JP2006208835A - 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント - Google Patents
感光性樹脂組成物及び感光性エレメント Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006208835A JP2006208835A JP2005021977A JP2005021977A JP2006208835A JP 2006208835 A JP2006208835 A JP 2006208835A JP 2005021977 A JP2005021977 A JP 2005021977A JP 2005021977 A JP2005021977 A JP 2005021977A JP 2006208835 A JP2006208835 A JP 2006208835A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- substrate
- photosensitive resin
- photosensitive
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
Abstract
【課題】 リジット基板上にソルダーレジストを形成するための感光性樹脂組成物であって、十分に高い解像度を具備し、塗膜性に十分優れると共に、十分に高い耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成できる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)下記一般式(1);
【化1】
〔式中、R1はジグリシジルエーテル型エポキシ化合物残基である二価の有機基を示し、R2は二塩基酸残基である二価の有機基を示し、R3は水素原子又は下記一般式(2);
【化2】
(式中、R4は酸無水物残基を示す。)
で表される基を示す。〕
で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、リジッド基板上に硬化膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)下記一般式(1);
【化1】
〔式中、R1はジグリシジルエーテル型エポキシ化合物残基である二価の有機基を示し、R2は二塩基酸残基である二価の有機基を示し、R3は水素原子又は下記一般式(2);
【化2】
(式中、R4は酸無水物残基を示す。)
で表される基を示す。〕
で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、リジッド基板上に硬化膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、感光性樹脂組成物及び感光性エレメントに関するものである。
従来、各種電子機器の小型化及び/又は軽量化に伴い、プリント配線板及び半導体素子を内蔵するパッケージ基板には、回路パターンを形成する目的で感光性のソルダーレジストが用いられている。そのようなソルダーレジストの感光性材料には、微細なパターンを形成するための特性として、良好な現像性、高い解像度、優れた絶縁性及びはんだ耐熱性等が要求される。また、感光性のソルダーレジストを得るには、絶縁基板等の上に感光性材料の塗膜を形成する工程を経るが、良好な生産効率を確保する観点から、その塗膜の表面のべとつきが抑制されている、すなわち優れた塗膜性を有していることも求められている。
近年、これらの諸特性に加えて、特に微細な開口パターンを要するパッケージ基板用のソルダーレジストには、例えば−55℃〜125℃の温度サイクル試験(TCT)に対する更なる耐性が要求されている。また、かかるソルダーレジストは、プリント配線板やパッケージ基板の一部材としての物理特性、例えば、高い引張り強度、伸び率及び耐電食性等も求められている。
感光性のソルダーレジストに用いる材料として、例えば特許文献1には、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性に優れた硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板、半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性樹脂組成物を提供することを意図して、エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られたカルボキシル基を有する感光性樹脂、カルボキシル基を有する感光性ポリアミド樹脂及びカルボキシル基を有する感光性ポリアミドイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の感光性樹脂、エラストマー、エポキシ硬化剤及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、その感光性樹脂組成物から得られるソルダーレジストの耐熱衝撃性を調べるために、−55℃〜125℃のTCTが行われている。
また、特許文献2には、塗布面に対する印刷性、耐熱性、塗布面との密着性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性、機械的特性に優れた例えばソルダーレジスト膜等を形成することができる感光性樹脂組成物等の提供等を意図して、(A)特定構造を有するノボラックエポキシ樹脂及び特定構造を有するゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物と該混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.2モルのエチレン性不飽和カルボン酸との反応生成物と、上記混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.0モルの多塩基酸及び/又はその無水物との反応生成物であってカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(B)光重合性反応性希釈剤、(C)光重合開始剤及び(D)熱硬化性成分を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。
特開平11−288087号公報
特開平9−5997号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1及び2に記載のものを始めとする従来の感光性樹脂組成物について詳細に検討を行ったところ、十分に高い解像度、十分に優れた塗膜性及び十分に高い耐熱衝撃性を同時に備えていないことが明らかになった。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、リジット基板上にソルダーレジストを形成するための感光性樹脂組成物であって、十分に高い解像度を具備し、塗膜性に十分優れると共に、十分に高い耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成できる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する変性エポキシ樹脂を感光性樹脂組成物に含有させると解像度及び塗膜性を十分に高いレベルで維持しつつ、硬化膜の耐熱衝撃性をも十分に高くできることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(A)下記一般式(1);
で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、リジッド基板上に硬化膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物を提供する。
ここで、式(1)中、R1はジグリシジルエーテル型エポキシ化合物残基である二価の有機基を示し、R2は二塩基酸残基である二価の有機基を示し、R3は水素原子又は下記一般式(2);
で表される基を示す。また、式(2)中、R4は酸無水物残基を示す。なお、本明細書において、「変性エポキシ樹脂」とは、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)を変性して得られる樹脂をいい、その「変性エポキシ樹脂」自体がエポキシ基(グリシジル基)を有しているか否かを問わない。
本発明は、(A)下記一般式(3);
で表される変性エポキシ樹脂と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、リジッド基板上に硬化膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物を提供する。
ここで、式(3)中、R1はジグリシジルエーテル型エポキシ化合物残基である二価の有機基を示し、R2は二塩基酸残基である二価の有機基を示し、R3は水素原子又は下記一般式(2);
で表される基を示し、nは1以上の整数を示す。また、式(2)中、R4は酸無水物残基を示す。
特許文献1及び2に開示されたものを始めとする従来の変性エポキシ樹脂を用いた感光性樹脂組成物は、その変性エポキシ樹脂の分子量が大きくなると、得られる硬化膜の耐熱衝撃性は高くなり、引張強度及び伸び率等の機械的特性についても改善される傾向にある。しかしながら、そのような感光性樹脂組成物を部分的に硬化した後に現像処理を施すと、変性エポキシ樹脂の分子量が大きい場合、未硬化部分が十分に剥離除去され難くなり、解像度が低下することを本発明者らは見出した。また、従来の変性エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物は、分子量が大きくなると貯蔵安定性が低下する傾向にある。
ソルダーレジストの耐熱衝撃性を高める手段として、感光性樹脂組成物にエラストマ成分やゴム変性したビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有させる方法が考えられる。しかしながら、かかる感光性樹脂組成物は、上述の樹脂の配合量が増加するに伴い、塗膜性及び耐電食性が低下することを本発明者らは見出した。その感光性樹脂組成物をパッケージ基板等に塗布すると塗膜がべとつくため作業性が低下し、しかもマイグレーションが多く発生する。
