JP2019028316A - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、プリント配線板および半導体素子 - Google Patents

感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、プリント配線板および半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】特に、金属被覆された基板上での厚い感光膜(例えば、5μm以上)の現像性に優れ、かつ解像性にも優れ現像後のパターン形状が良好な感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有するプリント配線板および半導体素子を提供する。【解決手段】(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)感光剤、(C)チオール化合物、および、(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種を含有する感光性樹脂組成物、これを用いたドライフィルム、硬化物、プリント配線板および半導体素子である。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、プリント配線板および半導体素子に関する。
アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物として、ポリベンゾオキサゾール(以下、「PBO」とも称する)前駆体とナフトキノンジアジド化合物等の光酸発生剤を配合した組成物が用いられている。このような組成物を熱硬化して得られるポリベンゾオキサゾール硬化物は、耐熱性および電気絶縁性に優れることから、電気材料の表面保護膜や層間絶縁膜、例えば、半導体素子のコーティング膜や、フレキシブルプリント配線板材料、耐熱絶縁性層間材などの電子部品への適用が進められている。
ポリベンゾオキサゾールを用いた感光性樹脂組成物については、例えば、特許文献1に、銅被覆ウェハー上における現像後の残留物(以下、「スカム」とも称する)の形成を阻害する目的で、ポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマーに、S原子を含むピリミジン骨格化合物を配合した感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、高感度でパターンの形状や未露光部の残膜率も良好なポジ型の感光性重合体組成物の提供を目的として、所定のポリアミド酸エステル、フェノール性水酸基を有するジアミンとテトラカルボン酸、その無水物又はその誘導体を原料として得られるポリイミド、ジカルボン酸とジヒドロキシジアミンを原料として得られるポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるアルカリ水溶液可溶性の重合体と、o−キノンジアジド化合物とともに、オニウム塩、ジアリール化合物、およびテトラアルキルアンモニウム塩から選ばれる溶解阻害剤を含有させる技術が開示されている。
特許第4759613号公報 特許第3509612号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、ポジ型感光性樹脂組成物を銅被覆ウェハー上に塗布し、焼成し得られた塗膜を露光・現像した際の、現像後のスカムの形成の阻害効果は得られるものの、溶解促進効果も得られるために、未露光部の溶解が速すぎて現像後のパターンの断面形状が丸く細くなってしまい、残膜率も低く、次の銅配線形成工程に悪影響が生ずる場合があった。また、特許文献2に開示された技術によれば、ポジ型感光性樹脂組成物をシリコン基板上に塗布し、乾燥し得られた塗膜を露光・現像した際の、現像後の残膜率は向上できるが、上記得られた塗膜の金属基板上における溶解の阻害効果があるために、露光部の塗膜の除去が十分でなく、金属基板上にスカムが大量に残ってしまう。さらに、可塑剤や架橋剤などを添加することにより、シリコン基板上のパターン形状を制御する技術も知られているが、金属基板上においては良好な効果が得られなかった。
そこで本発明の目的は、特に、金属被覆された基板上での厚い感光膜(例えば、5μm以上)の現像性に優れ、かつ解像性にも優れ現像後のパターン形状が良好な感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有するプリント配線板および半導体素子を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、PBO前駆体に対し、チオール化合物と、尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種と、を配合することによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)感光剤、(C)チオール化合物、および、(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種を含有することを特徴とするものである。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層からなることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板および半導体素子は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、特に、金属被覆された基板上での厚い感光膜(例えば、5μm以上)の現像性に優れ、かつ解像性にも優れ現像後のパターン形状が良好な感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有するプリント配線板および半導体素子を提供することができる。
実施例におけるパターン形状の評価方法に係る説明図である。 実施例4の触針式表面形状測定装置Dektak(ブルカー社製、触針式プロファイリングシステム、以下、「Dektak」とも称する)による断面プロファイルデータである。 比較例1のDektakによる断面プロファイルデータである。 比較例2のDektakによる断面プロファイルデータである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)感光剤、(C)チオール化合物、および、(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種を含有する。感光性PBO前駆体に対し、孤立電子対を有しているため金属と相互作用しやすい(C)チオール化合物と、溶解阻害効果を有する(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種とを、組み合わせて添加したことで、スカムの発生を抑制して、解像性に優れ、特に、金属被覆された基板上での厚い感光膜(例えば、5μm以上)の現像性が良好な感光性樹脂組成物を得ることができた。本発明の感光性樹脂組成物によれば、現像後のラインパターンの断面形状が細く丸くならずに、断面形状がテーパー状(台形状ないし四角形状)の良好なパターン形状が維持できる。
まず、本発明の感光性樹脂組成物が含有する各成分について詳述する。
[(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する。(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を合成する方法は特に限定されず、公知の方法で合成すればよい。例えば、アミン成分としてのジヒドロキシジアミン類と、酸成分としてのジカルボン酸ジクロリド等のジカルボン酸のジハライドとを反応させて得ることができる。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(1)で示される繰り返し構造を有するポリヒドロキシアミド酸であることが好ましい。
(式中、Xは4価の有機基を示し、Yは2価の有機基を示す。nは1以上の整数であり、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜40である。)
