JP2004138758A - 感光性樹脂組成物及び画像形成材 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い膜厚でも高感度で高解像力のパターンを形成することができる感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(B)光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物において、該組成物がさらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(B)光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物において、該組成物がさらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に輻射線に感応する感光性組成物に関するものであり、更に詳しくは、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成に有用なポジ型およびネガ型レジストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成には、例えば、被加工基板上に感光性レジスト材層を有し、必要に応じてその上に保護層を有する画像形成材のその感光性レジスト材層を、マスクフィルムを通して紫外線照射して露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像してパターンを形成し、このパターン層をマスクとして被加工基板をメッキ加工、エッチング加工等することにより、被加工基板に回路パターンを形成するリソグラフィー法が広く用いられている。特にプリント配線板、半導体パッケージなどの表面実装技術分野においては、高密度実装に対する技術開発が活発に行われており、それに伴って、回路パターンの微細化が求められている。具体的には、10μmレベルの配線パターンのリソグラフィーの技術開発が課題となっており、レジストに対しても10μm以上の解像度が必要とされている。また、生産性の観点からレジストの高感度化も求められている。さらに配線の微細化に伴い電源線の抵抗による電圧降下の問題も顕在化しており、10μm以上の厚さの金属層の形成が可能な膜厚でレジストパターンを形成することが課題となっている。
【0003】
ところで、このような配線の微細加工用レジストとして、高感度化を達成したものとして化学増幅型レジストが知られており、アルカリ可溶性樹脂と光酸発生剤およびメラミン樹脂からなるネガ型感光性樹脂組成物(特許文献1、2参照)、又、酸触媒作用により反応する基を含む樹脂と、光酸発生剤とからなるポジ型感光性組成物(特許文献3、4、5参照)が知らされている。しかしながら、配線幅の微細化が進むと共にこれら従来の技術では、要求される高アスペクト比のレジストパターンを良好な形状で形成することは困難になってきた。一方、化学増幅ネガ型レジストにベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などを添加することにより、感度及びパターン形状の矩形性を改善することが提案されている(特許文献6参照)。しかしながら、これらの技術は半導体の集積回路素子の製造などの用途を目的とした物であり、レジスト膜厚が1μm以下の薄い膜厚のときには効果が得られるが、表面実装用途のようにレジスト膜厚が10μm以上の厚い膜厚に対しては、レジスト形状の劣化の問題があることが判明した。また、これらの公知の組成物を銅のような有機物との吸着性が強い基板上でパターン形成すると、レジスト成分が基板表面上に吸着されて、レジスト膜の現像不良を起こすことが、本発明者の検討の結果明らかとなった。
【0004】
【特許文献1】
特許2985968号公報
【特許文献2】
特開平5−27421号公報
【特許文献3】
特開昭59−45439号公報
【特許文献4】
特開平6−317907号公報
【特許文献5】
特開平9−179302号公報
【特許文献6】
特開2002−202601号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、高感度、高解像力であると共に、10μm以上の膜厚でも良好なパターン形状を得ることが出来、さらに銅のような有機物との吸着性が強い基板上でもレジスト膜の現像不良を起こすことがない感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(B)光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物において、該組成物がさらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光酸発生剤及び(D)メルカプト基を含有する感光性樹脂組成物であるが、より具体的には、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光酸発生剤及び(C)酸により重合する架橋剤からなるネガ型感光性組成物において、さらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むネガ型感光性樹脂組成物、および(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂及び(B)光酸発生剤からなるポジ型感光性組成物において、さらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むポジ型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0008】
本発明におけるネガ型感光性組成物を構成する(A)成分アルカリ可溶性樹脂としては、現像時に未露光部がアルカリ可溶性となり、アルカリ現像液に溶出するものであれば特に限定されない。
該アルカリ可溶性樹脂の例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、キシレノール、ナフトール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、ピロガロール等のヒドロキシ芳香族化合物の単独または2種以上をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類またはアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類の中から選ばれた1種または2種以上で縮重合させたノボラック樹脂、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニルフェノール誘導体、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニルベンゼンスルホン酸誘導体、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニル安息香酸誘導体、マレイミド誘導体、アクリル酸、メタクリル酸等のアルカリ可溶性基を有する重合性モノマーの単独あるいは共重合体、またはこれらアルカリ可溶性基を有する重合性モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0009】
また、該アルカリ可溶性樹脂は、2種以上を混合して用いても良い。
該アルカリ可溶性基を有する重合性モノマーとしては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基等のアルカリ可溶性基を含有する物を挙げることができ、具体的にはo−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、o−ビニルベンゼンスルホン酸、m−ビニルベンゼンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、o−ビニルベンゼンスルホンアミド、m−ビニルベンゼンスルホンアミド、p−ビニルベンゼンスルホンアミド、o−ビニルアニリン、m−ビニルアニリン、p−ビニルアニリン等のアルカリ可溶性基含有スチレン類、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルカリ可溶性基含有脂肪族エチレン類などのモノマーを挙げることができる。
【0010】
