方、上記光重合性単量体と同様に希釈剤Eとして用いられる有機溶剤は本発明の希アルカリ水溶液で現像可能なフォトソルダーレジストインクの必須成分であり、仮乾燥時に速やかに揮散し、乾燥塗膜に残存しないように選択する必要がある。レジストインク中における有機溶剤の配合量は、インク成分全量中で5%以上配合することが望ましく、これより少ない場合はインクの塗布が困難となり易い。尚、その好適な配合量は塗布方法により異なるので、該塗布方法に応じて適宜調節する必要がある。
【0042】
本発明のフォトソルダーレジストインクには、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びn−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分、及び紫外線硬化性エポキシアクリレート又は紫外線硬化性エポキシメタクリレート、例えばビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂にアクリル酸又はメタクリル酸を付加したもの、ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物を数重量部加えることができる。
【0043】
また上記レジストインクには、必要に応じて、さらにメラミン類、イミダゾール類、ポリアミン類、グアナミン類、3級アミン類、4級アンモニウム塩類、ポリフェノール類等のエポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤類、及び硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の充填剤及び着色剤、及びシリコンやアクリレート共重合体、フッ素系界面活性剤等のレベリング剤、及びシランカップリング剤等の密着性付与剤、アエロジル等のチクソトロピー剤、及びハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ハレーション防止剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤及び分散安定性を向上させるための界面活性剤や高分子分散剤等を数重量部加えても良い。
【0044】
本発明のフォトソルダーレジストインクは、例えば、各配合成分及び添加剤等を三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって調製される。その場合に、上記A〜Eの成分の内の一部、例えばE成分の一部及びB成分を予め混合して分散させておき、これとは別にA、D、E及びC成分の一部を予め混合して分散させておき、使用時に本発明のレジストインクの配合組成になるように混合調製する方法を採っても良い。上記レジストインクを使用して基板上へレジストパターンを形成する方法は特に限定されない。その中で最も一般的な方法を例示すれば以下の通りである。
【0045】
例えば、基板上にレジストインクを浸漬法、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター又はスクリーン印刷等により塗布した後、希釈剤たる有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行なう。次にパターンを描いたネガマスクを乾燥した塗膜表面に直接又は間接的に当てがい、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射した後、現像によりパターンを形成し、さらに例えば120〜180℃で30〜90分程度の加熱によりエポキシ化合物を硬化させることでレジストの被膜強度、硬度及び耐薬品性等を向上させるのである。
【0046】
上記現像工程で使用されるアルカリ溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などを例示することができる。また、上記アルカリ以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0047】
【実施例】
下記に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記に示される「部」及び「%」は、全て重量基準である。
【0048】
〔合成例1〕
還流冷却器に、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート70部、メチルメタクリレート30部、カルビトールアセテート100部、ラウリルメルカプタン0.2部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下で加熱、攪拌しつつ80℃において5時間重合を行い、50%共重合体溶液を得た。次に、上記50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、アクリル酸37部、ジメチルベンジルアミン0.2部、を加えて100℃で24時間付加反応を行い、続いて、無水テトラヒドロフタル酸45部、カルビトールアセテート79部を加え、100℃で3時間反応させ、上記(A−1)成分である50%紫外線硬化性樹脂溶液(i)を得た。
【0049】
〔合成例2〕
エピクロンN−680(大日本インキ化学工業株式会社製のクレゾールノボラック型樹脂、エポキシ当量214)214部をカルビトールアセテート60部に溶解させたものに、攪拌しながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させた。この反応液にカルビトールアセテート95部を加え、攪拌し、エポキシアクリレート溶液を得た。続いて、テトラヒドロフタル酸無水物76部、およびカルビトールアセテート87部を加えて100℃で3時間反応させ、上記(A−2)成分である60%紫外線硬化性樹脂溶液(ii)を得た。
【0050】
〔合成例3〕
SMA−1000A(エルフアトケム社製のスチレン−マレイン酸共重合体)150部をカルビトールアセテート149部に加熱、溶解させたものに、攪拌しながら2−ヒドロキシエチルアクリレート51部、ハイドロキノン0.1部、トリエチルアミン1部を加え、100℃に上昇させると共に12時間反応させ、この反応液にさらにn−ブタノール22部を加え、更に約24時間反応させ、上記(A−3)成分である60%のスチレン−マレイン酸共重合体系紫外線硬化性樹脂溶液(iii)を得た。
【0051】
〔合成例4〕
還流冷却器に、温度計、窒素置換用ガラス管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、アクリル酸40部、N−フェニルマレイミド28部、メチルメタクリレート32部をカルビトールアセテート95部、アゾビスイソブチロニトリル3部を加え、窒素気流下80℃で反応させた。この反応液にグリシジルメタクリレート43部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン0.7部を加え、常法により90〜100℃で24時間反応させ、上記(A−4)成分である60%の紫外線硬化性樹脂溶液(iv)を得た。
