JP5444696B2 - 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5444696B2
JP5444696B2 JP2008296453A JP2008296453A JP5444696B2 JP 5444696 B2 JP5444696 B2 JP 5444696B2 JP 2008296453 A JP2008296453 A JP 2008296453A JP 2008296453 A JP2008296453 A JP 2008296453A JP 5444696 B2 JP5444696 B2 JP 5444696B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resist composition
negative resist
members
meth
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008296453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009145882A (ja
Inventor
基央 水野
和幸 日野
誠治 俵屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2008296453A priority Critical patent/JP5444696B2/ja
Publication of JP2009145882A publication Critical patent/JP2009145882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5444696B2 publication Critical patent/JP5444696B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

本発明は、階調マスクを用いて、厚みの異なる異種部材を一括形成する場合であっても、膜アレや剥がれが少ないものとすることができる異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物に関するものである。
従来、所望のパターンを形成する方法として、基材上に塗布したフォトレジストにフォトマスクを用いてパターン露光を行い、露光後、フォトレジストを現像する方法が用いられてきた。
また、厚みが異なる複数の部材をパターン状に形成する方法としては、フォトマスクとして、透過率が調節された半透過領域を備える階調マスク等を用いる方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上記階調マスクを用いて厚みの差が大きな部材を形成する場合には、現像条件を過激にする必要があった。このため、形成される部材表面に膜アレが生じたり、部材の剥がれが生じるといった問題があった。
一方、液晶表示装置においては、低コスト化の傾向が強く、なかでも、高コストであるカラーフィルタの低コスト化が求められている。
このような低コスト化が求められるカラーフィルタの製造方法としては、特許文献2に示すように、液晶分子の保護および着色層の平坦性のために、遮光部、着色層といった各構成を覆うように配置されるオーバーコート層、および、液晶層の間隔を均一にするために用いられる柱状スペーサを、階調マスクを用いて一括形成する方法が開示されている。
ここで、上記柱状スペーサが、液晶層の間隔を十分に保持するものとするためには、一括形成される上記柱状スペーサと、上記オーバーコート層との厚みの差を大きなものとする必要がある。このため、上述したように、現像条件を過激にする必要が生じ、膜アレが生じたり、部材の剥がれが生じるといった問題があった。
特開2002−189280号公報 特開2002−350860号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、階調マスクを用いて、厚みの異なる部材を一括形成する場合であっても、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができる異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、低分子量のモノマー成分および環状エーテル化合物を所定量以上含有することにより、穏やかな現像条件で現像でき、さらに、密着性にも優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、(a)重量平均分子量が4000〜80000の範囲内であるバインダー樹脂と、(b)分子量が700以下で、エチレン性不飽和二重結合を有する多官能性モノマーと、(c)分子量が700以下で、エポキシ基またはオキセタン基を含む低分子環状エーテル化合物とを有し、(b)および(c)が、(a)、(b)、および、(c)の全量中に、60質量%以上含まれるものであることを特徴とする異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を提供する。
本発明によれば、上記多官能性モノマーおよび低分子環状エーテル化合物の分子量が700以下であり、含有量が上記範囲であることにより、アルカリ現像性および密着性に優れたものとすることができる。
このようなことから、厚みの異なる部材からなる異種部材を、階調マスクを用いて一括形成する場合であっても、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができる。
本発明においては、上記低分子環状エーテル化合物が、固形分中に、10質量%以上含まれるものであることが好ましい。上記低分子環状エーテル化合物が、上記範囲で含まれることにより、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて形成される部材を密着性により優れたものとすることができるからである。
本発明は、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成された厚みの異なる部材からなる異種部材を有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記異種部材が、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成されたものであることにより、上記異種部材が、階調マスクを用いて形成されたものであっても、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができる。
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、階調マスクを用いて、厚みの異なる部材を一括形成する際に、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができるといった効果を奏する。