一方、本発明の感光性樹脂組成物をリジット基板上に塗布すると、その塗膜はべとつきが十分に抑制されているので、作業性に非常に優れたものである。更に、その塗膜を部分的に露光し硬化して得られる硬化膜に対して現像処理を施すと、変性エポキシ樹脂の分子量が大きくても、未硬化部分が十分に剥離除去され優れた解像度を有するパターンが形成される。また、形成された硬化膜(パターン)に対してTCTを行うと、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、従来の硬化膜よりも格段に優れた耐熱衝撃性を示すことが明らかになった。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、変性エポキシ樹脂の分子量が大きい場合でも、貯蔵安定性に十分優れるため、長時間保存した後でも塗膜性、硬化膜の解像度及び耐熱衝撃性を十分良好に維持することができる。さらには、マイグレーションの発生も十分に抑制できるため、耐電食性にも優れた感光性樹脂組成物である。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述のような構成材料を含有することにより、プリント配線板のソルダーレジストのようなリジット状の基板上に形成される永久マスクとして要求される特性を十分に満足することも可能となる。例えばこの感光性樹脂組成物を用いて感光性エレメントを形成すると、感光性エレメントとしての特性(例えば、ビアやスルーホールへの穴埋め性及びアンダーフィルのぬれ性)を向上することができ、さらには、高解像度、高密度のプリント配線板の効率的な生産が可能となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜は耐熱衝撃性に優れているため、リジット基板を備えるプリント配線板やリジット基板を備えるパッケージ基板のソルダーレジスト形成に用いられると、熱衝撃によるクラックの発生を十分に抑制することができる。更に、この感光性樹脂組成物は、引張強度、伸び率等の機械的特性にも優れているため、リジット基板を備えるプリント配線板の層間絶縁膜形成に用いると有用である。得られた層間絶縁膜は、フォトビア法等により貫通孔を形成されても、クラック等を生じ難いものである。
本発明の感光性樹脂組成物において、変性エポキシ樹脂が、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物と二塩基酸との重合反応により中間生成物を得る第一工程と、その中間生成物に酸無水物を付加する第二工程とを有する変性エポキシ樹脂の製造方法により得られるものであってもよい。このような変性エポキシ樹脂は、エステル型鎖状結合を有し、分子全体が鎖状構造を有する傾向にあるためゲル化し難い傾向にあると考えられる。したがって、このような変性エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物により形成される感光層を備える感光性エレメントは、これを用いてレジスト膜を形成した場合、希アルカリ水溶液を用いた現像を良好に行うことができる。
本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、引張強度や伸び率等の機械的特性にも優れているため、支持体と、該支持体上に形成された感光層とを備える感光性エレメントにおける上記感光層の材料に用いてもよい。かかる感光性エレメントは、解像度及び耐熱衝撃性に十分優れるのはもちろんのこと、はんだ耐熱性、現像性、上述の機械的特性等の物理特性及び耐電食性の全てに優れる傾向にあり、しかも、高解像度かつ高密度のプリント配線板の効率的な生産を可能とする。
本発明は、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された上記感光性樹脂組成物の硬化膜とを備えるプリント配線板を提供することができ、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された上記感光性樹脂組成物の硬化膜とを備えるパッケージ基板を提供することができる。かかるプリント配線板やパッケージ基板は高解像度かつ高耐熱衝撃性を示し、しかもはんだ耐熱性、現像性、上述の機械的特性等の物理特性及び耐電食性の全てに優れる傾向にある。さらには、ビアやスルーホールへの穴埋め性及び充填性、アンダーフィルや封止材の塗れ性が向上する。
また、リジット基板は半導体素子との接続が微細化されているため、ソルダーレジスト表面の凹凸が微少であっても接続信頼性に多大な影響を及ぼす。本発明の感光性樹脂組成物において、変性エポキシ樹脂の分子量が大きい場合には、感光性樹脂組成物中の反応基の含有割合を少なくすることができ、硬化収縮の程度を一層抑制することができるので、得られる硬化膜は更に表面平滑性に優れるものとなる。よって、本発明の感光性樹脂組成物からソルダーレジストを形成すると、リジット基板及び半導体素子間の接続信頼性を従来よりも更に高くすることができる。
本発明によれば、リジット基板上にソルダーレジストを形成するための感光性樹脂組成物であって、十分に高い解像度を具備し、塗膜性に十分優れると共に、十分に高い耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成できる感光性樹脂組成物を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロキシ基」とは「アクリロキシ基」及びそれに対応する「メタクリロキシ基」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」及びそれに対応する「メタクリロイル基」を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂と、(B)分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、リジッド基板上に硬化膜を形成するために用いられるものである。以下、本発明の感光性樹脂組成物の好適な実施形態について説明する。
<(A)成分>
(A)成分である上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂としては、例えば上記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
(A)成分である上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する変性エポキシ樹脂としては、例えば上記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
上記変性エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる(標準ポリスチレンによる換算)。GPCの条件は以下のとおりである。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
検出器:日立 L−4000型UV[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(日立化成工業(株)製、商品名)
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶離液:DMF/THF=1/1 + リン酸0.06M + 臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1mL
注入量:5μL
圧力:343Pa(35kgf/cm2)
流量:1.0mL/分
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
検出器:日立 L−4000型UV[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(日立化成工業(株)製、商品名)
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶離液:DMF/THF=1/1 + リン酸0.06M + 臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1mL
注入量:5μL
圧力:343Pa(35kgf/cm2)
流量:1.0mL/分
この測定法によれば、該変性エポキシ樹脂のMwは、塗膜性(べとつき難さ)の観点、及び希アルカリ水溶液による現像性の観点から、10000〜70000であることが好ましく、30000〜50000であると更に好ましい。
なお、上述した一般式(3)で表される変性エポキシ樹脂の構造式中、nの上限値は、R1、R2、R3及びR4の残基の種類によって適宜変化するが、この重量平均分子量が70000となるようなnの値を上限として定めることが好ましい。
変性エポキシ樹脂の酸価は、以下の方法により測定することができる。まず変性エポキシ樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果から以下の式(5);
A=10×Vf×56.1/(Wp×I) (5)
を用いて酸価を算出する。なお、式中Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは変性エポキシ樹脂溶液質量(g)を示し、Iは変性エポキシ樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I) (5)
を用いて酸価を算出する。なお、式中Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは変性エポキシ樹脂溶液質量(g)を示し、Iは変性エポキシ樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
