JP5549841B2 - 感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜並びに層間絶縁膜 - Google Patents

感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜並びに層間絶縁膜 Download PDF

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本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜並び層間絶縁膜に関する。
従来、各種電子機器の小型化、軽量化に伴い、プリント配線板や半導体素子を内蔵するパッケージ基板には、回路パターンを形成する目的で感光性のソルダーレジストが用いられている。ソルダーレジストはソルダリング工程ではんだが不必要な部分に付着するのを防ぐ保護膜として、また永久マスクとして必要不可欠な材料である。ソルダーレジストの材料としては、微細なパターンを形成するための、良好な現像性及び高い解像度といった優れた感光特性とともに、優れた絶縁材料としての、良好な電気絶縁性や高耐溶剤性、高耐アルカリ性等の特性が要求される。また、かかるソルダーレジストは、プリント配線板やパッケージ基板の一部材としての物理特性、例えば、高い引張り強度、伸び率、耐電食性等も求められている。
近年のはんだのPbフリー化に伴い、上記諸特性に加えて、特にパッケージ基板に用いるソルダーレジストには、260℃程度の高温環境下における優れたはんだ耐熱性や高耐熱衝撃性、さらには、高温高湿環境下においてもソルダーレジストとして安定に機能する優れた耐湿熱性も求められている。また、特に微細な開口パターンを要するパッケージ基板用のソルダーレジストには、例えば−55℃〜125℃の温度サイクル試験(TCT)に対する耐性(耐熱衝撃性)が要求されている。
ソルダーレジストをプリント配線板等に形成する方法としては、液状フォトレジストを用いる方法もあるが、生産効率及びレジスト膜厚の均一性の観点から、特許文献1に開示されているような、いわゆるドライフィルム(ドライフィルムレジスト)を用いる方法が主流となりつつある。また、このドライフィルムは、作業環境保全、地球環境保全の点から、弱アルカリ溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが主流になっている。
特許文献2には、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性等に優れた硬化膜を得ることができ、プリント配線板、高密度多層板、半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性樹脂組成物を提供することを意図して、エポキシ化合物(a)と不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られたカルボキシル基を有する感光性樹脂(A)、カルボキシル基を有する感光性ポリアミド樹脂及びカルボキシル基を有する感光性ポリアミドイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の感光性樹脂(B)、エラストマー(C)、エポキシ硬化剤(D)、及び光重合開始剤(E)を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。そして、この感光性樹脂組成物から形成されるソルダーレジストは耐溶剤性に優れていることが特許文献2に記載されている。
また、特許文献3には、塗布面に対する印刷性、耐熱性、塗布面との密着性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性、機械的特性等に優れたソルダーレジスト膜等を形成することができる感光性樹脂組成物等の提供を意図して、(A)特定構造を有するノボラックエポキシ樹脂及び特定構造を有するゴム変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物と前記混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.2モルのエチレン性不飽和カルボン酸との反応生成物と、上記混合物のエポキシ当量当たり0.2〜1.0モルの多塩基酸及び/又はその無水物との反応生成物であってカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、(B)光重合性反応性希釈剤、(C)光重合開始剤、及び(D)熱硬化性成分を含有する感光性樹脂組成物が提案されている。
さらに、特許文献4には、永久マスクレジストとしての可とう性、はんだ耐熱性及び耐薬品性を低下させずに、高い耐湿絶縁性を示す永久マスクレジストの提供を意図して、アルカリ現像後の水洗工程において、水洗用の水に2価のカルシウムイオンなどの2価の無機イオンを含有させる手段が開示されている。
一方、従来、ソルダーレジストの材料として、優れた耐熱性及び機械特性を有するポリイミド前駆体を用いた感光性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開昭54−1018号公報 特開平11−288087号公報 特開平9−5997号公報 特開2004−252485号公報 特開平11−217414号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献2及び3に記載の従来の感光性樹脂組成物について詳細に検討を行ったところ、このような従来の感光性樹脂組成物から得られるソルダーレジストは、さらに優れた耐熱衝撃性の要求に充分対応できない可能性があることを見出した。
また、本発明者らは、上記特許文献2及び3に記載の従来の感光性樹脂組成物からドライフィルムを形成すると、充分な貯蔵安定性が得られないことを見出した。例えば、特許文献2に開示される従来の感光性樹脂組成物は、(D)エポキシ硬化剤中のグリシジル基と、(A)又は(B)の感光性樹脂中のカルボキシル基とが常温で反応してしまう。そのため、これを液状レジストの材料として用いる際には、(A)及び(B)の感光性樹脂と(D)エポキシ硬化剤とをそれぞれ主剤と硬化剤とに分けた二液性のレジスト材料とすることにより、上述の反応を防止する。しかしながら、この感光性樹脂組成物をドライフィルムの材料として用いる場合、(A)及び(B)の感光性樹脂と(D)エポキシ硬化剤とを同じフィルム中に配合することとなるため、得られるドライフィルム中で上述の反応が進行し、充分な貯蔵安定性を示し難くなる。特許文献3に開示される感光性樹脂組成物も同様な問題点が存在する。
さらに、本発明者らは、上記特許文献4に開示された手段を用いると、耐電食性については一定の効果を奏するものの、耐熱衝撃性についてはまだ不充分であることを見出した。
一方、本発明者らは、特許文献5に記載されたようなポリイミド前駆体を用いた感光性樹脂組成物はヘプタン酸ジエタノールアミド5重量%と炭酸ナトリウム0.5重量%という高アルカリ濃度の条件で現像できるものであり、弱アルカリ性での現像性は不充分であることを見出した。
そこで、本発明は、充分に高い耐熱性及び耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成でき、かつ、充分に優れた貯蔵安定性を示すドライフィルムを形成できる、弱アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、上記感光性樹脂組成物を用いた、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜、並びに、層間絶縁膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明で特定される感光性樹脂組成物を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、アルカリ水溶液で現像が可能であり、低温硬化性、高耐熱性及び耐熱衝撃性を満足する感光性樹脂組成物及びその用途を提供する。
