JP4548155B2 - アルカリ現像型感光性樹脂組成物及びプリント配線基板。 - Google Patents
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Description
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、ジベンゾピラン骨格を含有するエポキシ樹脂(X)、カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)、光重合開始剤(C)と混合して得る事ができる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(X)は1分子中に1個以上のエポキシ基とジベンゾピラン骨格を含有するものであれば良く、その構造が特に限定されるものではない。
(2)前記(1)で得られたエポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を更にフェノール類及び/又はカルボン酸類を用いて伸長反応させる方法。
(3)多官能エポキシ樹脂に前記多価フェノール化合物(a1)を含むフェノール類を用いて伸長反応させる方法。
この反応は多価フェノール類とエピハロヒドリンからエポキシ樹脂を得る、従来の方法と同様であり、用いる多価フェノール類として前記多価フェノール化合物(a1)を含むものであれば良く、エポキシ化の方法として特に制限されるものではない。
この反応は、エポキシ樹脂とフェノール類及び/またはカルボン酸類とを付加反応させて、分子鎖伸長させたエポキシ樹脂を得る一般的反応と同一であり、エポキシ樹脂として(1)の製法で得られた、ジベンゾピラン骨格を含有するエポキシ樹脂を用いればよい。
この方法は、(2)の製法においてエポキシ樹脂として1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を用い、フェノール類として前述のジベンゾピラン骨格を有する多価フェノール化合物(a1)を必須とするフェノール類を用いる以外は、前記(2)と同様である。
この様なカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)は、酸価30〜200mgKOH/gなる範囲が好ましい。即ち、酸価が200mgKOH/g以下の範囲においては硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等の特性が良好なものとなり、30mgKOH/g以上においてはアルカリ水溶液に対する溶解性が一層優れたものとなる。
(2)軟化点:JIS K−7234(環球法)に準拠した。
(1)多価フェノール化合物(a1)の合成
撹拌装置及び加熱装置が付いた1リットルの四つ口フラスコに、トリメチルハイドロキノン304g(2.0モル)をトルエン1000gとエチレングリコールモノエチルエーテル400gの混合溶媒に溶解した。その溶液にパラトルエンスルホン酸10gを加え、41%ホルマリン88g(1.2モル)を発熱に注意しながら滴下して、水分を留去しながら100〜120℃で15時間撹拌した。次いで、冷却して析出結晶を濾別し、中性になるまで繰り返し水で洗浄した後に、乾燥して下記構造式(a1−1)で表される多価フェノール化合物264gを得た。この化合物の水酸基当量は149g/eq.(アセチル化法)であり、GPCによる純度は99%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けた2リットルのフラスコに窒素ガスパージを施しながら、合成例1−(1)で得られた多価フェノール化合物(a1−1)149g(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール53g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2.3gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後に、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液82g(1.0モル)を5時間かけて滴下した、次いで同条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら反応した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン550gとn−ブタノール55gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後に、洗浄液のPHが中性となるまで水100gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して下記構造式(A−1)で表されるエポキシ樹脂188gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は227g/eq.であった。またGPC分析より下記構造式(A−1)中の繰り返し数nは0.1であった。
(1)多価フェノール化合物(a1)の合成
合成例1−(1)においてホルマリン88gの代わりにベンズアルデヒド127g(1.2モル)を用いる以外は合成例1−(1)と同様にして、下記構造式(a1−2)で表される多価フェノール化合物318gを得た。この化合物の水酸基当量は187g/eq.(アセチル化法)であり、GPCによる純度は99%であった。
合成例1−(2)において多価フェノール化合物(a1−1)149gの代わりに、多価フェノール化合物(a1−2)187g(水酸基1.0当量)を用いる以外は、合成例1−(2)と同様にして、下記構造式(A−2)で表されるエポキシ樹脂220gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は262g/eq.であった。またGPCチャートから下記構造式中の繰り返し数であるnは0.1であることを確認した。
合成例1−(1)において、多価フェノール化合物(a1−1)149gの代わりに、多価フェノール化合物(a1−2)131g(水酸基0.7当量)とビスフェノールF30g(水酸基0.3当量)との混合物を用いる以外は,合成例1と同様にして、エポキシ樹脂(A−3)210gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は241g/eq.、軟化点は70℃であった。
合成例1−(1)において、多価フェノール化合物(a1−1)149gの代わりに、多価フェノール化合物(a1−2)131g(水酸基0.7当量)とクレゾールノボラック樹脂33g(水酸基0.3当量)との混合物を用いる以外は、合成例1と同様にして、エポキシ樹脂(A−4)213gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は250g/eq.、軟化点は98℃であった。
〔カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物の合成〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−695(大日本インキ化学工業製、エポキシ当量=214)214gを撹拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート206gを加えて加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1gと、反応触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72gを徐々に滴下し、16時間反応させた。得られた反応生成物を80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物91.2gを加えて8時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物は、不揮発分65%、固形物の酸価87.5mgKOH/gであった。以下、この反応生成物の溶液をAワニスと称す。
