JP4873621B2 - 機能素子及びそれに用いられるネガ型感光性樹脂組成物並びに機能素子の製造方法 - Google Patents
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Description
このように、接着性に優れ且つ解像性にも優れた前記用途向けネガ型感光性樹脂組成物の検討が十分にはなされていないのが現状である。
(1)第1の基盤上にフォトリソグラフにより設けられたパターン化された構造体を介して、第2の基盤を圧着させて2個の基盤を接着させた機能素子において、前記構造体を形成する為の樹脂組成物が(A)アクリルモノマー、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤及び(D)エポキシ化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする前記機能素子、
(2)ネガ型感光性樹脂組成物が更に溶剤を含有するものである(1)に記載の機能素子、
(3)ネガ型感光性樹脂組成物中の(B)成分が、メタクリル酸、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸−n−ブチルを共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーである(1)又は(2)に記載の機能素子、
(4)共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーの構成成分であるメタクリル酸のモル配合比率が、10モル%〜60モル%である(3)に記載の機能素子、
(5)ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の軟化点が40℃〜110℃である(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の機能素子、
(6)(D)エポキシ化合物が、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物又は下記式(1)で示されるエポキシ化合物である(5)に記載の機能素子、
(8)第1の基盤上に(A)アクリルモノマー、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤及び(D)エポキシ化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフにより構造体を設け、次いで該構造体上に第2の基盤を圧着させることを特徴とする2個の基盤を一体化させた機能素子の製造方法、
(9)機能素子が液晶表示素子である(8)に記載の製造方法、
(10)(A)アクリルモノマー、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤及び(D)エポキシ化合物を含有する樹脂組成物であって、第1の基盤上にフォトリソグラフにより設けられたパターン化された構造体を介して、第2の基盤を圧着させて2個の基盤を接着させた機能素子を作成する上で用いられる、前記構造体を形成する為のネガ型感光性樹脂組成物、
(11)ネガ型感光性樹脂組成物が更に溶剤を含有するものである(10)に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
(12)ネガ型感光性樹脂組成物中の(B)成分が、メタクリル酸、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸−n−ブチルを共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーである(10)又は(11)に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
(13)共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーの構成成分であるメタクリル酸のモル配合比率が、10モル%〜60モル%である(12)に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
(14)ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の軟化点が40℃〜110℃である(10)乃至(13)のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
(15)(D)エポキシ化合物が、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物又は上記式(1)で示されるエポキシ化合物である(14)に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
(16)ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量中に占める割合が、重量比で5%〜50%である(10)乃至(15)のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物、
に関する。
本発明の機能素子は、第1の基盤上にフォトリソグラフにより設けられたパターン化された構造体を介して、第2の基盤を圧着させて2個の基盤を接着させたものであり、且つ前記構造体を形成する為の樹脂組成物が(A)アクリルモノマー、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤及び(D)エポキシ化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする。
本発明において使用されるネガ型感光性樹脂組成物は、(A)アクリルモノマー、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤及び(D)エポキシ化合物を含有する。これらの成分について以下に説明する。
これらのアクリルモノマー類は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
(B)成分としての不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーにおける不飽和カルボン酸としては、1乃至2個カルボキシル基を有する脂肪族系化合物又はその無水物が制限なく使用出来る。使用できる不飽和カルボン酸の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ベンジルメタクリル酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸、及びこれらジカルボン酸の無水物等を挙げることが出来る。
上記において、不飽和カルボン酸及び「その他の不飽和化合物」は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
ここで使用しうるフェノール類の例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等が、同じくアルデヒド類としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等がそれぞれ用いられる
