JP2007197518A - エポキシ樹脂化合物、熱硬化性樹脂組成物、及び感光性組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂化合物、熱硬化性樹脂組成物、及び感光性組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】オキシラン環部位に置換基を持つオキシラン環を1分子中に2個以上有するエポキシ樹脂化合物、該エポキシ樹脂化合物を用いた熱硬化性樹脂組成物及び感光性組成物である。
【選択図】なし
Description
また、このようなソルダーレジストの露光感度は通常300〜1,000mJ/cm2と低く、製造ラインのスピードアップのネックになりつつあり、更に感度アップが要請されている。該感度アップのためにはモノマーの配合量の増量が効果的であるが、モノマー類を多く配合してしまうと前記表面タックが更に悪化するという問題が生じ、解決策が見出されていない。
位置ズレ防止には、これまでは、基板の変形度の少ないロットを選別したり、予め各種のパラメータで修正した複数のフィルムマスクを準備したり、高価なガラスマスクを使用するといった対策が採られてきた。また、この位置ズレ問題の解決のため、レーザーダイレクトイメージングシステム(LDI)の適用が進んでいる。ここで、LDIは、デジタルデータの高速処理による補正により、基板の変形に対応した露光パターンを形成する技術に基づくものである。
一方、エポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の硬化促進剤として、前記保存安定性の観点から、保存時には反応を生じないが、加熱により反応して硬化する性質を持つ、いわゆる潜在性硬化促進剤を使用した提案がされている。例えば、2−エチルヘキシル酸亜鉛とトリエタノールアミンからなる塩、トリエチレンジアミンと脂肪族カルボン酸からなる塩を配合した提案がされている(非特許文献1及び特許文献3参照)。これらは、硬化促進剤を錯塩とすることにより、溶解性を低下させて、反応活性を抑制し、保存安定性を向上させようとするものである。
また、エポキシ樹脂にジメチルアミンや時アルキルアミンを反応させて得られる付加物(特許文献4及び5参照)、エポキシ樹脂に3級アミンを反応させて得られる付加物(特許文献6、7参照)などを使用した提案もされている。このようにエポキシ樹脂にアミン化合物を付加させて高分子化、不溶化させることにより、保存安定性の向上を図っている。
しかしながら、これらの文献では、ソルダーレジストに使用した開示がないし、十分満足し得る高い保存安定性能が得ら、かつ、安価な原料を用いて簡単に得られる硬化促進剤や熱架橋剤として作用する化合物は未だ提供されておらず、更なる改良が望まれている。
<1> オキシラン環部位に置換基を持つオキシラン環を1分子中に2個以上有し、下記一般式(1)、(2)、及び(3)のいずれかで表されることを特徴とするエポキシ樹脂化合物である。
該<1>に記載のエポキシ樹脂化合物においては、低温又は常温では反応を生じることがなく、該エポキシ樹脂化合物を使用した感光性組成物化合物などの優れた保存安定性が図れるとともに、加熱処理時には、該熱処理温度で速やかな反応を示し、表面硬度、及び耐アルカリ性、などに優れる硬化物が得られる。
<2> 下記構造式(1)〜(26)で表される化合物を少なくとも含む前記<1>に記載のエポキシ樹脂化合物である。
<4> 前記<1>から<2>のいずれかに記載のエポキシ樹脂化合物を少なくとも1種と、硬化剤と、を少なくとも含む熱硬化性樹脂組成物である。該<4>に記載の熱硬化性樹脂組成物においては、前記<1>から<2>のいずれかに記載のエポキシ樹脂化合物を含有するので、低温又は常温では反応を生じることがなく、熱硬化性樹脂組成物の優れた保存安定性が図れるとともに、加熱処理時には、該熱処理温度で速やかな硬化反応を示し、優れた硬度、及び耐薬品性などが得られる。
<5> (A)1分子中に1個以上のカルボキシル基及びエステル基のいずれかを有する重合体と、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)前記<1>から<2>のいずれかに記載のエポキシ樹脂化合物を少なくとも1種と、を少なくとも含むことを特徴とする感光性組成物である。該<5>に記載の感光性組成物においては、前記<1>から<2>のいずれかに記載のエポキシ樹脂化合物を含有するので、低温又は常温では反応を生じることがなく、感光性組成物化合物の優れた保存安定性が図れるとともに、加熱処理時には、該熱処理温度で速やかな反応を示し、優れた表面硬度、及び耐薬品性などが得られ、高精細な永久パターンが得られる。
本発明のエポキシ樹脂化合物は、オキシラン環部位に置換基を持つオキシラン環を1分子中に2個以上有する化合物であり、下記一般式(1)、(2)、及び(3)のいずれかで表される。
前記無置換アルキレンとしては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数は1〜20のものが好ましく、1〜8が特に好ましい。このようなアルキレンとしては、エチレン、プロピレン、i−プロピレン、ブチレン、i−ブチレン、シクロヘキシレン、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキレン中のアリール置換基としては、総炭素数6〜30のものが好ましく、6〜15が特に好ましく、置換基として、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキレン中のアルケニル置換基としては、総炭素数2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましく、置換基として、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキレン中のアルコキシ置換基としては、分岐を有していてもよく、総炭素数1〜10が好ましく、1〜5が特に好ましく、置換基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
このような置換基含有アルキレンとしては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数2〜40が好ましく、2〜25が特に好ましい。このような置換含有アルキレンとしては、例えば、2−エチルヘキシル基、クロロブチル基、ベンジル基、2−エチニルプロピル基、フェニルエチル基、シアノプロピル基、メトキシエチル基、などが挙げられる。
前記Pのアリーレンとしては、後述するA1〜A5のアリーレンと同義である。
前記Qのアリーレンとしては、後述するA1〜A5はのアリーレンと同義である。
前記一般式(1)〜(3)中、前記WのX部との結合部位は、1,2位、1,3位、1,5位、1,6位、1,7位、1,8位、2,3位、2,4位、2,5位、2,7位であり、前記Wとしては、アルキル基・アリール基・アルコキシ基・ハロゲン原子のいずれかで置換されていてもよい。
前記置換基含有アリーレン中のアルキル基としては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数は1〜20のものが好ましく、1〜10が特に好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ブチリル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アリーレン中のアリール置換基としては、総炭素数6〜30のものが好ましく、6〜15が特に好ましく、置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アリーレン中のアルキル基としては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数は1〜20のものが好ましく、1〜10が特に好ましい。このようなアルキル基としてはメチル基、エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ブチリル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、などが挙げられる。