この測定方法によれば、該変性エポキシ樹脂の酸価は、希アルカリ水溶液による現像性の観点、並びに、得られる硬化膜の電気絶縁性、耐薬品性及びめっき耐性等の観点から、50〜200mgKOH/gであることが好ましく、100〜160mgKOH/gであることが更に好ましい。
かかる変性エポキシ樹脂は、以下の方法により合成することができる。
該変性エポキシ樹脂の合成方法は、一分子中に二つのグリシジル基を有する、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物と二塩基酸との重合反応により中間生成物を得る第一工程と、中間生成物に酸無水物を付加することにより上述したような変性エポキシ樹脂を得る第二工程とを含むものである。
(第一工程)
第一工程において原料として用いられるジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は特に限定されないが、一分子中に一つ以上のフェノキシ基を更に有することが好ましく、一分子中に二つ以上のフェノキシ基をさらに有することがより好ましい。
第一工程において原料として用いられるジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は特に限定されないが、一分子中に一つ以上のフェノキシ基を更に有することが好ましく、一分子中に二つ以上のフェノキシ基をさらに有することがより好ましい。
該エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中で、耐熱性、耐薬品性に優れ、硬化により比較的収縮しないことからビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
なお、上述した一般式(1)中のR1で示されたジグリシジルエーテル型エポキシ化合物残基は、これらのエポキシ化合物の構造中、グリシジル基を除いた部分となる。
これらのエポキシ化合物としては市販のものを用いることができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとしてはエピコート828、エピコート1001及びエピコート1002(以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等を挙げることができる。ビスフェノールFジグリシジルエーテルとしてはエピコート807(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等を挙げることができ、ビスフェノールSジグリシジルエーテルとしてはEBPS−200(日本化薬社製、商品名)及びエピクロンEXA−1514(大日本インキ化学工業社製、商品名)等を挙げることができる。また、ビフェノールジグリシジルエーテルとしてはYL−6121(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等を挙げることができ、ビキシレノールジグリシジルエーテルとしてはYX−4000(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等を挙げることができる。さらに、水添ビスフェノールAグリシジルエーテルとしてはST−2004及びST−2007(以上、東都化成社製、商品名)等を挙げることができ、上述した二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としてはST−5100及びST−5080(以上、東都化成社製、商品名)等を挙げることができる。
これらのジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、そのエポキシ当量(1当量のエポキシ基を含む化合物のグラム重量)をJIS K 7236「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」により測定することができる。この測定法によると、該エポキシ化合物のエポキシ当量は、希アルカリ水溶液による現像性の観点から、160〜3300であることが好ましく、180〜2000であることがより好ましく、230〜980であることが更に好ましい。
リジット基板用のソルダーレジストは、その基板の傷防止の役割をも有する。そのため、ソルダーレジストにはある程度高い硬度が必要となる。硬度の指標としては鉛筆硬度、又は室温での弾性率があるが、リジット基板の傷を防止するために、ソルダーレジストの硬度は、鉛筆硬度として少なくとも2H以上、好ましくは4H以上である。ソルダーレジスト等感光性樹脂組成物の硬化膜の硬度を高くするためには、上記ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物中に剛直な骨格を有すると好ましい。具体的には、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物中にフルオレン骨格、ナフタレン骨格及び/又はビフェニル骨格とノボラック骨格とを併せ持つ構造(ザイロック構造)を有すると好ましい。
フルオレン骨格を有するジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば9,9−ビス(4’−グリシジルオキシフェニル)フルオレンが挙げられ、市販品としては、例えばBF−103(宜興精密化学有限公司製、商品名)が挙げられる。ナフタレン骨格を有するジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えばエピクロンHP−4032D(大日本インキ化学工業社製、商品名)が挙げられる。ビフェニル骨格とノボラック骨格とを併せ持つ構造を有するジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、NC−3000S−H(日本化薬社製、商品名)が挙げられる。更に、その他のジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば4−t−ブチルカテコール型エポキシ化合物であるエピクロンHP−820(大日本インキ化学工業社製、商品名)が挙げられる。
上述のジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第一工程において原料として用いられる二塩基酸としてはジカルボン酸が好ましい。具体的には、例えば、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、1,3−アダマンタンジカルボン酸、9,9−ジメチルサンテン−3,6−ジカルボン酸(東京化成社製)、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(Aldrich社製)などが挙げられる。これらの二塩基酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの二塩基酸のなかで、テトラヒドロフタル酸がより好ましい。
また、ソルダーレジストに一層高い硬度を付与する観点から、上記二塩基酸分子がベンゼン環を有するものであると好ましい。
なお、上述した一般式(1)中のR2で示された二塩基酸残基は、これらの化合物の構造中、二塩基酸官能基(ジカルボン酸の場合はカルボキシル基)を除いた部分となる。
第一工程における重合反応は、常法により行われることができる。ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物と二塩基酸との配合比は、変性エポキシ樹脂の分子量の観点、希アルカリ水溶液による現像性の観点、貯蔵安定性の観点、及び塗膜性の観点等から、官能基当量比(カルボキシル基/エポキシ基、モル比)で表すと、1.03〜1.30であると好ましい。
第一工程における重合反応に用いられる触媒としては、例えば、ホスフィン類、アルカリ金属化合物及びアミン類等が挙げられる。具体的には、例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムブロマイドなどのアミン類が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中で、第一工程における重合反応に用いられる触媒としては、9.0以下のpKaを有する三級アミンが好ましく、7.3以下のpKaを有する三級アミンがより好ましい。このような触媒を用いることにより、最終的に上述した一般式(1)で表される変性エポキシ樹脂を選択的に合成することができる。また、上述した具体的な触媒のうち、得られる変性エポキシ樹脂中の結合種(エーテル型網目結合及び/又はエステル型網目結合)によるゲル化を防止する観点から、ホスフィン類、アルカリ金属化合物以外のもの、又は三級アミンであって9.0以下のpKaを有するものを用いると好ましい。
上述した第一工程における重合反応により生成する中間生成物は、その分子内に、カルボキシル基とグリシジル基との反応により生成したエステル結合による鎖状構造、水酸基とグリシジル基との反応により生成したエーテル結合による網目構造、及び水酸基とカルボキシル基との反応により生成したエステル結合による網目構造を形成し得る。得られる中間生成物が、これらの構造のうちエーテル結合による網目構造及びエステル結合による網目構造を分子内に多く有する場合、全体として三次元構造を形成する傾向にあると考えられる。したがって、該中間生成物及び後述する第二工程後に得られる変性エポキシ樹脂はゲル化する傾向にあるので、このような樹脂を用いることにより形成されるレジスト膜の未硬化部分は希アルカリ水溶液等を用いた現像によっても除去されない傾向にある。
一方、上述した触媒を用いることにより合成された中間生成物は、さらにこれを用いた第二工程を経ることにより、一般式(1)で表されるものを始めとして、分子内にエステル結合による鎖状結合を多く有し、全体として鎖状構造を有する変性エポキシ樹脂を得ることができるので、ゲル化し難い傾向にあると考えられる。したがって、このような変性エポキシ樹脂を用いることにより形成されるソルダーレジストの未硬化部分は、希アルカリ水溶液等を用いた現像によって容易に除去される。