本発明は、異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物およびそれを用いて一括形成された部材を有するカラーフィルタに関するものである。
以下、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物およびカラーフィルタについて詳細に説明する。
A.異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物
まず、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物について説明する。本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、(a)重量平均分子量が4000〜80000の範囲内であるバインダー樹脂と、(b)分子量が700以下で、エチレン性不飽和二重結合を有する多官能性モノマーと、(c)分子量が700以下で、エポキシ基またはオキセタン基を含む低分子環状エーテル化合物とを有し、(b)および(c)が、(a)、(b)、および、(c)の全量中に、60質量%以上含まれるものであることを特徴とするものであることを特徴とするものである。
なお、異種部材一括形成とは、厚みの異なる2種類以上の部材からなる異種部材を、階調マスクを用いて一括で形成することをいうものである。
本発明によれば、上記多官能性モノマーおよび低分子環状エーテル化合物の分子量が700以下であり、含有量が上記範囲であることにより、アルカリ現像性および密着性に優れたものとすることができる。このようなことから、厚みの異なる部材を、階調マスクを用いて一括形成する場合であっても、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができる
ここで、低分子量の多官能性モノマーおよび低分子環状エーテル化合物を、上記範囲で含有することにより、上述した効果が得られる理由については、以下のように推察される。
すなわち、透過領域および遮光領域のみからなる一般的なフォトマスクを用いて、露光し、パターンを形成する場合、多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物としては、比較的高分子量のものが一般的に用いられる。これは、上記多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物として高分子量のものを用いることにより、露光後の現像時において、上記多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物が、現像液に溶け出すことを防ぐためである。
ここで、階調マスクは、一般的なフォトマスクにおける透過領域および遮光領域に加えて、所定の透過率で露光光が透過するように透過率調整が行なわれた半透過領域を有するものである。したがって、このような階調マスクを介して露光されたフォトレジストは、階調マスクの透過領域に対応する位置に、十分に硬化された全露光部が形成される。また、半透過領域に対応する位置に、透過率に応じて不完全に硬化されたハーフ露光部が形成される。
このようにして露光されたフォトレジストを現像した場合には、全露光部では十分に硬化されているため、ほとんど除去されず、厚みが厚い部材となる。また、ハーフ露光部は、硬化の程度に応じて、厚みが薄い部材となる。
ここで、全露光部と、ハーフ露光部との厚みの差を大きいものとするためには、現像後のハーフ露光部の厚みを薄いものとする必要がある、すなわち、現像時にハーフ露光部のフォトレジストが大量に除去される必要がある。
しかしながら、ハーフ露光部のフォトレジストに含まれる多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物が高分子量の場合には、現像液への溶解性が低いため、厚みが薄いものとするためには、現像時間を長くしたり、現像液濃度を高くした厳しい現像条件が必要となる。このため、現像後の部材の表面に凹凸が生じる膜アレが生じたり、部材が剥離する剥がれが生じるといった問題があった。
一方、本発明においては、多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物として、低分子量のものを用い、さらに含有量を上記範囲とすることにより、穏やかな現像条件であっても、ハーフ露光部のフォトレジストを容易に現像・除去することを可能としたのである。また、上記低分子環状エーテル化合物を含むことにより、密着性にも優れたものとすることを可能としたのである。
なお、このような現象は、階調マスクを用いて、厚みの異なる部材を一括形成する際に特有の現象であるといえる。本発明は、このような特有の課題を、上記低分子量の多官能性モノマーおよび環状エーテル化合物を用いることにより解決したものである。
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、バインダー樹脂と、多官能性モノマーと、低分子環状エーテル化合物とを少なくとも含むものである。以下、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の各成分について説明する。
1.低分子環状エーテル化合物
本発明に用いられる低分子環状エーテル化合物は、分子量が700以下であり、エポキシ基またはオキセタン基を有するものである。
本発明に用いられる低分子環状エーテル化合物の分子量は、700以下であれば良いが、なかでも、本発明においては、100〜500の範囲内であることが好ましく、特に、110〜300の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、アルカリ現像性に優れたものとすることができるからである。
上記低分子環状エーテル化合物のうち、エポキシ基を含むものとしては、具体的には、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,2,8,9-ジエポキシリモネン、グリシジルメタクリレート、3、4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3、'4'-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
本発明においては、なかでも、グリシジルメタクリレートを好ましく用いることができる。密着性に優れたものとすることができるからである。
上記低分子環状エーテル化合物のうち、オキセタン基を含むものとしては、具体的には、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3-メチル-3-オキセタンメタノールなどを挙げることができる。