又、ビニルフェノール系重合体の単量体としては、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−エチル−4−ヒドロキシスチレン、これらのα−メチルスチレン類等が好ましい例として挙げられる。本発明において使用されるビニルフェノール系重合体は上記スチレン類と(メタ)アクリル酸、メタ)アクリル酸エステル類等の共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
本発明においては、ヒドロキシスチレン類の単独重合体の水素添加物が好ましく、特にp−ヒドロキシスチレンの単独重合体の水素添加物が好ましい。p−ヒドロキシスチレンの単独重合体の水素添加物は上記の通り常法により(例えば、特開平2−103048号公報参照)製造することもできるが、市場からPHM−C(部分水添ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)等として入手することも出来る。
これらは、単独又は2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
(C)光重合開始剤の(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量中に占める割合としては、重量比で通常0.5%〜30%、好ましくは1%〜10%である。
まず、ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物としては、2−[4−(2,3−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4'−ビフェノール、ジメチル−4,4'−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、アリル化フェノール類のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物が挙げられる。
これらのエポキシ化合物は1種又は2種以上を混合して使用することが出来る。
であるエポキシ化合物が好ましい。室温で液状を呈するエポキシ化合物では、接着性に劣る傾向があり、又、室温で固形のエポキシ化合物のうち、軟化点が110℃を超えるものでは、フォトリソグラフ工程で残渣が残りやすく現像性に劣る傾向がある。
ここで使用しうる溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、好ましくは炭素数1〜4の低級アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のグリコールエーテル類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチルエトキシプロピオラート等のアルキレングリコールエーテルアセテート類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、好ましくヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜4の脂肪酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
これらの増感剤は(A)アクリルモノマー100重量部に対して、0.05重量部〜15重量部、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
これらカップリング剤の使用量は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
プラスチックフィルム基材としては、例えばポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィン系フィルムなどの単体プラスチックフィルム、その他位相差フィルム、拡散フィルム、反射防止フィルムなど機能性を持ったプラスチックフィルムなども挙げられる。
電気電子回路基材としては、通常用いられているガラエポ電気回路基盤、フレキシブル回路基盤などが挙げられる。
半導体装置用の部品基材としては、半導体チップをマウントした装置や光半導体素子(受光素子、発光素子、CMOS、CCDなど)等をマウントした半導体装置用の部品基材などが挙げられる。
半導体ウェハ基盤としては、例えばSiウェハ基盤などを示し、半導体製造工程中での半導体基盤に適用されることも出来る。
MEMS作成用基材又はその他の部品基材の例としては、例えば分離バルブなどに代表されるバイオチップ関連用基盤、インクジェットヘッド部品用基盤などが挙げられる。
構造体の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば硬化後1μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmになるような条件でネガ型感光性樹脂組成物溶液の濃度に調整し、前記の塗布方法により塗布することが出来る。
現像方法に関しては、特に限定されるものではなく、未硬化部分を除去出来るような現像液を用いてそれ自体公知の方法により行われる。使用しうる現像液の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の脂肪族1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の脂肪族2級アミン類、トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族3級アミン類、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン等の脂環族3級アミン類、ピリジン、キノリン等の芳香族3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液を使用することが出来る。 前記アルカリ性化合物の水溶液には、界面活性剤を適宜添加して使用することも出来る。現像液の濃度としては、通常0.1重量%〜5重量%が採用できる。
このようにして、前記ネガ型感光性樹脂組成物を使用して第1の基盤上に使用したパタ−ンマスクに応じて任意の構造体(図1の符号4)を形成することが出来る。
加熱工程における温度は、(D)エポキシ化合物の反応性を考慮して十分な接着性が発現する温度が適宜選択される。例えば、固形のエポキシ化合物の場合は、通常100℃〜200℃の範囲で加熱接着させることにより接着性が発現される。加熱時の構造体の変形を考慮すると160℃以下の加熱温度で接着させるのがより好ましい。
まず、前記の方法に準じて第1の基盤(図2の符号1)に構造体(図2の符号4)を設け、シール剤(図2の符号6)の塗布された第2の基盤(図2の符号2)を圧着し、次いで液晶注入口(図2の符号7)から液晶を注入し、注入口を封じて本発明の液晶表示素子を得る。尚、本発明の液晶表示素子においては、前記ネガ型感光性樹脂組成物から調製された構造体が両基盤を接着する機能と、両基盤間に一定量の液晶を保持する為の間隙を与えるためのスペイサーの機能も有するものである。
○ネガ型感光性樹脂組成物溶液の調製