置換基含有アリーレン中のアルケニル置換基としては、総炭素数2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましく、置換基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基、などが挙げられる。
置換基含有アリーレン中のアルコキシ置換基としては、分岐を有していてもよく、総炭素数1〜10が好ましく、1〜5が特に好ましく、置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
このような置換基含有アリーレンとしては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数2〜40が好ましく、2〜25が特に好ましい。
このような置換含有アリーレンとしては、例えば、メチルフェニル環、ジメチルフェニル環、ジブチルフェニル環、メトキシフェニル環、シクロヘキシルフェニル環、ビフェニル構造、ジクロロフェニル環、トリブロモフェニル環、クロロシアノフェニル環、などが挙げられる。
なお、前記A1〜A5のアルキレンは、前記Pのアルキレンと同義である。
前記アルキレンとしては、分岐構造を形成していてもよく、置換基を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、環を形成していてもよい。
前記アリーレンとしては、置換基を有していてもよい。
前記無置換アルキル基としては、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数は1〜20のものが好ましく、1〜10が特に好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ブチリル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキル基中のアリール置換基としては、総炭素数6〜30のものが好ましく、6〜15が特に好ましく、置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキル基中のアルケニル置換基としては、総炭素数2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましく、置換基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基、などが挙げられる。
前記置換基含有アルキル基中のアルコキシ置換基としては、分岐を有していてもよく、総炭素数1〜10が好ましく、1〜5が特に好ましく、置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
このような置換基含有アルキル基は、分岐を有していてもよく、二重結合、三重結合を有していてもよく、総炭素数2〜40が好ましく、2〜25が特に好ましい。このような置換含有アルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、クロロブチル基、ベンジル基、2−エチニルプロピル基、フェニルエチル基、シアノプロピル基、メトキシエチル基、などが挙げられる。
前記構造式(1)〜(32)で表される化合物の中でも、前記構造式(1)、(5)、(7)、(9)、(11)〜(26)で表される化合物が特に好ましい。
前記本発明のエポキシ樹脂化合物が、オキシラン環部位に置換基を持つオキシラン環を1分子中に2個以上有する化合物であることは、1H−NMRスペクトルを測定して同定することができる。
本発明のエポキシ樹脂化合物の製造方法としては、エーテル化工程と、エポキシ化工程と、を少なくとも有し、必要に応じて、その他適宜の工程を有してなる。
前記エーテル化工程は、不飽和結合を有する化合物と、フェノール類とをエーテル化する工程であり、前記不飽和結合を有する化合物としては、3−クロロ−1−プロペン、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン、3−ブロモ−2−メチル−1−プロペン、3−クロロ−2−プロピル−1−プロペン、3−クロロ−2−フェニル−1−プロペン、3−クロロ−2−フルオロ−1−プロペン、などが挙げられ、フェノール類としては、ビスフェノールAおよびその類縁体、ビスフェノールFおよびその類縁体、ジヒドロキシビフェニル、レソルシノール、ハイドロキノン、などが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記本発明のエポキシ樹脂化合物と、硬化剤とを少なくとも含み、さらに必要に応じて、硬化促進剤、その他成分を含んでいてもよい。
前記硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、エポキシ樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。
前記1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、具体的には、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アルキル変性ノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール類とフェノール類をカルボニル基含有化合物と共縮合した樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合物、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記アミン系硬化剤としては、具体的には、例えば、ジアミノジフェノルメタンなどの芳香族ジアミン、アニリン樹脂、ジシアンジアミド、グアニジン及びその誘導体、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記硬化剤の含有量としては、エポキシ基1当量に対して0.3〜3.0当量が好ましく、0.5〜2.5当量がより好ましく、0.8〜2.0当量が特に好ましい。
前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤の含有量としては、0.01〜15質量%が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、保存時の常温では硬化反応を生じることがなく、加熱によって硬化可能で保存安定性に優れ、硬化後は優れた硬度及び耐薬品性などが得られるので、接着剤などに好適に用いることができる。
前記本発明のエポキシ樹脂化合物は、感光性組成物に、熱架橋剤として用いることができる。該感光性組成物としては、(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基及びエステル基のいずれかを有する重合体と、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)請求項1に記載のエポキシ樹脂化合物を少なくとも1種と、を少なくとも含み、更に、必要に応じて、硬化促進剤などを含んでなる。