本発明においては、なかでも、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンを好ましく用いることができる。密着性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられる低分子環状エーテル化合物の含有量としては、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の固形分中に、10質量%以上含まれることが好ましく、15質量%〜80質量%の範囲内で含まれるものであることが好ましく、なかでも30質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、密着性に優れたものとすることができるからである。
なお、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の固形分とは、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物に含まれる溶剤以外の全ての成分をいうものである。
2.多官能性モノマー
本発明に用いられる多官能性モノマーは、分子量が700以下であり、エチレン性不飽和二重結合を複数有するものである。
本発明に用いられる多官能性モノマーの分子量は、700以下であれば良いが、なかでも、本発明においては、150〜700の範囲内であることが好ましく、特に、150〜550の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、アルカリ現像性に優れたものとすることができるからである。
本発明に用いられる多官能性モノマーに含まれるエチレン性不飽和二重結合の数は、所望の強度の硬化物を形成することができるものであれば良く、2〜6の範囲内であることが好ましく、特に、3〜5の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、硬化物の強度を優れたものとすることができ、さらに、上記多官能性モノマーを低分子量なものとすることができるからである。
本発明に用いられる多官能性モノマーとしては、具体的には、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明においては、なかでも、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレートを好ましく用いることができる。硬化物の強度を優れたものとすることができるからである。
これらの多官能性モノマーは、1種のみを単独で使用しても良く、2種以上を併用して使用しても良い。
本発明に用いられる多官能性モノマーの含有量としては、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の固形分中に、20質量%〜80質量%の範囲内で含まれるものであることが好ましく、なかでも30質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物が十分な硬化性を有するものとすることができるからである。
3.バインダー樹脂
本発明に用いられるバインダー樹脂は、重量平均分子量が4000〜80000の範囲内の樹脂である。
このようなバインダー樹脂としては、ネガ型フォトレジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有するものであれば特に限定されるものではなく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの中から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亞合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの無水物の中から選ばれる1種以上とからなるポリマー又はコポリマーを挙げることができる。また、上記のコポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等も用いることができる。
本発明においては、なかでも、上記のコポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加した、エチレン性不飽和結合を有するポリマーが好ましい。露光時に、上記多官能性モノマーと重合することが可能となり本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の硬化物がより安定なものとなる点で特に好ましく用いることができるからである。
本発明に用いられるバインダー樹脂の重量平均分子量は、4000〜80000の範囲内のものであるが、なかでも、本発明においては、4000〜70000の範囲内であることが好ましく、特に、4000〜60000の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の硬化物が十分な強度を有するものとすることができるからである。
なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
4.異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、上述した(a)バインダー樹脂と、(b)多官能性モノマーと、(c)低分子環状エーテル化合物とを含むものであり、(b)および(c)が、(a),(b),および(c)の全量中に60質量%以上含まれるものである。
本発明においては、なかでも、(b)および(c)が、(a),(b),および(c)の全量中に、60質量%〜90質量%の範囲内で含まれることが好ましく、特に、65質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、アルカリ現像性および密着性に優れたものとすることができるからである。また、このようなことから、厚みの異なる異種部材を、階調マスクを用いて一括形成する場合であっても、膜アレや剥がれが生じる恐れがより少ないものとすることができるからである。
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、透明であっても、不透明であっても良く、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の用途等に応じて適宜設定するものである。
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物は、上述したバインダー樹脂と、多官能性モノマーと、低分子環状エーテル化合物とを含むものであり、必要に応じて、他の添加剤を含むものであっても良い。
このような他の添加剤としては、光重合開始剤、顔料、遮光性微粒子、溶剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等などが挙げられる。
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の製造方法としては、上述したバインダー樹脂と、多官能性モノマーと、低分子環状エーテル化合物とを均一に溶解または分散することができる方法であれば良く、公知の分散方法を用いることができる。
5.用途
