JP4736836B2 - フォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物 - Google Patents

フォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、フォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物に関する。
液晶表示装置やタッチパネルなど、表示装置を構成するカラーフィルタとアレイ基板との間には、両基板の間隔を保持するためにスペーサが設けられている。このスペーサとしては、球形粒子を散布する代わりに、感光性樹脂組成物を用いてスペーサを形成するフォトスペーサ法が提案されている。このフォトスペーサの形成に用いられる感光性樹脂組成物としては、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(a1)、エポキシ基含有不飽和化合物(a2)、および前記(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物(a3)由来の構成単位を有する共重合体を含有する組成物が知られている。該組成物に含有される共重合体のカルボキシル基とエポキシ基との間で、ポストベーク時に架橋し、スペーサを得ることができることが開示されている(特許文献1)。
さらに、耐熱性やメッキ液耐性に優れる組成物として、少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を含有する感放射線性組成物(特許文献2)や、エポキシ当量が250以下のエポキシ化合物を含有する感放射線性樹脂組成物が知られている(特許文献3)。
特開平11−133600号公報 2頁左欄2行−2頁左欄9行 特開平6−192389号公報 2頁左欄2行−2頁左欄12行 特開平10−319592号公報 2頁左欄2行−2頁左欄10行
しかしながら、特許文献1に記載されたスペーサ形成用組成物では、貯蔵安定性が十分でないこと、特許文献2および3に記載された感放射線性樹脂組成物では耐熱性が十分ではないことを、本発明者は見いだした。
本発明の目的は、貯蔵したときの安定性が良好であり、耐熱性に優れたフォトスペーサ形成用の新たなフォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物(以下、「感光性樹脂組成物」という)を提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決しうる新たな手段について鋭意検討の結果、特定のエポキシ化合物を含む感光性樹脂組成物が前述の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、溶剤(D)および式(I)で表される化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 0004736836
[式(I)中、X、YおよびZは、それぞれ独立に、単結合、式(I−1)で表される基または式(I−2)で表される基を表す。
Figure 0004736836
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。同一ベンゼン環上のR〜Rは、同一でも異なってもよい。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
また、本発明は、前記の感光性樹脂組成物を用いて形成されるフォトスペーサ、前記のフォトスペーサを含んでなるカラーフィルタならびに前記のカラーフィルタを具備する表示装置を提供する。
本発明の感光性樹脂組成物は貯蔵安定性が良好であり、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されたフォトスペーサの、耐熱性が良好である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、式(I)で表される化合物および溶剤(E)を含有するものである。該組成物は、必要に応じて、さらにその他の添加剤(F)を含有してもよい。
バインダー樹脂(A)は、アルカリ可溶性を有するもので、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、前記の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と共重合可能な単量体との共重合体であることが好ましい。
不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、それぞれ単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と共重合可能な単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の無置換または置換アルキルエステル;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステルから;
グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;
オキセタン(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸オキセタンエステル;
オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートなどのグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;
(メタ)アクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド化合物などが挙げられ、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが挙げられる。前記の単量体は、それぞれ単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、好ましく用いられる共重合体としては、下記(A1)、(A2)および(A4)を共重合させて共重合体1を得て、得られた共重合体1と(A3)とを共重合体1の(A4)に由来する部位で反応させて共重合体2を得て、さらに得られた共重合体2と(A5)とを共重合体1の(A4)と(A3)の反応により生成した部位に反応させて得られる共重合体が挙げられる。
(A1);一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物
(A2);(A1)および(A4)と共重合可能な不飽和化合物
(A3);不飽和結合を有するカルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物
(A5);酸無水物
ただし、(A1)〜(A5)は、それぞれ、互いに同一ではない。
一分子中に不飽和結合とトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物(A1)としては、具体的には、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、または両者を組合せて用いることができる。ここで、本明細書中における(メタ)アクリレートの記載は、アクリレートおよびメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
(A1)および(A4)と共重合可能な不飽和化合物(A2)としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の無置換または置換アルキルエステル;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル化合物;
オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートなどのグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル化合物;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の芳香環を含むエステル化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、α−フェニルスチレンおよびビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;
(メタ)アクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのN−置換マレイミド化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、または組合せて用いることができる。
不飽和結合を有するカルボン酸(A3)としては、具体的には、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。アクリル酸およびメタクリル酸は、それぞれ単独で、または両者を組合せて用いることができる。また、これらのアクリル酸やメタクリル酸に加えて、その他の不飽和基を有するカルボン酸を併用することができる。その他の不飽和基を有するカルボン酸としては、具体的に、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など、他の不飽和基を有するカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の不飽和基を有するカルボン酸が挙げられる。また、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基およびカルボキシル基を含有する不飽和基を有するカルボン酸を併用することもできる。
一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物(A4)としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−プロピルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−エチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、グリシジルビニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸グリシジルが挙げられる。
酸無水物(A5)は、分子中に酸無水物基を1個有する化合物であり、具体的には、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物などが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフタル酸無水物が挙げられる。
本発明に使用されるバインダー樹脂(A)は、アルカリ可溶性を有する樹脂であり、好ましくは、(A1)、(A2)および(A4)を共重合させて共重合体1を得て、得られた共重合体1と(A3)とを反応させて共重合体2を得て、さらに得られた共重合体2と(A5)とを反応させて得られる共重合体である。
まず、共重合体1を得るために、(A1)、(A2)および(A4)を共重合させる。この共重合時は、通常の条件下で行われる。
重合方法は、共重合反応に使用されるモノマーおよびラジカル重合開始剤を溶剤に溶解し攪拌しながら昇温して重合反応を行なってもよいし、ラジカル重合開始剤を添加したモノマーを昇温、攪拌した溶剤中に滴下してもよい。また、溶剤中にラジカル重合開始剤を添加し昇温した中にモノマーを滴下してもよい。反応条件は目標とする分子量に応じて自由に変えることができる。
使用される溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常、用いられる有機溶剤を使用することができる。
その具体例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は単独または2種以上を併用してもよい。
溶剤の使用量は共重合体100重量部に対して、30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。この範囲内では分子量の制御が容易であるため好ましい。
使用されるラジカル重合開始剤は、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常、用いられる有機過酸化物触媒やアゾ化合物を使用することができ、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるもの、アゾ化合物が挙げられる。
具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1ービス(tert−ブチルパーオキシ)ー3,3,5ートリメチルシクロヘキサン、2,5ージメチルー2,5ービス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシルー3、3ーイソプロピルヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5ートリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが挙げられる。
重合温度に応じて適当な半減期のラジカル重合開始剤を選択することが好ましい。ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用されるモノマーの合計100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
それぞれの単量体から導かれる構成成分の比率としては、前記の共重合体1を構成する構成成分の合計モル数に対してモル分率で、以下の範囲にあることが好ましい。
(A1)から導かれる構成単位;2〜40モル%
(A2)から導かれる構成単位;2〜95モル%
(A4)から導かれる構成単位;3〜65モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(A1)から導かれる構成単位;5〜35モル%
(A2)から導かれる構成単位;5〜80モル%
(A4)から導かれる構成単位;15〜60モル%
前記の構成比率が、上記の範囲にあると、可とう性および耐熱性のバランスが良好であり、好ましい幹ポリマーが得られる。
次に、前記の共重合体1に(A3)を付加してバインダー樹脂(A)に光/熱硬化性を付与する。
共重合体1と(A3)との反応は、例えば、特開2001−89533号公報に記載の条件で行なうことができる。具体的には、攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコに共重合体1の溶液を仕込み(前記(A1)、(A2)および(A4)を共重合した溶液をそのまま使用しても良い。)、空気雰囲気下、攪拌し120℃に昇温する。(A3)、トリスジメチルアミノメチルフェノールおよびハイドロキノンを、上記エージングした中に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、光/熱硬化性が付与された共重合体1が得られる。
(A3)の付加量は、(A1)、(A2)および(A4)を共重合させて得られた樹脂中のエポキシ基(A4成分に由来)に対して、5〜100モル%、好ましくは10〜95モル%である。
(A4)の組成比が上記範囲内にあると、十分な光硬化性や熱硬化性が得られ、信頼性に優れるので好ましい。
次に、前記共重合体2と(A5)とを反応させてアルカリ溶解性を付与されたバインダー樹脂(A)を製造する。
