JP6520110B2 - カルボキシル基含有感光性化合物、感光性樹脂、その硬化物、これらを用いたレジスト材料、及びカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有感光性化合物、感光性樹脂、その硬化物、これらを用いたレジスト材料、及びカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、得られる硬化物において耐熱性、耐熱分解性、難燃性に優れるカルボキシル基含有感光性化合物、感光性樹脂、その硬化物、これらを用いたレジスト材料、及びカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法に関する。
近年、電子機器における技術進歩は著しく、集積回路の高密度化、高性能化が急速に進んでいる。プリント配線基板もこれに対応して高密度化、高配線化、部品の表面実装化が進み、従来以上の高精度、高性能が求められるようになってきた。この集積回路の高密度化、高性能化に適合させるため、集積回路の主要材料となるソルダーレジスト(プリント配線基板の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるレジストインキ用感光性樹脂組成物)については、耐熱性、耐熱分解性、強靱性、可撓性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性など諸特性の向上と、更には、極めて高度な耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性を示すことが求められている。
従来、前記レジストインキ用感光性樹脂組成物には、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸の反応物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂が、硬化物において優れた耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性を示すことから広く使用されてきた。なお、硬化物において耐熱性を有する材料として、特許文献1には、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和基含有モノカルボン酸との反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂が記載され、特許文献2には、ビフェニル骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が記載されている。しかしながら、いずれの樹脂についても、硬化物において耐熱性と耐熱分解性が不足し、難燃性に劣るものであった。
特開昭61−243869号公報 特開平09−157340号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化物において耐熱性、耐熱分解性、難燃性に優れるカルボキシル基含有感光性化合物、感光性樹脂、その硬化物、これらを用いたレジスト材料、及びカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の[b,d]フラン構造を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレート化合物と、多塩基酸無水物と、を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性化合物は、得られる硬化物において耐熱性、耐熱分解性、難燃性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ジアリーレン[b,d]フラン構造を有し、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を形成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基がナフチレン骨格を有し、かつ、前記2つのアリーレン基が何れもその芳香環上にエポキシ基を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレート化合物と、多塩基酸無水物と、を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性化合物に関する。
本発明は更に、前記カルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂に関する。
本発明は、分子構造中にキノン構造を有する化合物(Q)と分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)とを酸触媒の存在下で反応させてフェノール化合物を得る工程と、前記工程で得られたフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させてエポキシ化合物を得る工程と、前記エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物とを反応させてエポキシアクリレート化合物を得る工程と、前記エポキシアクリレート化合物と多塩基酸無水物とを反応させる工程と、を備え、前記キノン構造を有する化合物(Q)又は前記分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)の少なくとも一方の化合物は、分子内にナフタレン環を有する化合物であるカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法に関する。
本発明は更に、前記カルボキシル基含有感光性化合物又は前記感光性樹脂と、光重合開始剤と、を必須成分とするソルダーレジストに関する。
本発明は更に、前記ソルダーレジストを硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は更に、前記ソルダーレジストを含むレジスト材料に関する。
本発明によれば、得られる硬化物において耐熱性、耐熱分解性、難燃性に優れるカルボキシル基含有感光性化合物、感光性樹脂、その硬化物、これらを用いたレジスト材料、及びカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法を提供できる。
実施例1で得られたフェノール樹脂(1)のGPCチャートである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂(1)のGPCチャートである。 実施例2で得られたフェノール樹脂(2)のGPCチャートである。 実施例2で得られたエポキシ樹脂(2)のGPCチャートである。 実施例2で得られたエポキシ樹脂(2)の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られたエポキシ樹脂(2)のMSスペクトルである。 実施例3で得られたフェノール樹脂(3)のGPCチャートである。 実施例3で得られたフェノール樹脂(3)のMSスペクトルである。 実施例3で得られたフェノール樹脂(3)の13CNMRスペクトルである。 実施例3で得られたエポキシ樹脂(3)のGPCチャートである。 実施例4で得られたフェノール樹脂(4)のGPCチャートである。 実施例4で得られたエポキシ樹脂(4)のGPCチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、ジアリーレン[b,d]フラン構造を有し、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を形成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基がナフチレン骨格を有し、かつ、前記2つのアリーレン基が何れもその芳香環上にエポキシ基を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレート化合物と、多塩基酸無水物と、を反応させて得られることを特徴としている。
前記のように、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、ジアリーレン[b,d]フラン構造を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレートと、多塩基酸無水物とを反応させて得られる化合物である。そのため、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、メチレン鎖を介さず芳香核同士が結合した剛直性の高い分子骨格に感光性基が導入された構造を有する。このようなメチレン鎖を介さずに芳香核同士が結合した化合物は、高い芳香環濃度を有し、分子運動も制限されるので、得られる硬化物において優れた耐熱分解性、耐熱性、及び難燃性を発現させることができるという特徴を有する。さらに、本発明のような剛直性が高い分子骨格に感光性基が導入された化合物は、分子レベルでの配向性や感光性基濃度が高いため、硬化物において高密度な架橋構造を形成でき、得られる硬化物において優れた耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性を発現させることができるという特徴を有する。すなわち、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、得られる硬化物において特に優れた耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性を発現させることができるという特徴を有する。