かかる触媒の使用量は、重合反応速度の観点、並びに感光性樹脂組成物より得られる硬化膜の耐熱性及び耐電食絶縁性等の観点から、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物及び二塩基酸の総量100質量部に対して、1〜10質量部であると好ましい。
第一工程における反応温度は、重合反応速度の観点及び副反応の進行防止の観点から、100〜150℃であることが好ましい。
(第二工程)
第二工程においては、第一工程により生成した中間生成物と酸無水物とを反応させることにより、変性エポキシ樹脂を合成する。
第二工程においては、第一工程により生成した中間生成物と酸無水物とを反応させることにより、変性エポキシ樹脂を合成する。
第二工程において用いられる酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物、その他これらに付随する例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。
これらの中で、二塩基性酸無水物を用いると好ましく、ジカルボン酸無水物を用いるとより好ましい。また、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上述した一般式(1)中のR4で示された酸無水物残基は、これらの化合物の構造中、酸無水物官能基を除いた部分となる。
酸無水物の添加量は、希アルカリ水溶液による現像性の観点、並びに、最終的に得られる硬化膜の耐熱性及び耐電食絶縁性の観点等から、官能基当量比(添加する酸無水物中の酸無水物基/第一工程において生成する中間生成物の水酸基、モル比)で表すと、0.6〜1.3であると好ましい。
第二工程における反応温度は、反応速度の観点及び副反応を防止する観点から、80〜130℃であることが好ましい。
また、この変性エポキシ樹脂の合成方法において、通常、適当量の溶媒が用いられる。具体的には、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン若しくはメチルシクロヘキサノン等のケトン化合物、トルエン、キシレン若しくはテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル若しくはトリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、上記グリコールエーテル化合物の酢酸エステル化合物等のエステル化合物、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール等のアルコール化合物、又は、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ若しくはソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(B)成分>
(B)成分である分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられ、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)成分である分子内にエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられ、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(製品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(商品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能である。
これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CH2−CH2−O−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CH2−CH(CH3)−O−)のブロック構造を有することを意味する。
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
これら(B)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
<(C)成分>
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン;N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン;N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物中の(A)成分の含有割合は、その感光性樹脂組成物からなる感光層を備える感光性フィルムの端面からのしみ出しを防止する観点、並びに、優れたはんだ耐熱性及び光感度の観点から、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、30〜70質量部であることが好ましく、45〜55質量部であることがより好ましい。
(B)成分の含有割合は、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、10〜70質量部であることが好ましく、35〜55質量部であることがより好ましい。この含有割合が10質量部未満では、光感度が不十分となる傾向があり、70質量部を超えると、得られる光硬化物が脆くなる傾向がある。
(C)成分の含有割合は、優れた光感度の観点及びはんだ耐熱性の観点から、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分;熱硬化剤を含有してもよい。(D)成分としては、例えばブロック型イソシアネート、上記(A)成分以外のエポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン樹脂及びビスマレイミド等の分子内に2つ以上の反応性基を有する化合物が挙げられる。(D)成分を更に含有することにより、本実施形態の感光性樹脂組成物から得られるソルダーレジスト等の硬化膜は、はんだ耐熱性、Ni/Auめっき耐性、耐熱衝撃性(TCT耐性)、耐電食性(HAST耐性)を一層向上することができる。
(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の含有割合は、一層良好な耐溶剤性、耐アルカリ性及びはんだ耐熱性を得る観点から、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、0〜100質量部とすることが好ましく、10〜50質量部とすることがより好ましく、15〜40質量部とすることが特に好ましい。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン若しくはロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニングリーン若しくはフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料あるいはイメージング剤などを(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、アクリル系共重合体、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂等の(A)成分以外のポリマー成分を併用してもよい。
更に、感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分(不揮発分)30〜70質量%程度の溶液として用いてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、十分に高い解像度を具備し、塗膜性に十分優れると共に、十分に高い耐熱衝撃性を備えた硬化膜を形成できるので、リジット基板上にソルダーレジスト等の硬化膜を形成するのに有用である。
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層とを備えるものである。以下、本発明の感光性エレメントの好適な実施形態について図1を参照しながら説明する。図1に示す感光性エレメント1は、支持体11と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物を含有する感光層12と、感光層12上に積層された保護フィルム13とを備えるものである。
感光層12は、上述の感光性樹脂組成物を上記溶剤又は混合溶剤に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体上に塗布して形成することが好ましい。感光層の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚みが10μm未満では工業的に塗工(塗布)困難な傾向があり、100μmを超えると本発明により奏される上述の効果が小さくなりやすく、特に、機械的特性等の物理特性及び解像度が低下する傾向にある。
保護フィルム13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、表面処理した紙等が挙げられる。保護フィルム13は、感光層12と支持体11との接着力よりも感光層12と保護フィルム13との接着力が小さいものであると好ましい。
感光性エレメント1が備える支持体11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体11の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体11を感光性エレメント1から剥離する際に当該支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度及び可撓性が低下する傾向がある。本実施形態においては、上述したような変性エポキシ樹脂を用いて感光層12を形成するので、支持体11の厚みが従来のものと比較してより厚い場合、例えば25μm超100μm以下の場合であっても、その可撓性及び解像度を維持することができる。
