JP4873238B2 - アルカリ現像型感光性樹脂組成物、レジストインキ、及びプリント配線基板 - Google Patents

アルカリ現像型感光性樹脂組成物、レジストインキ、及びプリント配線基板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線基板の層間絶縁材料として有用なエポキシ樹脂組成物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物、並びに、仮乾燥後の塗膜において優れたタック性およびドレープ性を兼備したプリント配線基板に関するものである。
従来より、プリント配線板のソルダーレジスト膜用の樹脂組成物は、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応物と、飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応せしめて得られるカルボキシル基含有活性エネルギー線硬化性樹脂と、光重合開始剤とエポキシ樹脂を含有する希アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性のレジストインキ組成物が用いられている。
これらソルダーレジスト組成物は、通常、溶剤に希釈され、これを塗布した後、仮乾燥工程を経ることによって溶剤を除去し、得られた塗膜を露光、現像処理して所望のレジストパターンを形成した後、熱硬化させ、密着性、硬度、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れるレジスト膜を形成させている。
これらアルカリ現像型感光性樹脂組成物中のエポキシ樹脂は、例えば、硬化後の耐熱性や機械物性に優れる点からフェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂が広く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
かかるアルカリ現像型感光性樹脂組成物を用いて製造されたプリント配線板は、近年、作業効率向上を目的として、仮乾燥した状態で該プリント配線板を重ね置きする場合が多く、仮乾燥後のプリント配線板のタック性が強い場合には基板の自重ではりついてしまうなどのトラブルが発生していた。そこで、アルカリ現像型感光性樹脂組成物に用いるノボラック型エポキシ樹脂は、仮乾燥後の塗膜のタック性の向上を目的に、通常、軟化点が80℃以上のものが用いられていた。
しかしながら、軟化点の高いノボラック型エポキシ樹脂は、1分子中の平均官能基数が多くなるため、硬化後の架橋密度が高くなって耐熱性や機械物性は高くなるものの、仮乾燥後の塗膜が脆くなることから基板のドレープ性(しなやかさ)の悪化を招いていた。特に、上記のようにプリント配線板を重ね置きする場合、自重によるたわみが大きくなるため、作業中に割れや破損が生じ易く、作業性が損なわれてしまうものであった。
特開平10−282665号公報 特開平6−258830公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、優れた作業性を発現するための性質である、仮乾燥後のタック性が良好で、良好なドレープ性(しなやかさ)を有し、更に、硬化後は耐熱性に優れるプリント配線基板、これを実現するレジストインキ及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、グリシジルオキシ基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がグリシジル基に対してパラ位−パラ位となっているものの含有率がパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計モル数に対して22〜28モル%の範囲であるノボラック型エポキシ樹脂を含むアルカリ現像型感光性樹脂組成物が、仮乾燥状態にあるプリント配線基板のタック性に優れると共に、同一軟化点のノボラック型エポキシ樹脂を含むアルカリ現像型感光性樹脂組成物から得られる塗膜と比較してドレープ性に優れ、かつ、同一軟化点のノボラック型エポキシ樹脂を含むアルカリ現像型感光性樹脂組成物から得られる硬化物と比較して、耐熱性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)、及び光重合開始剤(C)を必須成分とするアルカリ現像型感光性樹脂組成物であって、前記ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が、その軟化点が90〜130℃の範囲にあるものであり、かつ、グリシジルオキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率が、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して22〜28モル%の範囲であることを特徴とするアルカリ現像型感光性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物を用いたレジストインキに関する。
本発明は、更に、前記レジストインキを用いて回路形成されたプリント配線基板に関する。
本発明によれば、優れた作業性を発現するための性質である、仮乾燥後のタック性が良好で、良好なドレープ性(しなやかさ)を有し、更に、硬化後は耐熱性に優れるプリント配線基板、これを実現するレジストインキ及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物を提供できる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物に用いられるカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)は、分子内に、カルボキシル基と光重合性不飽和結合を有していればよく、例えば、多官能エポキシアクリレート化合物と酸無水物化合物とを反応させて得られるものが挙げられる。また、多官能エポキシアクリレート化合物は、種々の多官能エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸とを反応させたものが使用できる。
前記多官能エポキシ樹脂は、例えば、レゾルシン型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフトール型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂等のビフェノール型のエポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのなかでも特にアルカリ可溶性や耐熱性等の点からノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、特にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
また、前記不飽和カルボン酸は、1分子中に1個以上の2重結合とカルボン酸を含有するものであればよく、例えば、α,β−不飽和カルボン酸やα,β−不飽和ジカルボン酸が挙げられる。具体的には、アクリル酸やメタクリル酸、マレイン酸が挙げられる。
前記酸無水物化合物は、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等の多塩基酸無水物が挙げられる。
多官能エポキシアクリレート化合物と酸無水物化合物との反応割合は、例えば、前記多官能エポキシアクリレート化合物の1水酸基当量に対し、酸無水物化合物の酸無水基が0.2〜2.5当量となる割合であることが好ましい。即ち、0.2モル以上の範囲においては、アルカリ水溶液に対する溶解性が向上し、また、2.5モル以下の範囲においては安定性が良好なものとなる。