上記で得られたAワニス100gに、上記合成例2で得たエポキシ樹脂(A−2)39g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(B)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、上記合成例3で得たエポキシ樹脂(A−3)31g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、上記合成例4で得たエポキシ樹脂(A−4)37g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(D)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−695(大日本インキ化学工業製、軟化点95℃、エポキシ当量214g/当量)32g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(E)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−775(大日本インキ化学工業製、軟化点74℃、エポキシ当量188g/当量)29g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(F)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−740(大日本インキ化学工業製、半固形、エポキシ当量181g/当量)27g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(G)を調製した
上記で得られたAワニス100gに、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のEPICLON HP−7200HH(大日本インキ化学工業製、軟化点89℃、エポキシ当量276g/当量)42g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(H)を調製した。
上記で得られたAワニス100gに、アルキルモノグリシジルエーテル(YED−111)(ジャパンエポキシレジン製、エポキシ当量 290g/eq)19g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−695(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量=214)19g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(I)を調製した。
(1)仮乾燥後の指触乾燥性
上記の実施例1〜4及び比較例1〜5の各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、パン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分間、乾燥させた基板を作成し、その塗膜表面の指触乾燥性を評価した。
○:全くベタ付きのないもの
△:ほんの僅かにベタ付きのあるもの
×:ベタ付きのあるもの
上記の実施例1〜4及び比較例1〜5の各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で乾燥時間を各々5分間隔で変えた基板を用意する。この基板にネガフィルムを当て、ソルダーレジストパターンを露光し、1%Na2CO3水溶液によりスプレー圧2kg/cm2で1分間現像し、乾燥管理幅(現像可能な最長乾燥時間)を調べた。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜5の各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、脱脂洗浄された0.318mmピッチ櫛型電極状にパターン形成されたプリント配線基板に15〜20μmの厚みになるように全面にスクリーン印刷し、次いで80℃で20分間乾燥させ、その塗膜にレジストパターンを有するネガフィルムを密着させ、積算光度500mJ/cm2の紫外線を照射露光した。次に液温30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間、及び60秒間、2.0kg/cm2のスプレー圧で現像し、目視により未露光部分を下記の基準で評価した。
○:完全にインキが除去され残査なし。
△:僅かに残査がある。
×:現像されない部分がある。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜5の各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、脱脂洗浄された0.318mmピッチ櫛型電極状にパターン形成されたプリント配線基板に15〜20μmの厚みになるように全面にスクリーン印刷し、次いで80℃で20分間乾燥させ、その塗膜にレジストパターンを有するネガフィルムを密着させ、積算光度500mJ/cm2の紫外線を照射露光した。次に液温30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間、及び60秒間、2.0kg/cm2のスプレー圧で現像後、さらにこの基板を150℃で60分間熱硬化して評価基板を作製した。この評価基板にロジン系フラックスを塗布し、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、トリクロロエタンでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト膜の膨れ・剥がれ・変色について評価した。
○:ほんの僅か変色のみしたもの
△:ほんの僅か膨れ・剥がれ・変色したもの
×:レジスト膜に膨れ、剥がれがあるもの
Claims (12)
- ジベンゾピラン骨格を含有するエポキシ樹脂(X)とカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)と光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とするアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂(X)がジベンゾピラン骨格を有する多価フェノール化合物(a1)とそれ以外の多価フェノール化合物(a2)との混合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるものである請求項1記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記多価フェノール化合物(a1)とそれ以外の多価フェノール化合物(a2)との混合物が、それらの重量比(a1)/(a2)=98/2〜30/70で混合されたものである請求項2記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記それ以外の多価フェノール化合物(a2)がフェノール類ノボラック樹脂である請求項2記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(1)中のRが炭素数1〜6のアルキル基であり、nが2または3である請求項5記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(1)中のR1が水素原子であり、R2が水素原子又はフェニル基であり、Rがメチル基であり、nが3である請求項5記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂(X)の軟化点が50〜150℃の範囲である請求項1記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 前記のエポキシ樹脂(X)のエポキシ当量が220〜300g/eq.の範囲である請求項1記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 更に、エチレン結合を有する光重合性不飽和化合物(D)を含有する請求項1〜9何れか記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- レジストインキ用に調製された請求項1〜9何れか記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
- 請求項11記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物を用いて回路形成されたプリント配線基板。
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