すなわち本発明は、
(A)ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるアルカリ可溶性ポリマー、
(B)光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、
(D)アリル基を1分子中に2つ以上有するアリル化合物、及び
(E)マレイミド構造を1分子中に2つ以上有するマレイミド化合物を含有してなる感光性樹脂組成物に関する。
上記(A)成分としては、ポリイミド前駆体としてのポリアミド酸であり、その重量平均分子量が1万〜20万である感光性樹脂組成物が好ましい。
また、上記(B)成分及び/又は(D)成分が、イソシアヌレート環を有する化合物を含む、感光性樹脂組成物が好ましい。
また、本発明は、支持体層と、前記の感光性樹脂組成物から形成された感光層とを備える、永久レジスト用感光性フィルムに関する。
また、本発明は、絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように、前記の感光性樹脂組成物を用いて感光層を積層し、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記感光層の前記露光部以外の部分を除去することを特徴とする、レジストパターンの形成方法に関する。
また、本発明は、絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように前記の感光性樹脂組成物を用いて形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板に関する。
また、本発明は、絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように、前記の感光性樹脂組成物を用いて感光層を積層し、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記露光部以外の部分を除去することを特徴とする、プリント配線板の製造方法に関する。
また、本発明は、前記の感光性樹脂組成物の硬化物からなる、表面保護膜に関する。
さらに、本発明は、前記の感光性樹脂組成物の硬化物からなる、層間絶縁膜に関する。
本発明によれば、充分に高い耐熱性及び耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成でき、かつ、充分に優れた貯蔵安定性を示すドライフィルムを形成できる、弱アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記感光性樹脂組成物を用いた、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法、プリント配線板及びその製造方法、表面保護膜、並びに、層間絶縁膜を提供することができる。
本発明の永久レジスト用感光性フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明のプリント配線板の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態を示す模式工程図である。 本発明の感光性樹脂組成物の硬化物を層間絶縁膜として用いた半導体パッケージの一例を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
[(A)アルカリ可溶性ポリマー]
本発明における(A)ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるアルカリ可溶性ポリマーとは、現像液として使用されるアルカリ水溶液に溶解可能であるポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるポリマーをいう。現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4−ホウ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、アミン類等の希アルカリ水溶液、あるいは希アルカリ水溶液と有機溶剤とのエマルジョン現像液を用いることもできる。アルカリ可溶性の判断基準としては、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5重量%水溶液)等を用いてポリマーをシャワー現像した場合、膜厚50μmのフィルムを10分以内にフィルムの形状が維持できなくなる状態をアルカリ可溶性とすることができる。
ポリマーにアルカリ可溶性を付与するためには、ポリマー中に、カルボキシル基、スルホン酸基、フェノール性水酸基等の官能基を持たせればよい。
このようなポリマーとしては、前記の官能基を有するポリイミド前駆体(ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド等)やポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリヒドロキシアミド)が挙げられる。これらは、加熱によってイミド化又はオキサゾール化するため、熱硬化剤を用いなくても熱硬化でき、かつ、1%重量減少温度(耐熱性)が充分に高いので好ましい。また、一般にポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体は、ジアミン成分を原料として使用して、ポリマー構造中にアミド結合を多数形成させるため、アミド結合濃度が高く、種々の材料に対する接着力が高い。さらに、一般的な構造中にカルボキシル基やフェノール性水酸基を有するため、感光性樹脂組成物のベースポリマーとして用いた場合に、弱アルカリ水溶液で現像することが可能である。その結果、本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、充分に高い耐熱性及び耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成できる。また、本発明の感光性樹脂組成物やこれを使用したドライフィルムは貯蔵安定性が高く、長時間保存した後でも塗膜性、硬化膜の解像度及び耐熱性等の諸特性を充分良好に維持することができる。特にポリイミド前駆体としてのポリアミド酸は諸特性のバランスに優れ、好ましい。
ポリアミド酸は、一般にテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得ることができる。また、ポリベンゾオキサゾール前駆体としてのポリヒドロキシアミドは、一般に、ジカルボン酸又はその誘導体とジヒドロキシジアミン(通常、芳香環にアミノ基が結合し、そのオルト位に水酸基が結合した構造を2組有するもの)とを反応させて得ることができる。これらのポリマー及びその製造法は、既に知られている種々のもの及び方法が使用できる。
以下、ポリイミド前駆体について、詳述する。
前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(4,4’−オキシジフタル酸二無水物)、2,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物やシクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。こらは、1種を単独で又は2種以上併用して使用してもよい。