共重合体2と(A5)との反応は、例えば、特開2001−89533号公報に記載の条件で行われることができる。具体的には、前記、共重合体2に、(A5)およびトリエチルアミンを加え120℃で3.5時間反応させアルカリ現像可能なバインダー樹脂(A)が得られる。
(A5)の付加量は、共重合体2のアルコール性水酸基のモル数(A3成分に由来)に対して、5〜100モル%、好ましくは10〜95モル%である。
前記のバインダー樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜30,000である。バインダー樹脂(A)の重量平均分子量が、前記の範囲にあると、塗布性が良好であり、また現像時に膜減りが生じにくく、さらに現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。
バインダー樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.5〜6.0であり、より好ましくは1.8〜4.0である。分子量分布が、前記の範囲にあると、現像性に優れるので好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%である。バインダー樹脂(A)の含有量が前記の範囲にあると、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、非画素部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
なお、バインダー樹脂(A)としてはカルボキシル基を有するバインダー樹脂と一分子中にエポキシ基および(メタ)アクリル基とを含有する化合物を反応させて得られた樹脂などのバインダー樹脂の側鎖に(メタ)アクリル基を導入したバインダー樹脂なども使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物(B)としては、単官能モノマー、2官能、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーの具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
2官能モノマーの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物などが挙げられる。
中でも、2官能モノマーやその他の多官能モノマーなど、2官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられる。
これらの市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−402、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−1310、同M−1600、同M−1960、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050(東亜合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
光重合性化合物(B)の含有量は、感光性樹脂組成物中のバインダー樹脂(A)および光重合性化合物(B)の合計対して質量分率で、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%である。光重合性化合物(B)の含有量が、前記の範囲にあると、画素部の強度や平滑性、信頼性が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(C)としては、アセトフェノン系、ビイミダゾール系、オキシム系、トリアジン系開始剤が好ましく用いられる。
前記のアセトフェノン系化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(2−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−エチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−プロピルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2、3−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2、4−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモ−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
前記のビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報など参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報など参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報など参照。)などが挙げられ、好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
前記のオキシム化合物としては、O−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、式(a)で表される化合物、式(b)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0004736836
前記のトリアジン系化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、この分野で通常用いられている光重合開始剤等をさらに併用することができ、該光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アントラセン系化合物などが挙げられる。
より具体的には以下のような化合物を挙げることができ、これらをそれぞれ単独で、または2種以上組合せて用いることができる。
前記のベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前記のベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
前記のアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
その他にも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などの光重合開始剤を使用することができる。
また、連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤として、特表2002−544205号公報に記載されているものを使用することができる。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤としては、例えば、下記式(2)〜(7)のものが挙げられる。
Figure 0004736836
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤は、共重合体1の構成成分(A2)として使用することができる。そして、(A2)を用いて得られるバインダー樹脂(A)は、本発明のバインダー樹脂に併用することができる。
また、光重合開始剤に光重合開始助剤(C−1)を組合せてもよい。光重合開始助剤としては、アミン化合物および下記のカルボン酸化合物が好ましく、アミン化合物としては芳香族アミン化合物がより好ましい。
光重合開始助剤(C−1)の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物;