上述したような支持体11と感光層12と保護フィルム13との3層からなる感光性エレメント1は、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルム13を介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
本実施形態の感光性エレメントは、解像度及び耐熱衝撃性に十分優れ、はんだ耐熱性、現像性、引張強度や伸び率のような機械的特性等の物理特性及び耐電食性の全てに優れる傾向にある。加えて、感光層表面のべとつきが少ないため、高解像度かつ高密度のプリント配線板の効率的な生産を可能とする。
本発明のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを有する積層基板の絶縁基板上に、導体層を覆うように、上記感光性樹脂組成物を含有する感光層を形成し、該感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外の部分を除去するものである。以下、本発明のレジストパターンの形成方法に係る好適な実施形態について説明する。
感光層の形成方法としては、本発明の感光性樹脂組成物を直接塗工するか、上記感光性エレメントにおける感光層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する形成方法が例示できる。基板上に形成された感光層は、感光性樹脂組成物が溶剤等の揮発成分を含む場合は、溶剤の大部分が除去された後の成分が主成分となる。、また、感光性エレメントが保護フィルムを備える場合は、感光層の形成前に保護フィルムを感光性エレメントから剥離除去する。
感光層を積層する絶縁基板の表面は、通常導体層の面であるが、その導体層以外の面であってもよい。感光性エレメントにおける感光層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する場合、感光層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましく、周囲の気圧は4kPa以下とすることがより好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光層を上述のように70〜130℃に加熱すれば、予め絶縁基板及び導体層を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、それらの予熱処理を行うこともできる。
このようにして感光層の積層が完了した後、露光工程において感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめる。露光部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光層上に存在する支持体が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができるが、不透明の場合には、支持体を除去した後に感光層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
露光後、感光層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去する。その後、ウエット現像、ドライ現像等により感光層の露光部以外の部分を現像除去し、レジストパターンを形成する。ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。なお、レジストパターン形成後に、1〜5J/cm2の露光又は/及び100〜200℃、30分〜12時間の加熱(後加熱工程)による後硬化を更に行ってもよい。
現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5重量%水溶液)等が用いられる。現像処理に用いられる現像液は、露光部にダメージを与えず、未露光部を選択的に溶出するものであれば、その種類については特に制限はなく、樹脂組成物の現像タイプによって決定され、準水系現像液、溶剤現像液等一般的なものを用いることができる。例えば、特開平7−234524号公報に記載されるような水と有機溶剤とを含むエマルジョン現像液を使用することができる。特に有用なエマルジョン現像液としては、例えば、有機溶剤成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、2,2−ブトキシエトキシエタノール、乳酸ブチル、乳酸シクロヘキシル、安息香酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の有機溶剤を10〜40質量%含有するエマルジョン現像液を挙げることができる。また、アルカリ現像液を用いる場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4―ホウ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液と上記有機溶剤とのエマルジョン現像液を用いることもできる。
上述の方法によって、回路パターンが形成された導体層上にレジストパターンの形成を行うことができる。レジストパターンは、実装部品の接合時に、導体層上の不必要な部分へのはんだの付着を防ぐソルダーレジストとして用いることができる。
また、上述の形成方法により得られたレジストパターンは、リジット状の基材上に引張強度、伸び率等の物理特性に優れ、かつ耐電食性を満足する硬化樹脂を形成するために用いられてもよく、リジット状の基材上に形成される永久マスク(ソルダーレジスト)として使用されるとより好ましい。具体的には、リジット基板を備えるプリント配線板のソルダーレジストやリジット基板を備えるパッケージ基板のソルダーレジストとして用いられると有用である。
本発明のプリント配線板は、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された上述の感光性樹脂組成物の硬化膜とを備えるものである。以下、本発明のプリント配線板の好適な実施形態について図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態のプリント配線板を示す模式断面図である。
図2に示すプリント配線板2は、リジット基板である絶縁基板22と、絶縁基板22の一方面上に形成された回路パターンを有する導体層23と、絶縁基板22の他方面上に形成された回路パターンを有しない導体層21と、回路パターンを有する導体層23を覆うように絶縁基板22上に形成されたソルダーレジスト241とを備えている。また、ソルダーレジスト241は、上記感光性樹脂組成物の硬化膜からなり、ソルダーレジスト241は、回路パターンを有する導体層23の少なくとも一部が露出するように開口部26を有している。
プリント配線板2は、開口部26を有しているため、CSPやBGA等の実装部品を、回路パターンを有する導体層23にはんだ等により接合することができ、いわゆる表面実装が可能となる。ソルダーレジスト241は、接合のためのはんだ付けの際に、導体層の不必要な部分にはんだが付着することを防ぐためのソルダーレジストとしての役割を有しており、また、実装部品接合後においては、導体層23を保護するための永久マスクとして機能する。
次に、プリント配線板2の製造方法の一例について、概略的に説明する。図3は、図2に示したプリント配線板2の製造方法について模式的に示す工程図である。なお、図3(a)は一方面に回路パターンを有する導体層23と他方面に回路パターンを有しない導体層21とを備えるプリント配線板用基材3であり、図3(b)、図3(c)及び(d)は、それぞれ絶縁基板22上へ感光層24を積層した後のプリント配線板用基材4、感光層24へ活性光線を照射している様子及び現像後のプリント配線板2を示す。
まず、両面金属張積層板(例えば、両面銅張積層板等)の片面をエッチングする公知の方法等により、図3(a)に示すように絶縁基板22上に導体層23のパターンを形成させ、導体層23が形成されたプリント配線板用基材3を得る。次に、図3(b)に示すように導体層23が形成されたプリント配線板用基材3上に、導体層23を覆うようにして本発明に係る感光性樹脂組成物からなる感光層24を形成し、感光層24が積層されたプリント配線板用基材4を得る。次に、図3(c)に示すように積層された感光層24に所定のパターンを有するフォトマスク5を介して活性光線を照射することにより感光層24の所定部分を硬化させる。最後に、未露光部を除去(例えばアルカリ現像等)することによって、図3(d)に示すように開口部26を有するソルダーレジスト241を形成させることでプリント配線板2を得る。なお、ソルダーレジスト241は、感光性樹脂組成物が有機溶剤等の揮発成分を含有している場合は、かかる揮発成分の大部分が除去された後の感光性樹脂組成物の硬化膜である。
なお、絶縁基板22上への感光層24の積層、活性光線の照射及び未露光部の除去は、上述のレジストパターンの形成方法における場合と同様の方法により行うことができる。
このようにして得られたプリント配線板2におけるソルダーレジスト241は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜からなるものであり、引張強度、伸び率等の機械的特性、及び耐熱衝撃性に十分優れたものであり、はんだ耐熱性や耐電食性にも優れる傾向にある。
本発明の感光性樹脂組成物は、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された絶縁膜とを備えるパッケージ基板に用いることもできる。この場合、感光性樹脂組成物の硬化膜を絶縁膜として用いればよい。感光性樹脂組成物の硬化膜を、例えば半導体パッケージ用のソルダーレジストとして用いる場合は、上述のレジストパターンの形成方法における現像終了後、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm2程度の照射量で照射を行うこともできる。また、レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを同時に行うこともでき、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。