また、ジアミン成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンジアミン(三井化学ファイン社製、商品名:「ジェファーミン」)、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシルー5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン(コグニスジャパン社製、商品名「バーサミン551」)、1,4−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メトキシ−4−アミノペンチル)ベンゼン、前記芳香族炭化水素構造を有するジアミン化合物として、例えば、4,4’−ジアミノジベンジルスルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)デカフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタ−1−エン−3−イン4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−トルイジン)スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらのジアミン成分は、1種を単独で又は2種以上併用して使用してもよい。
これらの中で、エーテル結合やイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)構造を有するものが好ましい。
ポリアミド酸の合成において、通常、適当量の溶媒が用いられる。具体的には、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。塗膜の乾燥性をコントロールするため、これらの溶媒にポリマーが析出しない程度に揮発性の高い貧溶媒を組み合わせて使用できる。例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン若しくはメチルシクロヘキサノン等のケトン化合物、トルエン、キシレン若しくはテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル若しくはトリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、上記グリコールエーテル化合物の酢酸エステル化合物等のエステル化合物、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール等のアルコール化合物、又は、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ若しくはソルベントナフサ等の石油系溶剤、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、アルカリ可溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、感光性樹脂組成物のベースポリマーとして用いられるために、希アルカリ水溶液などの現像液による現像性、及び、引張強度、伸び率等の機械的特性の観点から、10,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる(標準ポリスチレンによる換算)。好ましいGPCの条件は以下のとおりである。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−7100型[(株)日立製作所製]
検出器:UV 日立 L−4000型UV[(株)日立製作所製]
RI:日立 L−7490型[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(日立化成工業(株)製、商品名)
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶離液:DMF/THF=1/1+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1mL
注入量:5μL
圧力:343Pa(35kgf/cm
流量:1.0mL/分
本発明において(A)アルカリ可溶性ポリマーは、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[(B)光重合性化合物]
(B)成分である光重合性化合物としては、特に限定されないが、分子内にエチレン性不飽和基を有するものが好ましく用いられる。例えば、分子内にアミド結合を有する(メタ)アクリレート化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーが挙げられ、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらのうち、(A)ポリマーとの相溶性及び耐熱性の観点から、特にイソシアヌレート環を有する化合物が好ましく用いられる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(製品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(商品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能である。 これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
なお、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CH−CH−O−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CH−CH(CH)−O−)のブロック構造を有することを意味する。
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これら(B)成分は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
[(C)光重合開始剤]
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン;N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド誘導体等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
[(D)アリル化合物]
(D)成分であるアリル化合物とは、分子構造中にアリル基を有する化合物であり、アリル基を1分子中に2つ以上有するものが好ましい。またこれらのうち、(A)ポリマーとの相溶性、反応性、耐熱性等の観点から、特にイソシアヌレート環を有するアリル化合物が好ましく用いられる。


例えば、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等が好ましいものとして挙げられる。
[(E)マレイミド化合物]
(E)成分であるマレイミド化合物とは、分子構造中にマレイミド構造を有する化合物であり、マレイミド構造を1分子中に2つ以上有するもの、例えばビスマレイミド化合物が好ましい。
ビスマレイミド化合物の具体例としては、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチル−ビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−s−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕デカン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ジ−s−ブチルベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、4,4’−メチレンビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2−ノニルベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス〔3−メチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、3,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、4,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、3,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、4,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン、1,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタンなどを挙げることができる。これらのビスマレイミド化合物は常法により合成されてもよく、市販品を用いてもよい。