(A)アクリルモノマーとしてDPHAを、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーとして下記B−1を、又アルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物して下記B−2を、(C)光重合開始剤として、イルガキュア907を、(D)下記式(1)で示されるエポキシ化合物(ア)としてNC6000を、又エポキシ化合物(イ)として、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物を、その他の添加剤として、エポキシ化合物と反応性を示す硬化剤として、H−1(フェノールノボラック樹脂)を、硬化促進剤として1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール)を、界面活性剤としてメガファックF−470(フツ素系界面活性剤)を、増感剤としてDETX−S(チオキサントン系増感剤)を、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を、それぞれ表1示される重量部に従い配合後、溶解させてネガ型感光性樹脂組成物を得た。
実施例1 実施例2 実施例3
(A)DPHA 33 35 55
(B)
B−1 34 32 −
B−2 − − 45
(C)イルガキュア907 2.5 2.5 2.5
(D)エポキシ化合物 (ア)21.1 (イ)18.7 (ア)11.52
硬化剤 9.0 10.9 −
硬化促進剤 0.21 0.37 0.12
界面活性剤 0.55 0.1 0.58
増感剤 1.2 1.2 1.2
溶剤 112.06 124.12 141.68
(A)DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アクリルモノマー) 日本化薬製)
(B)
B−1;モル配合比率としてメタクリル酸:メタクリル酸メチル:メタクリル酸nブチル=18:54:28(モル%)の共重合体であり、且つGPCでの分析により重量平均分子量が20000のものを使用した。
B−2;PHM−C(部分水添ポリビニルフェノール 丸善石油化学(株)製 重量平均分子量5500 水素添加率11.8%)
(C)イルガキュア907(光重合開始剤 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
(D)エポキシ化合物(ア);
(下記式(1)で示されるエポキシ化合物 NC6000 軟化点63℃ エポキシ当量222 日本化薬製)
硬化剤:H1(フェノールノボラック樹脂 フェノール当量105 明和化成製)
硬化促進剤:1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール 四国化成製)
界面活性剤:メガファックF−470(フツ素系界面活性剤 大日本インキ化学工業製)
増感剤:DETX−S(チオキサントン系増感剤 日本化薬製)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
○機能素子の作成
前記実施例1〜実施例3で得られた各ネガ型感光性樹脂組成物の溶液を用いて、表2の塗工条件により第1基盤として無アルカリガラスを用い、図1に示した工程により(第2基盤=無アルカリガラス)、それぞれ本発明の機能素子(実施例4〜実施例6)を得た。
実施例4 実施例5 実施例6
(注) (実施例1) (実施例2) (実施例3)
塗装方法 スピンコート法 スピンコート法 スピンコート法
プリベーク条件 100℃×180秒 100℃×180秒 100℃×180秒
硬化後の膜厚 6.6μm 6.1μm 6.3μm
紫外線照射エネルギー 300mJ 300mJ 500mJ
露光方法 ダイレクトコンタクト ダイレクトコンタクト ダイレクトコンタクト
現像方法 シャワー現像 シャワー現像 ディップ現像
現像条件 25℃ 40秒 25℃ 40秒 25℃ 30秒
○接着性評価
(接着性評価用第1基盤の作成工程)
60mm角、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基盤上(ホウ珪酸ガラス)にスピンコート法を用いて、前記実施例1〜実施例3で得られた各ネガ型樹脂組成物溶液を塗布した。その後、100℃で180秒間ホットプレート上でプリベークを行った。このように得られた塗膜を大気雰囲気下にて、パターンマスクなしで365nmにおける紫外線照射エネルギーが300mJの条件で露光を行った。その後、前記カヤミラーDVL−T50Dで25℃、40秒間シャワー現像を行い、次いで、流水で洗浄し、風乾した。但し、実施例3についてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液を用いて現像し(25℃×30秒 ディップ現像)、流水で洗浄し、風乾した。
前記により得られた第1基盤上に、第2基盤として、1.75mm角の無アルカリガラス(ホウ珪酸ガラス)チップを等間隔になるように10ヶ載せた(図3を参照)。その後、この第2基盤が搭載された第1基盤を、150℃に加熱したホットプレート上に載せて、第2基盤上に第1基盤の基材と同様なガラス基盤を載せて、さらにその上に重さ100gの重りを5ヶ載せて30分間放置させた。30分放置後、第2基盤上に載せた圧着用ガラス基盤と重りを外して、第2基盤チップが接着した第1基盤をホットプレート上より取り外した。このようにして、接着評価用機能素子を得る事が出来た。このような操作を実施例1〜実施例3のネガ型感光性樹脂組成物について行い、3個の接着評価用機能素子(実施例7〜実施例9)を得た。
前記で得られた各接着評価用機能素子の接着性は次のように測定した。接着評価として、ボンドテスター(SS−30W 西進商事(株)製)を使用した。ボンドテスターの評価台に各機能素子を設置し、横方向から外力を加えてその抵抗力を測定した(図4を参照)。結果を表3に示す。ネガ型感光性樹脂組成物(実施例1〜実施例3)を用いて得られた各接着評価用機能素子(実施例7〜実施例9)はいずれも優れた接着性を示した。すなわち、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いることによって、優れた対向基盤との接着性を示す機能素子を得られることが確認できた。
実施例7 実施例8 実施例9
(注) (実施例1) (実施例2) (実施例3)
接着強度(MPa) 20.7 22.3 20.9
第1基盤上に作成される構造体の解像性を評価するに当たり、第1基盤上に所定のマスクを介して露光し、φ10μm、φ20μm及びφ30μmの構造体(解像性評価用第1基盤)を作成し、それらの構造体の形状を光学顕微鏡で観察することにより評価した。
60mm角、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基盤上(ホウ珪酸ガラス)にスピンコート法を用いて、前記実施例1〜実施例3で得られた各ネガ型樹脂組成物溶液を塗布した。その後、100℃で180秒間ホットプレート上でプリベークを行った。このようにして得られた膜上に所定のパターンマスクを用い、ダイレクト露光法により大気雰囲気下にて、365nmにおける露光照度300mJの条件で露光を行った。その後、前記カヤミラーDVL−T50Dで25℃、40秒間現像工程を実施後、流水で洗浄し、風乾した。但し、実施例3についてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液を用いて現像し(25℃×30秒 ディップ現像)、流水で洗浄し、風乾した。この時の硬化後の膜厚は各6.6μmであった。このようにしてネガ型感光性樹脂組成物(実施例1〜実施例3)を用いて、3個の解像性評価用第1基盤(実施例10〜実施例12)を得た。