前記感光性組成物、及びその組成物である前記重合体、重合性化合物、光重合開始剤などの具体的としては、例えば、特開平5−27438号公報、特開平5−202332号公報、特開平7−110577号公報などに記載の感光性組成物が挙げられ、本発明のエポキシ樹脂化合物を、これらの感光性組成物に熱架橋剤として添加することにより、硬化膜の良好な膜硬度及び優れた耐薬品性、耐熱性、誘電特性、電気絶縁性などが得られる。
前記エポキシ樹脂化合物の感光性組成物中の含有量としては、1〜15質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂化合物を用いた感光性組成物の用途としては、プリント配線板(多層配線基板、ビルドアップ配線基板等)の保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどに好適に用いることができる。
また、配線パターン等を形成する際に用いられる回路形成用レジストとしての感光性組成物、及び保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン等の永久パターンを形成する際に用いられるソルダーレジストとしての感光性組成物に、特に好適に用いることができる。
−構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
前記構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物を、下記のようにして合成した。
1,1’−ビフェニル−2,2’−ジオール5質量部と、メチルエピクロロヒドリン16質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液4.9質量部と水5質量部の水溶液を、2時間かけて滴下した。その後、10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質4.2質量部(収率48%)を得た。
なお、前記生成物は、1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.36−7.20(m,4H),7.02(t,2H),6.93(d,2H),3.93(q,4H),2.60(d,4H),1.25(s,6H)であった。
−構造式(2)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
前記構造式(2)で表されるエポキシ樹脂化合物を、下記のようにして合成した。
レゾルシノール5質量部とメチルエピクロロヒドリン27.1質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液8.3質量部と水8質量部の水溶液を、2時間かけて滴下した。その後、10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、油状物質3.2質量部(収率28%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.17(t,1H),6.53(d,3H),3.97(q,4H),2.86(d,2H),2.73(d,2H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(3)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
なお、前記構造式(3)で表されるエポキシ樹脂化合物は、次のようにして合成した。
4,4’−チオジフェノール5質量部とメチルエピクロロヒドリン13.6質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液4.2質量部と水4質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、2.8質量部(収率34%)の固体状の生成物を得た。該生成物の融点は58−60℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.27(d,4H),6.85(d,4H),3.97(q,4H),2.86(d,2H),2.74(d,2H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(4)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール5質量部とメチルエピクロロヒドリン16質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液4.2質量部と水4質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、水50質量部に入れ沈殿物を得た。この沈殿物をろ過し、ヘキサン/酢酸エチル=1/1溶液100質量部で洗浄し、白色固体6.3質量部(収率72%)を得た。該白色固体の融点は190−193℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.48(d,4H),7.00(d,4H),4.05(q,6H),2.91(d,2H),2.77(d,2H),1.52(s,6H)であった。
−構造式(5)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン5質量部とメチルエピクロロヒドリン14.6質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液4.5質量部と水4.5質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を、酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、白色固体3.4質量部(収率40%)を得た。該白色固体の融点融点は126−128℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、6.97(d,6H),6.79(d,6H),3.96(q,6H),2.86(d,3H),2.73(d,3H),2.19(s,3H),1.48(s,9H)であった。
−構造式(6)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
3,3’,5,5’−テトラメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール5質量部とメチルエピクロロヒドリン12.3質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液3.8質量部と水4質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を、酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、析出した固体をメタノールで再結晶することで褐色固体1.6質量部(収率20%)を得た。該褐色固体の融点は、122−125℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.17(s,4H),3.80(q,4H),2.89(d,2H),2.75(d,2H),2.33(s,12H),1.58(s,6H)であった。