これらビニル基含有モノマー類は、通常、単独で又は2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合することにより得られる。又、重合後のアルカリ可溶性樹脂に対し、t−ブトキシカルボニル基などのアルキルカーボネート基、ピラニル基、フラニル基などの環状アセタール基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−プロポキシエチル基などの鎖状アセタール基、メチル基、エチル基、2−アダマンチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、アセチル基などのアルキルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基などでアルカリ可溶性基の一部の基を保護しアルカリ不溶性重合単位とした樹脂でもよい。
【0011】
該アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000、好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。該アルカリ可溶性樹脂の分子量が、上記範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと未露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、レジストのパターンが得られない傾向にある。
(B)光酸発生剤としては、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、例えば、ハロゲン置換アルカン、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等のハロゲン含有化合物類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類、スルホン酸エステル類等が好ましいものとして挙げられ、中で、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体およびスルホン酸エステル類が特に好ましい。
【0012】
ここで、そのハロゲン含有化合物類の中でハロゲン置換アルカンとしては、具体的には、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。
又、そのハロゲン含有化合物類の中でハロメチル化s−トリアジン誘導体としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ヒドロキシカルボニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−(ヒドロキシカルボニルメトキシカルボニルエチル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−(ヒドロキシカルボニルメトキシカルボニルエチル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0013】
又、そのオニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0014】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物等が挙げられる。スルホン酸エステル類としては、o−ニトロベンジルアルコール、2,6−ジニトロベンジルアルコール等のニトロベンジルアルコール類、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、キシレノール、ナフトール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、ピロガロール、ビスフェノールA、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン等のヒドロキシ芳香族化合物類、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド類等のヒドロキシ基をメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、α―ナフタレンスルホン酸、β―ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類でエステル化した化合物等が挙げられる。
(C)本発明のネガ型感光性組成物の第3成分である、酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂に作用する架橋剤としては、用いるアルカリ可溶性樹脂と架橋反応する化合物であれば特に限定されないが、例として、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリルもしくは尿素にホルマリンを作用させた化合物またはそれらのアルキル変性化合物、エポキシ化合物、レゾール化合物等が挙げられる。
【0015】
具体的には、三井サイアナミド社のサイメル(登録商標)300,301,303,350,736,738,370,771,325,327,703,701,266,267,285,232,235,238,1141,272,254,202,1156,1158,三和ケミカル社のニカラック(登録商標)E−2151,MW−100LM,MX−750LMを、メラミンにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
【0016】
また、サイメル(登録商標)1123,1125,1128は、ベンゾグアナミンにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
サイメル(登録商標)1170,1171,1174,1172,ニカラック(登録商標)MX−270は、グリコールウリルにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
尿素にホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例としては、三井サイアナミド社のUFR(登録商標)65,300,ニカラック(登録商標)MX−290を挙げることができる。
【0017】
エポキシ化合物の例としては、ノボラックエポキシ樹脂(東都化成社製、YDP N−638,701,702,703,704等)、アミンエポキシ樹脂(東都化成社製、YH−434等)、ビスフェノールAエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート825,826,827,828,1001,1002,1003,1055,1004,1007,1009,1010等)、ソルビトール(ポリ)グリシジルエーテル、(ポリ)グリセロール(ポリ)グリシジルエーテル、ペンタエリスリトール(ポリ)グリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、ラウリルアルコールグリシジルエーテル、アジピン酸グリシジルエーテル、フタル酸グリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルフタルイミド、(ポリ)エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0018】
この中で特に好ましい化合物として、分子中に−N(CH2 OR)2 基(式中、Rはアルキル基または水素原子を示す)を有する化合物が挙げられる。詳しくは、尿素あるいはメラミンに、ホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物が特に好ましい。