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を上記の合成方法で合成する場合、前記一般式(1)中、Xは、前記ジヒドロキシジアミン類の残基であり、Yは、前記ジカルボン酸の残基である。
前記ジヒドロキシジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
前記ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香環を有するジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族系ジカルボン酸が挙げられる。中でも、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルが好ましい。
前記一般式(1)中、Xが示す4価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基がオルト位に芳香環上に位置することがより好ましい。前記4価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記4価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれうる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
前記4価の芳香族基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
前記一般式(1)中、Yが示す2価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、芳香環上で前記一般式(1)中のカルボニルと結合していることがより好ましい。前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記2価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
(式中、Aは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−NHCO
−、−C(CF−、−C(CH−からなる群から選択される2価の基を表す。)
前記2価の有機基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体は、上記のポリヒドロキシアミド酸の繰り返し構造を2種以上含んでいてもよい。また、上記のポリヒドロキシアミド酸の繰り返し構造以外の構造を含んでいてもよく、例えば、ポリアミド酸の繰り返し構造を含んでいてもよい。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の数平均分子量(Mn)は5,000〜100,000であることが好ましく、8,000〜50,000であることがより好ましい。ここで、数平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。また、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の質量平均分子量(Mw)は10,000〜200,000であることが好ましく、16,000〜100,000であることがより好ましい。ここで、質量平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。Mw/Mnは1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の配合量は、組成物固形分全量基準で30〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。
[(B)感光剤]
(B)感光剤としては、特に制限はなく、光酸発生剤や光重合開始剤、光塩基発生剤を用いることができる。光酸発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により酸を発生する化合物であり、光重合開始剤は、同様の光照射によりラジカルなどを発生する化合物であり、光塩基発生剤は、同様の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。本発明においては、(B)感光剤として、光酸発生剤を好適に用いることができる。
光酸発生剤としては、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等を挙げることができる。光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物であることが好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)や、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノールのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF−428,TKF−528)等を使用することができる。
また、光重合開始剤としては、慣用公知のものを用いることができ、例えば、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤などを用いることができる。
前記オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、ADEKA社製のN−1919、NCI−831などが挙げられる。
前記α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられ、市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などを用いることができる。
前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられ、市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアーTPO、IGM Resins社製のOmnirad(オムニラッド)819などを用いることができる。
前記チタノセン系光重合開始剤としては、具体的には、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、3、4、5、6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー784などが挙げられる。
また、光塩基発生剤としては、イオン型光塩基発生剤でもよく、非イオン型光塩基発生剤でもよいが、イオン型光塩基発生剤の方が組成物の感度が高く、パターン膜の形成に有利になるので好ましい。塩基性物質としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、芳香族成分含有カルボン酸と3級アミンとの塩や、和光純薬社製イオン型PBGのWPBG−082、WPBG−167、WPBG−168、WPBG−266、WPBG−300等を用いることができる。
非イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。その他の光塩基発生剤として、WPBG−018(商品名:9−anthrylmethyl N,N’−diethylcarbamate)、WPBG−027(商品名:(E)−1−[3−(2−hydroxyphenyl)−2−propenoyl]piperidine)、WPBG−140 (商品名:1−(anthraquinon−2−yl)ethyl imidazolecarboxylate)、WPBG−165等を使用することもできる。
(B)感光剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)感光剤の配合量は、組成物固形分全量基準で0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
[(C)チオール化合物]
(C)チオール化合物としては、特に限定されず、D,L−ジチオトレイトール、2−メルカプトエタノールの他、以下に示すような化合物等を用いることができる。特にこの中でも、D,L−ジチオトレイトールが好ましい。