前記で得られた第1基盤について、光学顕微鏡を用いて、φ10μm、φ20μm及びφ30μmの円柱状パターン(構造体)の形状を観察した。その結果を表4に示す。ネガ型感光性樹脂組成物(実施例1〜実施例3)を用いて得られた各解像性評価用第1基盤(実施例10〜実施例12)には、いずれもシャープな円柱構造体を観察できた。すなわち、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いることによって、優れたパターン解像性を示す構造体を得られることが確認できた。
実施例10 実施例11
(注) (実施例1) (実施例2)
φ10μm シャープな円柱構造体を観察 シャープな円柱構造体を観察
φ20μm シャープな円柱構造体を観察 シャープな円柱構造体を観察
φ30μm シャープな円柱構造体を観察 シャープな円柱構造体を観察
実施例12
(実施例3)
φ10μm シャープな円柱構造体を観察
φ20μm シャープな円柱構造体を観察
φ30μm シャープな円柱構造体を観察
1 第1の基盤
2 ネガ型感光性樹脂組成物塗工層
3 パターンマスク
4 構造体
5 第2の基盤
6 シール剤層
7 液晶注入口
8 液晶
9 ガラスチップ
10 引っかきつめ
11 ボンドテスターの評価台
Claims (14)
- 第1の基盤上にフォトリソグラフにより設けられたパターン化された構造体を介して、第2の基盤を圧着させて2個の基盤を接着させた機能素子において、前記構造体を形成する為の樹脂組成物が、(A)アクリルモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される1種もしくは2種以上、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤、(D)エポキシ化合物として2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物又は下記式(1)で示されるエポキシ化合物、及びエポキシ化合物と反応性を示す硬化剤として酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤及びフェノール系硬化剤からなる群から選択される1種以上を含有するネガ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする前記機能素子。
- ネガ型感光性樹脂組成物が更に溶剤を含有するものである請求項1に記載の機能素子。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(B)成分が、メタクリル酸、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸−n−ブチルを共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーである請求項1又は請求項2に記載の機能素子。
- 共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーの構成成分であるメタクリル酸のモル配合比率が、10モル%〜60モル%である請求項3に記載の機能素子。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の軟化点が40℃〜110℃である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の機能素子。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量中に占める割合が、重量比で5%〜50%である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の機能素子。
- 第1の基盤上に、(A)アクリルモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される1種もしくは2種以上、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤、(D)エポキシ化合物として2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物又は下記式(1)で示されるエポキシ化合物、及びエポキシ化合物と反応性を示す硬化剤として酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤及びフェノール系硬化剤からなる群から選択される1種以上を含有するネガ型感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフにより構造体を設け、次いで該構造体上に第2の基盤を圧着させることを特徴とする2個の基盤を一体化させた機能素子の製造方法。
- 機能素子が液晶表示素子である請求項7に記載の製造方法。
- (A)アクリルモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなる群から選択される1種もしくは2種以上、(B)不飽和カルボン酸とその他の不飽和化合物を共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマー又はアルカリ可溶性フェノール樹脂の水素添加物、(C)光重合開始剤、(D)エポキシ化合物として2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンの重縮合物又は下記式(1)で示されるエポキシ化合物、及びエポキシ化合物と反応性を示す硬化剤として酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤及びフェノール系硬化剤からなる群から選択される1種以上を含有する樹脂組成物であって、第1の基盤上にフォトリソグラフにより設けられたパターン化された構造体を介して、第2の基盤を圧着させて2個の基盤を接着させた機能素子を作成する上で用いられる、前記構造体を形成する為のネガ型感光性樹脂組成物。
- ネガ型感光性樹脂組成物が更に溶剤を含有するものである請求項9に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(B)成分が、メタクリル酸、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸−n−ブチルを共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーである請求項9又は請求項10に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 共重合させて得られたアルカリ可溶性ポリマーの構成成分であるメタクリル酸のモル配合比率が、10モル%〜60モル%である請求項11に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の軟化点が40℃〜110℃である請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- ネガ型感光性樹脂組成物中の(D)エポキシ化合物の(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量中に占める割合が、重量比で5%〜50%である請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
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