さらに、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、芳香環同士がエーテル結合と直接結合との2つの結合により固定されたジアリーレン[b,d]フラン構造を有しているため、ホルムアルデヒド等の1つの結節基で多官能化された化合物と比較して、燃焼時に芳香環を結びつけている結合が容易に開裂せず、硬化物において特に高い難燃性を発現する。さらに、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を構成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基はナフタレン骨格を有するものであるから、より芳香環濃度が高くなり、得られる硬化物は極めて優れた難燃性を発現するものである。
本発明のカルボキシル基含有感光性化合物は、更に、反応性に優れ、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性により優れることから、前記エポキシ化合物における前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を形成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基が、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造のフラン環を形成する酸素原子が結合する炭素原子のパラ位にエポキシ基を有していることが好ましい。
前記のようなエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレート化合物と、多塩基酸無水物と、を反応させて得られる、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物としては、例えば、下記構造式(III)〜(VI)で表されるものなどが挙げられる。
Figure 0006520110
式(III)〜(VI)中、Zは下記構造式(Z1)〜(Z3)の何れかで表される構造部位であるが、分子中におけるZの少なくとも一つは下記(Z1)で表される構造を有する。Rはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。さらに、式(III)〜(V)において、Rは、ナフタレン環を構成する2つの芳香環のうちいずれの芳香環に結合していてもよい。Rが結合したナフタレン環上のO−Zで表される基は、前記ナフタレン環を構成する2つの芳香環のうちいずれの芳香環に結合していてもよい。
Figure 0006520110
式(Z1)〜(Z3)中、*は、前記構造式(III)〜(VI)で表されるカルボキシル基含有感光性化合物においてZが結合する酸素原子との結合点である。
本発明のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂としては、前記構造式(III)〜(VI)で表されるカルボキシル基含有感光性化合物以外にも、例えば、下記構造式(III−1)〜(VI−1)で表される化合物等を含有していてもよい。
Figure 0006520110
式(III−1)〜(VI−1)中、Zは下記構造式(Z1−1)〜(Z3−1)の何れかで表される構造部位であるが、分子中におけるZの少なくとも一つは下記(Z1−1)で表される構造を有する。i、kは、それぞれ1〜2の整数である。i又はkが2以上の整数の場合、O−Zで表される基は、それぞれ同一であっても良いし、異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、フラン環を形成するように互いに隣接する炭素に結合することを表す。
Figure 0006520110
式(Z1−1)〜(Z3−1)中、**は、前記構造式(III−1)〜(VI−1)で表される化合物においてZが結合する酸素原子との結合点である。
前記構造式(III−1)、(V−1)、及び(VI−1)において、kは1〜2の整数である。ここで、kの値が1の場合に相当するカルボキシル基含有感光性化合物(以下「2核体化合物(α1)」と略記する。)は、硬化物において耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性に優れる。さらに、kの値が2の場合に相当するカルボキシル基含有感光性化合物(以下「3核体化合物(α2)」と略記する。)は、分子骨格の剛直性がより高く、芳香環濃度も高いことから、硬化物において耐熱性により一層優れる。
前記のようなカルボキシル基含有感光性化合物又は前記感光性樹脂は、例えば、分子構造中にキノン構造を有する化合物(Q)と、分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)とを、無触媒又は酸触媒条件下、40〜180℃の温度範囲で反応させてフェノール化合物又はフェノール樹脂を得る工程と、前記工程で得られたフェノール化合物又はフェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させてエポキシ化合物又はエポキシ樹脂を得る工程と、前記エポキシ化合物又は前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物とを反応させてエポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂を得る工程と、前記エポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂と多塩基酸無水物とを反応させる工程と、を備える製造方法であって、前記キノン構造を有する化合物(Q)又は前記分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)の少なくとも一方の化合物が、分子内にナフタレン環を有する化合物である製造方法により製造される。このような方法により本発明のカルボキシル基含有感光性化合物を製造する場合、反応条件により任意の成分を選択的に製造したりすることが出来る。
前記キノン構造を有する化合物(Q)は、例えば、下記構造式(Q1)又は(Q2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006520110
式(Q1)又は(Q2)中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかである。
前記構造式(Q1)又は(Q2)で表される化合物として、具体的には、パラベンゾキノン、2−メチルベンゾキノン、2,3,5−トリメチル−ベンゾキノン、ナフトキノン、及びこれらのベンゾキノンや、ナフトキノンに、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基が1つ以上置換した化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性に優れるカルボキシル基含有感光性化合物又は前記カルボキシル基含有感光性化合物を含む感光性樹脂が得られることから、ナフトキノンを用いることが好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物(P)は、例えば、下記構造式(P1)又は(P2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006520110
式(P1)又は(P2)中、Rはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数、p、qは2以上の整数である。m又はnが2以上の場合、R2は同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。なお、式(P2)において、ナフタレン環に結合する水酸基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
前記構造式(P1)又は(P2)で表される化合物として、具体的には、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、及びこれらのジヒドロキシベンゼンや、ジヒドロキシナフタレンに炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基が1つ乃至複数置換した化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性に優れるカルボキシル基含有感光性化合物又は前記カルボキシル基含有感光性化合物を含む感光性樹脂が得られることから1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンの何れかが好ましく、2,7−ジヒドロキシナフタレンが特に好ましい。
前記キノン構造を有する化合物(Q)と前記フェノール性水酸基を有する化合物(P)との反応は、反応性が高いことから無触媒条件下でも進行するが、適宜酸触媒を用いて行うことが好ましい。ここで用いる酸触媒は例えば、塩酸、硫酸、リン酸、などの無機酸や、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸等が挙げられる。これら酸触媒を用いる場合は、前記キノン構造を有する化合物(Q)と前記分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)との合計質量に対し、5.0質量%以下の量で用いることが好ましい。