−構造式(7)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,7−ナフタレンジオール5質量部とメチルエピクロロヒドリン18.6質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液5.78質量部と水6質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質1.6質量部(収率17%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.72(d,1H),7.57(s,1H),7.39(d,1H),7.21(t,2H),6.80(d,1H),4.24−4.09(m,4H),2.95(d,2H),2.80(d,2H),1.59(s,3H),1.54(s,3H)であった。
−構造式(8)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−メチレンジフェノール5質量部とメチルエピクロロヒドリン14.9質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に48%NaOH水溶液4.6質量部と水4.6質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、白色固体3.5質量部(収率41%)を得た。該白色固体の融点は、46℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.07(d,4H),6.83(d,4H),3.95(d,2H),3.86(d,2H),2.85(d,2H),2.72(d,2H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(9)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル5質量とメチルエピクロロヒドリン14.8質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に48%NaOH水溶液4.5質量部と水5質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、白色固体2.8質量部(収率33%)を得た。該白色固体の融点は、78−80℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、6.88(d,4H),3.96(q,4H),2.86(d,2H),2.73(d,2H),1.49(s,6H)であった。
−構造式(10)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−エチリデンビスフェノール5質量部とメチルエピクロロヒドリン13.9質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に48%NaOH水溶液4.3質量部と水5質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質4質量部(収率48%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.11(d,4H),6.84(d,4H),4.14−3.90(m,5H),2.85(d,2H),2.72(d,2H),1.57(m,3H),1.47(s,6H)であった。
−構造式(11)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン5質量部とメチルエピクロロヒドリン11.9質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に48%NaOH水溶液3.7質量部と水4質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/7)で精製し、油状物質3質量部(収率40%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、8.15(d,1H),7.93(d,2H),7.50(t,1H),6.98(d,2H),6.90(d,1H),4.16−3.90(m,4H),2.86(d,2H),2.74(d,2H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(12)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,5−ジヒドロキシナフタレン5質量部とメチルエピクロロヒドリン18.6質量部を反応釜に入れ80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液5.7質量部と水6質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、白色固体1.3質量部(収率14%)を得た。該白色固体の融点は、140℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.89(d,2H),7.36(t,2H),6.83(d,2H),4.15(q,4H),2.96(d,2H),2.80(d,2H),1.59(s,6H)であった。
−構造式(13)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン40質量部とメチルエピクロロヒドリン111質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液34.3質量部と水30質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を水500質量部に入れ沈殿物を得た。この沈殿物をろ過し、メタノールで再結晶することにより、白色固体31.5質量部(収率48%)を得た。該白色固体の融点は、115℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.78(d,4H),6.98(d,2H),4.08(q,4H),2.90(d,2H),2.77(d,2H),1.51(s,6H)であった。
−構造式(14)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
2,7−ジヒドロキシナフタレン3質量部とメチルエピクロロヒドリン11.2質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、48%NaOH水溶液3.4質量部と水4質量部の水溶液を2時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル50質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、白色固体1.3質量部(収率23%)を得た。該白色固体の融点は、116−118℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.65(d,2H),7.03(d,2H),4.15−3.97(m,4H),2.95(d,2H),2.75(d,2H),1.51(s,6H)であった。
−構造式(15)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−シクロヘキシルフェノール]30質量部と炭酸カリウム23.2質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に3−クロロ−2−メチル−1−プロペン26質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去し、再結晶することにより中間生成物31.5質量部(収率82%)を得た。