本発明の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の用途としては、階調マスクを介した露光および現像がされることにより厚みの異なる部材からなる異種部材を形成するネガ型フォトレジストを挙げることができ、なかでも、厚みの差が大きい部材からなる異種部材の形成に用いられた場合であっても、膜アレや剥がれが生じることが少ないことが要求されるネガ型フォトレジストに好適に用いられる。
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成された厚みの異なる部材からなる異種部材を有することを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルタを図を参照して説明する。図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、開口部を備える遮光部2と、開口部に形成された着色層3と、遮光部2および着色層3を覆うように形成された保護層4と、遮光部2上に形成された柱状スペーサ5とを有するものである。
ここで、保護層4および柱状スペーサ5は、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成されたものである。
本発明によれば、上記異種部材が、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成されたものであることにより、上記異種部材が、階調マスクを用いて形成されたものであっても、膜アレや剥がれが生じる恐れが少ないものとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、上記異種部材を含むものである。以下、本発明のカラーフィルタにおける異種部材について説明する。
1.異種部材
本発明における異種部材は、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成されたものであり、厚みの異なる2種類以上の部材からなるものである。
本発明に用いられる異種部材としては、厚みが異なり、同時に形成される部材からなるものであれば良く、種々の部材からなるものを挙げることができる。
上記部材としては、具体的には、所望の発色を有する顔料を含む着色層およびカーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含む遮光部を挙げることができる。また、カラーフィルタと薄膜トランジスタ(TFT)基板との間に配置される液晶層の厚みを所望の厚みに設定するための部材であるスペーサ、近傍の液晶分子にプレチルト角を与える作用、および電気力線を所望の方向に歪ませる作用をなすことにより、液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御することを可能とする部材である配向制御用突起、着色層を保護するとともに、着色層表面を平坦化するための部材であり、通常透明であるオーバーコート層等を挙げることができる。
本発明において形成される異種部材としては、異部材からなるものとしても良く、同一部材からなるものとしても良い。
異部材からなるものとしては、具体的には既に説明した図1に示すように保護層4および柱状スペーサ5、図2に例示するように、柱状スペーサ5および配向制御用突起6、図3に例示するように遮光部2および遮光性を有する柱状スペーサ5、図4に例示するように保護層4、柱状スペーサ5および配向制御用突起6からなるものなどを挙げることができる。
また、同一部材からなるものとしては、具体的には、図5に例示するように、着色層3が、厚みの薄い第1着色層13および厚みの厚い第2着色層23からなるものや、図6に例示するように、柱状スペーサ5が、高さが低い低スペーサ15と、高さが高い高スペーサ25と、低スペーサ15および高スペーサ25の中間の中スペーサ35からなるものや、図7に例示するように、遮光部2が、厚みの薄い第1遮光部12および厚みの厚い第2遮光部22からなるものなどを挙げることができる。
なお、図2〜図7中の符号については、図1のものと同一のものである。また、図2および図4においては、透明電極7が形成されているものである。
なお、本発明における異種部材は、一括で形成されるものであるため、上記異種部材を構成する各部材は同一の材料で形成されるものである。したがって、上記異種部材に含まれる部材として、着色層または遮光部が含まれる場合には、他の部材も、着色層または遮光部に必須の成分である顔料または遮光性粒子が含まれることになる。
本発明に用いられる異種部材の厚みの差としては、0.3μm〜8μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.5μm〜6μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より大きいと、形成される異種部材に膜アレおよび剥がれを生じる恐れがあるからであり、上記範囲より小さいと、本発明の効果を発揮することができないからである。
なお、異種部材の厚みの差とは、一括で形成される異種部材間の厚みの差のうち最大のものをいうものである。
2.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、上記異種部材を有するものであれば良いが、通常、透明基板、遮光部、および着色層を有するものである。このような透明基板および着色層としては、一般的なカラーフィルタに使用されるものを用いることができる。
また、必要に応じて、オーバーコート層、および、ITO,IZO等の透明電極や、柱状スペーサ、配向制御用突起等を含むものであっても良い。
3.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、上記異種部材を、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成するものであれば良い。このようなカラーフィルタの製造方法としては、具体的には、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を塗布し、ハーフトーン用ネガ型レジスト組成物層を形成する塗布工程と、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を、階調マスクを用いて露光する露光工程と、露光後の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を現像する現像工程とを有する異種部材形成工程を少なくとも含むものを挙げることができる。
このようなカラーフィルタの製造方法の一例を図を参照して説明する。図8に例示するように、本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板1と、上記透明基板1上に形成され、開口部を備える遮光部2と、開口部に形成された着色層3とを備えるカラーフィルタ形成用基板20を準備し(図8(a))、上記カラーフィルタ形成用基板20の遮光部2および着色層3を覆うように、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を塗布し、異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層50を形成する(図8(b))。次いで、図8(c)に示すように、遮光領域44、半透過領域45、および透過領域46を有するハーフトーンマスク40を介して、露光光を照射し、その後、現像することにより、半透過領域45に対応する位置に厚みの薄い保護層4、および、上記透過領域46に対応する位置に厚みの厚い柱状スペーサ5を形成し、カラーフィルタ10を形成するものである(図8(d))。