また、前記反応は無溶剤条件下で行うことが好ましいが、必要に応じて有機溶媒中で行っても良い。ここで用いる有機溶媒は例えば、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これら有機溶剤を用いる場合は、反応効率が向上することから、キノン構造を有する化合物(Q)と分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)との合計100質量部に対し、有機溶剤が50〜200質量部の範囲となる割合で用いることが好ましい
前記分子構造中にキノン構造を有する化合物(Q)と前記分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)との反応終了後は、減圧乾燥するなどしてフェノール化合物又はフェノール樹脂を得ることが出来る。
次いで、得られたフェノール化合物又はフェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させる。かかる反応は、例えば、フェノール化合物又はフェノール樹脂中のフェノール性水酸基1mol対し、エピハロヒドリンが2〜10molの範囲となる割合で両者を用い、フェノール性水酸基1mol対し0.9〜2.0molの塩基性触媒を一括又は分割添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。ここで用いる塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧または常圧条件下で連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出させ、これを分液して水は除去し、エピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、具体的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。これらの塩基性触媒は10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用してもよい。また、フェノール化合物又はフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応は有機溶媒を併用することにより反応速度を高めることができる。ここで用いる有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ溶媒、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
反応終了後は、反応混合物を水洗した後、加熱減圧下での蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また、加水分解性ハロゲンの一層少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とするエポキシ化合物或いはエポキシ樹脂を得ることができる。
前記の反応で得られるエポキシ化合物又はエポキシ樹脂に含まれるエポキシ化合物としては、例えば、下記のような構造式(1)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006520110
式(1)〜(4)中、Gはグリシジル基である。Rはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。なお、式(1)〜(3)において、ナフタレン環に結合するR、及び前記Rが連結したナフタレン環に結合したOGで表される基は、それぞれ、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
前記反応では、前記構造式(1)〜(4)で表される化合物以外にも、例えば、下記構造式(1’)〜(4’)で表されるエポキシ化合物等が生成する。エポキシ樹脂としては、前記構造式(1)〜(4)で表されるエポキシ化合物以外に、下記構造式(1’)〜(4’)で表されるエポキシ化合物を含んでいてもよい。
Figure 0006520110
式(1’)〜(4’)中、k、iは、それぞれ1〜2の整数を表す。x、yはナフタレン環との結合点を示し、フラン環を形成するように互いに隣接する炭素に結合することを表す。
前記構造式(1’)、(3’)、又は(4’)において、kは1〜2の整数である。ここで、kの値が1の場合に相当する2核体エポキシ化合物(β1)は、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することによって、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性に優れる前記2核体化合物(α1)を与える。一方、kの値が2の場合に相当する2核体エポキシ化合物(β2)は、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することによって、硬化物における耐熱性により一層優れる前記3核体化合物(α2)を与える。
なお、エポキシ樹脂が前記のような構造で表される2核体エポキシ化合物(β1)や3核体エポキシ化合物(β2)を含む場合、前記2核体エポキシ化合物(β1)や前記3核体エポキシ化合物(β2)の樹脂全体に占める含有率は、その後の反応でも維持され、最終的に得られる感光性樹脂において、感光性樹脂全体に占める前記2核体化合物(β1)や前記3核体化合物(β2)の含有率と、おおよそ同一となる。そのため、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、難燃性及び誘電特性に優れる感光性樹脂を得たい場合には、フェノール樹脂に含まれる2核体エポキシ化合物(β1)や3核体エポキシ化合物(β2)の含有率が重要となる。
次いで、得られたエポキシ化合物又はエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物とを反応させる。
前記エポキシ化合物と前記又はエポキシ樹脂と反応させる(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロマイド、(メタ)アクリル酸アイオダイド等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸ハライドの中でも、反応性が高く、入手が容易であることから、(メタ)アクリル酸クロライドが好ましい。
前記エポキシ化合物又は前記エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物との反応は、芳香族ホスフィン化合物などの反応触媒や、ハイドロキノンあるいはハイドロキノンモノメチルエーテルのなどの重合防止剤の存在下、反応中の重合(ゲル化)防止の目的で、空気あるいは窒素ガスで希釈された空気下で、80〜120℃の反応温度で行なうことが好ましい。
反応触媒として用いる芳香族ホスフィン化合物は、空気存在下、高温での本反応に耐えるものが好ましく、そのような芳香族ホスフィン化合物としては、1個のリン原子に対して2個以上のフェニル基を有する3級ホスフィン化合物が挙げられ、より具体的には、例えば、トリフェニルホスフィン(以下、TPPとする)、トリトリルホスフィン、ビスジフェニルホスフィノエタンなどが挙げられる。
反応触媒の添加量は、エポキシ化合物又は前記エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物との混合物との合計量に対して、0.18〜1.5質量%の範囲が好ましく、0.20〜0.80質量%の範囲が特に好ましい。反応触媒の添加量が0.18質量%以上である場合、反応が短時間で進行し、反応触媒の添加量が1.5質量%以下である場合、反応後の後処理に多量の過酸化水素水を添加する必要がなく、結果として製品中に含まれる水分の量を減らすことができるので、好ましい。
なお、前記反応には、溶剤を用いることもできる。用いることのできる溶剤としては、反応に対して不活性なものが好ましい。具体的には、例えば、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート、芳香族炭化水素類あるいはこれらの混合物などが挙げられる。更に、反応終了後に、セロソルブあるいはカルビトール類などの活性な溶剤を添加することもできる。
このように、前記エポキシ化合物又は前記エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物とを反応させることで、エポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂を得ることができる。
次いで、得られたエポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂と、多塩基酸無水物とを反応させて、カルボキシル基含有感光性化合物又は感光性樹脂を得る。