次に、前記中間生成物30質量部と酢酸エチル250質量部と炭酸水素ナトリウム50.3質量部と水200質量部とアセトン70質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE83質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、析出物をメタノールで再結晶することにより白色固体17.6質量部(収率56%)を得た。該白色固体の点は、80−82℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.03(s,4H),6.96(d,2H),6.37(d,2H),3.95(q,4H),2.88(d,2H),2.74(d,2H),1.82−1.20(m,32H)であった。
−構造式(16)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン30質量部と炭酸カリウム34質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン30.4質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物に酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより中間生成物36.5質量部(収率89%)を得た。
次に、前記中間生成物30質量部と酢酸エチル250質量部と炭酸水素ナトリウム67質量部と水200質量部とアセトン70質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE100質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質29質量部(収率89%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.16(d,4H),6.81(d,2H),3.94(s,4H),2.83(s,4H),2.72(s,2H),2.21(s,4H),1.54−1.47(m,12H)であった。
−構造式(17)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン30質量部と炭酸カリウム30.6質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に3−クロロ−2−メチル−1−プロペン27.4質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより中間生成物25.5質量部(収率62.4%)を得た。
次に、前記中間生成物25質量部と酢酸エチル200質量部と炭酸水素ナトリウム71質量部と水200質量部とアセトン102質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE120質量部を水450質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。反応釜に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質17.6質量部(収率65%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.00(d,4H),6.66(d,2H),3.93(q,4H),2.85(d,2H),2.72(d,2H),2.20(s,10H),1.55(s,6H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(18)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−(1−フェニルエチリデン)ジフェノール30質量部と炭酸カリウム28質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン31.3質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより中間生成物33.6質量部(収率81%)を得た。
次に、前記中間生成物30質量部と酢酸エチル250質量部と炭酸水素ナトリウム63質量部と水200質量部とアセトン92質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE110質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質27質量部(収率86%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.28−7.19(m,4H),7.08(d,1H),6.99(d,4H),6.80(d,4H),3.96(q,4H),2.86(d,2H),2.72(d,2H),2.14(s,3H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(19)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
フェノール30質量部と炭酸カリウム26.2質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン23.5質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより中間生成物38質量部(収率97%)を得た。
次に、前記中間生成物30質量部と酢酸エチル250質量部と炭酸水素ナトリウム55.4質量部と水200質量部とアセトン80.4質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE110質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質22質量部(収率62%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.18−7.07(m,6H),7.06(d,2H),6.89(d,4H),3.98(q,4H),2.86(d,2H),2.72(d,2H),1.60(s,12H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(20)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
フェノールフタレイン30質量部と炭酸カリウム28.6質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン25.6質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、再結晶することにより中間生成物40質量部(収率99%)を得た。
次に、前記中間生成物30質量部と酢酸エチル250質量部と炭酸水素ナトリウム59.1質量部と水200質量部とアセトン86質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE105質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間化けて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ流酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/5)で精製し、白色固体24.5質量部(収率76%)を得た。該白色固体の融点は、106−108℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.93(d,1H),7.68(t,1H),7.53(q,2H),7.27−7.21(m,5H),6.86(d,4H),3.98(q,4H),2.84(d,2H),2.72(d,2H),1.47(s,6H)であった。