メルカプト基を含有する化合物(D)としては、通常、常温、常圧で固体または液体で分子中にメルカプト基を1個以上有する化合物を用いることが出来るが、具体的には、プロパンチオール、1−ブタンチオール、1,4−ブタンジチオール、1−ペンタンチオール、1−デカンチオール、1−メルカプト−2−プロパノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2−メルカプトエチルエーテル、3−(トリメトキシシリル)プロパンチオール、8−メルカプトメントン、2−メルカプトエチルスルフィドなどの置換または未置換の脂肪族チオール類;3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸などのメルカプト基含有カルボン酸類;チオフェノール、α−ナフタレンチオール、β−ナフタレンチオール、4−ニトロチオフェノール、2−クロロチオフェノール、3−クロロチオフェノール、4−クロロチオフェノール、4−クロロ−1,3−ベンゼンチオール、4−メルカプトフェノール、2−メルカプトベンジルアルコール、2−アミノベンゼンチオール、4−アセトアミドチオフェノール等の置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類;2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾールー3−チオール、2−メルカプトニコチン酸、6−メルカプトニコチン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−ニトロベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、6−メルカプトプリン、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾールなどの置換または未置換の複素芳香族チオール類などを挙げることができる。これらの中で、好ましくは置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類、置換または未置換の複素芳香族チオール類であり、さらに好ましくは、置換または未置換の複素芳香族チオール類である。
【0019】
また、本発明のネガ型感光性組成物においては、露光時の感度を上げる目的で露光波長に吸収を有する増感剤を添加しても良い。
本発明のネガ型感光性組成物においては、アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、架橋剤(C)を通常1〜80重量部、好ましくは5〜60重量部、光酸発生剤(B)を通常0.001〜30重量部、好ましくは0.005〜10重量部、メルカプト基含有化合物(D)を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の割合で用いられる。又、架橋剤(C)に対する光酸発生剤(B)の割合は、架橋剤(C)100重量部に対して0.001〜50重量部が好ましい。架橋剤(C)に対するメルカプト基含有化合物(D)の割合は、架橋剤(C)100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましい。増感剤を使用する場合、増感剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し0.1〜30重量部程度、好ましくは0.5〜20重量部である。又、増感剤の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましい。
【0020】
架橋剤の量が上記の範囲よりも少ないと、十分な架橋効果が得られずレジストパターンが不良となる傾向があり、一方、架橋剤の量がこの範囲よりも多いと、レジストの塗布特性が悪くなる傾向がある。又、光酸発生剤の量が、上記範囲よりも少ないと感度が低くなる傾向があり、実用的でない。光酸発生剤の量が上記範囲よりも多いと、光酸発生剤によるレジスト膜の透明性の低下により、レジストパターンが逆台形になり解像力の低下を引き起こす傾向がある。またメルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも少ないと、銅のような有機物との吸着性が強い基板上でのレジスト膜の現像不良を改善するという本発明の効果が十分に得られず、メルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも多いとアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、残膜率が低下する傾向がある。
【0021】
又、本発明のポジ型感光性組成物は、(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂、(B)光酸発生剤及び(D)メルカプト基を含有する化合物を含有する。
本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、(B)成分の光酸発生剤が生成する酸によって分解し、樹脂自体にアルカリ可溶性を付与するような酸分解性基を含有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。
【0022】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等、少なくとも末端にアルコキシ基を有する基が挙げられる。
【0023】
尚、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂としては、前述のネガ型感光性組成物における(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性基の少なくとも一部をエーテル化或いはエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられる。
又、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂として、例えば、カルボキシル基含有ビニル系樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部をエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂も好ましいものとして挙げることができる。そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、ポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。
これらの酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜100,000のものが好ましく、1,500〜30,000のものが特に好ましい。該酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂の分子量が、上記範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと未露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、レジストのパターンが得られない傾向にある。
【0025】
又、本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(B)成分の光酸発生剤は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、前記ネガ型感光性組成物における光酸発生剤と同じものを用いることが出来る。中で、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体及びスルホン酸エステル類が特に好ましい。
【0026】
本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(D)成分のメルカプト基含有化合物は、前記ネガ型感光性組成物と同様の物を用いることが出来、好ましくは置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類、置換または未置換の複素芳香族チオール類であり、さらに好ましくは、置換または未置換の複素芳香族チオール類である。
【0027】
また、本発明のポジ型感光性組成物においては、露光時の感度を上げる目的で露光波長に吸収を有する増感剤を添加しても良い。
本発明のポジ型感光性組成物においては、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂(E)100重量部に対して、光酸発生剤(B)を通常0.001〜30重量部、好ましくは0.005〜10重量部、メルカプト基含有化合物(D)を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の割合で用いられる。増感剤を使用する場合、増感剤の含有量は、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂(E)100重量部に対し0.1〜30重量部程度、好ましくは0.5〜20重量部である。又、メルカプト基含有化合物(D)の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、増感剤の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましい。