前記で得られたエポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂との反応に使用する多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、ドデシル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−(4−メチル−3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、3−ブテニル−5,6−ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレン−テトラヒドロ無水フタル酸、7−メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、得られるカルボキシル基含有感光性化合物又は前記カルボキシル基含有感光性化合物を含む感光性樹脂の感度の点からテトラヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
エポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂と多塩基酸無水物との反応は、例えば、エポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂と多塩基酸無水物とを、芳香族ホスフィン化合物などの反応触媒や、ハイドロキノンあるいはハイドロキノンモノメチルエーテルのなどの重合防止剤の存在下、反応中の重合(ゲル化)防止の目的で、空気あるいは窒素ガスで希釈された空気下で、80〜120℃の反応温度で行なうことが好ましい。
多塩基酸無水物の使用割合は、エポキシアクリレート化合物又はエポキシアクリレート樹脂)が有する水酸基1当量に対して、0.3〜1.0当量の範囲が好ましく、0.4〜1.0当量の範囲が特に好ましい。
このようにして得られた本発明のカルボキシル基含有感光性化合物又はカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂は、反応後に残留する芳香族ホスフィン化合物を除去して、製品の粘度安定性を向上させるために、反応生成物に過酸化水素水を添加して50〜100℃で処理するのが好ましい。ここで使用される過酸化水素水は、通常、10〜40質量%の濃度のものが好ましい。過酸化水素水の添加量は、触媒として用いたホスフィン化合物、例えば、TPP(当量262)に対してmol比で0.5〜10.0の範囲が好ましい。
なお、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物又は本発明の感光性樹脂に含まれるカルボキシル基含有感光性化合物は、前記構造式(III)〜(VI)で表される構造を有するものであれば、いずれの場合であっても、得られる硬化物において、耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性に優れるという特徴を有する。以下で、前記構造式(III)〜(VI)で表される構造を有する本発明のカルボキシル基含有感光性化合物又は本発明のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂を製造するために使用されるエポキシ化合物又はエポキシ樹脂のより好ましい態様について説明する。
<エポキシ化合物、エポキシ樹脂>
エポキシ化合物としては、下記構造式(I)、(II)で表されるエポキシ化合物を用いることができる。
Figure 0006520110
式(I)、(II)中、Gはグリシジル基である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかである。Arは下記構造式(i)で表される構造部位であり、Arは下記構造式(i)又は(ii)で表される構造部位である。
Figure 0006520110
式(i)、(ii)中、Gはグリシジル基である。Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。なお、式(i)において、ナフタレン環に結合するR、OGで表される基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
より具体的には、下記構造式(1)〜(4)の何れかで表されるエポキシ化合物を挙げることができる。
Figure 0006520110
式(1)〜(4)中、Gはグリシジル基である。Rはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。なお、式(1)〜(3)において、ナフタレン環に結合するR、OGで表される基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物として、更に具体的には、下記構造式(1−1)〜(1−9)で表されるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 0006520110
式(1−1)〜(1−8)中、Gはグリシジル基である。
前記構造式(1−1)〜(1−9)に代表される前記(1)で表されるエポキシ化合物は、例えば、パラベンゾキノンにジヒドロキシナフタレンを反応させてなるフェノール化合物に、エピハロヒドリンを反応させることにより製造することが出来る。このときパラベンゾキノンとジヒドロキシナフタレンの反応割合は、前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物を高効率で製造できることから、パラベンゾキノン1モルに対し、ジヒドロキシナフタレンが0.1〜10.0モルの範囲となる割合であることが好ましい。
前記構造式(1−1)〜(1−9)の何れかで表されるエポキシ化合物の中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性により優れるカルボキシル基含有感光性化合物が得られる点から、前記構造式(1−8)又は(1−9)で表されるエポキシ化合物が好ましい。
前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂は、更にこれら以外のエポキシ化合物を含有していても良い。中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、耐熱性の高いカルボキシル基含有感光性化合物を含む感光性樹脂となることから、下記構造式(1’)で表される多官能化合物を含有していることが好ましい。
Figure 0006520110
式(1’)中、Gはグリシジル基であり、kは1〜2の整数である。また、ナフタレン環に結合するOGで表される基は、ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
この場合、エポキシ樹脂中の各成分の含有割合は、前記構造式(1)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物の含有率がGPC測定における面積比率で5〜60%の範囲であり、かつ、前記構造式(1’)で表される多官能化合物の含有率がGPC測定における面積比率で10〜70%の範囲であることが好ましい。
なお、本発明において、エポキシ樹脂中の各成分の含有率とは、下記の条件によるGPC測定データから算出される、エポキシ樹脂の全ピーク面積に対する前記各成分のピーク面積の割合である。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
前記構造式(2)で表されるエポキシ化合物として、更に具体的には、下記構造式(2−1)〜(2−9)の何れかで表されるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 0006520110
式(2−1)〜(2−8)中、Gはグリシジル基である。
前記構造式(2−1)〜(2−9)に代表される前記構造式(2)で表されるエポキシ化合物は、例えば、2,3,5−トリメチル−パラベンゾキノンにジヒドロキシナフタレンを反応させてなるフェノール化合物と、エピハロヒドリンとを反応させることにより製造することが出来る。このとき2,3,5−トリメチル−パラベンゾキノンとジヒドロキシナフタレンの反応割合は、前記構造式(2)で表されるエポキシ化合物を高効率で製造できることから、2,3,5−トリメチル−パラベンゾキノン1モルに対し、ジヒドロキシナフタレンが0.1〜10.0モルの範囲となる割合であることが好ましい。
前記構造式(2−1)〜(2−9)の何れかで表されるエポキシ化合物の中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性により優れるカルボキシル基含有感光性化合物が得られる点から、前記構造式(2−8)又は(2−9)で表されるエポキシ化合物が好ましい。
前記構造式(2)で表されるエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂としては、更にこれら以外のエポキシ化合物を含有していても良い。中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、耐熱性の高い感光性樹脂となることから、下記構造式(2’)で表される多官能化合物を含有していることが好ましい。
Figure 0006520110
式(2’)中、Gはグリシジル基である。ナフタレン環に結合するOGで表される基は、ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