これらのビスマレイミド化合物の中で、有害物質の生成を一層抑制する観点からは、分子内にハロゲン原子を有しない化合物が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、上記アルカリ可溶性の耐熱性に優れたポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体をベースポリマーとし、120〜200℃の間で熱硬化反応可能な、アリル化合物とマレイミド化合物の組み合わせによる熱架橋システムを有するので、保存安定性、熱硬化性、耐熱性等の点で優れる。特に二官能以上のアリル化合物と二官能以上のマレイミド化合物の組み合わせがより好ましく、環構造有するアリル化合物と環構造を有するマレイミド化合物の組み合わせがさらに好ましい。
[その他の成分]
<希釈剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、通常、希釈剤中に溶解又は分散された状態で、感光性フィルムの製造や、レジストパターンの形成等に用いられる。希釈剤としては、各成分を希釈できるものであれば特に限定されない。例えば、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、脂肪族アルコール、環式炭化水素、ケトン、ケトアルコール、アルキレングリコール、アルキレングリコールアルキルエーテル、それらのアセテート化合物、カルボン酸エステルが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール及びn−ヘキサノールが挙げられる。環式炭化水素としては、例えば、ベンジルアルコール、シクロヘキサン及びトルエンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトン、ジブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンが挙げられる。ケトアルコールとしては、例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン及び6−ヒドロキシ−2−ヘキサノンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。アルキレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル及びジプロピレングリコールアルキルエーテルが挙げられ、より具体的には、例えば、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブが挙げられる。アルキレングリコール又はアルキレングリコールアルキルエーテルのアセテート化合物としては、上述のアルキレングリコール又はアルキレングリコールアルキルエーテルのアセテート化合物であればよく、例えば、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテートが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
カルボン酸エステルとしては、例えば、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル及び酪酸エチルが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
<染料、顔料、その他の成分>
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン若しくはロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニングリーン若しくはフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料あるいはイメージング剤などを(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、アクリル系共重合体、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂等のアルカリ可溶性ポリマー成分を前記(A)成分と共に併用することもできる。
[各成分の含有量]
感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有割合は、その感光性樹脂組成物から形成される感光層を備える永久レジスト用感光性フィルムなどの感光性エレメントの端面からのしみ出しを防止する観点、及び、より優れた光感度、耐熱性及び耐熱衝撃性を得る観点から、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、45〜70質量部であることがより好ましい。
(B)成分の含有割合は、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、10〜70質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましい。この含有割合が10質量部未満では、光感度が不充分となる傾向があり、70質量部を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。
(C)成分の含有割合は、より優れた光感度、耐熱性及び耐熱衝撃性を得る観点から、(A)成分と(B)成分との総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。
(D)及び(E)成分の含有割合は、それぞれ(A)成分に対して、3〜20質量部であることが好ましく、5〜10質量部がより好ましい。3質量部未満では、ガラス転移温度以上の領域における線熱膨張係数が大きくなる傾向があり、20質量部を超えると感光特性が低下(残渣)する傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、良好な現像性及び高い解像度といった優れた感光特性を有し、べとつきの抑制された良好な塗膜を形成できる。これにより、充分に高い耐熱性及び耐熱衝撃性を備えたソルダーレジストを形成でき、しかも、充分に優れた貯蔵安定性を示すドライフィルムを形成できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、リジット配線板、フレキシブル配線板などのプリント配線板及びパッケージ基板などに備えられるソルダーレジストや層間絶縁膜、半導体の表面保護膜等に要求される特性や信頼性を満足することができる。そして、本実施形態の感光性樹脂組成物から得られるソルダーレジストは、耐熱衝撃性に充分優れていることに加えて、それと同様の要因により、耐アルカリ性、はんだ耐熱性、耐電解Ni/Auめっき性、伸び率及び引張強度等の機械的特性、並びに、耐電食性にも優れている。
[永久レジスト用感光性フィルム]
本発明の永久レジスト用感光性フィルムは、支持体層と、前記支持体層上に形成された上記感光性樹脂組成物を用いた感光層とを備えるものである。以下、本発明の永久レジスト用感光性フィルムの好適な実施形態について図1を参照しながら説明する。図1に示す永久レジスト用感光性フィルム1は、支持体層11と、前記支持体層上に形成された上記感光性樹脂組成物を含有する感光層12と、感光層12上に積層された保護フィルム層13とを備えるものである。