このソルダーレジストは、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ね、引張強度や伸び率等の物理特性及び耐熱衝撃性に優れているので、半導体パッケージ用の永久マスクとして有効である。
このようにしてレジストパターンを備えたパッケージ基板は、その後、半導体素子などの実装(例えば、ワイヤーボンディング、はんだ接続)がなされ、そして、パソコン等の電子機器へ装着される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の感光性エレメントの別の実施形態において、保護フィルムを備えずに、図1における感光層12及び支持体11のみを備えるものであってもよい。
また、本発明のプリント配線板はリジット基板上又はリジット基板の両側に導電層及び絶縁層を交互に複数層積層した多層プリント配線板であってもよく、その場合、本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜は、導電層間を確実に絶縁するための層間絶縁膜として機能する。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の変性エポキシ樹脂((A)成分)を以下の方法により調製した。
(A−1)
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)181.1質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これにテトラヒドロフタル酸(新日本理化社製)34.9質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)108.0質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−1を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−1の重量平均分子量は38000であり、固形分は57.0%であり、酸価は133mgKOH/gであった。
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)181.1質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これにテトラヒドロフタル酸(新日本理化社製)34.9質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)108.0質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−1を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−1の重量平均分子量は38000であり、固形分は57.0%であり、酸価は133mgKOH/gであった。
(A−2)
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、9,9−ビス(4’−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(BF−103、宜興精密化学有限公司製、エポキシ当量243g/eq、商品名)120.0質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これにテトラヒドロフタル酸(新日本理化社製)44.0質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)72.0質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−2を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−2の重量平均分子量は25000であり、固形分は48.0%であり、酸価は125mgKOH/gであった。
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、9,9−ビス(4’−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(BF−103、宜興精密化学有限公司製、エポキシ当量243g/eq、商品名)120.0質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これにテトラヒドロフタル酸(新日本理化社製)44.0質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)72.0質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−2を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−2の重量平均分子量は25000であり、固形分は48.0%であり、酸価は125mgKOH/gであった。
(A−3)
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)223.4質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これに4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル(東都化成社製)65.3質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)131.1質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−3を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−3の重量平均分子量は30000であり、固形分は54.7%であり、酸価は123mgKOH/gであった。
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)223.4質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これに4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル(東都化成社製)65.3質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)131.1質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−3を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−3の重量平均分子量は30000であり、固形分は54.7%であり、酸価は123mgKOH/gであった。
(A−4)
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)181.1質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これに4,4’−ジカルボキシビフェニル(東都化成社製)61.2質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)131.1質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−4を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−4の重量平均分子量は30000であり、固形分は54.0%であり、酸価は125mgKOH/gであった。
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−011、東都化成社製、エポキシ当量475g/eq、商品名)181.1質量部、シクロヘキサノン64.0質量部及びトルエン30.0質量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、130℃に加熱した状態で攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水を行った。次いで、これに4,4’−ジカルボキシビフェニル(東都化成社製)61.2質量部とジメチルパラトルイジン(三星化学社製)3.6質量部を添加し、140℃で4時間保温した。そして、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)131.1質量部を添加し、120℃で3時間保温させることにより、(A)成分である変性エポキシ樹脂A−4を得た。その後、該変性エポキシ樹脂をメチルエチルケトン127.0質量部で希釈した。得られた変性エポキシ樹脂A−4の重量平均分子量は30000であり、固形分は54.0%であり、酸価は125mgKOH/gであった。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
まず、表1に示す各成分をそこに示す固形分の配合比(質量基準)で混合することにより、感光性樹脂組成物溶液を得た。なお、表中、樹脂(1)は、酸変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートの65質量%カルビトールアセテート/ソルベントナフサ溶液(ZAR−1035、日本化薬社製、商品名)である。また、樹脂(2)は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(カヤラッドDPHA、日本化薬社製、商品名)であり、樹脂(3)は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(BPE−10、新中村化学工業社製、商品名)であり、(C)成分は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(I−369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)であり、(D)成分はヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体の75質量%メチルエチルケトン溶液(BL3175、住化バイエルウレタン社製、商品名)であり、エラストマは、飽和ポリエステル樹脂(SP1612、日立化成工業社製、商品名)である。