この場合、エポキシ樹脂中の各成分の含有割合は、前記構造式(2)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物の含有率がGPC測定における面積比率で50〜95%の範囲であり、かつ、前記構造式(2’)で表される多官能化合物の含有率がGPC測定における面積比率で1〜50%の範囲であることが好ましい。
前記構造式(3)で表されるエポキシ化合物は、更に具体的には、下記構造式(3−1)〜(3−9)の何れかで表されるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 0006520110
式(3−1)〜(3−8)中、Gはグリシジル基である。
前記構造式(3−1)〜(3−9)に代表される前記構造式(3)で表されるエポキシ化合物は、例えば、1,4−ナフトキノンにジヒドロキシナフタレンを反応させてフェノール化合物と、エピハロヒドリンとを反応させることにより製造することが出来る。このとき1,4−ナフトキノンとジヒドロキシナフタレンの反応割合は、前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物を高効率で製造できることから、1,4−ナフトキノン1モルに対し、ジヒドロキシナフタレンが0.1〜10.0モルの範囲となる割合であることが好ましい。
前記構造式(3−1)〜(3−9)の何れかで表されるエポキシ化合物の中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性により優れるカルボキシル基含有感光性化合物が得られる点から、前記構造式(3−8)又は(3−9)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(3)で表されるエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂としては、これら以外のその他のエポキシ化合物を含有していても良い。エポキシ樹脂が前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物以外のその他のエポキシ化合物を含有する場合、エポキシ樹脂中の前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物の含有率は、GPC測定における面積比率で5〜70%の範囲であることが好ましい。
その他のエポキシ化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、耐熱性の高い感光性樹脂となることから、下記構造式(3’)又は(3”)で表される多官能化合物が好ましい。
Figure 0006520110
式(3’)〜(3”)中、kは1〜2の整数である。式(3”)中のx、yはナフタレン環との結合点を示し、フラン環を形成するように互いに隣接する炭素に結合する。式(3’)において、1,4−ジヒドロキシナフタレンに連結したナフタレン環上のOGで表される基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。式(3’’)において、ジヒドロキシナフタレン上のOGで表される基は、前記ジヒドロキシナフタレンを構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。さらに前記ジヒドロキシナフタレンに連結したナフタレン環上のOGで表される基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。
エポキシ樹脂が前記構造式(3’)で表される多官能化合物を含有する場合、その含有率はGPC測定における面積比率で2〜60%の範囲であることが好ましい。また、エポキシ樹脂が前記構造式(3”)で表される多官能化合物を含有する場合、その含有率はGPC測定における面積比率で2〜40%の範囲であることが好ましい。
前記構造式(4)で表されるエポキシ化合物は、更に具体的には、下記構造式(4−1)〜(4−4)の何れかで表されるエポキシ化合物等が挙げられる。
Figure 0006520110
式(4−1)〜(4−4)中、Gはグリシジル基である。
前記構造式(4−1)〜(4−9)に代表される前記構造式(4)で表されるエポキシ化合物は、例えば、1,4−ナフトキノンにジヒドロキシベンゼンを反応させてなるフェノール化合物と、エピハロヒドリンとを反応させることにより製造することが出来る。このとき1,4−ナフトキノンとジヒドロキシベンゼンの反応割合は、前記構造式(1)で表されるエポキシ化合物を高効率で製造できることから、1,4−ナフトキノン1モルに対し、ジヒドロキシベンゼンが0.1〜10.0モルの範囲となる割合であることが好ましい。
前記構造式(4−1)〜(4−4)の何れかで表されるエポキシ化合物の中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性により優れるカルボキシル基含有感光性化合物が得られる点から、前記構造式(4−2)又は(4−3)で表されるエポキシ化合物が好ましい。
前記構造式(4)で表されるエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂としては、更にこれら以外のエポキシ化合物を含有していても良い。中でも、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、耐熱性の高い感光性樹脂となることから、下記構造式(4’)で表される多官能化合物を含有していることが好ましい。
Figure 0006520110
式(4’)中、Gはグリシジル基であり、k、iはそれぞれ1〜2の整数である。
この場合、エポキシ樹脂中の各成分の含有割合は、前記構造式(4)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物の含有率がGPC測定における面積比率で5〜70%の範囲であり、かつ、前記構造式(4’)で表される多官能化合物の含有率がGPC測定における面積比率で1〜60%の範囲であることが好ましい。
これら例示したエポキシ化合物のうち、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、硬化物における耐熱性、耐熱分解性、及び難燃性とのバランスに優れるカルボキシル基含有感光性化合物が得られる点から、前記構造式(1)〜(3)の何れかで表されるエポキシ化合物が好ましく、前記構造式(3)で表されるエポキシ化合物が特に好ましい。
前記エポキシ化合物又は前記エポキシ樹脂は、(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物や、多塩基酸無水物と反応することで、耐熱性の高いカルボキシル基含有感光性化合物又は感光性樹脂となることから、エポキシ基当量が120〜300g/eqの範囲であることが好ましい。
<ソルダーレジスト>
本発明のソルダーレジストは、前記カルボキシル基含有感光性化合物又は前記感光性樹脂と、光重合開始剤と、を必須成分として含むものであるが、必要に応じて、希釈剤や熱反応性硬化剤を含むことができる。
ソルダーレジスト中の本発明のカルボキシル基含有感光性化合物の割合は、特に制限されるものではないが、感度、タック性の改善効果が良好なものとなり、更に硬化物の耐熱性、耐溶剤性に優れる点から10〜70質量%の範囲が好ましく、30〜60質量%の範囲が特に好ましい。
前記希釈剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルmolホリン、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、メラミン(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、あるいはヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール、又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類等の光重合性反応性希釈剤等を挙げることができる。これらのなかでも、特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエーテルアセテートの単独使用、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート若しくはジエチレングリコールモノエーテルアセテートと芳香族炭化水素類との併用が予備乾燥後の平滑性が良好となる点から好ましく、更に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又はジエチレングリコールモノエーテルアセテートに芳香族炭化水素類を併用すること、更に、これに光重合性反応性希釈剤を併用することが形成塗膜の平滑性の点から好ましい。