(C)チオール化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(C)チオール化合物の配合量は、組成物固形分全量基準で0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。上記範囲とすることで、スカムの発生をより確実に抑制することができる。
[(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種]
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)成分として、(D1)尿素化合物および(D2)メラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種を含有する。尿素化合物およびメラミン系化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
(D1)尿素化合物としては、特に限定されず、例えば、1,3−ジフェニル尿素、1,3−ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]尿素、N,N’−ビス(トリメチルシリル)尿素、1−アセチル−3−メチル尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、アセチル尿素、1−アダマンチルチオ尿素、1−アリル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素、ベンゾイレン尿素、N−ベンゾイルチオ尿素、ベンゾイル尿素、ベンジル尿素、1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)チオ尿素、1,3−ビス(4−クロロフェニル)尿素、1,3−ビス(4−フルオロフェニル)尿素、1,3−(ヒドロキシメチル)尿素、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)尿素、ビ尿素、ブチル尿素、N,N’−ジエチル−N,N’−ジフェニル尿素等を用いることができる。
(D1)尿素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D1)尿素化合物の配合量は、組成物固形分全量基準で0.01〜15質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。上記範囲とすることで、残膜率を向上し、金属基板上での厚い感光膜の現像性を向上して、現像後においてより良好なパターン形状を得ることができる。
また、(C)チオール化合物と(D1)尿素化合物との比率としては、(C)チオール化合物が(D1)尿素化合物の同量以上であることが好ましい。特には、質量基準で、(C)チオール化合物の配合量/(D1)尿素化合物の配合量の比率が1:1〜10:1であることが好ましく、1:1〜5:1であることがより好ましい。(C)チオール化合物と(D1)尿素化合物との比率を上記範囲とすることで、本発明の効果をより良好に得ることができる。
(D2)メラミン系化合物としては、特に限定されず、市販品としては、株式会社 三和ケミカル製のニカラックMW−30HM、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM、ニカラックMX−750LMなどが挙げられる。
(D2)メラミン系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D2)メラミン系化合物の配合量は、組成物固形分全量基準で0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記範囲とする ことで、残膜率を向上し、金属基板上での厚い感光膜の現像性を向上して、現像後においてより良好なパターン形状を得ることができる。
また、(C)チオール化合物と(D2)メラミン系化合物との比率としては、(C)チオール化合物が(D2)メラミン系化合物よりも少ないことが好ましい。特には、質量基準で、(C)チオール化合物の配合量/(D2)メラミン系化合物の配合量の比率が0.01:1〜1未満:1であることが好ましく、0.1:1〜0.8:1であることがより好ましい。(C)チオール化合物と(D2)メラミン系化合物との比率を上記範囲とすることで、本発明の効果をより良好に得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、溶媒を配合することができる。溶媒としては、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)感光剤、(C)チオール化合物、(D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種、および、他の任意の添加剤を溶解させるものであれば、特に限定されない。溶媒の具体例としては、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶媒の量は、塗布膜厚や粘度に応じて、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対し、50〜9000質量部の範囲で用いることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物においては、架橋剤やシランカップリング剤を添加することで、膜の物性や密着性を向上することができ、好ましい。架橋剤およびシランカップリング剤としては、公知のものを適宜選択して用いることができ、特に制限されない。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、光感度を向上させるための公知の増感剤や、基材との接着性向上のための公知の接着助剤などを配合することもできる。
さらにまた、本発明の感光性樹脂組成物には、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、各種着色剤および繊維等を配合してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型であってもネガ型であってもよいが、ポジ型の場合において、より顕著な効果を得ることができ、好ましい。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物を塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有する。本発明のドライフィルムは、樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム(支持フィルム)に本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、前記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にカバーフィルム(保護フィルム)を積層することにより、製造することができる。カバーフィルムとキャリアフィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいて、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
キャリアフィルムとしては、例えば、2〜150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
本発明のドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5〜50μmの範囲がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、その硬化物であるパターン膜は、例えば、ポジ型感光性樹脂組成物の場合、下記のように製造する。
まず、ステップ1として、感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥する、或いはドライフィルムから樹脂層を基材上に転写(ラミネート)することにより塗膜を得る。感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の閉環が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70〜140℃で1〜30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1〜20分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分〜1時間の条件で行うことができる。