まず、表1に示す各成分をそこに示す固形分の配合比(質量基準)で混合することにより、感光性樹脂組成物溶液を得た。なお、表中、樹脂(1)は、酸変性ビスフェノールA型エポキシアクリレートの65質量%カルビトールアセテート/ソルベントナフサ溶液(ZAR−1035、日本化薬社製、商品名)である。また、樹脂(2)は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(カヤラッドDPHA、日本化薬社製、商品名)であり、樹脂(3)は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(BPE−10、新中村化学工業社製、商品名)であり、(C)成分は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(I−369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)であり、(D)成分はヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体の75質量%メチルエチルケトン溶液(BL3175、住化バイエルウレタン社製、商品名)であり、エラストマは、飽和ポリエステル樹脂(SP1612、日立化成工業社製、商品名)である。
次いで、この感光性樹脂組成物溶液を支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(G2−16、帝人社製、商品名)上に均一に塗布することにより感光層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光層の乾燥後の膜厚は、25μmであった。
続いて、感光層の支持体と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(NF−13、タマポリ社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
そして、12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基材(E−679、日立化成工業社製、商品名)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板の研磨した銅箔上に連続式真空ラミネータ(HLM−V570、日立化成工業社製、商品名)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4kPa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上記感光性エレメントを、その感光層と銅箔とが密着するようにポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、評価用積層体を得た。
[光感度の評価]
得られた評価用積層体のPETフィルム上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
得られた評価用積層体のPETフィルム上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体のPETフィルム上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体のPETフィルム上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
[塗膜性の評価]
評価用積層体に対し、露光を行わずに該積層体のPETフィルムを剥離し、露出した感光層表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。すなわち、指に対する張り付きが認められない、または、ほとんど認められないものは「A」とし、指に対する張り付きが認められるものは「B」とした。結果を表2に示す。
評価用積層体に対し、露光を行わずに該積層体のPETフィルムを剥離し、露出した感光層表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。すなわち、指に対する張り付きが認められない、または、ほとんど認められないものは「A」とし、指に対する張り付きが認められるものは「B」とした。結果を表2に示す。
[はんだ耐熱性の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、ネガとして2mm角の矩形パターンを有するフォトツールとを評価用積層体のPETフィルム上に密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で感光層に対する紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、2mm角の矩形開口部を有するソルダーレジストを形成した評価用パッケージ基板を得た。
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、ネガとして2mm角の矩形パターンを有するフォトツールとを評価用積層体のPETフィルム上に密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で感光層に対する紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、2mm角の矩形開口部を有するソルダーレジストを形成した評価用パッケージ基板を得た。
次いで、該パッケージ基板にロジン系フラックス(MH−820V、タムラ化研社製、商品名)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ処理を行った。
このようにしてはんだめっきを施されたパッケージ基板上のソルダーレジストのクラック発生状況並びに基板からのソルダーレジストの浮き程度及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのクラックの発生が認められず、ソルダーレジストの浮き及び剥離も認められないものは「A」とし、それらのいずれかが認められるものは「B」とした。結果を表2に示す。
[耐熱衝撃性の評価]
はんだ耐熱性の評価に用いたはんだめっきを施された評価用パッケージ基板を、−55℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の昇温速度で昇温し、次いで125℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の降温速度で降温する熱サイクルを1500回繰り返した。このような環境下に晒した後の評価用パッケージ基板のソルダーレジストのクラック及び剥離程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのクラック及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表2に示す。
はんだ耐熱性の評価に用いたはんだめっきを施された評価用パッケージ基板を、−55℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の昇温速度で昇温し、次いで125℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の降温速度で降温する熱サイクルを1500回繰り返した。このような環境下に晒した後の評価用パッケージ基板のソルダーレジストのクラック及び剥離程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのクラック及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表2に示す。
[耐電食性の評価]
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基材(E−679、日立化成工業社製、商品名)の銅箔にエッチングを施して、ライン幅/スペース幅が50μm/50μmであり、互いのラインが接触しておらず、互いに対向した同一面上の櫛形電極を得た。この基板の櫛形電極上に連続式真空ラミネータ(HLM−V570、日立化成工業社製、商品名)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4kPa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上記感光性エレメントを、その感光層と櫛形電極とが密着するようにポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、更に上述と同様の条件で耐電食性評価用積層体を得た。
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基材(E−679、日立化成工業社製、商品名)の銅箔にエッチングを施して、ライン幅/スペース幅が50μm/50μmであり、互いのラインが接触しておらず、互いに対向した同一面上の櫛形電極を得た。この基板の櫛形電極上に連続式真空ラミネータ(HLM−V570、日立化成工業社製、商品名)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4kPa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上記感光性エレメントを、その感光層と櫛形電極とが密着するようにポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、更に上述と同様の条件で耐電食性評価用積層体を得た。