【0028】
光酸発生剤の量が、上記範囲よりも少ないと感度が低くなる傾向があり、実用的でない。光酸発生剤の量が上記範囲よりも多いと、光酸発生剤によるレジスト膜の透明性の低下により、レジストパターンが逆台形になり解像力の低下を引き起こす傾向がある。またメルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも少ないと、銅のような有機物との吸着性が強い基板上でのレジスト膜の現像不良を改善するという本発明の効果が十分に得られず、メルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも多いとアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、残膜率が低下する傾向がある。
【0029】
なお、本発明の感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば染料、顔料、塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤等を含有することも可能である。
本発明の感光性組成物は、通常溶媒に溶解して使用されるが、溶媒としては樹脂、架橋剤光酸発生剤及びメルカプト基含有化合物に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はなく、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、2−メチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、メチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらには芳香族炭化水素を添加した混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物中の固形分の総量に対し、重量比として1〜20倍の範囲であることが好ましい。
【0030】
前記感光性組成物は通常、導電性被加工基板上に感光層を形成し、画像形成材を得る工程、該感光層を放射線により露光する工程、アルカリ現像液で現像する工程を経ることによって画像形成される。次いで得られたレジストパターン層をマスクとしてエッチング加工、メッキ加工等することにより、その表面に回路パターンが形成される。
【0031】
導電性被加工基板は銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板;エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板;シリコンウエハ上に電子回路素子及び、または絶縁層が形成された上に銅、アルミニウム、金などの金属層が形成されたウエハ;ガラス基板の上にITO膜が形成された基板などが用いられる。これらのうち好ましくは金属張積層板およびウエハが用いられる。
【0032】
被加工基板上に形成される感光層は、通常その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。その際の塗布量は、乾燥膜厚として、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜70μmの範囲である。さらに好ましくは5〜70μmの範囲である。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。
【0033】
露光には、例えば低圧水銀灯を光源とする254nmの光や高圧水銀灯の366nm、436nmの光、エキシマーレーザー等を光源とする157nm、193nm、222nm、249nmの光、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光を用いることが出来る。露光の際の光は単色光でなくブロードであってもよい。特に、波長域390〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー等が挙げられる。
【0034】
露光後加熱(PEB)の条件はホットプレートまたはオーブンをもちい、90〜140℃、1分〜30分程度の条件が好適に使用される。ホットプレートの代わりにオーブンを用いた場合は通常ホットプレートを使用した場合より長い時間が必要とされる。
そして、現像液には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン類、トリエチルアミン、トリメチルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロキシド等の第4級アンモニウム塩の水溶液よりなるアルカリ現像液が好適に使用される。現像液には必要に応じて、アルコール、界面活性剤等を添加して使用することもある。
【0035】
尚、現像は、通常、前記現像液に感光層を浸漬するか、感光層に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリ−p−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量5,000)100重量部、ヘキサメトキシメチルメラミン50重量部、下記構造式(I)で表される化合物1重量部、2−メルカプトベンゾチアゾール10重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を表面に厚さ500nmの銅スパッタ膜を形成したシリコン基板上に10μmの膜厚となるようにスピンコートし、オーブンで90℃、10分間乾燥した。
【0037】
得られたネガ型感光性レジスト層について、中心波長405nm、レーザー出力5mWの日亜化学工業製レーザー光源(NLHV500C)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光を行った。露光後、100℃で10分間オーブン中での後加熱処理を施した後、現像液として水酸化カリウム1重量%水溶液を用いて20℃で90秒間現像を行った。レジストの線幅がレーザービームの走査幅通りに形成されるために必要な露光量を感度とし、その時に解像する最少パターン寸法を解像度とした。またレジストパターンの倒れの有無を以て基板に対する密着性を評価した。結果を表−2に示す。
【0038】
【化1】
【0039】
[実施例2〜11]
表−1に示すネガ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様にして画像形成した。結果を表−2に示す。
[実施例12]
下記構造式(II)で示される樹脂(重量平均分子量15,000)100重量部、構造式(I)で表される化合物5重量部及び2−メルカプトベンゾチアゾール0.5重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。結果を表−2に示す。
【0040】
【化2】
【0041】
[比較例1]
ポリ−p−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量5,000)100重量部、ヘキサメトキシメチルメラミン50重量部、構造式(I)で表される化合物1重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。その結果、未露光部分のレジスト膜が全く現像されず画像が形成されなかった。
[比較例2]
2−メルカプトベンゾチアゾールの代わりに、ベンゾチアゾール0.5重量部を加えた以外は、実施例1と全く同様にして感光性組成物溶液を調製し、画像形成を行った。その結果、未露光部分のレジスト膜が全く現像されず画像が形成されなかった。
[比較例3]