この様にして得られるカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)は、酸価30〜200mgKOH/gなる範囲のものが好ましい。即ち、酸価が200mgKOH/g以下の範囲においては硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等の特性が良好なものとなり、30mgKOH/g以上においてはアルカリ水溶液に対する溶解性が一層優れたものとなる。
次に、本発明で用いるノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、前記した通り、その軟化点が90〜130℃の範囲にあるものであり、かつ、グリシジルオキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率が、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して22〜28モル%の範囲にあることを特徴としている。即ち、通常、高軟化点のエポキシ樹脂は、その硬化物が硬くなってドレープ性を発現しないのに対して、本発明で用いるノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、パラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率を低くすることによって、高軟化点であるにも拘わらず、優れたドレープ性を発現するものである。
かかるノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、ヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率が、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して22〜28モル%の範囲にあるノボラック樹脂とエピハロヒドリンを反応させることにより得ることができる。
ここで用いるノボラック樹脂は、フェノールノボラック樹脂、炭素原子数1〜4のアルキル基を芳香核上の置換基として有するアルキルフェノールノボラック樹脂などが挙げられ、この中でも特に特に耐熱性の点からフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
かかるノボラック樹脂を製造するには、具体的には、反応の開始時に、フェノールノボラック樹脂、及び炭素原子数1〜4のアルキル基を芳香核上の置換基として有するアルキルフェノールなどのフェノール類と、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を全量一括して仕込み、触媒を添加し反応させる方法、或いは、反応初期の発熱を抑制するために、前記フェノール類と触媒を仕込んだ後、前記アルデヒド類を逐次添加して反応させてノボラック樹脂を得る方法が挙げられる。
ここで用いる触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸亜鉛等が挙げられるが、本発明では特に蓚酸を用いた場合、最終的に得られるノボラック樹脂においてヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の生成比率が、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の生成比率に対して抑制できるため好ましい。
また、前記反応を行う際、反応系中の水分を30重量%以下に維持することが、ヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率を、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して低減できる点から好ましい。
ここで、反応系中の水分量とは、原料仕込時の水分と反応で生成する縮合水との合計水分量を仕込み全量で除した値である。ここで、原料仕込時の水分としては、仕込み時に添加した水分、添加するアルデヒド類に含まれる水分などが挙げられる。また、仕込み全量とは、反応系内に存在するフェノール類、アルデヒド類、フェノール樹脂、触媒等の全体量をいう。そして、水を蒸留して取り除きながら反応させる場合における、反応系中の水分量は、前記合計水分量と仕込み全量の双方から、溜去した水分量を減じて算出することができる。
かかる反応系中の水分量は、水分量が少ないほどヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の生成比率を、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合に対して減少させる効果があるが、過少になると合計モルに対する比率が22%を下回り、ドレーブ性を悪化させるため1〜20重量%であることが特に好ましい。
前記反応の反応条件は、反応系中の水分を30重量%以下に維持し、かつ、反応温度が100〜150℃となる範囲であることが好ましい。このような反応条件を採用することで、ヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率を、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して22〜28モル%となる範囲に容易に調節することができる。一方、当該反応条件から外れるような場合、即ち、水分量が多く、かつ、温度が低い条件下で行った場合には、ヒドロキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の生成比率が、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の生成比率に対して高くなる。
前記反応を常圧下で実施する場合、水分量が30重量%以下の範囲での還流温度はほぼ110〜150℃にあたり、温度及び水分のコントロール上、常圧反応は好ましい条件である。また、前記反応は、ブタノール、プロパノール等の非水溶剤を使用した溶剤還流脱水反応、高圧反応等により行うことができる。
また、前記反応は、アルデヒド類を添加しながら、生成する縮合水を蒸留等で取り除く方法が、反応系中の水分量を一定に保持しやすい点から好ましい。この場合、未反応のフェノール類が水分と一緒に取り除かれてしまう場合があるので、未反応フェノール類が一定量以下となるまで、未反応のフェノール類が蒸留されないようにして反応を行い、次いで、蒸留により水分を取り除きながら、或いは取り除いた後に、反応系中の水分量を30重量%以下、反応温度を110〜200℃として反応を続けることが好ましい。
エピハロヒドリンは、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、βメチルエピクロロヒドリン等が挙げられる。なかでも入手の容易性からはエピクロルヒドリンが好ましく、仮乾燥管理幅性や現像ライフが優れる点からはβ−メチルエピクロロヒドリンが好ましい。
また、ノボラック樹脂とエピハロヒドリンの反応は、反応速度を高める有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。エピハロヒドリンの使用量は、ノボラック樹脂の水酸基1当量に対して1当量以上使用すれば良い。しかしながらノボラック樹脂の水酸基1当量に対して15当量を超えると増量した効果はほとんどなくなる一方、容積効率が悪くなる。ここで、反応を行う際、アルカリ金属水酸化物を使用する。アルカリ金属水酸化物としては、例えば苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどが使用できるが苛性ソーダや苛性カリが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、式(II)で表されるフェノール性水酸基1当量に対して0.9〜1.2当量(ほぼ1当量)使用すれば良い。