4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称;ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのような芳香族アミン化合物;
フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などの芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
光重合開始剤(C)の含有量は、バインダー樹脂(A)および光重合性化合物(B)の合計に対して質量分率で、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%である。
また、光重合開始助剤(C−1)を用いる場合、その含有量は、前記の基準で、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.1〜40質量%である。
光重合開始剤(C)の含有量が前記の範囲にあると、感光性樹脂組成物が高感度となり、前記の感光性樹脂組成物を用いて形成した画素部の強度や、前記の画素の表面における平滑性が良好になる傾向があり、好ましい。前記に加えて、光重合開始助剤(C−1)の量が前記の範囲にあると、得られる感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、前記の感光性樹脂組成物を用いて形成するパターン基板の生産性が向上する傾向にあり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、式(I)で表される化合物を含む。式(I)で表される化合物を含有することにより、貯蔵安定性が良好で、かつ、耐熱性に優れたフォトスペーサを形成することが可能となる。さらに形成されたフォトスペーサは、耐溶剤性および表面平滑性が良好であり、回復率にも優れている。
Figure 0004736836
[[式(I)中、X、Y、Zは、それぞれ独立に、単結合、式(I−1)で表される基または式(I−2)で表される基を表す。
Figure 0004736836
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。同一ベンゼン環上のR〜Rは、同一でも異なってもよい。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
X、YおよびZとしては、好ましくは単結合または式(I−2)で表される基が挙げられる。
〜Rとしては、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
〜Rとしては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、好ましくはX、YおよびZのうち少なくとも二つが単結合であり、R〜Rが水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R〜Rが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である化合物が挙げられ、より好ましくはX、YおよびZのうち、二つが単結合であり残りの一つが式(I−2)で表される基であり、R〜Rが水素原子であり、R〜Rが水素原子である化合物が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、例えば、下記式(I−b)で表される、テクモア(登録商標)VG3101L(三井化学(株)製)として入手できる、2−[4−(2、3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1、1−ビス[4−([2、3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(式(I)において、R〜Rが水素原子を表し、X、Yおよび単結合を表し、Zが式(I−2)を表す。)などが挙げられる。
Figure 0004736836
式(I)で表される化合物の含有量は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および式(I)で表される化合物の合計に対して質量分率で、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.2〜15質量%である。
式(I)で表される化合物の含有量が前記の範囲にあると、前記の感光性樹脂組成物を用いて形成した画素部や塗膜の耐薬品性も良好になる傾向があり、さらに耐熱性が良好となり好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は溶剤(D)を含む。前記の溶剤(D)としては、感光性樹脂組成物の分野で用いられている各種の有機溶剤を用いることができる。その具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテートおよびエチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテートおよびメトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンのような芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールおよびグリセリンなどのアルコール類;
3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;
γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、好ましくは上記溶剤の中で沸点が100〜200℃の有機溶剤が挙げられ、より好ましくは、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられ、とりわけ好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルが挙げられる。
これらの溶剤(D)は、それぞれ単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤(D)の含有量は、感光性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは70〜85質量%である。溶剤(D)の含有量が、前記の範囲にあると、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれることがある。)、インクジェットなどの塗布装置で塗布したときに塗布性が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集剤、連鎖移動剤などの添加剤(F)を併用することもできる。
充填剤としては、ガラス、シリカ、アルミナなどが例示される。
他の高分子化合物としては、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂やポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂などが例示される。
界面活性剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上を組合せて用いられる。前記の界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等のほか、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)などが挙げられる。
密着促進剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸化防止剤として具体的には、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤として具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