構造式(II)で示される樹脂(重量平均分子量15,000)100重量部、構造式(I)で表される化合物5重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。その結果、レジスト膜の未露光部が溶解せず画像が形成されなかった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物によれば、高い膜厚でも高感度で高解像力のパターンを形成することができ、高膜厚のレジストが要求される分野に於いて特に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に輻射線に感応する感光性組成物に関するものであり、更に詳しくは、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成に有用なポジ型およびネガ型レジストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成には、例えば、被加工基板上に感光性レジスト材層を有し、必要に応じてその上に保護層を有する画像形成材のその感光性レジスト材層を、マスクフィルムを通して紫外線照射して露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像してパターンを形成し、このパターン層をマスクとして被加工基板をメッキ加工、エッチング加工等することにより、被加工基板に回路パターンを形成するリソグラフィー法が広く用いられている。特にプリント配線板、半導体パッケージなどの表面実装技術分野においては、高密度実装に対する技術開発が活発に行われており、それに伴って、回路パターンの微細化が求められている。具体的には、10μmレベルの配線パターンのリソグラフィーの技術開発が課題となっており、レジストに対しても10μm以上の解像度が必要とされている。また、生産性の観点からレジストの高感度化も求められている。さらに配線の微細化に伴い電源線の抵抗による電圧降下の問題も顕在化しており、10μm以上の厚さの金属層の形成が可能な膜厚でレジストパターンを形成することが課題となっている。
【0003】
ところで、このような配線の微細加工用レジストとして、高感度化を達成したものとして化学増幅型レジストが知られており、アルカリ可溶性樹脂と光酸発生剤およびメラミン樹脂からなるネガ型感光性樹脂組成物(特許文献1、2参照)、又、酸触媒作用により反応する基を含む樹脂と、光酸発生剤とからなるポジ型感光性組成物(特許文献3、4、5参照)が知らされている。しかしながら、配線幅の微細化が進むと共にこれら従来の技術では、要求される高アスペクト比のレジストパターンを良好な形状で形成することは困難になってきた。一方、化学増幅ネガ型レジストにベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などを添加することにより、感度及びパターン形状の矩形性を改善することが提案されている(特許文献6参照)。しかしながら、これらの技術は半導体の集積回路素子の製造などの用途を目的とした物であり、レジスト膜厚が1μm以下の薄い膜厚のときには効果が得られるが、表面実装用途のようにレジスト膜厚が10μm以上の厚い膜厚に対しては、レジスト形状の劣化の問題があることが判明した。また、これらの公知の組成物を銅のような有機物との吸着性が強い基板上でパターン形成すると、レジスト成分が基板表面上に吸着されて、レジスト膜の現像不良を起こすことが、本発明者の検討の結果明らかとなった。
【0004】
【特許文献1】
特許2985968号公報
【特許文献2】
特開平5−27421号公報
【特許文献3】
特開昭59−45439号公報
【特許文献4】
特開平6−317907号公報
【特許文献5】
特開平9−179302号公報
【特許文献6】
特開2002−202601号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、高感度、高解像力であると共に、10μm以上の膜厚でも良好なパターン形状を得ることが出来、さらに銅のような有機物との吸着性が強い基板上でもレジスト膜の現像不良を起こすことがない感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(B)光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物において、該組成物がさらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光酸発生剤及び(D)メルカプト基を含有する感光性樹脂組成物であるが、より具体的には、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光酸発生剤及び(C)酸により重合する架橋剤からなるネガ型感光性組成物において、さらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むネガ型感光性樹脂組成物、および(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂及び(B)光酸発生剤からなるポジ型感光性組成物において、さらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むポジ型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0008】
本発明におけるネガ型感光性組成物を構成する(A)成分アルカリ可溶性樹脂としては、現像時に未露光部がアルカリ可溶性となり、アルカリ現像液に溶出するものであれば特に限定されない。
該アルカリ可溶性樹脂の例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、キシレノール、ナフトール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、ピロガロール等のヒドロキシ芳香族化合物の単独または2種以上をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類またはアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類の中から選ばれた1種または2種以上で縮重合させたノボラック樹脂、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニルフェノール誘導体、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニルベンゼンスルホン酸誘導体、低級アルキル基等の置換基を有していてもよいビニル安息香酸誘導体、マレイミド誘導体、アクリル酸、メタクリル酸等のアルカリ可溶性基を有する重合性モノマーの単独あるいは共重合体、またはこれらアルカリ可溶性基を有する重合性モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0009】
また、該アルカリ可溶性樹脂は、2種以上を混合して用いても良い。
該アルカリ可溶性基を有する重合性モノマーとしては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基等のアルカリ可溶性基を含有する物を挙げることができ、具体的にはo−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、o−ビニルベンゼンスルホン酸、m−ビニルベンゼンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、o−ビニルベンゼンスルホンアミド、m−ビニルベンゼンスルホンアミド、p−ビニルベンゼンスルホンアミド、o−ビニルアニリン、m−ビニルアニリン、p−ビニルアニリン等のアルカリ可溶性基含有スチレン類、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルカリ可溶性基含有脂肪族エチレン類などのモノマーを挙げることができる。
【0010】
これらビニル基含有モノマー類は、通常、単独で又は2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合することにより得られる。又、重合後のアルカリ可溶性樹脂に対し、t−ブトキシカルボニル基などのアルキルカーボネート基、ピラニル基、フラニル基などの環状アセタール基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−プロポキシエチル基などの鎖状アセタール基、メチル基、エチル基、2−アダマンチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、アセチル基などのアルキルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基などでアルカリ可溶性基の一部の基を保護しアルカリ不溶性重合単位とした樹脂でもよい。
【0011】