−構造式(21)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4−ヒドロキシ安息香酸20質量部と炭酸カリウム48.3質量部とジメチルアセトアミド100質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン28.8質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、中間生成物24.5質量部(収率69%)を得た。
次に、前記中間生成物23質量部と酢酸エチル200質量部と炭酸水素ナトリウム78質量部と水200質量部とアセトン114質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE130質量部を水500質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質23質量部(収率86%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、8.02(d,2H),6.95(d,2H),4.47(d,1H),4.15(q,4H),3.99(d,1H),2.87(q,2H),2.74(d,2H),1.49(s,3H),1.47(s,3H)であった。
−構造式(22)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
5,5’−(1−メチルエチリデン)[1,1’ビフェニル]−2−オール30質量部と炭酸カリウム27質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン21.4質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、メタノールで再結晶することにより中間生成物32.9質量部(収率85%)を得た。
次に、前記中間生成物25質量部とクロロホルム300質量部を反応釜に入れた。氷冷後、反応釜にm−クロロ過安息香酸18.5質量部を入れた。その後7時間反応させた。反応終了後、該反応液をろ過し、ろ液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を100質量部加え1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、メタノールで再結晶することにより淡黄色固体17.7質量部(収率66%)を得た。該生成物の融点は173−176℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.51−7.14(m,14H),6.84(d,2H),3.93(q,4H),2.74(q,2H),2.62(d,2H),1.70(s,6H),1.35(s,6H)であった。
−構造式(23)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
テトラメチルビスフェノールA30質量部と炭酸カリウム36質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に3−クロロ−2−メチル−1−プロペン28.7質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相の溶媒を留去することにより中間生成物34.4質量部(収率84%)を得た。
次に、前記中間生成物25質量部と酢酸エチル200質量部と炭酸水素ナトリウム54質量部と水200質量部とアセトン77質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE95質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、20質量部(収率74%)の固体状の生成物を得た。該生成物の融点は96−98℃であった。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、6.81(s,4H),3.76(q,4H),2.86(d,2H),2.72(d,2H),2.22(s,12H),1.58(s,6H),1.52(s,6H)であった。
−構造式(24)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
ビスフェノールC30質量部と炭酸カリウム38質量部とジメチルアセトアミド120質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン31.8質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより中間生成物34.4質量部(収率81%)を得た。
次に、前記中間生成物23質量部と酢酸エチル200質量部と炭酸水素ナトリウム53質量部と水200質量部とアセトン77質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE95質量部を水400質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質20質量部(収率80%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、6.98(s,4H),6.66(d,2H),3.94(q,4H),2.86(d,2H),2.72(d,2H),2.20(s,6H),1.61(s,6H),1.49(s,6H)であった。
−構造式(25)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸30質量部と炭酸カリウム55.2質量部とジメチルアセトアミド100質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン33.2質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより第一中間生成物42質量部(収率89%)を得た。
次に第一中間生成物40質量部とエタノール80質量部と水30質量部と48%NaOH水溶液8.9質量部を反応釜に入れ70℃に加熱した。その後2時間反応させた。該反応物を1規定塩酸で中和し、酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去することにより第二中間生成物33質量部(収率94%)を得た。
最後に、前記第二中間生成物30質量部とクロロホルム200質量部を反応釜に入れた。氷冷後、該反応釜に、m−クロロ過安息香酸28.9質量部を入れた。その後7時間反応させた。反応終了後ろ過し、該ろ液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を100質量部加え1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/4)で精製し、油状物質20質量部(収率62%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、7.12(d,2H),6.81(d,2H),3.93(q,4H),2.85(d,2H),2.72(d,2H),2.40(t,2H),2.13(t,2H),1.57(s,3H),1.48(s,6H)であった。