感光層12は、上述の感光性樹脂組成物を必要により溶剤(希釈剤)又は混合溶剤(希釈剤)に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体層11上に塗布して形成することが好ましい。感光層の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより希釈剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚みが10μm未満では工業的に塗工(塗布)困難な傾向があり、100μmを超えると、機械的特性等の物理特性及び解像度が低下する傾向にある。
保護フィルム層13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、表面処理した紙等が挙げられる。保護フィルム層13は、感光層12と支持体層11との接着力よりも感光層12と保護フィルム層13との接着力が小さいものであると好ましい。
永久レジスト用感光性フィルム1が備える支持体層11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体層11の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚みが5μm未満では現像前に支持体11を永久レジスト用感光性フィルム1から剥離する際に当前記支持体が破れやすくなる傾向があり、また、100μmを超えると解像度及び可撓性が低下する傾向がある。本実施形態においては、上述したようなポリエステル樹脂を用いて感光層12を形成するので、支持体層11の厚みが従来のものと比較してより厚い場合、例えば25μm超100μm以下の場合であっても、その可撓性及び解像度を維持することができる。
上述したような支持体層11と感光層12と保護フィルム層13との3層からなる永久レジスト用感光性フィルム1は、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルム層13を介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
本実施形態の永久レジスト用感光性フィルムは、常温でベースポリマーと反応してしまう熱硬化剤を含まないため、長時間保存した後でも、塗膜性、硬化物の解像度及び耐熱衝撃性等の諸特性を充分良好に維持することができる充分な貯蔵安定性を示すことができる。また、感光層表面のべとつきが少ないことによって、高解像度かつ高密度のプリント配線板の効率的な生産を可能とする。
[レジストパターンの形成方法]
本発明のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように上記感光性樹脂組成物を用いて感光層を積層し、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記感光層の前記露光部以外の部分を除去することを特徴とする。
一実施形態では、上記感光性樹脂組成物を用いた感光層として、上記永久レジスト用感光性フィルムの感光層を用いる。
感光層の積層方法としては、上記永久レジスト用感光性フィルムにおける感光層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する方法が挙げられる。なお、支持体層上に形成された感光層は、感光性樹脂組成物が溶剤等の揮発成分を含む場合は、一般に、溶剤の大部分が除去された後の成分からなる。また、永久レジスト用感光性フィルムが保護フィルム層を備える場合は、感光層の形成前に保護フィルム層を永久レジスト用感光性フィルムから剥離除去する。
感光層を積層する絶縁基板の表面は、通常導体層の面であるが、その導体層以外の面であってもよい。永久レジスト用感光性フィルムにおける感光層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する場合、感光層の加熱温度は70〜110℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましく、周囲の気圧は4kPa以下とすることがより好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光層を上述のように70〜110℃に加熱すれば、予め絶縁基板及び導体層を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、それらの予熱処理を行うこともできる。
このようにして感光層の積層が完了した後、露光工程において感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成せしめる。露光部の形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。この際、感光層上に存在する支持体層が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができるが、不透明の場合には、支持体層を除去した後に感光層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
露光後、感光層上に支持体層が存在している場合には、支持体層を除去する。その後、ウエット現像等により感光層の露光部以外の部分を現像除去し、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する。ウエット現像の場合は、現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。なお、レジストパターン形成後に、1〜5J/cmの露光又は/及び100〜200℃、30分〜12時間の加熱(後加熱工程)による後硬化をさらに行ってもよい。
現像処理に用いられる現像液は、露光部にダメージを与えず、未露光部を選択的に溶出するものであれば、特に制限はなく、アルカリ現像液が安全かつ安定であり、操作性が良好であるため、好ましく用いられる。アルカリ現像液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4−ホウ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、アミン類等の希アルカリ水溶液、あるいは希アルカリ水溶液と有機溶剤とのエマルジョン現像液を用いることもできる。例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5重量%水溶液)等が用いられる。
本実施形態のレジストパターンの形成方法によって得られるレジストパターンは、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)からなるものであり、回路配線を基板にはんだ付けした後のその回路配線の保護膜としても機能し、半導体パッケージ用の永久マスク(ソルダーレジスト)として有用である。また、半導体素子などの電子部品の層間絶縁膜及び/又は表面保護層として、さらにカバーコート層としても有用である。このレジストパターンは充分に高い耐熱衝撃性を示すほか、引張強度や伸び率等の機械的特性、電気絶縁性、耐湿熱性、耐アルカリ性、耐溶剤性、はんだ耐熱性及び耐電解Ni/Auめっき性にも優れている。
また、上記レジストパターンを、例えばプリント配線板、フレキシブル配線板又は半導体パッケージ基板用のソルダーレジストとして用いる場合は、上述のレジストパターンの形成方法における現像終了後、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm程度の照射量で照射を行うこともできる。また、レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを同時に行うこともでき、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。光照射及び加熱の両方の処理により得られるレジストパターンの場合、上述の効果を一層有効に発揮できる。