該アルカリ可溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000、好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。該アルカリ可溶性樹脂の分子量が、上記範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと未露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、レジストのパターンが得られない傾向にある。
(B)光酸発生剤としては、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、例えば、ハロゲン置換アルカン、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等のハロゲン含有化合物類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類、スルホン酸エステル類等が好ましいものとして挙げられ、中で、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体およびスルホン酸エステル類が特に好ましい。
【0012】
ここで、そのハロゲン含有化合物類の中でハロゲン置換アルカンとしては、具体的には、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。
又、そのハロゲン含有化合物類の中でハロメチル化s−トリアジン誘導体としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ヒドロキシカルボニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−(ヒドロキシカルボニルメトキシカルボニルエチル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−(ヒドロキシカルボニルメトキシカルボニルエチル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0013】
又、そのオニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0014】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物等が挙げられる。スルホン酸エステル類としては、o−ニトロベンジルアルコール、2,6−ジニトロベンジルアルコール等のニトロベンジルアルコール類、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、t−ブチルフェノール、キシレノール、ナフトール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、ピロガロール、ビスフェノールA、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン等のヒドロキシ芳香族化合物類、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド類等のヒドロキシ基をメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、α―ナフタレンスルホン酸、β―ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類でエステル化した化合物等が挙げられる。
(C)本発明のネガ型感光性組成物の第3成分である、酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂に作用する架橋剤としては、用いるアルカリ可溶性樹脂と架橋反応する化合物であれば特に限定されないが、例として、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリルもしくは尿素にホルマリンを作用させた化合物またはそれらのアルキル変性化合物、エポキシ化合物、レゾール化合物等が挙げられる。
【0015】
具体的には、三井サイアナミド社のサイメル(登録商標)300,301,303,350,736,738,370,771,325,327,703,701,266,267,285,232,235,238,1141,272,254,202,1156,1158,三和ケミカル社のニカラック(登録商標)E−2151,MW−100LM,MX−750LMを、メラミンにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
【0016】
また、サイメル(登録商標)1123,1125,1128は、ベンゾグアナミンにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
サイメル(登録商標)1170,1171,1174,1172,ニカラック(登録商標)MX−270は、グリコールウリルにホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例として挙げることができる。
尿素にホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物の例としては、三井サイアナミド社のUFR(登録商標)65,300,ニカラック(登録商標)MX−290を挙げることができる。
【0017】
エポキシ化合物の例としては、ノボラックエポキシ樹脂(東都化成社製、YDP N−638,701,702,703,704等)、アミンエポキシ樹脂(東都化成社製、YH−434等)、ビスフェノールAエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート825,826,827,828,1001,1002,1003,1055,1004,1007,1009,1010等)、ソルビトール(ポリ)グリシジルエーテル、(ポリ)グリセロール(ポリ)グリシジルエーテル、ペンタエリスリトール(ポリ)グリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、ラウリルアルコールグリシジルエーテル、アジピン酸グリシジルエーテル、フタル酸グリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルフタルイミド、(ポリ)エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0018】
この中で特に好ましい化合物として、分子中に−N(CH2 OR)2 基(式中、Rはアルキル基または水素原子を示す)を有する化合物が挙げられる。詳しくは、尿素あるいはメラミンに、ホルマリンを作用させた化合物またはそのアルキル変性物が特に好ましい。
メルカプト基を含有する化合物(D)としては、通常、常温、常圧で固体または液体で分子中にメルカプト基を1個以上有する化合物を用いることが出来るが、具体的には、プロパンチオール、1−ブタンチオール、1,4−ブタンジチオール、1−ペンタンチオール、1−デカンチオール、1−メルカプト−2−プロパノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2−メルカプトエチルエーテル、3−(トリメトキシシリル)プロパンチオール、8−メルカプトメントン、2−メルカプトエチルスルフィドなどの置換または未置換の脂肪族チオール類;3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸などのメルカプト基含有カルボン酸類;チオフェノール、α−ナフタレンチオール、β−ナフタレンチオール、4−ニトロチオフェノール、2−クロロチオフェノール、3−クロロチオフェノール、4−クロロチオフェノール、4−クロロ−1,3−ベンゼンチオール、4−メルカプトフェノール、2−メルカプトベンジルアルコール、2−アミノベンゼンチオール、4−アセトアミドチオフェノール等の置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類;2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾールー3−チオール、2−メルカプトニコチン酸、6−メルカプトニコチン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−ニトロベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、6−メルカプトプリン、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾールなどの置換または未置換の複素芳香族チオール類などを挙げることができる。これらの中で、好ましくは置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類、置換または未置換の複素芳香族チオール類であり、さらに好ましくは、置換または未置換の複素芳香族チオール類である。