また凝集剤として具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、特許文献1に記載されるような樹脂成分(不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(a1)、エポキシ基含有不飽和化合物(a2)、および前記(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物(a3)由来の構成単位を有する共重合体)を含まないので、貯蔵前の粘度に対する貯蔵後の粘度の変化率が小さく、好ましい。
感光性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして基材上に塗布し、光硬化および現像を行って、パターンを形成することができる。まず、この組成物をガラスなどの基板または先に形成された感光性樹脂組成物の固形分からなる層などの基材上に塗布する。塗布は、スピンコーター、スリットコーター、カーテンフローコーター、バーコーターなど、公知の装置を用いて行い、感光性樹脂組成物層を形成する。
塗布により形成された感光性樹脂組成物層は、プリベークすることにより溶剤などの揮発成分が除去されて、平滑な塗膜となる。このときの塗膜の厚さは、通常、1〜6μm程度である。このようにして得られた塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して、紫外線が照射(パターニング露光)されるが、この際、露光される部分全体に均一平行光線が照射され、かつマスクと基材との位置が正確に合わされるよう、マスクアライナーやステッパーなどの装置を使用するのが好ましい。
さらにこの後、露光が終了した塗膜をアルカリ水溶液に接触させて非露光部を溶解させ、現像することにより、目的とするパターン形状が得られる。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでも良い。さらに現像時に基材を任意の角度に傾けても良い。現像後、水洗を行い、さらに必要に応じて150〜230℃で10〜60分のポストベークを施すこともできる。ポストベークにより硬化反応がさらに進行し、表示装置としたときの信頼性を付与することができる。
パターニング露光後の現像に使用する現像液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤とを含む水溶液である。
アルカリ性化合物は、無機および有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機および有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、溶液全体に対して質量分率で、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
またアルカリ現像液中の界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤のいずれでもよい。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムのような高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアミン塩または第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いることも、また2種以上組合せて用いることもできる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、溶現像液全体に対して質量分率で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜8質量%、とりわけ好ましくは0.1〜5質量%である。
以上のような感光性樹脂液の塗布、乾燥、得られる乾燥塗膜へのパターニング露光、そして現像という各操作を経て、基板上あるいはカラーフィルタ基板上にフォトスペーサパターンを形成することができる。
そして、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させて形成されたカラーフィルタは、面内の膜厚差が小さく、例えば1〜6μmの膜厚で、面内膜厚差を0.15μm以下、さらには0.05μm以下とすることができる。したがって、こうして得られるカラーフィルタは、平滑性に優れたものであり、またこれをカラー液晶表示装置に組み込むことにより、優れた品質の液晶表示装置を高い歩留りで製造することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は貯蔵安定性が良好であり、該感光性樹脂組成物を硬化させて形成されたフォトスペーサは、その耐熱性が優れている。また、該感光性樹脂組成物を硬化させて形成されたフォトスペーサは、耐溶剤性や表面平滑性にも優れており、回復率にも優れている。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、透明性の必要な、絶縁膜やマイクロレンズの形成に用いる場合には、好ましくは着色剤を含まない。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中、数値は、特にことわりのない限り、質量基準で表す。
合成例1
実施例1、比較例1および比較例2に使用したバインダー樹脂Aaの構成単位を、式(X)に示す。
Figure 0004736836
構成単位の説明
a:共重合体1における(A1)から導かれる構成単位に相当。
b:共重合体1における(A2)から導かれる構成単位に相当。
c:共重合体1における(A4)から導かれる構成単位に、(A3)を反応させて導かれる構成単位に相当。
d:共重合体2における(A3)に由来する部位に(A5)を反応させて導かれる構成単位に相当。
樹脂Aa中における構成単位a〜dのモル比率、cおよびdにおけるR、得られた樹脂Aaのポリスチレン換算重量平均分子量(M)および分子量分布(M/M)を表1に示す。
Figure 0004736836
前記のバインダーポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム;TSK−GELG4000HXL(商品名)+TSK−GELG2000HXL(商品名)(直列接続)
カラム温度;40℃
溶媒;THF
流速;1.0mL/min
注入量;50μL
検出器;RI
測定試料濃度;0.6質量%(溶媒;THF)
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(いずれも商品名)(東ソー(株)製)
上記の測定方法で得られたポリスチレン換算重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
合成例2
特開平11−133600号公報の合成例1と同様に、冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きスチレン30質量部、メタクリル酸20質量部、メタクリル酸グリシジル50質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し樹脂Abを含む重合体溶液を得た。得られた樹脂Abのポリスチレン換算重量平均分子量は24,000であった。
実施例1
[感光性樹脂組成物1の調製]