−構造式(26)で表されるエポキシ樹脂化合物の合成−
4,4’−オキシビス安息香酸25質量部と炭酸カリウム32質量部とジメチルアセトアミド100質量部を反応釜に入れ、80℃に加熱した。該反応釜に、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン19.2質量部を0.5時間かけて滴下した。その後10時間反応させた。放冷後、該反応物を酢酸エチル100質量部で抽出し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/5)で精製し、中間生成物23.3質量部(収率65%)を得た。
次に、前記中間生成物20質量部と酢酸エチル150質量部と炭酸水素ナトリウム46質量部と水150質量部とアセトン67質量部を反応釜に入れた。該反応釜に、OXONE85質量部を水350質量部に溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。その後7時間反応させた。該反応釜に、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を300質量部加え1時間撹拌し、飽和食塩水で分液し有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。該有機相の溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、油状物質17.9質量部(収率82%)を得た。
なお、生成物は1H−NMR(300MHz:CDCl3)で同定した。スペクトルの各ピークは、8.05(d,4H),7.04(d,4H),4.48(d,2H),4.18(d,2H),2.82(s,2H),2.27(s,2H),1.43(s,6H)であった。
本発明のエポキシ樹脂化合物を1mmolと、2−エチルヘキサン酸を1mmolと、2MAOK(四国化成社製:2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物)を0.1mmolとを、フラスコに入れ、80℃および150℃で1時間反応させたときの反応率を、NMR(バリアン社製)によって解析した。結果を表3に示す。
なお、前記2MAOKは、下記構造式(a)で表される化合物である。
比較例1〜3として、2,2’−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパン、エピコートYX−4000(ジャパンエポキシレジン社製:エポキシ樹脂)、TEPIC(日産化学工業社製:エポキシ樹脂)について、上記各実施例と同様にして、熱に対する評価を行った。結果を表3に示す。
−感光性組成物の調製−
下記組成に基づいて、感光性組成物を調製した。なお、分散溶媒としてメチルエチルケトンを用い、固形分濃度を55質量%として調製した。分散は、ビーズミルを用いて行い、得られた分散液は、粒ゲージにより凝集が無いことを確認した。
〔感光性組成物溶液の組成〕
・硫酸バリウム(堺化学工業社製、B30) 33.4質量部
・下記構造式(b)で表されるバインダー 40.0質量部
・前記構造式(1)で表される実施例1のエポキシ樹脂化合物(熱架橋剤)
15.7質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 16.0質量部
・IRGACURE819(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製) 5.8質量部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.056質量部
・ジシアンジアミド 0.77質量部
・2MAOK(前記構造式(a)で表される化合物) 0.47質量部
得られた感光性組成物を、支持体としての厚み20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、塗布し、乾燥させて、膜厚30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして12μm厚のポリプロピレンフィルムをラミネートで積層し、感光性フィルムを製造した。
−−積層体の調製−−
次に、基材として、配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒間、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒間とした。
前述のようにして得られた積層体における感光層の表面のタック性について、下記基準に基づいて評価した。前記実施例27の感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がした時点では、前記感光層の表面に強いタック性がなく、剥離自体も容易に行うことができた結果を表4に示す。
〔評価基準〕
○:感光層の表面に強いタック性が認められなかった
△:感光層の表面にややタック性が認められた
×:感光層の表面に強いタック性が認められた
前記調製した積層体における感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、レーザ露光装置を用いて、405nmのレーザ光を、直径の異なる穴部が形成されるパターンが得られるように照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。
室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、アルカリ現像液として、1質量%炭酸ソーダ水溶液を用い、スプレー圧0.2MPa、30℃にて60秒間シャワー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。その後、水洗し、乾燥させ、永久パターンを形成した。
前記永久パターンが形成された積層体の全面に対して、160℃で60分間、加熱処理を施し、永久パターンの表面を硬化し、膜強度を高めた。該永久パターンを目視で観察したところ、永久パターンの表面に気泡は認められなかった。
得られた前記永久パターンにおいて、残った前記感光層の硬化領域の厚みを測定した。次いで、レーザ光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から配線上の硬化領域の厚さが15μmとなり、硬化領域の表面が光沢面である時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
その結果、前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は、30mJ/cm2であった。
得られた前記永久パターン形成済みのプリント配線基板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化層パターンの穴部に残膜が無い、最小の穴径を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。その結果、解像度は、70μmであった。
405nmレーザ露光装置を用いて、露光光と前記感光層とを相対的に移動させる速度を変更し、永久パターンが形成される速度を求めた。露光は、前記調製した積層体における感光層に対して、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から行った。なお、この設定速度が速い方が効率的な永久パターン形成が可能となる。なお、前記405nmレーザ露光装置は、DMDからなる光変調手段を有し、露光速度は、13mm/secであった。