【0052】
〔実施例1乃至10、22及び比較例1乃至4並びに参考例11乃至21〕
上記合成例で生成された紫外線硬化性樹脂溶液(i)乃至(iv)に、表1,2に示す各配合組成の配合成分を3本ロールで混練し、実施例1乃至10、22及び比較例1乃至4並びに参考例11乃至21の希アルカリ水溶液で現像可能な液状フォトレジストインクを得た。各レジストインク及びそれにより最終的にソルダーレジストの形成されたプリント配線板の各性能を下記の試験方法で評価した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
(注1)エポキシ当量195の油化シェルエポキシ社製のエポキシ化合物
(注2)エポキシ当量100の日産化学工業社製のエポキシ樹脂
(注3)エポキシ当量214の大日本インク株式会社製のクレゾールノボラック型樹脂
(注4)チバガイギー社製の光重合開始剤
(注5)モンサント社製のレベリング剤
(注6)丸善石油社製の芳香族系溶剤
〔レジストインクの性能評価〕
−表面粘着性−
レジストインクを厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板の全面にスクリーン印刷により塗布し、溶剤を揮発させるために80℃で乾燥時間10、20及び30分の各乾燥条件で予備乾燥を行い、膜厚20μmの乾燥塗膜を有する3種類の試験片を各インクについて作成した。その後、ORC HMW680GW(オーク製作所製減圧密着型両面露光機)にてパターンを描いたマスクを乾燥塗膜面に直接当てがうと共に減圧密着させ、150mJ/cm2の紫外線を照射した後、各乾燥条件においてマスクを取り外すときの粘着の程度を観察した。結果を表3に示す。
【0055】
表面粘着性の評価方法は、次の通りである。
×:マスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンがはがれ落ち再使用できない状態となった。
△:マスクを取り外した後、乾燥塗膜上にマスクの貼付痕が認められた。
○:マスクを容易に取り外すことができ、貼付痕もなかった。
【0056】
【表3】
−現像幅(予備乾燥時間許容範囲)−
レジストインクを厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板の全面にスクリーン印刷により塗布し、溶剤を揮発させるために80℃で乾燥時間10、20、30、40、50、60、70及び80分の各乾燥条件で予備乾燥を行い、膜厚20μmの乾燥塗膜を有する8種類の試験片を各インクについて作成した。その後、パターンを描いたマスクを乾燥塗膜面に直接当てがって密着させ、各レジストインクにおける最適露光量の紫外線を照射し、次にpHが10及び11の炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより現像性及びパターンの形成状態を観察した。結果を表4,5に示す。
【0057】
現像幅の評価方法は次の通りである。
×:未露光部も現像による除去が困難であり、パターン形成が不可能であった。
△:未露光部の現像に長時間を要し、また微細なパターン部分についてはパターン形成が不可能であった。
○:未露光部の現像は容易で、シャープなパターンを得ることができた。
【0058】
−残存ステップ段−
レジストインクを厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板の全面にスクリーン印刷により塗布し、溶剤を揮発させるために80℃で乾燥時間20分の乾燥条件で予備乾燥を行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を有する試験片を各インクについて作成した。その後、ORC HMW680GW(オーク製作所製減圧密着型両面露光機)にて、ステップタブレットPHOTEC21段(日立化成工業社製の露光テスト用マスク)を乾燥塗膜に直接当てがうと共に減圧密着させ、各々50及び150mJ/cm2の紫外線を照射し、次にpHが10及び11の炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより現像後の残存ステップ段数を求め、露光感度の目安とした。結果を表4,5に示す。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
〔プリント配線板の性能評価(1)〕
次に、各レジストインクにより製造されるプリント配線板の性能を確認するため、順次下記(I)から(V)の工程を経ることによりテストピースを作成した。
(I)<塗布工程> 液状フォトソルダーレジストインクを、厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により塗布し、基板表面にレジストインク層を形成させた。
(II)<予備乾燥工程> 塗布工程の後、基板表面のレジストインク層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を20分行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
(III)<露光工程> その後、パターンを描いたマスクを乾燥塗膜表面に直接当てがうとともに各レジストインクにおける最適露光量の紫外線を照射し、基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
(IV)<現像工程> 露光工程後の乾燥塗膜において、選択的に未露光となっている部分を、pHが10の炭酸ナトリウム水溶液を現像液として現像することにより除去し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成させた。
(V)<ポストベーク工程> 現像工程で得られた、露光硬化された乾燥塗膜のパターンが形成されている基板を150℃で30分間加熱し、乾燥塗膜の硬化を行い、テストピースを得た。
【0061】
上記工程で得られたテストピースについて以下の評価を行った。結果を表6,7に示す。
【0062】
−解像性−
線幅及び線間が共に40μmの同心円で構成されるマスクパターンによって形成されるパターンの形成状態を観察した。
【0063】
解像性の評価方法は次の通りである。
×:パターンが形成されなかった。
△:パターンは一応形成されるものの、その一部が欠落していた。
○:シャープなパターンを得ることができた。
【0064】
−はんだ耐熱性−
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを1回あるいは5回おこなった後の表面白化の程度を観察した。また、クロスカットによるセロハン粘着テープ剥離試験をJIS D 0202に準拠して行い、密着状態の変化を観察した。
【0065】
表面白化の評価方法は次の通りである。
×:著しく白化した。
△:僅かに白化が認められた。