ここで、図8(b)が塗布工程であり、図8(c)が露光工程であり、図8(d)が現像工程である。
また、上記ハーフトーンマスク40としては、透明基板41と、遮光膜42と、半透明膜43とを有するものを用い、上記透明基板41上の遮光領域44に対応する位置に、遮光膜42が形成され、上記半透過領域45に対応する位置に半透明膜43が形成され、上記透過領域46に対応する位置には、上記遮光膜42および半透明膜43が形成されていないものを用いた。
(1)異種部材形成工程
本発明のカラーフィルタの製造方法は、塗布工程と、露光工程と、現像工程とを有するものである。
(a)塗布工程
本工程は、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を塗布して、異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を形成する工程である。
本工程における上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の塗布方法としては、上述した異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を均一な膜厚で形成することができる方法であれば良く、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等の一般的な方法を用いることができる。
また、形成される異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層の厚みとしては、形成される異種部材の用途等に応じて適宜設定されるものである。
なお、本工程において塗布される異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物としては、上記「A異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物」の項に記載したものと同様の内容であるので、ここでの記載は省略する。
(b)露光工程
本工程は、上記塗布工程により形成された異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を階調マスクを用いて露光する工程である。
本工程に用いられる階調マスクとしては、光を透過する透過領域と、光を透過しない遮光領域と、透過する光の量が調整された半透過領域とを有するものであれば良い。
このような階調マスクの構成としては、露光光を実質的に遮光する遮光膜と、露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とを用い、光を透過する透過領域と、光を透過しない遮光領域と、透過する光の量が調整された半透過領域とを有するハーフトーンマスクを挙げることができ、例えば、図8(c)で既に説明したものを用いることができる。
上記ハーフトーンマスクに用いられる透明基板としては、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
上記ハーフトーンマスクに用いられる半透明膜としては、露光光の透過率を調整することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばクロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、ニッケル等の金属の膜、あるいは、クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、ニッケル等の金属の窒化物、炭化物などの膜が挙げられる。
上記半透明膜は、単層であっても良く、複数の層で構成されていても良い。
上記半透明膜の膜厚としては、露光光の透過率を調整することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばクロム膜の場合は5nm〜20nm程度とすることができる。半透明膜の透過率はその膜厚により変わるので、膜厚を制御することで所望の透過率とすることができる。また、半透明膜が酸素、窒素、炭素などを含む場合は、その透過率は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率を実現できる。
なお、平均透過率の測定方法としては、透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、半透明膜の透過率を測定することができる。装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
上記半透明膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。
上記ハーフトーンマスクに用いられる遮光膜は、実質的に露光光を透過しないものであり、露光波長における平均透過率が0.1%以下であることが好ましい。このような遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜を用いることができ、例えばクロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素等の金属の膜、あるいは、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素等の金属の酸化物や窒化物などの膜が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系膜が好適に用いられる。このようなクロム系膜は、最も使用実績があり、コスト、品質の点で好ましいからである。このクロム系膜は、単層であっても良く、2層以上が積層されたものであっても良い。
また、遮光膜は、低反射機能を有していても良い。低反射機能により、露光光の乱反射を防止することができるので、より鮮明なパターンを形成することができる。遮光膜に低反射機能を付加するには、例えば遮光膜表面に露光光の反射を防止する酸化クロム等のクロム化合物を含有させれば良い。この場合、遮光膜が、表面に向かって徐々に含有成分が変化する傾斜界面により形成されたものであっても良い。
遮光膜の膜厚としては、露光光を実質的に透過しないものであれば特に限定されるものではなく、例えばクロム膜の場合には50nm〜150nm程度とすることができる。
遮光膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。