得られた評価用積層体のPETフィルム上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)して、ソルダーレジストを形成した。
加熱後の評価用積層体の櫛形電極間に電圧が印加されるように、ポリテトラフルオロエチレン製のシールド線をSn/Pbはんだによりそれらの櫛形電極に接続した後、評価用積層体に5Vの電圧を印可した状態で、該評価用積層体を85℃、85%RHの超加速高温高湿寿命試験(HAST)槽内に1000時間静置した。その後の評価用積層体のソルダーレジストのマイグレーションの発生程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのマイグレーションの発生を確認できなかったものは「A」とし、確認できたものは「B」とした。結果を表2に示す。
[硬化膜の物性評価]
実施例1〜6、比較例1〜3に係る感光性エレメントを、上記と同様の条件で露光、加熱して感光層を硬化した硬化膜を得た。該硬化膜の引張強度及び伸び率を、JIS K 7127「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に準拠して測定した。結果を表2に示す。
実施例1〜6、比較例1〜3に係る感光性エレメントを、上記と同様の条件で露光、加熱して感光層を硬化した硬化膜を得た。該硬化膜の引張強度及び伸び率を、JIS K 7127「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に準拠して測定した。結果を表2に示す。
1…感光性エレメント、2…プリント配線板、3、4…プリント配線板用基材、5…フォトマスク、11…支持体、12、24…感光層、13…保護フィルム、21…回路パターンを有しない導体層、22…絶縁基板、23…回路パターンを有する導体層、26…開口部、241…ソルダーレジスト。
Claims (8)
- 前記変性エポキシ樹脂が、ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物と二塩基酸との重合反応により中間生成物を得る第一工程と、前記中間生成物に酸無水物を付加する第二工程と、を有する変性エポキシ樹脂の製造方法により得られるものである、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- リジット基板を備えるプリント配線板又はリジット基板を備えるパッケージ基板のソルダーレジスト形成に用いられるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- リジット基板を備えるプリント配線板の層間絶縁膜形成に用いられるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメント。
- リジット基板と、そのリジット基板上に形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜と、を備えるプリント配線板。
- リジット基板と、そのリジット基板上に形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜と、を備えるパッケージ基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005021977A JP2006208835A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005021977A JP2006208835A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006208835A true JP2006208835A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36965756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005021977A Pending JP2006208835A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006208835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010519592A (ja) * | 2007-02-21 | 2010-06-03 | エルジー・ケム・リミテッド | ブラックマトリクス用感光性樹脂組成物、これによって形成されるブラックマトリクス、およびこれを含む液晶表示装置 |
JP2011216559A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板の製造方法 |
WO2015099358A1 (ko) * | 2013-12-24 | 2015-07-02 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치 |
-
2005
- 2005-01-28 JP JP2005021977A patent/JP2006208835A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010519592A (ja) * | 2007-02-21 | 2010-06-03 | エルジー・ケム・リミテッド | ブラックマトリクス用感光性樹脂組成物、これによって形成されるブラックマトリクス、およびこれを含む液晶表示装置 |
JP4804577B2 (ja) * | 2007-02-21 | 2011-11-02 | エルジー・ケム・リミテッド | ブラックマトリクス用感光性樹脂組成物、これによって形成されるブラックマトリクス、およびこれを含む液晶表示装置 |
JP2011216559A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kyocer Slc Technologies Corp | 配線基板の製造方法 |
WO2015099358A1 (ko) * | 2013-12-24 | 2015-07-02 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5050683B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント | |
JP5263603B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びそれを用いた永久レジスト。 | |
JP4992633B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント | |
JP5549841B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜並びに層間絶縁膜 | |
JP2006208853A (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント | |
KR100876252B1 (ko) | 변성 에폭시 수지, 그 제조방법, 감광성 수지 조성물 및감광성 엘리먼트 | |
JP5630637B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
TWI775993B (zh) | 硬化性樹脂組成物、乾膜、硬化物及印刷配線板 | |
JP5062059B2 (ja) | ポリマー、感光性樹脂組成物 | |
CN113614131A (zh) | 感光性树脂组合物、感光性树脂膜、印刷配线板和半导体封装体、以及印刷配线板的制造方法 | |
JP5464067B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、ソルダーレジスト及び感光性ドライフィルム | |
JP2018165798A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP4840444B2 (ja) | 感光性エレメント | |
JP2006208835A (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント | |
JP4910610B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性フィルム | |
JP5768745B2 (ja) | 感光性樹脂組成物からなる接着剤 | |
JP2006208824A (ja) | 感光性樹脂組成物、硬化体及び感光性エレメント | |
JP2007112908A (ja) | 酸変性ポリエステルイミド樹脂、感光性樹脂組成物、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及び半導体素子。 | |
JP5625721B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント | |
JP7444192B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP7459887B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 | |
JP2007131833A (ja) | 変性エポキシ樹脂及びその製造方法、並びに、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント | |
WO2024075229A1 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 | |
JP5630636B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜並びに層間絶縁膜 | |
WO2023139694A1 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、プリント配線板、及びプリント配線板の製造方法 |