前記希釈剤は、単独または2種以上の混合物として用いられ、その含有率が、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物100質量部当り、30〜300質量部の範囲が好ましく、50〜200質量部の範囲が特に好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、シクロロアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−molホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−molホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、P,P−ビスジエチルアミノベンゾヘェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アントラキノン、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,4,6−トリス−S−トリアジン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記光重合開始剤の使用量は、特に制限されるものではないが、カルボキシル基含有感光性化合物100質量部に対して、0.5〜50質量部の範囲が好ましい。光重合開始剤を0.5質量部以上用いることにより、カルボキシル基含有感光性化合物の光硬化反応が良好に進行し、また、光重合開始剤を50質量部以下とすることにより、硬化塗膜の機械物性が良好なものとなるので、好ましい。感度、硬化塗膜の機械物性などの面から、この光重合開始剤のより好ましい配合量は、カルボキシル基含有感光性化合物100質量部に対して、2〜30質量部の範囲である。
前記熱反応性硬化剤としては、エポキシ樹脂やブトキシ化メラミン樹脂、メトキシ化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に硬化物の耐熱性及び耐溶剤性が良好なものとなる点からエポキシ樹脂が好適である。このエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ジフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルジフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。
熱反応性硬化剤として、上記エポキシ樹脂を使用する場合、硬化促進剤を併用することが好ましい。硬化促進剤としては、例えば、メラミン誘導体、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、フェノール誘導体などの公知のエポキシ硬化促進剤等が挙げられる。
このような熱反応性硬化剤は、カルボキシル基含有感光性化合物100質量部に対して5〜40質量部配合することが好ましい。即ち、熱反応性硬化剤の配合量を5質量部以上用いることにより、最終的に得られる硬化塗膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性等の諸物性に優れたものとなる他、絶縁抵抗等の電気特性に十分な性能が得られ、一方、熱反応性硬化剤の配合量を40質量部以下とすることにより、感光性、現像性に優れたものとなる。
本発明のソルダーレジストには、耐熱性向上、流動性調整などの目的で、更に必要に応じて、無機粉末を含有することも可能であり、そのような無機粉末としては、例えば、非結晶シリカ、アモルファスシリカ、高純度結晶シリカ、タルク、クレー、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、硫酸バリウム、含水珪酸、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、マイカ粉、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等が挙げられる。
本発明のソルダーレジストには、更に必要に応じて、着色剤、シリコン化合物やアクリレート共重合体、フッ素系界面活性剤等のレベリング剤、シランカップリング剤等の密着付与剤、アエロジル等のチクソトロピー剤、また、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、ターシャリブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤、また、各種界面活性剤や高分子分散剤等の分散安定剤、さらにハレーション防止剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等の各種添加剤を加えることもできる。
本発明のソルダーレジストは、本発明のカルボキシル基含有感光性化合物、希釈剤、光重合開始剤、熱反応性硬化剤及びその他無機粉末、各種添加剤を加えて混合し、その混合物を、三本ロールミル等を用いて、例えば、0.5時間混合する等により固形分の分散を行ない、分散液とすることもできる。
前記で説明したソルダーレジストから所望のパターンを有する硬化物を得ることができる。ソルダーレジストから所望のパターンを有する硬化物を得る方法としては、工程1〜工程3を経由する方法が挙げられる。以下で、工程1〜3について説明する。
工程1では、プリント基板上にソルダーレジストを塗布した後、ソルダーレジストを乾燥させて得られる乾燥塗膜に所望のソルダーマスクパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線又は電子線などの放射線を照射する。ここで、プリント基板上にソルダーレジストを塗布する際の膜厚(液膜厚)は、10〜150μmの範囲が好ましい。そのような膜厚をプリント基板上に形成する方法としては、スクリーン印刷、カーテンコート法、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法等を挙げることができる。なお、塗布したソルダーレジストの乾燥は、60〜80℃、15〜60分の条件下で行うとよい。
工程2では、工程1で乾燥塗膜に密着させたソルダーマスクパターンのネガフィルムを取り除き、希アルカリ水溶液を現像液として現像する。工程2より非露光領域の乾燥塗膜は除去されるが、露光部分の塗膜は光硬化しているので除去されず残留する。この際に使用する希アルカリ水溶液としては、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリ溶液も使用可能である。
工程3では、130〜160℃で20〜90分の間、工程2で得られた現像物を熱風乾燥機等で熱硬化させる。工程3により所望のパターンを有する硬化物を得ることができる。このように、本発明のソルダーレジストを用いて、所望のパターンを有する硬化物を得ることができるため、本発明のソルダーレジスト又は本発明のソルダーレジストを含む材料は、レジスト材料として適するものである。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、GPC、13C−NMR、MSは以下の条件等にて測定した。
GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
13C−NMRの測定条件>
13C−NMRの測定条件は以下の通りに行った。
装置:日本電子株式会社製 AL−400
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)、
溶媒:ジメチルスルホキシド、
パルス角度:45°パルス、
試料濃度 :30wt%、
積算回数 :1000回
<MSの測定装置>
MSの測定装置は以下の装置を使用した。
装置: 日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置 AX505H(FD505H)
<IRの測定装置>
IRの測定装置は以下の装置を使用した。
装置: 日本分光(株)製「FT/IR−550」
実施例1 カルボキシル基含有感光性樹脂(1)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、1,4−ナフトキノン158g(1.0モル)、パラトルエンスルホン酸6g、メチルイソブチルケトン318gを仕込み、撹拌しながら室温から120℃まで昇温した。120℃に到達した後、3時間攪拌して反応させた。反応終了後中和し、150℃まで加熱して減圧下乾燥し、フェノール樹脂(1)300gを得た。得られたフェノール樹脂(1)のGPCチャートを図1に示す。フェノール樹脂(1)の水酸基当量は137g/eqであった。
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(1)137g(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止して下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開して150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300gとn−ブタノール50gとを加え溶解させた。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後、洗浄液のpHが中性となるまで水100gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(1)180gを得た。得られたエポキシ樹脂(1)のGPCチャートを図2に示す。エポキシ樹脂(1)のエポキシ当量は198g/eq、溶融粘度は1.6dPa・sであった。GPCチャートから算出される、前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物に相当する成分の含有量は47.4%、前記構造式(3’)で表されkの値が1である2核体エポキシ化合物(β1)に相当する成分の含有量は9.5%、前記構造式(3”)で表される3核体エポキシ化合物(β2)に相当する成分の含有量は17.7%であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、得られたエポキシ樹脂(1)198gとアクリル酸72.0g(エポキシ基の数:カルボキシル基の数=1:1)、ハイドロキノン0.14gを仕込み、100℃に加熱攪拌して均一溶解した。ついでトリフェニルホスフィン0.86gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン0.29gを追加し、120℃に加熱して更に10時間反応を行った。得られた反応液にエクソン化学株式会社製の「ソルベッソ150」161g、テトラヒドロ無水フタル酸106.4g(0.7mol)(水酸基の数:酸無水物基の数=1:0.7)を仕込み110℃で4時間反応を行い、酸価が104mgKOH/g、不揮発分のエポキシアクリレートを70%含有する樹脂溶液(1)を得た。この樹脂溶液(1)にはマススペクトルで理論構造に相当する、861、1439などのピークが得られたことにより目的のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂(1)であることが確認された。