反応温度は、30〜100℃の範囲であることが好ましい。反応温度が30℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応を要する一方で、反応温度が100℃を超えると副反応が生じやすくなる。
なお、工業生産を行う際は、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みエピハロヒドリンの全てを新しいものを使用するが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリンと、反応で消費される分及で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリンとを併用することが好ましい。
反応終了後、過剰のエピハロヒドリン及び有機溶剤を減圧下留去した後、有機溶剤に生成樹脂を溶解させアルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行うこともできる。
また、本発明で用いるノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、1,2−ジオール基を0.02〜0.10meq/gの範囲で含有するものが、アルカリ現像する際の現像性に優れる点から好ましい。1,2−ジオール基含有量の調整方法は、例えば、上記のエピハロヒドリンとの反応時に、必要量のグリシドールを添加する方法が挙げられる。
このようにして得られたノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、従来のノボラック型エポキシ樹脂に比べ、その塗膜はタック性およびドレープ性に優れ、更にその硬化物は耐熱性に優れるためプリント配線基板の層間絶縁材料などの用途に極めて有用である。
また、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)は、前記した通り、軟化点が90〜130℃の範囲であるものがタック性、ドレープ性、乾燥性のバランスが優れる点からより好ましく、特に好ましくは軟化点が100〜130℃の範囲である。90℃以上のものは仮乾燥後の塗膜のタック性に優れ、軟化点が130℃を超えるものは仮乾燥時の溶剤除去性が悪化する。
また、前記ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)はエポキシ当量が200〜300g/eq.の範囲のものであることが本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましく、特に好ましくはエピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリンを用いた場合、200〜240g/eq.の範囲のものであり、エピハロヒドリンとしてβメチルエピクロロヒドリンを用いた場合、240〜290g/eq.の範囲のものである。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物で用いる光重合開始剤(C)は、エチレン結合を有する光重合性不飽和化合物の光重合開始剤として使用されるものが何れも使用できる。このような光重合開始剤(C)としては、具体的には、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミグゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、アゾビスイソブチルニトリルなどが挙げられる。
また、上記光重合開始剤と組み合わせて該光重合開始剤の光重合開始能を増大させ得るような化合物を併用してもよい。例えば、トリエタノールアミン等の第3級アミンを前記ベンゾフェノンと組み合わせることにより、顕著な光重合開始能が得られる。
また、本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物には、エポキシ樹脂成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の他のエポキシ樹脂(B)を含有してもよい。
ここで用いるエポキシ樹脂(B)は、例えば、レゾルシン型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフトール型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂等のビフェノール型のエポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。また難燃性を付与するために、上記エポキシ樹脂の臭素置換体である、臭素化エポキシ樹脂を用いることが好ましい。具体的には、テトラブロモビスフェノールAや臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。この場合、樹脂組成物中の臭素含有量は、3〜30質量%の範囲となるように臭素化エポキシ樹脂を用いることが好ましい。即ち、3質量%以上の範囲において難燃効果が著しく良好なものとなり、また、30質量%以下において、臭素量が多くなり過ぎた場合のめっき被膜のふくれなどの発生を防止できる。
前記エポキシ樹脂(B)を用いる場合、その使用量は仮乾燥後の塗膜のタック性の点から、エポキシ樹脂(B)が常温で液状の場合、全エポキシ樹脂成分中5〜60質量%であることが好ましく、特に5〜50質量%であることが好ましい。一方、エポキシ樹脂(B)が軟化点60℃以下の固形の場合、全エポキシ樹脂成分中5〜80質量%であることが好ましく、特に10〜70質量%であることが好ましい。また、エポキシ樹脂(B)が軟化点60℃を超える固形の場合、全エポキシ樹脂成分中5〜90質量%であることが好ましく、特に10〜80質量%であることが好ましい。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、前記カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)と、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)と、光重合開始剤(C)を必須成分として含有するものであり、これら各成分の配合割合は、カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)100質量部に対し、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が5〜50質量部、光重合開始剤(C)成分が0.1〜30質量部であることが本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
また、前記カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)100質量部に対し、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が5質量部以上であると硬化物の耐アルカリ性が良好なものとなり、50質量部以下においてはアルカリ水溶液による現像性が一層良好なものとなる。
また、前記カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)100質量部に対し、光重合開始剤(C)成分が0.1質量部以上用いることにより光重合の速度が高まり、感度が向上する。一方、30質量部以下においては、光が樹脂層底部まで充分に到達し易くなることから、現像マージンを拡大でき、また、基板との密着力が向上する。