さらに、上記レジストパターンを、絶縁基板と、その絶縁基板上に形成された絶縁膜とを備えるパッケージ基板に用いることもできる。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを絶縁膜として用いればよい。このようにしてレジストパターンを備えた基板は、その後、半導体素子などの実装(例えば、ワイヤーボンディング、はんだ接続)がなされ、そして、パソコン等の電子機器へ装着される。
[プリント配線板及びその製造方法]
本発明のプリント配線板は、絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように前記絶縁基板上に形成された上記感光性樹脂組成物の硬化物からなる永久レジスト層とを備えるものである。以下、本発明のプリント配線板の好適な実施形態について図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態のプリント配線板を示す模式断面図である。
図2に示すプリント配線板2は、絶縁基板22と、絶縁基板22の一方面上に形成された回路パターンを有する導体層23と、絶縁基板22の他方面上に形成された回路パターンを有しない導体層21と、回路パターンを有する導体層23を覆うように絶縁基板22上に形成されたソルダーレジスト241とを備えている。また、ソルダーレジスト241は、上記感光性樹脂組成物の硬化物からなり、ソルダーレジスト241は、回路パターンを有する導体層23の少なくとも一部が露出するように開口部26を有している。
プリント配線板2は、開口部26を有しているため、CSPやBGA等の実装部品を、回路パターンを有する導体層23にはんだ等により接合することができ、いわゆる表面実装が可能となる。ソルダーレジスト241は、接合のためのはんだ付けの際に、導体層の不必要な部分にはんだが付着することを防ぐためのソルダーレジストとしての役割を有しており、また、実装部品接合後においては、導体層23を保護するための永久マスクとして機能する。
次に、プリント配線板2の製造方法の一例について、概略的に説明する。図3は、図2に示したプリント配線板2の製造方法について模式的に示す工程図である。なお、図3(a)は一方面に回路パターンを有する導体層23と他方面に回路パターンを有しない導体層21とを備えるプリント配線板用基材3であり、図3(b)、図3(c)及び(d)は、それぞれ絶縁基板22上へ感光層24を積層した後のプリント配線板用基材4、感光層24へ活性光線を照射している様子及び現像後のプリント配線板2を示す。
まず、両面金属張積層板(例えば、両面銅張積層板等)の片面をエッチングする公知の方法等により、図3(a)に示すように絶縁基板22上に導体層23のパターンを形成させ、導体層23が形成されたプリント配線板用基材3を得る。次に、図3(b)に示すように導体層23が形成されたプリント配線板用基材3上に、導体層23を覆うようにして本発明に係る感光性樹脂組成物からなる感光層24を形成し、感光層24が積層されたプリント配線板用基材4を得る。次に、図3(c)に示すように積層された感光層24に所定のパターンを有するフォトマスク5を介して活性光線を照射することにより感光層24の所定部分を硬化させる。最後に、未露光部を除去(例えばアルカリ現像等)することによって、図3(d)に示すように開口部26を有するソルダーレジスト241を形成させることでプリント配線板2を得る。なお、ソルダーレジスト241は、感光性樹脂組成物が有機溶剤等の揮発成分を含有している場合は、かかる揮発成分の大部分が除去された後の感光性樹脂組成物の硬化物である。
なお、絶縁基板22上への感光層24の積層、活性光線の照射及び未露光部の除去は、上述のレジストパターンの形成方法における場合と同様の方法により行うことができる。
このようにして得られたプリント配線板2におけるソルダーレジスト241は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)からなるものであり、充分に高い耐熱衝撃性を示すほか、引張強度や伸び率等の機械的特性、電気絶縁性、耐湿熱性、耐アルカリ性、耐溶剤性、はんだ耐熱性及び耐電解Ni/Auめっき性にも優れている。このソルダーレジスト241は光照射及び加熱の両方の処理により得られるものであると、はんだ耐熱性、耐薬品性等の効果を一層有効に発揮できる。
[表面保護膜及び層間絶縁膜]
本発明の表面保護膜及び層間絶縁膜は、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)からなるものである。一実施形態では、表面保護膜及び層間絶縁膜は本発明のレジストパターンの形成方法によって、半導体素子の表面(表面保護膜)や、多層配線板や半導体パッケージなど層間(層間絶縁膜)に形成することができる。
図4は本発明の感光性樹脂組成物の硬化物を層間絶縁膜として用いた半導体パッケージの一例を示す模式断面図である。図4に示す半導体パッケージ100では、シリコンウェハ(基板)10上にアルミニウム等の金属からなる電極20が設けられている。シリコンウェハ10及び電極20は層間絶縁膜3により覆われているが、電極20上の層間絶縁膜30の一部は除去されており、その部分から電極2に接続された銅等の金属からなる再配線40が引き出されている。また、再配線40には銅等の金属からなるポスト部5が接続されている。そして、層間絶縁膜30、再配線40及びポスト部50は、ポスト部50の一端のみが露出するように封止樹脂60により封止されている。
この半導体パッケージ100において、層間絶縁膜30は上述した本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されている。そのため、層間絶縁膜30は解像度よく厚膜化が達成されており、且つ、充分に高い耐熱性及び耐熱衝撃性、さらに優れた絶縁性も有している。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の永久レジスト用感光性フィルムの別の実施形態において、保護フィルム層13を備えずに、図1における感光層12及び支持体層11のみを備えるものであってもよい。また、本発明のプリント配線板は絶縁基板上又は絶縁基板の両側に導電層及び絶縁層を交互に複数層積層した多層プリント配線板であってもよく、その場合、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物は、導電層間を確実に絶縁するための層間絶縁膜として機能する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に用いるポリイミド前駆体(ポリアミド酸、(A)成分)を以下の方法により調製した。
(合成例1) ポリイミド前駆体((A)成分)の合成(P1)
撹拌機、還流冷却機を備えたフラスコに、充分に乾燥した4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(BAPP)を16.82g、オキシジアニリン(DDE)を2.35g、ジェファーミンD400(三井化学製)2.66g、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を18.18g、ジメチルアセトアミド60gを仕込み、室温で8時間撹拌を行い、ポリイミド前駆体(P1)を得た。得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は65,000であった。
(合成例2) ポリイミド前駆体((A)成分)の合成(P2)
撹拌機、還流冷却機を備えたフラスコに、充分に乾燥した4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(BAPP)を16.52g、オキシジアニリン(DDE)を2.31g、ジェファーミンD400(三井化学製)2.62g、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を18.55g、ジメチルアセトアミド60gを仕込み、室温で8時間撹拌を行い、ポリイミド前駆体(P2)を得た。得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量は75,000であった。