実施例2 カルボキシル基含有感光性樹脂(2)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、1,4−ナフトキノン158g(1.0モル)、パラトルエンスルホン酸6g、イソプロピルアルコール333gを仕込み、撹拌しながら室温から80℃まで昇温した。80℃に到達した後、3時間攪拌して反応させた。反応終了後中和し、150℃まで加熱して減圧下乾燥し、フェノール樹脂(2)295gを得た。得られたフェノール樹脂(2)のGPCチャートを図3に示す。フェノール樹脂(2)の水酸基当量は119g/eqであった。
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら
上記反応で得られたフェノール樹脂(2)119g(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止して下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開して150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300gとn−ブタノール50gとを加え溶解させた。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後、洗浄液のpHが中性となるまで水100gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(2)160gを得た。得られたエポキシ樹脂(2)のGPCチャートを図4に、13C−NMRスペクトルを図5、およびMSスペクトルを図6に示す。エポキシ樹脂(2)のエポキシ当量は183g/eq、溶融粘度は0.9dPa・sであった。MSスペクトルから前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物に相当する412のピーク、前記構造式(3’)で表されkの値が1である2核体エポキシ化合物(β1)に相当する542のピーク、前記構造式(3”)で表される2核体エポキシ化合物(β2)に相当する682のピークが検出された。GPCチャートから算出される、前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物に相当する成分の含有量は43.4%、前記構造式(3’)で表されkの値が1である2核体エポキシ化合物(β1)に相当する成分の含有量は19.3%、前記構造式(3”)で表される2核体エポキシ化合物(β2)に相当する成分の含有量は18.6%であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、得られたエポキシ樹脂(2)183gとアクリル酸72.0g(エポキシ基の数:カルボキシル基の数=1:1)、ハイドロキノン0.14gを仕込み、100℃に加熱攪拌して均一溶解した。ついでトリフェニルホスフィン0.86gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン0.29gを追加し、120℃に加熱して更に10時間反応を行った。得られた反応液にエクソン化学株式会社製の「ソルベッソ150」155g、テトラヒドロ無水フタル酸106.4g(0.7mol)(水酸基の数:酸無水物基の数=1:0.7)を仕込み110℃で4時間反応を行い、酸価が109mgKOH/g、不揮発分のエポキシアクリレートを70%含有する樹脂溶液(2)を得た。この樹脂溶液(2)にはマススペクトルで理論構造に相当する、861、1439などのピークが得られたことにより目的のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂(2)であることが確認された。
実施例3 カルボキシル基含有感光性樹脂(3)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、2,3,5−トリメチル−パラベンゾキノン150g(1.0モル)、パラトルエンスルホン酸6g、メチルイソブチルケトン310gを仕込み、撹拌しながら室温から120℃まで昇温した。120℃に到達した後、3時間攪拌して反応させた。反応終了後中和し、析出した結晶を水200gで3回洗浄後、減圧下乾燥し、フェノール樹脂(3)290gを得た。得られたフェノール樹脂(3)のGPCチャートを図7に、MSスペクトルを図8、および13CNMRスペクトルを図9に示す。フェノール樹脂(3)の水酸基当量は148g/当量であった。
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(3)148g(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止して下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開して150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300gとn−ブタノール50gとを加え溶解させた。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後、洗浄液のpHが中性となるまで水100gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(3)190gを得た。得られたエポキシ樹脂(3)のGPCチャートを図10に示す。エポキシ樹脂(3)のエポキシ当量は215g/eqであった。GPCチャートから算出される、前記構造式(2)で表されるジアリーレン[b,d]フラン化合物に相当する成分の含有量は82.4%であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、得られたエポキシ樹脂(1)215gとアクリル酸72.0g(エポキシ基の数:カルボキシル基の数=1:1)、ハイドロキノン0.14gを仕込み、100℃に加熱攪拌して均一溶解した。ついでトリフェニルホスフィン0.86gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン0.29gを追加し、120℃に加熱して更に10時間反応を行った。得られた反応液にエクソン化学株式会社製の「ソルベッソ150」169g、テトラヒドロ無水フタル酸106.4g(0.7mol)(水酸基の数:酸無水物基の数=1:0.7)を仕込み110℃で4時間反応を行い、酸価が100mgKOH/g、不揮発分のエポキシアクリレートを70%含有する樹脂溶液(3)を得た。この樹脂溶液(3)にはマススペクトルで理論構造に相当する、853のピークが得られたことにより目的のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂(3)であることが確認された。
実施例4 エポキシ樹脂(4)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1,5−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)、1,4−ナフトキノン158g(1.0モル)、パラトルエンスルホン酸6g、イソプロピルアルコール333gを仕込み、撹拌しながら室温から80℃まで昇温した。80℃に到達した後、3時間攪拌して反応させた。反応終了後中和し、150℃まで加熱して減圧下乾燥し、フェノール樹脂(4)292gを得た。得られたフェノール樹脂(4)のGPCチャートを図11に示す。フェノール樹脂(4)の水酸基当量は132g/eqであった。 次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(4)132g(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール53gを仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220g(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止して下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開して150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300gとn−ブタノール50gとを加え溶解させた。