これらのなかでも、特にカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)100質量部に対し、エポキシ樹脂(X)を含有するエポキシ樹脂(B)成分が10〜30質量部、光重合開始剤(C)成分が1〜20質量部であることが上記した各性能のバランスがより一層良好となる点から好ましい。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、上記した各成分に加え、その他のエチレン結合を有する光重合性不飽和化合物(D)を使用目的の物性に合わせて配合することができる。その他のエチレン結合を有する光重合性不飽和化合物(D)の配合量は、カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)成分100質量部に対し、1〜100質量部となる範囲であることがプレキュアー後のタック性の点から好ましい。かかる光重合性不飽和化合物(D)は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
また、本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、必要に応じてエポキシ基硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、体質顔料等の各種添加剤を配合することができる。エポキシ基硬化促進剤としては、例えばアミン化合物類、イミダゾール化合物、カルボン酸類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類、メチロール基含有化合物類などが挙げられ、それらを少量併用して塗膜を加熱することにより、得られる絶縁被膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着性、電気特性及び硬度等の諸特性を向上させることができる。
前記熱重合禁止剤は、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジンなどが、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルなどが、消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物などが、体質顔料としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー及びアエロジルなどがそれぞれ挙げられる。
以上詳述した本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物は、ビルドアップ多層基板の層間絶縁材料やプリント配線板の永久絶縁保護膜として好適に用いられ、特にプリント配線板の永久絶縁保護膜として有用である。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物からレジストインキを調整するには、前記各成分を3本ロールミルなどで混練してレジストインキを製造することができる。
次に、このレジストインキを用いてプリント配線板を製造するには、具体的には、当該レジストインキを基板上に塗工、次いで乾燥させた後、所望のマスクパターンを塗膜表面上に置き、活性エネルギー線を照射して予備硬化させ、次いで、アルカリ現像してパターンを形成し、次いで、該塗膜を硬化させる方法が得られる。
かかる方法につき詳述すれば、先ず、前記の如く調整されたレジストインキをスクリーン印刷等の種々の方法で基板上に塗工後、溶媒を蒸発させて塗膜をタックフリーにするための乾燥を行う。
乾燥後、所望のマスクパターンをコンタクト(接触)又はオフコンタクト(非接触)の状態にして組成物の塗膜が形成された基板上に置き、紫外線又は電子線などの活性エネルギー線を照射することにより塗膜を予備硬化させる。ここで、活性エネルギー線の照射された領域の組成物塗膜の成分は、重合して架橋構造をとって不溶化する。次いで、非照射領域をアルカリ水溶液を用いて除去することによって現像を行い、所望のパターンを形成することができる。
ここで用いるアルカリ水溶液は、0.1〜10質量%の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンの水溶液など挙げられる。
このようにして得られたパターンを、100〜200℃の加熱処理や紫外線照射を行って塗膜強度を向上せしめた後、無電解めっきなどで信号配線の形成、バイアホール内面めっきなどを行うことにより、耐湿信頼性、耐熱性に優れたプリント配線板を得ることができる。
以下、参考例、実施例及び比較例等に基づいて、本発明を具体的に説明するが,本発明が下記実施例に限定されるものではない。エポキシ樹脂の各種性状値は下記に示す方法で測定した。
[1]エポキシ当量:JIS K−7236に準じた方法で測定した。
[2]軟化点:JIS K−7234に準じた方法で測定した。
[3]グリシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がグリシジル基に対してパラ位−パラ位結合となっている比率:日本電子製NMRを用い、NOE消去によるH1完全デカップリング法(SGNNEモード)にてC13−NMRを測定し、オルソ位−オルソ位結合のメチレン炭素(29〜32ppmに存在するピーク合計)とオルソ位−パラ位結合のメチレン炭素(34〜37ppmに存在するピーク合計)およびパラ位−パラ位結合のメチレン炭素(39〜42ppmに存在するピーク合計)のそれぞれの積分値の比率より算出した。溶媒は重クロロホルム、測定濃度は30質量%、パルス幅は45°、遅延時間は2秒、積算回数は4千回とした。
[4]1,2−ジオール基含有量:試料をクロロホルムに溶解し、過ヨウ素酸をジオール機に反応させ、未反応の過ヨウ素酸をヨウ化カリで還元した後、生じたヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定した。
合成例1 (ノボラック樹脂の合成)
攪拌装置、冷却管および温度計を備えた2Lの反応装置にクレゾール108質量部、蓚酸5質量部を仕込み、常圧で内温110℃まで昇温した後、脱水配管に切り替え生成した水を除去しながら37質量%ホルマリン44質量部(モル比F/P=0.54)を30分間かけて添加した。更に120℃で30分間反応を行った後、冷却管に切り替え37質量%ホルマリン44質量部(モル比F/P=0.54)を30分間かけて添加した。更に120℃で1時間還流反応を行った後、140℃まで昇温した。次いで、釜内を5000Paまで徐々に減圧にしながら内温を250℃まで上げ、水分等を除去し、クレゾールノボラック樹脂(a)116質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%であった。
合成例2 (ノボラック樹脂の合成)
攪拌装置、冷却管および温度計を備えた2Lの反応装置にクレゾール108質量部、蓚酸5質量部を仕込み、常圧で内温120℃まで昇温した後、脱水配管に切り替え生成した水を除去しながら37質量%ホルマリン88質量部(モル比F/P=1.08)を1時間かけて添加した。更に120℃で1時間還流反応を行った後、140℃まで昇温した。次いで、釜内を5000Paまで徐々に減圧にしながら内温を250℃まで上げ、水分等を除去し、クレゾールノボラック樹脂(b)115質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して22モル%であった。
合成例3 (ノボラック樹脂の合成)
合成例1において、蓚酸5質量部を酢酸亜鉛5質量部に変更した以外は合成例1と同様の方法で、クレゾールノボラック樹脂(c)116質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して20モル%であった。
合成例4 (ノボラック樹脂の合成)