(合成例3) ポリイミド前駆体((A)成分)の合成(P3)
撹拌機、還流冷却機を備えたフラスコに、充分に乾燥した4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(BAPP)を19.34g、オキシジアニリン(DDE)を2.36g、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を18.29g、ジメチルアセトアミド60gを仕込み、室温で8時間撹拌を行い、ポリイミド前駆体(P3)を得た。得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量は70,000であった。
(実施例1〜5)
表1に示す配合成分と配合比(単位:質量部)にしたがって、材料を混合することにより、実施例1〜5の感光性樹脂組成物を得た。
Figure 0005549841

FA−731A:トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
BPE−900:EO(17モル)変性ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製)
FA−321A:EO(10モル)変性ビスフェノールAジアクリレート(日立化成工業株式会社製)
I−819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ製)
TAIC:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)
DA−MGIC:ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業株式会社製)
BMI−4000:ビスフェノールA ジフェニルエーテルビスマレイミド(大和化成工業株式会社製)
(比較例1)
(D)成分を使用しないこと以外は実施例1と同様な方法により、比較例1の感光性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
(D)成分及び(E)成分をブロックイソシアネート(BL−3175(住化バイエルン製))に変更した以外は実施例1と同様な方法により、比較例2の感光性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
(A)成分をメタクリル酸メチル(85重量%)とメタクリル酸(15重量%)の共重合体100重量部(不揮発分50重量%)とし、(B)成分をFA−321M 30重量部のみとした。それ以外は実施例1と同様な方法により、比較例3の感光性樹脂組成物を得た。
(比較例4)
(A)成分をテトラヒドロ無水フタル酸変性フェノール樹脂100重量部(不揮発分50重量%)とし、(B)成分をFA−321M 30重量部のみ、更に熱硬化剤を(D)成分,(E)成分からエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、品番1001)10重量部に変更した以外は実施例1と同様な方法により、比較例4の感光性樹脂組成物を得た。
[光感度の評価]
実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を支持体層である16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:G2−16、帝人社製)上に均一に塗布することにより感光層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光層の乾燥後の膜厚は、25μmであった。続いて、感光層の支持体層と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(商品名:NF−13、タマポリ社製)を保護フィルム層として貼り合わせ、永久レジスト用感光性フィルムを得た。
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基材(商品名:E−679、日立化成工業社製)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このプリント配線板用基板の研磨した銅箔上に連続式真空ラミネータ(商品名:HLM−V570、日立化成工業社製)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4kPa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上記永久レジスト用感光性フィルムを、その感光層と銅箔とが密着するようにポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、評価用積層体を得た。
得られた評価用積層体のPETフィルム上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、前記ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で1時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、さらに80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示した。
[解像度の評価]
上記評価用積層体のPETフィルム上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、評価用積層体を常温で1時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、さらに80℃で10分間加熱(乾燥)した。解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示した。
[塗膜性の評価]
上記評価用積層体に対して露光を行わずに、前記評価用積層体のPETフィルムを剥離し、露出した感光層表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。すなわち、指に対する張り付きが認められない、又は、ほとんど認められないものは「A」とし、指に対する張り付きが認められるものは「B」とした。結果を表2に示した。
[はんだ耐熱性の評価]
上記評価用積層体のPETフィルム上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、ネガとして2mm角の矩形パターンを有するフォトツールとを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、前記ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、前記積層体のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で感光層に対する紫外線照射を行った。さらに感光層を160℃で60分間加熱処理を行うことにより、2mm角の矩形開口部を有するソルダーレジストを形成した評価用パッケージ基板を得た。
次いで、前記評価用パッケージ基板にロジン系フラックス(商品名:MH−820V、タムラ化研社製)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ処理を行った。
このようにしてはんだめっきを施された評価用パッケージ基板上のソルダーレジストのクラック発生状況並びに基板からのソルダーレジストの浮き程度及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのクラックの発生が認められず、ソルダーレジストの浮き及び剥離も認められないものは「A」とし、それらのいずれかが認められるものは「B」とした。結果を表2に示した。
[耐熱衝撃性の評価]