【0019】
また、本発明のネガ型感光性組成物においては、露光時の感度を上げる目的で露光波長に吸収を有する増感剤を添加しても良い。
本発明のネガ型感光性組成物においては、アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、架橋剤(C)を通常1〜80重量部、好ましくは5〜60重量部、光酸発生剤(B)を通常0.001〜30重量部、好ましくは0.005〜10重量部、メルカプト基含有化合物(D)を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の割合で用いられる。又、架橋剤(C)に対する光酸発生剤(B)の割合は、架橋剤(C)100重量部に対して0.001〜50重量部が好ましい。架橋剤(C)に対するメルカプト基含有化合物(D)の割合は、架橋剤(C)100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましい。増感剤を使用する場合、増感剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し0.1〜30重量部程度、好ましくは0.5〜20重量部である。又、増感剤の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましい。
【0020】
架橋剤の量が上記の範囲よりも少ないと、十分な架橋効果が得られずレジストパターンが不良となる傾向があり、一方、架橋剤の量がこの範囲よりも多いと、レジストの塗布特性が悪くなる傾向がある。又、光酸発生剤の量が、上記範囲よりも少ないと感度が低くなる傾向があり、実用的でない。光酸発生剤の量が上記範囲よりも多いと、光酸発生剤によるレジスト膜の透明性の低下により、レジストパターンが逆台形になり解像力の低下を引き起こす傾向がある。またメルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも少ないと、銅のような有機物との吸着性が強い基板上でのレジスト膜の現像不良を改善するという本発明の効果が十分に得られず、メルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも多いとアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、残膜率が低下する傾向がある。
【0021】
又、本発明のポジ型感光性組成物は、(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂、(B)光酸発生剤及び(D)メルカプト基を含有する化合物を含有する。
本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、(B)成分の光酸発生剤が生成する酸によって分解し、樹脂自体にアルカリ可溶性を付与するような酸分解性基を含有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。
【0022】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等、少なくとも末端にアルコキシ基を有する基が挙げられる。
【0023】
尚、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂としては、前述のネガ型感光性組成物における(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性基の少なくとも一部をエーテル化或いはエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられる。
又、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂として、例えば、カルボキシル基含有ビニル系樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部をエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂も好ましいものとして挙げることができる。そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、ポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。
これらの酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜100,000のものが好ましく、1,500〜30,000のものが特に好ましい。該酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂の分子量が、上記範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、この範囲よりも大きいと未露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、レジストのパターンが得られない傾向にある。
【0025】
又、本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(B)成分の光酸発生剤は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、前記ネガ型感光性組成物における光酸発生剤と同じものを用いることが出来る。中で、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体及びスルホン酸エステル類が特に好ましい。
【0026】
本発明におけるポジ型感光性組成物を構成する(D)成分のメルカプト基含有化合物は、前記ネガ型感光性組成物と同様の物を用いることが出来、好ましくは置換または未置換の芳香族炭化水素チオール類、置換または未置換の複素芳香族チオール類であり、さらに好ましくは、置換または未置換の複素芳香族チオール類である。
【0027】
また、本発明のポジ型感光性組成物においては、露光時の感度を上げる目的で露光波長に吸収を有する増感剤を添加しても良い。
本発明のポジ型感光性組成物においては、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂(E)100重量部に対して、光酸発生剤(B)を通常0.001〜30重量部、好ましくは0.005〜10重量部、メルカプト基含有化合物(D)を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の割合で用いられる。増感剤を使用する場合、増感剤の含有量は、酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂(E)100重量部に対し0.1〜30重量部程度、好ましくは0.5〜20重量部である。又、メルカプト基含有化合物(D)の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、増感剤の光酸発生剤(B)に対する割合は、光酸発生剤(B)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましい。
【0028】
光酸発生剤の量が、上記範囲よりも少ないと感度が低くなる傾向があり、実用的でない。光酸発生剤の量が上記範囲よりも多いと、光酸発生剤によるレジスト膜の透明性の低下により、レジストパターンが逆台形になり解像力の低下を引き起こす傾向がある。またメルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも少ないと、銅のような有機物との吸着性が強い基板上でのレジスト膜の現像不良を改善するという本発明の効果が十分に得られず、メルカプト基含有化合物の量が上記範囲よりも多いとアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、残膜率が低下する傾向がある。
【0029】
なお、本発明の感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば染料、顔料、塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤等を含有することも可能である。