攪拌装置、冷却管および温度計を備えた2Lの反応装置にクレゾール108質量部、蓚酸5質量部を仕込み、常圧で内温95℃まで昇温した後、37質量%ホルマリン88質量部(モル比F/P=1.08)を1時間かけて添加した。更に98〜100℃で1時間還流反応を行った後、脱水配管に切り替え生成した水を除去しながら140℃まで昇温した。次いで、釜内を5000Paまで徐々に減圧にしながら内温を250℃まで上げ、水分等を除去し、クレゾールノボラック樹脂(d)116質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して30モル%であった。
合成例5 (ノボラック樹脂の合成)
合成例1において、蓚酸5質量部を硫酸0.1質量部に変更した以外は合成例1と同様の方法で、クレゾールノボラック樹脂(e)111質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して32モル%であった。
合成例6 (ノボラック樹脂の合成)
合成例1において、37質量%ホルマリン88質量部を37質量%ホルマリン105質量部(モル比F/P=1.31)に変更した以外は合成例1と同様の方法で、クレゾールノボラック樹脂(f)117質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して27モル%であった。
合成例7 (ノボラック樹脂の合成)
合成例1において、37質量%ホルマリン88質量部を37質量%ホルマリン69質量部(モル比F/P=0.85)に変更した以外は合成例1と同様の方法で、クレゾールノボラック樹脂(g)115質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%であった。
合成例8 (ノボラック樹脂の合成)
合成例1において、37質量%ホルマリン88質量部を37質量%ホルマリン75質量部(モル比F/P=0.92)に変更した以外は合成例1と同様の方法で、クレゾールノボラック樹脂(h)116質量部を得た。得られた樹脂の水酸基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、水酸基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%であった。
合成例9 (カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)を含むワニスの製造)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のEPICLON N−695(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量=214)214gを撹拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート206gを加えて加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1gと、反応触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72gを徐々に滴下し、16時間反応させた。得られた反応生成物を80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物91.2gを加えて8時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物は、不揮発分65質量%、固形物の酸価87.5mgKOH/gであった。以下、この反応生成物の溶液をAワニスと称す。
合成例10 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、クレゾールノボラック樹脂(a)120g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(A)171gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%、軟化点は105℃、エポキシ当量は209g/eq、ジオール基は0.01meq/gであった。
合成例11 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例10において、クレゾールノボラック樹脂(a)120g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gに加えてグリシドール1gを仕込んだ以外は合成例10と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(B)172gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%、軟化点は105℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例12 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例10において、クレゾールノボラック樹脂(a)120g、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gに加えてグリシドール0.5gを仕込んだ以外は合成例10と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(C)172gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%、軟化点は105℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.03meq/gであった。
合成例13 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(b)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(D)171gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して22モル%、軟化点は106℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.07meq/gであった。
合成例14 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(c)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(E)170gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して20モル%、軟化点は106℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例15 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(d)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(F)172gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して30モル%、軟化点は104℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例16 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(e)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(G)171gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して32モル%、軟化点は104℃、エポキシ当量は212g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例17 