はんだ耐熱性の評価に用いたはんだめっきを施された評価用パッケージ基板を、−55℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の昇温速度で昇温し、次いで125℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の降温速度で降温する熱サイクルを1500回繰り返した。このような環境下に晒した後の評価用パッケージ基板のソルダーレジストのクラック及び剥離程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのクラック及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表2に示した。
[耐電食性の評価]
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基材(商品名:E−679、日立化成工業社製)の銅箔にエッチングを施して、ライン幅/スペース幅が50μm/50μmであり、互いのラインが接触しておらず、互いに対向した同一面上の櫛形電極を得た。この基板の櫛形電極上に連続式真空ラミネータ(商品名:HLM−V570、日立化成工業社製)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4kPa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、上記永久レジスト用感光性フィルムを、その感光層と櫛形電極とが密着するようにポリエチレンフィルムを剥離しつつ積層し、さらに上述と同様の条件で耐電食性評価用積層体を得た。
得られた耐電食性評価用積層体のPETフィルム上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、前記ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、前記耐電食性評価用積層体を常温で1時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーして現像を行い、さらに80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cmのエネルギー量で感光層に対する紫外線照射を行い、さらに160℃で60分間加熱処理を行うことにより、ソルダーレジストを形成した。
加熱後の耐電食性評価用積層体の櫛形電極間に電圧が印加されるように、ポリテトラフルオロエチレン製のシールド線をSn/Pbはんだによりそれらの櫛形電極に接続した後、評価用積層体に5Vの電圧を印可した状態で、前記評価用積層体を130℃、85%RHの超加速高温高湿寿命試験(HAST)槽内に200時間静置した。その後の評価用積層体のソルダーレジストのマイグレーションの発生程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、ソルダーレジストのマイグレーションの発生を確認できなかったものは「A」とし、確認できたものは「B」とした。結果を表2に示した。
[貯蔵安定性の評価]
上述したように実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を用いて得られた永久レジスト用感光性フィルムを大気中、5℃で1ヶ月静置した。次いで、静置後の永久レジスト用感光性フィルムを用いて光感度評価の場合と同様にして評価用積層体を得た。そして、はんだ耐熱性評価におけるものと同様にして、2mm角の矩形開口部を有するソルダーレジストを形成した評価用基板を得た。評価用基板に形成されたソルダーレジストのパターンを実体顕微鏡で観察し、未露光部に樹脂の残存が認められないものを「A」、樹脂の残存が認められるものを「B」とした。結果を表2に示した。
[ガラス転移温度の評価]
上述したように実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を用いて得られた永久レジスト用感光性フィルムを、上記と同様の条件で露光、加熱して感光層を硬化した硬化膜を得た。前記硬化膜のガラス転移温度をTMA(セイコーインスツルメンツ製TMA−1型)を用い引張りモード、昇温速度5℃/分、荷重5gで測定した。結果を表2に示した。
[硬化膜の物性評価]
上述したように実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を用いて得られた永久レジスト用感光性フィルムを、上記と同様の条件で露光、加熱して感光層を硬化した硬化膜を得た。前記硬化膜の1%熱重量減少温度は、熱天秤(セイコーインスツルメンツ製TG−DTA300)で空気雰囲気中昇温速度10℃/分で重量が1%減少した温度を測定した。また、引張強度及び伸び率は膜厚20μm、幅10mm、チャック間長20mmのサンプルをテンシロン引張り試験機(オリエンテック社製UCT−5T型)で試験温度25℃、引張り速度5mm/分の条件で測定した。結果を表2に示した。
Figure 0005549841
1…永久レジスト用感光性フィルム、2…プリント配線板、3、4…プリント配線板用基材、5…フォトマスク、11…支持体層、12、24…感光層、13…保護フィルム層、21…回路パターンを有しない導体層、22…絶縁基板、23…回路パターンを有する導体層、26…開口部、241…ソルダーレジスト、10…シリコンウェハ(基板)、20…電極、30…層間絶縁膜、40…再配線、50…ポスト部、60…封止樹脂、100…半導体パッケージ。

Claims (9)

  1. (A)ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるアルカリ可溶性ポリマー、
    (B)光重合性化合物、
    (C)光重合開始剤、
    (D)アリル基を1分子中に2つ以上有するアリル化合物、及び、
    (E)マレイミド構造を1分子中に2つ以上有するマレイミド化合物を含有してなる感光性樹脂組成物。
  2. (A)成分が、ポリイミド前駆体としてのポリアミド酸であり、その重量平均分子量が1万〜20万である、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. (B)成分及び/又は(D)成分が、イソシアヌレート環を有する化合物を含む、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 支持体層と、請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物から形成された感光層とを備える、永久レジスト用感光性フィルム。
  5. 絶縁基板と前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を用いて感光層を積層し、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記感光層の前記露光部以外の部分を除去することを特徴とする、レジストパターンの形成方法。
  6. 絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板。
  7. 絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板の製造方法であって、前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を用いて感光層を積層し、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記露光部以外の部分を除去することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる、表面保護膜。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる、層間絶縁膜。
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