本工程における露光方法としては、上記階調マスクを介して露光することで、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層に硬化度の異なる領域を形成し、後述する現像工程により厚みの異なる異種部材を形成することができるものであれば良い。具体的には、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層の表面から数十μm程度の間隙をあけて階調マスクを配置し、露光するプロキシミティ露光を行うことができる。
上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層の露光の際に用いられる光源としては、一般的にフォトレジストの露光に用いられる光源を使用することができ、例えば、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
(c)現像工程
本工程は、上記露光工程により露光された異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を現像する工程である。
現像する方法としては、不要部分の上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層を除去することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造の際に行われる現像方法を使用することができる。
(d)他の工程
上記異種部材形成工程は、上記塗布工程、露光工程、および現像工程を含むものであるが、必要に応じて他の工程を含むものであっても良い。このような他の工程としては、上記露光工程前の異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物層に加熱処理を施すプリベーク工程や、上記現像工程によって形成された異種部材に対して加熱処理を施すポストベーク工程を挙げることができる。
(2)その他の工程
本発明のカラーフィルタの製造方法は、必要に応じて、上記異種部材形成工程以外に他の工程を有するものであっても良い。このような他の工程としては、一般的なカラーフィルタの製造に用いられる工程を用いることができ、透明基板上に遮光部を形成する遮光部形成工程、透明基板の遮光部が備える開口部内に着色層を形成する着色層形成工程、透明基板上に透明電極層を形成する透明電極層形成工程、上記保護層を形成する保護層形成工程、上記スペーサ形成工程、上記配向制御用突起を形成する配向制御用突起形成工程等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1〜9および比較例1〜3]
1.異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物
下記に示す方法によりバインダー樹脂を調整し、上記バインダー樹脂、多官能性モノマー、低分子量環状エーテル化合物、高分子量環状エーテル化合物、および、重合開始剤を混合攪拌し、下記表1に示すように配合する異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を調製した。なお、表1中の数値は、配合の割合を重量部で表したものである。
この際、多官能性モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(PETA)およびジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(DPPA)を用いた。また、高分子量多官能性モノマーとして、ポリテトラメチレングリコール#650ジアクリレートを用いた。低分子量環状エーテル化合物として、1,2,8,9-ジエポキシリモネン(ダイセル化学製、CEL−3000)、グリシジルメタクリレート(GMA)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(東亞合成製、OXT−101)、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(新日本理化製、リカレジンDME−100)を用いた。高分子量環状エーテル化合物としてo−クレゾールノボラックエポキシアクリレート樹脂を用いた。重合開始剤としてイルガキュア907(Irg907)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を用いた。
(バインダー樹脂の調整)
重合槽中に、ベンジルメタクリレートを15.6重量部、スチレンを37.0重量部、アクリル酸を30.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを16.9重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を200重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.8重量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下で、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。
さらに得られた溶液に2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9重量部、トリエチルアミンを0.5重量部、および、ハイドロキノンを0.1重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、バインダー樹脂(固形分37.2%)を得た。
Figure 0005444696
2.遮光部の形成
透明基板として、100mm×100mm、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子(株)、AN材)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面に、感光性樹脂組成物(東京応化工業(株)製、CFPR DN−83)を塗布し、所定のマスクを介して露光・現像した。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光部を形成すべき領域に遮光部(厚みD=1.5μm)を形成した。
3.着色層の形成
上記のようにして遮光部を形成した透明基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、80℃のホットプレートで3分間乾燥した。次いで赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から150μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて、赤色画素を形成すべき領域にのみ紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成し、赤色着色部を得た。