前記製造した感光性フィルムを40℃で3日間の強制経時後、未露光膜の現像時間を測定し、下記基準に基づいて、保存安定性の評価を行った。
〔評価基準〕
◎:現像時間が30秒間以内で、保存安定性に極めて優れる。
○:現像時間が30秒間超、45秒間以内で、保存安定性に優れる。
△:現像時間が45秒間超、60秒間以内で、保存安定性に劣る。
×:現像時間が60秒間超で、保存安定性に極めて劣る。
前記永久パターン形成済みのプリント配線基板に対して、常法に従い金メッキを行った後、水溶性フラックス処理を行った。次いで、260℃に設定された半田槽に5秒間にわたって、3回浸漬し、フラックスを水洗で除去した。そして、該フラックス除去後の永久パターンについて、JIS K−5400に基づいて、鉛筆硬度を測定した。
その結果、鉛筆硬度は5Hであった。また、目視観察を行ったところ、前記永久パターンにおける硬化膜の剥がれ、ふくれ、変色は認められなかった。
膜厚500μmの硬化膜の誘電特性を、アジデント・テクノロジー社製LCRメーターと4291A型固体電極を用いて25℃で測定した結果、1GHzでの誘電率は3.3であり、誘電正接は0.013であった。
実施例27において、感光性組成物中の構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物(実施例1で合成したエポキシ樹脂化合物)を、各々、下記表4に示すように、前記構造式(3)で表される実施例3で合成したエポキシ樹脂化合物又は構造式(5)で表される実施例5で合成したエポキシ樹脂化合物に変えたこと以外は、実施例27と同様にして、実施例28、29の感光性組成物を調製し、実施例27と同様にして感光性フィルム及び積層体を調製し、永久パターンを形成した。
また、実施例27と同様にして前記製造した感光性フィルムについて、タック性、露光感度、解像度、露光速度、及び保存安定性の評価を行い、前記形成した永久パターンについて鉛筆硬度、及び誘電特性の評価を行った。その結果、実施例28、29ともに、露光感度は30mJ/cm2、解像度は70μm、露光速度は13mm/secであった。その他の結果を表4に示す。
実施例27において、感光性組成物中の前記構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物を、2,2’−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパンに変えたこと以外は、実施例1と同様にして感光性組成物を調製し、実施例1と同様にして感光性フィルム及び積層体を調製し、永久パターンを形成した。
また、実施例27と同様にして前記製造した感光性フィルムについて、タック性、露光感度、解像度、露光速度、及び保存安定性の評価を行い、前記形成した永久パターンについて鉛筆硬度、及び誘電特性の評価を行った。なお、該比較例4及び下記の比較例5、6においても、露光感度は30mJ/cm2、解像度は70μm、露光速度は13mm/secであった。その他の結果を表4に示す。
実施例27において、感光性組成物中の前記構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物を、エピコートYX4000(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして感光性組成物を調製し、実施例27と同様にして感光性フィルム及び積層体を調製し、永久パターンを形成した。
また、実施例27と同様にして前記製造した感光性フィルムについて、タック性、露光感度、解像度、露光速度、及び保存安定性の評価を行い、前記形成した永久パターンについて鉛筆硬度、及び誘電特性の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例27において、感光性組成物中の前記構造式(1)で表されるエポキシ樹脂化合物を、TEPIC(日産化学工業社製、エポキシ樹脂)に変えたこと以外は、実施例27と同様にして感光性組成物を調製し、実施例27と同様にして感光性フィルム及び積層体を調製し、永久パターンを形成した。
また、実施例27と同様にして前記製造した感光性フィルムについて、タック性、露光感度、解像度、露光速度、及び保存安定性の評価を行い、前記形成した永久パターンについて鉛筆硬度、及び誘電特性の評価を行った。結果を表4に示す。
−熱硬化性樹脂組成物の調製−
下記組成に基づいて、熱硬化性組成物を調製した。
〔熱硬化性樹脂組成物の組成〕
・前記構造式(1)で表される実施例1のエポキシ樹脂化合物 100質量部
・メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日本ゼオン社製、QH−200、硬化剤)
95質量部
・前記構造式(a)で表される2MAOK(硬化促進剤) 4.5質量部
上記組成でエポキシ樹脂化合物、硬化剤及び硬化促進剤を混合し、ミキサー(7,000rpm、1分間)で撹拌することにより、実施例30の熱硬化性樹脂を調製した。
<ゲル化時間>
得られた熱硬化性樹脂組成物について、JIS K5059(1997)に準じ、150℃で熱板法によりゲル化時間を測定した。
<耐熱性>
得られた熱硬化性樹脂組成物について、熱硬化性樹脂の耐熱性の指標である熱変形温度を測定した。該熱変形温度は、JIS K7207(1997)に準じ、HDTテスターS−3M(東洋精機製)を用いて測定した。樹脂の硬化条件は150℃、2時間で行った。
<貯蔵安定性>
40℃で貯蔵した熱硬化性樹脂組成物について、B型粘度計を用いて樹脂組成物の粘度を測定し、樹脂粘度が初期粘度の2倍になった時間を評価時間とした。この評価時間をもとに、下記評価基準により、貯蔵安定性を評価した。
◎:48時間超
○:24時間超48時間以内
△:10時間超24時間以内
×:10時間以内
実施例30において、前記構造式(1)で示されるエポキシ樹脂化合物を、前記構造式(2)で表される実施例2のエポキシ樹脂化合物に代えたこと以外は、実施例30と同様にして、実施例31の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた熱硬化性樹脂組成物について、実施例30と同様に、ゲル化時間、耐熱性及び貯蔵安定性の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例30において、前記構造式(1)で示されるエポキシ樹脂化合物を、エピコート828(油化シェル社製)に代えたこと以外は、実施例30と同様にして、比較例7の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた熱硬化性樹脂組成物について、実施例30と同様に、ゲル化時間、耐熱性及び貯蔵安定性の評価を行った。結果を表5に示す。
Claims (3)
- オキシラン環部位に置換基を持つオキシラン環を1分子中に2個以上有し、下記一般式(1)、(2)、及び(3)のいずれかで表されることを特徴とするエポキシ樹脂化合物。
- 請求項1に記載のエポキシ樹脂化合物を少なくとも1種と、硬化剤と、を少なくとも含む熱硬化性樹脂組成物。
- (A)1分子中に1個以上のカルボキシル基及びエステル基のいずれかを有する重合体と、(B)重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)請求項1に記載のエポキシ樹脂化合物を少なくとも1種と、を少なくとも含むことを特徴とする感光性組成物。
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