○:異常を生じなかった。
【0066】
また密着性の評価方法は次の通りである。
×:クロスカット試験をするまでもなく、レジストの膨れ又は剥離を生じた。
△:テープ剥離時にクロスカット部分に一部剥離を生じた。
○:クロスカット部分の剥離を生じなかった。
【0067】
−鉛筆硬度−
鉛筆硬度は、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K 5400に準拠して測定して評価した。
【0068】
−耐溶剤性−
室温において1時間、2−プロパノール及び1,1,1−トリクロロエタン中に浸漬し、基板を観察して評価した。
【0069】
耐溶剤性の評価方法は次の通りである。
○:異常を生じないもの。
△:僅かに変化が見られるもの。
×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0070】
−耐酸性−
室温において1時間、10wt%の塩酸に浸漬し、基板を観察して評価した。
【0071】
耐酸性の評価方法は次の通りである。
○:異常を生じないもの。
△:僅かに変化が見られるもの。
×:塗膜に剥がれが見られるもの。
【0072】
−耐金めっき性−
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、テストピースのめっきを行い、塗膜の密着状態を観察した。
【0073】
耐金めっき性の評価方法は次の通りである。
○:全く変化のないもの。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が見られるもの。
×:塗膜の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が見られるもの。
【0074】
−耐電蝕性−
テストピースに代えて、IPC B−25のくし型電極Bクーポンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、くし電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、40℃、90%R.H.の条件下にて500時間後のマイグレーションの有無を確認して評価した。
【0075】
耐電蝕性の評価方法は次の通りである。
○:全くマイグレーションが確認できないもの。
△:ほんの僅かにマイグレーションが確認できるもの。
×:マイグレーションが発生しているもの。
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
〔プリント配線板の性能評価(2)〕
上記の〔プリント配線板の性能評価(1)〕において、(II)<予備乾燥工程>のみを次の条件に変更してテストピースを作成した。
(II)<予備乾燥工程>塗布工程の後、基板表面のレジストインク層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を80分行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
【0078】
次に、このテストピースを〔プリント配線板の性能評価(1)〕と同様の方法を用いて評価した。結果を表5に示す。
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
表4乃至9から判るように、実施例1乃至10、22及び参考例11乃至21のフォトソルダーレジストインクでは比較例1乃至4のものよりも、現像液のpHが10とアルカリ性が弱い場合でも十分な現像性を示し、また予備乾燥時間許容範囲も長くなり、生産性を向上させることができるものである。
【0081】
【発明の効果】
上記のように本発明は、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸の少なくとも一つを含有するため、pHが10付近の現像液を使用しても良好な現像性を示し、かつレジストの保存安定性、耐電蝕性及び電気特性、耐薬品性、耐めっき性、はんだ耐熱性、密着性、及び鉛筆硬度等の良好なレジストを基板上に形成することができるものである。
【0082】
また多価カルボン酸無水物として二塩基酸無水物を用いることによって、最も現像液のpHの影響を受けにくくなり、しかも二塩基酸無水物を0.01〜3.0重量%含有することによって、上記効果を確実に得ることができるものである。
【0083】
また少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物として二塩基酸を用いることによって、最も現像液のpHの影響を受けにくくなり、しかも二塩基酸を0.01〜3.0重量%含有することによって、上記効果を確実に得ることができるものである。
Claims (5)
- A.1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する紫外線硬化性樹脂
B.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
C.モノカルボン酸である蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸、ジカルボン酸であるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、クロトン酸、トリカルボン酸であるトリメリット酸、クエン酸の少なくとも一つ
D.光重合開始剤
E.希釈剤
を含んで成ることを特徴とするアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク。 - A成分が、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)とその他のエチレン性不飽和単量体(b)を重合させて得られる共重合体に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d)と飽和または不飽和の多塩基酸無水物(e)とを反応させて得られる紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク。
- エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(a)がグリシジル(メタ)アクリレートを含むものであることを特徴とする請求項2に記載のアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク。
- C成分が前記ジカルボン酸を含むものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク。
- 前記ジカルボン酸を希釈剤E中の有機溶剤を除外したインク成分全量中で0.01〜3.0重量%含有して成ることを特徴とする請求項4に記載のアルカリ現像型フォトソルダーレジストインク。
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