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(f)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(H)172gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して27モル%、軟化点は126℃、エポキシ当量は220g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例18 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(g)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(I)170gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%、軟化点は78℃、エポキシ当量は209g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例19 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例11において、クレゾールノボラック樹脂(a)を、クレゾールノボラック樹脂(h)に変更した以外は合成例11と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(J)171gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して25モル%、軟化点は83℃、エポキシ当量は209g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
合成例20 (ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)の合成)
合成例17において、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)を、エピクロルヒドリン231g(2.5モル)に変更した以外は合成例17と同様の方法で、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(K)170gを得た。得られたエポキシ樹脂のグルシジル基を有する芳香環間のメチレン結合の結合位置がパラ位−パラ位となっているものの含有率は、グリシジル基に対してパラ位−パラ位およびオルソ位−パラ位およびオルソ位−オルソ位の合計に対して27モル%、軟化点は133℃、エポキシ当量は241g/eq、ジオール基は0.06meq/gであった。
実施例1
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例13で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(D)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(1)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例11で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(B)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(2)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例17で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(H)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(3)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例12で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(C)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(4)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例5
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例10で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(A)32g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(9)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例14で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(E)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(5)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
比較例2
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例16で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(G)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(6)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
比較例3
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例18で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(I)32g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(7)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
比較例4
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例20で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(K)36g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(8)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
比較例5
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例15で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(F)33g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(10)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
比較例6