基材については、特に制限はなく、シリコンウェハー等の半導体基材、配線基板、各種樹脂や金属などからなる基材に広く適用できる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接、露光する。露光光線は、(B)感光剤としての光酸発生剤を活性化させ、酸を発生させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、適宜増感剤を用いると、光感度を調整することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
続いて、ステップ3として、加熱し、未露光部の(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体の一部を閉環してもよい。ここで、閉環率は、30%程度である。加熱時間および加熱温度は、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、塗布膜厚および(B)感光剤としての光酸発生剤の種類によって、適宜変更する。
次いで、ステップ4として、塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶媒を使用してもよい。
その後、ステップ5として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。このとき、(A)ポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環し、ポリベンゾオキサゾールを得ればよい。加熱温度は、ポリベンゾオキサゾールのパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150〜350℃で5〜120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、200〜300℃である。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
なお、本発明の感光性樹脂組成物がネガ型感光性樹脂組成物の場合、(B)感光剤として、光酸発生剤に代えて光重合開始剤または光塩基発生剤を用いて、上記ステップ4において塗膜を現像液で処理することにより、塗膜中の未露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、ポリベンゾオキサゾールからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(ポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体(PHA)の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパン28.00g(76.5mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド25.00g(83.2mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で5時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した個体を回収後、減圧乾燥してカルボキシル基末端の下記の繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体(PHA)を得た。ポリベンゾオキサゾール前駆体(PHA)の数平均分子量(Mn)は12,900、重量平均分子量(Mw)は29,300、Mw/Mnは2.28であった。
(実施例1〜11、比較例1〜4)
上記ベンゾオキサゾール前駆体(PHA)100質量部に対して、感光剤としてナフトキノンジアジド化合物(DNQ)(三宝化学社製TKF-428)10質量部と、下記表1、表2に記載の添加剤とを配合した後、ベンゾオキサゾール前駆体が30質量%になるようにN−メチルピロリドン(NMP)を加えてワニスとし、実施例1〜11、比較例1〜4の感光性樹脂組成物を調製した。
このようにして調製した実施例1〜11、比較例1〜4の感光性樹脂組成物について、パターン形状、解像性を評価した。評価方法は、以下のとおりである。
(評価用乾燥塗膜の作製方法)
上記感光性樹脂組成物をスピンコーターにて銅被覆ウェハー上に塗布し、ホットプレートで120℃4分乾燥させ、乾燥後の膜厚10μmである感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を得た。
(パターン形状の評価)
得られた乾燥塗膜に対し、高圧水銀ランプを用い、パターンが刻まれたマスクを介して、600mJ/cmのブロード光を照射した。露光後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液にて30秒間現像し、水でリンスし、ポジ型パターンを得た。
得られたポジ型パターンに対して、触針式表面形状測定装置Dektakを用いて、ダイヤモンド製の触針の下で精密な基準表面上のサンプルステージを直線的に移動させることにより、このポジ型パターンの表面形状およびうねりを測定した。この測定結果に基づき得られたポジ型パターンの断面形状を、図1に示す評価基準に基づき評価した。図1の上段は、Dektakによる断面プロファイルデータを示し、下段は、パターンの断面形状の模式的断面図を示す。A:パターンの断面形状の上部が細く丸くなっている場合を×とし、B:現像の際、露光部の塗膜の除去が十分でなく、金属基板上にスカムが大量に残ってしまった場合も×とし、C:パターンの断面形状が綺麗な四角形/テーパー形状である場合を〇とした。
(解像性の評価)
電子顕微鏡(SEM)を用いて、上記評価用乾燥塗膜の作製方法により得られた乾燥塗膜(膜厚10μm)のパターン形状を直接観察して、高露光量でパターンの断面形状が綺麗な四角形/テーパー形状で現像できるラインアンドスペースの寸法(μm)を測定した。
これらの結果を、下記の表中に併せて示す。また、図2〜4に、実施例4および比較例1,2のDektakによる断面プロファイルデータを示す。
*1)ナフトキノンジアジド化合物(三宝化学社製 TKF-428)
*2)TML(下記構造式で示される化合物)
*3)D,L−ジチオトレイトール(下記構造式で示される化合物)
*4)2−メルカプトエタノール(下記構造式で示される化合物)
*5)1,3−ジフェニル尿素(下記構造式で示される化合物)
*6)メラミン系化合物(株式会社三和ケミカル製)
上記表中および図中に示すように、チオール化合物を含むが尿素化合物またはメラミン系化合物を含まない比較例1、3では、高い解像性は得られるものの、残膜率が悪く、パターン形状が丸くなった。また、尿素化合物またはメラミン系化合物を含むがチオール化合物を含まない比較例2、4では、現像性および残膜率が悪く、パターン形状が丸くなっており、スカムが大量に残留した。これに対し、各実施例は、いずれも残膜率が高く、パターン形状も断面四角形状であり、膜厚10μmの厚い感光膜においても高い解像性が得られた。また、実施例2と実施例6、実施例8と実施例11との比較からは、架橋剤を添加することで、解像性が向上することがわかる。

Claims (5)

  1. (A)ポリベンゾオキサゾール前駆体、
    (B)感光剤、
    (C)チオール化合物、および、
    (D)尿素化合物およびメラミン系化合物のうち少なくともいずれか一種を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の感光性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  3. 請求項1記載の感光性樹脂組成物または請求項2記載のドライフィルムの樹脂層からなることを特徴とする硬化物。
  4. 請求項3記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
  5. 請求項3記載の硬化物を有することを特徴とする半導体素子。
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