次に、青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色部の形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に、青色のレリーフパターンを形成し、青色着色部を得た。
次に、緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色部の形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に、緑色着色部を形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
<赤色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177:6.0重量部
・分散剤(アビシア社製、ソルパース24000):3.0重量部
・モノマー(サートマー社製、SR399):4.0重量部
・ポリマーI:5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907):1.4重量部
・開始剤(2、2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1、2’-ビスイミダゾール):0.6重量部
・界面活性剤(日本油脂(株)製、ノニオンHS−210):1.0重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):79.0重量部
なお、ポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%負荷したものであり、重量平均分子量が42500のものである。
<青色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6:6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製、ソルパース12000):0.6重量部
・分散剤(アビシア社製、ソルパース24000):2.4重量部
・モノマー(サートマー社製、SR399):4.0重量部
・ポリマーI:5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907):1.4重量部
・開始剤(2、2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1、2-ビスイミダゾール):0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):80.0重量部
<緑色用感光性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36:6.0重量部
・分散剤(アビシア社製、ソルパース24000):3.0重量部
・モノマー(サートマー社製、SR399):4.0重量部
・ポリマーI:5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907):1.4重量部
・開始剤(2、2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1、2-ビスイミダゾール):0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):80.0重量部
4.オーバーコート層(保護層)および柱状スペーサの形成
上記のようにして着色層を形成したガラス基板上に、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜5μmの塗膜を形成した。
上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の塗膜から100μmの距離に、階調マスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の塗膜の未硬化部分のみを除去し、ハーフ露光部に保護層を、全露光部に柱状スペーサを形成した。
その後、上記ガラス基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して上記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括形成された保護層および柱状スペーサを形成した。
5.評価
形成された保護層および柱状スペーサの評価として、保護層および柱状スペーサの厚みを測定と、密着性の評価を行った。また、柱状スペーサの厚みと、保護層の厚みの差を柱状スペーサの高さとした。評価結果を下記表2に示す。
なお、厚みとは、ガラス基板表面から各部材の頂部までの高さをいうものであり、各実施例、比較例毎に任意の20箇所の保護層および柱状スペーサの高さを測定して、高さの平均値を測定結果とした。
また、密着性の評価方法としては、JIS-K-5400の方法を用い、素ガラス上に製膜後、クロスカットを行い、テープ剥離試験を行った。8点以上のものを○とし、それ以下のものは密着性が不良であるとして×とした。
Figure 0005444696
表2より、実施例においては、密着性良く、膜の剥がれを生じることはなかった。比較例1および3においては、保護層の厚みを十分に薄いものとすることができず、柱高さが低いものとなった。
なお、比較例2では、現像中に、保護層および柱状スペーサが剥離し、厚みの測定をすることができなかった。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 透明基板
2 … 遮光部
3 … 着色層
4 … 保護層
5 … 柱状スペーサ
6 … 配向制御用突起
10 … カラーフィルタ
40 … ハーフトーンマスク

Claims (2)

  1. 厚みの異なる部材からなる異種部材の一括形成に用いられる異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物を用いて一括で形成された厚みの異なる部材からなる前記異種部材を有し、
    前記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物が、
    (a)重量平均分子量が4000〜80000の範囲内であるバインダー樹脂と、
    (b)分子量が700以下で、エチレン性不飽和二重結合を有する多官能性モノマーと、
    (c)分子量が700以下で、エポキシ基またはオキセタン基を一つ以上含む低分子環状エーテル化合物とを有し、
    (b)および(c)が、(a)、(b)、および、(c)の全量中に、60質量%以上含まれるものであることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記低分子環状エーテル化合物が、前記異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物の固形分中に10質量%以上含まれるものであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