合成例9で得られたAワニス100gに、上記合成例19で得たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(J)32g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8g、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン5g、2,4‐ジエチルチオキサントン1g、シリカ10g、硫酸バリウム13g、フタロシアニングリーン1gを3本ロールで混合分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(11)を調製した。得られた組成物の仮乾燥後の塗膜のタック性およびドレープ性、ポストキュアー後の各種塗膜性能を評価した。結果を表2に示す。
<実施例1〜5及び比較例1〜6の塗膜評価試験方法>
(1)仮乾燥後のタック性
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分間、乾燥させた基板を作成し、その塗膜表面の指触乾燥性を評価した。
○ : 全くベタ付きのないもの
△ : ほんの僅かにベタ付きのあるもの
× : ベタ付きのあるもの
(2)仮乾燥後のタック性(転がり角度)
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、幅50mm、長さ300mmのパターン形成された銅箔基板を水平面に置き、この上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分間、乾燥させた基板を作成した。この基板の片端から10mmの塗布面に直径10mmのSUS304の球を置き、球を置いた方の片端を水平面に対して1分間に1度の角度で上昇させ、球が動きだした時の角度(転がり角度)を指触乾燥性の指標とした。
(3)仮乾燥後のドレープ性:
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、幅25mm、長さ500mm、厚み18μmの銅箔上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で20分間、乾燥させた銅箔を、片端から100mmを架台に固定し、もう一方の片端から400mmを垂下させた。10分後、垂下させた基板の先端までの架台固定部からの垂直距離Aと架台固定部端100mmの位置から基板の先端までの水平距離Bを計測し、次式より垂れ角度θ(゜)を求め、ドレープ性の指標とした。垂れ角度θ(゜)=tan-1(A/B)
(4)現像性:
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、脱脂洗浄された0.318mmピッチ櫛型電極状にパターン形成されたプリント配線基板に15〜20μmの厚みになるように全面にスクリーン印刷し、次いで80℃で20分間乾燥させ、その塗膜にレジストパターンを有するネガフィルムを密着させ、積算光度500mJ/cmの紫外線を照射露光した。次に液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間、及び60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、目視により未露光部分を下記の基準で評価した。
○ : 完全にインキが除去され残査なし。
△ : 僅かに残査がある。
× : 現像されない部分がある。
(5)はんだ耐熱性:
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた各アルカリ現像型感光性樹脂組成物を、脱脂洗浄された0.318mmピッチ櫛型電極状にパターン形成されたプリント配線基板に15〜20μmの厚みになるように全面にスクリーン印刷し、次いで80℃で20分間乾燥させ、その塗膜にレジストパターンを有するネガフィルムを密着させ、積算光度500mJ/cmの紫外線を照射露光した。次に液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間、及び60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像後、さらにこの基板を150℃で60分間熱硬化して評価基板を作製した。この評価基板にロジン系フラックスを塗布し、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、トリクロロエタンでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト膜の膨れ・剥がれ・変色について評価した。
◎ : 全く変化が認められないもの。
○ : ほんの僅か変色のみしたもの。
△ : ほんの僅か膨れ・剥がれ・変色したもの。
× : レジスト膜に膨れ、剥がれがあるもの。
Figure 0004873238
Figure 0004873238

Claims (8)

  1. カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)、及び光重合開始剤(C)を必須成分とするアルカリ現像型感光性樹脂組成物であって、前記ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が、その軟化点が90〜130℃の範囲にあるものであり、かつ、グリシジルオキシ基に対してパラ位−パラ位となっているメチレン結合の含有率が、パラ位−パラ位となっているメチレン結合、オルソ位−パラ位となっているメチレン結合、およびオルソ位−オルソ位となっているメチレン結合の合計モル数に対して22〜28モル%の範囲であることを特徴とするアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  2. ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が、エピハロヒドリンおよびβ−メチルエピハロヒドリンから選択されるエピハロヒドリン類と、ノボラック樹脂(Y)との反応物である請求項1記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  3. ノボラック樹脂(Y)がフェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂である請求項2に記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  4. ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)のエポキシ当量が200〜300g/eq.の範囲である請求項1〜3の何れか1つに記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  5. ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)が1,2−ジオール基を0.02〜0.10meq/gとなる範囲で含有するものである請求項1〜3の何れかに記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  6. カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物(A)、ノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル(X)、及び光重合開始剤(C)に加え、さらに、その他のエチレン結合を有する光重合性不飽和化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6記載の何れか1つに記載のアルカリ現像型感光性樹脂組成物を用いたレジストインキ。
  8. 請求項7記載のレジストインキを基板上に塗工、次いで乾燥させた後、所望のマスクパターンを塗膜表面上に置き、活性エネルギー線を照射して予備硬化させ、次いで、アルカリ現像してパターンを形成し、次いで、該塗膜を硬化させて得られるプリント配線基板。


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