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15gを添加して80℃で2時間反応させた後、洗浄液のpHが中性となるまで水100gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(4)175gを得た。得られたエポキシ樹脂(4)のGPCチャートを図12に示す。エポキシ樹脂(4)のエポキシ当量は202g/eq、溶融粘度は1.2dPa・sであった。GPCチャートから算出される前記構造式(3)で表されるジナフト[b,d]フラン化合物に相当する成分の含有量は23.6%であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、得られたエポキシ樹脂(4)202gとアクリル酸72.0g(エポキシ基の数:カルボキシル基の数=1:1)、ハイドロキノン0.14gを仕込み、100℃に加熱攪拌して均一溶解した。ついでトリフェニルホスフィン0.86gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン0.29gを追加し、120℃に加熱して更に10時間反応を行った。得られた反応液にエクソン化学株式会社製の「ソルベッソ150」163g、テトラヒドロ無水フタル酸106.4g(0.7mol)(水酸基の数:酸無水物基の数=1:0.7)を仕込み110℃で4時間反応を行い、酸価が115mgKOH/g、不揮発分のエポキシアクリレートを70%含有する樹脂溶液(4)を得た。この樹脂溶液(4)にはマススペクトルで理論構造に相当する1439のピークが得られたことにより目的のカルボキシル基含有感光性化合物を含有する感光性樹脂(4)であることが確認された。
比較例1 カルボキシル基含有感光性樹脂(5)の製造
エポキシ当量が215g/eq.のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 「EPICLON N−680」(DIC(株)製)215gとアクリル酸7g(エポキシ基の数:総カルボキシル基の数=1:1)とを反応させて得られたエポキシアクリレート樹脂287部と、テトラヒドロ無水フタル酸106g(水酸基の数:酸無水物基の数=1:0.7)とを、ブチルカルビトールアセテート168g中で反応させ、酸価が100mgKOH/gのエポキシアクリレートを70%含有する樹脂溶液(5)を得た。
合成例1 反応性硬化剤の製造
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート230gを100℃に加熱し、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214g/eq)535gを均一溶解し固形分70%の樹脂溶液を得た。ここで得られた樹脂を反応性硬化剤(6)とする。
実施例5〜8、比較例1 試験用フレキシブルプリント配線板の製造
表1に示す配合組成(数値は質量部である)に従って配合し、3本ロールで混合分散させて、ソルダーレジストの溶液を調製した。前記で得られたソルダーレジストの溶液を、ポリイミドフィルム上に、60μmの厚さ(乾燥前)に塗布し、80℃で30分間予備乾燥させた後、200mJ/cmの露光量で紫外線を照射し、次いで1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cmのスプレー圧で60秒間現像処理した後、150℃で30分ポストキュアーすることにより、硬化塗膜を作成し、これを試験用フレキシブルプリント配線板とし、この試験用フレキシブルプリント配線板について、耐熱性、耐熱分解性、難燃性の測定を行った。その結果を表1に示し、測定方法を下記に示す。
<耐熱性の測定>
耐熱性の測定は、前記配線板についてハンダ耐熱試験を行うことで測定した。測定方法は、前記配線板をJIS C 6481の試験方法に従って、260℃で半田浴へ10秒間浸漬を繰り返し、外観変化の現れない最大回数を記した。その結果を表1に示す。
<耐熱分解性の測定>
72時間の間、250℃の条件下に前記配線板を晒した後、初期質量と比較した際の質量減少率を測定した。その結果を表1に示す。
<難燃性の測定>
ASTM D4804−03に準拠し、試験塗膜の難燃性を測定した。難燃性の測定は、各実施例、又は比較例で得られた試前記配線板について、サンプル数5(n=5)、試験回数2で、サンプルを3秒間ずつ接炎し、計10回の燃焼時間を測定し、前記で得られた燃焼時間を下記の基準に照らし合わせることにより行った。
VTM−0:個々の燃焼時間10秒以下、かつトータル燃焼時間50秒以下
VTM−1:個々の燃焼時間30秒以下、かつトータル燃焼時間250秒以下
VTM−2:個々の燃焼時間30秒以下、かつトータル燃焼時間250秒以下、
かつ燃焼物が落下
BURN:個々の燃焼時間30秒以上、またはトータル燃焼時間250秒以上
Figure 0006520110

Claims (8)

  1. ジアリーレン[b,d]フラン構造を有し、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を形成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基がナフチレン骨格を有し、かつ、前記2つのアリーレン基が何れもその芳香環上にエポキシ基を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物を反応させてなるエポキシアクリレート化合物と、多塩基酸無水物と、を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性化合物。
  2. 前記エポキシ化合物の前記ジアリーレン[b,d]フラン構造を形成する2つのアリーレン基のうち少なくとも一方のアリーレン基が、前記ジアリーレン[b,d]フラン構造のフラン環を形成する酸素原子が結合する炭素原子のパラ位にエポキシ基を有する請求項1に記載のカルボキシル基含有感光性化合物。
  3. 前記エポキシ化合物が、下記構造式(I)又は下記構造式(II)のいずれかで表される分子構造を有する請求項2に記載のカルボキシル基含有感光性化合物。
    Figure 0006520110
    [式(I)、(II)中、Gはグリシジル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかである。Arは下記構造式(i)で表される構造部位であり、Arは下記構造式(i)又は(ii)で表される構造部位である。]
    Figure 0006520110
    [式(i)、(ii)中、Gはグリシジル基であり、Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。なお、式(i)において、ナフタレン環に結合するR、OGで表される基は、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。]
  4. 前記エポキシ化合物が下記構造式(1)〜(4)の何れかで表される分子構造を有する請求項1記載のカルボキシル基含有感光性化合物。
    Figure 0006520110
    [式(1)〜(4)中、Gはグリシジル基であり、Rはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基の何れかであり、mは0〜4の整数、nは0〜3の整数である。m又はnが2以上の場合、Rは同一であっても良いし、それぞれ異なっていても良い。x、yはナフタレン環との結合点を示し、酸素原子との間でフラン環を形成するように互いにナフタレン環の隣接する炭素原子に結合していることを表す。なお、式(1)〜(3)において、ナフタレン環に結合するR、及び前記Rが連結したナフタレン環に結合したOGで表される基は、それぞれ、前記ナフタレン環を構成する芳香環のうち、いずれの芳香環に結合していてもよい。]
  5. 分子構造中にキノン構造を有する化合物(Q)と分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)とを酸触媒の存在下で反応させてフェノール化合物を得る工程と、前記工程で得られたフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させてエポキシ化合物を得る工程と、前記エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸又はそのハロゲン化物とを反応させてエポキシアクリレート化合物を得る工程と、前記エポキシアクリレート化合物と多塩基酸無水物とを反応させる工程と、を備え、前記キノン構造を有する化合物(Q)又は前記分子構造中にフェノール性水酸基を有する化合物(P)の少なくとも一方の化合物は、分子内にナフタレン環を有する化合物であるカルボキシル基含有感光性化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載のカルボキシル基含有感光性化合物と、光重合開始剤と、を必須成分とするソルダーレジスト。
  7. 請求項に記載のソルダーレジストを硬化させてなる硬化物。
  8. 請求項に記載のソルダーレジストを含むレジスト材料。
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