前記で得た樹脂Aa50部(固形分換算)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)50部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(Irgacure 369(商品名);Ciba Specialty Chemicals社製)3部、4,4’−(N,N−ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン(EAB−F(商品名);保土谷化学工業(株)製)1部およびテクモアVG−3101L(商品名)(三井化学(株)製;(2−[4−(2、3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1、1−ビス[4−([2、3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン))5部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート173部および3−エトキシエチルプロピオネート24部に溶解して、感光性樹脂組成物1を得た。
[フォトスペーサおよび硬化樹脂膜の形成]
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、感光性樹脂組成物1を、スピンコーターを用いて塗布し、塗布後ホットプレート上に該ガラス基板を静置して100℃で3分間プリベークした。冷却後、この感光性樹脂組成物を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスク(一辺が20μmである正方形が、互いに隣接する正方形と100μmの間隔で形成された透光部を有する。)との間隔を50μmとし、超高圧水銀ランプ(USH−250D;ウシオ電機(株)製)を用いて大気雰囲気下、100mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。その後、23℃の現像液(非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.05質量%とを含む水溶液)に前記の感光性樹脂組成物を塗布した基板を80秒間浸漬して現像し、水洗後、220℃で30分間ポストベークを行って、フォトスペーサを得た。得られたフォトスペーサの膜厚を、膜厚計(Dektak3;日本真空技術(株)製)を用いて測定したところ、3.0μmであった。
別に、露光時にフォトマスクを用いない以外は、上記と同様にして、硬化樹脂膜を得た。
[感光性樹脂組成物の貯蔵安定性]
調製直後に感光性樹脂組成物1の粘度を粘度計(E型粘度計;東機産業(株)社製)を用いて測定した。同じ感光性樹脂組成物1を、23℃で2週間保管し、保管後の粘度を同様にして測定した。保管後の粘度を、保管前の粘度で除した値を粘度変化率として、算出した。
粘度変化率(%)=(保管後の粘度/保管前の粘度)×100
結果を表3に示す。粘度変化率が100%に近いほど、例えば100〜103%の範囲であれば、良好である。
[耐熱性]
得られた硬化樹脂膜を、さらに240℃のオーブンに1時間入れた後の膜厚3.0μm当たりの透過率(測定波長400nm)を測定した。結果を表3に示す。透過率が高いと、耐熱性が良好である。
[耐NMP性]
耐NMP性;得られた硬化樹脂膜の膜厚を測定した。該硬化樹脂膜をN−メチルピロリドン(30℃×30分)に浸漬し、浸漬後の膜厚を測定し、浸漬前後での膜厚から膜厚変化率を算出した。結果を表3に示す。
膜厚変化率(%)=(浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm))×100
膜厚変化率は、100%に近いほど良好である。
[表面平滑性]
基板面に対して斜め45度から、目視により表面を観察して、光沢があると認められると○、光沢がないかまたは白濁(不透明)していると認められると×として評価した。結果を表3に示す。
[20μmパターン解像性]
走査電子顕微鏡(S−4100;(株)日立製作所製)を用いて20μmパターン部の断面を観察した。
パターンを解像していれば○、解像していなければ×として評価した。結果を表3に示す。
[回復率]
ダイナミック超微小硬度計(DUH−W201S;(株)島津製作所製)を用いて、総変位量(μm)および弾性変位量(μm)を、以下の条件で測定し、得られた数値から回復率を算出した。結果を表3に示す。
試験モード ;負荷−除荷試験
試験力 ;5gf(SI単位換算値;0.049N)
負荷速度 ;0.45gf/秒(SI単位換算値;0.0044N/秒)
保持時間 ;5秒
圧子 ;円錐台圧子(直径50μmφ)
回復率(%)=(弾性変位量(μm)/総変位量(μm))×100
比較例1
表2に示す組成で、特許文献2に記載された発明に相当する感光性樹脂組成物2を得て、実施例1と同様にして、その評価を行った。結果を表3に示す。
比較例2
表2に示す組成で、特許文献2に記載された発明に相当する感光性樹脂組成物3を得て、実施例1と同様にして、その評価を行った。結果を表3に示す。
比較例3
表2に示す組成で、特許文献1に記載された発明に相当する感光性樹脂組成物4を得た。実施例1と同様にして貯蔵安定性を測定したところ、増粘したので、以降の評価を中止した。
実施例および比較例の感光性樹脂組成物の配合組成を表2に示す。
Figure 0004736836
*1;o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量195g/eq
*2;ビスフェノール−A型エポキシ樹脂 エポキシ当量189g/eq
*3;エポキシ当量210g/eq
得られた硬化樹脂膜および硬化樹脂パターンの下記の項目において測定等を行った結果を表3に示す。
Figure 0004736836
本発明の式(I)で表される化合物を含む実施例1の感光性樹脂組成物では、貯蔵安定性が良好であり、当該組成物を用いて形成したフォトスペーサは、耐熱性、耐NMP性、表面平滑性および回復率に優れることがわかるが、式(1)で表される化合物を含まない比較例1および2の感光性樹脂組成物では、耐熱性、耐NMP性に劣る。
本発明の感光性樹脂組成物は、表示装置におけるフォトスペーサの形成に用いることができる。

Claims (5)

  1. バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、溶剤(D)および式(I)で表される化合物を含むフォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物。
    Figure 0004736836
    [式(I)中、X、YおよびZは、それぞれ独立に、単結合、式(I−1)で表される基または式(I−2)で表される基を表す。
    Figure 0004736836
    〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を表す。同一ベンゼン環上のR〜Rは、同一でも異なってもよい。
    〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
  2. 式(I)で表される化合物の含有量が、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および式(I)で表される化合物の合計量に対して質量分率で、0.1〜20質量%である請求項1記載のフォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物。
  3. 光重合開始剤(C)が、トリアジン化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化
    合物、オキシム化合物およびアシルホスフィンオキサイド化合物からなる群から選ばれる
    少なくとも一種の化合物である請求項1または2記載のフォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフォトスペーサ形成用感光性樹脂組成物を硬化させて形成されるフォトスペーサ。
  5. 請求項4に記載のフォトスペーサを含む表示装置。
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