本発明の感光性組成物は、通常溶媒に溶解して使用されるが、溶媒としては樹脂、架橋剤光酸発生剤及びメルカプト基含有化合物に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はなく、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、2−メチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、メチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらには芳香族炭化水素を添加した混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物中の固形分の総量に対し、重量比として1〜20倍の範囲であることが好ましい。
【0030】
前記感光性組成物は通常、導電性被加工基板上に感光層を形成し、画像形成材を得る工程、該感光層を放射線により露光する工程、アルカリ現像液で現像する工程を経ることによって画像形成される。次いで得られたレジストパターン層をマスクとしてエッチング加工、メッキ加工等することにより、その表面に回路パターンが形成される。
【0031】
導電性被加工基板は銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板;エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板;シリコンウエハ上に電子回路素子及び、または絶縁層が形成された上に銅、アルミニウム、金などの金属層が形成されたウエハ;ガラス基板の上にITO膜が形成された基板などが用いられる。これらのうち好ましくは金属張積層板およびウエハが用いられる。
【0032】
被加工基板上に形成される感光層は、通常その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。その際の塗布量は、乾燥膜厚として、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜70μmの範囲である。さらに好ましくは5〜70μmの範囲である。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。
【0033】
露光には、例えば低圧水銀灯を光源とする254nmの光や高圧水銀灯の366nm、436nmの光、エキシマーレーザー等を光源とする157nm、193nm、222nm、249nmの光、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光を用いることが出来る。露光の際の光は単色光でなくブロードであってもよい。特に、波長域390〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー等が挙げられる。
【0034】
露光後加熱(PEB)の条件はホットプレートまたはオーブンをもちい、90〜140℃、1分〜30分程度の条件が好適に使用される。ホットプレートの代わりにオーブンを用いた場合は通常ホットプレートを使用した場合より長い時間が必要とされる。
そして、現像液には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン類、トリエチルアミン、トリメチルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロキシド等の第4級アンモニウム塩の水溶液よりなるアルカリ現像液が好適に使用される。現像液には必要に応じて、アルコール、界面活性剤等を添加して使用することもある。
【0035】
尚、現像は、通常、前記現像液に感光層を浸漬するか、感光層に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリ−p−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量5,000)100重量部、ヘキサメトキシメチルメラミン50重量部、下記構造式(I)で表される化合物1重量部、2−メルカプトベンゾチアゾール10重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を表面に厚さ500nmの銅スパッタ膜を形成したシリコン基板上に10μmの膜厚となるようにスピンコートし、オーブンで90℃、10分間乾燥した。
【0037】
得られたネガ型感光性レジスト層について、中心波長405nm、レーザー出力5mWの日亜化学工業製レーザー光源(NLHV500C)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光を行った。露光後、100℃で10分間オーブン中での後加熱処理を施した後、現像液として水酸化カリウム1重量%水溶液を用いて20℃で90秒間現像を行った。レジストの線幅がレーザービームの走査幅通りに形成されるために必要な露光量を感度とし、その時に解像する最少パターン寸法を解像度とした。またレジストパターンの倒れの有無を以て基板に対する密着性を評価した。結果を表−2に示す。
【0038】
【化1】
【0039】
[実施例2〜11]
表−1に示すネガ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様にして画像形成した。結果を表−2に示す。
[実施例12]
下記構造式(II)で示される樹脂(重量平均分子量15,000)100重量部、構造式(I)で表される化合物5重量部及び2−メルカプトベンゾチアゾール0.5重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。結果を表−2に示す。
【0040】
【化2】
【0041】
[比較例1]
ポリ−p−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量5,000)100重量部、ヘキサメトキシメチルメラミン50重量部、構造式(I)で表される化合物1重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。その結果、未露光部分のレジスト膜が全く現像されず画像が形成されなかった。
[比較例2]
2−メルカプトベンゾチアゾールの代わりに、ベンゾチアゾール0.5重量部を加えた以外は、実施例1と全く同様にして感光性組成物溶液を調製し、画像形成を行った。その結果、未露光部分のレジスト膜が全く現像されず画像が形成されなかった。
[比較例3]
構造式(II)で示される樹脂(重量平均分子量15,000)100重量部、構造式(I)で表される化合物5重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート420重量部に溶解し、感光性組成物溶液とした。得られた感光性組成物溶液を実施例1と同様にして画像形成を行った。その結果、レジスト膜の未露光部が溶解せず画像が形成されなかった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物によれば、高い膜厚でも高感度で高解像力のパターンを形成することができ、高膜厚のレジストが要求される分野に於いて特に有用である。
Claims (4)
- (B)光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物において、該組成物がさらに(D)メルカプト基を含有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- (A)アルカリ可溶性樹脂、及び(C)酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂に作用する架橋剤を含むネガ型感光性組成物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (E)酸の作用により分解しアルカリ可溶となる基を含有する樹脂を含むポジ型感光性組成物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 導電性被加工基板上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる層を有する画像形成材。
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