JP2008296453A 2007-11-22 2008-11-20 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物 Expired - Fee Related JP5444696B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008296453A JP5444696B2 (ja) 2007-11-22 2008-11-20 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007303125 2007-11-22
JP2007303125 2007-11-22
JP2008296453A JP5444696B2 (ja) 2007-11-22 2008-11-20 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009145882A JP2009145882A (ja) 2009-07-02
JP5444696B2 true JP5444696B2 (ja) 2014-03-19

Family

ID=40916480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008296453A Expired - Fee Related JP5444696B2 (ja) 2007-11-22 2008-11-20 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5444696B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110101917A (ko) 2010-03-10 2011-09-16 삼성전자주식회사 액정 표시 장치
JP5471966B2 (ja) * 2010-08-17 2014-04-16 Jsr株式会社 感光性接着剤組成物、前記組成物を用いる積層体または固体撮像素子の製造方法、および固体撮像素子
JP7216483B2 (ja) * 2018-03-30 2023-02-01 太陽インキ製造株式会社 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板
CN110286526A (zh) * 2019-06-11 2019-09-27 惠科股份有限公司 封装基板结构、显示面板以及显示装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4839525B2 (ja) * 2000-09-29 2011-12-21 大日本印刷株式会社 感光性樹脂組成物および液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
KR100791186B1 (ko) * 2003-04-23 2008-01-02 다이요 잉키 세이조 가부시키가이샤 광 도파로, 광전기 혼재 기판 및 이 광전기 혼재 기판의제조 방법
JP4802817B2 (ja) * 2006-03-31 2011-10-26 大日本印刷株式会社 異種部材一括形成用光硬化性樹脂組成物
JP4873621B2 (ja) * 2006-05-11 2012-02-08 日本化薬株式会社 機能素子及びそれに用いられるネガ型感光性樹脂組成物並びに機能素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009145882A (ja) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4978128B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP3938375B2 (ja) 感光性着色組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP4802817B2 (ja) 異種部材一括形成用光硬化性樹脂組成物
JPH0635188A (ja) カラーフィルター用光重合組成物及びカラーフィルター
JP2009020501A (ja) カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機elディスプレイ
JP4463467B2 (ja) カラーフィルターの保護膜、rgb用画素、ブラックマトリックス又はスペーサーを形成するための光硬化性樹脂組成物及びカラーフィルター
JP2002296775A (ja) 感光性樹脂組成物、カラーフィルター、及び、液晶パネル
JP5294594B2 (ja) カラーフィルタ保護膜用樹脂組成物、及びカラーフィルタ
JP5444696B2 (ja) 異種部材一括形成用ネガ型レジスト組成物
JP2010054561A (ja) 保護膜用感光性組成物及びそれを用いたカラーフィルタ
JP2009048187A (ja) 感光性組成物、感光性樹脂転写フイルム及びフォトスペーサーの製造方法、並びに液晶表示装置用基板及び液晶表示装置
JP4604976B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、およびこれを用いた液晶表示素子または固体撮像素子用の部材
JP2008090191A (ja) カラーフィルタ基板の製造方法
JP4108303B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置
TWI406093B (zh) 鹼溶性光阻組成物
JP5102189B2 (ja) アルカリ可溶性バインダー樹脂およびその製造方法、ならびにこれを含む感光性樹脂組成物
KR100699731B1 (ko) 다이코팅용 경화성 수지조성물, 컬러필터, 컬러필터의제조방법 및 액정표시 장치
JP4171332B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、液晶パネル用基板、及び、液晶パネル
JP2004287230A (ja) 着色パターン用硬化性樹脂組成物、カラーフィルター、及び、液晶パネル
JP2010039345A (ja) 液晶表示装置用樹脂組成物および液晶表示装置用基板の製造方法
JP2002293837A (ja) 硬化性樹脂及びその製造方法
JP5478157B2 (ja) 液晶表示装置用基板及び液晶表示装置
JP5167682B2 (ja) 横電界駆動式液晶表示装置用カラーフィルタおよび横電界駆動式液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
JP5211701B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物用環状エーテル化合物
JP5217141B2 (ja) カラーフィルタおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5444696

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees